JP2016173536A - 画像形成装置 - Google Patents

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Masahito Mikami
雅人 三上
野谷 基
Motoi Notani
基 野谷
宏幸 玉井
Hiroyuki Tamai
宏幸 玉井
弘行 小出
Hiroyuki Koide
弘行 小出
真生 永田
Masanari Nagata
真生 永田
西出 秀一
Shuichi Nishide
秀一 西出
黒川 泰弘
Yasuhiro Kurokawa
泰弘 黒川
圭介 松沢
Keisuke Matsuzawa
圭介 松沢
朗 沼崎
Akira Numazaki
朗 沼崎
隆司 藤木
Takashi Fujiki
隆司 藤木
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Abstract

【課題】記録用紙への画像形成時の倍率変動を抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録用紙への画像転写位置と定着位置における記録用紙の搬送速度をそれぞれ設定できる画像形成装置に両面印刷する場合には、定着後、記録用紙が通常の含水率に戻ったときに適正な画像倍率になるように画像形成時の走査露光周期を記録用紙の種類に応じて補正するが、その際、一方の面に続けて他方の面に画像形成する際の第2の走査露光周期補正(ステップ114、136)は、一方の面に画像形成する際の第1の走査露光周期の補正(ステップ106、128)よりも短い周期とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
特許文献1には、感光体への露光周期を、用紙中央部領域に対して、先端部領域と後端部領域とで可変にすることにより、先端部と荒誕部との副走査方向の印字長さを補正することが記載されている。また、給紙トレイによって補正を変更することが記載されている。
特許文献2には、FAXを受信して出力する際に、用紙の上部又は下部に発信元情報を書込むためのスペースを確保するため、1ライン露光周期を10%ほど小さくして原稿画像の副走査方向倍率を縮めることが記載されている。
特許文献3には、印刷画像データを副走査方向に複数の領域に分割し、分割した領域毎に印字率を算出することが記載されている。その各印字率に基づいて領域ごとに露光周期を変化させて副走査方向の倍率を補正することが記載されている。
特開2008−233858号 特開2003−060900号 特開2012−126083号
記録用紙の表裏に画像を記録する場合、記録用紙の表裏に記録される画像間で倍率が変動することがある。
本発明は上記事実を考慮し、記録用紙への画像形成時の倍率変動を抑制することができる画像形成装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の発明は、記録媒体の種類に応じて、転写位置と定着位置での搬送速度を設定する設定手段と、少なくとも転写位置と定着位置の各々で、前記設定手段で設定された搬送速度で記録媒体に搬送力を付与すると共に、像保持体に走査露光され現像された画像を、転写位置で記録媒体へ転写し、定着位置で定着する画像形成部と、一方の面に画像形成する場合には、前記設定手段で設定した搬送速度に応じて、前記画像形成部での走査露光周期を補正する第1の補正手段と、記録媒体の一方の面の画像形成後に続けて他方の面に画像形成する場合に、一方の面の走査露光周期よりも短い走査露光周期に補正する第2の補正手段と、を有している。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、画像形成部までの搬送長が異なる複数の記録媒体収容部を備え、記録媒体収容部毎に、前記走査露光周期をさらに補正する。
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、画像形成部の周囲の環境温湿度を検出するセンサをさらに有し、前記センサの検出値に基づいて、前記走査露光周期をさらに補正する。
請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜請求項3の何れか1項記載の発明において、前記記録媒体に画像形成された画像形成領域を分割し、各々の画像形成領域の画像密度に応じて、前記走査露光周期をさらに補正する。
