JP2016172329A - 鋳ぐるみ成形用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】重量に偏りのある三次元的な外形を有する成形部品を正確に金型へ配置するとともに、迅速に鋳ぐるみ処理等の射出成形を行うことが可能な成形用金型を提供する。
【解決手段】本発明の鋳ぐるみ成形用金型は、キャビティ空間内に3次元的な形状を有する成形部品を固定し、当該成形部品の少なくとも一部に対して溶融材料を射出して鋳ぐるみを行う鋳ぐるみ成形用金型であって、前記成形部品を支持する下型と、前記下型と対向して配置され、前記下型に対して昇降可能な上型と、前記成形部品に対して上方から押圧することで前記成形部品を前記キャビティ空間に対して位置決めする仮固定部材と、を具備することを特徴とする。
【選択図】図2a

Description

本発明は、成形部品の中でも重量の偏りのある3次元的な形状を備えた成形部品に対して溶融材料を射出して鋳ぐるみを行うための鋳ぐるみ成形用金型に関する。
金属材料の表面改質手法の1つとして鋳ぐるみ法が知られている。この鋳ぐるみ法では、
例えば鋳造などにより予め所定の形状に加工された成形部品を鋳ぐるみ成形用金型に固定し、この固定された成形部品の少なくとも一部に対して溶融材料を射出して成膜処理が行われる。
近年、性能向上などを目的として様々な形状の成形部品が製造されている。一例として、自動車エンジン(原動機)に用いられる変速機構に組み込まれる部品としてシフトフォークがある(例えば特許文献1参照)。
一方、鋳造を行う鋳造金型において、成形部品の位置ずれを防止する技術が知られている(例えば特許文献2参照)。この特許文献2によれば、金型メンテナンスの簡素化を図りつつ成形部品の位置ずれを防止できる旨が開示されている。
特開2010−53899号公報 特開2006−142729号公報
従来のシフトフォークにおいては、その外形形状が単純な構造(例えば変曲点が1つのみのごとき2次元的に曲がっていただけ)であったため、例えば特許文献2で提案されているような位置ずれ防止機構を用いれば金型内への成形部品の固定は比較的容易であった。
しかしながら、近年では性能向上などの観点からシフトフォークの外形形状が複雑化し、これにより成形用金型内への固定が困難となってきている。
より具体的には、近年開発されているシフトフォークでは3次元的な外形形状を有するだけに留まらず、重量に偏りがあるなどして安定して載置することが困難なものも多い。したがって、このような重量に偏りのあるシフトフォークを成形用金型内へ載置した場合、成形用金型内でシフトフォークが横転する事態も生じて成形用金型内への固定が困難となってきている。
また、競争の激化を背景にコスト削減のニーズも顕著となり、鋳ぐるみを行う成形部品を如何にして効率よく迅速に成形用金型へ配置(固定)できるかも重要な課題となっている。
本発明の1つの目的は、重量に偏りのある三次元的な形状を有する成形部品を正確に成形用金型へ配置するとともに、迅速に鋳ぐるみ処理等の射出成形を行うことが可能な成形用金型を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の鋳ぐるみ成形用金型は、キャビティ空間内に3次元的な形状を有する成形部品を固定し、当該成形部品の少なくとも一部に対して溶融材料を射出して鋳ぐるみを行う鋳ぐるみ成形用金型であって、前記成形部品を支持する下型と、前記下型と対向して配置され、前記下型に対して昇降可能な上型と、前記成形部品に対して上方から押圧することで前記成形部品を前記キャビティ空間に対して位置決めする仮固定部材と、を具備することを特徴とする。
なお、上記鋳ぐるみ成形用金型では、前記仮固定部材は、前記下型に配置された前記成形部品を下方から支える第1仮固定部材と、前記第1仮固定部材に支持された後の前記成形部品に対して上方から押圧する第2仮固定部材とを含むことが好ましい。
