JP2016176275A - サンドコンパクションパイル用材料、サンドコンパクションパイルおよびサンドコンパクションパイルの造成方法 - Google Patents

サンドコンパクションパイル用材料、サンドコンパクションパイルおよびサンドコンパクションパイルの造成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】周辺地盤を締め固める効果を維持しつつ、周辺環境への悪影響を抑えることができるサンドコンパクションパイル用材料、サンドコンパクションパイルおよびサンドコンパクションパイルの造成方法を提供する。【解決手段】本発明に係るサンドコンパクションパイル用材料は、サンドコンパクションパイル工法により地中に造成されるサンドコンパクションパイル用の材料であって、粒径が5mm以上、40mm以下の鉄鋼スラグまたは再生コンクリートからなる。本発明に係るサンドコンパクションパイル10は、サンドコンパクションパイル工法により地中に造成されるサンドコンパクションパイル10であって、2層またはそれ以上に上下に積層した粒子状の材料で構成され、下層を製鋼スラグで構成するとともに、上層を前記サンドコンパクションパイル用材料で構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、陸上の緩い砂地盤の液状化対策として、あるいは海上の軟弱粘土地盤を改良するために適用されるサンドコンパクションパイル工法に使用されるサンドコンパクションパイル用材料、およびそれらを用いたサンドコンパクションパイルならびにそのサンドコンパクションパイルの造成方法に関するものである。
従来の地盤改良工法の一方法としてサンドコンパクションパイル工法(以下、SCP工法ともいう)が知られている。SCP工法における砂杭の使用材料としては、これまで良質な天然砂が用いられてきたが、近年、港湾工事を中心として多数箇所に砂杭を造成する事例が増えつつあり、天然資源の保護の観点から、天然砂の代替材料として、再生コンクリート骨材や製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグなどの鉄鋼スラグといったリサイクル材料の有効活用が推進されている。
例えば、砂地盤の液状化対策あるいは軟弱粘土地盤を改良する目的で、サンドコンパクションパイル工法における天然砂に代わる中詰材用の材料として、製鋼スラグ100%を用いることが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
また、20mm以下の粒径に調整した転炉スラグに、高炉スラグ、石灰またはセメントあるいはセメントクリンカを重量比で、それぞれ転炉スラグを100、高炉水砕スラグを10〜20、石灰またはセメントあるいはセメントクリンカを10:20の割合で混合した材料が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、膨張性固化杭に関連する従来の技術としては、例えば特許文献2〜4に記載のものが知られている。特許文献2には、硬焼生石灰粉粒体(10〜60%)と、硫酸アミニュウム系化合物(0.1〜5%)と、細骨材・砂・スクリーニングス・石膏・水砕スラグまたは転炉スラグあるいは石灰灰等の珪酸成分含有物とを用いた地盤改良材料および地盤改良工法が示されている。
特許文献3には、地盤中の水分と反応することにより、膨張・硬化をして地盤を改良する地盤改良材料として、硬焼生石灰粉粒体、硫酸カルシウム系硬化粉粒体、および、珪化変性明礬石系粉粒体を含み、硬焼生石灰粉粒体(10〜60%)と、硫酸アルミニュウム系化合物(0.1〜5%)と、細骨材・砂・スクリーニングス・石膏・水砕スラグまたは転炉スラグあるいは石灰灰等の珪酸成分含有物とを用いた材料および工法が示されている。
特許文献4には、砂質地盤に所定のピッチで多数の締固め杭を造成し、杭造成用ケーシングの打戻しによる杭径の拡大(物理的締固め)と杭材料の水和・膨張による杭径の拡大(化学的締固め)とにより杭間地盤を所定強度に締固める技術の砂質地盤締固め工法において、硬焼生石灰と、硫酸アルミニウム系化合物と、コンクリート砂・砂利・水砕スラグ・転炉スラグ等の骨材とからなる地盤改良材料を用いることが示されている。
「港湾工事用製鋼スラグ利用手引書」、(財)沿岸開発技術研究センター 鐵鋼スラグ協会発行、2004.9、P31〜P33
特開昭56−41914号公報 特開2001−152149号公報 特開2001−59217号公報 特開2002−322638号公報
上述した再生コンクリート骨材、鉄鋼スラグは、一般にアルカリ特性を有することから、サンドコンパクションパイル用の材料として用いた際、周辺地盤にアルカリが溶出し、環境に影響を及ぼすことが懸念される。したがって、こうした材料を用いた際に、周辺地盤へのアルカリ溶出による環境影響を抑えることが求められる。
