以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
<全体構成>
図1は、本実施形態に係る伝送システムの一例の概略図である。
伝送システムには、伝送管理システムを介して一方の伝送端末から他方の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理システムを介して複数の伝送端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(「伝送管理システム」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、テレビ会議システムやテレビ電話システム、音声会議システム、音声電話システム、PC(Personal Computer)画面共有システム、テキストチャットシステム等が例として挙げられる。
本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのテレビ会議及びテキストチャットを行うことができるシステムを想定した上で、伝送システムについて説明する。すなわち、本実施形態のコミュニケーションシステムは、テレビ会議サービスとテキストチャットサービスを提供することができる伝送システムである。また、本実施形態では、コミュニケーション管理システムの一例としてのテレビ会議管理システム及びテキストチャット管理システムを想定した上で、伝送管理システムについて説明する。同様に、コミュニケーション端末の一例としてのテレビ会議若しくはテキストチャットのいずれか又はその両方を行うことができる端末を想定した上で、伝送端末について説明する。
すなわち、本発明の伝送端末及び伝送管理システムは、上記の伝送システムに適用されるだけでなく、その他のコミュニケーションシステムやデータ提供システム等にも適用される。
図1に示されている伝送システム1は、複数の伝送端末(10aa,10ab,・・・,20aa,20ab,・・・)、各伝送端末(10aa,10ab,・・・)用のディスプレイ(120aa,120ab,・・・)、複数の中継装置(30a,30b,・・・)、複数の伝送管理システム(501,502、・・・)、共通情報管理装置60、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100によって構築されている。
複数の伝送端末10は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び音声データの送受信を行う。すなわち、複数の伝送端末10は、テレビ会議サービスを利用することができるテレビ会議端末である。本実施形態では、伝送端末10は、テレビ会議サービス専用の端末(テレビ会議専用端末)であるとする。以降、伝送端末10をテレビ会議専用端末10と表す。これらのテレビ会議専用端末10は、テレビ会議サービスの呼制御を管理する伝送管理システム501により管理される。なお、テレビ会議専用端末10は必ずしも端末のハードウェア自体がテレビ会議サービスに特化した端末でなくてもよく、ハードウェアは汎用的であっても端末が利用可能なアプリケーションがテレビ会議サービスに特化した端末も含まれる。
また、コミュニケーション管理システムが音声会議システムまたは音声電話システムの場合にはコンテンツデータとの一例として音声データの送受信を行い、音声通話サービスを利用することができる。
他方、複数の伝送端末20は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び音声データ、又は、テキストデータの送受信を行う。すなわち、複数の伝送端末20は、テレビ会議又はテキストチャットを利用することができる端末である。本実施形態では、伝送端末20は、特に断らない限り、テレビ会議サービスとテキストチャットサービスの両方を利用することができるタブレット型端末、携帯電話、スマートフォンなどの汎用の携帯端末であるとする。伝送端末20は、少なくともテキストチャットサービスを利用することができればよく、テレビ会議サービスは必ずしも利用することができなくてもよい。なお、伝送端末20は、例えば携帯電話通信網やWiFi(Wireless Fidelity)などを介して通信ネットワーク2に無線で接続されている。以降、伝送端末20を携帯端末20と表す。これらの携帯端末20は、テキストチャットサービスの呼制御を管理する伝送管理システム502により管理される。
なお、上記のテレビ会議専用端末10及び携帯端末20は、上述した通りコミュニケーション端末の一例であり、コミュニケーション端末としては、会議専用端末、タブレット型端末、携帯電話、スマートフォンの他に、ゲーム機器、汎用PC端末、自動車に搭載されるカーナビゲーション端末、プロジェクタなどの投影装置、電子黒板、ウェアラブル端末などの各種電子機器であってもよい。
なお、以下では、複数のテレビ会議専用端末(10aa,10ab,・・・)のうちの任意の端末は「テレビ会議専用端末10」と表され、複数の携帯端末(20aa,20ab,・・・)のうちの任意の端末は「携帯端末20」と表されている。
また、複数のディスプレイ(120aa,120ab,・・・)のうち任意のディスプレイは「ディスプレイ120」と表され、複数の中継装置(30a,30b,・・・)のうち任意の中継装置は「中継装置30」と表されている。また、複数の伝送管理システム(501,502、・・・)のうち任意の伝送管理システムは「伝送管理システム50」と表されている。さらに、一方のテレビ会議専用端末10若しくは携帯端末20から他方のテレビ会議専用端末10若しくは携帯端末20へのテレビ会議若しくはテキストチャットの開始を要求する端末は「要求元端末」と表され、要求先である宛先としての端末は「宛先端末」と表されている。
また、伝送システム1において、要求元端末と宛先端末との間では、伝送管理システム50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションが確立される。また、要求元端末と宛先端末との間では、中継装置30を介して、コンテンツデータを送受信するためのセッションが確立される。なお、要求元端末と宛先端末との間で送受信されるコンテンツデータがテキストデータのみである場合、伝送管理システム50を介したセッション又は要求元端末と宛先端末とが直接セッションを確立してもよい。
ここで、本実施形態では、要求元端末がテレビ会議専用端末10である場合は伝送管理システム501を介してセッションが確立され、他方、要求元端末が携帯端末20である場合は伝送管理システム502を介してセッションが確立される。換言すれば、テレビ会議サービスのみを利用するテレビ会議専用端末10は伝送管理システム501により呼制御が管理され、他方、テキストチャットサービスを利用する携帯端末20は伝送管理システム502により呼制御が管理される。このように、本実施形態では、サービス毎に呼制御を行う伝送管理システム50が異なり、各伝送端末は、いずれのサービスを主に利用するかに応じて、いずれかの伝送管理システム50により呼制御が管理される。以降では、管理システム501は「テレビ会議管理システム501」、管理システム502は「テキストチャット管理システム502」と表される。
図1に示されている中継装置30は、複数のテレビ会議専用端末10、携帯端末20の間で、コンテンツデータの中継を行う。
伝送管理システム50は、伝送端末のログイン認証、通話状況の管理、宛先リストの管理、及び中継装置30の通話状況等を行う。また、伝送管理システム50は、これらの管理を、各サービスの呼制御を管理する伝送管理システム50毎に管理する。換言すれば、テレビ会議専用端末10のログイン認証、通話状況の管理、宛先リストの管理、中継装置30の通話状況等はテレビ会議管理システム501で管理される。他方、携帯端末20のログイン認証、通話状況の管理、宛先リストの管理、中継装置30の通話状況等はテキストチャット管理システム502で管理される。なお、後述するように、通話状況の管理などのいわゆる各伝送端末の状態情報は、関係する各伝送管理システム50間において互いに通知される。
共通情報管理装置60は、各伝送管理システム50間で共通に利用する情報を管理するDB(Database)サーバなどである。共通に利用する情報には、状態情報(プレゼンス情報)を含む。共通情報管理装置60は、各伝送管理システム50間で共通に利用する情報を記憶する例えばネットワークストレージなどの記憶装置であってもよい。なお、本実施形態では、共通情報管理装置60は、各伝送管理システム50と別に設けられている構成であるが、各伝送管理システム50に含まれる構成であってもよい。なお、共通情報管理装置60から状態情報(プレゼンス情報)に関する機能を分離し、プレゼンス情報管理サーバ(プレゼンスサーバ)として別途設けるようにしてもよい。
複数のルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)は、コンテンツデータの最適な経路選択を行う。なお、以下では、ルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)のうち任意のルータは「ルータ70」と表されている。
プログラム提供システム90は、後述のHD(Hard Disk)204を備えており、テレビ会議専用端末10や携帯端末20に各種機能を実現させる(又は、テレビ会議専用端末10、携帯端末20を各種手段として機能させる)ための端末用プログラムが記憶され、テレビ会議専用端末10、携帯端末20に端末用プログラムを送信することができる。ここで、テレビ会議専用端末10、携帯端末20にそれぞれ異なる端末用プログラムを送信する。すなわち、プログラム提供システム90は、テレビ会議サービスを利用するための端末用プログラムをテレビ会議専用端末10に送信し、他方、テレビ会議サービス及びテキストチャットサービスを利用するための端末用プログラムを携帯端末20に送信する。なお、プログラム提供システム90は、テキストチャットサービスのみを利用するための端末用プログラムを携帯端末20に送信してもよい。
また、プログラム提供システム90のHD204には、中継装置30に各種機能を実現させる(又は、中継装置30を各種手段として機能させる)ための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置30に、中継装置用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHD204には、伝送管理システム50に各種機能を実現させる(又は、伝送管理システム50を各種手段として機能させる)ための伝送管理用プログラムも記憶されており、伝送管理システム50に、伝送管理用プログラムを送信することができる。さらに、プログラム提供システム90のHD204には、共通情報管理装置60に各種機能を実現させる(又は、共通情報管理装置60を各種手段として機能させる)ための情報管理用プログラムも記憶されており、共通情報管理装置60に、情報管理用プログラムを送信することができる。
メンテナンスシステム100は、テレビ会議専用端末10、携帯端末20、中継装置30、伝送管理システム50、共通情報管理装置60、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、又は保守を行うためのコンピュータである。例えば、メンテナンスシステム100が国内に設置され、テレビ会議専用端末10、携帯端末20、中継装置30、伝送管理システム50、共通情報管理装置60、又はプログラム提供システム90が国外に設置されている場合、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介して遠隔的に、テレビ会議専用端末10、携帯端末20、中継装置30、伝送管理システム50、共通情報管理装置60、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、保守等のメンテナンスを行う。また、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介さずに、テレビ会議専用端末10、携帯端末20、中継装置30、伝送管理システム50、共通情報管理装置60、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つにおける機種番号、製造番号、販売先、保守点検、又は故障履歴の管理等のメンテナンスを行う。