請求項1に記載の発明によれば、録用紙への画像形成時の倍率変動を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、画像形成部までの搬送長に基づく倍率変動を露光周期補正に反映することができる。
請求項3に記載の発明によれば、環境温湿度に基づく倍率変動を露光周期補正に反映することができる。
請求項4に記載の発明によれば、画像密度に基づく倍率変動を露光周期補正に反映することができる。
本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 本実施の形態に係る画像形成装置の画像形成部及びその周辺の用紙搬送部の拡大図である。 本実施の形態に係る画像形成装置の制御系を示すブロック図である。 (A)は露光部におけるLPHの構造を示す拡大図、(B)はLPHの配列構成を示す平面図である。 用紙の表裏面に画像形成するときの用紙の正面図であり、(A)は比較例に係る用紙の伸縮状態の遷移状態、(B)は本実施の形態に係る用紙の伸縮状態の遷移状態を示す。 本実施の形態に係る搬送速度、露光周期設定制御ルーチンを示すフローチャートである。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置10の概略が示されている。
画像形成装置10は、筐体12内に、画像形成部14、用紙搬送部16、画像形成部14を制御するMCU18が設けられている。MCU18は、画像形成装置10の全体を制御し、設定手段及び第1の補正手段、第2の補正手段の一例としてのメインコントローラ20に接続されている。
(画像形成部14)
図2には画像形成部14及び用紙搬送部16の概略図が示されている。
画像形成部14は、図2の矢印A方向に定速回転する感光体ドラム22を備えている。
この感光体ドラム22の周囲には、感光体ドラム22の回転方向(図2の矢印Aで示す時計回り方向)に沿って、帯電器24、露光部26、現像器28、転写ロール30、クリーナ32、イレーズランプ34が順に配設されている。以下、総称して、画像形成ユニットという場合がある。露光部26は、LEDプリンタヘッド(LPH)が適用されており、以下において、露光部26をLPH26という場合がある。
感光体ドラム22は、帯電器24によって表面が一様に帯電された後、LPH26によって光ビームが照射されて、感光体ドラム22上に潜像が形成される。なお、LPH26は、LPH駆動部36によって発光制御され、画像データに基づく光ビームを出射するようになっている。
前記光ビームによって感光体ドラム22上に形成された潜像には、現像器28によってトナーが供給されて、当該感光体ドラム22上にトナー像が形成される。
感光体ドラム22上のトナー像は、転写ロール30によって、記録媒体としての用紙38に転写される。以下、トナー像が転写される領域を、「転写部TR」という場合がある。
転写部TRでの転写後に、感光体ドラム22に残留しているトナーは、クリーナ32によって除去され、イレーズランプ34によって除電された後、再び帯電器24によって帯電されて、同様の画像形成処理を繰り返すことが可能である。
一方、転写部TRでトナー像が転写された用紙38は、加圧ローラ40Aと加熱ローラ40Bからなる定着器40に搬送されて定着処理が施される。これにより、トナー像が定着されて、用紙38上に所望の画像が形成される。画像が形成された用紙38は装置外へ排出される。
なお、感光体ドラム12から用紙に直接転写せず、中間転写部材(ベルト、ドラム)に一次転写し、その後、用紙に二次転写(上記転写部TRでの転写に相当)するようにしてもよい。中間転写体、用紙38は、共に記録媒体に属する。
カラー画像の場合、複数(例えば、CMYKの各色毎の4個)の画像形成ユニットを配列し、中間転写ベルトに各色のトナー像を重ねて転写(一次転写)した後、転写部TRで用紙38に転写(二次転写)して、定着処理する。
(用紙38の搬送系の詳細)
図1に示される如く、画像形成装置10には、画像形成部14に用紙38を供給する複数段の供給装置82が装着されている。供給装置82は、それぞれ画像形成装置10の前側(図1の左側面)に引き出すようになっており、供給装置82を画像形成装置10から引き出した状態で用紙38が装填(補充)される。