また、上記の従来の特許文献2〜4等に記載の技術は、その膨張性および固化性を利用して、周辺地盤を締め固め改良するものである。しかし、主に陸域において、既設構造物に近接してサンドコンパクションパイルを造成する場合や、またはサンドコンパクションパイルを造成した後に、その直上に構造物や道路などを建設する場合には、サンドコンパクションパイル材料の膨張特性により、構造物や道路などに対して長期的にひび割れや、盛り上がり、沈下など悪影響を及ぼすことが懸念される。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、周辺地盤を締め固める効果を維持しつつ、周辺環境への悪影響を抑えることができるサンドコンパクションパイル用材料、サンドコンパクションパイルおよびサンドコンパクションパイルの造成方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るサンドコンパクションパイル用材料は、サンドコンパクションパイル工法により地中に造成されるサンドコンパクションパイル用の材料であって、粒径が5mm以上、40mm以下の鉄鋼スラグまたは再生コンクリートからなることを特徴とする。
また、本発明に係る他のサンドコンパクションパイル用材料は、サンドコンパクションパイル工法により地中に造成されるサンドコンパクションパイル用の材料であって、粒径が10mm以上、40mm以下の鉄鋼スラグまたは再生コンクリートからなることを特徴とする。
また、本発明に係る他のサンドコンパクションパイル用材料は、サンドコンパクションパイル工法により地中に造成されるサンドコンパクションパイル用の材料であって、粒径が15mm以上、40mm以下の鉄鋼スラグまたは再生コンクリートからなることを特徴とする。
また、本発明に係るサンドコンパクションパイルは、サンドコンパクションパイル工法により地中に造成されるサンドコンパクションパイルであって、2層またはそれ以上に上下に積層した粒子状の材料で構成され、下層を製鋼スラグで構成するとともに、上層を上述したサンドコンパクションパイル用材料で構成したことを特徴とする。
また、本発明に係るサンドコンパクションパイルは、上述した発明において、上端から深度方向に2.5/ρ×D1/2(m)以上の部分を前記サンドコンパクションパイル用材料で構成するとともに、それ以深の部分を製鋼スラグで構成したことを特徴とする。ここで、ρは鉄鋼スラグの粒子密度(t/m)であり、Dはサンドコンパクションパイルの径(m)である。
また、本発明に係る他のサンドコンパクションパイルの造成方法は、上述したサンドコンパクションパイルを造成することを特徴とする。
本発明によれば、サンドコンパクションパイル用の材料として所定の粒径範囲に粒度調整した鉄鋼スラグまたは再生コンクリートを用い、その膨張性を利用することで、周辺地盤へのアルカリ溶出のおそれを低減することができるとともに、雨天時における施工性が向上する。また、周辺および直上の構造物や道路などに長期的にひび割れや、盛り上がり、沈下などが生じる可能性を排除することができる。したがって、周辺地盤を締め固める効果を維持しつつ、周辺環境への悪影響を抑えることができる。
図1は、本発明に係るサンドコンパクションパイルの実施の形態1を示す側断面図である。 図2は、本発明に係るサンドコンパクションパイルの実施の形態2を示す側断面図である。 図3は、本発明に係るサンドコンパクションパイルの実施の形態3を示す側断面図である。 図4は、本発明に係るサンドコンパクションパイルの実施の形態4を示す側断面図である。 図5は、本発明に係るサンドコンパクションパイルの実施の形態5を示す側断面図である。 図6は、本発明の実施例1の試験装置を示す図である。 図7は、本発明の実施例1の評価項目の説明図である。 図8は、本発明の実施例2の実験モデルを示す図である。 図9は、本発明の実施例2の実験結果を示す図である。
以下に、本発明に係るサンドコンパクションパイル用材料、サンドコンパクションパイルおよびサンドコンパクションパイルの造成方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
ここで、鉄鋼スラグには、製鋼スラグと高炉スラグとがある。高炉スラグには、高炉徐冷スラグと高炉水砕スラグとがある。
製鋼スラグとは、製鋼工程で生じる石灰分を主体とした粉粒状の副産物であり、転炉スラグ、溶銑予備処理スラグ、2次製錬スラグ、電気炉スラグなどをいう。
また、高炉徐冷スラグとは、溶融状態の高炉スラグをヤードに流し込み、空気と適度な散水により冷却して生成される結晶質で岩石状のものをいう。
また、高炉水砕スラグとは、溶融状態の高炉スラグを加圧水で急冷することにより生成されるガラス質(非結晶)で粒状のものをいう。高炉水砕スラグには、炉前水砕スラグと炉外水砕スラグとがある。なお、以下の説明では、高炉徐冷スラグと高炉水砕スラグとを合せて、高炉スラグということもある。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、本実施の形態1に係るサンドコンパクションパイルを説明する図である。
