JP2016174085A - 電子部品収納用パッケージおよびその製造方法 - Google Patents

電子部品収納用パッケージおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 絶縁基板の溝内に形成される側面導体と外部接続導体との接続信頼性が低下する可能性を低減できる電子部品収納用パッケージ等を提供すること。
【解決手段】 上面に電子部品103が搭載される搭載部102を有する下部絶縁層105と、
下部絶縁層105上に搭載部102を取り囲むように積層された枠状の上部絶縁層104と、下部
絶縁層105の下面の外周部に設けられた外部接続導体109とを具備しており、上部絶縁層104の外側面に、側面の下端から上端にかけて上部溝106が形成されており、下部絶縁層105
の側面に、平面視で上部溝106と重なる位置において側面の下端から上端にかけて上部溝106よりも大径の下部溝107が形成されており、下部溝107の内側面の下端から上方向に設けられているとともに、下端部が外部接続導体109と接続されている埋め込み導体108をさらに有する電子部品収納用パッケージ等である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電振動子や半導体素子等の電子部品を気密に収容するための電子部品収納用パッケージ、および電子部品収納用パッケージの製造方法に関するものである。
従来、圧電振動子や半導体素子等の電子部品を搭載するための電子部品収納用パッケージとして、一般に、セラミック焼結体等からなる四角形板状等の絶縁基板に電子部品が収容される搭載部が設けられたものが用いられている。絶縁基板の上面には、搭載部を塞ぐように蓋体が接合される。このような電子部品収納用パッケージは、上面に電子部品の搭載部を有する平板状の下部絶縁層と、この下部絶縁層の上面に搭載部を取り囲んで積層された枠状の上部絶縁層とを有する絶縁基板と、搭載部から下部絶縁層の下面等にかけて形成された配線導体とにより基本的に構成されている。配線導体のうち下部絶縁層の下面(絶縁基板の下面)に設けられた部分は、外部接続用の導体(外部接続導体)として機能する。
そして、搭載部に電子部品が搭載され、電子部品の各電極が配線導体に電気的に接続された後、搭載部が蓋体等で封止されて電子装置が製作される。
絶縁基板の下部絶縁層の側面の各コーナー部等には、上下方向に側面導体が形成されている。この側面導体は、例えば各コーナー部に形成された溝の内側面を覆うように形成されており、配線導体のうち搭載部内に形成された部分と外部接続導体とを互いに電気的に接続するための導通経路として作用する。これにより、例えば電子部品が外部回路基板に電気的に接続される。
特開2003−133454号公報
しかしながら、近年、電子部品収納用パッケージは、ますます小型化が図られてきている。これに伴い側面導体と外部接続導体との接続の範囲(接続領域)がより狭くなってきているため、例えば側面導体が配置される溝の位置ずれ等に起因して、側面導体と外部接続導体との接続信頼性の低下が生じやすい等の問題点が顕著になってきた。
本発明の一つの態様の電子部品収納用パッケージは、上面に電子部品が搭載される搭載部を有する下部絶縁層と、該下部絶縁層上に前記搭載部を取り囲むように積層された枠状の上部絶縁層と、前記下部絶縁層の下面の外周部に設けられた外部接続導体とを具備しており、前記上部絶縁層の外側面に、該側面の下端から上端にかけて上部溝が形成されており、前記下部絶縁層の側面に、平面視で前記上部溝と重なる位置において前記側面の下端から上端にかけて前記上部溝よりも大径の下部溝が形成されており、前記下部溝の内側面の下端から上方向に設けられているとともに、下端部が前記外部接続導体と接続されている埋め込み導体をさらに有することを特徴とする。
本発明の一つの態様の電子部品収納用パッケージの製造方法は、第1および第2セラミックグリーンシートを準備する工程と、第1セラミックグリーンシートに厚み方向に貫通
する第1貫通孔を形成するとともに、該第1貫通孔の内側面に金属ペーストを充填する工程と、前記第2セラミックグリーンシートに厚み方向に貫通する第2貫通孔を形成する工程と、前記第1セラミックグリーンシートと前記第2セラミックグリーンシートとを、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とは上下に連続するように積層して積層体を作製する工程と、平面視における前記第1貫通孔内の前記金属ペーストの一部を前記第1セラミックグリーンシートの厚み方向に打ち抜く工程と、前記積層体の前記第1セラミックグリーンシート側の主面に、端部が前記第1貫通孔内の前記金属ペーストに接続するように金属ペーストを塗布する工程と、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を通るように前記積層体を該積層体の厚み方向に分割する工程とを有している。
本発明の一つの態様の電子部品収納用パッケージによれば、上部絶縁層の外側面に、外側面の下端から上端にかけて上部溝が形成されており、下部絶縁層の側面に、平面視で前記上部溝と重なる位置において側面の下端から上端にかけて前記上部溝よりも大径の下部溝が形成されており、下部溝の内側面の下端から上方向に設けられているとともに、下端部が外部接続導体と接続されている埋め込み導体をさらに有する構造となっている。これにより、配線導体と外部接続導体とを電気的に接続する側面導体としての埋め込み導体が外部接続導体に対して、下部絶縁層の下面だけでなく下部絶縁層の厚み方向においてもより広範囲に接続することができる。よって、電子部品収納用パッケージが小型化しても側面導体(埋め込み導体の側面における露出部)と外部接続導体との接続領域を十分に確保して、両者間の接続信頼性を向上できる。
本発明の電子部品収納用パッケージの製造方法によれば、上記工程を有していることから、電子部品収納用パッケージの小型化による側面導体と外部接続導体との導電性の低下や断線を抑制でき、電子部品に対するグランドの安定性やシールド性が高められるとともに、電気めっきによる各配線基板へのめっき層の被着性に優れた電子部品収納用パッケージを製造することができる。
