JP2016171008A - 燃料電池複合発電システム、およびその運転方法 - Google Patents

燃料電池複合発電システム、およびその運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】経済性に優れ、発電効率を高めることが可能な燃料電池複合発電システムを提供する。
【解決手段】一実施形態によれば、燃料電池複合発電システムは、空気圧縮機と、燃料電池と、燃焼器と、ガスタービンと、を備える。空気圧縮機は、空気を段階的に圧縮することによって、燃料電池用圧縮空気と、燃料電池用圧縮空気よりも圧力が高い燃焼用圧縮空気と、を生成する。燃料電池は、空気圧縮機から供給された燃料電池用圧縮空気と、燃料電池用圧縮空気の圧力に対応して圧縮された圧縮燃料ガスとの化学反応により発電する。燃焼器は、化学反応後の圧縮燃料ガスである未燃燃料ガスが燃料電池から供給されるとともに、燃焼用圧縮空気が空気圧縮機から供給され、未燃燃料ガスが燃焼用圧縮空気で燃焼することによって燃焼ガスを生成する。ガスタービンは、化学反応後の燃料電池用圧縮空気である排出圧縮空気が燃料電池から供給されるとともに、燃焼ガスが燃焼器から供給され、排出圧縮空気と燃焼ガスとで駆動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池複合発電システム、およびその運転方法に関する。
ガスタービン発電システムは、一般的に、空気圧縮機と、燃焼器と、ガスタービンと、を備える。ガスタービン発電システムでは、外気が空気圧縮機にて圧縮され、この圧縮空気が燃焼器に供給される。燃焼器には、この圧縮空気とともに燃料ガスが供給され、この燃料ガスと圧縮空気との燃焼によって燃焼ガスが生成される。そして、この燃焼ガスでガスタービンは発電機を駆動する。
近年、ガスタービン発電システムを燃料電池とを組み合わせることでエネルギーの高効率化を図った燃料電池複合発電システムが提案されている(特許文献1参照)。燃料電池複合発電システムでは、外気が、ガスタービン発電システムの空気圧縮機で圧縮され、この圧縮空気が燃料電池に供給される。また、燃料ガスが燃料圧縮機で圧縮され、この圧縮燃料ガスも燃料電池に供給される。そして、圧縮空気と圧縮燃料ガスとの化学反応により燃料電池は発電する。この化学反応後には、高温高圧の空気と未反応の可燃性成分を有する未燃燃料ガスとが燃料電池から排出され、これらはガスタービン発電システムの燃焼器に供給される。この燃焼器において未燃燃料ガスを燃焼させることでガスタービンを駆動させることが可能となる。
上述した燃料電池複合発電システムによれば、燃料電池が高圧の空気で化学反応することでエネルギー効率の向上が見込まれる。また、燃料電池から排出された未燃燃料ガスがガスタービン発電システムの燃焼器で燃焼することで、ガスタービンの駆動が可能となる。
特開2006−100223号公報
上述した燃料電池複合発電システムをより高効率な発電システムとするには、例えば、高効率ガスタービンと高圧作動の燃料電池とを組み合わせたコンバインドサイクル発電を採用することが考えられる。
高効率ガスタービンには、より高圧な空気が求められるので、空気圧縮機から吐出される空気の圧力である圧縮機吐出圧力は、高圧化する。この圧縮機吐出圧力は、ガスタービンの進化に伴って今後ますます高圧化する傾向にある。
一方、燃料電池にとって最適な作動圧力は、空気圧縮機からガスタービンに供給される空気の圧力よりも低いと考えられている。また、燃料電池の作動圧力を高圧化しても、燃料電池の発電効率は、ガスタービンのように大きく向上するわけでなく飽和する可能性が高い。しかも、燃料電池の作動圧力をむやみに高圧化すると、圧力容器の耐圧確保のために燃料電池が大型化するので、経済性を損ねることが懸念される。そこで、燃料電池の大型化を回避する方法として、空気圧縮機で生成された圧縮空気を圧力調節弁などを介して減圧し、減圧した圧縮空気を燃料電池に供給する方法が考えられる。しかし、燃料電池に供給する空気の減圧はサイクル損失となるので、発電効率の低下を招くおそれがある。
そこで、本発明の目的は、経済性に優れ、発電効率を高めることが可能な燃料電池複合発電システム、およびその運転方法を提供することにある。