また、前記第2仮固定部材は、前記成形部品の表面に接触して摺動可能な滑車を含むことが好ましい。
また、上記鋳ぐるみ成形用金型では、前記下型は、前記昇降する方向と交差する交差方向に可動するとともに凹部が形成された水平可動部材を備え、前記上型は、前記水平可動部材の前記凹部と係合する係合凸部を備え、前記上型が前記下型に向けて下降するとき前記係合凸部が前記水平可動部材の前記凹部に係合することで、前記水平可動部材が前記交差方向に可動して前記成形部品の位置決めが行われることが好ましい。
この場合、前記水平可動部材とリンク部材を介して接続される回転機構をさらに有し、前記回転機構は、前記水平可動部材の前記交差方向への可動に伴って回転して前記成形部品に接触することで当該成形部品の姿勢を調整することとしてもよい。
また、上記鋳ぐるみ成形金型では、前記下型は、前記成形部品のうち前記鋳ぐるみを行う第1端部を収容する第1凹部と、前記第1端部と反対側の第2端部を収容するための第2凹部を含み、前記第1凹部と前記第2凹部との間に前記第1仮固定部材が配置されてなることが好ましい。
また、上記鋳ぐるみ成形用金型では、前記成形部品は、原動機の変速機構に組み込まれるシフトフォークを含むことが好ましい。
本実施形態に係る鋳ぐるみ成形用金型によれば、たとえ重量に偏りのある三次元的な形状を有する成形部品であったとしても、この成形部品を迅速かつ正確に成形用金型へ固定配置して鋳ぐるみ処理などの射出成形を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態に関する鋳ぐるみ成形用金型1の全体斜視図である。 本発明の一実施形態に関する鋳ぐるみ成形用金型1を上方から観察した平面図である。 本発明の一実施形態に関するシフトフォークPを示す図である。 本発明の一実施形態に関する鋳ぐるみ成形用金型1を構成する下型2と仮固定部材4の一部を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に関する下型2にシフトフォークPが載置された際の一端部P1周りの拡大図である。 本発明の一実施形態に関するシフトフォークPのひっくり返り例を示す図である。 本発明の一実施形態に関する鋳ぐるみ成形用金型1を構成する上型3と仮固定部材4の一部を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に関する上型3と仮固定部材4の一部をY方向から見た平面図である。 本発明の一実施形態に関する鋳ぐるみ成形用金型1を用いた鋳ぐるみ処理の手順を説明する図である。 本発明の一実施形態に関する鋳ぐるみ成形用金型1を用いた鋳ぐるみ処理の手順を説明する図である。 本発明の一実施形態に関する鋳ぐるみ成形用金型1を用いた鋳ぐるみ処理の手順を説明する図である。 本発明の一実施形態に関する鋳ぐるみ成形用金型1を用いた鋳ぐるみ処理の手順を説明する図である。 (a)は変形例1にかかるシフトフォークP´の斜視図であり、(b)は変形例1にかかるシフトフォークP´の正面図であり、(c)は変形例1にかかるシフトフォークP´の側面図である。 変形例1にかかる回転機構Rを有する水平可動部材225を説明する図である。
以下、本発明の一実施形態に係る鋳ぐるみ成形用金型について説明する。なお、説明の便宜上、各図面においてそれぞれX方向、Y方向、およびZ方向をそれぞれ規定したが、本発明の権利範囲を減縮するものでないことは言うまでもない。
≪鋳ぐるみ成形用金型≫
図1(a)は、本実施形態に関する鋳ぐるみ成形用金型1の全体斜視図である。また、図1(b)には、この鋳ぐるみ成形用金型1を上方から観察した平面図を示す。