(a)は本発明の実施形態の電子部品収納用パッケージを示す上面図であり、(b)は(a)のX−X’線における断面図であり、(c)は下面図である。 本発明の実施形態の電子部品収納用パッケージを製作する際の多数個取り配線基板を示すコーナー部における要部の下面側の斜視図である。 本発明の実施形態のその他の電子部品収納用パッケージを製作する際の多数個取り配線基板を示すコーナー部における要部の下面側の斜視図である。 本発明の実施形態のその他の電子部品収納用パッケージを製作する際の多数個取り配線基板を示す辺部における要部の下面側の斜視図である。 本発明の実施形態のその他の電子部品収納用パッケージを製作する際の多数個取り配線基板を示すコーナー部における要部の下面側の斜視図である。 (a)〜(e)は、本発明の実施形態の電子部品収納用パッケージの製造方法を工程順に示す断面図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態の電子部品収納用パッケージの製造方法を工程順に示す図6に続く断面図である。
本発明の電子部品収納用パッケージ等について、添付の図面を参照しつつ説明する。図1(a)は本発明の電子部品収納用パッケージの実施の形態の一例を示す上面図であり、図1(b)は図1(a)のX−X’線における断面図、図1(c)は下面図である。
図1において、絶縁基板101に搭載部102が設けられている。搭載部102には電子部品103
が搭載される。絶縁基板101は、互いに積層された上部絶縁層104および下部絶縁層105を
有している。絶縁基板101の側面には、上部溝106および下部溝107が設けられている。下
部溝107内には埋め込み導体108が配置されている。埋め込み導体108と直接に接続された
外部接続導体109が絶縁基板101の下面に設けられている。また、この例の配線基板は、端面が絶縁基板101の側面に露出した補助導体110、および絶縁基板101の上面に設けられた
枠状メタライズ層111、搭載部102内に位置する配線導体112をさらに有している。この電
子部品収納用パッケージについて、蓋体113が接合材114によって絶縁基板101上に接合さ
れて、電子部品103が気密封止される。
なお、この実施の形態において、絶縁基板101は、厚み方向の断面視で凹型の搭載部102を有している。この電子部品収納用パッケージに圧電振動素子等の電子部品103が気密封
止されて電子装置(符号なし)が形成される。搭載部102を封止する蓋体113は、図1においては見やすくするために透視している。
絶縁基板101は、平板状の基部となる下部絶縁層105上に、枠部となる上部絶縁層104が
積層されて形成されている。なお、以下の説明において、上部絶縁層104および下部絶縁
層105の代わりに枠部および基部という場合がある。平面視において、枠部が基部の上面
の搭載部102を取り囲んでいる。この枠部の内側面と搭載部102の内側において露出する基部とによって、電子部品103を収容するための凹型の搭載部102が形成されている。
基部および枠部は、例えば酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム焼結体,ムライト質焼結体またはガラス−セラミック焼結体等のセラミック材料からなる。絶縁基板101は、例えば全体の外形が平面視で一辺の長さが1.6〜10mm程度の長方形状であり、厚みが0.3〜2mm程度の板状であり、上面に上記のような凹型の搭載部102を有している。
絶縁基板101は、基部および枠部が酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、
酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダや溶剤,可塑剤等を添加混合して泥漿状にするとともに、これを例えばドクターブレード法やロールカレンダー法等のシート成形法によりシート状となすことにより複数枚のセラミックグリーンシートを得て、次に一部のセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施して枠状に成形するとともに、枠状に成形していない平板状のセラミックグリーンシートの上面にそれぞれ枠状のセラミックグリーンシートが位置するように上下に積層し、その積層体を高温で焼成することにより製作することができる。
絶縁基板101は、例えば、それぞれが個片の絶縁基板101になる基板領域が配列された母基板(図示せず)として形成された後に個片に分割されて製作されている。母基板は、互いに積層された、下部絶縁層105となる複数の領域を有する平板状の絶縁層(図示せず)
と、それぞれに枠部を含む上部絶縁層104となる複数の領域を有する(複数の開口部が配
列された)絶縁層(図示せず)とを有している。多数個取り基板としての実施形態の詳細については後述する。
上部絶縁層104は、その上面に枠状メタライズ層111を有し、その外側面に上部溝106を
有している。また、下部絶縁層105には、搭載部102に搭載される電子部品103と外部電気
回路(図示せず)とを電気的に接続するための導電路として、配線導体112、埋め込み導
体108および外部接続導体109が設けられている。また、この例では、絶縁基板101のコー
ナー部に上部溝106および下部溝107が設けられ、下部溝107の上端部に埋め込み導体108に沿って補助導体110が形成されている。
ここで、電子装置がTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator、温度補償水晶発振器)等の複数の電子部品(図示せず)が搭載部102内に収容されるようなもの
である場合には、複数の電子部品が搭載される段状の内側面を有する搭載部(図示せず)を形成するために、上部絶縁層104が2層以上の絶縁層で構成される場合もある。
搭載部102は、例えば四角板状の電子部品103に合わせて平面視で四角形状である。図1の例では、その四角形状の搭載部102の互いに隣り合う2つのコーナー部に一対の配線導
体112が形成されている。この配線導体112は、搭載部102に搭載される水晶振動素子等の
