JP2016172731A - 透明〜半透明化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】腐植土抽出物とα—ヒドロキシ酸又はその塩とアミノカルボン酸由来のキレート剤ならびに特定の界面活性剤を含む透明半透明の化粧料に関して、沈殿の析出が防止され、かつ製剤の優れた使用感、製剤安定性を兼ね備えた化粧料を提供すること。【解決手段】次の成分(a)〜(d);(a)腐植土抽出物(b)α−ヒドロキシ酸又はその塩(c)アミノカルボン酸由来のキレート剤(d)イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エーテルを含有することを特徴とする透明〜半透明の化粧料。【選択図】 なし

Description

本発明は、腐植土抽出物とα―ヒドロキシ酸又はその塩とアミノカルボン酸由来のキレート剤ならびに特定の界面活性剤を含む透明〜半透明の化粧料に関し、さらに詳しくは、沈殿の析出が防止され、かつ製剤の使用感、安定性を兼ね備えた化粧料に関するものである。
化粧料には、効能、効果を期待して様々な成分が含有されるものでる。なかでも、透明〜半透明の化粧料は、含有する成分によって外観上で着色されたり、乳化状態では白濁するなど、視覚的にわかりやすいものとなるが、一方で、経時での沈殿発生や透明性変化といった製剤の安定性に影響を与えやすいものである。この経時での沈殿発生を抑制するためにキレート剤やα―ヒドロキシ酸を含有する技術が知られているが、べたつきなどの使用感に影響を与える場合があった。
そこで、このような成分を分散したり、可溶化するなどの目的で、界面活性剤を用いる技術が種々検討されている。一方、べたつきなどの使用感を向上させるため、油剤を含有して美容成分や界面活性剤のべたつきを抑制する技術が知られているが、経時での透明性変化に影響を与えることがあった。
美容成分のひとつである腐植土抽出物がある。これは地上植物、大型・微細藻類などの植物(広義)や魚介類及びその他無機物が、海、沼、池や湖の底部に堆積したものやこれが地表に隆起したもの、また森林の地表部に堆積したもの等のように植物(広義)やこれを含む堆積物が、長い年月の間に嫌気性微生物等により分解、有機化を受けたものであり、この腐植土の水抽出物製造法に関する技術が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。また、この腐植土抽出液には、殺菌の効用や毛髪の損傷低減の効用などが知られている(特許文献3及び特許文献4参照)が、未だ不明な点が多い。
このように腐植土抽出物は多様な成分構成であるため、透明〜半透明の化粧料において、含有すること自体は可能ではあるものの、経時での沈殿発生や透明性変化といった製剤の安定性やべたつきといった製剤の使用感に与える影響も多く、これらを同時に解決することは困難であった。
特開2000−136140号公報 特開2006−181460号公報 特開2003−267821号公報 特開2010−270063号公報
そのため、腐植土抽出物を含有しても、経時での沈殿のなさや透明性変化のなさといった製剤の安定性に優れ、べたつきのなさに優れる透明〜半透明の化粧料を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、腐植土抽出物を、α―ヒドロキシ酸又はその塩とアミノカルボン酸由来のキレート剤を含有したものに、更に特定の界面活性剤を組み合わせることにより、沈殿の析出が防止され、かつ製剤の使用感、安定性を兼ね備えた透明〜半透明の化粧料を実現できることを見出した。さらに、pH4〜7のpH領域でより安定性が良好な化粧料が得られるだけではなく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸又はその塩により、より良好な安定性が得られることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、成分(a)腐植土抽出物、成分(b)α−ヒドロキシ酸又はその塩、成分(c)アミノカルボン酸由来のキレート剤、成分(d)イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エーテルを含有することを特徴とする透明〜半透明の化粧料を提供するものである。
さらに、成分(b)、(c)、(d)において、含有質量割合(d)/[(b)+(c)]のが、0.25〜5であることを特徴とする化粧料を提供するものである。
さらには、成分(b)が分子内にカルボキシル基を2つ以上有するもの、20℃におけるpHが4〜7である化粧料を提供するものである。
また、成分(e)として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸又はその塩を含有する化粧料を提供するものである。
本発明は、経時での沈殿発生や透明性変化といった製剤の安定性やべたつきといった製剤の使用感を損なうことなく良好な透明〜半透明の化粧料を提供することができる。
以下、本発明について詳述する。なお、本明細書においては、〜を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
