WO2017122808A1 - 熱電変換素子用フィルムの製造方法 - Google Patents

熱電変換素子用フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、膜自立性が確保され、且つ熱電変換素子に十分に優れた熱電変換特性を発揮させうる熱電変換素子用フィルムを提供することを目的とする。本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法は、カーボンナノチューブと、絶縁性高分子材料と、導電性材料とを含む処理前フィルム用組成物を用いて処理前フィルムを形成する工程と、前記処理前フィルムを処理液と接触させて熱電変換素子用フィルムを得る工程と、を備え、前記処理前フィルムの密度をD(g/cm)、前記熱電変換素子用フィルムの密度をD(g/cm)とした際に、D/Dの値が0.5超0.9未満である。

Description

熱電変換素子用フィルムの製造方法
 本発明は、熱電変換素子用フィルムの製造方法に関するものである。
 従来から、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換できる熱電変換素子が注目されている。ここで熱電変換素子において、上記エネルギー変換を担う熱電変換材料層の調製には、無機系材料が用いられてきた。しかしながら、近年、加工性や可とう性に優れる観点から、高分子材料を含む有機系材料を用いて熱電変換素子の熱電変換材料層を調製する技術の検討が行われている。
 例えば特許文献1には、絶縁性樹脂と、無機熱電変換材料と、電荷輸送材料とを含む樹脂組成物から得られるフィルムを熱電変換材料層に用いることが記載されている。そして特許文献1によれば、当該フィルムを特定の種類の処理液と接触させることで、フィルムの導電率を向上させることができる。
特開2015-170766号公報
 しかしながら、上記従来の技術では、導電率を向上させるべくフィルムを特定の処理液に接触させると、当該フィルムの膜自立性が損なわれるという問題があり、また熱電変換素子に十分に優れた熱電変換特性を発揮させることが困難な場合があった。すなわち、上記従来の技術は、有機系材料を用いて形成した熱電変換素子用フィルムの膜自立性を維持しつつ、熱電変換素子に一層優れた熱電変換特性を発揮させるという点において、改善の余地があった。
 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者らは、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」という場合がある。)、絶縁性高分子材料、および導電性材料を含む組成物から形成される処理前フィルムを、接触前後の密度変化が所定の範囲内となるように処理液に接触させて熱電変換素子用フィルムを形成すれば、当該フィルムの膜自立性を維持することができ、加えて当該フィルムを熱電変換材料層として用いれば、熱電変換素子に十分に優れた熱電変換特性を発揮させうることを見出し、本発明を完成させた。
 即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法は、カーボンナノチューブと、絶縁性高分子材料と、導電性材料とを含む処理前フィルム用組成物を用いて処理前フィルムを形成する工程と、前記処理前フィルムを処理液と接触させて熱電変換素子用フィルムを得る工程と、を備え、前記処理前フィルムの密度をD(g/cm)、前記熱電変換素子用フィルムの密度をD(g/cm)とした際に、D/Dの値が0.5超0.9未満であることを特徴とする。このように、接触前後の密度変化が所定の範囲内となるように処理液に接触させて得られる熱電変換素子用フィルムは膜自立性が確保される。加えて、当該熱電変換素子用フィルムを熱電変換材料層として用いれば、熱電変換素子に十分に優れた熱電変換特性を発揮させることができる。
 ここで、本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法において、前記導電性材料がポリ(M 1,1,2,2-エテンテトラチオラート)の塩[ここで、Mは金属を表す]を含むことが好ましい。導電性材料としてポリ(M 1,1,2,2-エテンテトラチオラート)の塩を用いれば、熱電変換素子の熱電変換特性を一層優れたものとすることができるからである。
 そして、本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法において、前記絶縁性高分子材料がポリイミド樹脂を含むことが好ましい。絶縁性高分子材料としてポリイミド樹脂を用いれば、熱電変換素子用フィルムの膜自立性および熱電変換素子の熱電変換特性を一層優れたものとすることができるからである。
 更に、本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法において、前記カーボンナノチューブの比表面積が600m/g以上であることが好ましい。比表面積が600m/g以上であるCNTを用いれば、熱電変換素子の熱電変換特性を一層優れたものとすることができるからである。
 また、本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法において、前記処理液がN-メチル-2-ピロリドンを含むことが好ましい。処理液としてN-メチル-2-ピロリドンを用いれば、熱電変換素子用フィルムの製造効率を高めると共に熱電変換素子の熱電変換特性を一層優れたものとすることができるからである。
