JP2016171246A - 熱電子発電素子及びその製造方法 - Google Patents

熱電子発電素子及びその製造方法 Download PDF

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Mitsuhiro Kataoka
光浩 片岡
裕治 木村
Yuji Kimura
裕治 木村
進 祖父江
Susumu Sofue
進 祖父江
直也 森岡
Naoya Morioka
直也 森岡
山崎 聡
Satoshi Yamazaki
聡 山崎
竹内 大輔
Daisuke Takeuchi
大輔 竹内
宙光 加藤
Hiromitsu Kato
宙光 加藤
一之 渡辺
Kazuyuki Watanabe
一之 渡辺
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Abstract

【課題】発電効率が高い熱電子発電素子を提供する。【解決手段】熱電子発電素子1は、熱電子を発生させるエミッタ2と、熱電子を収集するコレクタ3とを有する。エミッタ2は、電気伝導性を有するエミッタ基板21と、エミッタ基板21に積層された第1層22と、第1層22に積層された第2層23と、第2層23の最表面に形成された終端層24とを有している。第1層22はPをドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体より構成されている。第2層23はNをドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体より構成されており、40nm以下の膜厚を有する。終端層24はアルカリ金属元素及びMgからなる群より選ばれる1種または2種以上の特定金属元素Mを含んでいる。コレクタ3は、電気伝導性を有するコレクタ基板31を少なくとも有し、エミッタ2に対面して間隙dを介して配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電子発電素子及びその製造方法に関する。
熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電素子として、熱電子放出を利用して起電力を発生する熱電子発電素子がある。例えば、特許文献1には、導電性基板上に第1のダイヤモンド層と第2のダイヤモンド層とを形成してなる電子放出装置の例が開示されている。特許文献1の電子放出装置は、第1のダイヤモンド層に添加するドーパントにP(リン)を用い、第2のダイヤモンド層に添加するドーパントにN(窒素)を用いることにより、熱電子電流の大きさを増大させることを図っている。
特開2009−238690号公報
しかしながら、特許文献1の熱電子放出装置は、熱電子発電素子に用いるものとしては熱電子電流の大きさが未だ不十分であり、発電効率が低いという問題がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、発電効率が高い熱電子発電素子を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、電気伝導性を有するエミッタ基板と、P(リン)をドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体よりなり、上記エミッタ基板上に積層された第1層と、N(窒素)をドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体よりなり、40nm以下の膜厚を有し、上記第1層上に積層された第2層と、アルカリ金属元素及びMg(マグネシウム)からなる群より選ばれる1種または2種以上の特定金属元素Mが含まれており、上記第2層の最表面に形成された終端層とを有し、熱電子を発生させるエミッタと、
電気伝導性を有するコレクタ基板を少なくとも有し、上記エミッタに対面して間隙を介して配置され、上記熱電子を収集するコレクタとを有していることを特徴とする熱電子発電素子にある。
本発明の他の態様は、電気伝導性を有するエミッタ基板上にP(リン)をドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体よりなる第1層を形成し、
次いで、該第1層上にN(窒素)をドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体よりなる第2層を形成し、
その後、該第2層の最表面にアルカリ金属元素及びMgからなる群より選ばれる1種または2種以上の特定金属元素Mを吸着させることにより終端層を形成して、上記エミッタ基板、上記第1層、上記第2層及び上記終端層を備えたエミッタを作製し、
電気伝導性を有するコレクタ基板を少なくとも有するコレクタを上記エミッタとは別に準備し、