本発明に用いられる成分(a)は、腐植土抽出物である。ここで腐植土とは、地上植物、大型・微細藻類などの植物(広義)や魚介類及びその他無機物が、海、沼、池や湖の底部に堆積したものやこれが地表に隆起したもの、また森林の地表部に堆積したもの等のように植物(広義)やこれを含む堆積物が、長い年月の間に嫌気性微生物等により分解、有機化を受けたものである。腐植土抽出物は、抽出手段にて腐植土を抽出溶媒に接触させて、収斂に作用効果のある成分を得、これを回収することによって得られる。更に、不要物除去や除菌のため、ろ過手段を行うのが好ましい。斯様にして得られた腐植土抽出物は、必要に応じて、希釈、濃縮や乾燥を行ったり、また不純物除去等のため分離や精製等を行ってもよい。前記腐植土抽出物の形態としては、特に限定されず、例えば、固体状、半固体状や液状が挙げられる。具体的には、例えば、溶液、懸濁液、濃縮液、エマルジョン、スラリー、粉末、顆粒及び固形などの状態が挙げられる。
本発明で使用する腐植土抽出物の腐植土は、産地、状態を問わずいずれのものも使用することができる。具体的には、この腐植土として、例えば、森林、河川、湖沼、海洋などを起源とするものを使用することが可能であり、この腐植土とは、そこで生息していた地上植物、大型・微細藻類などの植物(広義)やこれを含む堆積物が、嫌気性微生物などにより分解、合成、有機化を受けたものである。このうち、海洋でできた堆積物を起源とする腐植土、より好ましくは海洋でできた堆積物が隆起してなったような日本列島由来の腐植土であり、更に九州由来の腐植土が好ましい。この腐植土の腐植の程度も特に限定されないが、腐植が進行し、高分子有機化合物であるフルボ酸やフミン酸が含まれるものが好ましい。好適な腐植土抽出物を製造する方法の一例として、前記腐植土に、抽出溶媒を加えて混合攪拌後、有効成分を分離することなどによって腐植土抽出物を得ることなどが挙げられる。
前記抽出手段としては、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超臨界流体抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、混合攪拌等が挙げられる。これらを適宜組み合わせてもよい。また、前記分離手段としては、特に限定されないが、例えば、ろ過分離手段や遠心分離手段などが挙げられる。これらを単独で又は組み合わせて使用してもよい。ろ過分離手段としては、自然ろ過、減圧ろ過及び加圧ろ過などが挙げられる。このとき、セルロースフィルター、ガラス繊維フィルター、メンブランフィルターなどのろ材を用い、必要に応じてセライト、砂利及び活性炭などのろ過助剤を用いる。孔径は特に限定されないが、例えば0.1〜1μmが好ましい。これらを適宜組み合わせてもよい。
また、抽出に先立って行う腐植土の乾燥や前処理の有無及び方法に特に限定はなく、また腐植土と溶媒との割合、抽出時間などといった抽出手段に特に限定はない。
前記抽出溶媒としては、特に限定されず、極性溶媒又は非極性溶媒の何れも使用してもよい。この抽出溶媒としては、例えば、水(温泉水、海洋深層水などのミネラル分を含む水や精製水等);直鎖、分岐鎖又は環状のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコールなどのポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテルなどの炭化水素類;トルエンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;及び超臨界二酸化炭素などが挙げられる。なお、これらは単独で又は2種以上組み合わせた混合溶媒として使用してもよい。また、有機溶媒は水溶性のものが好ましい。
前記抽出溶媒のうち、水、アルコール類、ケトン類及び超臨界二酸化炭素から選ばれる1種以上のものが好ましい。それらのうちでも、水及びアルコール類から選ばれる1種以上のものが好ましく、例えば、水、アルコール類及び水とアルコール類との混液が挙げられる。
ここで、前記アルコール類は、一価又は多価アルコール類の何れでもよく、一価アルコル類としては、例えば、メタノール、エタノール及びプロパノールなどが挙げられ、多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、グリセリン、ジグリセリン及びジプロピレングリコールなどが挙げられる。前記アルコール類のうち、例えば、エタノール及び1,3−ブチレングリコールなどの炭素数1〜5の低級アルコール類が好ましく、このうち低級一価アルコール類が好ましく、このうち更にエタノールが好ましい。
このうち、更に、水及び水アルコール類混液が好適である。具体的には、アルコール類を0〜90容量%含む水溶液が好適であり、好ましくは0〜70容量%、より好ましくは0〜50容量%、更に好ましくは0〜20容量%を含む水溶液が好ましい。
前記溶媒の使用量は、特に限定されないが、例えば、腐植土(乾燥状態)100kgに対して、100〜1000Lとするのが好ましく、200〜600Lとするのがより好ましく、腐植土成分の抽出効率及び作業効率の点で好ましい。
前記抽出期間は、特に限定されないが、好ましくは1日〜3年間、より好ましくは10〜180日間とする。このときの腐植土と抽出溶媒との混合攪拌は、特に限定されないが、例えば、0.5〜48時間程度行えばよい。これにより腐植土と抽出溶媒が接触し、有効成分を抽出しやすくなる。また、連続又は不連続に混合攪拌を行えばよい。