電子部品103の電極(図示せず)を接続するための接続導体として機能する。電子部品103が水晶振動素子であれば、通常、その外形が平面視で四角形状であり、その主面のコーナー部に接続用の一対の電極(図示せず)が形成されている。そのような電極の接続を容易かつ確実に行なえるようにするため、配線導体112は搭載部102のコーナー部に形成されている。
電子部品103の各電極と配線導体112との接続は、導電性接着剤等の接合材114を介して
行なわれる。すなわち、図1(a)に示すように電子部品103の主面のコーナー部に形成
された一対の電極が、搭載部102上に形成された一対の配線導体112に対向するように電子部品103を搭載部102に位置決めして、あらかじめ配線導体112に被着させておいた接合材114を加熱して硬化させれば、電子部品103の電極と配線導体112とが接続される。
なお、配線導体112は、この実施の形態の例では電子部品103として水晶振動素子を用いた例を説明しているので上記のような位置に配線導体112が形成されているが、その他の
電子部品(図示せず)を搭載する場合や、その他の電子部品を複数搭載する場合であれば、その電子部品の電極の配置に応じて位置や形状を変えて形成してもよい。このようなその他の電子部品としては、例えば、セラミック圧電素子や弾性表面波素子等の圧電素子,半導体素子,容量素子および抵抗素子等を挙げることができる。
配線導体112は、例えば、搭載部102またはその周辺から絶縁基板101の外表面にかけて
電気的に導出するように設けられている。配線導体112は、上記のように、搭載部102に搭載される電子部品103の各電極を外部の電気回路に電気的に接続するための導電路の一部
として機能する。図1(a)〜(c)に示す例においては、配線導体112は搭載部102から下部絶縁層105に形成される埋め込み導体108を介して、絶縁基板101(下部絶縁層105)の下面に電気的に導出され、この下面に形成された外部接続導体109に電気的に接続されて
いる。
また、絶縁基板101(上部絶縁層104)の上面には枠状メタライズ層111が被着されてい
る。枠状メタライズ層111は、搭載部102を取り囲んでおり、この枠状メタライズ層111に
蓋体113や金属枠体(図示せず)が接合される。そして、搭載部102に電子部品103を収容
して搭載し、電子部品103の電極を導電性接着剤等の接合材114で配線導体112に接続した
後、枠状メタライズ層111の上面に蓋体113を接合することにより、蓋体113と絶縁基板101とからなる容器内に電子部品103が気密封止されて電子装置(水晶発振器等)となる。ま
た、あらかじめ枠状メタライズ層111に金属枠体をろう付けした後に、金属枠体上に蓋体113を接合してもよい。なお、本実施形態では、ろう材を介して蓋体113が上部絶縁層104に接合される例を示したが、ガラスや樹脂等の封止材によって蓋体113が接合されるもので
あってもよい。
枠状メタライズ層111は、蓋体113を絶縁基板101にシーム溶接や電子ビーム溶接等の方
法で接合するための金属部材として機能する。蓋体113は、例えば四角板状であり、鉄−
ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属材料やセラミック材料からなり、ろう付け法や溶接法(例えばシーム溶接や電子ビーム溶接等)の接合法で下面の外周部が枠状メタライズ層111に接合される。なお、蓋体113がセラミック材料からなる場合は、ろう付け法や溶接法によって枠状メタライズ層111に接合できるように、蓋体113の接合面とな
る領域に、メタライズ法やめっき法等の方法により接合用の金属層(図示せず)が形成される。
この枠状メタライズ層111は、例えば、埋め込み導体108等を介して導通経路となる配線導体112(上記のように搭載部102から延在している部分等)の一部(例えば電子部品103
の接地用の電極が接続されるもの)と電気的に接続されていてもよい。この場合には、例えば接地用の導体面積をより広くして、電子部品103の接地電位をより安定させることが
できる。
枠状メタライズ層111は、さらに外部接続導体109と電気的に接続されていてもよい。枠状メタライズ層111と外部接続導体109との電気的な接続は、例えば下部溝107内を埋めて
形成された埋め込み導体108だけでなく、後述する補助導体110を介しても行なわれる。
配線導体112,枠状メタライズ層111,および外部接続導体109等の導体部分は、例えば
、タングステンやモリブデン,マンガン,銅,銀等のメタライズ層からなる。このようなメタライズ層となる金属材料のペースト(金属ペースト)を、母基板となるセラミックグリーンシートに所定パターンに印刷しておき、各セラミックグリーンシートと同時焼成する方法で形成される。
これらの配線導体112,枠状メタライズ層111,および外部接続導体109は、酸化腐食を
防止するとともに、配線導体112と電子部品103の電極との接続、または外部接続導体109
と外部の電気回路との接続等をより容易または強固なものとするために、それらの露出した表面に1〜20μm程度の厚みのニッケルめっき層と0.1〜3.0μm程度の厚みの金めっき層とが順次被着されていてもよい。
また、埋め込み導体108についても、上記と同様の金属ペーストの充填等の方法で形成
されている。埋め込み導体108の形成方法の詳細については後述する。
電子部品収納用パッケージは、例えば前述したように多数個取り基板(多数個取り配線基板)の形態でまとめて製作されたものでもよい。電子部品収納用パッケージを製作するための多数個取り配線基板の一例を図2に示す。図2は、この多数個取り配線基板の要部(コーナー部)を示す下面から見た斜視図である。図2において、図1と同様の部位には同様の符号を付している。多数個取り配線基板は、前述したように、個片の電子部品収納用パッケージの絶縁基板101となる複数の基板領域が縦横の並びに配列された母基板を有
している。
多数個取り配線基板についても、個片の電子部品収納用パッケージと同様の部位については同様の呼称として、同様の符号を付している。例えば、多数個取り配線基板の母基板を形成している下側の絶縁層および上側の絶縁層についても、個片の場合と同様に下部絶縁層105および上部絶縁層104という。
この場合、個片の電子部品収納用パッケージにおける上部溝106は、例えば多数個取り
配線基板の母基板のうち上部絶縁層104となるセラミックグリーンシートの各基板領域の
