JP2016171322A - 熱電変換素子用組成物、熱電変換素子用成形体、熱電変換素子、熱電変換モジュール、熱電変換素子用組成物の製造方法、および熱電変換素子用成形体の製造方法 - Google Patents

熱電変換素子用組成物、熱電変換素子用成形体、熱電変換素子、熱電変換モジュール、熱電変換素子用組成物の製造方法、および熱電変換素子用成形体の製造方法 Download PDF

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直樹 戸嶋
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幸英 白石
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Keisuke Oshima
啓佑 大島
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Abstract

【課題】熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させうる熱電変換素子用組成物および熱電変換素子用成形体を提供する。【解決手段】本発明の熱電変換素子用組成物は、カーボンナノチューブ、樹脂成分、ヒドラジン化合物および溶媒を含むことを特徴とする。また、本発明の熱電変換素子用成形体は、カーボンナノチューブおよび樹脂成分を含み、70℃における無次元熱電性能指数が0.02以上であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、熱電変換素子用組成物、熱電変換素子用成形体、熱電変換素子、熱電変換モジュール、熱電変換素子用組成物の製造方法、および熱電変換素子用成形体の製造方法に関するものである。
近年、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換できる熱電変換素子が注目されている。そして、熱電変換素子に用いられる半導体として、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称することがある。)が注目されており、多くの検討がなされている。
具体的には、ポリエチレンイミン(PEI)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、またはホスフィン含有芳香族化合物を用いた特定の処理を施すことで、本来p型半導体に分類されるCNTをn型半導体として機能させ、熱電変換素子の熱電変換層に採用する技術が提案されている。(例えば非特許文献1〜2参照。)
Choongho Yu et al. Energy & Environmental Science,vol.5, 9481-9486頁, 2012 Yoshiuki Nonoguchi et al. Scientific Reports, vol.3, 3344/1-7頁
ここで、電荷を運ぶキャリアとして電子を採用するn型半導体は、一般に空気中で酸化され易く不安定であり、n型半導体を備える熱電変換素子は、その性能を長期間保持することが困難であった。
そして、CNTをn型半導体として用いた上記従来の技術においても、このような問題は十分には解決されていなかった。すなわち上記従来の技術には、CNTをn型半導体として用いた熱電変換素子について、空気中での安定性を高め、優れた熱電変換特性を長期間に亘り確保するという点において、改善の余地があった。
そこで、本発明は、熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させうる熱電変換素子用組成物、および当該組成物を製造する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させうる熱電変換素子用成形体、および当該成形体を製造する方法を提供することを目的とする。
そして、本発明は、熱電変換特性に優れる熱電変換素子および当該熱電変換素子を備える熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者らは、カーボンナノチューブ、樹脂成分、ヒドラジン化合物および溶媒を含む熱電変換素子用組成物を用いて熱電変換素子用成形体を作製し、当該成形体を熱電変換素子の熱電変換材料層として用いることで、熱電変換素子が長期に亘り優れた熱電変換特性を保持可能となることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の熱電変換素子用組成物は、カーボンナノチューブ、樹脂成分、ヒドラジン化合物および溶媒を含むことを特徴とする。このように、カーボンナノチューブ、樹脂成分、ヒドラジン化合物および溶媒を含む熱電変換素子用組成物を用いて得られる熱電変換素子用成形体を熱電変換素子の熱電変換材料層として使用すれば、熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させることができる。
ここで、本発明の熱電変換素子用組成物は、更に高分子遷移金属錯体を含むことが好ましい。熱電変換素子用組成物が高分子遷移金属錯体を含めば、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することができるからである。
そして、本発明の熱電変換素子用組成物において、前記カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブおよび二層カーボンナノチューブの少なくとも一方を含むことが好ましい。単層カーボンナノチューブおよび/または二層カーボンナノチューブを用いれば、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することができるからである。
更に、本発明の熱電変換素子用組成物は、前記カーボンナノチューブ100質量部当たり、前記樹脂成分を20質量部以上300質量部以下含むことが好ましい。樹脂成分の配合量が上述の範囲内であれば、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することができるからである。
加えて、本発明の熱電変換素子用組成物において、前記樹脂成分がポリ塩化ビニルを含むことが好ましい。樹脂成分としてポリ塩化ビニルを用いれば、CNTの分散性を高めつつ熱電変換素子用組成物から得られる熱電変換素子用成形体の成形性を向上させ、加えて熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することができるからである。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の熱電変換素子用成形体は、カーボンナノチューブおよび樹脂成分を含み、70℃における無次元熱電性能指数が0.02以上であることを特徴とする。このように、カーボンナノチューブおよび樹脂成分を含み、70℃における無次元熱電性能指数が0.02以上である熱電変換素子用成形体を熱電変換素子の熱電変換材料層として使用すれば、熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させることができる。