鋳ぐるみ成形用金型1は、下型2、上型3、仮固定部材4、およびフレームベース5を含んで構成されている。通常、下型2、上型3および仮固定部材4の少なくとも一部が露出するように、これらがフレームベース5に包含されるように収容されている。そして後述する鋳ぐるみ処理時には、鋳ぐるみ成形用金型1内に所定の成形部品が固定配置された後、この成形部品の少なくとも一部に対して樹脂射出口11を介して溶融材料が射出されて表面改質処理がなされる。
本実施形態では、「成形部品」の一例として原動機の変速機構に組み込まれるシフトフォークPを用いて説明する。なお、本実施形態は変速機構用のシフトフォークに限られず種々の装置や機構に組み込まれる各種の成形部品に適用が可能なのは言うまでもない。
本実施形態で説明するシフトフォークPは、例えば四輪式自動車の原動機の変速機構に組み込まれる。シフトフォークの材質は特に限定はないが、例えば高張力鋼(いわゆるハイテン材)が適用可能であり、本実施形態ではHRC65が用いられる。なお、シフトフォークの材質としてはハイテン材に限られず鉄系,銅系,またはアルミニウム系の各種金属を用いてもよい。
図1(c)に示されるとおり、シフトフォークPは、例えば先端の一部である一端部P1(第1端部とも称する)と、一端部P1とは反対側の他端部P2(第2端部とも称する)を有している。
同図から明らかなとおり、シフトフォークPの一端部P1と他端部P2のZ方向における位置は同じではなく、いわゆる三次元的な形状となっている。さらに、シフトフォークPは、X軸に平行に延びた形状ではなくX軸と交差する方向に延びた形状を有している。また、図示は省略したが、シフトフォークの設計仕様によっては一端部P1から他端部P2にかけて様々な曲面形状が形成され得る。
このため、必ずしもシフトフォークPの中心位置が重心位置とはならず重量に偏りが生じるので安定して載置することができない。よって、単純に鋳ぐるみ成形用金型1にシフトフォークPを載置するだけではシフトフォークPの姿勢が安定せず横転する可能性が高い。
本実施形態では、合計8本の上記した形状のシフトフォークPが鋳ぐるみ成形用金型1に配置されるとともに、これら8本のシフトフォークに対して鋳ぐるみ処理が一括して行われる。なお、一度に処理するシフトフォークの数は8本に限られず任意の数だけ一括して鋳ぐるみ処理してもよい。
また、本実施形態では、同じ種類・同じ形状のシフトフォークを複数本だけ鋳ぐるみ成形用金型1へ配置する例を示したが、これに限られずに異なる種類または異なる形状のシフトフォークを鋳ぐるみ成形用金型1へ配置して鋳ぐるみ処理を行ってもよい。
図1(b)に示すとおり、鋳ぐるみ処理においては、鋳ぐるみ成形用金型1の樹脂射出口11から溶融された樹脂がシフトフォークの一端部P1表面に対して射出される。なお、本実施形態では溶融材料として樹脂を用いているが、溶融金属などの無機材料や他の有機材料を用いてもよい。
このように、鋳ぐるみ成形用金型1に固定配置されたシフトフォークPの一端部P1に対して射出成形法で溶融された樹脂が射出され、これにより一端部P1表面に厚みが均一な樹脂被膜が形成される(表面改質としての鋳ぐるみ処理がなされる)。
図2(a)は、本実施形態の鋳ぐるみ成形用金型1を構成する下型2と仮固定部材4の一部を示す斜視図である。このうち下型2は、第1下型21と第2下型22を含んで構成されている。
第1下型21と第2下型22は、例えば高張力鋼(いわゆるハイテン材)が適用可能であり、本実施形態ではHRC65などが用いられる。なお、下型2の材質としてはハイテン材に限られず、SKDなどの公知の合金工具鋼鋼材を用いてもよい。
本実施形態では、第1下型21と第2下型22は、互いに所定距離だけ離間してフレームベース5にそれぞれ固定されている。また、仮固定部材4を構成する下部仮固定部材41が、第1下型21と第2下型22の間に配置されている。