上記エミッタと上記コレクタとを間隔をあけて互いに対面させることを特徴とする熱電子発電素子の製造方法にある。
上記熱電子発電素子は、上記エミッタ基板上に、上記第1層と、上記特定の膜厚を有する上記第2層と、上記第2層の最表面に形成された上記終端層とを備えたエミッタを有している。上記エミッタは、上記第2層の膜厚を40nm以下と薄くすることにより、比較的抵抗率の大きい上記第2層の影響が低減されると考えられる。その結果、厚み方向におけるエミッタの内部抵抗を小さくすることができる。
また、上記第2層の最表面には特定金属元素Mが存在している。これにより、上記第2層の仕事関数を大幅に低減することができる。
以上のように、上記エミッタは、上記特定の構成を有することにより、内部抵抗を低減させると共に仕事関数を低減することができる。これらの結果、上記熱電子発電素子は、上記エミッタから発生する熱電子電流を従来よりも格段に増大させることができ、ひいては発電効率をより向上させることができる。
また、上記熱電子発電素子の製造方法によれば、上記熱電子発電素子を容易に製造することができる。
実施例1における、熱電子発電素子の説明図。 実施例1における、終端層の一例を示す一部拡大断面図。 実施例1における、エミッタのエネルギーバンドの説明図。 エミッタ基板の上に第2層のみを積層した場合のエネルギーバンドの説明図。 エミッタ基板の上に第1層のみを積層した場合のエネルギーバンドの説明図。 実施例3における、LiO基が構成された終端層の一例を示す一部拡大断面図。 参考例における、第2層の膜厚を変更して作製した試料の熱電子電流の大きさを示すグラフ。
上記熱電子発電素子において、エミッタの第1層は、Pのドーパント濃度が1×1019cm-3以上であるn型ダイヤモンド半導体から構成されていることが好ましい。この場合には、第1層における厚み方向の内部抵抗を十分に小さくでき、熱電子電流をより増大させることができる。Pのドーパント濃度は高いほど内部抵抗を小さくできるが、ドーパント濃度が1×1021cm-3を超える場合には、ドープ量に見合った内部抵抗の低減効果を得ることが難しい。
第2層は、Nのドーパント濃度が1×1020cm-3以上であるn型ダイヤモンド半導体から構成されていることが好ましい。この場合には、第2層における厚み方向の内部抵抗を十分に小さくでき、熱電子電流をより増大させることができる。Nのドーパント濃度は高いほど内部抵抗を小さくできるが、ドーパント濃度が1×1021cm-3を超える場合には、ドープ量に見合った効果を得ることが難しい。
第2層の膜厚は、上述したように40nm以下である。第2層の膜厚が40nmを超える場合には、熱電子電流を増大させることが困難となる。一方、第2層の膜厚が過度に薄い場合には、第2層が均一に形成されにくく、第1層がエミッタの表面に露出するおそれがある。この場合には、第2層を積層させた効果が得られず、かえって発電効率が低下するおそれがある。それ故、第2層の膜厚は、1nm以上40nm以下であることが好ましい。
第2層の最表面にはアルカリ金属元素及びMgからなる群より選ばれる1種または2種以上の特定金属元素Mを含む終端層が形成されている。終端層に存在する特定金属元素Mの化学状態を特定することは困難であるが、例えば、特定金属元素Mは、第2層を構成するn型ダイヤモンド半導体の最表面に直接結合していてもよい。即ち、第2層を構成するn型ダイヤモンド半導体は上記終端層に存在する上記特定金属元素Mにより終端されていてもよい。
上記終端層は、例えば、マイクロ波プラズマCVD(化学気相成長)法等の方法により第1層及び第2層を順次形成した後、真空中で加熱する等の方法により最表面に結合する水素を脱離させ、その後に連続して特定金属元素Mを吸着させることにより容易に形成することができる。ここで、上述した「連続して」とは、第2層の最表面に結合した水素を脱離させた後、その最表面を大気に晒すことなく特定金属元素Mを吸着させることをいう。
また、上記終端層は、特定金属元素M及びOを含んでいてもよい。この場合には、上記終端層に存在する特定金属元素MとOとがMO基を構成しており、上記第2層を構成するn型ダイヤモンド半導体が上記MO基により終端されていることがより好ましい。
MO基を含む上記終端層は、例えば、上述と同様に第1層及び第2層の形成を行った後、表面酸化処理を施して第2層の最表面を酸素終端し、その後に第2層の最表面に特定金属元素Mを吸着させることにより形成することができる。上述した表面酸化処理としては、例えば、最表面をオゾンにより酸化するオゾン酸化処理等を採用することができる。
上記終端層に含まれるアルカリ金属元素としては、例えば、Li(リチウム)、Na(ナトリウム)、K(カリウム)またはCs(セシウム)を採用することができる。第2層を構成するn型ダイヤモンド半導体が上記アルカリ金属元素により終端されている場合には、アルカリ金属元素としてNaを用いることにより、仕事関数をより小さくすることができる。