ここで、本発明の熱電変換素子用成形体は、更に高分子遷移金属錯体を含むことが好ましい。熱電変換素子用成形体が高分子遷移金属錯体を含めば、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することができるからである。
そして、本発明の熱電変換素子用成形体において、前記カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブおよび二層カーボンナノチューブの少なくとも一方を含むことが好ましい。単層カーボンナノチューブおよび/または二層カーボンナノチューブを用いれば、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することができるからである。
更に、本発明の熱電変換素子用成形体は、前記カーボンナノチューブ100質量部当たり、前記樹脂成分を20質量部以上300質量部以下含むことが好ましい。樹脂成分の配合量が上述の範囲内であれば、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することができるからである。
加えて、本発明の熱電変換素子用成形体において、前記樹脂成分がポリ塩化ビニルを含むことが好ましい。樹脂成分としてポリ塩化ビニルを用いれば、CNTの分散性を高めつつ熱電変換素子用組成物から得られる熱電変換素子用成形体の成形性を向上させ、加えて熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することができるからである。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の熱電変換素子は、上述した何れかの熱電変換素子用組成物を用いて形成される熱電変換材料層、又は、上述した何れかの熱電変換素子用成形体を含む熱電変換材料層を備えることを特徴とする。上述した何れかの熱電変換素子用組成物を用いて形成される熱電変換素子、および上述した何れかの熱電変換素子用成形体を備える熱電変換素子は、何れも優れた熱電変換特性を長期に亘り保持可能である。
そして、本発明の熱電変換モジュールは、上述した何れかの熱電変換素子を備えることを特徴とする。上述した何れかの熱電変換素子を備えてなる熱電変換モジュールを用いれば、高効率の発電が可能である。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の熱電変換素子用組成物の製造方法は、カーボンナノチューブ、樹脂成分、ヒドラジン化合物および溶媒を含む粗混合物を、キャビテーション効果または解砕効果が得られる分散処理により混合する工程を含むことを特徴とする。上述した混合工程を含む方法を用いて熱電変換素子用組成物を調製すれば、当該熱電変換素子用組成物を用いて形成される熱電変換材料層を備える熱電変換素子に、長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させることができる。
ここで、本発明の熱電変換素子用組成物の製造方法は、前記粗混合物を、キャビテーション効果または解砕効果が得られる分散処理により混合する工程に先んじて、前記カーボンナノチューブおよび前記ヒドラジン化合物を含む予混合物を調製する工程と、前記予混合物と前記樹脂成分を混合して、前記粗混合物を調製する工程と、を含むことが好ましい。上述の工程を経て得られる粗混合物を熱電変換素子用組成物の調製に用いれば、ヒドラジン化合物の量を低減した場合であっても、熱電変換材料層として用いられる熱電変換素子用成形体の導電性を十分に高め、熱電変換素子の熱電変換特性を更に向上させることができる。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の熱電変換素子用成形体の製造方法は、上述した何れかの熱電変換素子用組成物から前記溶媒を除去する工程を含むことを特徴とする。上述した何れかの熱電変換素子用組成物から溶媒を除去して得られる熱電変換素子用成形体を熱電変換材料層として用いれば、熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させることができる。
本発明によれば、熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させうる熱電変換素子用組成物、および当該組成物を製造する方法を提供することができる。
本発明によれば、熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させうる熱電変換素子用成形体、および当該成形体を製造する方法を提供することができる。
そして、本発明によれば、熱電変換特性に優れる熱電変換素子および当該熱電変換素子を備える熱電変換モジュールを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の熱電変換素子用組成物は、熱電変換素子の熱電変換材料層の形成に用いられる。また、本発明の熱電変換素子用成形体は、熱電変換素子の熱電変換材料層に適用することができる。そして、本発明の熱電変換素子は、本発明の熱電変換素子用組成物を用いて形成される熱電変換材料層、又は、本発明の熱電変換素子用成形体を含む熱電変換材料層を備える。なお、本発明の熱電変換素子用組成物は、本発明の熱電変換素子用組成物の製造方法を用いて製造することができ、本発明の熱電変換素子用成形体は、本発明の熱電変換素子用成形体の製造方法を用いて製造することができる。
(熱電変換素子用組成物)
本発明の熱電変換素子用組成物は、カーボンナノチューブ、樹脂成分、ヒドラジン化合物および溶媒を含むことを特徴とする。そして、本発明の熱電変換素子用組成物を用いて得られる熱電変換素子用成形体を熱電変換素子の熱電変換材料層として使用すれば、熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させることができる。
なお、本発明の熱電変換素子用組成物によって、上述のように熱電変換素子の優れた熱電変換特性を長期に亘り確保できる理由は定かではないが、ヒドラジン化合物の寄与によりn型半導体としての性質を帯びたCNTが、樹脂成分により高度に安定化するためと推察される。
<カーボンナノチューブ>
CNTは、単層カーボンナノチューブであっても、多層カーボンナノチューブであってもよいが、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持する観点からは、単層カーボンナノチューブおよび二層カーボンナノチューブの少なくとも一方を含むことが好ましく、単層カーボンナノチューブを含むことが好ましい。
ここで、CNTの平均直径は、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることがより好ましく、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。CNTの平均直径が0.5nm以上であれば、CNTの凝集を抑制し、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することができる。また、CNTの平均直径が15nm以下であれば、熱電変換素子用組成物から形成される熱電変換素子用成形体の機械的特性を十分に向上させることができる。