この図に示すように、地表面GL以下の地盤G中に造成するサンドコンパクションパイル10の材料として用いる地盤改良材(本発明のサンドコンパクションパイル用材料)として、以下の(1)〜(3)のいずれかの粒度分布を有する鉄鋼スラグを適用することで、周辺地盤へのアルカリ溶出による環境影響を低減することが可能となる。
(1)粒径が5mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグ
(2)粒径が10mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグ
(3)粒径が15mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグ
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図2は、本実施の形態2に係るサンドコンパクションパイルを説明する図である。
この図に示すように、サンドコンパクションパイル20は上層の透水層G1と下層の非透水層G2とに跨って造成されている。透水層G1は非透水層G2に比べて地下水流Wが卓越している。本実施の形態のサンドコンパクションパイル20では、この地下水流Wが卓越する深度箇所22(透水層G1の部分)でのみ、以下の(1)〜(3)のいずれかの粒度分布を有する鉄鋼スラグを適用することで、周辺地盤へのアルカリ溶出による環境影響を低減することが可能となる。なお、サンドコンパクションパイル20の非透水層G2に位置する深度箇所24については、従来使用されている周知のサンドコンパクションパイル用の材料を用いて構成することができる。
(1)粒径が5mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグ
(2)粒径が10mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグ
(3)粒径が15mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグ
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図3は、本実施の形態3に係るサンドコンパクションパイルを説明する図である。
この図に示すように、サンドコンパクションパイル30は地表面GL付近において水の流れWが卓越している地盤Gに造成されている。本実施の形態のサンドコンパクションパイル30では、水の流れWが卓越する地表面GL付近の深度箇所32のみ、以下の(1)〜(3)のいずれかの粒度分布を有する鉄鋼スラグを適用することで、周辺地盤へのアルカリ溶出による環境影響を低減することが可能となる。なお、深度箇所32よりも下側の深度箇所34については、従来使用されている周知のサンドコンパクションパイル用の材料を用いて構成することができる。
(1)粒径が5mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグ
(2)粒径が10mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグ
(3)粒径が15mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグ
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
図4は、本実施の形態4に係るサンドコンパクションパイルを説明する図である。
この図に示すように、サンドコンパクションパイル40を上層42と中間層44と下層46の3層からなる積層構造とし、下層46には製鋼スラグを、上層42には以下の(1)、(2)のいずれかの粒度分布を有する鉄鋼スラグを用いて、サンドコンパクションパイル40を造成する。なお、その間の中間層44の構成材料は特に限定するものではなく、従来使用されている周知のサンドコンパクションパイル用の材料を用いて構成することができる。
(1)粒径が5mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグ
(2)粒径が10mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグ
なお、本実施の形態のサンドコンパクションパイル40は粒子状の材料からなる3層の上下積層構造に限るものではなく、2層の上下積層構造であってもよいし、4層以上の上下積層構造であってもよい。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。
