JP2016171097A - 積層ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】本明細書は、冷却器の流路の圧力損失の増加を抑えつつ、冷却器の冷却効率を高めた積層ユニットを提供する。【解決手段】本明細書が開示する積層ユニットは、夫々が半導体素子を収容している複数のパワーモジュールと、複数のパワーモジュールと一つずつ交互に積層されている複数の冷却器と、冷媒供給管と、冷媒排出管と、を備える。冷媒供給管は複数の冷却器に接続されており、各冷却器に冷媒を供給する。冷媒排出管は、複数の冷却器に接続されており、各冷却器を通過した冷媒を排出する。各冷却器のパワーモジュールと対向する側板の裏面に沿って、冷媒が通過する流路P2が設けられている。当該裏面に、複数のピンフィン33bが設けられている。そして、複数のピンフィン33bの延設方向から見たときに、ピンフィンの冷媒の流れ方向における幅が、流れ方向と直交する方向における幅より小さい。【選択図】図3
Description
本明細書が開示する技術は、積層ユニットに関する。特に、半導体素子を収容したパワーモジュールと冷却器とが一つずつ交互に積層されている積層ユニットに関する。
スイッチング素子、または、パワー素子と呼ばれる電力変換用の半導体素子は、発熱量が大きい。例えば、電動車両の駆動用モータに電力を供給する電力変換器に用いられる半導体素子は、特に発熱量が大きい。
半導体素子を効率よく冷却するための技術が、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1には、半導体素子を収容する複数のパワーモジュール(特許文献1では半導体モジュールと称している)と、複数の冷却器(特許文献1では冷却管と称している)と、が一つずつ交互に積層されている積層ユニットが開示されている。各冷却器には、パワーモジュールと対向する側板の裏面に沿って、冷媒が流れる流路が設けられている。各パワーモジュールはその両側の冷却器によって効率良く冷却される。
上記の積層ユニットの場合、各冷却器のパワーモジュールと対向する側板の裏面にフィンが設けられることがある。フィンは、平行に延びる複数の板であったり、複数のピンであったりする。本明細書では、前者を板フィンと称し、後者をピンフィンと称する。複数の板フィンあるいはピンフィンを備えると冷却効率が上がるが圧力損失も増大する。特に、上記した積層ユニットの場合、流路が非常に狭く、圧力損失の増大は好ましくない。本明細書が開示する技術は、複数のパワーモジュールと複数の冷却器が積層された積層ユニットに関し、冷却器が有するピンフィンに着目する。本明細書は、ピンフィンの形状を工夫し、冷却器の圧力損失の増加を抑えつつ、冷却器の冷却効率を高めた積層ユニットを提供する。
本明細書が開示する積層ユニットは、夫々が半導体素子を収容している複数のパワーモジュールと、複数のパワーモジュールと一つずつ交互に積層されている複数の冷却器と、冷媒供給管と、冷媒排出管と、を備える。冷媒供給管は複数の冷却器に接続されており、各冷却器に冷媒を供給する。冷媒排出管は、複数の冷却器に接続されており、各冷却器を通過した冷媒を排出する。各冷却器のパワーモジュールと対向する側板の裏面に沿って、冷媒が通過する流路が設けられている。当該裏面に、複数のピンフィンが設けられている。そして、複数のピンフィンの延設方向から見たときに、ピンフィンの冷媒の流れ方向における幅が、流れ方向と直交する方向における幅より小さい。即ち、当該ピンフィンは、延設方向から見たときに、縦方向と横方向で幅が異なっている。つまり、当該ピンフィンの形状は、長軸と短軸を有する。当該ピンフィンの形状を以下では、「扁平形状」と称する。
このような構成によれば、各ピンフィンの流れ方向における幅が小さくなることにより、隣接するピンフィン間の隙間を所定の距離に維持しつつ、複数のピンフィンを流れ方向に沿って密に並べることができる。即ち、冷却器の流路の圧力損失の増加を抑えつつ、複数のピンフィンを流れ方向に沿って密に並べることができる。複数のピンフィンを流れ方向に沿って密に並べることにより、冷却器の冷却効率を高めた積層ユニットが得られる。