 本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法によれば、膜自立性が確保され、且つ熱電変換素子に十分に優れた熱電変換特性を発揮させうる熱電変換素子用フィルムを提供することができる。
 以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法は、熱電変換素子の熱電変換材料層として用いられる熱電変換素子用フィルムの製造に用いられる。
(熱電変換素子用フィルムの製造方法)
 本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法は、カーボンナノチューブ、絶縁性高分子材料、および導電性材料を含有し、任意にその他の成分を含む処理前フィルム用組成物を用いて処理前フィルムを形成する工程(処理前フィルム形成工程)と、処理前フィルムを処理液と接触させて熱電変換素子用フィルムを得る工程(処理液接触工程)と含む。そして、上記処理液接触工程において、処理前フィルムの密度をD(g/cm)、熱電変換素子用フィルムの密度をD(g/cm)とした場合、D/Dが0.5超0.9未満であることが必要である。本発明の製造方法を用いて得られる熱電変換素子用フィルムは自立膜として使用することができる。そして、当該熱電変換素子用フィルムを熱電変換材料層として使用すれば、熱電変換素子に十分に優れた熱電変換特性を発揮させることができる。
 なお、本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法を用いることで、膜自立性が確保されつつ、熱電変換素子の熱電変換特性を向上させうる熱電変換素子用フィルムが得られる理由は、以下のように推察される。まず、D/Dが0.9未満であることで、余剰の絶縁性高分子材料及び/又は導電性材料が処理液中に溶出し、フィルムの密度を低下させ、フィルム中に空孔部を増加させることができる。そのため、熱電変換素子用フィルムの熱伝導性が低下し、熱電変換特性を高めることができると考えられる。一方、D/Dが0.5超であることで、特にマトリックス樹脂である絶縁性高分子材料の処理液への過剰な溶出が抑制されるため、自立膜として使用可能な強度を十分に確保することができる。
<処理前フィルム形成工程>
 まず、処理前フィルム用組成物を用いて、処理前フィルムを製造する。
[処理前フィルム用組成物]
 処理前フィルムを形成するための処理前フィルム用組成物としては、通常、CNT、絶縁性高分子材料、導電性材料、および任意添加のその他の成分が溶媒中に分散および/または溶解してなる組成物を使用する。
[[カーボンナノチューブ]]
 処理前フィルム用組成物に含まれるCNTは、単層カーボンナノチューブであっても、多層カーボンナノチューブであってもよいが、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高める観点からは、単層カーボンナノチューブおよび二層カーボンナノチューブの少なくとも一方を含むことが好ましく、単層カーボンナノチューブを含むことが好ましい。
 ここで、CNTの平均直径は、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることがより好ましい。CNTの平均直径が0.5nm以上であれば、CNTの凝集を抑制し、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高めることができる。また、CNTの平均直径の上限は、特に限定されないが、例えば15nm以下である。
 なお、CNTの平均直径は、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の直径を測定して求めることができる。
 また、CNTの平均長さは、0.1μm以上であることが好ましく、1cm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。CNTの平均長さが上述の範囲内であれば、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高めることができる。
 なお、CNTの平均長さは、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の長さを測定して求めることができる。
 そして、CNTのBET比表面積としては、600m2/g以上であることが好ましく、800m2/g以上であることがより好ましく、2600m2/g以下であることが好ましく、1200m2/g以下であることがより好ましい。CNTのBET比表面積が上述の範囲内であれば、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高めることができる。
 なお、CNTの「BET比表面積」は、77Kにおける窒素吸着等温線を測定し、BET法により求めることができる。ここで、BET比表面積の測定には、例えば、「BELSORP(登録商標)-max」(日本ベル(株)製)を用いることができる。
 本発明で用いられるCNTの製造方法としては、特に限定されることなく、二酸化炭素の接触水素還元による方法、アーク放電法、化学的気相成長法(CVD法)、レーザー蒸発法、気相成長法、気相流動法、および、HiPCO法等が挙げられる。中でも、上述した好ましい性状を有するCNTは、例えば、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、CVD法によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)により、効率的に製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