ところで、テレビ会議専用端末(10aa,10ab,10ac,・・・)、中継装置30a、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。テレビ会議専用端末(10ba,10bb,10bc,・・・)、中継装置30b、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70abが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、LAN2aは東京の事業所内で構築されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。また、携帯端末(20aa,20ab,・・・)は、地域Aで利用されている。
一方、テレビ会議専用端末(10ca,10cb,10cc,・・・)、中継装置30c、及びルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。テレビ会議専用端末(10da,10db,10dc,・・・)、中継装置30d、及びルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70cdが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカ合衆国であり、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。また、携帯端末(20ba,20bb,・・・)は、地域Bで利用されている。
地域A及び地域Bは、それぞれルータ(70ab,70cd)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
なお、テレビ会議専用端末10は必ずしも専用線を介する必要はなく、インターネット2iに直接接続されていてもよい。
また、伝送管理システム50、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、インターネット2iを介して、テレビ会議専用端末10、携帯端末20、中継装置30、及び共通情報管理装置60と通信可能に接続されている。伝送管理システム50、共通情報管理装置60、プログラム提供システム90、又はメンテナンスシステム100は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c、及びLAN2dによって、通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく、WiFiや、Bluetooth(登録商標)等の無線による通信が行われる箇所があってもよい。
また、図1において、各テレビ会議専用端末10、各携帯端末20、各中継装置30、各伝送管理システム50、共通情報管理装置60、各ルータ70、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、テレビ会議専用端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
なお、各テレビ会議専用端末10、各携帯端末20は、複数の事業所間での通信や、同じ事業者内の異なる部屋間での通信だけでなく、同じ部屋内での通信や、屋外と屋内又は屋外と屋外での通信で使われてもよい。各テレビ会議専用端末10、各携帯端末20が屋外で使われる場合には、携帯電話通信網等の無線による通信が行われる。
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
≪テレビ会議専用端末≫
テレビ会議専用端末10のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態に係るテレビ会議専用端末のハードウェア構成図である。図2に示されているように、本実施形態のテレビ会議専用端末10は、テレビ会議専用端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、端末用プログラム、画像データ、及び音声データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、テレビ会議専用端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108、テレビ会議専用端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)111を備えている。
また、テレビ会議専用端末10は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ112、このカメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力する内蔵型のマイク114、音声を出力する内蔵型のスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するディスプレイI/F117、各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F118、及び上記各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
外部機器接続I/F118には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。なお、テレビ会議専用端末10は、内蔵型のカメラ112を必ずしも備えていなくてもよく、外部機器接続I/F118を介して外付けカメラのみが接続されていてもよい。同様に、テレビ会議専用端末10は、内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115を必ずしも備えていなくてもよく、外部機器接続I/F118を介して外付けマイクや外付けスピーカのみが接続されていてもよい。また、テレビ会議専用端末10のディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続されているが、これに限られず、ディスプレイ120は、テレビ会議専用端末10に内蔵されていてもよい。
また、テレビ会議専用端末10は、外部機器接続I/F118以外にもSDカードやSIM(Subscriber Identity Module)カードなどの外部記録媒体を読み込み可能な外部記録媒体I/Fを備えていてもよい。
なお、記録メディア106は、テレビ会議専用端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
さらに、上記端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア106等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記端末用プログラムは、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶させるようにしてもよい。
≪携帯端末≫
図3は、本実施形態に係る携帯端末の一例のハードウェア構成図である。図3に示されているように、本実施形態の携帯端末20は、携帯端末20全体の動作を制御するCPU201、携帯端末20に各種操作信号を入力するための入力装置202、携帯端末20による処理結果を表示するための表示装置203、外付けマイク、外付けカメラや外部記録媒体(記録メディア)などの各種外部装置とのインタフェースである外部I/F204、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM205、携帯端末20のOSの設定やネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されるROM206、携帯電話通信網などを利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F207、端末用プログラム等の各種データを記憶するフラッシュメモリ208、CPU201の制御にしたがってフラッシュメモリ208に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD209を備えている。
また、携帯端末20は、CPU201の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ210、このカメラ210の駆動を制御する撮像素子I/F211、音声を入力する内蔵型のマイク212、音声を出力する内蔵型のスピーカ213、CPU201の制御に従ってマイク212及びスピーカ213との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F214、及び上記各構成要素を図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン215を備えている。なお、携帯端末20がテキストチャットサービスのみを利用する端末である場合、カメラ210やマイク212、スピーカ213などは備えていなくてもよい。
また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ208に限らず、EEPROM等を用いてもよい。
上記端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記端末用プログラムは、フラッシュメモリ208ではなくROM206に記憶させるようにしてもよい。
≪中継装置、伝送管理システム、共通情報管理装置、プログラム提供システム、メンテナンスシステム≫
次に、中継装置30、伝送管理システム50、共通情報管理装置60、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100のハードウェア構成について説明する。図4は、本実施形態に係る中継装置、伝送管理システム、共通情報管理装置、プログラム提供システム、メンテナンスシステムのハードウェア構成図である。
伝送管理システム50は、伝送管理システム50全体の動作を制御するCPU301、IPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM302、CPU301のワークエリアとして使用されるRAM303、伝送管理用プログラム等の各種データを記憶するHD304、CPU301の制御にしたがってHD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)305、フラッシュメモリ等の記録メディア306に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ307、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ308、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F309、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード311、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス312、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)313に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ314、及び、上記各構成要素を図4に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン310を備えている。
なお、上記伝送管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア306やCD−ROM313等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記伝送管理用プログラムは、HD304ではなくROM302に記憶されるようにしてもよい。