第1仮固定部材としての下部仮固定部材41は、例えば金属性の突き上げ棒であり、フレームベース5に固定されてシフトフォークPを下から支持可能となっている。下部仮固定部材41は、頂部411、基部412およびこれらを接続する胴部413を有し、例えば下型2と同じ材料で形成されている。本実施形態では、下部仮固定部材41は上述した高張力鋼(いわゆるハイテン材)のうちHRC65が用いられる。なお、下型2の材質と同様に下部仮固定部材41の材質はハイテン材に限られず、SKDなどの公知の合金工具鋼鋼材を用いてもよい。
下部仮固定部材41は、例えば胴部413の一部が細化されるなどして、支持するシフトフォークPが±X方向に微動することを許容する程度の弾性を有している。
なお、下部仮固定部材41は不図示の駆動装置と接続され、この駆動装置により頂部411がZ方向に変位可能とされている。この場合、この下部仮固定部材41は、シフトフォークPを下型2からイジェクトする際のイジェクトピンとして機能させてもよい。
なお、下部仮固定部材41を用いずにガタつきなくシフトフォークPを載置できるのであれば、この下部仮固定部材41は省略してもよい。
図2(b)は、下型2にシフトフォークPが載置された際の一端部P1周りの拡大図である。同図のとおり、シフトフォークPの一端部P1は、下型2のうち第1下型21に形成された第1凹部211内に収容される。この第1凹部211は、本実施形態における鋳ぐるみ処理がなされるキャビティ空間の一部を構成し、この第1凹部211と後述する上型3とが組み合わされてキャビティ空間の一部が形成される。
なお、第1凹部211内ではシフトフォークPの一端部P1とは所定の間隙が形成されており、後述する鋳ぐるみ処理の際に溶融材料(溶融樹脂)が流れ込んで均一で均質な厚さの樹脂被膜が形成される。
なお、通常は不図示のロボットアームなどによりシフトフォークが下型2へ載置されるのだが、既述したとおり近年ではシフトフォークPの外形形状は複雑化しており、鋳ぐるみ成形用金型1内でシフトフォークPがひっくり返るケースが増加してきた。
図2(c)は、このようなシフトフォークPのひっくり返りの例を示す図である。同図では合計8本のシフトフォークが下型2に載置されているが、図面左手前のシフトフォークPeがひっくり返っている。すなわち、このシフトフォークPeは下型2に対して適正姿勢で配置されておらず、このまま処理を続けた場合には最も悪いケースで金型の破損まで想定される。
図3(a)は、本実施形態の鋳ぐるみ成形用金型1を構成する上型3と仮固定部材4の一部を示す斜視図である。また、図3(b)は、上型3と仮固定部材4の一部をY方向から見た平面図である。
これらの図で示されるとおり、上型3は、第1上型31と第2上型32を含んで構成されている。第1上型31と第2上型32は、例えば下型2と同じ素材で形成されている。本実施形態では、上述した高張力鋼(いわゆるハイテン材)のうちHRC65が用いられる。なお、下型2の材質と同様にハイテン材に限られず、SKDなどの公知の合金工具鋼鋼材を用いてもよい。
図3(b)から明らかなとおり、第1上型31と第2上型32は、互いに所定距離だけ離間してフレームベース5にそれぞれ固定されている。
第1上型31は、第1下型21の上方に位置しており、第1下型21に対して昇降可能となっている。そして鋳ぐるみ処理時には、第1上型31が第1下型21と組み合わされた状態で樹脂射出口11から溶融樹脂が注入される。
第2上型32は第1上型31を挟むように、X方向に関して第1上型31の両側に設けられている。それぞれの第2上型32の下端部(−Z方向に関する先端)には、後述する水平可動部材222と係合する係合凸部321が設けられている。そして第2上型32が第2下型22に対して下降する際、この係合凸部321が水平可動部材222の係合凹部223と係合することにより、水平可動部材222が−X方向へ可動する(詳細な動作は後述する)。
また、仮固定部材4を構成する上部仮固定部材42が、第1上型31と第2上型32の間に配置されている。本実施形態では、X方向に関して第1上型31を挟むように、第1上型31の両側に設けられている。なお上部仮固定部材42は、例えば主として金属性の棒状部材からなり、フレームベース5に対して固定されている。