 また、CNTは、カルボキシル基等の官能基が導入されたものであってもよい。官能基の導入は、例えば、過酸化水素や硝酸等を用いる酸化処理法や、超臨界流体、亜臨界流体又は高温高圧流体との接触処理法などの既知の方法により行うことができる。
[[絶縁性高分子材料]]
 処理前フィルム用組成物に含まれる絶縁性高分子材料は、得られる熱電変換素子用フィルムに可とう性を付与しつつ、熱電変換素子の動作温度に耐えうる、絶縁性を有する高分子材料であれば特に限定されない。ここで、高分子材料が「絶縁性」を有するとは、その高分子材料の導電率が1S・cm-1以下であることを言う。なお絶縁性高分子材料の熱伝導率は、0.5W・m-1-1以下であることが好ましく、0.4W・m-1-1以下であることがより好ましい。また、絶縁性高分子材料は、結着性を有することが好ましい。
 ここで、高分子材料の導電率は、当該高分子材料の薄膜を形成し膜厚を測定した後、薄膜の表面抵抗率を例えば「ロレスタ(登録商標)-GP(MCP-T600型)」((株)三菱化学アナリテック製)などの抵抗率計で測定し、測定した膜厚と表面抵抗率とから求めることができる。また、高分子材料の熱伝導率(к)は、熱拡散率α(mm・S-1、25℃)、比熱Cp(J・g-1-1、25℃)および密度ρ(g・cm-3)を用い、下記式を用いて算出することができる。
   к=α×Cp×ρ
 ここで、式中熱拡散率α、比熱Cpおよび密度ρは、以下の装置および方法で測定することができる。
 α:ナノフラッシュアナライザー(ネッチジャパン社製、LFA 447/2-4/InSb NanoFlash Xe)
 Cp:示差走査熱量計(ネッチジャパン社製、DSC 204 F1 Phoenix)
 ρ:アルキメデス法
 ここで、絶縁性高分子材料の例としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリブテン-1、ポリ-3-メチルペンテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリシクロオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、ポリエチレンとシクロオレフィン(ノルボルネン等)との共重合体等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-エチレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン-酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル-アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル-マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル-シクロヘキシルマレイミド共重合体等のハロゲン化ポリオレフィン;石油樹脂;クマロン樹脂;ポリスチレン;ポリ酢酸ビニル;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;AS樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、SBS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等のスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリビニルホルマール;ポリビニルブチラール;ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート;ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート;液晶ポリエステル(LCP);ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサン、ポリ(2-オキセタノン)等の分解性脂肪族ポリエステル;ポリフェニレンオキサイド;ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5T、ナイロン6,12、ナイロンMXD6、パラ系アラミド、メタ系アラミド等のナイロン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリフェニレンサルファイド;ポリウレタン;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;アラビヤゴム;酢酸セルロースなどが挙げられる。これらは1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
 そしてこれらの絶縁性高分子材料の中でも、ポリイミド樹脂が好ましい。ポリイミド樹脂は、温度耐性、機械的強度、絶縁性、および化学的安定性に優れ、また水分透過率および線膨張係数が低い。従って、ポリイミド樹脂を用いれば、十分な膜自立性を有しつつ熱電変換素子に一層優れた熱電変換特性発揮させることができ、そして実使用に好適な熱電変換素子用フィルムを得ることができる。
 処理前フィルム用組成物中における絶縁性高分子材料の配合量は、特に限定されないが、CNT100質量部当たり、30質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましく、120質量部以上であることが更に好ましく、150質量部以上であることが特に好ましく、500質量部以下であることが好ましく、400質量部以下であることがより好ましく、350質量部以下であることが更に好ましく、300質量部以下であることが特に好ましい。絶縁性高分子材料の配合量が上述の範囲内であれば、熱電変換素子用フィルムの膜自立性および熱電変換素子の熱電変換特性を更に高めることが可能となる。