また、中継装置30及び共通情報管理装置60は、上記の伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。ただし、中継装置30のHD304には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されており、共通情報管理装置60のHD304には、共通情報管理装置60を制御するための情報管理用プログラムが記憶されている。この場合も、中継装置用プログラム、情報管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア306やCD−ROM313等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記中継装置用プログラム、情報管理用プログラムは、HD304ではなくROM302に記憶されるようにしてもよい。
また、プログラム提供システム90及びメンテナンスシステム100は、上記の伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD304には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供用プログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア306やCD−ROM313等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記プログラム提供システム用プログラムは、HD304ではなくROM302に記憶されるようにしてもよい。
なお、上記着脱可能な記録媒体の他の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
<機能構成>
次に、本実施形態の機能構成について説明する。図5は、本実施形態に係る伝送システムを構成する各端末、装置及びシステムの機能ブロック図である。図5では、テレビ会議専用端末10、携帯端末20、中継装置30、伝送管理システム50、及び共通情報管理装置60が、通信ネットワーク2を介してデータ通信することができるように接続されている。なお、図1に示されているプログラム提供システム90及びメンテナンスシステム100は、本実施形態では直接関係ないため、図5では省略されている。
<<端末の各機能構成>>
テレビ会議専用端末10及び携帯端末20は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音声入力部15a、音声出力部15b、表示制御部16、宛先リスト作成部17、及び記憶・読出処理部18を有している。以降では、図5の伝送端末がテレビ会議専用端末10である場合について主に説明する。
上記の各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、フラッシュメモリ104からRAM103上に展開された端末用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能される手段である。
また、テレビ会議専用端末10は、図2に示されているRAM103によって構築される揮発性記憶部2000、及び図2に示されているフラッシュメモリ104によって構築される不揮発性記憶部1000を有している。
次に、図2及び図5を用いて、テレビ会議専用端末10の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、テレビ会議専用端末10の各機能構成部を説明するにあたって、図2に示されている各構成要素のうち、テレビ会議専用端末10の各機能構成部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図5に示されているテレビ会議専用端末10の送受信部11は、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示されているネットワークI/F111によって実現され、通信ネットワーク2を介してほかの端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。この送受信部11は、所望の宛先端末と通話を開始する前から、テレビ会議管理システム501より、宛先候補としての各伝送端末の状態を示す各状態情報の受信を開始する。なお、この状態情報は、各テレビ会議専用端末10又は/及び各携帯端末20の稼働状態(オンラインかオフラインかの状態)だけでなく、オンラインであってもさらに通話中であるか、離席中であるか等の詳細な状態、すなわちプレゼンスを示す。また、この状態情報は、テレビ会議専用端末10でケーブル120cがテレビ会議専用端末10から外れていたり、音声を出力するが画像は出力させなかったり、音声を出力させないようにする(MUTE)等、様々な状態を示すこともできる。なお、上記において、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、送受信部11は、所望の宛先端末と通話を開始する前から、テキストチャット管理システム502より、宛先候補としての各端末の状態を示す各状態情報の受信を開始する。
操作入力受付部12は、図2に示されているCPU101からの命令、並びに図2に示されている操作ボタン108及び電源スイッチ109によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。例えば、利用者が、図2に示されている電源スイッチ109をONにすると、図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする。なお。図5の伝送端末が携帯端末20である場合、CPU201からの命令、及び操作入力受付部12は、入力装置202によって実現される。
ログイン要求部13は、図2に示されているCPU101からの命令によって実現され、上記電源ONの受け付けを契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介してテレビ会議管理システム501に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、端末種別を示す情報、この端末が利用することができるサービス名、及び要求元端末の現時点のIPアドレスを自動的に送信する。また、利用者が電源スイッチ109をONの状態からOFFにすると、送受信部11がテレビ会議管理システム501へ電源をOFFする旨の状態情報を送信した後に、操作入力受付部12が電源を完全にOFFにする。これにより、テレビ会議管理システム501側では、テレビ会議専用端末10が電源ONから電源OFFになったことを把握することができる。なお、上記において、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、ログイン要求部13はCPU201からの命令によって実現され、携帯端末20のユーザが行ったログイン操作の受け付けを契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介してテキストチャット管理システム502に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、及び要求元端末の現時点のIPアドレスを送信する。このように、携帯端末20においては、この携帯端末20にインストールされたプログラム(端末用プログラム)においてユーザがログイン操作を行うことでログイン要求等がテキストチャット管理システム502に送信される。
撮像部14は、図2に示されているCPU101からの命令、並びに図2に示されているカメラ112及び撮像素子I/F113によって実現され、被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。なお、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、撮像部14は図3に示されているCPU201からの命令、並びに図3に示されているカメラ210及び撮像素子I/F211によって実現される。ただし、携帯端末20がテキストチャットサービスのみ利用することができるときは、携帯端末20は、撮像部14を有しなくてもよい。
音声入力部15aは、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示されている音声入出力I/F116によって実現され、マイク114によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音声データを入力する。音声出力部15bは、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示されている音声入出力I/F116によって実現され、音声データに係る音声信号をスピーカに出力し、スピーカ115から音声を出力させる。なお、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、音声入力部15a及び音声出力部15bは図3に示されているCPU201からの命令、並びに図3に示されている音声入出力I/F211によって実現される。ただし、携帯端末20がテキストチャットサービスのみ利用することができるときは、携帯端末20は、音声入力部15a及び音声出力部15bを有しなくてもよい。
表示制御部16は、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示されているディスプレイI/F117によって実現され、外付けのディスプレイ120に対して画像データを送信するための制御を行う。なお、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、表示制御部16は図3に示されているCPU201からの命令、及びに図3に示されている表示装置203によって実現され、表示装置203に画像データ等を送信するための制御を行う。
宛先リスト作成部17は、図2に示されているCPU101からの命令によって実現され、管理システム50から受信した宛先リスト情報及び各宛先候補としてのテレビ会議専用端末10及び/又は携帯端末20の状態情報に基づいて、宛先リストの作成及び更新を行う。なお、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、宛先リスト作成部17は図3に示されているCPU201からの命令によって実現される。
記憶・読出処理部18は、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示すSSD105によって実行され、不揮発性記憶部1000に各種データを記憶したり、揮発性記憶部2000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。この不揮発性記憶部1000には、通信先としてのテレビ会議専用端末10の端末又はユーザを識別するための通信ID(Identification)、及びパスワード等が記憶される。なお、通信ID及びパスワードは不揮発性記憶部1000に記憶されておらず、例えば伝送管理システム50に対してログイン要求を行う際に都度、ユーザが入力するようにしてもよい。
また、記憶・読出処理部18は、揮発性記憶部2000に各種データを記憶したり、揮発性記憶部2000に記憶された各種データを読み出す処理も行う。この揮発性記憶部2000には、宛先端末との通話を行う際に受信される画像データや音声データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ120に画像が表示される、上書きされる前の音声データによってスピーカ150から音声が出力される。なお、上記において、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、記憶・読出処理部18は図3に示されているCPU201からの命令、及び図3に示されているSSD209によって実現される。また、揮発性記憶部2000には、宛先端末とのテキストチャットを行う際に受信されるテキストデータも記憶される。