なお、CNTの平均直径は、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の直径を測定して求めることができる。
また、CNTの平均長さは、0.1μm以上であることが好ましく、1cm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。CNTの平均長さが上述の範囲内であれば、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することができる。
なお、CNTの平均長さは、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の長さを測定して求めることができる。
そして、CNTのBET比表面積としては、600m2/g以上であることが好ましく、800m2/g以上であることがより好ましく、2600m2/g以下であることが好ましく、1200m2/g以下であることがより好ましい。CNTのBET比表面積が上述の範囲内であれば、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することができる。
なお、CNTの「BET比表面積」とは、77Kにおける窒素吸着等温線を測定し、BET法により求めることができる。ここで、BET比表面積の測定には、例えば、「BELSORP(登録商標)−max」(日本ベル(株)製)を用いることができる。
本発明で用いられるCNTの製造方法としては、特に限定されることなく、二酸化炭素の接触水素還元による方法、アーク放電法、化学的気相成長法(CVD法)、レーザー蒸発法、気相成長法、気相流動法、および、HiPCO法等が挙げられる。中でも、上述した好ましい性状を有するCNTは、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、CVD法によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)により、効率的に製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
また、CNTは、カルボキシル基等の官能基が導入されたものであってもよい。官能基の導入は、例えば、過酸化水素や硝酸等を用いる酸化処理法や、超臨界流体、亜臨界流体又は高温高圧流体との接触処理法などの公知の方法により行うことができる。
<樹脂成分>
樹脂成分は、得られる熱電変換素子用成形体に可とう性を付与しつつ、熱電変換素子の動作温度に耐えうる材料であれば特に限定されない。樹脂成分の例としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリエチレンとシクロオレフィン(ノルボルネン等)との共重合体等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体等のハロゲン化ポリオレフィン;石油樹脂;クマロン樹脂;ポリスチレン;ポリ酢酸ビニル;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;AS樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、SBS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等のスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリビニルホルマール;ポリビニルブチラール;ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート;ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート;液晶ポリエステル(LCP);ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサン、ポリ(2−オキセタノン)等の分解性脂肪族ポリエステル;ポリフェニレンオキサイド;ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5T、ナイロン6,12、ナイロンMXD6、パラ系アラミド、メタ系アラミド等のナイロン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリフェニレンサルファイド;ポリウレタン;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;アラビヤゴム;酢酸セルロースなどが挙げられる。これらの樹脂成分は一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
そしてこれらの樹脂成分の中でも、CNTの分散性を高めつつ熱電変換素子用組成物から得られる熱電変換素子用成形体の成形性を向上させ、また、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持する観点からは、ポリオレフィンおよびハロゲン化ポリオレフィンが好ましく、ハロゲン化ポリオレフィンがより好ましく、ポリ塩化ビニル(PVC)が更に好ましい。
ここで、樹脂成分は絶縁性を有する樹脂(絶縁性樹脂)であることが好ましく、具体的には、導電率は1S・cm-1以下であることが好ましい。そして、樹脂成分の熱伝導率は、0.5W・m-1-1以下であることが好ましく、0.3W・m-1-1以下であることがより好ましい。また、樹脂成分は、結着性を有する樹脂(結着性樹脂)であることが好ましい。
なお、樹脂成分の導電率は、当該樹脂成分の薄膜を形成し膜厚を測定した後、薄膜の表面抵抗率を例えば「ロレスタ(登録商標)−GP(MCP−T600型)」((株)三菱化学アナリテック製)などの抵抗率計で測定し、測定した膜厚と表面抵抗率とから求めることができる。また、樹脂成分の熱伝導率は、本明細書の実施例に記載した熱電変換素子用成形体の熱伝導率の測定方法に準じて測定することができる。
熱電変換素子用組成物の樹脂成分の配合量は、特に限定されないが、CNT100質量部当たり、20質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることが更に好ましく、100質量部以上であることが特に好ましく、120質量部以上であることが最も好ましく、300質量部以下であることが好ましく、250質量部以下であることがより好ましく、200質量部以下であることが更に好ましく、180質量部以下であることが特に好ましい。樹脂成分の配合量が上述の範囲内であれば、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することが可能となる。
<ヒドラジン化合物>