[[導電性材料]]
 処理前フィルム用組成物に含まれる導電性材料は、電子又は正孔を輸送するか、それらの輸送を促進させる物質である。導電材材料を用いることで、得られる熱電変換素子用フィルムの導電性を確保することができる。なお、本発明において、「カーボンナノチューブ」および「絶縁性高分子材料」は、「導電性材料」には含まれないものとする。
 そして導電性材料としては、種々の用途において、電子又は正孔の輸送を促進させるために使用されている物質を用いることができる。例えば、有機電界発光素子の構成材料や、光電変換素子の構成材料や、電子写真装置に使用される電子写真感光体が備える感光層の構成材料として使用される電荷輸送材料を、導電性材料として好適に使用することができる。
 ここで、導電性材料の好ましい例としては、N,N,N’,N’-テトラフェニル-4,4’-ジアミノフェニル、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-〔1,1’-ビフェニル〕-4,4’-ジアミン(TPD)、2,2-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’-テトラ-p-トリル-4,4’-ジアミノビフェニル、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、ビス(4-ジメチルアミノ-2-メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(4-メトキシフェニル)-4,4’-ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’-テトラフェニル-4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N-トリ(p-トリル)アミン、4-(ジ-p-トリルアミノ)-4’-〔4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4-N,N-ジフェニルアミノ-(2-ジフェニルビニル)ベンゼン;3-メトキシ-4’-N,N-ジフェニルアミノスチルベンゼン、N-フェニルカルバゾール、4,4’-ビス〔N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、および4,4’,4”-トリス〔N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等の芳香族アミン化合物;アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、およびアントラジチオフェン、並びにこれらの誘導体等の縮合多環芳香族化合物;テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、およびテトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物等の共役系化合物;テトラチアフルバレン-テトラシアノキノジメタン錯体、高分子金属錯体の塩であるポリ(M 1,1,2,2-エテンテトラチオラート)の塩が挙げられる。ここで、前記高分子金属錯体中のMは金属を表し、Mとしては、例えば、ニッケル、銅、パラジウム、コバルト、鉄が挙げられる。また塩の種類としては、ナトリウム塩、カリウム塩、銅塩、およびアルキルアンモニウム塩(アルキル基の水素原子が任意の官能基に置換されたものを含む)が挙げられる。
 そして、ポリ(M 1,1,2,2-エテンテトラチオラート)の塩は、具体的には以下の式(I)の構造を有する
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 式中、Mは金属原子を表し、例えばNi、Cu、Pd、Co、Feの何れかを表す。そしてAは1価又は2価の陽イオンを表し、例えばNa、K、Cu2+、NR [Rは水素原子又はアルキル基を表し、4つのRのうち少なくとも1つのRはアルキル基である。なおアルキル基の水素原子は任意の官能基に置換されていてもよい。]の何れかを表す。Xは繰り返し単位当たりのAの数を表し、例えば1以上3以下の整数を表す。そして、nは繰り返し単位の数を表し、例えば3以上10000以下の整数を表す。
 なお、上記ポリ(M 1,1,2,2-エテンテトラチオラート)の塩は、例えば「“Organic thermoelectric materials and devices based on p- and n-type poly(metal 1,1,2,2-ethenetetrathiolate)s”,Yimeng Sun, Peng Sheng, Chongan Di, Fei Jiao, Wei Xu,Dong Qiu, and Daoben Zhu, Advanced Materials, 2012, vol.24, p.932-937」にその詳細が開示されている。