なお、本実施形態の通信ID及び後述の中継装置IDは、それぞれ伝送端末若しくはこの伝送端末を利用するユーザ及び中継装置30を一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の識別情報を示す。また、通信ID及び中継装置IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。
≪中継装置の機能構成≫
中継装置30は、送受信部31及び記憶・読出管理部32を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD304からRAM303上に展開された中継装置用プログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、中継装置30は、中継装置30の電源をOFFにしても各種データ(または情報)の記憶が維持される不揮発性記憶部3000を有しており、この不揮発性記憶部3000は図4に示されているHD304により構築されている。
次に、中継装置30の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、中継装置30の各機能構成部を説明するにあたって、図4に示されている各構成要素のうち、中継装置30の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図5に示されている中継装置30の送受信部31は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているネットワークI/F309によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
記憶・読出管理部32は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているHDD305によって実現され、不揮発性記憶部3000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部3000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。なお、不揮発性記憶部3000には、画像データの中継先としてのテレビ会議専用端末10又は/及び携帯端末20のIPアドレスなどが記憶されている。
≪伝送管理システムの機能構成≫
伝送管理システム50は、送受信部51、認証部52、状態管理部53、端末抽出部54、状態通知・取得・転送部55、セッション管理部56、及び記憶・読出処理部58を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD304からRAM303上に展開された管理システム用プログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、伝送管理システム50は、伝送管理システム50の電源をOFFにしても各種データ(または情報)の記憶が維持される不揮発性記憶部5000を有しており、この不揮発性記憶部5000は図4に示されているHD304により構築されている。
(中継装置管理テーブル)
不揮発性記憶部5000には、図6に示されているような中継装置管理テーブルによって構成されている中継装置管理DB5001が構築されている。この中継装置管理テーブルでは、各中継装置30の中継装置ID毎に、各中継装置30の稼働状態、稼働状態が示される状態情報が伝送管理システム50で受信された受信日時、中継装置30のIPアドレス、及び中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)が関連付けられて管理される。例えば、図6に示されている中継装置管理テーブルにおいて、中継装置IDが「111a」の中継装置30aは、稼働状態が「オンライン」で、伝送管理システム50で状態情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時00分」で、この中継装置30aのIPアドレスが「1.2.1.2」で、この中継装置30aにおける最大データ伝送速度が100Mbpsであることが示されている。このように、各伝送管理システム50は利用可能な中継装置30を管理している。より具体的にいえば、テレビ会議管理システム501は、テレビ会議サービスで利用することができる中継装置30の中継装置管理テーブルを管理しており、他方、テキストチャット管理システム502は、テレビ会議サービス、テキストチャットサービスで利用することができる中継装置30の中継装置管理テーブルを管理している。なお、テキストチャットサービスにおいては、データがテキストデータであるため中継装置30を用いずに、要求元端末及び宛先端末間で直接データの送受信を行ってもよいし、伝送管理システム50を介してデータの送受信を行ってもよい。なお、この中継装置管理DB5001及び後述するセッション管理DB5002を共通情報管理装置60で構築してもよい。これにより、中継装置管理テーブル及びセッション管理テーブルの情報をすべての伝送管理システム50において共通に用いることができる。
(セッション管理テーブル)
また、この不揮発性記憶部5000には、図7に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB5002が構築されている。このセッション管理テーブルでは、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられるセッションID毎に、データの中継に使用される中継装置30の中継装置ID、要求元端末の通信ID及び宛先端末の通信IDが関連付けられて管理される。例えば、図7に示されているセッション管理テーブルにおいて、セッションID「se1」を用いて実行されたセッションで選択された中継装置30a(中継装置ID「111a」)は、通信IDが「02aa」の要求元端末(携帯端末02aa)と、通信IDが「01ab」の宛先端末(テレビ会議専用端末10ab)との間で、データを中継することが示されている。
(宛先リスト管理テーブル)
さらに、不揮発性記憶部5000には、図8に示されているような宛先情報を管理する宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5003が構築されている。図8(a)は、テレビ会議管理システム501が管理する宛先情報が登録されている宛先リスト管理テーブルの一例である。他方、図8(b)は、テキストチャット管理システム502が管理する宛先情報が登録されている宛先リスト管理テーブルの一例である。これらの宛先リスト管理テーブルでは、テレビ会議サービスやテキストチャットサービスにおける接続の開始(発呼)を要求する要求元端末の通信IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の通信IDが宛先情報として全て関連付けられて管理される。例えば、図8(a)に示されているテレビ会議管理システム501が管理する宛先リスト管理テーブルにおいて通信IDが「01aa」である要求元端末(テレビ会議専用端末10aa)からテレビ会議サービスを利用した接続開始を要求することができる宛先端末の候補は、テレビ会議管理システムで管理されている通信IDが「01ab」「02ab」「02ac」「10ac」等であることが示されている。
他方、例えば図8(b)に示されているテキストチャット管理システム502が管理する宛先リスト管理テーブルにおいて通信IDが「02ab」である要求元端末(携帯端末20ab)からテキストチャットサービスを利用した接続開始を要求することができる宛先端末の候補は、テキストチャット管理システムで管理されている通信IDが「02aa」「01aa」等であることが示されている。
次に、伝送管理システム50の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、伝送管理システム50の各機能構成部を説明するにあたって、図4に示されている各構成要素のうち、伝送管理システム50の各機能構成部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
送受信部51は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているネットワークI/F309によって実行され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
認証部52は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているネットワークI/F309によって実行され、送受信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードを検索キーとし、共通情報管理装置60の認証管理DB6002を検索し、認証管理DB6002に同一の通信ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって認証を行う。
状態管理部53は、図4に示されているCPU301からの命令によって実現され、ログイン要求してきた要求元端末のプレゼンスを管理すべく、共通情報管理装置60の状態情報管理DB6005に、この要求元端末のプレゼンスを、通信IDなどと関連して記憶させる。
端末抽出部54は、図4に示されているCPU301からの命令によって実現され、ログイン要求した要求元端末の通信IDをキーとして、宛先リスト管理DB5003を検索し、要求元端末と接続することができる宛先端末の候補の通信IDと、この通信IDの端末の呼制御を管理している伝送管理システム50の情報とを読み出す。
状態通知・取得・転送部55は、図4に示されているCPU301からの命令によって実現され、上記端末抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の通信IDのうち、自身で管理している伝送端末のプレゼンスを取得する。また、状態通知・取得・転送部55は、受け取った要求元端末のプレゼンスを、該当の宛先候補の端末に通知する。また、状態通知・取得・転送部55は、伝送端末10、20から受信したプレゼンスを共通情報管理装置60に転送するとともに、共通情報管理装置60から提供されたプレゼンスを用いて伝送端末10、20に表示する宛先リストのプレゼンスを表示・更新する。
セッション管理部56は、図4に示されているCPU301からの命令によって実現され、不揮発性記憶部5000のセッション管理DB5002に、コンテンツデータを中継する中継装置30の中継装置IDと、セッションID、要求元端末の通信ID、及び宛先端末の通信IDを関連付けて記憶して管理する。
記憶・読出処理部58は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているHDD305によって実行され、不揮発性記憶部5000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
≪共通情報管理装置の機能構成≫
共通情報管理装置60は、送受信部61、記憶・読出処理部62及び状態情報処理部63を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD304からRAM303上に展開された管理システム用プログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、共通情報管理装置60は、共通情報管理装置60の電源をOFFにしても各種データ(または情報)の記憶が維持される不揮発性記憶部6000を有しており、この不揮発性記憶部6000は図4に示されているHD304により構築されている。
(認証管理テーブル)
また、不揮発性記憶部6000には、図9に示されているような認証管理テーブルによって構成されている認証管理DB6002が構築されている。この認証管理テーブルでは、すべての伝送管理システム50によって管理されるすべての伝送端末(テレビ会議専用端末10及び携帯端末20)の各通信IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、図9に示されている認証管理テーブルにおいて、テレビ会議専用端末10aaの通信IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが示されている。