本発明の熱電変換素子用組成物において、ヒドラジン化合物は、CNTにn型半導体としての機能を発現させうるドーパントである。ここでヒドラジン化合物とは、ヒドラジン(H2N−N2H)、ヒドラジンの水和物、ヒドラジンの塩、ヒドラジンの置換基誘導体、ヒドラジンの置換基誘導体の塩を含む総称である。ヒドラジン化合物に属する化合物の具体例を示すと、無水ヒドラジン、ヒドラジン水和物、一塩酸ヒドラジン、二塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、臭酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジン、メチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、1,2−ジフェニルヒドラジン、tert-ブチルヒドラジン塩酸塩、カルボヒドラジドなどが挙げられる。これらのヒドラジン化合物は一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。そしてこれらのヒドラジン化合物の中でも、ヒドラジン水和物、フェニルヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、1,2−ジフェニルヒドラジンが好ましい。
ヒドラジン水和物は、単位質量当たりのヒドラジン残基の数が多く、また安定性に優れつつ余剰分の除去が容易である。そして、このようなヒドラジン水和物を用いることで、CNTをn型半導体として好適に機能させ、そして熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することが可能となる。
一方、フェニルヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、1,2−ジフェニルヒドラジン(以下、これらを纏めて「フェニルヒドラジン類」と称する場合がある。)は、少量であっても、熱電変換材料層として用いられる熱電変換素子用成形体の導電性を十分に高め、熱電変換素子の熱電変換特性を更に向上させることができる。
熱電変換素子用組成物のヒドラジン化合物の配合量は、特に限定されないが、CNT100質量部当たり、50質量部以上であることが好ましく、100質量部以上であることがより好ましく、500質量部以上であることが更に好ましく、10000質量部以下であることが好ましく、7000質量部以下であることがより好ましく、6000質量部以下であることが更に好ましい。ヒドラジン化合物の配合量が上述の範囲内であれば、CNTをn型半導体として好適に機能させ、そして熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することができる。
ここで、ヒドラジン化合物としてヒドラジン水和物を用いる場合、ヒドラジン水和物の配合量は、CNT100質量部当たり、100質量部以上であることが好ましく、500質量部以上であることがより好ましく、900質量部以上であることが更に好ましく、10000質量部以下であることが好ましく、7000質量部以下であることがより好ましく、6000質量部以下であることが更に好ましい。ヒドラジン水和物の配合量が上述の範囲内であれば、CNTをn型半導体として好適に機能させ、そして熱電変換素子の熱電変換特性を更に高め、優れた熱電変換特性をより長期に亘り保持することができる。
一方で、ヒドラジン化合物としてフェニルヒドラジン類を用いる場合、熱電変換材料層として用いられる熱電変換素子用成形体の導電性を十分に高め、熱電変換素子の熱電変換特性を更に向上させる観点からは、フェニルヒドラジン類の配合量は、CNT100質量部当たり、50質量部以上であることが好ましく、100質量部以上であることがより好ましく、500質量部以上であることが更に好ましく、700質量部以上であることがより一層好ましく、2000質量部以下であることが好ましく、1500質量部以下であることがより好ましく、1300質量部以下であることが更に好ましく、950質量部以下であることがより一層好ましい。
<溶媒>
本発明の熱電変換素子用組成物に使用し得る溶媒は、CNT、樹脂成分およびヒドラジン化合物を溶解および/または分散しうるものであれば特に限定されない。溶媒としては、有機溶媒が好ましく、具体的には、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アニソール、トリメチルベンゼン、p−フルオロフェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、およびパープルオロフェノール等の芳香族溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンチルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、および酢酸−3−メトキシブチル等のエーテル類;シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、およびジイソブチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N,N,N−テトラメチル尿素、N−メチル−ε−カプロラクタム、およびヘキサメチルリン酸トリアミド等の含窒素極性有機溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸−n−ペンチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸−n−ブチル、γ−ブチロラクトン、およびγ−バレロラクトン等のエステル類;ジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶媒は一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。そしてこれらの中でも、CNTの分散性向上の観点からは、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが好ましく、N−メチル−2−ピロリドンがより好ましい。
なお、熱電変換素子用組成物中の溶媒の配合量は、CNT、樹脂成分、ヒドラジン化合物などの種類や量に応じて適宜調整することができる。
<その他の成分>
本発明の熱電変換素子用組成物は、上述したCNT、樹脂成分、ヒドラジン化合物および溶媒以外の成分を含んでいてもよい。そのような他の成分としては、特に限定されないが、高分子遷移金属錯体、カーボンナノチューブ分散剤、トリフェニルホスフィン、セルロース、熱電変換材料層に使用される既知の金属ナノ粒子などが挙げられる。