例えば、混合撹拌した後、更に一定期間混合攪拌する若しくは一定期間混合攪拌後放置するか、又は放置して熟成させるのが、抽出効率の点で好ましい。混合攪拌後に放置することで腐植土が沈降し、分離の際に有利であるため好ましい。例えば、前記抽出期間内(例えば1日〜3年間)、連続又は不連続に混合攪拌を行う;1〜24時間混合攪拌後、1〜60日間(好適には20〜40日間)放置する;1〜24時間混合攪拌後、引き続き1〜20日間(好適には3〜9日間)混合攪拌した後、1日〜3年間(好適には6ヶ月〜2年間)放置するなどが挙げられる。
前記抽出温度は、特に限定されず、好ましくは低温〜高温(例えば、0〜100℃程度)、より好ましくは低温(例えば、0〜9℃程度)〜常温(例えば、10〜40℃程度)とするのが、腐植土を熱変性させないために好ましい。
なお抽出に先立って行う腐植土の乾燥としては、天日乾燥、自然乾燥、風乾燥、熱乾燥、凍結乾燥などが挙げられ、腐植土が熱変性しない乾燥であれば好ましい。このとき、腐植土が微粉砕できる程度に乾燥するのが望ましく、粉砕することによって腐植土の抽出効率が向上するので好ましい。
前記腐植土抽出物には、フルボ酸、フミン酸などの腐植土壌特有の構成物質(フミン質など)や、脂肪酸、有機酸、アミノ酸、タンパク質、ミネラルなどが含まれている。なお、腐植土抽出物は、除菌用フィルターを用いてろ過されているものが、腐植土が熱変性されず、また不溶性物質などが除去されているので好ましい。
前記腐植土抽出物には、固形分濃度0.5質量%水溶液換算したときに、フミン質が、少なくとも100mg/L以上、好ましくは100〜1000mg/L、より好ましくは200〜700mg/L、更に350〜650mg/L含まれているのが好ましい。ここで、フミン質(腐植質)とは、例えば、植物成分などが土壌中に分解、縮合して生成する高分子物質を指す。ここで、フミン質は、鉱泉試験法(衛生試験法・注解2002、日本薬学会)の腐植質測定法記載の方法で測定した場合の値である。試験法詳細は、下記のとおりである。
試料VmL(腐植質として約20mg以上含む。)を正確にとり、孔径0.45μmメンブランフィルター(あらかじめデシケーター(シリカゲル)で乾燥し、秤量しておく。)を用いて吸引ろ過し、少量の水で洗浄した後、ろ液および洗浄液を合わせ、HCl10mLを加えてよくかき混ぜ、一昼夜放置する。これをメンブランフィルターでろ過する。ろ過に際しては、上清をまず静かに吸引ろ過し、最後に沈殿部を追加する。ろ過し終わったら沈殿を水でよく洗う。ろ液はいくらか着色しているのが普通である。フルボ酸が多いときは着色が著しい。ろ過後、フィルター部分をはがして、パラフィン紙に包んでデシケーター(シリカゲル)中で恒量になるまで乾燥する(一昼夜放置)。メンブランフィルターの重量を差し引いて腐植質の量を求め、試料中の含量を計算する。腐植質は灰分を含むので、メンブランフィルターをるつぼに移し、少量のメチルアルコールを加えて燃やし、さらに灰化して灰分を求め、先の重量から差し引く。
フミン質(腐植質)(mg/L)=((A−B)−C)/D×100

A:フィルター部分の重量(mg)
B:メンブランフィルターの重量(mg)
C:灰分の重量(mg)
D:試料採取量(ml)
ここで、フルボ酸とは、植物などが微生物により分解される最終生成物である腐植物質のうち、酸によって沈殿しない無定形高分子有機酸を指すものであり、重金属などを吸着、放出するキレート作用をもつものである。また、フミン酸は、腐植物質のうちアルカリ可溶であり、酸性領域において沈殿するものを指す。詳細な化学構造は不明であるが、多価フェノール形の芳香族化合物と含チッ素化合物との縮合物であり、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有するとされている。
前記腐植土抽出物には、固形分濃度0.5質量%水溶液換算したときに、フルボ酸が、好ましくは1〜20mg/L、より好ましくは5〜15mg/L、更に好ましくは5〜13mg/L、より更に好ましくは8〜13mg/L含まれているのが好ましい。同様に、前記腐植土抽出物には、固形分濃度0.5質量%水溶液換算したときに、フミン酸が、好ましくは0.1〜15mg/L、より好ましくは1〜10mg/L、更に好ましくは2〜8mg/L、より更に好ましくは5〜8mg/L含まれているのが好ましい。
このときのフルボ酸:フミン酸の混合割合は、特に限定されないが、好ましくは1:10〜10:1とするのが好ましく、さらに1:8〜8:1が好ましい。フミン酸およびフルボ酸の定量方法は、「Soil Science and Plant Nutrition, 38巻, 23-30頁(Kuwatsuka S et al. 1992); Soil Science and Plant Nutrition, 40巻, 601-608頁(Watanabe A. et al. 1994);Humic Substances Research, 1巻, 18-28頁(Watanabe A. et al. 2004)」等の参考文献に従って行えばよい。測定法により定量値が異なる場合は、フルボ酸の定量値がより高い測定法を採用することが好ましい。
前記腐植土抽出物の含有量は、特に限定されないが、沈殿の発生及びべたつき抑制の観点から、化粧料全量中、固形分濃度として0.0001〜1質量%(以下、質量%は単に、「%」と略す)、好ましくは0.0001〜0.1%とするのが効用の点で好ましい。
本発明に用いられる成分(b)α−ヒドロキシ酸又はその塩は、α位にヒドロキシ基を有するカルボン酸又はその塩である。pHを調整する作用に加えてキレート効果も有するため、前記腐植土抽出物に含有されるフミン質の沈殿析出を抑制することができる。