(状態情報管理DB)
不揮発性記憶部6000には、状態情報管理DB6005が格納されている。状態情報管理DB6005には、図10(a)のプレゼンス情報テーブル、図10(b)(c)のプレゼンス/ステータス対応テーブル、図10(d)の統合ルールテーブルが含まれている。
図10(a)のプレゼンス情報テーブルは、全サービスに共通のユーザID(通信ID)毎に、共通ステータス(Common Status)、チャットプレゼンス(Chat Presence)、会議プレゼンス(Conference Presence)等を対応付けたものである。連携するサービスが増える場合、そのサービスのステータスが追加される。
共通ステータスは、複数のサービスのステータス(応答可否)から統合された後のステータス(応答可否)であり、以下では統合プレゼンスとも呼ぶ。「available(Chat, Conference)」は、テキストチャット(Chat)サービスとテレビ会議(Conference)サービスで応答可能であることを示している。「available(Chat)」は、テキストチャットサービスで応答可能であることを示している。「available(Conference)」は、テレビ会議サービスで応答可能であることを示している。「unavailable」は、いずれのサービスでも応答できないことを示している。
チャットプレゼンスは、テキストチャットサービスにおける固有のプレゼンスである。例えば、「online」、「offline」、「chat」、「dnd (do not disturb)」、「away」、「xa (extended away)」等の、当該サービスで許容された値が入る。これらのプレゼンスの示す意味は以下の通りである。
「online」とは、テキストチャットサービスにログインしており、他の端末と通信可能な待ち受けの状態を示す。「offline」とは、テキストチャットサービスにログインしておらず、他の端末と通信できない状態を示す。「chat」とは、他の端末とテキストチャット中である状態を示す。「dnd(do not disturb)」とは、テキストチャットサービスにログインしており、他の端末とテキストチャット中ではないが他の処理を実行中(他のアプリケーションや設定を実行中など)のためテキストチャットを開始できない状態を示す。「away」とは、テキストチャットサービスにログインしているが、ユーザの設定により離席中の状態を示す。「xa(extended away)」とは、テキストチャットサービスにログインしているが、ユーザの設定により長時間離席中の状態を示す。
会議プレゼンスは、テレビ会議サービスにおける固有のプレゼンスである。例えば、「online」、「offline」、「meeting」、「dnd (do not disturb)」、「away」、「xa (extended away)」等の、当該サービスで許容された値が入る。これらのプレゼンスの示す意味は以下の通りである。
「online」とは、テレビ会議サービスにログインしており、他の端末と通信可能な待ち受けの状態を示す。「offline」とは、テレビ会議サービスにログインしておらず、他の端末と通信できない状態を示す。「meeting」とは、他の端末とテレビ会議中である状態を示す。「dnd(do not disturb)」とは、テレビ会議サービスにログインしており、他の端末とテレビ会議中ではないが他の処理を実行中(他のアプリケーションや設定を実行中など)のためテレビ会議を開始できない状態を示す。「away」とは、テレビ会議サービスにログインしているが、ユーザの設定により離席中の状態を示す。「xa(extended away)」とは、テレビ会議サービスにログインしているが、ユーザの設定により長時間離席中の状態を示す。
図10(b)(c)のプレゼンス/ステータス対応テーブルは、サービス毎に、プレゼンスとステータスとの対応を設定したものである。「available」は応答可能であることを示し、「unavailable」は応答できないことを示している。プレゼンスがブランクの場合は「unavailable」に対応付けられている。
図10(d)の統合ルールテーブルは、チャットステータスと会議ステータスの組み合わせに対して共通ステータスを対応付けたものである。対応するサービスが増える場合、組み合わせが増えることとなる。
次に、共通情報管理装置60の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、共通情報管理装置60の各機能構成部を説明するにあたって、図4に示されている各構成要素のうち、共通情報管理装置60の各機能構成部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
送受信部61は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているネットワークI/F309によって実行され、通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50と各種データ(または情報)の送受信を行う。
記憶・読出処理部62は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているHDD305によって実行され、不揮発性記憶部6000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部6000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
状態情報処理部63は、各サービス毎に設けられた伝送管理システム50が伝送端末10、20の宛先リストを表示・更新するタイミング及び伝送端末10、20から状態情報(プレゼンス情報)の変更が通知されたタイミングおいて、最新の状態情報(プレゼンス情報)を取得し、各サービスの伝送管理システム50に提供する。
<処理の詳細>
先ず、共通情報管理装置60の状態情報処理部63及び状態情報管理DB6005が関与しない状態での処理について、図11乃至図15を用い、伝送システム1における処理の詳細について説明する。
<<ログインから宛先リスト表示>>
まず、図11を用いて、ユーザがテレビ会議専用端末10aaを操作して、このテレビ会議専用端末10aaとの宛先端末の候補のリストである宛先リストを表示させる処理の詳細について説明する。図11は、本実施形態に係るテレビ会議専用端末のログインから宛先リスト表示までの一例のシーケンス図である。
ユーザ(利用者)が、電源スイッチをONにすると、図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする(ステップS1401)。すると、ログイン要求部13は、上記電源ONの受け付けを契機とし、送受信部11から通信ネットワーク2を介してテレビ会議管理システム501に、ログイン要求を示すログイン要求情報を自動的に送信する(ステップS1402)。なお、ログイン要求はユーザの指示入力に応じて送信してもよい。このログイン要求情報には、要求元としての自端末であるテレビ会議専用端末10aaを識別するための通信ID、及びパスワードが含まれている。なお、通信ID及びパスワードは、記憶・読出処理部18を介して不揮発性記憶部1000から読み出されてもよいし、ユーザから操作入力受付部12を介して入力されてもよい。また、外部記録媒体に記録されている通信ID及びパスワードを記憶・読出処理部18を介して読み出されてもよい。なお、テレビ会議専用端末10aaからテレビ会議管理システム501へログイン要求情報が送信されると、受信側であるテレビ会議管理システム501は、送信側であるテレビ会議専用端末10aaのIPアドレスを把握することができる。
次に、テレビ会議管理システム501の認証部52は、送受信部51を介してログイン要求情報を受信すると認証処理を行う(ステップS1403)。この認証処理について、図12を用いて説明する。図12は、本実施形態に係る認証処理の一例を示すフローチャートである。
まず、テレビ会議管理システム501の認証部52は、ログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードの組について、共通情報管理装置60の認証管理DB6002に同一の通信ID及びパスワードの組が管理されているか否かを判定する(ステップS1501)。これは、テレビ会議管理システム501が共通情報管理装置60の認証管理DB6002から認証管理テーブルを取得して、同一の通信ID及びパスワードの組が管理されているか否かを判定する。なお、共通情報管理装置60において同一の通信ID及びパスワードの組が管理されているか否かを判定し、テレビ会議管理システム501の認証部52が判定結果を取得するようにしてもよい。ログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードの組と同一の通信ID及びパスワードの組が、認証管理DB6002に含まれていると判定された場合には、ステップS1506へ進み、ログイン成功を示す認証結果を生成する。なお、ログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードの組と同一の通信ID及びパスワードの組が、認証管理DB6002に含まれていない場合は、ステップS1507に進み、ログイン失敗を示す認証結果を生成する。
以上のように、テレビ会議専用端末10aaからログイン要求情報を受信したテレビ会議管理システム501は、このログイン要求情報に含まれる通信ID及びパスワードに基づき、ログイン成功を示す認証結果を生成する。
図11の説明に戻る。テレビ会議管理システム501の送受信部51は、上記のステップS1403の認証処理において生成された認証結果をテレビ会議専用端末10aaに送信する(ステップS1404)。テレビ会議管理システム501は、ログイン成功を示す認証結果をテレビ会議専用端末10aaに送信したものとして説明を続ける。なお、テレビ会議専用端末10aaは、テレビ会議管理システム501からログイン失敗を示す認証情報を受信した場合、ログインが失敗したことを示す画面をテレビ会議専用端末10aaのディスプレイ120aaに表示させ、処理を終了させる。
続いて、テレビ会議専用端末10aaの送受信部11は、ログイン成功を示す認証結果をテレビ会議管理システム501から受け取ると、宛先リスト情報を要求すると共に、テレビ会議専用端末10aaのプレゼンスを通知する(ステップS1405)。ここで通知するテレビ会議専用端末10aaのプレゼンスは、「オンライン(online、通信可能)」「会議中(meeting)」「オフライン(offline、通信不可)」等である。
その後、テレビ会議管理システム501の状態管理部53は、共通情報管理装置60の状態情報管理DB6005おける要求元端末(テレビ会議専用端末10aa)のプレゼンスを「オンライン(通信可能)」にする(ステップS1406)。
テレビ会議管理システム501の状態通知・取得・転送部55は、共通情報管理装置60の状態情報管理DB6005から端末10ab(通信ID「01ab」)等のプレゼンスを取得する(ステップS1411)。
そして、テレビ会議管理システム501の送受信部51は、要求元端末(テレビ会議専用端末10aa)に対して、この要求元端末の宛先リストの情報(宛先端末の候補の通信IDおよびプレゼンスなど)を送信する(ステップS1412)。ここでは、要求元端末であるテレビ会議専用端末10aaの宛先リストの情報と、この宛先リストに含まれる宛先端末の候補であるテレビ会議専用端末10ab等のプレゼンスとをテレビ会議専用端末10aaに送信する。
テレビ会議専用端末10aaの宛先リスト作成部17は、テレビ会議管理システム501から宛先リストの情報と、宛先端末の候補のプレゼンスとを受け取ると、宛先リストを作成し、ディスプレイ120aaに表示させる(ステップS1413)。
図13及び図14はプレゼンスの表示を伴う宛先リストの画面例を示す図である。図13では、自己の通信端末はテレビ会議サービスだけを用いており、他のサービスと連携していない場合であり、宛先リストの各通信端末のプレゼンスとして「会議中」「オフライン」「オンライン」といった情報が表示されるのみである。