ここで、高分子遷移金属錯体は、熱電変換素子における電子などのキャリアの輸送を促進しうる成分であり、ポリ(M 1,1,2,2−エテンテトラチオラート)の塩が挙げられる。ここで、Mは金属を表し、具体的にはニッケル、銅、パラジウム、コバルト、鉄が挙げられる。また塩の種類としては、ナトリウム塩、カリウム塩、銅塩、およびアルキルアンモニウム塩(アルキル基の水素原子が任意の官能基に置換されたものを含む)が挙げられる。また、ドデシルトリメチルアンモニウムのような長鎖のアルキル基をもつ塩(同時にナトリウム・カチオンなどを含んでも良い)も、ナノ分散可能な高分子遷移金属錯体(詳細は、K. Oshima, Y. Shiraishi, N. Toshima, "Novel Nano-dispersed Polymer Complex, Poly(nickel 1,1,2,2-ethenetetrathiolate): Preparation and Hybridization for n-Type of Organic Thermoelectric Materials," Chemistry Letters, vol.44 (No.9), p.1185-1187 (2015年)に開示されている。)として挙げることができる。なお本発明において、高分子遷移金属錯体に該当するものは樹脂成分には含まれないものとする。
また、カーボンナノチューブ分散剤としては、ドデシルスルホン酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの界面活性剤が挙げられる。
これらのその他の成分の配合量は、適宜調整することができる。
(熱電変換素子用組成物の製造方法)
熱電変換素子用組成物は、上述した成分を既知の方法で混合することにより製造することができるが、カーボンナノチューブ、樹脂成分、ヒドラジン化合物および溶媒を含む粗混合物を、キャビテーション効果または解砕効果が得られる分散処理により混合する工程を含む、本発明の熱電変換素子用組成物の製造方法を用いて製造することが好ましい。キャビテーション効果が得られる分散処理または解砕効果が得られる分散処理を経て熱電変換素子用組成物を調製すれば、CNTが良好に分散され、熱電変換素子に、長期に亘り優れた熱電変換特性を十分に発揮させることができるからである。
<キャビテーション効果が得られる分散処理>
キャビテーション効果が得られる分散処理は、液体に高エネルギーを付与した際、溶媒に生じた真空の気泡が破裂することにより生じる衝撃波を利用した分散方法である。この分散方法を用いることにより、CNTを良好に分散させることができる。
ここで、キャビテーション効果が得られる分散処理の具体例としては、超音波による分散処理、ジェットミルによる分散処理および高剪断撹拌による分散処理が挙げられる。これらの分散処理は一つのみを行なってもよく、複数の分散処理を組み合わせて行なってもよい。より具体的には、例えば超音波ホモジナイザー、ジェットミルおよび高剪断撹拌装置が好適に用いられる。これらの装置は従来公知のものを使用すればよい。
超音波ホモジナイザーを用いる場合には、粗混合物に対し、超音波ホモジナイザーにより超音波を照射すればよい。照射する時間は、CNTの量等により適宜設定すればよく、例えば、1分以上が好ましく、5分以上がより好ましく、また、5時間以下が好ましく、2時間以下がより好ましい。また、例えば、出力は20W以上500W以下が好ましく、100W以上500W以下がより好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
また、ジェットミルを用いる場合、処理回数は、CNTの量等により適宜設定すればよく、例えば、2回以上が好ましく、5回以上がより好ましく、100回以下が好ましく、50回以下がより好ましい。また、例えば、圧力は20MPa以上250MPa以下が好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
さらに、高剪断撹拌を用いる場合には、粗混合物に対し、高剪断撹拌装置により撹拌および剪断を加えればよい。旋回速度は速ければ速いほどよい。例えば、運転時間(機械が回転動作をしている時間)は3分以上4時間以下が好ましく、周速は5m/秒以上50m/秒以下が好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
なお、上記したキャビテーション効果が得られる分散処理は、50℃以下の温度で行なうことがより好ましい。溶媒の揮発による濃度変化が抑制されるからである。
<解砕効果が得られる分散処理>
解砕効果が得られる分散処理は、CNTを溶媒中に均一に分散できることは勿論、上記したキャビテーション効果が得られる分散処理に比べ、気泡が消滅する際の衝撃波によるCNTの損傷を抑制することができる点で一層有利である。
この解砕効果が得られる分散処理では、粗混合物にせん断力を与えてCNTの凝集体を解砕・分散させ、さらに粗混合物に背圧を負荷し、また必要に応じ、粗混合物を冷却することで、気泡の発生を抑制しつつ、CNTを溶媒中に均一に分散させることができる。
なお、粗混合物に背圧を負荷する場合、粗混合物に負荷した背圧は、大気圧まで一気に降圧させてもよいが、多段階で降圧することが好ましい。
ここに、粗混合物にせん断力を与えてCNTをさらに分散させるには、例えば、以下のような構造の分散器を有する分散システムを用いればよい。
すなわち、分散器は、粗混合物の流入側から流出側に向かって、内径がd1の分散器オリフィスと、内径がd2の分散空間と、内径がd3の終端部と(但し、d2>d3>d1である。)、を順次備える。
そして、この分散器では、流入する高圧(例えば10〜400MPa、好ましくは50〜250MPa)の粗混合物が、分散器オリフィスを通過することで、圧力の低下を伴いつつ、高流速の流体となって分散空間に流入する。その後、分散空間に流入した高流速の粗混合物は、分散空間内を高速で流動し、その際にせん断力を受ける。その結果、粗混合物の流速が低下すると共に、CNTが良好に分散する。そして、終端部から、流入した粗混合物の圧力よりも低い圧力(背圧)の流体が、熱電変換素子用組成物として流出することになる。
なお、粗混合物の背圧は、粗混合物の流れに負荷をかけることで粗混合物に負荷することができ、例えば、多段降圧器を分散器の下流側に配設することにより、粗混合物に所望の背圧を負荷することができる。
そして、粗混合物の背圧を多段降圧器により多段階で降圧することで、最終的に熱電変換素子用組成物を大気圧に開放した際に、熱電変換素子用組成物中に気泡が発生するのを抑制できる。
また、この分散器は、粗混合物を冷却するための熱交換器や冷却液供給機構を備えていてもよい。というのは、分散器でせん断力を与えられて高温になった粗混合物を冷却することにより、粗混合物中で気泡が発生するのをさらに抑制できるからである。
なお、熱交換器等の配設に替えて、粗混合物を予め冷却しておくことでも、CNTを含む溶媒中で気泡が発生することを抑制できる。
上記したように、この解砕効果が得られる分散処理では、キャビテーションの発生を抑制できるので、時として懸念されるキャビテーションに起因したCNTの損傷、特に、気泡が消滅する際の衝撃波に起因したCNTの損傷を抑制することができる。加えて、CNTへの気泡の付着や、気泡の発生によるエネルギーロスを抑制して、CNTを均一かつ効率的に分散させることができる。
以上のような構成を有する分散システムとしては、例えば、製品名「BERYU SYSTEM PRO」(株式会社美粒製)などがある。そして、解砕効果が得られる分散処理は、このような分散システムを用い、分散条件を適切に制御することで、実施することができる。