供給装置82は、例えば普通紙や厚紙といった用紙の種類が異なる毎に収納する収納容器84を有する。用紙38の種類としては、例えば、上段から順に、A3普通紙、A3厚紙、A4普通紙、A4厚紙といったように、ユーザの選択によって装填される。
供給装置82は、収納容器84に収納された最上位の用紙38を持ち出しし、持ち出した用紙38を画像形成部14へ向けて搬送する搬送ロール86を有する。
図1及び図2に示される如く、画像形成装置10には、用紙38の搬送に用いられる用紙搬送部16が形成されている。用紙搬送部16は、主搬送路88と、反転搬送路90と、副搬送路91とを有する。
主搬送路88は、何れかの供給装置82から供給された用紙38を画像形成部14に搬送し、画像が形成された用紙38を画像形成装置10外に排出するために用いられる。
主搬送路88に沿って、用紙38が搬送される方向における上流側から順に、前記搬送ロール86と、レジストロール92と、転写ロール30と、定着器40(加圧ローラ40Aと加熱ローラ40B)と、排出ロール94とが配置されている。
レジストロール92は、例えば、供給装置82側から搬送されてきた用紙38の先端部を挟んだ状態で一時的に停止させ、転写部TRにトナー像が転写されるタイミングと合致するように用紙38を転写ロール30に向けて送り出す。
排出ロール94は、定着器40によって各色のトナーが定着された用紙38を画像形成装置10外に排出する。
反転搬送路90は、一方の面にトナー像が定着された用紙38を反転させつつ、再び画像形成部14に向けて供給するために用いられる搬送路である。
反転搬送路90に沿って、例えば、2対の反転搬送ロール96、96が配置されている。反転搬送路90には、排出ローラ94で用紙38の後端部を挟みこんだ状態で、当該排出ロール94が逆回転することで用紙38が後端部側から供給され、供給された用紙38が反転搬送ロール96、96によって、レジストロール92の上流の位置へと搬送される。
副搬送路91は、供給装置82に収納された用紙38とは異なる用紙38を画像形成部14に供給するための搬送路である。副搬送路91には、供給用開閉部98を開いた状態で画像形成装置10の図1の左側面から用紙38が供給される。副搬送路91には、搬送ロール99が設けられている。搬送ロール99は、副搬送路91に供給された用紙38を画像形成部14に向けて搬送する。
(エンジン部制御系)
図3は、画像形成装置の制御系のブロック図である。
メインコントローラ20には、ユーザインターフェイス42が接続され、ユーザの操作によって画像形成等に関する指示がなされると共に、画像形成時等の情報をユーザへ報知するようになっている。
また、このメインコントローラ20には、図示しない外部ホストコンピュータとのネットワークラインが接続されており、画像データが入力されるようになっている。
画像データが入力されると、メインコントローラ20では、例えば、画像データに含まれるプリント指示情報と、イメージデータとを解析し、画像形成部14に適合する形式(例えば、ビットマップデータ)に変換し、MCU18の一部として機能する画像形成処理制御部44へ画像データを送出する。
画像形成処理制御部44では、入力されたイメージデータに基づいて、画像形成処理制御部44と共に、それぞれMCU18として機能する駆動系コントロール部46、帯電コントロール部48、露光コントロール部50、転写コントロール部52、定着コントロール部54、除電コントロール部56、クリーナコントロール部58、現像コントロール部60のそれぞれを同期制御し、画像形成を実行する。なお、本実施の形態では、MCU18で実行される機能をブロックに分類したものであり、MCU18のハード構成を限定するものではない。
LPH駆動部36は、前記露光コントロール部50によって制御されるようになっている。
なお、メインコントローラ20には、温度センサ62、湿度センサ64等が接続され、当該温度センサ62、湿度センサ64に基づき、画像形成装置10の筐体12内の環境温度・湿度を検出する場合がある。
(LPH26及びLPH駆動部36の詳細構成)
次に、LPH26及びLPH駆動部36の構成を詳細に説明する。
LPH26は、図4(A)に示すように、筐体66に覆われたLEDアレイ68と、LEDアレイ68を支持するとともに、LEDアレイ68の駆動を制御する各種信号を供給するための回路とが形成されたプリント基板70と、セルフォック(登録商標)レンズアレイ(SLA)72を備えている。