図14では、自己の端末装置がテレビ会議サービスとテキストチャットサービスを用いていて両サービスが連携している場合であり、通常のプレゼンスに加え、統合プレゼンスに基づく通信可能サービスが表示されている。すなわち、通信ID「02ab」の携帯端末はテキストチャットサービスが使用できることを示しており、通信ID「02ac」の携帯端末はテレビ会議サービスとテキストチャットサービスが使用できることを示しており、通信ID「10ac」の会議端末はテレビ会議サービスが使用できることを示している。
次に、図15を用いて、ユーザが携帯端末20aaを操作して、この携帯端末20aaとの宛先端末の候補のリストである宛先リストを表示させる処理の詳細について説明する。図15は、本実施形態に係る携帯端末のログインから宛先リスト表示までの一例のシーケンス図である。
ユーザ(利用者)が、携帯端末20の入力装置202を介して、ログイン操作を行う(ステップS1801)。すると、携帯端末20の操作入力受付部12は、このログイン操作を受け付けて、ログイン要求情報をテキストチャット管理システム502に送信する(ステップS1802)。このログイン要求情報には、要求元としての自端末である携帯端末20aaを識別するための通信ID、及びパスワードが含まれている。なお、通信ID及びパスワードは、ログイン操作の際に、ユーザから操作入力受付部12を介して入力される。なお、携帯端末20aaからテキストチャット会議管理システム502へログイン要求情報が送信されると、受信側であるテキストチャット管理システム502は、送信側である携帯端末20aaのIPアドレスを把握することができる。
次に、テキストチャット管理システム502の認証部52は、送受信部51を介してログイン要求情報を受信すると認証処理を行う(ステップS1803)。この認証処理について、テレビ会議専用端末10abの認証処理と同様の図12を用いて説明する。図12は、本実施形態に係る認証処理の一例を示すフローチャートである。
まず、テキストチャット管理システム502の認証部52は、ログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードの組について、共通情報管理装置60の認証管理DB6002に同一の通信ID及びパスワードの組が管理されているか否かを判定する(ステップS1501)。これは、テキストチャット管理システム502が共通情報管理装置60の認証管理DB6002から認証管理テーブルを取得して、同一の通信ID及びパスワードの組が管理されているか否かを判定する。なお、共通情報管理装置60において同一の通信ID及びパスワードの組が管理されているか否かを判定し、テキストチャット管理システム502の認証部52が判定結果を取得するようにしてもよい。ログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードの組と同一の通信ID及びパスワードの組が、認証管理DB6002に含まれていると判定された場合には、ステップS1506へ進み、ログイン成功を示す認証結果を生成する。なお、ログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードの組と同一の通信ID及びパスワードの組が、認証管理DB6002に含まれていない場合は、ステップS1507に進み、ログイン失敗を示す認証結果を生成する。
以上により、携帯端末20aaからログイン要求情報を受信したテキストチャット管理システム502は、このログイン要求情報に含まれる通信ID及びパスワードに基づき、ログイン成功を示す認証結果を生成する。
図15の説明に戻る。テキストチャット管理システム502の送受信部51は、上記のステップS1803の認証処理において生成された認証結果を携帯端末20aaに送信する(ステップS1804)。テキストチャット管理システム502は、ログイン成功を示す認証結果を携帯端末20aaに送信したものとして説明を続ける。なお、携帯端末20aaは、テキストチャット管理システム502からログイン失敗を示す認証情報を受信した場合、ログインが失敗したことを示す画面を携帯端末20aaの表示装置203に表示させ、処理を終了させる。
続いて、携帯端末20aaの送受信部11は、ログイン成功を示す認証結果をテキストチャット管理システム502から受け取ると、宛先リスト要求を要求すると共に、携帯端末20aaのプレゼンスを通知する(ステップS1805)。ここで通知する携帯端末20aaのプレゼンスは、「オンライン(online、通信可能)」「テキストチャット中(chat)」「オフライン(offline、通信不可)」等である。
その後、テキストチャット管理システム502の状態管理部53は、共通情報管理装置60の状態情報管理DB6005おける要求元端末(携帯端末20aa)のプレゼンスを「オンライン(通信可能)」にする(ステップS1806)。
テキストチャット管理システム502の状態通知・取得・転送部55は、共通情報管理装置60の状態情報管理DB6005から端末20ab(通信ID「02ab」)等のプレゼンスを取得する(ステップS1811)。
そして、テキストチャット管理システム502の送受信部51は、要求元端末(携帯端末20aa)に対して、この要求元端末の宛先リストの情報(宛先端末の候補の通信IDおよびプレゼンスなど)を送信する(ステップS1812)。ここでは、要求元端末である携帯端末20aaの宛先リストの情報と、この宛先リストに含まれる宛先端末の候補である携帯端末20ab等のプレゼンスとを携帯端末20aaに送信する。
携帯端末20aaの宛先リスト作成部17は、テキストチャット管理システム502から宛先リストの情報と、宛先端末の候補のプレゼンスとを受け取ると、宛先リストを作成し、表示装置203に表示させる(ステップS1813)。
<<状態情報処理部の処理例>>
各サービス毎に設けられた伝送管理システム50の状態通知・取得・転送部55は、伝送端末10、20から受信したプレゼンス情報(状態情報)を共通情報管理装置60に転送するとともに、共通情報管理装置60から提供されたプレゼンス情報を用いて伝送端末10、20に表示する宛先リストのプレゼンスを表示・更新する。
状態情報処理部63は、各サービス毎に設けられた伝送管理システム50が伝送端末10、20の宛先リストを表示・更新するタイミング及び伝送端末10、20からプレゼンス情報の変更が通知されたタイミングにおいて、最新のプレゼンス情報を生成し、各サービスの伝送管理システム50に提供する。
図16は共通情報管理装置60の状態情報処理部63の処理例を示すフローチャートであり、各サービス毎に設けられた伝送管理システム50の状態通知・取得・転送部55から転送されてきたユーザのプレゼンス情報を受信してから、統合プレゼンス情報を各サービスの伝送管理システム50に送信するまでの処理を示している。
図16において、状態情報処理部63は、受信したサービスのプレゼンス情報に基づいてプレゼンス情報テーブル(図10(a))を更新する(ステップS11)。
次いで、状態情報処理部63は、該当するユーザ(ユーザID)につき、プレゼンス情報テーブル(図10(a))から連携する各サービスのプレゼンス情報を取得する(ステップS12)。
次いで、状態情報処理部63は、連携する全サービスのプレゼンス情報(図10の例では、テキストチャットサービスとテレビ会議サービス)について応答可否(ステータス)を取得したか否か判断する(ステップS13)。
全サービスのプレゼンス情報について応答可否(ステータス)を取得していない場合(ステップS13のNO)、状態情報処理部63は、プレゼンス/ステータス対応テーブル(図10(b)(c))から、該当するユーザのプレゼンス情報のサービスnの対応可否(ステータス)を取得し(ステップS14)、nをインクリメントして全取得の判断(ステップS13)に戻る。
全サービスのプレゼンス情報について応答可否(ステータス)を取得した場合(ステップS13のYES)、状態情報処理部63は、統合ルールテーブル(図10(d))から全サービスの応答可否(ステータス)の組み合わせによる統合プレゼンス情報(共通ステータス)を取得する(ステップS15)。
次いで、状態情報処理部63は、取得した統合プレゼンス情報(共通ステータス)に基づいてプレゼンス情報テーブル(図10(a))を更新し、各サービスに送信する(ステップS16)。
図17はクライアントからプレゼンス情報の更新があった場合の処理例を示すシーケンス図であり、テレビ会議管理システム501によるテレビ会議サービスとテキストチャット管理システム502によるテキストチャットサービスが存在するものとし、伝送端末(通信端末)をクライアントA〜Cとして示している。なお、クライアントAは図10におけるユーザID(通信ID)が「01ab」の端末に対応するものとしている。
図17において、クライアントAがテキストチャット管理システム502にプレゼンスが例えば「chat」に変更されたことを通知すると(ステップS101)、テキストチャット管理システム502は、クライアントAと宛先登録されているクライアントBに対し、クライアントAのプレゼンスが「chat」に変更されたことを通知する(ステップS102)。
また、テキストチャット管理システム502は、状態通知・取得・転送部55により、共通情報管理装置60に対して、クライアントAのプレゼンスが「chat」に変更されたことを通知(転送)する(ステップS103)。
共通情報管理装置60の状態情報処理部63は、クライアントAのテキストチャットサービスのプレゼンスが「chat」に変更されたことについて、状態情報管理DB6005のプレゼンス情報テーブル(図10(a))を更新する(ステップS104、S105)(図16のステップS11に対応)。
次いで、状態情報処理部63は、クライアントAについて全てのサービスのプレゼンスを状態情報管理DB6005のプレゼンス情報テーブル(図10(a))から取得する(ステップS106、S107)(図16のステップS12に対応)。ここでは、テキストチャットサービスについて「chat」、テレビ会議サービスについて「meeting」を取得したものとする。
次いで、状態情報処理部63は、テキストチャットサービスのプレゼンス「chat」、テレビ会議サービスのプレゼンス「meeting」に対応する応答可否(ステータス)を、状態情報管理DB6005のプレゼンス/ステータス対応テーブル(図10(b)(c))から取得する(ステップS108、S109)(図16のステップS13、S14に対応)。ここでは、テキストチャットサービスについて「unavailable」、テレビ会議サービスについて「unavailable」を取得する。
次いで、状態情報処理部63は、テキストチャットサービスのステータス「unavailable」、テレビ会議サービスのステータス「unavailable」に対応する統合プレゼンス(共通ステータス)を、状態情報管理DB6005の統合ルールテーブル(図10(d))から取得する(ステップS110、S111)(図16のステップS15に対応)。ここでは、統合プレゼンス「unavailable」を取得する。
次いで、状態情報処理部63は、クライアントAの統合プレゼンスが「unavailable」に変更されたことについて、状態情報管理DB6005のプレゼンス情報テーブル(図10(a))を更新し(ステップS112、S113)、テレビ会議管理システム501にクライアントAの統合プレゼンス「unavailable」を通知する(ステップS114)(図16のステップS16に対応)。
これを受け、テレビ会議管理システム501は、クライアントB、CにクライアントAの統合プレゼンス「unavailable」を通知する(ステップS115、S116)。
<<状態情報処理部の他の処理例>>
上述した図16及び図17の処理は、図10(a)に示したプレゼンス情報テーブルに基づいており、複数のサービスで共通のユーザID(通信ID)が存在することを前提にしている。しかし、実際には、各サービスにおいて異なるアカウント(ユーザ識別情報)が用いられている場合もあり、その場合にはそのまま適用できない。そこで、ここでは、各サービスにおいて異なるアカウントが用いられている場合への対応について説明する。