より具体的に、第2仮固定部材としての上部仮固定部材42は、フレームベース5に固定される基部421、シフトフォークPと接触する端部である下端部422、およびこれらを接続する胴部423を有する。基部421と胴部423は、上述した下部仮固定部材41と同じ素材で形成されている。本実施形態では、例えば上述した高張力鋼(いわゆるハイテン材)のうちHRC65が用いられる。なお、ハイテン材に限られず、SKDなどの公知の合金工具鋼鋼材が用いられてもよい。
下端部422は、本実施形態ではスチール製の滑車が採用されている。この下端部422は図示しないバネを介して胴部423と接続されており、これにより下端部422は胴部423に対して±X方向に変位が可能となっている。なお下端部422はシフトフォークPの外形表面と接触する部位であり、後述する位置決め作用を摩耗や発塵が無く実現することが望ましい。したがって本実施形態では、シフトフォークPの外形表面と接触して回転可能なスチール製の滑車が採用されている。
なお、滑車はスチール製に限られず、摩耗せずにシフトフォークPと回転しながら接触可能であれば、アルミニウムなど公知の他の素材を用いてもよい。また、滑車のうち少なくともシフトフォークPと接触する面を粗面化してもよい。
なお、耐摩耗性が確保できれば、滑車に限られず胴部423を延長して下端部422を棒状先端としてもよい。さらには、棒状先端をDLC(Diamond-like carbon)処理などの表面処理を施して耐摩耗性をさらに向上させてもよい。
この表面処理(低摩擦)処理としては、例えばDLC(Diamond-like Carbon)処理や、潤滑油の塗布処理などが挙げられる。
本実施形態では、上型3と上部仮固定部材42が同期してZ方向に移動することで後述するシフトフォークPの鋳ぐるみ成形用金型1への固定が行われる。
≪鋳ぐるみ処理≫
次に、図4(a)乃至(d)を用いて本実施形態の鋳ぐるみ成形用金型1を用いた鋳ぐるみ処理を説明する。
本実施形態の鋳ぐるみ処理では、上述したシフトフォークPの一端部P1に対して表面改質を行う。より具体的には、シフトフォークPの一端部P1に対して射出成形により樹脂を均一に被覆する処理を行う。
まず図4(a)に示すとおり、図示しないロボットハンドにより鋳ぐるみ処理前のシフトフォークPが下型2へ載置される。
このとき、シフトフォークPの一端部P1と他端部P2は、それぞれ第1下型21に形成された第1凹部211と、第2下型22に形成された第2凹部221とに収容される。
同図においては、例えば8本のシフトフォークPがほぼ同時にロボットハンドによって下型2へ載置される。
なお、上述のとおり、第1凹部211に収容されたシフトフォークP1の一端部P1は、第1凹部211の壁面から所定の間隙を隔てて配置されている。この「所定の間隙」は、実験やシミュレーションによって、鋳ぐるみ処理前の最終的な間隙が適正な値となるように事前に求められている。この最終的な間隙が適正な値となるように成形用金型内にシフトフォークPを配置することで、射出成形により溶融樹脂がシフトフォークPの一端部P1に均一で且つ均質に被覆されることになる。
また、シフトフォークPの一端部P1と他端部P2とがそれぞれ第1凹部211と第2凹部221に収容される一方で、下部仮固定部材41の頂部411にシフトフォークPが支持される。このとき、下部仮固定部材41の頂部411は、第1凹部211と第2凹部221との間でシフトフォークPを下方から支持している。
上述したとおり、シフトフォークPは重量に偏りがあり下型2に安定して載置することが困難な場合があるが、この下部仮固定部材41によりシフトフォークPが支持されるので下型2に載置した際のシフトフォークPの横転を抑制することが可能となる。