プリント基板70は、LEDアレイ68の取り付け面を感光体ドラム22に対向させて、ハウジング74内に配設され、板バネ76によって支持されている。
図4(B)に示される如く、LPH26は、感光体ドラム22(図4(A)参照)の軸線方向に沿って複数のLED78が配列されたSLEDチップ80が、さらに所謂千鳥状に配列されており、感光体ドラム22の軸線方向に、所定の解像度で光ビームを照射することができるようになっている。
(用紙38の搬送速度制御)
図3に示す駆動系コントロール部46では、用紙搬送部16における用紙38の搬送速度を制御している。
本実施の形態の画像形成装置10では、図2に示される如く、用紙38が主搬送路88を搬送されるとき、以下の3箇所の搬送力付与点で搬送力が付与される。
(搬送力付与点1) 用紙38は、レジストロール92によって挟まれ、当該レジロール92の回転速度に依存した線速度vrの搬送力が付与される。
(搬送力付与点2) 用紙38は、転写部TRにおいて感光体ドラム22と転写ロール30に挟まれ、感光体ドラム22、定着ロール30の回転速度に依存した線速度vbの搬送力が付与される。なお、転写ロール30は従動ローラである。
(搬送力付与点3) 用紙38は、定着器40の加圧ローラ40Aと加熱ローラ40Bに挟まれ、加圧ローラ40A、加熱ローラ40の回転速度に依存した線速度vfの搬送力が付与される。
ここで、用紙38の種類として、普通紙と厚紙とを比較すると、普通紙は、搬送力付与点2(感光体ドラム22と転写ロール30)と、搬送力付与点3(定着器40)との間で、引張り力やねじれによる用紙搬送むらが発生する場合がある。
そこで、普通紙の場合は、下流側へ行くほど線速度を遅くして、各搬送力付与点1〜3の間で用紙38がたるむ(ループが形成される)ように搬送する(vr>vb>vf)。
一方、厚紙の場合、各搬送力付与点1〜3の間で用紙のたわみ(ループ)を形成すると、用紙38の腰の強さによって、搬送力付与点2(感光体ドラム22と転写ロール30)と搬送力付与点3(定着器40)との間で、直線に戻ろうとする力が働き、かえって安定しない場合がある。
そこで、厚紙の場合は、下流側へ行くほど線速度を速くして、各搬送力付与点2と搬送力付与点3の間で用紙38が引っ張り合うように搬送する(vb<vf)。なお、搬送力付与点1(レジストロール92)と搬送力付与点2(感光体ドラム22と転写ロール30)との間では、普通紙と同様に下流側が遅くてもよい(vr>vb)。
表1に、搬送力付与点1〜3における搬送速度(線速度)の相対関係を、具体的な数値を用いて示す。
なお、表1の数値は、相対的な差を示すだけの一例であり、本実施の形態の各搬送付与点1〜3における線速度、露光周期、補正係数は、当該数値に限定されるものではない
また、本実施の形態では、搬送力付与点1と搬送力付与点3の駆動源(一例として、図2に示すモータM1)は共通であり、それぞれ変速機Gf、Grによって目的の搬送速度vf、vrを設定している。一方、搬送力付与点2の駆動源(一例として、図2に示すモータM2)は独立しており、変速機Gbによって目的の搬送速度vbを設定している。
このため、表1では、搬送力付与点1と搬送力付与点3の速度変更比率は同一となっているが、それぞれ独立した駆動源であれば、特に、搬送力付与点1と搬送力付与点3の速度変更比率を同一にする必要はない。
(搬送速度制御に基づく露光周期制御)
ここで、表1に示すように、用紙38の種類又は坪量(ここでは、普通紙と厚紙)とで、搬送速度を異ならせることで、それぞれの種類毎の搬送時の搬送むら等は解消する一方、普通紙と厚紙との間での倍率が異なることになる。
倍率変動の現象としては、厚紙の搬送速度が普通紙の搬送速度よりも遅く設定しているため、普通紙と厚紙とを比較すると、副走査方向の倍率が、厚紙の方が普通紙よりも縮む傾向となる。
そこで、本実施の形態では、用紙の種類又は坪量に応じて、画像形成部14のLPH26による副走査方向の露光周期を異ならせるようにした。
表1には、その設定値の一例が示されている。表1では、普通紙の露光周期の補正係数を基準(すなわち、1.0)と設定しており、このため、普通紙の露光周期は、基準露光周期(表1では、335.978μsec×1.0=335.978μsec)となっている。