なお、例えば、直径Aの円柱状のピンと、長軸の長さがAである扁平形状のピンでは、後者の方がピン側面の面積が小さい。ただし、流れ方向に交差する方向に長軸を向けた扁平ピンは、冷媒上流側からみたときのピンの投影面積は円柱状のピンと同じである。上流側からみたときのピンの投影面積が同じであれば、ピン側面の面積の減少分に伴うピン1本当たりの冷却効率の低下は比較的に小さい。また、積層ユニットに用いられる各ピンフィンは、延設方向から見たときに、その幅(長軸の長さ)が1mm以下であり、各ピンフィン間の隙間も1mm以下である。このようなサイズの各ピンフィンを通過する冷媒の流量は少なく、冷媒は各ピンフィン間の隙間を層流状態で流れる。上記の構成は、冷媒が層流状態で各ピンフィン間の隙間を流れる場合に、有効である。詳細は、実施例にて説明する。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
図面を参照して実施例の積層ユニットを説明する。図1は、積層ユニット10の斜視図である。積層ユニット10は、電動車両に搭載される電力変換器の主要部品である。電力変換器は、例えば、車載バッテリの電力を走行用モータに適した電力に変換するための機器である。電力変換器は、電圧コンバータ回路と、インバータ回路を備えている。電圧コンバータ回路とインバータ回路は、複数の半導体素子を含む。夫々の半導体素子は、大きな電流を導通/遮断するので発熱量が大きい。なお、図中には、XYZ座標系が示されており、以下では、構成を説明するために、このXYZ座標系を利用する。
積層ユニット10は、上述した複数の半導体素子を集約して集中的に冷却するユニットである。積層ユニット10は、4個のパワーモジュール3a−3dと5個の冷却器2a−2eが一つずつ交互に積層されたユニットである。図中のX軸方向が積層方向に相当する。なお、複数の冷却器2a−2eは同じ構造を有している。同様に複数のパワーモジュール3a−3dも同じ構造を有している。以下では、複数の冷却器2a−2eのいずれか一つを区別なく表す場合に「冷却器2」と表記する。同様に、複数のパワーモジュール3a−3dのいずれか一つを区別なく表す場合に「パワーモジュール3」と表記する。
各パワーモジュール3は、2個の半導体素子を樹脂でモールドしたパッケージである。電圧コンバータ回路とインバータ回路を構成する複数の半導体素子は、複数のパワーモジュール3に分散して収容されている。各パワーモジュール3からは3本の端子29が伸びている。3本の端子は、半導体素子(例えば、IGBT)の端子(例えば、エミッタ端子等)に接続されている。また、パワーモジュール3には、端子29のほかに、半導体素子のゲートに接続される端子(即ち、ゲート端子)が、端子29が伸びている側面とは反対側の側面から伸びている(不図示)。
各冷却器2は、その内部を液体の冷媒が通る。冷媒の典型は、水、あるいは、LLC(Long Life Coolantの略)である。各冷却器2はパワーモジュール3を挟んで図中Y軸方向の両側に積層方向に延びる貫通孔43a、43bを有している。積層されて繋がった貫通孔43aが冷媒を供給する供給路P1を構成し、積層されて繋がった貫通孔43bが冷却器2の内側を通過した冷媒を排出する排出路P3を構成する。別言すれば、積層されて繋がった貫通孔43aにより、積層方向に延びる冷媒供給管51aが構成される。そして、積層されて繋がった貫通孔43bにより、積層方向に延びる冷媒排出管51bが構成される。即ち、各冷却器2は、冷媒供給管51a、冷媒排出管51bに接続される。実施例の積層ユニット10では、冷媒供給管51aと冷媒排出管51bが冷却器2に一体に形成されている。冷媒供給管51aに供給された冷媒は、各冷却器2に分配される。そして、各冷却器2に分配された冷媒は、各冷却器2を通過して、冷媒排出管51bに集められる。冷媒排出管51bに集められた冷媒は、積層ユニット10の外へと排出される。なお、積層ユニット10の一端には、カバー28が配置されており、当該一端に配置される冷却器2eの貫通孔43a、43bはカバー28により塞がれている。