上記終端層に含まれる特定金属元素Mの量は、0.2分子層以上10分子層以下に相当する量であることが好ましい。この場合には、上記終端層を確実に形成し、エミッタの熱電子放出特性を改善することができる。
上記終端層に含まれる特定金属元素Mの量が0.2分子層未満の場合には、仕事関数を低減する効果が不十分となるおそれがある。一方、特定金属元素Mの量が10分子層を超える場合には、終端層に含まれる特定金属元素Mが過剰となるおそれがある。また、場合によってはエミッタの表面に特定金属元素Mの膜が形成され、比較的低い温度範囲での熱電子の放出を阻害するおそれがある。
以上より、特定金属元素Mによる作用効果を十分に得る観点から、特定金属元素Mの量は、0.2分子層以上10分子層以下に相当する量であることが好ましい。
また、上記終端層に含まれる特定金属元素Mの量は、0.2分子層以上1分子層以下に相当する量であることがより好ましい。この場合には、上記終端層内での特定金属元素Mの安定性が向上し、高温に加熱された際に特定金属元素Mが上記終端層から脱離しにくくなる。また、この場合には、エミッタの仕事関数を効果的に小さくすることができる。これは、特定金属元素Mの量を1分子層以下にすることにより、特定金属元素Mまたは上記MO基が上記第2層の再表面に直接結合しやすくなり、結果として特定金属元素Mの吸着エネルギーが大きくなると共に表面の性質を効果的に変化させることができるためと考えられる。
ダイヤモンド層の最表面が水素終端された従来の熱電子発電素子においては、ダイヤモンド層が700℃以上に加熱されると最表面から水素が脱離し始めることが確認されている。それ故、従来の熱電子発電素子は、例えば700℃以上の高温において使用することが困難であり、発電効率の向上には限界があった。また、従来の熱電子発電素子は、長期間に亘って使用すると次第に熱電子放出特性が低下するという問題があった。
一方、上記熱電子発電素子は、特定金属元素Mの量を上記特定の範囲にすることにより、上記終端層内からの特定金属元素Mの脱離を抑制することができる。その結果、上記熱電子発電素子は、従来の熱電子発電素子よりも高い温度においても優れた熱電子放出特性を有すると共に、長期間に亘って優れた熱電子放出特性を維持することができる。
また、エミッタ及びコレクタは、厚み方向における内部抵抗が1Ωcm2以下であることが好ましい。この場合には、熱電子に由来する電流がエミッタやコレクタを通過する際の電圧降下を小さくし、これに由来する損失を十分に低減することができる。その結果、熱電子発電素子の発電効率をより向上させることができる。
エミッタ基板は、Si(シリコン)、Ti(チタン)、Mo(モリブデン)、Ir(イリジウム)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Ru(ルテニウム)、Cr(
クロム)またはPt(白金)のいずれかより構成されていることが好ましい。これらの材質よりなるエミッタ基板は、第1層を作製する際にダイヤモンドの核を生成させやすい。また、これらの材質よりなるエミッタ基板上に生成したダイヤモンド半導体は、ダイヤモンド半導体を成長させる温度領域において、エミッタ基板から剥離しにくい。それ故、この場合には、欠陥等が少なく、膜質の良好なn型ダイヤモンド半導体よりなる第1層を作製できる。その結果、厚み方向におけるエミッタの内部抵抗をより低減することができ、発電効率をより向上させることができる。
上述した材質のうち、エミッタ基板としては、Siを用いることがより好ましい。Siは、不純物や結晶欠陥等が少なく、大面積で高品質な素材を容易に入手することができる。そのため、熱電子発電素子の製造コストをより容易に低減することができる。
また、上記エミッタは、エミッタ基板と第1層との間に界面中間層を有していてもよい。界面中間層は、その厚み方向の抵抗と、エミッタ基板との間の界面抵抗と、第1層との間の界面抵抗との和が、エミッタ基板と第1層との間の界面抵抗よりも小さくなるよう構成されていることが好ましい。この場合には、厚み方向におけるエミッタの内部抵抗をより低減することができる。その結果、熱電子発電素子の発電効率をより向上させることができる。
上述した界面中間層としては、例えば金属炭化物を用いることができる。金属炭化物としては、例えば炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン、炭化モリブデン、炭化珪素、炭化クロム等を挙げることができ、これらの中でも、炭化チタンを用いることがより好ましい。
(実施例1)