<粗混合物の調製>
ここで、本発明の熱電変換素子用組成物の製造方法において、キャビテーション効果または解砕効果が得られる分散処理を施す前の粗混合物は、カーボンナノチューブおよびヒドラジン化合物を含む予混合物を調製する工程(1)と、予混合物、樹脂成分、および必要に応じて添加される溶媒を混合して、粗混合物を調製する工程(2)と、を経て調製することが好ましい。上述の工程(1)および(2)を経て得られる粗混合物を熱電変換素子用組成物の調製に用いれば、ヒドラジン化合物の量を低減した場合であっても、熱電変換材料層として用いられる熱電変換素子用成形体の導電性を十分に高め、熱電変換素子の熱電変換特性を更に向上させることができる。
さらに、工程(1)は、カーボンナノチューブ、ヒドラジン化合物、および予混合用溶媒を混合して混合液を得る工程(1−1)と、混合液から予混合用溶媒の少なくとも一部を除去して、カーボンナノチューブおよびヒドラジン化合物を含む予混合物を調製する工程(1−2)を含むことが好ましい。CNTとヒドラジン化合物を予混合用溶媒中で一旦混合してから、例えばろ過等の方法で予混合用溶媒の少なくとも一部を除去すれば、ドーパントであるヒドラジン化合物がCNTに十分に吸着すると共に余剰のヒドラジン化合物が除去されるためと推察されるが、得られる熱電変換素子用成形体の導電性および熱電変換素子の熱電変換特性をより一層向上させることができる。
なお、予混合用溶媒としては、本発明の熱電変換素子用組成物に用いる溶媒と同じものを使用することができる。また、工程(1−2)において得られる予混合物中に予混合用溶媒の一部が残存している場合は、予混合用溶媒を粗混合物の溶媒として使用することができる。
(熱電変換素子用成形体)
本発明の熱電変換素子用成形体は、CNTおよび樹脂成分を含み、かつ70℃における無次元熱電性能指数が0.02以上であることを特徴とする。本発明の熱電変換素子用成形体を熱電変換材料層として使用すれば、熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させることができる。
ここで、本発明の熱電変換素子用成形体は、特に限定されないが、例えば本発明の熱電変換素子用組成物から溶媒の少なくとも一部を除去することにより得ることができる。そして、本発明の熱電変換素子用成形体に含まれるCNTおよび樹脂成分は、熱電変換素子用組成物に含まれていたものであり、熱電変換素子用成形体中のそれらの好適な存在比は、熱電変換素子用組成物中のものと同じである。
ここで、熱電変換素子用成形体は、「熱電変換素子用組成物」の項で「その他の成分」として上述した、高分子遷移金属錯体などの成分を含有していてもよい。なお、ヒドラジン化合物は溶媒の除去と共に除去されても、溶媒の除去後も残留してもよい。すなわち、熱電変換素子用成形体は、ヒドラジン化合物を含んでいてもよい。
また、熱電変換素子用成形体の70℃における無次元熱電性能指数は、0.02以上であることが必要であり、0.04以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。70℃における無次元熱電性能指数が0.02未満であると、熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させることができない。
ここで、熱電変換素子用成形体の70℃における無次元熱電性能指数は、本明細書の実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
なお、熱電変換素子用成形体の形状は、熱電変換素子の熱電変換材料層として使用可能であれば特に限定されないが、フィルム状が好ましい。フィルム状の熱電変換素子用成形体(熱電変換材料膜)の厚みは、特に限定されないが、0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましく、10mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。
(熱電変換素子用成形体の製造方法)
本発明の熱電変換素子用成形体の製造方法は、上述した熱電変換素子用組成物から溶媒の少なくとも一部を除去することで、熱電変換素子用成形体を形成する工程を含むことを特徴とする。本発明の熱電変換素子用成形体の製造方法は、本発明の熱電変換素子用組成物を用いているため、当該製造方法によれば、熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させ得る熱電変換素子用成形体を得ることができる。
ここで、熱電変換素子用組成物から溶媒を除去して熱電変換素子用成形体を形成する方法は、特に限定されない。例えば、熱電変換素子用組成物を基材上に塗布又は流延などにより供給した後、基材上に形成された熱電変換素子用組成物の被膜から溶媒を除去することで、フィルム状の熱電変換素子用成形体(熱電変換材料膜)を製造することができる。
そして、熱電変換素子用組成物を塗布する基材としては、既知のものが挙げられ、例えば特開2014−199837号公報に記載のものを用いることができる。
また、熱電変換素子用組成物の被膜から溶媒を除去する方法は特に限定されず、当該被膜を加熱する方法や、当該被膜を室温下又は加熱下に減圧雰囲気下に置く方法等が挙げられる。これらの条件は、適宜設定することができる。
上記の方法により形成される熱電変換素子用成形体に、有機溶媒、糖類の水溶液、酸又は塩基を含む水溶液等の処理液と接触させる処理を施してもよい。この処理により、熱電変換素子用成形体の導電率を向上させることができる。上記の処理液としては、通常、成形体を膨潤させたり、劣化させたりしないものが選択される。成形体に処理液を接触させる方法は特に限定されず、例えば、処理液の成形体への塗布や、成形体の処理液中への浸漬等が挙げられる。
上記の処理液として使用される有機溶媒の好適例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、およびグリセリン等の脂肪族アルコール類;トルエン、キシレン、およびエチルベンゼン等の芳香族溶媒;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジオキサン、およびテトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられ、糖類の水溶液の好適例としては、グルコースやキシリトールの水溶液が挙げられ、そして、酸又は塩基を含む水溶液の好適例としては、塩酸や硫酸を含む水溶液が挙げられる。
(熱電変換素子)
本発明の熱電変換素子は、熱電変換材料層を備え、当該熱電変換材料層が本発明の熱電変換素子用組成物を用いて形成されるか、又は、当該熱電変換材料層が本発明の熱電変換素子用成形体を含むことを特徴とする。このような熱電変換素子の構造は特に限定されず既知のものを採用することができるが、熱電変換素子は、例えば基材上の熱電変換材料層に二つの電極を取り付けることで作製することができる。電極は特に限定されず、例えば特開2014−199837号公報に記載のものを用いることができる。また、熱電変換材料層と二つの電極の位置関係は、特に限定されず、熱電変換材料層の両端に電極が配置されていてもよいし、熱電変換材料層が二つの電極で挟まれていてもよい。