図1に示すように、各パワーモジュール3は、一つずつ各冷却器2に挟まれている。個別のパワーモジュールについて説明すると、パワーモジュール3aのX軸方向における一方に、冷却器2aが配置されており、X軸方向における他方に、冷却器2bが配置されている。冷却器2aは、パワーモジュール3aのX軸方向における一方の側面と対向しており、冷却器2bは、X軸方向における他方の側面と対向している。即ち、パワーモジュール3aは、冷却器2a、2bにより挟まれている。ここでパワーモジュール3aと冷却器2aの間、及び、パワーモジュール3aと冷却器2bの間の夫々には、絶縁板9が配置されている。パワーモジュール3aは、絶縁板9を介して、冷却器2aに接している。同様に、パワーモジュール3aは、絶縁板9を介して、冷却器2bに接している。他のパワーモジュール3b−3dについても同様である。
次に、冷却器2の構造を説明する。図2は、冷却器2bの分解斜視図である。上述したように、他の冷却器2a−2eは、同様の構造を有している。以下では、代表して、冷却器2bの構造を説明する。なお、図2では、冷却器2bのX軸方向における両側に対向して配置されるパワーモジュール3a、3bが仮想線で描かれている。冷却器2bは、フレーム40と、金属板32a、32bと、を備えている。フレーム40には、Y軸方向における中央に、積層方向(即ち、X軸方向)に貫通する矩形の中央孔45が設けられている。中央孔45は、パワーモジュール3a、3bと対向する位置に設けられている。また、フレーム40は、中央孔45を間に挟むように、Y軸方向における両端に、一対の筒部42a、42bを備えている。一方の筒部42aの内側の空間が、上述した貫通孔43aであり、他方の筒部42bの内側の空間が、上述した貫通孔43bである。筒部42a、42bの中央孔45が位置する側の側面の夫々には、開口44a、44bが設けられている。開口44a、44bにより、貫通孔43a、43bと中央孔45が連通している。なお、フレーム40は、樹脂製の部品である。樹脂製であることにより、図2に示すような、複雑な構造を簡易に成形することができる。
金属板32aの表面は、図2の仮想線で示すように、パワーモジュール3aと絶縁板9を介して接する。金属板32aの裏面は、ガスケット34aを挟んで、フレーム40の中央孔45のX軸正方向における開口45aを塞ぐ。金属板32aの裏面には、複数のピンフィン33aが中央孔45の内側に向かって延びるように設けられている。複数のピンフィン33aの夫々は、X軸方向に延びる棒状のフィンである。また、金属板32bの表面も、図2の仮想線で示すように、パワーモジュール3bと絶縁板9を介して接する。金属板32bの裏面は、ガスケット34bを挟んで、フレーム40の中央孔45のX軸負方向における開口45bを塞ぐ。金属板32bの裏面にも、金属板32aと同様に、複数のピンフィン33bが中央孔45の内側に向かって延びるように設けられている。複数のピンフィン33bの夫々も、複数のピンフィン33aと同様に、X軸方向に延びる棒状のフィンである。
冷却器2に設けられる流路について説明する。冷却器2は、中央孔45の積層方向の両側の開口45a、45bの夫々を金属板32a、32bで塞ぐことにより、中央孔45の内側に内部流路P2が設けられる。即ち、内部流路P2は、金属板32a、32bの裏面に沿って設けられている。内部流路P2は、開口44aにより、筒部42aの貫通孔43aにより構成される供給路P1と連通し、開口44bにより、筒部42bの貫通孔43bにより構成される排出路P3と連通する。また、上述したように、複数のピンフィン33a、33bが中央孔45の内側に向かって延びていることにより、複数のピンフィン33a、33bが内部流路P2の内側に位置している。供給路P1から供給された冷媒は、内部流路P2を通過し、排出路P3へと排出される。冷媒は、内部流路P2を通過する際に、複数のピンフィン33a、33bの間を通過する。ここで、複数のピンフィン33a、33bが設けられている金属板32a、32bの夫々には、パワーモジュール3が接している。パワーモジュール3から発生する熱は、金属板32a(32b)と複数のピンフィン33a(33b)を介して、内部流路P2を通過する冷媒に伝達される。