上記熱電子発電素子の実施例について、図1〜図5を用いて説明する。図1に示すように、熱電子発電素子1は、熱電子を発生させるエミッタ2と、エミッタ2に対面して間隙dを介して配置され、熱電子を収集するコレクタ3とを有している。エミッタ2は、電気伝導性を有するエミッタ基板21と、エミッタ基板21に積層された第1層22と、第1層上に積層された第2層23と、第2層23の最表面に形成された終端層24とを有している。
第1層22はPをドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体より構成されている。第2層23はNをドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体より構成されており、40nm以下の膜厚を有している。図2に示すように、終端層24には、0.2〜10分子層に相当する量の特定金属元素Mが含まれている。なお、本例においては、特定金属元素Mとしてアルカリ金属元素を用いている。
また、コレクタ3は、電気伝導性を有するコレクタ基板31を少なくとも有している。以下、熱電子発電素子1のより詳細な構成に
ついて、製造方法と共に説明する。
本例のエミッタ基板21は、Moより構成されている。エミッタ基板21は、後述するように、外部負荷4を接続する電極を兼ねている。
第1層22を構成するn型ダイヤモンド半導体は、例えば、炭素源としてCH4ガス、リン源としてPH3ガス、キャリアガスとしてH2ガスを用いたマイクロ波プラズマCVD法により成膜することができる。第1層22の成膜条件は、例えば以下の通りである。
・基板温度:1000℃
・H2ガス流量に対するCH4ガス流量の比(CH4流量/H2流量):0.01
・CH4ガス流量に対するPH3ガス流量の比(PH3流量/CH4流量):0.05
・成膜時圧力:30Torr
・マイクロ波出力:750W
・膜厚 1.0μm
・Pのドーパント濃度 1×1020cm-3
第2層23を構成するn型ダイヤモンド半導体は、例えば、炭素源としてCH4ガス、窒素源としてN2ガス、キャリアガスとしてH2ガスを用いたマイクロ波プラズマCVD法により成膜することができる。第2層23の成膜は、通常、第1層22の成膜が完了した後、第1層22を大気に露出させることなく行う。第2層23の成膜条件は、例えば以下の通りである。
・基板温度:1000℃
・H2ガス流量に対するCH4ガス流量の比(CH4流量/H2流量):0.01
・CH4ガス流量に対するN2ガス流量の比(N2流量/CH4流量):10
・成膜時圧力:50Torr
・マイクロ波出力:1000W
・膜厚 40nm
・Nのドーパント濃度 5×1020cm-3
エミッタ基板21上に第1層22及び第2層23を成膜した後、第1層22及び第2層23を大気に露出させることなく、第2層23の最表面に特定金属元素Mを吸着させる。これにより、第2層23の最表面に終端層24を形成することができる。本例の終端層24に含まれる特定金属元素Mは、第2層23を構成するn型ダイヤモンド半導体の最表面に結合すると推定できる。即ち、第2層23を構成するn型ダイヤモンド半導体は、例えば図2に示すように、終端層24に存在する特定金属元素Mにより終端されていると推定できる。
第2層23への特定金属元素Mの吸着は、例えばアルカリ金属ディスペンサーを用いて行うことができる。より具体的には、アルカリ金属ディスペンサーから供給した特定金属元素Mの雰囲気に第2層23の最表面を曝露することにより、第2層23の最表面に特定金属元素Mを吸着させることができる。なお、特定金属元素Mの吸着量は、XPS(X線光電子分光法)を用いて測定することができる。また、上記ディスペンサーから供給されるアルカリ金属元素としては、例えばLi、Na、K及びCsのいずれかを用いることができる。
コレクタ3は、Moよりなるコレクタ基板31の上に、膜厚2.5μmの第1層32と膜厚20nmの第2層33とが順次積層された構造を有している。第1層32及び第2層33の成膜条件は、エミッタ2における第1層22及び第2層23と同様である。
エミッタ2とコレクタ3との間の間隙dの大きさは特に限定されることはないが、本例においては、間隙dが20〜30μm程度となるようにエミッタ2及びコレクタ3を配置している。また、エミッタ2とコレクタ3との間の空間は、1×10-5Pa以下に減圧されている。
熱電子発電素子1を動作させる場合には、図1に示すように、エミッタ基板21とコレクタ基板31とを外部負荷4を介して接続し、この状態でエミッタ2を加熱する。これにより、エミッタ2の表面から熱電子がエミッタ2とコレクタ3との間の間隙dに放出され、コレクタ3に収集される。そして、コレクタ3に収集された電子は、コレクタ基板31から外部回路へ流れ(矢印101参照)、外部負荷4を通過してエミッタ2に帰還する(矢印102参照)。