本発明で用いられる成分(b)のα−ヒドロキシ酸又はその塩としては、特に制限はなく、通常の化粧料に用いられるα−ヒドロキシ酸又はその塩を任意に用いることができる。例えば、α−ヒドロキシ−イソ酪酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシ−n−カプロン酸、α−ヒドロキシ−イソカプリル酸、α−ヒドロキシ−n−カプリル酸、α−ヒドロキシ−n−カプリン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸等が挙げられ、より好ましくはリンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸であり、これらの塩を用いても良い。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、特に、分子内にカルボキシル基を2つ以上有するα−ヒドロキシ酸又はその塩(リンゴ酸、クエン酸等)が沈殿析出の抑制効果の観点からより好ましい。
成分(b)は塩の形態であってもよく、あらかじめアルカリで中和してあるものであってもよく、さらには、製造工程中において、アルカリを加えることにより、中和された塩の形態とすることも可能である。
このような塩としては特に限定されず、例えばナトリウム、カリウム等の一価金属の塩、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等の多価金属の塩、あるいはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミンや、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸等の有機塩が挙げられる。これらのうち、一種類を使用しても良いし、上記群から選ばれる二種以上を混合して使用しても構わない。特に安定化の観点からはナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。
本発明に用いられる成分(b)のα−ヒドロキシ酸又はその塩の含有量は、特に限定されないが、沈殿析出の抑制効果及び使用感の観点から、化粧料全量中、0.01〜1%が好ましく、0.1〜0.5%とするのがより好ましい。
本発明で用いられる成分(c)のアミノカルボン酸由来のキレート剤とは、置換アミノ基とカルボン酸基を有する化合物であり、本発明においては、前記腐植土抽出物に含有されるフミン質の沈殿析出を抑制することができる。ホスホン酸由来のキレート剤ではフミン質に含まれる溶解性の低い高分子物質と相互作用することで、沈殿の発生を促進してしまうため、アミノカルボン酸由来のキレート剤が好ましい。
本発明で用いられる成分(c)のアミノカルボン酸由来のキレート剤は、アミノカルボン酸骨格を有することを特徴としたキレート効果を有するものであり、特に限定されないが、通常の化粧料に用いられるアミノカルボン酸由来のキレート剤を任意に用いることができる。例えば、エチレンジアミン4酢酸、1,3−プロパンジアミン4酢酸、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−4酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、グリコールエーテルジアミン4酢酸、トリエチレンテトラミン6酢酸、グルタミン酸2酢酸、ヒドロキシエチルイミノ2酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸、エチレンジアミン−N’,N−ジコハク酸等が挙げられ、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、エチレンジアミン4酢酸、1,3−プロパンジアミン4酢酸、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−4酢酸、グリコールエーテルジアミン4酢酸、グルタミン酸2酢酸、ヒドロキシエチルイミノ2酢酸、が好ましい。さらにはエチレンジアミン4酢酸、1,3−プロパンジアミン4酢酸、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−4酢酸が好ましい。
本発明で用いられる成分(c)のアミノカルボン酸由来のキレート剤の含有量は、特に限定されないが、沈殿析出の抑制効果及び使用感の観点から、化粧料全量中、0.01〜0.5%が好ましく、0.05〜0.25%とするのがより好ましい。
本発明で用いられる成分(d)のイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エーテルは、ノニオン性の界面活性剤であり、前記腐植土抽出物に含有されるフミン質の分散を助け、沈殿析出を抑制することができる。また、沈殿析出までのレベルに会合しなくてもフミン質が会合していくことでべたつきも強くなってくるため、フミン質の分散性を向上させて沈殿析出を防ぐことで、べたつきを軽減し使用感の向上を実現できる。
イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油における、ポリオキシエチレン(POE)は、10〜100の範囲であることが好ましく、より好ましくは、15〜60の範囲であるものが好ましい。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エーテルにおけるポリオキシエチレン(POE)は、1〜60の範囲であることが好ましく、より好ましくは、3〜40の範囲であるものが好ましい。また、ポリオキシプロピレン(POP)は、1〜40の範囲であることが好ましく、より好ましくは、3〜20の範囲であるものが好ましい。これらPOEとPOPの含有比率としては、1:40〜20:1が好ましい。さらに該成分の脂肪酸としては、炭素数8〜30の範囲が好ましく、10〜24がより好ましい。なお脂肪酸は、飽和、不飽和いずれでもよく、また直鎖であっても、分岐していてもよい。特に限定されないが、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エーテルに用いられる脂肪酸の種類としては、分岐脂肪酸がフミン質の会合を弱めるため、沈殿析出の抑制効果の観点からより好ましい。
より具体的には、イソステアリン酸ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エーテル=ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンパルミチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル等が挙げられ、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
2種以上を併用することで、より沈殿発生を抑制しながらも透明性が変化しにくい製剤安定性に優れた化粧料を実現できうる。なお、ここで用いられる硬化ヒマシ油とは、ヒマシ油を水素添加したものであり、水添ヒマシ油とも呼ばれることもある。
また、特に限定されないが、腐植土抽出物に含有されるフミン質の分散性を向上し、沈殿析出の抑制する上で、水系への分散性の高い親水性であることが好ましく、HLBは7以上であることがより好ましい。
更に本発明で用いられる成分(d)のイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エーテルは、二種類以上含有することで、植土抽出物に含有されるフミン質の分散を助け、沈殿抑制効果をより向上させることができるため好ましい。
本発明で用いられる成分(d)のイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エーテルの含有量は、特に限定されないが、沈殿析出の抑制効果及び使用感の観点から、化粧料全量中、0.01〜0.5%が好ましく、0.05〜0.25%とするのがより好ましい。
なお、本発明においては、腐植土抽出物に含有されるフミン質の分散を助け、沈殿析出をより効果的に抑制し、より透明性が変化しにくい製剤安定性に優れた化粧料を実現するためには、成分(b)、(c)に対する成分(d)の含有質量割合(d)/[(b)+(c)]が、0.25〜5であることが好ましく、0.5〜3の範囲であれば、より好ましい。この範囲であれば製剤中での析出物を効果的に抑制でき、製剤の透明性変化を抑制でき効果的に安定化できる。
本発明の透明〜半透明の化粧料の25℃におけるpHは、特に限定されないが、沈殿析出の抑制効果の観点から、4〜7がより好ましい。さらにはpH4.5〜6.5が好ましい。pHは最終的な化粧料のpHが前記範囲になるよう、適宜pH調整剤を添加して調整する。pH調整剤としては、特に限定されず、本発明の成分(b)等を含むものであってもよく、例えば乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸等の酸物質、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアルカリ物質が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。また、調整方法も特に限定されず、化粧料を製造する工程の腐植土抽出物を含有している水相や腐植土抽出物を添加した後に添加する水相に溶解しても良いし、事前に水相に溶解せずに化粧料に直接添加しても良い。また、化粧料を製造した後に、pHを確認しながら添加しても良い。これらの組み合わせは任意であるが、より好ましくは、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸もしくはそのアルカリ金属塩である。
本発明で用いられる成分(e)のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸又はその塩は、リン酸基を有する界面活性剤であり、前記腐植土抽出物に含有されるフミン質の分散を助け、沈殿析出を抑制することができる。また、化粧料中に分散された油性成分の凝集を抑制することで経時での外観の濁度変化を抑制し、化粧料の安定性を向上できる。