 これらの導電性材料は1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。そしてこれらの導電性材料の中でも、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高める観点からは、ポリ(M 1,1,2,2-エテンテトラチオラート)の塩が好ましい。なお当該ポリ(M 1,1,2,2-エテンテトラチオラート)の塩は、例えば、「“Novel Nanodispersed Polymer Complex, Poly(nickel 1,1,2,2-ethenetetrathilate): Preparation and Hybridization for n-Type of Organic Thermoelectric Materials”, Keisuke Oshima, Yukihide Shiraishi, and Naoki Toshima, Chemistry Letters, 2015, Vol.44, No.9, p.1185-1187」を参照し、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(DTAB)等を用い、ナノ粒子化して分散可溶化して用いるのが好ましい。
 処理前フィルム用組成物中における導電性材料の配合量は、特に限定されないが、CNT100質量部当たり、30質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましく、120質量部以上であることが更に好ましく、150質量部以上であることが特に好ましく、500質量部以下であることが好ましく、400質量部以下であることがより好ましく、350質量部以下であることが更に好ましく、320質量部以下であることが特に好ましい。導電性材料の配合量が上述の範囲内であれば、熱電変換素子用フィルムの導電性を向上させ、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高めることが可能となる。
[[溶媒]]
 処理前フィルム用組成物に使用し得る溶媒は、CNT、絶縁性高分子材料、および導電性材料を溶解および/または分散しうるものであれば特に限定されない。溶媒としては、有機溶媒が好ましく、具体的には、後述する「処理液」の項で挙げる有機溶媒を使用することができる。溶媒は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。そしてこれらの中でも、CNTの分散性向上の観点からは、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが好ましく、N-メチル-2-ピロリドンがより好ましい。
 なお、処理前フィルム用組成物中の溶媒の種類及び配合量は、CNT、絶縁性高分子材料、および導電性材料などの種類や量に応じて適宜調整することができる。
[[その他の成分]]
 処理前フィルム用組成物は、上述したCNT、絶縁性高分子材料、導電性材料、および溶媒以外の成分を含んでいてもよい。そのような他の成分としては、特に限定されないが、カーボンナノチューブ分散剤、トリフェニルホスフィン、セルロース、熱電変換材料層に使用される既知の無機熱電変換材料などが挙げられる。
 カーボンナノチューブ分散剤としては、ドデシルスルホン酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの界面活性剤が挙げられる。
 また、無機熱電変換材料としては、特に限定されないが、特開2015-170766号公報に記載のものが挙げられる。
 これらのその他の成分の配合量は、適宜調整することができる。
[[処理前フィルム用組成物の調製]]
 処理前フィルム用組成物は、上述した成分を既知の方法で混合することにより調製することができるが、CNT、絶縁性高分子材料、導電性材料、および溶媒を含む粗混合物を、キャビテーション効果または解砕効果が得られる分散処理により混合する工程を経て製造することが好ましい。キャビテーション効果が得られる分散処理または解砕効果が得られる分散処理を用いて処理前フィルム用組成物を調製すれば、CNTが良好に分散され、熱電変換素子に、優れた熱電変換特性を十分に発揮させることができるからである。
-キャビテーション効果が得られる分散処理-
 キャビテーション効果が得られる分散処理は、液体に高エネルギーを付与した際、溶媒に生じた真空の気泡が破裂することにより生じる衝撃波を利用した分散方法である。この分散方法を用いることにより、CNTを良好に分散させることができる。
 ここで、キャビテーション効果が得られる分散処理の具体例としては、超音波による分散処理、ジェットミルによる分散処理および高剪断撹拌による分散処理が挙げられる。これらの分散処理は一つのみを行なってもよく、複数の分散処理を組み合わせて行なってもよい。より具体的には、例えば超音波ホモジナイザー、ジェットミルおよび高剪断撹拌装置が好適に用いられる。これらの装置は従来公知のものを使用すればよい。
 超音波ホモジナイザーを用いる場合には、粗分散液に対し、超音波ホモジナイザーにより超音波を照射すればよい。照射する時間は、CNTの量等により適宜設定すればよく、例えば、1分以上が好ましく、5分以上がより好ましく、また、5時間以下が好ましく、2時間以下がより好ましい。また、出力は10W以上50W以下が好ましく、温度は0℃以上50℃以下が好ましい。
 また、ジェットミルを用いる場合、処理回数は、CNTの量等により適宜設定すればよく、例えば、2回以上が好ましく、5回以上がより好ましく、100回以下が好ましく、50回以下がより好ましい。また、例えば、圧力は20MPa以上250MPa以下が好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
 さらに、高剪断撹拌を用いる場合には、粗分散液に対し、高剪断撹拌装置により撹拌および剪断を加えればよい。旋回速度は速ければ速いほどよい。例えば、運転時間(機械が回転動作をしている時間)は3分以上4時間以下が好ましく、周速は5m/秒以上50m/秒以下が好ましく、温度は15℃以上50℃以下が好ましい。