次に、本例の作用効果について、図3〜図5を参照しつつ説明する。図3は、エミッタ2のエネルギーバンドの一例である。図3の縦方向の位置はエネルギー準位に対応しており、上方にある準位ほど高いエネルギー準位にあることを示している。また、エミッタの表面に対応する縦線200及び第1層22と第2層23との境界に対応する縦線230の2本の縦線により横方向を3つの領域221、231、201に区画した。
そして、左側の領域221には第1層22の伝導帯の下端222、不純物準位223及び価電子帯の上端224を示した。また、中央の領域231には第2層23の伝導帯の下端232、不純物準位233及び価電子帯の上端234を示した。なお、終端層24の膜厚はごく薄いため、第2層23と終端層24との境界及び終端層24内のエネルギーバンドは、便宜上図3への記載を省略している。
また、図4は、エミッタ基板21の上に第2層23のみを積層したエミッタ2のエネルギーバンドの一例である。図4の縦方向の位置は、図3と同様にエネルギー準位に対応している。また、表面に対応する縦線200に対して左側の領域231に第2層23のエネルギーバンドを示した。
同様に、図5は、エミッタ基板21の上に第1層22のみを積層したエミッタのエネルギーバンドの一例である。図5の縦方向の位置は、図3と同様にエネルギー準位に対応している。また、表面に対応する縦線200に対して左側の領域221に第1層22のエネルギーバンドを示した。なお、図4及び図5において用いた符号のうち、図3と同一の符号は、特に示さない限り図3と同様の構成要素等を表す。
図3及び図4より知られるように、第1層22を構成するn型ダイヤモンド半導体の不純物準位223は、第2層23を構成するn型ダイヤモンド半導体の不純物準位233よりも伝導帯の下端222、232に近い位置に形成される。そのため、第1層22は、第2層23に比べてホッピング伝導が起き易く、抵抗率が小さくなる。それ故、図4に示すように第1層22を設けない場合に比べて、本例のエミッタ2(図3参照)は、厚み方向における内部抵抗を低減することができる。
また、図5より知られるように、第1層22を構成するn型ダイヤモンド半導体をエミッタ2の表面に露出させると、表面の近傍において、伝導帯の下端222に上向きの曲がり225が生じる。そのため、電子6がエミッタ2から放出されにくくなり、熱電子電流を増大させにくくなる。これは、Pをドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体は、エミッタ2の表面に露出させた場合に欠陥準位が形成されやすい性質を有するためと考えられる。一方、図3及び図4に示すように、Nをドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体は、エミッタ2の表面に露出させた場合に欠陥準位が形成されにくく、表面近傍において伝導帯の曲がりが生じにくい。それ故、図5に示すように第1層22の上に第2層23を積層しない場合に比べて、本例のエミッタ2(図3参照)は表面近傍における障壁を低減でき、熱電子電流を増大させ易くなる。
そして、本例のエミッタ2は、第2層23の膜厚が40nm以下である。それ故、第1層22に比べて抵抗率の高い第2層23が、エミッタ2全体の内部抵抗に及ぼす影響を低減することができると考えられる。
また、本例のエミッタ2は、第2層23を構成するn型ダイヤモンド半導体が、終端層24に含まれる特定金属元素Mにより終端されている。そのため、エミッタ2の内部において熱励起された電子6がエミッタ2の表面から放出され易くなる。
以上の結果、本例の熱電子発電素子1は、熱電子電流をより増大させ易くなり、発電効率をより向上させることができる。
(実施例2)
本例は、特定金属元素Mを変更したときのエミッタ2の仕事関数の変化を第一原理計算により評価した例である。第一原理計算は、以下の条件により行った。
第一原理計算に用いた計算コードは、第一原理電子状態計算パッケージ ABINITである。計算に用いたポテンシャル関数はノルム保存擬ポテンシャルとした。
構造モデルとしては、計算領域内に、第2層23及び終端層24に相当する膜部と、厚み方向における膜部の両側に配置された真空部とを有するスラブモデルを採用した。膜部は、ダイヤモンド単位胞が厚み方向に10層積層され、厚み方向の両側が(111)表面からなり、周期が2×1である表面単位胞を有する構造を有している。また、膜部の表面に存在するダングリングボンドは、特定金属元素Mにより終端されている。
以上の条件及び構造モデルを用いて第一原理計算を行った。得られた結果の中からKohn−Sham方程式のHamiltonianの計算結果を抽出し、その中の有効ポテンシャルを用いて仕事関数を算出した。具体的には、まず、計算領域を厚み方向に仮想的に分割し、各領域における有効ポテンシャルの平均値を算出した。そして、真空領域の中心部における有効ポテンシャルの平均値から、計算により得られたフェルミエネルギーを差し引いた値を仕事関数とした。