本発明で用いられる成分(e)のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸又はその塩としては、特に限定されないが、アルキル基の含有数は1〜3つのいずれかでもよい。さらに該成分の脂肪酸としては、炭素数8〜22の範囲が好ましく、10〜18がより好ましい。なお脂肪酸は、飽和、不飽和いずれでもよく、また直鎖であっても、分岐していてもよい。ポリオキシエチレン(POE)鎖は、1〜20の範囲であることが好ましく、より好ましくは、2〜12の範囲であるものが好ましい。例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキル(10−15)エーテルリン酸、ポリオキシエチレンジアルキル(12−15)エーテルリン酸、ポリオキシエチレントリセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレントリステアリルエーテルリン酸等が挙げられ、塩として解離した状態で使用しても良く、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
成分(e)の含有量は、特に限定されるものではないが、化粧料安定の観点から、化粧料全量中0.001〜0.5%が好ましく、0.01〜0.1%とするのがより好ましく、0.02〜0.05%とするのがさらに好ましい。
本発明は、腐植土抽出物を安定に含有する化粧料に関するものである。ここで化粧料は特に限定されるものではないが、沈殿等が生じた際にその効果を実感できるものとして、透明〜半透明の化粧料において用いることが特に効果的であるといえる。
本発明でいう透明〜半透明とは、次のように定義できる。すなわち、光路長10mmのセルを用いて、分光光度計で波長700nmの光の透過率を測定した場合に、精製水の透過率を100%とした場合に、透過率が75%以上であるものを指す。透過率を測定する分光光度計は、「UV−2500PC UV−VIS REDCORDING SPECTROPHOTOMETER」(SHIMADZU社製)を用いて測定したものである。
本発明においては、上記必須成分のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で、通常化粧料に含有される成分として、水、アルコール類、界面活性剤、油性成分、水溶性高分子、保湿成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、金属キレート剤、防腐剤、粉体、色素、香料、各種薬剤等を本発明の効果を妨げない範囲で任意に含有することができる。かかる成分としては次のようなものが挙げられる。
水としては、通常化粧料製造のために用いられる水であれば特に限定されず、常水、精製水、温泉水、深層水や、ラベンダー水、ローズ水、オレンジフラワー水などの植物由来の水蒸気蒸留水などが挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
水溶性高分子としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グァーガム、カチオン化グァーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド(褐藻エキス)等の植物系高分子、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOL(販売名)等)、アルキル変性カルボキビニルポリマー(PEMULEN(販売名)等)等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオン性ポリマー等の有機系水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
保湿成分としては、糖類、アミノ酸及びその誘導体、ペプタイド類、植物抽出液等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
糖類としては、ソルビトール、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、トレハロース、イノシトール、グルコース、マンニトール、ペンタエリスリトール、果糖、蔗糖およびそのエステル、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ、黒砂糖抽出物等が挙げられる。
アミノ酸類としては、例えばグリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、シスチン、システイン、アセチルシステイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルチニン、シトルリン、テアニン、クレアチン、クレアチニン等が挙げられる。
アミノ酸誘導体としては、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(2−オクチルドデシル)、N−アシルグルタミン酸リジン縮合物等が挙げられる。
ペプタイド類としては、動物、魚、貝、植物由来のいずれでもよく具体的には、コラーゲン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、エラスチン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ケラチン及びその誘導体又はそれらの分解物、コムギタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ダイズタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物等が挙げられる。