図3を参照して、複数のピンフィンについて説明する。図3は、冷却器2bが組み立てられた状態において、図2のIII−III線における断面図である。図3では、冷却器2bのY軸方向における中央部分が省略して描かれている。図3の実線矢印は、冷却器2bを通過する冷媒の流れる方向を示す。図3の実線矢印で示すように、冷媒は、筒部42a内の供給路P1から、開口44aを介して、内部流路P2に流入する。そして、冷媒は、内部流路P2、即ち、複数のピンフィン33bの間を通過して、開口44bから筒部42b内の排出路P3へ流出する。なお、冷媒は、複数のピンフィン33aの間も同様に通過する。以下、説明の便宜上、内部流路P2に冷媒が流入する側、即ち、開口44aが位置する側を、「上流側」と称し、内部流路P2から冷媒が流出する側、即ち、開口44bが位置する側を、「下流側」と称する。「上流側」がY軸正方向側に相当し、「下流側」がY軸負方向側に相当する。
複数のピンフィン33bは、その延設方向、即ち、X軸方向から見たときに、図3に示すように、縦横に並んでいる。以下、冷媒の流れ方向(即ち、Y軸方向)を、「横方向」と称し、流れ方向と直交する方向を、「縦方向」と称し、説明を続ける。複数のピンフィン33bの縦方向に並ぶピンフィンは、等間隔に並んでいる。そして、複数のピンフィン33bにおいて、縦方向に並ぶピンフィンの列が横方向に平行に並んでおり、横方向に並ぶピンフィンの列も、等間隔に並んでいる。そして、複数のピンフィン33bは、縦方向に並ぶ偶数列のピンフィンと、同じく縦方向に並ぶ奇数列のピンフィンが互い違いになるように配置されている。別言すれば、複数のピンフィン33bは、縦方向に並ぶ偶数列のピンフィンと、同じく縦方向に並ぶ奇数列のピンフィンとが、半ピッチずれるように配置されている。複数のピンフィン33aも、複数のピンフィン33bと同様に、並んでいる。
図4を参照して、複数のピンフィンの各ピンフィンの形状について、説明を続ける。図4は、図3の破線領域IVにおける拡大図である。図4の実線矢印も、図3と同様に、冷媒の流れる方向を示す。複数のピンフィン33bの各ピンフィンは、同一の形状をしている。図4に示すように、各ピンフィンは、その延設方向(即ち、X軸方向)から見たとき、横方向における幅が、縦方向における幅よりも小さい。別言すれば、各ピンフィンは、その延設方向から見たときに、冷媒の流れ方向における幅が、冷媒の流れ方向と直交する方向における幅よりも小さい。ピンフィンの形状について、複数のピンフィン33bの1つのピンフィン331を参照して、具体的に説明する。ピンフィン331の横方向における幅に、W1の符号を付し、ピンフィン331の縦方向における幅にR1の符号を付す。ピンフィン331は、直径R1の円形より、横方向の幅が小さい扁平形状である。即ち、横方向における幅W1は、縦方向における幅R1(即ち、直径R1)よりも小さい。図4では、比較のために、直径R1の円形を仮想線で描いている。図4に示すように、ピンフィン331の円形の中心より上流側の形状は、直径R1の半円である。一方、ピンフィン331の円形の中心より下流側は、直径R1の半円を上流側に向けて押しつぶした形状をなしている。複数のピンフィン33bの他のピンフィンも、ピンフィン331と同一形状である。