以上の計算を、膜部を終端した元素を変更して行った結果を表1に示す。なお、本例においては、各元素について、吸着量が0.25分子層相当の場合及び1分子層相当の場合の2種の構造モデルを作成し、計算を行った。また、ダングリングボンドを特定金属元素Mにより終端した場合との比較のため、ダングリングボンドを水素終端した構造モデル、及び、ダングリングボンドが終端されていない清浄表面の構造モデルについても計算を行った。
Figure 2016171246
表1より知られるように、Li、Na及びKにより膜部を終端した構造モデルの仕事関数は、H(水素)により膜部を終端した構造モデルの仕事関数よりも小さくなった。
熱電子発電素子1の発電特性は、例えばG.W.サットン『直接エネルギー変換』(好学社、1968年)に記載されているように、以下の式(1)及び式(2)のように表すことができる。
o=AVoE 2exp{−e(Vo+ΦE)/kTE} ・・・(1)
o=ATE 2exp{−e(Vo+ΦE)/kTE} ・・・(2)
なお、上記式(1)及び式(2)において使用した記号の意味は以下の通りである。
o(W/cm2):単位面積当たりの最大出力密度
o(A/cm2):最大出力密度が得られるときの熱電子電流の電流密度
o(V):最大出力密度が得られるときの電圧
E(K):エミッタの温度
ΦE(eV):エミッタの仕事関数
A(A/cm22):リチャードソン定数
e(C):電気素量
k(J/K):ボルツマン定数
上記式(1)及び式(2)より知られるように、エミッタの仕事関数ΦEの値を小さくすることにより、最大出力密度Wo及びそのときの熱電子電流の電流密度Joを大きくすることができる。それ故、特定金属元素Mにより第2層23の表面が終端されたエミッタ2は、従来に比べて熱電子電流をより増大させ易くなり、発電効率をより向上させることができる。
(実施例3)
本例は、第2層23の表面をMO基により終端した熱電子発電素子1の例である。本例においては、実施例1と同様の条件によりエミッタ基板21上に第1層22及び第2層23を形成する。次いで、表面酸化処理を施すことにより、第2層23の最表面に酸素を含む官能基F(図6参照)を形成し、第2層23を構成するn型ダイヤモンド半導体を酸素終端する。表面酸化処理としては、例えば、第2層23の表面を酸素雰囲気に曝露しつつ紫外光を照射するUVオゾン処理等の方法を採用することができる。
第2層23の最表面に表面酸化処理を施した後、第2層23の最表面にLiを吸着させる。これにより、第2層23の最表面にLi及びOを含む終端層24bを形成することができる。本例の終端層24bに含まれるLiは、図6に一例を示すように、上述した官能基Fと反応し、LiO基を形成していると考えられる。即ち、第2層23を構成するn型ダイヤモンド半導体は、終端層24bに存在するLiとOとからなるLiO基により終端されていると推定できる。
その他は実施例1と同様である。なお、本例において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に説明のない限り実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例においては、LiO基により第2層23の表面を終端したときのエミッタ2の仕事関数を第一原理計算により評価した。具体的には、実施例2の構造モデルにおけるダングリングボンドをLiO基により終端した以外は、実施例2と同様の方法により仕事関数を算出した。その結果、LiO基により終端した構造モデルの仕事関数は1.78eVであった。
この結果から、第2層23の表面をLiO基により終端した熱電子発電素子1は、エミッタ2の仕事関数をより低減することができ、優れた熱電子放出特性を有することが理解できる。
(参考例)
本例は、第2層23の膜厚を種々の厚みに変更した参考例である。本例の第1層22を構成するn型ダイヤモンド半導体及び第2層23を構成するn型ダイヤモンド半導体は、実施例1と同様の条件を用いたマイクロ波プラズマCVD法により成膜した。第1層22の膜厚は2.5μmとし、Pのドーパント濃度は1×1020cm-3とした。また、第2層23におけるNのドーパント濃度は3×1020cm-3とした。
また、エミッタ基板21上に第1層22及び第2層23を成膜した後、第2層23の最表面に水素プラズマ処理を施し、第2層23の最表面を水素化させる処理を行った。更に、水素プラズマ処理に続けて、エミッタ2を水素雰囲気中に置くことにより第2層23の最表面を水素終端させる処理を行った。