植物抽出物としては、例えばオウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等を用い、水や有機溶媒により適宜抽出したものが挙げられる。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
防腐剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
本発明の透明〜半透明の化粧料の製造方法は、特に制限はなく、常法により調製される。例えば、成分(a)〜(c)を水に溶解したものに、必要に応じて加温した成分(d)を添加混合することにより調製することができる。
本発明の透明〜半透明の化粧料は、化粧水、美容液、マッサージ料、パック化粧料などに適用可能である。またその使用法は、手や指で使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法等が挙げられる。また、その性状は、ジェル状、液状など様々な性状の化粧料として実施することができる。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
[製造例1:腐植土抽出物の製造1]
地中(九州地方海岸付近土壌)から採取した腐食土壌を乾燥させた後、微粉砕した。この粉砕物5kgと、精製水20リットルを2時間混合攪拌し、さらに常温(10〜30℃程度)で7日間撹拌し、20日間静置した。静置後、メンブランフィルター(孔径0.45μm)を用いてろ過し、腐植土抽出物水溶液(原液)を得た。このときのpH(20℃)は3.0であった。また、この乾燥エキス分(エキス分濃度)は0.4質量%であった。この原液に含まれるフミン質の総量は350mg/L(乾燥エキス分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、438mg/L)であり、フミン酸およびフルボ酸の含有量は、それぞれ4mg/Lおよび6.7mg/L(乾燥エキス分5g/水1Lの水溶液換算としたとき、それぞれ5mg/Lおよび8.4mg/L)であった。以下の実施例では乾燥エキス分をそのまま用いた。
フミン酸およびフルボ酸の定量方法は、上述の参考文献Soil Science and Plant Nutrition, 38巻, 23-30頁(Kuwatsuka S et al. 1992); Soil Science and
Plant Nutrition, 40巻, 601-608頁(Watanabe A. et al. 1994);Humic Substances Reseacrh, 1巻, 18-28頁(Watanabe A. et al. 2004)にしたがって行った。
実施例1(化粧水)
本発明品1〜17及び比較品1〜4
表1〜表3に示す組成及び下記製法にて化粧水を調製し、以下に示す方法により、<1>製剤安定性(沈殿のなさ)、<2>製剤安定性(透明性変化のなさ)、<3>使用感の良さ(べたつきのなさ)の評価を行った。結果を表1〜表3に併記する。
<1>製剤安定性(沈殿のなさ)
各試料をガラスビンに入れ、20℃と40℃を12時間でサイクルする恒温槽内に1ヶ月間保存した。その後、恒温槽から取り出した当該試料の沈殿発生の状態を目視観察し、以下の基準により判定した。
[評価基準]
◎:まったく沈殿が見られない
○:わずかに塵状の沈殿が認められるが、1mm以下のサイズの小さいものしかない。
△:塵状の沈殿が認められ、1mm以上の大きいサイズのものも発生している。
×:3mm以上の塵状の沈殿が認められる。
<2>製剤安定性(透明性変化のなさ)
各試料をガラスビンに入れ、50℃の恒温槽内に保存し、1ヶ月後の経たサンプルと5℃保存品の透過率を波長700nmの光で分光光度計を用いて測定した際の透過率の差を以下の基準により判定した。
[評価基準]
◎:透過率差が5%未満である
○:透過率差が5%以上10%未満である
△:透過率差が10%以上15%未満である
×:透過率差が15%以上である
<3>使用感の良さ(べたつきのなさ)
各試料を評価専門パネル5名で下記の基準にて評価し、その平均評価値に当てはまる評価を記載。

使用感の良さ(べたつきのなさ)の評価基準
3 べたつきをあまり感じない
2 ややべたつきを感じる
1 べたつきを感じる
0 べたつきを強く感じる

使用感の良さ(べたつきのなさ)の評価基準
◎:3.0以下〜2.5より大
○:2.5以下〜2.0より大
△:2.0以下〜1.0より大
×:1.0以下〜0.0以上
(製法)
A.成分(1)〜(15)を均一に溶解する。
B.成分(16)〜(23)を加温して均一に溶解し、Aに攪拌しながら添加する。
C.Bを均一に攪拌して、化粧水を得た。
表1〜表3の結果から明らかなように、本発明品1〜17の化粧水は沈殿発生抑制効果に優れ、製剤の透明性、使用感も良好であった。成分(b)と(c)に対する成分(d)の含有比率が小さい本発明品10もしくは含有比率の大きい本発明品13よりも、含有比率が適切な本発明品1、11、12の方がより良好な結果であった。成分(b)のα−ヒドロキシ酸又はその塩のうち、分子内にカルボキシル基が1つである本発明品3よりも、2つ以上有する本発明品1、2の方がより優れた沈殿発生抑制効果が得られた。また、化粧料のpHが4以下の本発明品15、pHが7以上の本発明品16よりもpHが4〜7の範囲に入っている本発明品1、14の方がより良好な結果であった。さらに、成分(e)のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸又はその塩を加えた本発明品7は、より製剤の安定性に優れていた。成分(d)の特定の界面活性剤を2種以上含有した実施例5では、より良好な結果が得られた。