複数のピンフィン33bにおいて、横方向に並ぶピンフィンの列は、ピッチL1で等間隔に並んでいる。また、図4に示すように、複数のピンフィン33bの奇数列に含まれるピンフィン331と、複数のピンフィン33bの偶数列に含まれるピンフィンであって、ピンフィン331に隣接するピンフィン332は、縦方向に半ピッチずれて配置されている。奇数列のピンフィン331と、偶数列のピンフィン332との隙間は、D1である。他の奇数列のピンフィンと、他の奇数列のピンフィンと隣接する他の偶数列のピンフィンとの隙間も同様にD1である。即ち、複数のピンフィン33bにおいて、隣接する偶数列と奇数列の夫々に含まれるピンフィンであって、互いに隣接するピンフィンの隙間は等間隔であり、その隙間はD1である。
図5を参照して、実施例の積層ユニット10を備える電力変換器について説明する。図5は、積層ユニット10を備える電力変換器100の平面図である。図5に示すように、電力変換器100は、ケース20内に、積層ユニット10、コンデンサ24、リアクトル25を含む。コンデンサ24は、積層ユニット10内の半導体素子とともに、電圧コンバータ回路とインバータ回路に含まれる電子部品である。リアクトル25は、積層ユニット10内の半導体素子とともに、電圧コンバータ回路に含まれる電子部品である。
積層ユニット10は、ケース20に設けられた支持壁20aと20bの間に配置され、積層ユニット10の一端と支持壁20bとの間に挿入された板バネ23により積層方向(即ち、X軸方向)に加圧される。積層ユニット10が板バネ23により積層方向に加圧されることにより、冷却器2と、冷却器2に隣接するパワーモジュール3とがよく密接する。冷却器2とパワーモジュール3とがよく密接することで、パワーモジュール3からの熱が冷却器2によく伝達される。なお、積層ユニット10の冷媒供給管51aの一端には、ケース外部から冷媒供給管51aに冷媒を供給するための外部供給管21が接続される。また、積層ユニット10の冷媒排出管51bの一端には、冷媒排出管51bから冷媒をケース外部に排出するための外部排出管22が接続される。冷媒供給管51aと冷媒排出管51bは、冷却器2と一体に形成されている。図5では、冷媒供給管51aと冷媒排出管51bは、破線で囲んで示してある。外部供給管21により、積層ユニット10の各冷却器2に、ケース外部から冷媒が供給される。冷媒は、積層ユニット10の各冷却器2を通過した後に、外部排出管22により、ケース外部に排出される。
実施例の積層ユニット10の利点について説明する。先ず、図6に、一般的な円柱形状のピンフィンを備える積層ユニットの比較例を示す。比較例の構成は、ピンフィンの形状が異なる以外は、実施例と同じである。図6は、図4と同じ、拡大図である。比較例の複数のピンフィン63bは、実施例のピンフィン33bと同様に、その延設方向、即ち、X軸方向から見たときに、縦横に等間隔に並んでいる。そして、実施例のピンフィン33bと同様に、複数のピンフィン63bは、縦方向に並ぶ偶数列のピンフィンと、同じく縦方向に並ぶ奇数列のピンフィンが互い違いになるように配置されている。上述したように、比較例の複数のピンフィン63bの各ピンフィンは、円柱形状である。具体的には、複数のピンフィン63bの各ピンフィンは、その延設方向から見たときに、直径R1の円形である。そして、隣接する偶数列のピンフィン632と奇数列のピンフィン631は、それらの間の隙間が実施例の場合と同じD1となるように並んでいる。
上述したように、隣接する偶数列のピンフィンと奇数列のピンフィンの隙間は、実施例と比較例で同じD1である。ここで、実施例において、複数のピンフィン33bの各ピンフィンの横方向の幅W1は、直径R1より小さい。よって、同じ隙間D1でも、横方向に並ぶピンフィンの列の間隔L1は、比較例より、実施例の方が小さい。即ち、実施例におけるピッチL1は、複数のピンフィン63bの横方向に並ぶピンフィンの列のピッチL2(図6参照)より小さい。よって、実施例の複数のピンフィン33bは、比較例のピンフィン63bと比較して、横方向(即ち、流れ方向)に沿って密に並べることができる。