本例においては、表2に示すように、第2層23の膜厚が異なる4種の試料(試料E1〜E2及び試料C1〜C2)を作製した。更に、本例においては、試料E1〜E2及び試料C1〜C2との比較のために、エミッタ基板21と第2層23とを積層させた試料C3及びエミッタ基板21と第1層22とを積層させた試料C4を作製した。試料C3における第2層23の膜厚は2.0μmであり、Nのドーパント濃度は3×1020cm-3である。また、試料C4における第1層22の膜厚は2.5μmであり、Pのドーパント濃度は1×1020cm-3である。
また、本例の試料E1は、その厚み方向における単位面積当たりの内部抵抗が約0.7Ωcm2となった。なお、内部抵抗の測定は、2端子法を用いて行った。内部抵抗の測定に当たっては、試料E1における第2層23の最表面に金属電極を蒸着して形成し、この金属電極とエミッタ基板21とを2端子法の測定に用いる端子として用いた。
以上により得られた6種の試料について、以下の方法により熱電子放出性能の評価を行った。
まず、真空容器内に配置されたカソード電極に試料を取り付け、カソード電極とエミッタ基板21とを電気的に接触させた。次いで、真空容器内の圧力が1×10-5Pa以下となるまで真空容器内の排気を行った。真空装置内の排気が完了した後、試料を600℃まで加熱し、カソード電極と、間隙を介してカソード電極に対面して配置されたアノード電極との間に電圧を印加し、両電極の間に電界強度が0.025V/μmとなる電界を形成させた。そして、試料から発生した熱電子電流を測定した。
なお、上述した方法により得られる熱電子電流の大きさは、各々の試料をエミッタ2として熱電子発電素子1を構成したときの熱電子電流の大きさに概ね比例すると考えられる。
表2及び図7に、各試料から発生した熱電子電流の大きさをエミッタ2の表面における単位面積当たりの電流密度に換算した結果を示す。なお、図7の縦軸は熱電子電流の電流密度であり、横軸は第2層23の膜厚である。
Figure 2016171246
表2及び図7より知られるように、第2層23の膜厚が40nm以下となる試料E1及び試料E2は、膜厚が40nmを超える試料C1及び試料C2や、第2層23のみを有する試料C3、第1層22のみを有する試料C4に比べて、熱電子電流の電流密度が格段に大きくなった。
また、表2より知られるように、第1層22上に膜厚60nmの第2層23を積層した試料C1は、第2層23のみを有する試料C3と同程度の電流密度を示した。このことから、第2層23の膜厚が60nm以上の場合には、第2層23の内部抵抗が熱電子放出性能に影響し、第1層22と第2層23とを積層させた効果が得られなくなっていると推測できる。従って、エミッタ基板21上に第1層22と第2層23とを積層させ、熱電子電流を増大させる作用効果を得るためには、第2層23の膜厚を40nm以下とすることが必要であることが理解できる。
なお、本例においては、特定金属元素Mを含む終端層24、24bの形成に替えて、第2層23の表面を水素終端しているが、第2層23の膜厚が熱電子電流の大きさに及ぼす影響は、特定金属元素Mを含む終端層24、24bを形成した場合と本質的に同じである。
上述した実施例1〜3及び参考例には、エミッタ基板21の上に第1層22を直接積層させた例を示したが、エミッタ基板21と第1層22との間に界面中間層を具備させる構成をとることもできる。例えば、炭化チタンよりなる界面中間層を形成させる場合には、以下の方法をとることができる。
まず、エミッタ基板21の上に、蒸着によりチタン薄膜を作製する。次いで、第1層22及び第2層23をマイクロ波プラズマCVD法等により作製する。これにより、チタン薄膜と第1層22に含まれる炭素とが反応し、炭化チタンよりなる界面中間層が形成される。
炭化チタンよりなる界面中間層を形成する場合には、界面中間層を形成しない場合に比べて、厚み方向におけるエミッタ2の内部抵抗をより低減することができる。そのため、熱電子電流をより増大させることができ、発電効率をより向上させることができる。
1 熱電子発電素子
2 エミッタ
21 エミッタ基板
22 第1層
23 第2層
3 コレクタ
31 コレクタ基板

Claims (15)

  1. 電気伝導性を有するエミッタ基板(21)と、Pをドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体よりなり、上記エミッタ基板(21)上に積層された第1層(22)と、Nをドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体よりなり、40nm以下の膜厚を有し、上記第1層(22)上に積層された第2層(23)と、アルカリ金属元素及びMgからなる群より選ばれる1種または2種以上の特定金属元素Mが含まれており、上記第2層(23)の最表面に形成された終端層(24、24b)とを有し、熱電子を発生させるエミッタ(2)と、