なお、第1凹部211と第2凹部221との間において連続面としてシフトフォークPを支持せずに、下部仮固定部材41によってシフトフォークPを支持いる理由は次のとおりである。すなわち、シフトフォークPは必ずしも外形精度が高いレベルで管理されているわけではなく、シフトフォークPの外面は量産時に安定した面(支持面)にはならない。
換言すれば、シフトフォークPの量産に対応するためには、かような外形バラつきがあることを前提として受け入れ、如何にして安定的にこのようなシフトフォークPを支持するかを考えねばならない。これに対して本実施形態では、第1凹部211と第2凹部221との二点によりシフトフォークPの両端を支持するとともに、第1凹部211と第2凹部221部の中央付近を下部仮固定部材41で支持する形態を採用しているので、シフトフォークPをガタつき無く下型2へ載置することが可能となっている。
次に、図4(b)のとおり、シフトフォークPの他端部P2が第2凹部221に収容された状態で、上部仮固定部材42が下型2へ向けて下降する。そして上部仮固定部材42が所定距離だけ下降した後に下端部422(滑車)がシフトフォークPの上面に接触する。これにより、第1凹部211と第2凹部221にそれぞれ一部が載置されたシフトフォークPの上面が上部仮固定部材42により押圧される。
一方、シフトフォークPの他端部P2が収容される第2下型22の第2凹部221は、水平可動部材222の位置決め突起部224の側面によっても区画されている。そしてシフトフォークPが下型2に載置された際には、シフトフォークPの他端部P2と第2凹部221との間にはX軸方向に関して所定の間隙が形成される。
この時点では第1凹部211内に収容されたシフトフォークPの一端部P1は、第1凹部211内で適正な間隙で配置された状態とはなっていない。
なお、本実施形態では位置決め突起部224は水平可動部材222と一体となっているが、それぞれ別々に構成してもよい。
続いて、図4(c)に示す通り、第2上型32が第2下型22へ向けて下降することにより、第2上型32の係合凸部321が水平可動部材222の係合凹部223内に進入する。このとき係合凸部321が係合凹部223の側面を摺動することで水平可動部材222が−X方向(上型2が昇降するZ方向と交差する交差方向)へ可動する。水平可動部材222の−X方向への移動に伴って上述した位置決め突起部224も−X方向へ移動することにより、シフトフォークPの他端部P2が水平可動部材222の側面と接触してシフトフォークPが第2凹部221内で位置決め(固定)される。
なお、シフトフォークPが−X方向へ移動するときは、上部仮固定部材42の下端部422がシフトフォークPの上面に接触した後でシフトフォークPが−X方向へ移動するため、図4(c)の矢印で示すようにシフトフォークPの上面(傾斜面)に倣って下端部422は転がり接触を続ける。なお、上述したとおり下端部422はX軸方向に関して変位可能であることからシフトフォークPの移動を極度に制限してしまうことはない。
また、シフトフォークPは−X方向へ移動することから、下部仮固定部材41の頂部411とシフトフォークPとの間は微小な隙間が形成される。
このように上部仮固定部材42と水平可動部材222の連動動作により、シフトフォークPは下型2のキャビティ空間内で精密に位置決めされる。
この後、下型2に設けられた不図示の挟み部材でシフトフォークPの一端部P1がY方向に関して固定されるとともに、上型3が下型2と接触して組み合わされることによって、樹脂を射出する準備が完了する。
このときシフトフォークPの一端部P1のZ(高さ)方向についても、上型3が下型2と組み合わされることなどにより位置決められる。
上型3が下型2と組み合わされた後は、図示しない射出機によって、樹脂射出口11から溶融樹脂がシフトフォークPの一端部P1表面に対して射出される。