境界115に跨るように、上部絶縁層104を厚み方向に貫通する貫通孔を設けておくことによって形成することができる。
また、下部溝107も同様に、例えば、母基板のうち下部絶縁層105となるセラミックグリーンシートの各配線基板領域の境界115に跨るように、下部絶縁層105を厚み方向に貫通する貫通孔を設けておくことによって形成することができる。そして、上部溝106となる貫
通孔と下部溝107となる貫通孔とが平面視で重なるように配置して、それぞれ母基板の上
部絶縁層104となるセラミックグリーンシートと、下部絶縁層105となるセラミックグリーンシートを積層して焼成する。以上により、上部溝106および下部溝107となる貫通孔を有する母基板が製作される。この母基板が各基板領域の境界115の部分で分割されれば、上
部溝106および下部溝107となる貫通孔が縦方向に分断されて、個片の絶縁基板101の側面
(図2の例ではコーナー部)に上部溝106と下部溝107とが連通した溝部が形成される。なお、上記の焼成は、個片の電子部品収納用パッケージに分割された後に行なわれても構わない。
作製された個片の電子部品収納用パッケージは、上記のように、絶縁基板101の側面に
上部溝106および下部溝107を有している。上部溝106および下部溝107は互いに上下につながって一つの溝(いわゆるキャスタレーション)を形成している。また、下部溝107は上
部溝106よりも大径である。なお、上部溝106および下部溝107の径とは、平面視(上側か
ら電子部品収納用パッケージを見たとき)における上部溝106および下部溝107それぞれの差し渡しの寸法であり、上部溝106および下部溝107の端部における開口寸法である。例えば、上部溝106および下部溝107が絶縁基板101の辺部に形成され、それぞれ平面視で半円
状のものであれば、その直径が開口の直径となる。また、上部溝106および下部溝107が絶縁基板101のコーナー部に形成され、それぞれ平面視で四半円状のものであれば、その半
径の√2倍が開口径となる。上記の溝は、その長さ方向の途中に、上部溝106と下部溝107との径の差に応じた段状の部分を有しているものとみなすこともできる。
また、実施形態の電子部品収納用パッケージは、下端部が外部接続導体109と接続され
ている埋め込み導体108をさらに有している。すなわち、比較的径が大きい下部溝107の内側面に、例えば上記の段差を埋めるような埋め込み導体108が設けられている。この埋め
込み導体108が外部接続導体109と直接に接続されて、電子部品103と外部電気回路(図示
せず)とを電気的に接続するための上記の導電路の一部が形成されている。この導電路は、下部絶縁層105の下面だけでなく下部溝107の内側面に沿った方向(下部溝107の長さ方
向)においても広範囲に埋め込み導体108と外部接続導体109とが互いに接続されている。
つまり、例えば図2に示すように、下部溝107に形成される導通経路となる埋め込み導
体の幅(平面視における埋め込み導体108の内周と外周と間の距離)が従来の側面導体に
比べて大きい。そのため、埋め込み導体108の外周側の広い領域と外部接続導体109とが接続されることになり、電子部品収納用パッケージ(絶縁基板101)が小型化しても側面導
体としての埋め込み導体108と外部接続導体109との接続領域を十分に確保して、両者間の接続信頼性を向上できる。
外部接続導体109は、埋め込み導体108の外周部に接続されていればよいが、その接続構造を形成する方法については種々選択することができる。例えば、生加工工程(前述したセラミックグリーンシートの加工および金属ペーストの塗布等の工程)での埋め込み導体108および外部接続導体109等の導体部分の形成方法(金属ペーストの印刷方法等)に応じて、外部接続導体109を形成した後で埋め込み導体108を形成してもよく、また埋め込み導体108を形成した後で埋め込み導体108を覆うように外部接続導体109を形成してもよい。
なお、絶縁基板101となる基板領域が配列された母基板には、各基板領域を個片に分割
するために、その主面に分割溝116が形成されている。近年、個々の電子部品収納用パッ
ケージは小さなものとなってきており、例えば平面視における絶縁基板101の縦横の寸法
が1.6×1.2mm以下のものが製作されている。この電子部品収納用パッケージの小型化に応じて、枠部の幅は非常に小さなものとなってきており、搭載部102と外部環境とを仕切
る部位(枠部および金属枠体などの厚み)が小さくなってきている。そこで、高い位置精度で分割溝116を形成するために、レーザー加工により分割溝116を形成する技術が提案されている。
このように、母基板にレーザー加工で分割溝116が形成される場合、母基板の各基板領
域の境界115に分割溝116が形成される際に、従来技術の電子部品収納用パッケージを作製するための多数個取り配線基板の場合には、次のような問題点が生じる可能性がある。すなわち、従来技術の電子部品収納用パッケージの側面導体(図示せず)が、実施形態の電子部品収納用パッケージの埋め込み導体108に比べて薄い。仮にこのような電子部品収納
用パッケージが多数個取り配線基板の形態で製作されるとしたときには、その下部溝107
内の側面導体の一部が切断される可能性がある。この場合、側面導体の一部が切断されると、電子部品103と外部電気回路とを電気的に接続するための導電路の導通抵抗の増加、
または断線といった不具合を生じる。このような不具合が生じると、配線導体112等の、
側面導体と電気的に接続されているべき導体(図示せず)に電気めっきを施すときに、複数の配線基板領域の少なくとも一部で、上記の導体にめっき層が被着されないという問題が生じる可能性があった。
これに対して、実施形態の電子部品収納用パッケージのように下部溝107に側面導体を
含む埋め込み導体108が設けられている場合には、図2で示すように導体部分の厚み(埋
め込み導体108と上端と下端との間の距離)が比較的大きく、その導体部分の一部が厚み
方向に切断される可能性が低減される。ここで、埋め込み導体108を切断しない前提条件
は、レーザー加工による溝以外の分割溝116の形成深さが下部絶縁層105の厚みよりも小さいことである。例えば、分割溝116の深さが下部絶縁層105の厚みに対して30〜70%程度となるように形成される。