(熱電変換モジュール)
本発明の熱電変換モジュールは、本発明の熱電変換素子を備えるものであることを特徴とする。より具体的には、本発明の熱電変換モジュールは、例えば、複数の熱電変換素子を板状または円筒状に組み合わせてなり、当該複数の熱電変換素子の少なくとも1つが本発明の熱電変換素子である。本発明の熱電変換モジュールは、本発明の熱電変換素子を備えているため、高効率の発電が可能である。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で得られた熱電変換材料膜(フィルム状の熱電変換素子用成形体)は、以下の方法で評価および分析した。
<ゼーベック係数、導電率およびパワーファクター>
熱電特性評価装置(アドバンス理工社製、ZEM-3)を用いて、真空中50〜110℃の温度下で、1〜5℃程度の温度差をつけた時の、熱電変換材料膜のゼーベック係数S(μV・K-1)および導電率σ(S・cm-1)を測定した。そしてパワーファクターPF(μW・m-1・K-2)を、下記式を用いて算出した。
PF=S2×σ/10000
<70℃における無次元熱電性能指数(ZT)>
上記得られたゼーベック係数および導電率、並びに熱伝導率к(W・m-1・K-1)を用いて、70℃(=343.15K)における無次元熱電性能指数(ZT)を、下記式を用いて算出した。
ZT=(S2×σ×343.15)/1010к
ここで、ZTの導出に当たり、熱電変換材料膜の熱伝導率кは以下の推計値および文献値を用いた。
実施例1〜6:0.06W・m-1・K-1(推計値)
比較例1 :0.15W・m-1・K-1(文献値)
比較例2 :0.15W・m-1・K-1(文献値)
比較例3 :0.06W・m-1・K-1(推計値)
なお、熱電変換材料膜の熱伝導率к(W・m-1・K-1)は、:к=α×Cp×ρを用いて算出することも可能である。ここで、熱電変換材料膜の、熱拡散率α(mm2・S-1、25℃)、比熱Cp(J・g-1-1、25℃)および密度ρ(g・cm-3)は、以下の装置および方法で測定することができる。
α:ナノフラッシュアナライザー(ネッチジャパン社製、LFA 447/2-4/InSb NanoFlash Xe)
Cp:示差走査熱量計(ネッチジャパン社製、DSC 204 F1 Phoenix)
ρ:アルキメデス法
<熱電変換特性の長期保持性>
作製直後(放置期間が0日)のゼーベック係数と大気中で所定の放置期間(2、3、4、又は9日)経過後のゼーベック係数を比較することで、大気中における熱電変換特性の長期保持性(安定性)を評価した。
(実施例1)
<熱電変換素子用組成物の製造>
カーボンナノチューブ(SGCNT、単層CNTを含む。平均直径:4.5nm、BET比表面積:1020m2/g)2.83mg(100質量部)、樹脂成分としてのポリ塩化ビニル(PVC)4.25mg(150質量部)、そして溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン2.83mLを、4mLのスクリュー管内に投入し、超音波バスで10分間、超音波ホモジナイザーで10分間分散させた。次いで、スクリュー管内に、ヒドラジン化合物としてのヒドラジン水和物(アルドリッチ社製、製品コード:225819-50G)0.113g(4000質量部)を加え粗混合物を得た。この粗混合物に、超音波バスで10分間、超音波ホモジナイザーで2分間分散処理を施し、熱電変換素子用組成物を得た。
<熱電変換材料膜(熱電変換素子用成形体)の製造>
上記得られた熱電変換素子用組成物を、石英基板上に塗布して、空気中、60℃のホットプレート上で12時間乾燥させることで、熱電変換材料膜を得た。そして、各種測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
カーボンナノチューブの量を4.25mg(100質量部)、ポリ塩化ビニルの量を1.06mg(25質量部)に変更し、ヒドラジン水和物の量を0.17g(4000質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換素子用組成物および熱電変換材料膜を得た。そして各種評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
カーボンナノチューブの量を4.25mg(100質量部)、ポリ塩化ビニルの量を6.34mg(150質量部)に変更し、ヒドラジン化合物として、ヒドラジン水和物に替えてフェニルヒドラジン(和光純薬製)を42.5mg(1000質量部)使用した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換素子用組成物および熱電変換材料膜を得た。そして各種評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
カーボンナノチューブの量を4.25mg(100質量部)、ポリ塩化ビニルの量を6.34mg(150質量部)に変更し、ヒドラジン化合物として、ヒドラジン水和物に替えて1,2−ジフェニルヒドラジン(和光純薬製)を36.21mg(852質量部)使用した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換素子用組成物および熱電変換材料膜を得た。そして各種評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
1,2−ジフェニルヒドラジンの量を72.42mg(1704質量部)に変更した以外は、実施例4と同様にして、熱電変換素子用組成物および熱電変換材料膜を得た。そして各種評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
<熱電変換素子用組成物の製造>
カーボンナノチューブ(SGCNT、単層CNTを含む。平均直径:4.5nm、BET比表面積:1020m2/g)7.40mg(100質量部)、ヒドラジン化合物としてのヒドラジン水和物(アルドリッチ社製、製品コード:225819-50G)7.4g(1000質量部)、そして予混合用溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン7.40mLを、30mLのスクリュー管内に投入し、超音波バスで10分間、超音波ホモジナイザーで10分間分散させた。その後室温下で12時間放置した。このようにして得られた混合液から、吸引ろ過を行うことで予混合用溶媒および一部のヒドラジン水和物を除去し、予混合物を得た。この予混合物に対し、樹脂成分としてのポリ塩化ビニル(PVC)11.1mg(150質量部)および溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンを加え混合して粗混合物とした。この粗混合物に超音波ホモジナイザーで10分間分散処理を施し、熱電変換素子用組成物を得た。