図5は、本実施の形態5に係るサンドコンパクションパイルを説明する図である。
この図に示すように、サンドコンパクションパイル50の上端50aから深度方向に2.5/ρ×D1/2(m)以上の部分52を、以下の(1)、(2)のいずれかの粒度分布を有する鉄鋼スラグを用いて造成するとともに、それ以深から下端50bまでの部分54を製鋼スラグで造成する。ここで、ρは鉄鋼スラグの粒子密度(t/m)であり、Dはサンドコンパクションパイルの径(m)である。
(1)粒径が5mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグ
(2)粒径が10mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグ
これらのサンドコンパクションパイルの構造により、サンドコンパクションパイル下部において製鋼スラグの膨張性により地盤が締め固まると同時に、経年的にも膨張しない材料を上部に配置することにより上方への膨張を拘束でき、周辺地盤へのアルカリ溶出を抑えることが可能となるとともに、雨天時における施工性が向上する。また、周辺および直上の構造物や道路などに長期的にひび割れや、盛り上がり、沈下などが生じる可能性を排除することができる。したがって、周辺地盤を締め固める効果を維持しつつ、周辺環境への悪影響を抑えることができる。
なお、サンドコンパクションパイル工法の従来の施工方法には、例えば以下の(A)〜(E)の方法があるが、本発明はいずれの施工方法にも適用可能である。
(A)バイブロハンマーを用いてケーシングパイプに振動を与え、また打戻し式に締め固める締固め砂杭の造成方法。
(B)ケーシングパイプを回転圧入させ、また強制昇降装置を用いてケーシングパイプを打戻し式に締め固める締固め砂杭の造成方法。
(C)ケーシングパイプを引き上げながらケーシングパイプに内装の振動機・突き固め装置により砂を側方へ広げて砂杭を締め固め造成する方法。
(D)内管ケーシングおよび外管ケーシングを備えた二重管構造のケーシングパイプを回転圧入して所定の深度に達した後に、ケーシングパイプの引き上げとともに材料を排出しながら内管ケーシングを上下する締め固め砂杭の造成方法。
(E)先端に偏心した掘削・拡径ヘッドを装着したケーシングパイプを回転圧入させ、ケーシングパイプを打戻し式に締め固める砂杭の造成方法。
また、サンドコンパクションパイル用材料として従来用いられている再生コンクリート骨材などの再生コンクリートについても、本発明における鉄鋼スラグと同様の粒度分布に調整することによって、周辺地盤へのアルカリ溶出による環境影響を低減することが可能である。
(実施例1)
まず、本発明の実施例1について説明する。
ここでは、本発明の効果検証のため、図6に示すような試験装置60を用いて、粒度調整した鉄鋼スラグに対する通水試験を行い、通水後のアルカリ溶出の影響を調べた。サンドコンパクションパイルを模擬した試験用コラムとしては、内径150mm×長さ450mmのアクリル円筒62を用い、この内部の上流側に150mmの鉄鋼スラグ層64を、その下流側に300mmの土壌層66を配置した。そして、このアクリル円筒62をタイロッド68、押え板70、Oリング72、ネジ74等を用いて水密に固定し、コック76を開けて試験用コラムに水を供給して通水させ、試験用コラムから出てくる水に対してpHを計測した。計測したpHと通水量との関係から各種評価を行って、本発明の効果を検証する。評価項目は以下の(1)〜(3)の3項目とした。各評価項目については、図7に例示する通水量とpHとの関係から取得することができる。
(1)通水後にアルカリ影響が現出する通水量比(粒度調整なしの場合を基準とする)
(2)十分な通水後のpH上昇量(粒度調整なしの場合を基準とする)
(3)一旦上昇したpHが低下開始する通水量比(粒度調整なしの場合を基準とする)
表1に、実験条件および結果概要を示す。
Figure 2016176275
表1に示すように、粒度調整なしの場合(ケース:A−0、最大40mm−最小0mm)に比べて、粒径が5mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグを適用した場合(ケース:A−5)は、上記(1)「通水後にアルカリ影響が現出する通水量比」が大きくなり、アルカリ影響の現出が遅れる効果が確認できた。
また、粒径が10mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグを適用した場合(ケース:A−10)は、上記(1)「通水後にアルカリ影響が現出する通水量比」に加えて、(2)「通水後のpH上昇量(最大値)」が抑制できる効果も確認できた。