 なお、上記したキャビテーション効果が得られる分散処理は、50℃以下の温度で行なうことがより好ましい。溶媒の揮発による濃度変化が抑制されるからである。
-解砕効果が得られる分散処理-
 解砕効果が得られる分散処理は、CNTを溶媒中に均一に分散できることは勿論、上記したキャビテーション効果が得られる分散処理に比べ、気泡が消滅する際の衝撃波によるCNTの損傷を抑制することができる点で一層有利である。
 この解砕効果が得られる分散処理では、粗分散液にせん断力を与えてCNTの凝集体を解砕・分散させ、さらに粗分散液に背圧を負荷し、また必要に応じ、粗分散液を冷却することで、気泡の発生を抑制しつつ、CNTを溶媒中に均一に分散させることができる。
 なお、粗分散液に背圧を負荷する場合、粗分散液に負荷した背圧は、大気圧まで一気に降圧させてもよいが、多段階で降圧することが好ましい。
 ここに、粗分散液にせん断力を与えてCNTをさらに分散させるには、例えば、以下のような構造の分散器を有する分散システムを用いればよい。
 すなわち、分散器は、粗分散液の流入側から流出側に向かって、内径がd1の分散器オリフィスと、内径がd2の分散空間と、内径がd3の終端部と(但し、d2>d3>d1である。)、を順次備える。
 そして、この分散器では、流入する高圧(例えば10~400MPa、好ましくは50~250MPa)の粗分散液が、分散器オリフィスを通過することで、圧力の低下を伴いつつ、高流速の流体となって分散空間に流入する。その後、分散空間に流入した高流速の粗分散液は、分散空間内を高速で流動し、その際にせん断力を受ける。その結果、粗分散液の流速が低下すると共に、CNTが良好に分散する。そして、終端部から、流入した粗分散液の圧力よりも低い圧力(背圧)の流体が、処理前フィルム用組成物として流出することになる。
 なお、粗分散液の背圧は、粗分散液の流れに負荷をかけることで粗分散液に負荷することができ、例えば、多段降圧器を分散器の下流側に配設することにより、粗分散液に所望の背圧を負荷することができる。
 そして、粗分散液の背圧を多段降圧器により多段階で降圧することで、最終的に処理前フィルム用組成物を大気圧に開放した際に、処理前フィルム用組成物中に気泡が発生するのを抑制できる。
 また、この分散器は、粗分散液を冷却するための熱交換器や冷却液供給機構を備えていてもよい。というのは、分散器でせん断力を与えられて高温になった粗分散液を冷却することにより、粗分散液中で気泡が発生するのをさらに抑制できるからである。
 なお、熱交換器等の配設に替えて、粗分散液を予め冷却しておくことでも、CNTを含む溶媒中で気泡が発生することを抑制できる。
 上記したように、この解砕効果が得られる分散処理では、キャビテーションの発生を抑制できるので、時として懸念されるキャビテーションに起因したCNTの損傷、特に、気泡が消滅する際の衝撃波に起因したCNTの損傷を抑制することができる。加えて、CNTへの気泡の付着や、気泡の発生によるエネルギーロスを抑制して、CNTを均一かつ効率的に分散させることができる。
 以上のような構成を有する分散システムとしては、例えば、製品名「BERYU SYSTEM PRO」(株式会社美粒製)などがある。そして、解砕効果が得られる分散処理は、このような分散システムを用い、分散条件を適切に制御することで、実施することができる。
[処理前フィルムの形成]
 処理前フィルムは、上述した処理前フィルム用組成物から、溶媒の少なくとも一部を除去することにより形成することができる。例えば、処理前フィルム用組成物を基材上に塗布又は流延などにより供給した後、基材上に形成された処理前フィルム用組成物の被膜から溶媒を除去することで、処理前フィルムを製造することができる。
 そして、処理前フィルムを塗布する基材としては、既知のものが挙げられ、例えば特開2014-199837号公報に記載のものを用いることができる。
 また処理前フィルム用組成物の被膜から溶媒を除去する方法は特に限定されず、当該被膜を加熱する方法や、当該被膜を室温下又は加熱下に減圧雰囲気下に置く方法等が挙げられる。これらの条件は、適宜設定することができる。
 なお、処理前フィルムの厚さは特に限定されないが、処理液接触工程における効率及び得られる熱電変換素子用フィルムの膜自立性を確保する観点から、0.1μm以上100μm以下が好ましい。
<処理液接触工程>
 次いで、上述した処理前フィルム形成工程を経て得られた処理前フィルムを処理液と接触させる。
[処理液]
 処理液としては、処理前フィルムに浸透して余剰な絶縁性高分子材料および/又は導電性材料を溶解等させて除去しうるものであれば特に限定されない。処理液としては、例えば、有機溶媒が好ましい。処理液として使用される有機溶媒の好適例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アニソール、トリメチルベンゼン、p-フルオロフェノール、p-クロロフェノール、o-クロロフェノール、およびパープルオロフェノール等の芳香族溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンチルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、および酢酸-3-メトキシブチル等のエーテル類;シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、およびジイソブチルケトン等のケトン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N,N,N,N-テトラメチル尿素、N-メチル-ε-カプロラクタム、およびヘキサメチルリン酸トリアミド等の含窒素極性有機溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸-n-ペンチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸-n-ブチル、γ-ブチロラクトン、およびγ-バレロラクトン等のエステル類;ジメチルスルホキシドが挙げられる。これらは一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