さらに、例えば図2で示すように、分割溝116の深さが変化しない領域が埋め込み導体108の内部に広く留まる構造にすることにより、埋め込み導体108の導通抵抗の増加や断線
を抑制する効果がさらに有効に作用する。
また、埋め込み導体108が下部溝107の下端から上端にかけて設けられており、上部溝106の内側面と埋め込み導体108の露出する側面とが同じ面上に位置していてもよい。言い換えれば、下部溝107と上部溝106との径の差に応じた段状の部分が埋め込み導体108で埋め
られていてもよい。このような構造とした場合には、例えば多数個取り配線基板の状態において、各基板領域に露出した埋め込み導体108等の表面にニッケルめっき層や金めっき
層等を被着させる際に、上部溝106および下部溝107となる貫通孔内のめっき液の循環がより良好となる。そのため、貫通孔のうち下部溝107となる部分の内側面に形成された埋め
込み導体108の露出する面により良好にめっき層を被着させることができる。
つまり、電子部品収納用パッケージの小型化に応じて、枠部の幅は小さなものとなってきており、これにともない上部溝106や下部溝107の溝の幅も小さくなってきている。そして、これら溝の幅が狭くなると溝となる貫通孔内におけるめっき液の循環が悪化する傾向がある。これに対して、下部溝107となる貫通孔の内面に形成された埋め込み導体108の表面と、上部溝106との表面(導体が被着されていない面)とが同じ面上に位置しており、
上部溝106から下部溝107にかけて段差が形成されない。そのため、貫通孔内におけるめっき液の循環が極めて良好となり、めっき層が埋め込み導体108の露出面に良好に被着され
る。
各配線基板領域における配線導体112、埋め込み導体108および外部接続導体109等の導
体の露出表面へのめっき層の被着は、例えば前述のように電気めっき法を採用することによって行われる。上記の導体が設けられた母基板をニッケルめっき浴や金めっき浴中に浸漬するとともに、例えば母基板に形成された共通配線層(図示せず)に外部電源を接続する。共通配線層は複数の基板領域の上記導体にまとめて電気的接続されている。この共通配線層に接続された引き出し線(図示せず)を介して共通に電気的に接続されている上記
の導体に所定の電界を印加し、露出した導体の表面にニッケルや金を析出させる。以上によって電気めっきが行われる。この場合、各導体の各々は引き出し線を介して共通配線層に共通に接続されていることから、電気めっきのための外部電源を共通配線層に接続することにより全ての配線基板領域の露出する導体にめっき用の電界を共通に印加することができる。よって、電気めっきの作業性が容易となる。
このように、下部溝107となる貫通孔の内面に形成された埋め込み導体108の表面と、上部溝106との表面とが同じ面上に位置するように形成するためには、例えば、下部絶縁層105となるセラミックグリーンシートの各配線基板領域の境界115に跨るように、下部溝107となる貫通孔を設けておき、この下部溝107となる貫通孔内に埋め込み導体108となる金属ペースト(図示せず)を充填する。さらに、下部溝107となる貫通孔と、上部溝106となる貫通孔の形成予定位置とを平面視で重なるように、下部絶縁層105となるセラミックグリ
ーンシートと上部絶縁層104となるセラミックグリーンシートとを位置決めして積層した
後、上部溝106となる貫通孔の形成予定位置と下部溝107の貫通孔内に埋め込んだ埋め込み導体108とを一括して打抜き加工すればよい。この打ち抜き面は、上部溝106の内側面と下部溝107の内側面の埋め込み導体108の表面(内側面)になる。これにより、上部溝106の
内側面と埋め込み導体108の露出する側面とが同じ面上に位置した母基板を製作すること
ができる。
また、埋め込み導体108の露出した側面が上部溝106の内側面よりも外側に位置しており、埋め込み導体108の露出した側面に沿って上部絶縁層104の下面の一部が露出していてもよい。言い換えれば、埋め込み導体108よりも内側で上部絶縁層104の下面が露出する程度に、上部溝106の径が小さくなっている。または、下部溝107の径が比較的大きくなっている。または、埋め込み導体108の幅(平面視における埋め込み導体108の内周と外周と間の距離)が小さくなっている。この例の電子部品収納用パッケージが多数個取り配線基板の形態で製作された例を図3に示す。図3は、他の実施形態電子部品収納用パッケージを製作する際の多数個取り配線基板の要部を下面から見た斜視図である。図3において図1および図2と同様の部位には同様の符号を付している。多数個取り配線基板においては、上部溝106および下部溝107となる貫通孔の下側で径が比較的大きく、上側で径が比較的小さい。
このような構造とした場合には、例えば上部溝106の径が比較的小さいため、上部絶縁
層104の枠部としての幅を大きくしながら、下部絶縁層105の下部溝107の開口幅を大きく
できる。つまり、上部絶縁層104の枠部の幅が大きく、搭載部102の気密封止性に優れた構造とすることが容易である。また同時に、下部絶縁層105に形成された下部溝107(貫通孔の下部)の開口を大きくすることができる。そのため、例えば下部溝107内の埋め込み導
体108に、多数個取り配線基板の状態でめっきを施す際に、貫通孔内におけるめっき液の
循環がより一層極良好となり、めっき層が、埋め込み導体108の露出面により良好に被着
される。
また、埋め込み導体108の外径(下部溝107と接触する領域)を大きくすることも容易であることから、埋め込み導体108の厚みが比較的小さくても外部接続導体109との接続される幅を広くすることがより容易である。そのため、埋め込み導体108(側面導体を含む)
と外部接続導体109との接続領域をより十分に確保して、両者間の接続信頼性をさらに効
果的に向上できる。
また、母基板にレーザー加工で分割溝116を形成する場合、この上部絶縁層104の下面の露出した領域が遮蔽部として作用するため、側面導体の一部が切断される可能性が低減される。つまり、図3で示したように、レーザー加工で上部絶縁層104の主面側から分割溝116aを形成する際に、埋め込み導体108が上部絶縁層104の下面の露出した領域で遮蔽され
る。これにより、埋め込み導体108が切断される可能性が低減される。