これに対して、厚紙の露光周期の補正係数をa1(表1では、1.002)と設定しており、このため、厚紙の露光周期は、基準露光周期よりも長い周期(表1では、335.978μsec×1.002=336.6500μsec)となっている。
これにより、記録用紙38として、厚紙を用いた画像形成時の画像の倍率と、記録用紙38として、普通紙を用いた画像形成時の画像の倍率との差が相殺される。
(両面画像形成に基づく露光周期制御)
用紙38は、供給装置82(図1参照)から取り出されて、画像形成部14において一方の面(表面)に画像形成が実行された後、反転搬送路90へ案内され、表裏が反転された状態で、画像形成部14へ送り込まれ、他方の面(裏面)に画像形成が実行される、所謂「両面印刷処理」がなされる場合がある。なお、本実施の形態において、「画像形成」「印刷」とは同義で取り扱うこととする。
この両面印刷処理においても、表1に示される如く、普通紙と厚紙とで速度の調整は実行されるため、搬送時の引っ張りやねじれによる副走査方向の伸縮は解消される。
一方、両面印刷処理における表面の印刷の最終工程では、定着器40によって、用紙38に加圧ローラ40Aによって加圧処理がなされると共に、加熱ローラ40Bによって加熱処理がなされている。特に、加熱処理を行うことで、当該加熱処理前よりも、加熱処理後の用紙38に含まれる水分は減少する(図5(A)の「(1)の状態から(2)の状態参照)。
従って、定着器40での定着処理後、反転搬送路90を介して画像形成部14へ送り込まれる用紙38は、表面への画像形成時の含水率に比べて低い含水率となっている。含水率差は、用紙38の伸縮に影響される。
用紙38は、表面の画像形成時に対して、裏面の画像形成時の方が縮んでおり、当該縮んだ状態で裏面の画像形成が実行される(図5(A)の(3)の状態参照)。当該縮んだ状態での裏面の画像形成後では、既に含水率は低いため、裏面画像形成時の定着後は、表面画像形成時の定着後に比べて用紙38の縮む量が少ない(図5(A)の(4)の状態参照)。
用紙38は放置することで、元の含水率に戻るため、縮んだ状態で画像形成された裏面の画像は、用紙38が元のサイズに戻ると、倍率が高い状態での画像形成となり、用紙38の表裏面に画像形成した倍率が異なる場合がある(図5(A)の(5)の状態参照)。
そこで、本実施の形態では、表1の露光周期制御に加え、当該表1の露光周期の条件(厚紙の露光周期が、普通紙の露光周期よりも長い周期である条件)を変更することなく、普通紙及び厚紙のそれぞれにおいて、裏面の画像形成時の露光周期が、表面の画像形成時の露光周期よりも短い周期となるようにした(表2参照)。
なお、表2の数値は、相対的な差を示すだけの一例であり、本実施の形態の各搬送付与点1〜3における線速度、露光周期、補正係数は、当該数値に限定されるものではない
また、表2では、前記表1と同様に、搬送力付与点1と搬送力付与点3の駆動源(一例として、図2に示すモータM1)は共通であり、それぞれ変速機Gf、Grによって目的の搬送速度vf、vrを設定している。一方、搬送力付与点2の駆動源(一例として、図2に示すモータM2)は独立しており、変速機Gbによって目的の搬送速度vbを設定している。
このため、表2では、搬送力付与点1と搬送力付与点3の速度変更比率は同一となっているが、それぞれ独立した駆動源であれば、特に、搬送力付与点1と搬送力付与点3の速度変更比率を同一にする必要はない。
表2によれば、例えば、普通紙の場合、表面を画像形成するときは、露光周期は335.978μsecであるのに対し、裏面を画像形成するときは、露光周期は334.634μsecとしている。また、例えば、厚紙の場合、表面を画像形成するときは、露光周期は336.650μsecであるのに対し、裏面を画像形成するときは、露光周期は336.614μsecとしている。
すなわち、普通紙及び厚紙のそれぞれにおいて、裏面の画像形成時の露光周期が、表面の画像形成時の露光周期よりも短い周期となる。このため、図5(B)の(1)、(2)で表面に画像形成した後の裏面の画像形成では、裏面画像の副走査方向の長さが、表面画像の副走査方向の長さよりも短く画像形成される(図5(B)の(3)の状態参照)。定着処理(図5(B)の(4)の状態参照)を経て、用紙38が放置されると、結果として、表面及び裏面の画像の副走査方向の長さが一致する(図5(B)の(5)の状態参照)。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