    電気伝導性を有するコレクタ基板(31)を少なくとも有し、上記エミッタ(2)に対面して間隙(d)を介して配置され、上記熱電子を収集するコレクタ(3)とを有していることを特徴とする熱電子発電素子(1)。
  2. 上記第2層(23)を構成するn型ダイヤモンド半導体は、上記終端層(24)に存在する上記特定金属元素Mにより終端されていることを特徴とする請求項1に記載の熱電子発電素子(1)。
  3. 上記終端層(24b)は、更にOを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の熱電子発電素子。
  4. 上記終端層(24b)に存在する上記特定金属元素MとOとがMO基を構成しており、上記第2層(23)を構成するn型ダイヤモンド半導体は上記MO基により終端されていることを特徴とする請求項3に記載の熱電子発電素子。
  5. 上記アルカリ金属元素は、Li、Na、KまたはCsのいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電子発電素子(1)。
  6. 上記終端層(24、24b)に含まれる上記特定金属元素Mの量は、0.2分子層以上10分子層以下に相当する量であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱電子発電素子(1)。
  7. 上記エミッタ(2)及び上記コレクタ(3)は、厚み方向における内部抵抗が1Ωcm2以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱電子発電素子(1)。
  8. 上記エミッタ基板(21)は、Si、Ti、Mo、Ir、Ta、W、Ru、CrまたはPtのいずれかより構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱電子発電素子(1)。
  9. 上記エミッタ基板(21)と上記第1層(22)との間に界面中間層を有しており、該界面中間層は、その厚み方向の抵抗と、上記エミッタ基板(21)との間の界面抵抗と、上記第1層(22)との間の界面抵抗との和が、上記エミッタ基板(21)と上記第1層(22)との間の界面抵抗よりも小さくなるよう構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱電子発電素子(1)。
  10. 上記界面中間層は、金属炭化物より構成されていることを特徴とする請求項9に記載の熱電子発電素子(1)。
  11. 電気伝導性を有するエミッタ基板(21)上にPをドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体よりなる第1層(22)を形成し、
    次いで、該第1層(22)上にNをドナーとして含有するn型ダイヤモンド半導体よりなる第2層(23)を形成し、
    その後、該第2層(23)の最表面にアルカリ金属元素及びMgからなる群より選ばれる1種または2種以上の特定金属元素Mを吸着させることにより終端層(24、24b)を形成して、上記エミッタ基板(21)、上記第1層(22)、上記第2層(23)及び上記終端層(24、24b)を備えたエミッタ(2)を作製し、
    電気伝導性を有するコレクタ基板(31)を少なくとも有するコレクタ(3)を上記エミッタ(2)とは別に準備し、
    上記エミッタ(2)と上記コレクタ(3)とを間隔(d)をあけて互いに対面させることを特徴とする熱電子発電素子(1)の製造方法。
  12. 上記第2層(23)を形成した後、上記アルカリ金属Mを上記第2層(23)上に吸着させることにより上記終端層(24)を形成することを特徴とする請求項11に記載の熱電子発電素子(1)の製造方法。
  13. 上記第2層(23)を形成した後、表面酸化処理を施して上記第2層(23)の上記最表面を酸素終端し、その後、上記第2層(23)の上記最表面に上記特定金属元素Mを吸着させることにより該特定金属元素M及びOを含む上記終端層(24b)を形成することを特徴とする請求項11に記載の熱電子発電素子の製造方法。
  14. 上記アルカリ金属元素は、Li、Na、KまたはCsのいずれかであることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の熱電子発電素子の製造方法。
  15. 上記第2層(23)の上記最表面への上記特定金属元素Mの吸着量は、0.2分子層以上10分子層以下に相当する量であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の熱電子発電素子の製造方法。
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