粒径が15mm以上、40mm以下で構成されている鉄鋼スラグを適用した場合(ケース:A−15)は、上記(1)「通水後にアルカリ影響が現出する通水量比」、(2)「通水後のpH上昇量(最大値)」、に加えて、(3)「一旦上昇したpHが低下開始する通水量比」が小さくなり、トータルのアルカリ溶出量が著しく小さくなる効果が確認できた。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2について説明する。
本発明に係るサンドコンパクションパイルの上層の上下方向長さに関する実験として、図8に示すような上部材P1(高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグ、粉砕コンクリート、砂のいずれかで構成)および下部材P2(製鋼スラグで構成)からなるサンドコンパクションパイルPを、地盤に見立てた土槽G0(土槽地盤は豊浦標準砂を用いて相対密度Dr=70%程度の均一地盤とした)に作成し、地盤をアルカリ雰囲気として下部材P2の製鋼スラグの膨張反応を促進させ、サンドコンパクションパイル上端Paにおける表面浮き上り量を計測した。実験パラメータは上部材P1の材料、上部材P1の長さL1とし、合計16ケースの実験を実施した。いずれのケースも下部材P2の材料は製鋼スラグとし、下部材P2の長さはL2とした。表2に、実験条件および実験結果概要(表面浮き上り量)を示す。
Figure 2016176275
また、上部材の長さL1に関する指標をλ(=L1×ρ/D1/2)とし、反応促進実験結果による上端Paの表面浮き上り量とλの関係を図9に示す。この図に示すように、λ=2.5を境として、それより大きければ、表面浮き上り量は大きく低減していることがわかる。
したがって、下部材P2の製鋼スラグの膨張反応に伴うサンドコンパクション上端Paの表面浮き上りを抑止するために必要な上部材P1の長さL1は、以下のように設定することが望ましい。
L1≧2.5/ρ×D1/2(m)
ここで、ρは鉄鋼スラグの粒子密度(t/m)であり、Dはサンドコンパクションパイルの径(m)である。
以上説明したように、本発明によれば、サンドコンパクションパイル用の材料として所定の粒径範囲に粒度調整した鉄鋼スラグを用い、その膨張性を利用することで、周辺地盤へのアルカリ溶出のおそれを低減することができるとともに、雨天時における施工性が向上する。また、周辺および直上の構造物や道路などに長期的にひび割れや、盛り上がり、沈下などが生じる可能性を排除することができる。したがって、周辺地盤を締め固める効果を維持しつつ、周辺環境への悪影響を抑えることができる。
以上のように、本発明に係るサンドコンパクションパイル用材料、サンドコンパクションパイルおよびサンドコンパクションパイルの造成方法は、陸上の緩い砂地盤の液状化対策として地盤を改良する場合、あるいは海上の軟弱粘土地盤を改良する場合に有用であり、特に、周辺地盤を締め固める効果を維持しつつ、周辺環境への悪影響を抑えるのに適している。
10,20,30,40,50 サンドコンパクションパイル
22,24,32,34 深度箇所
42 上層
44 中間層
46 下層
52,54 部分
G 地盤
G1 透水層
G2 非透水層
GL 地表面

Claims (6)

  1. サンドコンパクションパイル工法により地中に造成されるサンドコンパクションパイル用の材料であって、
    粒径が5mm以上、40mm以下の鉄鋼スラグまたは再生コンクリートからなることを特徴とするサンドコンパクションパイル用材料。
  2. サンドコンパクションパイル工法により地中に造成されるサンドコンパクションパイル用の材料であって、
    粒径が10mm以上、40mm以下の鉄鋼スラグまたは再生コンクリートからなることを特徴とするサンドコンパクションパイル用材料。
  3. サンドコンパクションパイル工法により地中に造成されるサンドコンパクションパイル用の材料であって、
    粒径が15mm以上、40mm以下の鉄鋼スラグまたは再生コンクリートからなることを特徴とするサンドコンパクションパイル用材料。
  4. サンドコンパクションパイル工法により地中に造成されるサンドコンパクションパイルであって、
    2層またはそれ以上に上下に積層した粒子状の材料で構成され、
    下層を製鋼スラグで構成するとともに、上層を請求項1〜3のいずれか一つに記載のサンドコンパクションパイル用材料で構成したことを特徴とするサンドコンパクションパイル。
  5. 上端から深度方向に2.5/ρ×D1/2(m)以上の部分を前記サンドコンパクションパイル用材料で構成するとともに、それ以深の部分を製鋼スラグで構成したことを特徴とする請求項4に記載のサンドコンパクションパイル。
    ここで、ρは鉄鋼スラグの粒子密度(t/m)であり、Dはサンドコンパクションパイルの径(m)である。
  6. 請求項4または5に記載のサンドコンパクションパイルを造成することを特徴とするサンドコンパクションパイルの造成方法。
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