まず、画像形成処理の手順を説明する。
メインコトローラ20により、外部から受け付けた画像データは、例えば、階調データに変換され、MCU18(露光コントロール部50)を介して、画像形成部14へ出力される。画像形成部14では、階調データに応じてLPH駆動部36によりLPHを駆動して露光光を出射して、感光体ドラム22走査露光を行い、潜像(静電潜像)を形成する。
感光体ドラム22上に形成された静電潜像は、現像器28によって、トナー像として顕在化される(現像)。そして、感光体ドラム22に形成されたトナー像は、転写ロール30によって用紙38へ転写される。
用紙38上の各色のトナー像は、定着器40で定着され、定着後の用紙38は装置外へ排出される(片面印刷処理)、或いは、排出ローラ94で用紙38の後端部を挟みこんだ状態で、反転搬送路90へ送られる(両面印刷処理)。
トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム22の表面は、残留トナーや紙粉等が除去される。次の画像形成処理の際に一様に帯電される。
反転搬送路90へ送られる用紙38(表面の画像形成が終了した用紙38)は、排出ローラ94で用紙38の後端部を挟みこんだ状態で、当該排出ロール94が逆回転することで用紙38が後端部側から供給され、供給された用紙38が反転搬送ロール96、96によって、表裏が反転した状態でレジストロール92の上流の位置へと搬送される。
これにより、裏面への画像形成が、上記画像形成工程と同様に実行され、定着器40で定着され、定着後の用紙38は装置外へ排出される。
次に、図6のフローチャートに従い、本実施の形態に係る画像形成時の搬送速度及び露光周期を設定するための制御ルーチンを説明する。本実施の形態では、画像形成時の搬送速度及び露光周期の設定をメインコントローラ20で実行し、MCU18の各部へセットするようにしているが、MCU18で実行してもよい。
ステップ100では、例えば、ユーザインターフェイス42を用いた入力操作により、画像形成するために選択された用紙38の種類が普通紙(坪量が小)か厚紙(坪量が大)かを判別する。
(普通紙選択)
ステップ100で普通紙と判別されると、ステップ102へ移行して、普通紙に基づく、各搬送力付与点1〜3における搬送速度vr、vb、vfを読み出す。普通紙の場合、各搬送速度の関係は、vr>vb>vfとなる(表1及び表2参照)。
次のステップ104では、ステップ102で読み出した普通紙用の搬送速度vr、vb、vfを、MCU18の駆動系コントロール部46へセットして、ステップ106へ移行する。
ステップ106では、基準露光周期Teを読み出す。次いで、ステップ108へ移行して普通紙用表面側露光周期Te(=基準露光周期Te(補正無し))を、MCU18の露光コントロール部50へセットしてステップ110へ移行する。
ステップ110では、画像形成は片面か両面かが判断される。
ステップ110で、両面、すなわち用紙38の表面及び裏面に画像形成すると判別された場合は、ステップ112へ移行して、裏面画像形成用の補正係数a(表1及び表2参照)を設定する。
次のステップ114では、裏面側露光周期Terとして、表面側露光周期Teに補正係数aを積算する(Ter=Te×a)。
次のステップ116では、ステップ114で演算した普通紙用の裏面側露光周期TerをMCU18の露光コントロール部46へセットして、ステップ118へ移行する。
また、前記ステップ110で、片面、すなわち用紙38の表面に画像形成すると判別された場合は、ステップ118へ移行する。
ステップ118では、搬送速度vr、vb、vf、露光周期Te(及び必要に応じてTer)のセット終了をMCU18へ通知して、このルーチンは終了する。
MCU18では、セットされた普通紙用の搬送速度vr、vb、vf、普通紙用の露光周期Te(及び必要に応じてTer)に基づいて、前述した画像形成処理が実行される。
(厚紙選択)
前記ステップ100で厚紙と判別されると、ステップ120へ移行して、厚紙に基づく、各搬送力付与点1〜3における搬送速度vr、vb、vfを読み出す。厚紙の場合、各搬送速度の関係は、vr>vb、vb<vfとなる(表1及び表2参照)。