 そしてこれらの中でも、処理前フィルムからの余剰な絶縁性高分子材料および/または導電性材料の除去を効率良く行いつつ、熱電変換素子の熱電変換特性を更に高める観点からは、N-メチル-2-ピロリドン、メタノールが好ましく、N-メチル-2-ピロリドンがより好ましい。
[処理条件]
 ここで、本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法においては、処理前フィルムの密度をD(g/cm)、熱電変換素子用フィルムの密度をD(g/cm)とした場合、上述したようにD/Dが0.5超0.9未満であることが必要である。そして、D/Dは、0.7超であることが好ましく、0.8超であることがより好ましく、0.81超であることが更に好ましく、0.86未満であることが好ましく、0.85未満であることがより好ましい。D/Dが0.5以下であると、自立膜としての使用が困難となり、0.9以上であると、熱電変換素子の熱電変換特性の向上効果が十分に得られない。
 ここで、処理前フィルムの密度Dは、特に限定されないが、好ましくは1.1g/cm以上、より好ましくは1.2g/cm以上であり、好ましくは1.6g/cm以下、より好ましくは1.5g/cm以下である。また熱電変換素子用フィルムの密度Dは、特に限定されないが、好ましくは0.9g/cm以上、より好ましくは1.0g/cm以上であり、好ましくは1.4g/cm以下、より好ましくは1.3g/cm以下である。
 なお、処理前フィルムの密度Dおよび熱電変換素子用フィルムの密度Dは、アルキメデス法(一定の大きさに切断したフィルムの厚みと重量を測定して密度を算出する方法)を用いて算出することができる。
 また、上述した処理液を処理前フィルムに接触させる方法は特に限定されず、例えば、処理液の処理前フィルムへの塗布や、処理前フィルムの処理液中への浸漬等が挙げられる。これらの中でも密度が均一な熱電変換素子用フィルムを得る観点からは、処理前フィルムの処理液中への浸漬が好ましい。浸漬の際の条件はD/Dが所定の範囲内であれば特に限定されないが、例えば、浸漬液温度は25℃以上150℃以下、浸漬時間は5分以上12時間以下である。フィルムに熱を加えすぎると、材料変性や劣化、反応などが起こる可能性があるため、この程度の条件が好適である。
(熱電変換素子用フィルム)
 本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法により製造される熱電変換素子用フィルムは、上述した処理液接触工程を経ているため、余剰の絶縁性高分子材料および/または導電性材料が除去され熱電変換素子に十分に優れた熱電変換特性を発揮させることができる。また当該熱電変換素子用フィルムは、特にマトリックス樹脂である絶縁性高分子材料の処理液への過剰な溶出が抑制されているため、自立膜として良好に使用することができる。
(熱電変換素子)
 そして、本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法により製造される熱電変換素子用フィルムは、熱電変換素子の熱電変換材料層に使用することができる。熱電変換素子の構造は特に限定されず既知のものを採用することができる。熱電変換素子は、例えば基材上の熱電変換材料層に二つの電極を取り付けることで作製することができる。電極は特に限定されず、例えば特開2014-199837号公報に記載のものを用いることができる。また、熱電変換材料層と二つの電極の位置関係は、特に限定されない。例えば、熱電変換材料層の両端に電極が配置されていてもよいし、熱電変換材料層が二つの電極で挟まれていてもよい。
 そして、このような熱電変換素子は、複数の熱電変換素子を備える熱電変換モジュールに使用することができる。熱電変換モジュールとしては、例えば、複数の熱電変換素子を板状または円筒状に組み合わせてなる熱電変換モジュールが挙げられる。このような熱電変換モジュールは、本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法により製造される熱電変換素子用フィルムを熱電変換材料層として備える熱電変換素子を含んでいるため、高効率の発電が可能である。
 以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、評価および測定には以下の方法を採用した。
<パワーファクター(PF)>
 熱電特性評価装置(アドバンス理工社製、ZEM-3)を用いて、真空中50~110℃の温度下で、1~5℃程度の温度差をつけた時の、熱電変換素子用フィルムのゼーベック係数S(μV・K-1)および導電率σ(S・cm-1)を測定した。そしてパワーファクター(μW・m-1・K-2)を、下記式を用いて算出した。
  PF=S×σ/10000
 パワーファクターは温度変化当たりの発電力を示す指標であり、パワーファクターが大きい程熱電変換特性に優れることを意味する。
(実施例1)
<カーボンナノチューブの調製>
 国際公開第2006/011655号の記載に従い、スーパーグロース法によりCNT(SGCNT、単層CNTを含む。平均直径:4.5nm、BET比表面積:1020m/g)を調製した。