図18は状態情報管理DB6005に保持される各種テーブルの例を示す図である。プレゼンス情報テーブルとプレゼンス/ステータス対応テーブルと統合ルールテーブルが含まれている点は図10と同様であるが、プレゼンス情報テーブルに変更が加えられている。プレゼンス/ステータス対応テーブルと統合ルールテーブルは図10と同様である。
図18(a)において、プレゼンス情報テーブルは、「ID」「チャットアカウント(Chat Account)」「チャットプレゼンス(Chat Presence)」「会議アカウント(Conference Account)」「会議プレゼンス(Conference Presence)」の項目を有している。「ID」は、管理上のユニークな識別情報である。「チャットアカウント(Chat Account)」は、テキストチャットサービスでの当該ユーザのアカウントである。「会議アカウント(Conference Account)」は、テレビ会議サービスでの当該ユーザのアカウントである。連携するサービスが増える場合、そのサービスのアカウントとステータスが追加される。なお、ここでのチャットアカウントと会議アカウントは、通信IDとみなせるものである。
図19は共通情報管理装置60の状態情報処理部63の他の処理例を示すフローチャートであり、各サービス毎に設けられた伝送管理システム50の状態通知・取得・転送部55から転送されてきたユーザのプレゼンス情報を受信してから、統合プレゼンス情報を各サービス毎に設けられた伝送管理システム50に送信するまでの処理を示している。
図19において、状態情報処理部63は、受信したサービスのプレゼンス情報に基づいてプレゼンス情報テーブル(図18(a))を更新し、ユーザ識別情報(アカウント)から対応するIDを取得する(ステップS21)。
次いで、状態情報処理部63は、取得したIDに基づき、プレゼンス情報テーブル(図18(a))から連携する各サービスのプレゼンス情報を取得する(ステップS22)。
次いで、状態情報処理部63は、連携する全サービスのプレゼンス情報(図18の例では、テキストチャットサービスとテレビ会議サービス)について応答可否(ステータス)を取得したか否か判断する(ステップS23)。
全サービスのプレゼンス情報について応答可否(ステータス)を取得していない場合(ステップS23のNO)、状態情報処理部63は、プレゼンス/ステータス対応テーブル(図18(b)(c))から、該当するユーザのプレゼンス情報のサービスnの対応可否(ステータス)を取得し(ステップS24)、nをインクリメントして全取得の判断(ステップS23)に戻る。
全サービスのプレゼンス情報について応答可否(ステータス)を取得した場合(ステップS23のYES)、状態情報処理部63は、統合ルールテーブル(図18(d))から全サービスの応答可否(ステータス)の組み合わせによる統合プレゼンス情報(共通ステータス)を取得する(ステップS25)。
次いで、状態情報処理部63は、取得した統合プレゼンス情報(共通ステータス)に基づいてプレゼンス情報テーブル(図18(a))を更新し、各サービスに送信する(ステップS26)。なお、プレゼンス情報テーブルの更新に際し、通知先の他のサービスのユーザ識別情報(アカウント)を取得し、各サービスへの送信に際して指定する。
図20はクライアントからプレゼンス情報の更新があった場合の処理例を示すシーケンス図であり、テレビ会議管理システム501によるテレビ会議サービスとテキストチャット管理システム502によるテキストチャットサービスが存在するものとし、伝送端末(通信端末)をクライアントA〜Cとして示している。なお、クライアントAは図18におけるユーザID(通信ID)が「01ab」の端末に対応するものとしている。
図20において、クライアントAがテキストチャット管理システム502にプレゼンスが例えば「chat」に変更されたことをテキストチャットサービスでのアカウント「a@example.com」を伴って通知すると(ステップS201)、テキストチャット管理システム502は、クライアントAと宛先登録されているクライアントBに対し、アカウント「a@example.com」のクライアントAのプレゼンスが「chat」に変更されたことを通知する(ステップS202)。
また、テキストチャット管理システム502は、状態通知・取得・転送部55により、共通情報管理装置60に対して、アカウント「a@example.com」のクライアントAのプレゼンスが「chat」に変更されたことを通知(転送)する(ステップS203)。
共通情報管理装置60の状態情報処理部63は、アカウント「a@example.com」のクライアントAのテキストチャットサービスのプレゼンスが「chat」に変更されたことについて、状態情報管理DB6005のプレゼンス情報テーブル(図18(a))を更新し、アカウント「a@example.com」に対応するID「1」を取得する(ステップS204、S205)(図19のステップS21に対応)。
次いで、状態情報処理部63は、ID「1」のクライアントAについて全てのサービスのプレゼンスを状態情報管理DB6005のプレゼンス情報テーブル(図18(a))から取得する(ステップS206、S207)(図19のステップS22に対応)。ここでは、テキストチャットサービスについて「chat」、テレビ会議サービスについて「meeting」を取得したものとする。
次いで、状態情報処理部63は、テキストチャットサービスのプレゼンス「chat」、テレビ会議サービスのプレゼンス「meeting」に対応する応答可否(ステータス)を、状態情報管理DB6005のプレゼンス/ステータス対応テーブル(図18(b)(c))から取得する(ステップS208、S209)(図19のステップS23、S24に対応)。ここでは、テキストチャットサービスについて「unavailable」、テレビ会議サービスについて「unavailable」を取得する。
次いで、状態情報処理部63は、テキストチャットサービスのステータス「unavailable」、テレビ会議サービスのステータス「unavailable」に対応する統合プレゼンス(共通ステータス)を、状態情報管理DB6005の統合ルールテーブル(図18(d))から取得する(ステップS210、S211)(図19のステップS25に対応)。ここでは、統合プレゼンス「unavailable」を取得する。
次いで、状態情報処理部63は、ID「1」のクライアントAの統合プレゼンスが「unavailable」に変更されたことについて、状態情報管理DB6005のプレゼンス情報テーブル(図18(a))を更新してテレビ会議サービスのアカウント「0001」を取得し(ステップS212、S213)、テレビ会議管理システム501にアカウント「0001」のクライアントAの統合プレゼンス「unavailable」を通知する(ステップS214)(図19のステップS26に対応)。
これを受け、テレビ会議管理システム501は、クライアントB、CにクライアントAの統合プレゼンス「unavailable」を通知する(ステップS215、S216)。
なお、テレビ会議サービスとテキストチャットサービスの連携について説明したが、その他のプレゼンス情報を利用する様々なサービス、例えば、ビデオチャットサービス、SNSなどでのインスタントメッセージングサービス、通話サービス、その他のテキストチャットサービス等と連携できることは言うまでもない。
<<状態情報処理部の更に他の処理例>>
上述した図10、図16〜図20に示した処理例は、宛先リストに表示される全ての端末について、システム的に連携している複数のサービスにおけるプレゼンスを取得し、統合プレゼンスとして通信可能サービスを表示するものであった。しかし、ある端末(対象端末)に表示される宛先リストに表示される他の端末の中には、対象端末との間で相互に宛先として登録されていないサービスが存在する場合があり、そのようなサービスについてもプレゼンスを表示してしまうことは、セキュリティ的・プライバシー的に問題がある。一般に、この種のサービスでは、相互に承認が得られた場合にのみ宛先の登録が行えるものとしており、相互に登録を行っている端末どうしでプレゼンスが共有されるものであるが、その範囲を超えてプレゼンスが提供されてしまうことになる。そこで、本処理例では、サービス毎の宛先情報に基づき、提供する統合プレゼンスに制限を加えるようにしている。
状態情報管理DB6005に保持されるデータは図10または図18に示したものと同様になる。その他に、処理の過程で一時的に生成されて使用されるデータとして、統合宛先リストがある。図21は統合宛先リストの例を示す図であり、図21(a)は、サービスに共通の通信IDが存在する図10の場合に対応したものであり、図21(b)は、サービスに共通の通信IDが存在しない図18に対応したものである。
図21(a)において、統合宛先リストは、テキストチャット管理システム502とテレビ会議管理システム501のそれぞれの宛先リスト管理DB5003から、統合プレゼンス情報の提供対象となる端末の通信IDに基づいて取得した宛先情報(通信ID)をマージしたものである。図示の例では、通信ID「01aa」を統合プレゼンス情報の提供対象となる端末として、通信ID「01ab」「02ab」「10ac」についてはテキストチャットサービスとテレビ会議サービスの両方に宛先が登録されているが、通信ID「02ac」についてはテレビ会議サービスにのみ宛先の登録がなされていることを示している。
図21(b)において、統合宛先リストは、テキストチャット管理システム502とテレビ会議管理システム501のそれぞれの宛先リスト管理DB5003から、統合プレゼンス情報の提供対象となる端末の通信IDに基づいて取得した宛先情報(チャットアカウント、会議アカウント)を、両サービスのアカウントを端末毎に対応付けるID(識別情報)に基づいてマージしたものである。図示の例では、ID「1」を統合プレゼンス情報の提供対象となる端末として、チャットアカウント「b@example.com」「c@example.com」「e@example.com」に対応する端末についてはテキストチャットサービスとテレビ会議サービスの両方に宛先が登録されているが、会議アカウント「0004」に対応する端末についてはテレビ会議サービスにのみ宛先の登録がなされていることを示している。
図22は共通情報管理装置60の状態情報処理部63の処理例を示すフローチャートであり、各サービス毎に設けられた伝送管理システム50の状態通知・取得・転送部55から転送されてきたユーザのプレゼンス情報を受信してから、統合プレゼンス情報を各サービスの伝送管理システム50に送信するまでの処理を示している。なお、サービスに共通の通信IDが存在する場合について、図21(a)の統合宛先リストを用いて説明するが、サービスに共通の通信IDが存在しない場合についても、各サービスのアカウントをいったん共通のIDに変換することで、同様に適用することができる。
図22において、状態情報処理部63は、送受信部61を介して例えばクライアントA(通信ID「01ab」)からテキストチャットサービスにおけるプレゼンス情報の更新通知を受ける(ステップS31)。
状態情報処理部63は、受信したテキストチャットサービスのプレゼンス情報を状態情報管理DB6005のプレゼンス情報テーブル(図10)に反映する(ステップS32)。
状態情報処理部63は、更新されたプレゼンス情報をもとに状態情報管理DB6005のプレゼンス情報テーブルの共通ステータス(統合プレゼンス情報)を更新する(ステップS33)。
状態情報処理部63は、クライアントAが利用する全てのサービスの伝送管理システム50から宛先情報を取得したか否か判断する(ステップS34)。ここで、クライアントAが利用する全てのサービスとは、プレゼンス情報テーブルでクライアントAについてのプレゼンスが存在するサービスを指す。サービスに共通の通信IDが存在しない場合においては、そのクライアントAのアカウントが存在するサービスを指す。
状態情報処理部63は、クライアントAが利用する全てのサービスの伝送管理システム50から宛先情報を取得していないと判断した場合(ステップS34のNo)、当該のサービスの伝送管理システム50からクライアントAの宛先情報を取得する(ステップS35)。
状態情報処理部63は、取得した宛先情報をプレゼンス情報テーブルにおいて各クライアントの全サービスについて照会し、存在に矛盾がない場合、サービスとの対応関係を保持しつつクライアントAの全サービスの統合宛先リスト(図21)に追加し(ステップS36)、宛先情報の取得の判断(ステップS34)に戻る。