次のステップ122では、ステップ120で読み出した厚紙用の搬送速度vr、vb、vfを、MCU18の駆動系コントロール部46へセットして、ステップ124へ移行する。
ステップ124では、基準露光周期Teを読み出し、次いで、ステップ126へ移行して、表面画像形成用の補正係数a1(表1及び表2参照)を設定し、ステップ128へ移行する。
ステップ128では、表面側露光周期Teとして、基準露光周期Teに補正係数a1を積算する(Ter=Te×a1)。
次のステップ130では、厚紙用の表面側露光周期Te(a1による補正有り)を、MCU18の露光コントロール部50へセットして、ステップ132へ移行する。
ステップ132では、画像形成は片面か両面かが判断される。
ステップ132で、両面、すなわち用紙38の表面及び裏面に画像形成すると判別された場合は、ステップ134へ移行して、裏面画像形成用の補正係数a2(表1及び表2参照、a2<a1)を設定する。
次のステップ136では、裏面側露光周期Terとして、表面側露光周期Teに補正係数a2を積算し(Ter=Te×a2)、ステップ138へ移行する。
ステップ138では、ステップ136で演算した厚紙用の裏面側露光周期TerをMCU18の露光コントロール部46へセットして、ステップ118へ移行する。
また、前記ステップ132で、片面、すなわち用紙38の表面に画像形成すると判別された場合は、ステップ118へ移行する。
ステップ118では、厚紙用の搬送速度vr、vb、vf、厚紙用の露光周期Te(及び必要に応じてTer)のセット終了をMCU18へ通知して、このルーチンは終了する。
MCU18では、セットされた搬送速度vr、vb、vf、露光周期Te(及び必要に応じてTer)に基づいて、前述した画像形成処理が実行される。
(搬送速度制御)
本実施の形態よれば、画像形成部14を通過する用紙38に対して、3箇所から搬送力を付与している(搬送力付与点1から3)。
普通紙の場合は、表1及び表2に示される如く、下流側へ行くほど線速度を遅くして、各搬送力付与点1〜3の間で用紙38がたるむ(ループが形成される)ように搬送する(vr>vb>vf)。
これにより、搬送力付与点2と、搬送力付与点3との間で、引張り力やねじれによる用紙搬送むらの発生が抑制される。
一方、厚紙の場合は、表1及び表2に示される如く、下流側へ行くほど線速度を速くして、各搬送力付与点2と搬送力付与点3の間で用紙38が引っ張り合うように搬送する(vb<vf)。なお、搬送力付与点1(レジストロール92)と搬送力付与点2(感光体ドラム22と転写ロール30)との間では、普通紙と同様に下流側が遅くてもよい(vr>vb)。
これにより、用紙38は撓みがない状態で搬送されるため、用紙38の腰の強さによって、搬送力付与点2と搬送力付与点3との間での直線に戻ろうとする力が働くことがない。
(露光周期制御1「搬送制御に基づく補正」)
表1及び表2に示すように、1枚の用紙38の領域では搬送速度むらやねじれ等の不具合が等は解消する一方、普通紙と厚紙との間での倍率が異なる場合がある。本実施の形態によれば、用紙の種類又は坪量に応じて、画像形成部14のLPH26による副走査方向の露光周期を異ならせるようにした。
表1及び表2では、厚紙の搬送速度が普通紙の搬送速度よりも遅く設定しており、これにより、副走査方向の倍率において、厚紙の方が普通紙よりも縮むようなことがない。
(露光周期制御2「表裏面画像形成時の含水率差に基づく補正」)
用紙38は、表面の画像形成時の含水率に対して、裏面の画像形成時の含水率が低いため、含水率差分だけ伸縮差がある。すなわち、裏面の画像形成時は、表面の画像形成時よりも縮んだ状態で画像形成が実行され、その後の放置(含水率復元)によって、用紙38が元のサイズに戻ると、倍率が高い状態での画像形成となる場合がある(図5(A)の(1)〜(5)参照)。
そこで、表2に示すように、普通紙及び厚紙のそれぞれにおいて、裏面の画像形成時の露光周期が、表面の画像形成時の露光周期よりも短い周期となるようにした。これにより、表裏面における倍率差が解消される(図5(B)の(1)〜(5)参照)。
(供給装置による補正)
なお、本実施の形態では、露光周期の制御として、用紙種類間に基づく補正と、表裏面画像形成時の含水率差に基づく補正とを実行したが、供給装置82が複数段(図1参照)存在する場合、例えば、最上段の供給装置82から取り出される用紙38と、最下段の供給装置82から取り出される用紙38とでは、搬送パス長が異なるため、用紙38に係る搬送時の負荷が異なる。