一方、成分(b)を含有していない比較品1、α−ヒドロキシ酸ではない酸を含有する比較品2、成分(c)のアミノカルボン酸由来のキレート剤を含有しない比較品3、成分(d)とは異なる種類の界面活性剤を用いた比較品4は、沈殿が生じてしまい、透明性も変化してしまうため製剤安定性に劣る結果であった。
実施例2 美容液
下記に示す組成及び製法で、美容液を調製した。
(組成) (%)
(1)アルキル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(注3) 0.16
(2)キサンタンガム 0.1
(3)1,3−ブチレングリコール 15.0
(4)精製水 残量
(5)グリセリン 5.0
(6)ポリエチレングリコール400 1.0
(7)クエン酸 0.075
(8)クエン酸Na 0.15
(9)水酸化カリウム 0.07
(10)エデト酸2ナトリウム 0.02
(11)精製水 15.0
(12)2−エチルヘキサン酸トリグリセリル(注4) 0.1
(13)アスタキサンチン(注5) 0.02
(14)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(15)ジプロピレングリコール 5.0
(16)イソステアリン酸POE(50)硬化ヒマシ油(注6) 0.2
(17)製造例1の腐植土抽出物0.5%水溶液 0.1

(注3)CARBOPOL1382(LUBRIZOL社製)
(注4)MYRITOL GTEH(BASF社製)
(注5)アスタキサンチン−5c(オリザ油化社製)
(注6)EMALEX RWIS−150(日本エマルジョン社製)
(製法)
A.成分(1)〜(4)を80℃に加温し、均一に混合する。
B.成分(5)〜(11)を均一に溶解し、Aに攪拌しながら添加後冷却する。
C.Bを攪拌しながら、加温して均一溶解した成分(12)〜(16)を添加する。
D.成分(17)を添加して均一に混合し、美容液を得た。
以上のようにして得られた実施例2の美容液は、pH6.5(20℃)であり、製剤安定性および使用感がきわめて良好なものであった。
実施例3 シート状パック化粧料
下記に示す組成及び製法で、シート状パック化粧料を調製した。
(組成) (%)
(1)製造例1の腐植土抽出物0.5%水溶液 3.0
(2)ジプロピレングリコール 5.0
(3)エタノール 15.0
(4)ポリエチレングリコール20000 1.0
(5)グリコシルトレハロース 1.0
(6)クエン酸 0.05
(7)エデト酸2ナトリウム 0.02
(8)水酸化ナトリウム 0.04
(9)精製水 残量
(10)防腐剤 適量
(11)セラミド2 0.001
(12)リン脂質・フィトステロール混合物 (注7) 0.02
(13)1,3−ブチレングリコール 0.2
(14)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
ラウリルエーテル(注8) 0.1
(15)POE(8)アルキルエーテルリン酸 0.02
(注7)PHYTOCOMPO−PP(日本精化社製)
(注8)ノニオンAP−13P(日油社製)
(製法)
A.成分(2)〜(10)を70℃に加温し、均一に溶解する。
B.成分(11)〜(15)を70℃に加温して均一に溶解し、Aに攪拌しながら添加する。
C.Bを攪拌しながら冷却後、成分(1)を添加し均一に混合する。
D.Cで調製したバルクをシートに含浸して、シート状パック化粧料を得た。
以上のようにして得られた実施例3のシート状パック化粧料は、pH6(20℃)であり、製剤安定性および使用感が良好なものであった。

Claims (6)

  1. 次の成分(a)〜(d);
    (a)腐植土抽出物
    (b)α−ヒドロキシ酸又はその塩
    (c)アミノカルボン酸由来のキレート剤
    (d)イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エーテル
    を含有することを特徴とする透明〜半透明の化粧料。
  2. 前記成分(b)、(c)、(d)の、含有質量割合(d)/[(b)+(c)]が、0.25〜5の範囲であることを特徴とする前記請求項1記載の透明〜半透明の化粧料。
  3. 前記成分(b)が、分子内にカルボキシル基を2つ以上有するものであることを特徴とする前記請求項1又は2記載の透明〜半透明の化粧料。
  4. 20℃におけるpHが、4〜7であることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかの項記載の透明〜半透明の化粧料。
  5. さらに、成分(e)として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸又はその塩を含有することを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかの項記載の透明〜半透明の化粧料。
  6. 前記成分(d)を二種以上含有することを特徴とする前記請求項1〜5のいずれかの項記載の透明〜半透明の化粧料。
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