また、レーザー加工で下部絶縁層105の主面側から分割溝116bを形成する際には、埋め込み導体108に厚みがあり、埋め込み導体108が切断される可能性が低減される。図3に示すように、分割溝116の深さが変化する領域が埋め込み導体108の内部に存在する場合には、形成された補助導体110が導通経路としてより有効に作用することから、埋め込み導体108の導通抵抗の増加や断線を抑制する効果がさらに高くなる。
さらに、図3に示すように、埋め込み導体108に沿って補助導体110が形成されていてもよい。補助導体110は、例えば埋め込み導体108の上端部に接続され、埋め込み導体108と
補助導体110とが合わさって一つの導体になっている。言い換えれば、補助導体110は、埋め込み導体108の端部の径を実質的に外側に広げる機能を有する部分である。この場合に
は、補助導体110が埋め込み導体108を全周にわたって電気的に接続された構造となり、埋め込み導体108の厚みが比較的小さくても、埋め込み導体108(補助導体110を合わせた上
記の一体化された導体)が切断される可能性がより効果的に低減される。
このような構造の電子部品収納用パッケージ(多数個取り配線基板)は、例えば次のようにして製作することができる。上部絶縁層104となるセラミックグリーンシートの各基
板領域の境界115に跨るように、上部溝106となる貫通孔を設けておく。さらに、下部絶縁層105となるセラミックグリーンシートの各基板領域の境界115に跨るように、かつ上部溝106となる貫通孔よりも大径の下部溝107となる貫通孔を設けておき、この下部溝107とな
る貫通孔内に埋め込み導体108となる金属ペースト(図示せず)を充填しておく。さらに
、下部溝107となる貫通孔よりも小径であり、上部溝106となる貫通孔よりも大径となるように、かつ埋め込み導体108となる金属ペーストが下部溝107の周囲に形成されるように、側面導体(図示せず)となる貫通孔の中央を打ち抜く。
ここで、埋め込み導体108を充填法で形成したが、充填法に限定されず、金属ペースト
の粘度により塗布厚みを調整した吸引法で形成してもよい。そして、下部溝107となる貫
通孔の中心と、上部溝106となる貫通孔の中心とが平面視で重なるように、下部絶縁層105となるセラミックグリーンシートと上部絶縁層104となるセラミックグリーンシートとを
位置決めして積層することで形成することができる。これにより、埋め込み導体108の露
出した側面に沿って上部絶縁層104の下面が露出した母基板を製作することができる。
また、上記の各実施形態の電子部品収納用パッケージは、下面透視において埋め込み導体108の外周に沿うように上部絶縁層104と下部絶縁層105との層間に配置されており、そ
の層間において埋め込み導体108に接続された補助導体110をさらに具備していてもよい。
このような構造とした場合には、例えば多数個取り配線基板の形態での電子部品収納用パッケージの製作時に、母基板にレーザー加工で分割溝116を形成する際に、補助導体110がレーザーの届かない上部絶縁層104と下部絶縁層105との層間に形成されているため、埋め込み導体108と補助導体110とを合わせた導体の全体が厚み方向等に切断される可能性がより効果的に低減される。
つまり、母基板において埋め込み導体108となる貫通孔の表面付近は、レーザー加工の
条件次第ではレーザーが貫通孔を移動する際に、埋め込み導体108の厚み方向全体に照射
されて、誤って埋め込み導体108が切断される可能性があった。しかし、このような場合
でも、この形態の場合には、補助導体110まではレーザーが照射されにくいため、埋め込
み導体108が切断される可能性がより効果的に低減される。
この補助導体110のレーザー加工時の断線抑制効果は、例えば、図3に示すような各基
板領域のコーナー部に側面導体が形成される場合だけでなく、図4に示すような各基板領域の辺部に埋め込み導体108が形成される場合も同様に効果がある。図4は、他の実施形
態電子部品収納用パッケージを製作する際の多数個取り配線基板の要部を下面から見た斜視図である。ここで、このコーナー部、辺部の両方において、埋め込み導体108を切断し
ない前提条件は、レーザー加工による溝以外の分割溝116の形成深さが、上部絶縁層104の主面からレーザー加工する場合には上部絶縁層104の厚みよりも小さく、下部絶縁層105の主面からレーザー加工する場合には下部絶縁層105の厚みよりも小さくなる構造となる場
合である。
例えば多数個取り配線基板の形態での電子部品収納用パッケージの製作時に、補助導体110は、基板領域の境界115上に形成されていれば埋め込み導体108の断線を抑制する効果
がある。そのため、基板領域のコーナー部に埋め込み導体108が形成される場合には、例
えば平面視で境界115と重なる位置に十字状に補助導体110が形成された構造でもよい。また、辺部に埋め込み導体108が形成される場合には、例えば平面視で境界115と重なる位置に一の字状に補助導体110が形成された構造でもよい。
なお、上述した図3の例のように、埋め込み導体108の露出した側面に沿って上部絶縁
層104の下面の一部が露出した構造とした場合、遮蔽効果により上部絶縁層104の主面からレーザー加工する場合の断線抑制効果が高まる。この遮蔽効果は、図示しないが各配線基板領域の辺部に埋め込み導体108が形成されている場合も同様に効果がある。補助導体110は、上部絶縁層104と下部絶縁層105との層間に形成されており、搭載部102に形成される
配線導体112等にさらに接続されている。
また、埋め込み導体108や補助導体110は、金属ペーストがガラス質を含んで緻密に焼結したものであり、セラミック部と同様に気密性に優れたものであることから、その一部が搭載部102に露出していてもよい。よって、例えば図5に示すように、埋め込み導体108が外部接続導体109側(平面視で下部溝107から絶縁基板101の中央側に離間する方向)に延