そして溶融樹脂が射出されて所定時間が経過した後は、上型3および上部仮固定部材42が下型2に対して上昇する。上型3および上部仮固定部材42が上昇した後は、下型2に設けられた不図示のイジェクトピン等によってシフトフォークPが下型2から排出される。このとき、下部仮固定部材41の頂部411が+Z方向へ駆動することでシフトフォークPのイジェクトピンとしても機能する。
イジェクトピンによって下型2からシフトフォークPが離間した後、一端部P1に樹脂が被覆されたシフトフォークPが、図示しないロボットハンドによって搬出される。
以後、樹脂が被覆されていない新たなシフトフォークPが下型2へ載置されて上述した鋳ぐるみ処理が再び行われる。
上記した実施形態では、シフトフォークPを鋳ぐるみ成形用金型1へ固定するに際し、第1段階の位置決め(粗い位置決め)として、上部仮固定部材42の下端部422によってシフトフォークPを仮押さえが行われる。そしてその後で、第2段階の位置決め(精密位置決め)として、上型3の下降に連動するように水平可動部材222を−X方向へ所定距離だけ可動させることで、上部仮固定部材42に仮押さえされたシフトフォークPを−X方向の所定位置まで移動させて位置決めが行われる。
これら第1段階と第2段階の双方とも、上型3または上部仮固定部材42の下型2への下降に伴って連続して行われるため、複雑な制御機構を必要とせず簡易で迅速なシフトフォークPの位置決めが可能となっている。
≪変形例1≫
上記実施形態においては、水平可動部材222を−X方向へ水平に可動させてシフトフォークPの位置決めを行ったが、水平可動部材222を水平に可動させずにシフトフォークPの位置決めを行ってもよい。すなわち、例えば図5(a)〜(c)に示すごときシフトフォークP´は、一端部P1が第1凹部211内に収容されたときに他端部P2がXY平面に平行となっておらずXY平面に対して交差するように傾いている。この場合、単純に水平可動部材222を−X方向に可動させるだけではシフトフォークP´の位置決めができない場合も生じうる。
このため変形例1では、水平可動部材225に回転機構Rを付加することによってシフトフォークP´の端面P3を介して下型2に押さえつける構造を採用した。なお、以下では上述した実施形態の構成と同じ機能・作用を有する構成については同一の参照番号を付してその説明は省略する。
図6に示す通り、本変形例1では、水平可動部材225は、係合凹部223が設けられる本体部226と、回転機構Rと、本体部226と回転機構Rを接続するリンク部227を含んで構成されている。なお、回転機構Rの下端にはピボットR1が設けられて第2下型22に対して該ピボットR1を介して回転可能とされている。
シフトフォークP´が鋳ぐるみ成形用金型1で固定される際は、上述した図4(c)に示した動作と同様に、第2上型32が第2下型22へ向けて下降することによって第2上型32の係合凸部321が水平可動部材225の係合凹部223内に進入する。このとき係合凸部321が係合凹部223の側面を摺動することで水平可動部材225の本体部226が−X方向へ可動する。すると、水平可動部材225の回転機構Rは、リンク部材227を介してピボットR1を中心に反時計周りに回転する。
このような回転機構Rの回転動作によって、回転機構Rの先端部がシフトフォークP´の端面P3を押さえることが可能となり、これによりシフトフォークP´の他端部P2が下型2にガタつきなく配置される。
なお、回転機構RによるシフトフォークP´の押さえつけをさらに効率よくするために、例えば図6に示すような下型2(第2下型22)に傾斜段部228を設けてもよい。
≪変形例2≫
上記した実施形態では第1下型21と第2下型22は互いに所定距離だけ離間してフレームベース5にそれぞれ固定されていたが、第1下型21と第2下型22とを一体化してフレームベース5に固定してもよい。