上段の供給装置82から取り出される用紙38は搬送抵抗が相対的に小さいためあまり減速せず、下段の供給装置82から取り出される用紙38は搬送抵抗が相対的に大きいため減速し易い。裏面の画像形成時は供給装置82での搬送抵抗は関与しないため、用紙38の表裏面で搬送抵抗の差による位置ずれが発生する場合がある。また、供給装置82の違い(搬送パス長の違い)による倍率変動は、異なる用紙38の表面同士であっても発生する場合がある。
そこで、搬送パス長によって露光周期の補正係数(a、a1、a2)をさらに調整するようにしてもよい。例えば、下段の供給装置82から用紙38を取り出した場合は、上段の供給装置82から用紙38を取り出した場合よりも露光周期を短くすることが好ましい。
(温湿度による補正)
また、本実施の形態では、表裏面画像形成時の含水率差に基づく補正の際、標準的な温度及び湿度に基づいて、補正係数(a、a1、a2)を設定したが、含水率は装置内の温度及び湿度によって変化する場合がある。そこで、温度センサ62、湿度センサ64(図3参照)による検出情報に基づいて、補正係数(a、a1、a2)をさらに調整するようにしてもよい。
(画像密度による補正)
さらに、トナー粒子の密度が高い画像(例えば、写真画像)は、トナー粒子の摩擦係数が用紙38の面の摩擦係数よりも小さいため、転写部TR及び定着器40で滑りが発生し易い。そこで、副走査方向に画像領域を分割し、画像の密度(トナー粒子の密度)に応じて、露光周期の補正係数(a、a1、a2)をさらに調整するようにしてもよい。
10 画像形成装置
12 筐体
14 画像形成部
16 用紙搬送部
18 MCU
20 メインコントローラ
22 感光体ドラム
24 帯電器
26 露光部
28 現像器
30 転写ロール
TR 転写部
32 クリーナ
34 イレーズランプ
36 LPH駆動部
38 用紙
40A 加圧ローラ
40B 加熱ローラ
40 定着器
42 ユーザインターフェイス
44 画像形成処理制御部
46 駆動系コントロール部
48 帯電コントロール部
50 露光コントロール部
52 転写コントロール部
54 定着コントロール部
56 除電コントロール部
58 クリーナコントロール部
60 現像コントロール部
62 温度センサ
64 湿度センサ
66 筐体
68 LEDアレイ
70 プリント基板
72 セルフォック(登録商標)レンズアレイ
74 ハウジング
76 板バネ
78 LED
82 供給装置
84 収納容器
86 搬送ロール
88 主搬送路
90 反転搬送路
91 副搬送路
92 レジストロール
94 排出ロール
96 反転搬送ロール
98 供給用開閉部
99 搬送ロール
80 SLEDチップ

Claims (4)

  1. 記録媒体の種類に応じて、転写位置と定着位置での搬送速度を設定する設定手段と、
    少なくとも転写位置と定着位置の各々で、前記設定手段で設定された搬送速度で記録媒体に搬送力を付与すると共に、像保持体に走査露光され現像された画像を、転写位置で記録媒体へ転写し、定着位置で定着する画像形成部と、
    一方の面に画像形成する場合には、前記設定手段で設定した搬送速度に応じて、前記画像形成部での走査露光周期を補正する第1の補正手段と、
    記録媒体の一方の面の画像形成後に続けて他方の面に画像形成する場合に、一方の面の走査露光周期よりも短い走査露光周期に補正する第2の補正手段と、
    を有する画像形成装置。
  2. 画像形成部までの搬送長が異なる複数の記録媒体収容部を備え、
    記録媒体収容部毎に、前記走査露光周期をさらに補正する請求項1記載の画像形成装置。
  3. 画像形成部の周囲の環境温湿度を検出するセンサをさらに有し、
    前記センサの検出値に基づいて、前記走査露光周期をさらに補正する請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記記録媒体に画像形成された画像形成領域を分割し、各々の画像形成領域の画像密度に応じて、前記走査露光周期をさらに補正する請求項1〜請求項3の何れか1項記載の画像形成装置。
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