<ポリ(ニッケル 1,1,2,2-エテンテトラチオラート)の塩(可溶化PETT)の調製>
 1,3,4,6-テトラチアペンタレン-2,5-ジオン(TPD、東京化成社製)1g、ナトリウムメトキシド(和光純薬社製)1.2g、およびドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(DTAB、試薬、和光純薬社製)6.8gを、メタノール200mL中に溶解させた。得られた溶液を、12時間加熱還流させた。次いで、溶液中に塩化ニッケル(II)無水(和光純薬社製)0.63gを加えた。塩化ニッケル(II)無水の添加後、さらに、溶液を12時間加熱還流させた。12時間還流後、溶液を室温下に12時間静置し、沈殿を生成させた。生成した黒色の沈殿物を吸引ろ過により回収した。回収された沈殿物を、メタノール2L、水2L、およびジエチルエーテル50mLを順に用いて洗浄した後、乾燥させて、可溶化PETTを得た。得られた可溶化PETTの元素組成を分析したところ、その元素組成は、Ni:15.28質量%、Na:0.48質量%、S:38.56質量%、C:30.76質量%、N:1.49質量%、H:4.38質量%であった。この結果から、得られた可溶化PETTが、ナトリウムメトキシドに由来するナトリウムイオンと、DTABに由来するドデシルトリメチルアンモニウムイオンとを含んでいることが分かる。即ち、得られた可溶化PETTは、ナトリウム塩とドデシルトリメチルアンモニウム塩の混合物であることが分かる。
<処理前フィルム用組成物の調製>
 上述したカーボンナノチューブ100質量部、絶縁性高分子材料としてのポリイミド樹脂(ソルピー社製、TS-8、S1)267質量部、および導電性材料としての上述した可溶化PETT300質量部を、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)と共にスクリュー管内に投入し(この際の固形分濃度は15質量%であった)、超音波バスで10分間、超音波ホモジナイザーで10分間分散させて、処理前フィルム用組成物を得た。可溶化PETTはナノ粒子構造をとっており、SGCNTの表面に取り込まれ複合化された。なお、組成物中の可溶化PETTの粒子径を透過型電子顕微鏡で確認したところ、38±12nmであった。
<処理前フィルムの製造>
 上記得られた処理前フィルム用組成物を、石英基板上に塗布した後、同基板を60℃で10時間加熱して処理前フィルム用組成物を乾燥させて、処理前フィルム(厚さ:7μm)を得た。
<処理液接触工程>
 上記得られた処理前フィルムを、処理液としてのメタノール(25℃)の中に2時間浸漬した。その後、フィルムをメタノールから引き上げ、100℃のホットプレート上で乾燥させ、熱電変換素子用フィルムを得た。処理液接触工程前後のフィルムの密度(D、D)およびそれらの比(D/D)、並びに処理液接触工程前後のパワーファクター(PF)の値を表1に示す。また、得られた熱電変換素子用フィルムは十分な強度を有し、自立膜として使用が可能であることを確認した。
(実施例2)
 処理液としてNMPを用い、浸漬後の乾燥にホットプレートに替えて乾燥機を(乾燥温度:150℃、乾燥時間:12時間)用いた以外は、実施例1と同様にして、熱電変換素子用フィルムを得た。処理液接触工程前後のフィルムの密度(D、D)およびそれらの比(D/D)、並びに処理液接触工程前後のパワーファクター(PF)の値を表1に示す。また、得られた熱電変換素子用フィルムは十分な強度を有し、自立膜として使用が可能であることを確認した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表1から、実施例1~2において、処理液と接触させることで熱電変換素子用フィルムのパワーファクター(PF)が大幅に向上しており、即ち当該熱電変換素子用フィルムを熱電変換材料層に用いることで、熱電変換素子に十分に優れた熱電変換特性を発揮させうることがわかる。
 なお従来の製造方法では、熱電変換素子用フィルムの低密度化および優れた自立性の両立が困難な場合もあったが、所定の条件で処理液接触工程を行う本発明の製造方法によれば、このような熱電変換素子用フィルムを効率良く製造することができる。
 本発明の熱電変換素子用フィルムの製造方法によれば、膜自立性が確保され、且つ熱電変換素子に十分に優れた熱電変換特性を発揮させうる熱電変換素子用フィルムを提供することができる。

Claims (5)

  1.  カーボンナノチューブと、絶縁性高分子材料と、導電性材料とを含む処理前フィルム用組成物を用いて処理前フィルムを形成する工程と、
     前記処理前フィルムを処理液と接触させて熱電変換素子用フィルムを得る工程と、を備え、
     前記処理前フィルムの密度をD(g/cm)、前記熱電変換素子用フィルムの密度をD(g/cm)とした際に、D/Dの値が0.5超0.9未満である、熱電変換素子用フィルムの製造方法。
  2.  前記導電性材料がポリ(M 1,1,2,2-エテンテトラチオラート)の塩[ここで、Mは金属を表す]を含む、請求項1に記載の熱電変換素子用フィルムの製造方法。
  3.  前記絶縁性高分子材料がポリイミド樹脂を含む、請求項1または2に記載の熱電変換素子用フィルムの製造方法。
  4.  前記カーボンナノチューブの比表面積が600m/g以上である、請求項1~3の何れかに記載の熱電変換素子用フィルムの製造方法。
  5.  前記処理液がN-メチル-2-ピロリドンを含む、請求項1~4の何れかに記載の熱電変換素子用フィルムの製造方法。
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