状態情報処理部63は、クライアントAが利用する全てのサービスの伝送管理システム50から宛先情報を取得したと判断した場合(ステップS34のYes)、統合宛先リストの全通信IDに対してプレゼンス情報テーブルの共通ステータス(統合プレゼンス情報)を送信したか否か判定する(ステップS37)。
状態情報処理部63は、未送信のクライアントがあると判断した場合(ステップS37のNo)、クライアントAの統合プレゼンス情報のうち、統合宛先リストで宛先の相手が利用しているサービスに絞った統合プレゼンス情報を生成する(ステップS38)。
状態情報処理部63は、生成した統合プレゼンス情報を統合宛先リストのクライアントの各サービスに送信し(ステップS39)、統合プレゼンス情報の送信の判断(ステップS37)に戻る。状態情報処理部63は、全てのクライアントに送信したと判断した場合(ステップS37のYes)、処理を終了する。
図23はクライアントからプレゼンス情報の更新があった場合の処理例を示すシーケンス図であり、テレビ会議管理システム501によるテレビ会議サービスとテキストチャット管理システム502によるテキストチャットサービスが存在するものとし、伝送端末(通信端末)をクライアントA〜Cとして示している。
図23において、クライアントAがテキストチャット管理システム502にプレゼンスが例えば「online」に変更されたことを通知すると(ステップS301)、テキストチャット管理システム502は、クライアントAと宛先登録されているクライアントBに対し、クライアントAのプレゼンスが「online」に変更されたことを通知する(ステップS302)。
テキストチャット管理システム502は、状態通知・取得・転送部55により、共通情報管理装置60に対して、クライアントAのプレゼンスが「online」に変更されたことを通知(転送)する(ステップS303)。
共通情報管理装置60の状態情報処理部63は、クライアントAのテキストチャットサービスのプレゼンスが「online」に変更されたことについて、状態情報管理DB6005のプレゼンス情報テーブル(図10(a))に反映する(ステップS304、S305)(図22のステップS32に対応)。
共通情報管理装置60の状態情報処理部63は、更新されたプレゼンス情報をもとに状態情報管理DB6005のプレゼンス情報テーブルを更新し、クライアントAの統合プレゼンス情報を取得する(ステップS306、S307)(図22のステップS33に対応)。ここでは、クライアントAの統合プレゼンス情報として、テキストチャットサービスと会議サービスが可能であることを取得したとする。
共通情報管理装置60の状態情報処理部63は、テキストチャット管理システム502からクライアントAのテキストチャットサービスにおける宛先情報(Roster)を取得する(ステップS308、S309)(図22のステップS35に対応)。
共通情報管理装置60の状態情報処理部63は、取得した宛先情報を状態情報管理DB6005のプレゼンス情報テーブルと照会し(ステップS310、S311)、取得した宛先情報を照会した紐付け関係を保持しつつクライアントAの全サービスの統合宛先リスト(図21)に追加する(ステップS312)(図22のステップS36に対応)。
共通情報管理装置60の状態情報処理部63は、テレビ会議管理システム501からクライアントAの会議サービスにおける宛先情報(Roster)を取得する(ステップS313、S314)(図22のステップS35に対応)。
共通情報管理装置60の状態情報処理部63は、取得した宛先情報を状態情報管理DB6005のプレゼンス情報テーブルと照会し(ステップS315、S316)、取得した宛先情報を照会した紐付け関係を保持しつつクライアントAの全サービスの統合宛先リスト(図21)に追加する(ステップS317)(図22のステップS36に対応)。
共通情報管理装置60の状態情報処理部63は、クライアントAの統合プレゼンス情報のうち、統合宛先リストで宛先の相手が利用しているサービスに絞った統合プレゼンス情報を生成する(ステップS318)。例えば、クライアントBはクライアントAとテキストチャットサービスとテレビ会議サービスの両方で相互に宛先に登録されている場合、クライアントBに対してはクライアントAのテキストチャットサービスとテレビ会議サービスの両方のプレゼンスを含む統合プレゼンス情報を生成する。また、クライアントCはクライアントAとテレビ会議サービスのみで相互に宛先に登録されている場合、クライアントCに対してはクライアントAのテレビ会議サービスのプレゼンスのみを含む統合プレゼンス情報を生成する。
共通情報管理装置60の状態情報処理部63は、テレビ会議管理システム501に対し、統合宛先リストからクライアントBへ、生成したクライアントAの統合プレゼンス情報を送信する(ステップS319)。
これを受け、テレビ会議管理システム501は、クライアントBにクライアントAの統合プレゼンス情報を送信する(ステップS320)。
また、共通情報管理装置60の状態情報処理部63は、テレビ会議管理システム501に対し、統合宛先リストからクライアントCへ、生成したクライアントAの統合プレゼンス情報を送信する(ステップS321)。
これを受け、テレビ会議管理システム501は、クライアントCにクライアントAの統合プレゼンス情報を送信する(ステップS322)。
共通情報管理装置60の状態情報処理部63は、テキストチャット管理システム502に対し、統合宛先リストからクライアントBへ、生成したクライアントAの統合プレゼンス情報を送信する(ステップS323)。
これを受け、テキストチャット管理システム502は、クライアントBにクライアントAの統合プレゼンス情報を送信する(ステップS324)。
<<宛先端末の選択からセッション確立>>
次に、要求元端末と宛先端末との間でテレビ会議又はテキストチャットを行うために接続を開始する処理について説明する。本実施形態では、一例として、要求元端末として携帯端末20aaが表示装置203に表示された宛先リスト表示画面4000の宛先リスト4100から通信ID「01ab」のテレビ会議専用端末10abを選択してテレビ会議を行うための接続を開始する場合について説明する。なお、ここでは、図14に示したような宛先リストの「通信可能サービス」の欄から、表示されているアイコン(「TV会議」「チャット」等のアイコン)をクリックして宛先端末およびサービスを選択した場合を想定している。
図24は、本実施形態に係る複数の端末の間で接続を開始する処理の一例のシーケンス図である。
まず、ユーザが携帯端末20aaの入力装置202から宛先リスト4100の通信ID「01ab」の宛先端末を選択すると、操作入力受付部12は、接続を開始する要求を受け付ける(ステップS2102)。そして、携帯端末20aaの送受信部11は、要求元端末(携帯端末20aa)の通信ID「02aa」と、宛先端末(テレビ会議専用端末10ab)の通信ID「01ab」とが含まれ、接続を開始したい旨を示す開始要求情報をテキストチャット管理システム502に送信する(ステップS2102)。これにより、テキストチャット管理システム502は要求元端末(携帯端末20aa)のIPアドレス「1.4.1.1」を把握する。ここで、テキストチャット管理システム502は、共通情報管理装置60の状態情報管理DB6005で管理されている要求元端末及び宛先端末のプレゼンスを、例えば「オンライン(通話中)」に更新してもよい。
なお、上記のステップS2101において、携帯端末20aaの宛先リスト4100から例えば通信ID「02aa」の宛先端末を選択する場合、この宛先端末といずれのサービス(テレビ会議又はテキストチャット)を用いて接続するのかも併せて選択してもよい。また、上記のステップS2102において、開始要求情報には、要求元端末と宛先端末との間で利用するサービスのサービス名を含めてもよい。
なお、要求元端末としてテレビ会議専用端末10を用いる場合、テレビ会議専用端末10の送受信部11は、上記のステップS2102の開始要求情報をテレビ会議管理システム501に送信する。このように、要求元端末は、自身の呼制御を管理する伝送管理システム50に対して開始要求情報を送信する。
次に、テキストチャット管理システム502のセッション管理部56は、セッションIDを生成する(ステップS2103)。ここでは、セッションIDとして「se1」が生成されたものとする。そして、この生成したセッションID「se1」と、要求元端末(携帯端末20aa)の通信ID「02aa」と、宛先端末(テレビ会議専用端末10ab)の通信ID「01ab」とをセッション管理DB5002に関連付けて記憶して管理する(ステップS2104)。さらに、テキストチャット管理システム502のセッション管理部56は、中継装置管理DB5001から稼働状態が「オンライン」の中継装置30のうち、要求元端末(携帯端末20aa)と宛先端末(テレビ会議専用端末10ab)とが通信するのに適切な中継装置30を決定し(ここでは中継装置30aが決定されたものとする)、この中継装置30aとステップS2103で生成したセッションID「se1」とをセッション管理DB5002に関連付けて記憶して管理する(ステップS2105)。なお、上記において中継装置30を決定するための方法は、例えば要求元端末(携帯端末20aa)と宛先端末(テレビ会議専用端末10ab)とが通信するに際し、通信帯域が最も広いネットワーク上にある中継装置30を選択する等の方法が考えられる。
なお、例えば、要求元端末と宛先端末とがテキストチャットサービスのみを行うような場合は、要求元端末と宛先端末との間で送受信されるコンテンツデータはテキストデータである。したがって、上記のステップS2105において、中継装置30を選択せずに、要求元端末及び宛先端末間で直接セッションを確立してもよいし、又はテキストチャット管理システム502を介したセッションを確立してもよい。
そして、テキストチャット管理システム502の送受信部51は、ステップS2103で生成したセッションID「se1」と、ステップS2105で決定した中継装置30aのIPアドレス「1.2.1.2」とを要求元端末(携帯端末20aa)及び宛先端末(テレビ会議専用端末10ab)に送信する(ステップS2106及びS2107)。また、テキストチャット管理システム502の送受信部51は、要求元端末(携帯端末20aa)のIPアドレスと宛先端末(テレビ会議専用端末10ab)のIPアドレスとを中継装置30aに送信する(ステップS2108)。なお、中継装置30aのIPアドレスは、中継装置管理DB5001から記憶・読出処理部58を介して取得することができる。これにより、要求元端末(携帯端末20aa)と宛先端末(テレビ会議専用端末10ab)との間でセッションが確立される(ステップS2109)。
以降は、上記のステップS2109で確立したセッションを用いて、要求元端末(携帯端末20aa)と宛先端末(テレビ会議専用端末10ab)との間で、中継装置30aを介して、コンテンツデータが送受信される。
なお、テキストチャットサービスとテレビ会議サービスで共通の通信IDを利用しているという前提(例えば、図10に示す場合)で説明したが、テキストチャットサービスとテレビ会議サービスで通信IDが共通しない場合(例えば、図18に示す場合)であっても、宛先リストの「通信可能サービス」の欄のアイコンをクリックして通信を開始することができる。この場合、テキストチャットサービスの通信IDとテレビ会議サービスの通信IDの対応付けを共通情報管理装置60に問い合わせ、宛先端末の該当するサービスにおける通信IDを取得し、その通信IDを用いて開始要求を行うことで実現することができる。
<総括>
以上説明したように、本実施形態によれば、通信相手の状態を分かりやすく表示することができ、操作性を高めることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細及び添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
<実施形態の用語と請求項の用語の対応>
「共通情報管理装置60」は「状態情報管理装置」の一例である。「送受信部61」は「受信手段」の一例である。「状態情報処理部63」は「取得手段」の一例である。「送受信部61」は「送信手段」の一例である。