<熱電変換材料膜(熱電変換素子用成形体)の製造>
上記得られた熱電変換素子用組成物を、石英基板上に塗布して、空気中、60℃のホットプレート上で12時間乾燥させることで、熱電変換材料膜を得た。そして、各種測定を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で用いたSGCNTと同様のSGCNTからなるシート状バッキーペーパーを4mm×16mmの長方形状に切り出して得られるサンプル片を用いて、各種評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で用いたSGCNTと同様のSGCNTからなるシート状バッキーペーパーを4mm×16mmの長方形状に切り出して得られるサンプル片0.9mg(100質量部)、ヒドラジン水和物(アルドリッチ社製、製品コード:225819-50G)3g(3333質量部)を4mLのスクリュー管内に投入した。ヒドラジン水和物に上記サンプル片が浸された状態で、常温、常圧下において30分間放置した。その後サンプル片を取り出し、130℃のホットプレート上で10分間乾燥させた。乾燥後のサンプル片を用いて各種評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
カーボンナノチューブとしてAldrich社製のCNT(プラズマトーチ法で作製、単層CNTを含む。平均直径:1.4nm、平均長さ:1μm)を3.81mg(100質量部)を使用し、ポリ塩化ビニルの量を6.19mg(162.5質量部)に変更し、ヒドラジン水和物を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、熱電変換素子用組成物および熱電変換材料膜を得た。そして各種評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2016171322
表1から、実施例1、2の熱電変換材料膜は、大気中で9日間放置後も、優れた負の値のゼーベック係数を保持しており、安定な熱電変換材料層として機能しうることがわかる。また、実施例1、2から、CNTとPVCの量比を変更することで、導電率および熱電変換特性をさらに優れたものとしつつ、これらの優れた性能を長期に亘り保持可能であることがわかる。更に、ヒドラジン化合物として、フェニルヒドラジンを用いた実施例3および1,2−ジフェニルヒドラジンを用いた実施例4〜5は、ヒドラジン水和物を用いた実施例1に比してヒドラジン化合物が少量でも、熱電変換材料膜が優れた導電率を有し、また熱電変換素子に優れた熱電変換特性を発揮させ得ることがわかる。更に、CNTとヒドラジン水和物を予混合し、熱電変換素子用組成物を調製した実施例6は、CNTとPVCを混合した後にヒドラジン水和物を加えて熱電変換素子用組成物を調製した実施例1に比してヒドラジン化合物が少量でも、熱電変換材料膜が優れた導電率を有し、また熱電変換素子に優れた熱電変換特性を発揮させ得ることがわかる。
一方、樹脂成分としてのPVCおよびヒドラジン化合物を使用していない比較例1、樹脂成分としてのPVCを使用していない比較例2、そしてヒドラジン化合物を使用していない比較例3は、いずれもゼーベック係数が正の値を示し、CNTがn型半導体として機能していないことが分かる。
なお、実施例3〜6の熱電変換材料膜についても、大気中で9日間放置後も、優れた負の値のゼーベック係数を保持しており、安定な熱電変換材料層として機能しうることを別途確認した。
本発明によれば、熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させうる熱電変換素子用組成物、および当該組成物を製造する方法を提供することができる。
本発明によれば、熱電変換素子に長期に亘り優れた熱電変換特性を発揮させうる熱電変換素子用成形体、および当該成形体を製造する方法を提供することができる。
そして、本発明によれば、熱電変換特性に優れる熱電変換素子および当該熱電変換素子を備える熱電変換モジュールを提供することができる。

Claims (16)

  1. カーボンナノチューブ、樹脂成分、ヒドラジン化合物および溶媒を含む、熱電変換素子用組成物。
  2. 更に高分子遷移金属錯体を含む、請求項1に記載の熱電変換素子用組成物。
  3. 前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブおよび二層カーボンナノチューブの少なくとも一方を含む、請求項1または2に記載の熱電変換素子用組成物。
  4. 前記カーボンナノチューブ100質量部当たり、前記樹脂成分を20質量部以上300質量部以下含む、請求項1〜3の何れかに記載の熱電変換素子用組成物。
  5. 前記樹脂成分がポリ塩化ビニルを含む、請求項1〜4の何れかに記載の熱電変換素子用組成物。
  6. カーボンナノチューブおよび樹脂成分を含み、70℃における無次元熱電性能指数が0.02以上である、熱電変換素子用成形体。
  7. 更に高分子遷移金属錯体を含む、請求項6に記載の熱電変換素子用成形体。
  8. 前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブおよび二層カーボンナノチューブの少なくとも一方を含む、請求項6または7に記載の熱電変換素子用成形体。
  9. 前記カーボンナノチューブ100質量部当たり、前記樹脂成分を20質量部以上300質量部以下含む、請求項6〜8の何れかに記載の熱電変換素子用成形体。
  10. 前記樹脂成分がポリ塩化ビニルを含む、請求項6〜9の何れかに記載の熱電変換素子用成形体。
  11. 請求項1〜5の何れかに記載の熱電変換素子用組成物を用いて形成される熱電変換材料層を備える、熱電変換素子。
  12. 請求項6〜10の何れかに記載の熱電変換素子用成形体を含む熱電変換材料層を備える、熱電変換素子。
  13. 請求項11または12に記載の熱電変換素子を備える、熱電変換モジュール。
  14. カーボンナノチューブ、樹脂成分、ヒドラジン化合物および溶媒を含む粗混合物を、キャビテーション効果または解砕効果が得られる分散処理により混合する工程を含む、熱電変換素子用組成物の製造方法。
  15. 前記粗混合物を、キャビテーション効果または解砕効果が得られる分散処理により混合する工程に先んじて、
    前記カーボンナノチューブおよび前記ヒドラジン化合物を含む予混合物を調製する工程と、
    前記予混合物と前記樹脂成分を混合して、前記粗混合物を調製する工程と、
    を含む、請求項14に記載の熱電変換素子用組成物の製造方法。
  16. 請求項1〜5の何れかに記載の熱電変換素子用組成物から前記溶媒を除去する工程を含む、熱電変換素子用成形体の製造方法。
JP2016046062A 2015-03-09 2016-03-09 熱電変換素子用組成物、熱電変換素子用成形体、熱電変換素子、熱電変換モジュール、熱電変換素子用組成物の製造方法、および熱電変換素子用成形体の製造方法 Pending JP2016171322A (ja)

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