実施例と比較例とで隣接するピンフィンの隙間はD1で同じであり、実施例の複数のピンフィンは、比較例の複数のピンフィンより流れ方向に沿って密に並べられている。即ち、実施例の冷却器2では、内部流路P2の圧力損失の増加を抑えつつ、複数のピンフィンが比較例より密に並べられている。複数のピンフィンが比較例より密に並べられることにより、実施例の積層ユニット10は、比較例の積層ユニットより高い冷却効率を実現し得る。
直径R1の円柱形状のピンフィン(即ち、比較例)と、長軸の幅がR1である扁平形状のピンフィン(即ち、実施例)とでは、後者の方がピンフィン全体の側面の面積が小さい。ただし、実施例において、複数のピンフィン33bの各ピンフィンでは、その長軸が流れ方向と直交する方向に向いている。したがって、上流側、即ち、Y軸正方向から見たとき、各ピンフィンの投影面積は、比較例の円柱形状のピンフィンと同じである。図7は、図4より拡大した、複数のピンフィン33bの拡大図である。図7の実線矢印は、冷媒の流れを示す。図7に示すように、上流側から流れてきた冷媒は、比較例の円柱形状のピンフィンと同じ投影面積(直径R1における投影面積)で実施例の扁平形状のピンフィンに接触する。上流側から見た投影面積が同じであれば、ピンフィン全体の側面の面積の減少分に伴うピンフィン一本当たりの冷却効率の低下は比較的小さい。即ち、各ピンフィン一本当たりの冷却効率が比較例と同等程度であるので、実施例の積層ユニット10は複数のピンフィン33bが比較例より密に並べられていることにより、比較例の積層ユニットより高い冷却効率を実現し得る。
ここで、冷却器2の流路に関するサイズについて説明する。近年、車載される電力変換器は小型化が進んでいる。そのため、電力変換器の主要部品である積層ユニットも小型化が求められる。小型化の要求に応じて、積層ユニットの冷却器に設けられる流路は狭い。内部流路P2の縦方向、横方向の幅は、即ち、中央孔45の縦方向、横方向の幅は、夫々数センチである。また、複数のピンフィン33bの各ピンフィンの横方向の幅W1は、1mm以下であり、縦方向の幅、即ち、直径R1も、1mm以下である。また、複数のピンフィン33bにおける隙間D1も、1mm以下である。そのようなサイズの冷却器2においては、内部流路P2を流れる冷媒の流量は少ない。例えば、内部流路P2を流れる冷媒のレイノルズ数は、200以下であり、冷媒の流れは層流状態である。発明者は、層流状態で冷媒が流れる場合、ピンフィン一本当たりの冷却効率は上流側の形状に依存し、下流側の形状には余り影響を受けないという知見を得た。上述の構成によれば、実施例のピンフィンの上流側の形状は、比較例のピンフィンと同じである。よって、実施例の積層ユニット10は、ピンフィン一本当たりの冷却効率を維持しつつ、高い冷却効率を実現し得る。
なお、一般に、フィンを備える冷却器内を流れる冷媒を、乱流状態(例えば、レイノルズ数を2000以上とする)で流し、冷却器の冷却効率を高めることも考えられる。例えば、特開2013−161993号公報に、そのことが、開示されている。冷却器内の冷媒を、乱流状態で流すことで、冷却器内の冷媒の拡散性を高め、冷媒を広い範囲でフィンに接触させ、冷却器の冷却効率を高める。一方、実施例の技術は、乱流状態とは異なる層流状態で冷媒が流れる積層ユニットにおいて、冷却器の冷却効率を高めるための技術である。本明細書で開示する技術は、一般的な冷却器とは異なり、冷媒が層流状態で流れる積層ユニットに採用することで、有効な効果が期待される。
以下、実施例で示した技術に関する留意点を述べる。ピンフィンの形状は、実施例に示す形状に、限らない。つまり、ピンフィンの延設方向から見たときに、ピンフィンの冷媒の流れ方向における幅が、流れ方向と直交する方向における幅よりも小さくなるようなピンフィンを流路内に配置すればよい。例えば、ひし形形状や、楕円形状といった扁平形状であっても、長軸の幅を所定の長さに保てば、実施例と同様の効果が期待される。また、例えば、ピンフィンの形状は、半円形状であってよい。具体的には、当該半円の直径を比較例の円柱形状の直径R1と同じにし、半円形状の円弧を上流側に向ける。上述したように、冷媒が層流状態で流れる場合、ピンフィン一本当たりの冷却効率は、上流側の形状に依存する。よって、半円形状のピンフィンであっても、実施例と同様の効果が期待される。