在するように形成されている場合には、埋め込み導体108と外部接続導体109との接続領域をさらに広範囲に確保でき、両者間の接続信頼性を向上できる。図5は、他の実施形態電子部品収納用パッケージを製作する際の多数個取り配線基板の要部を下面から見た斜視図である。そして、図示しないが埋め込み導体108の一部が搭載部102に露出するように搭載部102まで延在された構造とすれば、この延在された埋め込み導体108を、前述した導電路の一部として用いることもできる。また、この場合には導電路における電流の伝送方向に直交する方向における断面積が大きい導通経路として作用させることができ、配線導体112と外部接続導体109とを、埋め込み導体108を介してより低い電気抵抗となるように、良
好に接続することも可能となる。
本発明の実施形態の電子部品収納用パッケージの製造方法について、図6〜図7を参照して説明する。この製造方法は、以下の各工程を含んでいる。すなわち、第1および第2セラミックグリーンシート201a、201bを準備する工程。第1セラミックグリーンシート201aに厚み方向に貫通する第1貫通孔203を形成するとともに、第1貫通孔203の内側面
に埋め込み導体用金属ペースト202を充填する工程。第2セラミックグリーンシート201bに厚み方向に貫通する第2貫通孔205を形成する工程。第1セラミックグリーンシート201aと第2セラミックグリーンシート201bとを、第1貫通孔203と第2貫通孔205とが上下
に連続するように積層して積層体を作製する工程。平面視における第1貫通孔203内の埋
め込み導体用金属ペースト202の一部を第1セラミックグリーンシート201aの厚み方向に打ち抜く工程と、積層体の第1セラミックグリーンシート201a側の主面に、端部が第1
貫通孔203内の埋め込み導体用金属ペースト202に接続するように外部接続導体用金属ペースト206を塗布する工程。および、第1貫通孔203および第2貫通孔205を通るように積層
体を積層体の厚み方向に分割する工程を含んでいる。
このような製造方法によれば、上記工程を有していることから、電子部品収納用パッケージ(絶縁基板101)の小型化による側面導体(埋め込み導体108の側面における露出部)と外部接続導体109との導電性の低下や断線を抑制できる。そのため、電子部品103に対するグランドの安定性やシールド性が高められるとともに、電気めっきによる各配線基板へのめっき層の被着性に優れた電子部品収納用パッケージを製造することができる。
前述したように、複数個の実施形態の電子部品収納用パッケージが互いに平面上に配列されたものが多数個取り配線基板である。上記の実施形態の製造方法は、この多数個取り配線基板の形態による電子部品収納用パッケージの製造方法である。すなわち、多数個取り基板が個片に分割されて、複数個の電子部品収納用パッケージが製作される。
このような工程について、図6(a)〜(e)、および図7(a)、(b)を参照して工程順に詳細に説明する。
まず初めに、図6(a)のように平板状の第1セラミックグリーンシート201aを準備
する。
次に、図6(b)のように、第1セラミックグリーンシート201aの所定の位置に下部
溝107となる第1貫通孔203をパンチング(金型を用いた機械的な加工)等の孔あけ加工により形成する。
次に、図6(c)のように、第1貫通孔203内に上記の埋め込み導体108となる金属ペースト(埋め込み導体用金属ペースト202)を充填する。より具体的には、例えば次の通り
である。まず、第1セラミックグリーンシート201aの上に埋め込み治具(図示せず)を
載置する。埋め込み治具は、例えば金属板からなり、埋め込み導体用金属ペースト202を
局所的に吸引するための複数の孔が形成されている。その後、例えば、スクリーン印刷法により、第1貫通孔203内に埋め込み導体用金属ペースト202を充填する。ここで、その充填方法は、スクリーン印刷法のみには限定されず、吸引法や圧入法などを採用してもよい。
次に、図6(d)のように、第1貫通孔203内に埋め込み導体用金属ペースト202を充填した第1セラミックグリーンシート201aに、この第1貫通孔203を覆うように上記の補助導体110となる金属ペースト(補助導体用金属ペースト204)を印刷、塗布等の方法で形成する。
このとき、補助導体用金属ペースト204は、基板領域(符号なし)の境界115上に形成されていれば埋め込み導体108の断線(埋め込み導体用金属ペースト202の切断)をより確実に抑制する効果がある。そのため、各基板領域のコーナー部に埋め込み導体108を形成す
る場合には、例えば多数個取り配線基板において平面視で境界115と重なる位置に十字状
に補助導体110が形成された構造となるように、補助導体用金属ペースト204を形成してもよい。また、基板領域の辺部に埋め込み導体108を形成する場合には、例えば多数個取り
配線基板において平面視で境界115と重なる位置に一の字状に補助導体110が形成された構造となるように、補助導体用金属ペースト204を形成してもよい。
次に、図6(e)のように、第2セラミックグリーンシート201bを準備するとともに
、その第2セラミックグリーンシート201bに搭載部102を取り囲む枠部となる開口部(符号なし)を形成した後、下部溝107となる第1貫通孔203の中心と、次の工程で上部溝106
となる第2貫通孔205を形成する予定位置の中心とが平面視で重なるように、第1セラミ
ックグリーンシート201aと第2セラミックグリーンシート201bとを位置決めして積層す
る。
次に、図7(a)のように、第2セラミックグリーンシート201bの上面に枠状メタラ
イズ層111となる金属ペーストを印刷、塗布等の方法で形成するとともに、外部接続導体109となる外部接続導体用金属ペースト206を印刷、塗布等の方法で形成する。この形成時
には、外部接続導体用金属ペースト206を、埋め込み導体用金属ペースト202と接続されるように形成する。
その後、積層した第1セラミックグリーンシート201aと第2セラミックグリーンシー
ト201bとからなる積層体において、上部溝106となる第2貫通孔205の形成予定位置と下
部溝107の第1貫通孔203内に埋め込んだ埋め込み導体用金属ペースト202とを一括して打
抜き加工する。この打ち抜き面は、上部溝106の内側面と下部溝107の内側面の埋め込み導体108の表面(内側面)になる。これにより、上部溝106の内側面と埋め込み導体108の露
出する側面とが同じ面上に位置した、多数個取り配線基板となる積層体を製作することができる。
次に、図7(b)のように、絶縁基板101となる基板領域が配列された積層体に、各基