また、上記した実施形態では第1上型31と第2上型32は互いに所定距離だけ離間してフレームベース5にそれぞれ固定されていたが、第1上型31と第2上型32とを一体化してフレームベース5に固定してもよい。
また、上記した実施形態では上型3と上部仮固定部材42とを同期して移動可能としたが、上型3と上部仮固定部材42とを別々に駆動・制御可能としてZ方向に対してそれぞれ移動させてもよい。
また、上記した実施形態ではシフトフォークPの一端部P1に溶融樹脂を被覆したが、溶融金属を被覆してもよい。
以上説明したように、本発明の鋳ぐるみ成形用金型は、シフトフォークなどの成形部品の表面改質処理および当該表面改質処理を施した成形部品の製造に適している。
1…鋳ぐるみ成形用金型、
2…下型、
3…上型、
4…仮固定部材、
5…フレームベース、
11…樹脂射出口、
21…第1下型、
22…第2下型、
31…第1上型、
32…第2上型、
41…下部仮固定部材、
42…上部仮固定部材、
211…第1凹部、
221…第2凹部、
222…水平可動部材、
223…係合凹部、
224…位置決め突起部、
225…水平可動部材、
226…本体部、
227…リンク部材、
321…係合凸部、
421…基部、
422…下端部、
423…胴部
P、P´、Pe…シフトフォーク、
R…回転機構

Claims (7)

  1. キャビティ空間内に3次元的な形状を有する成形部品を固定し、当該成形部品の少なくとも一部に対して溶融材料を射出して鋳ぐるみを行う鋳ぐるみ成形用金型であって、
    前記成形部品を支持する下型と、
    前記下型と対向して配置され、前記下型に対して昇降可能な上型と、
    前記成形部品に対して上方から押圧することで前記成形部品を前記キャビティ空間に対して位置決めする仮固定部材と、
    を具備することを特徴とする鋳ぐるみ成形用金型。
  2. 前記仮固定部材は、前記下型に配置された前記成形部品を下方から支える第1仮固定部材と、前記第1仮固定部材に支持された後の前記成形部品に対して上方から押圧する第2仮固定部材とを含む請求項1に記載の鋳ぐるみ成形用金型。
  3. 前記第2仮固定部材は、前記成形部品の表面に接触して摺動可能な滑車を含む請求項2に記載の鋳ぐるみ成形用金型。
  4. 前記下型は、前記昇降する方向と交差する交差方向に可動するとともに凹部が形成された水平可動部材を備え、
    前記上型は、前記水平可動部材の前記凹部と係合する係合凸部を備え、
    前記上型が前記下型に向けて下降するとき前記係合凸部が前記水平可動部材の前記凹部に係合することで、前記水平可動部材が前記交差方向に可動して前記成形部品の位置決めが行われる請求項1〜3のいずれか一項に記載の鋳ぐるみ成形用金型。
  5. 前記水平可動部材とリンク部材を介して接続される回転機構をさらに有し、
    前記回転機構は、前記水平可動部材の前記交差方向への可動に伴って回転して前記成形部品に接触することで当該成形部品の姿勢を調整する請求項4に記載の鋳ぐるみ成形用金型。
  6. 前記下型は、前記成形部品のうち前記鋳ぐるみを行う第1端部を収容する第1凹部と、前記第1端部と反対側の第2端部を収容するための第2凹部を含み、
    前記第1凹部と前記第2凹部との間に前記第1仮固定部材が配置されてなる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の鋳ぐるみ成形用金型。
  7. 前記成形部品は、原動機の変速機構に組み込まれるシフトフォークを含む請求項1乃至6のいずれか一項に記載の鋳ぐるみ成形用金型。
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CN109352902A (zh) * 2018-11-14 2019-02-19 昆山艾博机器人股份有限公司 一种翻转注塑裁切机构

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