ピンフィンの配置は、実施例の構成に限らない。例えば、複数のピンフィンは、縦方向、横方向の夫々で等間隔に並ぶとともに、複数のピンフィンは、縦方向に並ぶ偶数列のピンフィンと、同じく縦方向に並ぶ奇数列のピンフィンが、流れ方向に沿って重なるように配置されてもよい。このような構成でも、複数のピンフィンを流れ方向に沿って密に並べることができる。また、複数のピンフィンは、横方向に等間隔に並ばなくても良い。流れ方向の幅が、円柱状のピンフィン(比較例)の直径R1より小さいので、実施例のピンフィンと比較例のピンフィンとを、同じ等間隔でないピッチで横方向に並べた場合、実施例のピンフィンの方が、比較例のピンフィンより密に並べることができる。即ち、複数のピンフィンが横方向に等間隔に並ばなくても、実施例と同様の効果が期待される。
フレーム40は、金属製であってもよい。また、フレーム40と金属板32a、32bとが一体に成形されてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2(2a−2e):冷却器
3(3a−3d):パワーモジュール
9:絶縁板
10:積層ユニット
20:ケース
21:外部供給管
22:外部排出管
23:板バネ
24:コンデンサ
25:リアクトル
32a、32b:金属板
33a、33b:ピンフィン
34a、34b:ガスケット
40:フレーム
42a、42b:筒部
43a、43b:貫通孔
45:中央孔
51a:冷媒供給管
51b:冷媒排出管
100:電力変換器
D1:隙間
P1:供給路
P2:内部流路
P3:排出路
3(3a−3d):パワーモジュール
9:絶縁板
10:積層ユニット
20:ケース
21:外部供給管
22:外部排出管
23:板バネ
24:コンデンサ
25:リアクトル
32a、32b:金属板
33a、33b:ピンフィン
34a、34b:ガスケット
40:フレーム
42a、42b:筒部
43a、43b:貫通孔
45:中央孔
51a:冷媒供給管
51b:冷媒排出管
100:電力変換器
D1:隙間
P1:供給路
P2:内部流路
P3:排出路
Claims (1)
- 夫々が半導体素子を収容している複数のパワーモジュールと、
前記複数のパワーモジュールと一つずつ交互に積層されている複数の冷却器と、
前記複数の冷却器に接続されており、各冷却器に冷媒を供給する冷媒供給管と、
前記複数の冷却器に接続されており、各冷却器を通過した前記冷媒を排出する冷媒排出管と、
を備えており、
前記各冷却器の前記パワーモジュールと対向する側板の裏面に沿って、前記冷媒が通過する流路が設けられており、
前記裏面に、複数のピンフィンが設けられており、
前記複数のピンフィンの延設方向から見たときに、前記ピンフィンの前記冷媒の流れ方向における幅が、前記流れ方向と直交する方向における幅より小さい、
ことを特徴とする積層ユニット。
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JP2015047838A JP2016171097A (ja) | 2015-03-11 | 2015-03-11 | 積層ユニット |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190013140A (ko) * | 2017-07-31 | 2019-02-11 | 엘지전자 주식회사 | 방열 장치 |
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2015
- 2015-03-11 JP JP2015047838A patent/JP2016171097A/ja active Pending
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