板領域を個片に分割するために、その主面に分割溝116を形成する。分割溝116は、金型やカッター刃等の機械加工や、レーザー加工等により形成される。上述したように分割溝116をレーザー加工で形成するとともに、下部溝107に側面導体を含む埋め込み導体108(埋
め込み導体用金属ペースト202等)を設ける場合には、埋め込み導体108等の導体部分(金属ペースト部分)の厚みが比較的大きいため、その導体部分の一部が厚み方向に切断される可能性を低減することができる。
また、埋め込み導体108に沿って補助導体110(補助導体用金属ペースト204)を形成す
る場合には、上記の積層体においてこの補助導体110が基板領域同士の境界115を跨いで埋め込み導体108に電気的に接続した構造となる。そのため、埋め込み導体108の厚みが比較的小さくても、レーザー加工による分割溝の形成時に、レーザー光の照射等によって埋め込み導体108(上記金属ペースト)を誤って切断してしまうような可能性がより効果的に
低減される。
このような積層体は、高温で焼成することにより基板領域が配列された多数個取り配線基板となる。この多数個取り配線基板の主面に形成された分割溝116に沿って、第1貫通
孔203(下部溝107となる部分)、および第2貫通孔205(上部溝106となる部分)を通るように、多数個取り配線基板(母基板)の厚み方向に分割することにより、側面導体と外部接続導体109との接続信頼性が高い複数の電子部品収納用パッケージを同時に製作するこ
とができる。すなわち、本実施形態の製造方法によれば、上記実施形態の電子部品収納用パッケージを、高い生産性で製作することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の一例では、絶縁基板101の形状を長辺と短辺が異なる長方形状としたが、正方形状としてもよい。ま
た、絶縁基板101を2層の絶縁層(下部および上部絶縁層105,104)から構成したが、電
子部品103の収容形態に合わせて3層以上の絶縁層から構成してもよい。また、外部接続
導体109は絶縁基板101の下面において各コーナー部の4箇所に形成したが、電子部品103
の用途、端子数にあわせてその他の位置に4箇所以外で形成してもよい。また、枠状メタライズ層111の上面に蓋体113をシーム溶接で接合するために、四角枠状の鉄−ニッケル−コバルト合金金属からなる金属枠体(図示せず)をろう材により接合した構造としてもよい。
101・・・絶縁基板
102・・・搭載部
103・・・電子部品
104・・・上部絶縁層
105・・・下部絶縁層
106・・・上部溝
107・・・下部溝
108・・・埋め込み導体
109・・・外部接続導体
110・・・補助導体
111・・・枠状メタライズ層
112・・・配線導体
113・・・蓋体
114・・・接合材
201a・・・第1セラミックグリーンシート
201b・・・第2セラミックグリーンシート
202・・・埋め込み導体用金属ペースト
203・・・第1貫通孔
204・・・補助導体用金属ペースト
205・・・第2貫通孔
206・・・外部接続導体用金属ペースト

Claims (5)

  1. 上面に電子部品が搭載される搭載部を有する下部絶縁層と、該下部絶縁層上に前記搭載部を取り囲むように積層された枠状の上部絶縁層と、前記下部絶縁層の下面の外周部に設けられた外部接続導体とを具備しており、
    前記上部絶縁層の外側面に、該外側面の下端から上端にかけて上部溝が形成されており、前記下部絶縁層の側面に、平面視で前記上部溝と重なる位置において前記側面の下端から上端にかけて前記上部溝よりも大径の下部溝が形成されており、
    前記下部溝の内側面の下端から上方向に設けられているとともに、下端部が前記外部接続導体と接続されている埋め込み導体をさらに有することを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
  2. 前記埋め込み導体が前記下部溝の下端から上端にかけて設けられており、前記上部溝の内側面と前記埋め込み導体の露出する側面とが同じ面上に位置していることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品収納用パッケージ。
  3. 前記埋め込み導体の前記露出した側面が前記上部溝の前記内側面よりも外側に位置しており、前記埋め込み導体の前記露出した側面に沿って前記上部絶縁層の下面の一部が露出していることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品収納用パッケージ。
  4. 下面透視において前記埋め込み導体の外周に沿うように前記上部絶縁層と前記下部絶縁層との層間に配置されており、該層間において前記埋め込み導体に接続された補助導体をさらに具備していることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子部品収納用パッケージ。
  5. 第1および第2セラミックグリーンシートを準備する工程と、
    第1セラミックグリーンシートに厚み方向に貫通する第1貫通孔を形成するとともに、該第1貫通孔の内側面に金属ペーストを充填する工程と、
    前記第2セラミックグリーンシートに厚み方向に貫通する第2貫通孔を形成する工程と、前記第1セラミックグリーンシートと前記第2セラミックグリーンシートとを、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが上下に連続するように積層して積層体を作製する工程と、
    平面視における前記第1貫通孔内の前記金属ペーストの一部を前記第1セラミックグリーンシートの厚み方向に打ち抜く工程と、
    前記積層体の前記第1セラミックグリーンシート側の主面に、端部が前記第1貫通孔内の前記金属ペーストに接続するように金属ペーストを塗布する工程と、
    前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を通るように前記積層体を該積層体の厚み方向に分割する工程とを備えることを特徴とする電子部品収納用パッケージの製造方法。
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