一実施形態によれば、燃料電池複合発電システムは、空気圧縮機と、燃料電池と、燃焼器と、ガスタービンと、を備える。空気圧縮機は、空気を段階的に圧縮することによって、燃料電池用圧縮空気と、燃料電池用圧縮空気よりも圧力が高い燃焼用圧縮空気と、を生成する。燃料電池は、空気圧縮機から供給された燃料電池用圧縮空気と、燃料電池用圧縮空気の圧力に対応して圧縮された圧縮燃料ガスとの化学反応により発電する。燃焼器は、化学反応後の圧縮燃料ガスである未燃燃料ガスが燃料電池から供給されるとともに、燃焼用圧縮空気が空気圧縮機から供給され、未燃燃料ガスが燃焼用圧縮空気で燃焼することによって燃焼ガスを生成する。ガスタービンは、化学反応後の燃料電池用圧縮空気である排出圧縮空気が燃料電池から供給されるとともに、燃焼ガスが燃焼器から供給され、排出圧縮空気と燃焼ガスとで駆動する。
経済性に優れ、発電効率を高めることが可能な燃料電池複合発電システムを提供することができる。
第1の実施形態に係る燃料電池複合発電システムの概略的な構成を示すブロック図である。 第1の実施形態の変形例に係る燃料電池複合発電システムの概略的な構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る燃料電池複合発電システムの概略的な構成を示すブロック図である。 第2の実施形態の変形例に係る燃料電池複合発電システムの概略的な構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る燃料電池複合発電システムの概略的な構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池複合発電システム1は、空気圧縮機11(A/C)と、空気側熱交換器12と、燃料圧縮機13と、燃料側熱交換器14と、燃料電池15と、インバータ16と、未燃燃料圧縮機17と、再循環ブロワ18と、燃焼器19と、ガスタービン20(G/T)と、発電機21と、排熱回収ボイラ22と、を備える。
空気圧縮機11は、多段の回転翼から構成された軸流圧縮機である。なお、空気圧縮機11は、空気を段階的に圧縮する構成を備えていれば、他の種類の圧縮機であってもよい。
空気圧縮機11は、配管30に接続され、この配管30を介して供給された空気40を段階的に圧縮する。これにより、燃料電池用圧縮空気と、この燃料電池用圧縮空気よりも圧力が高い燃焼用圧縮空気とが段階的に生成される。燃料電池用圧縮空気は、空気圧縮機11に設けられた抽気口から配管31に抽出される。一方、燃焼用圧縮空気は、空気圧縮機11から燃焼器19に供給される。なお、本実施形態では、空気40は、空気圧縮機11に供給される前に空気フィルター(不図示)で微粒固形物が除去されている。
空気側熱交換器12は、配管31および配管32に接続されている。空気側熱交換器12は、配管31を流れる燃料電池用圧縮空気と配管32を流れる圧縮空気との間で熱交換を行う。
燃料圧縮機13は、配管33に接続され、この配管33を介して燃料41が燃料圧縮機13に供給される。燃料圧縮機13は、この燃料41を圧縮することによって圧縮燃料ガスを生成する。この圧縮燃料ガスは、配管34に送出される。本実施形態では、燃料41は天然ガスであり、ガス会社等の燃料供給設備から供給される。
燃料側熱交換器14は、配管34および配管35に接続されている。燃料側熱交換器14は、配管34を流れる圧縮燃料ガスと配管35を流れる圧縮燃料ガスとの間で熱交換を行う。
燃料電池15は、空気側熱交換器12および燃料側熱交換器14に接続されている。燃料電池15は、空気圧縮機11から空気側熱交換器12を介して燃料電池用圧縮空気の供給を受けるとともに、燃料圧縮機13から燃料側熱交換器14を介して圧縮燃料ガスの供給を受ける。この燃料電池用圧縮空気に含まれている酸素と、この圧縮燃料ガスに含まれている水素や一酸化炭素とが化学反応することによって、燃料電池15は発電する。この発電に伴って直流電力が燃料電池15からインバータ16に供給される。
また、燃料電池15は、上記化学反応後の燃料電池用圧縮空気である排出圧縮空気を空気側熱交換器12に供給するとともに、上記化学反応後の圧縮燃料ガスである未燃燃料ガスを燃料側熱交換器14に供給する。排出圧縮空気は、空気側熱交換器12で減温されて配管32に送出される。一方、未燃燃料ガスは燃料側熱交換器14で減温されて配管35に送出される。
本実施形態では、燃料電池15はSOFC(Solid Oxide Fuel Cell)であるが、他の種類の燃料電池であってもよい。
インバータ16は、燃料電池15に接続されている。インバータ16は、燃料電池15から供給された直流電力を交流電力に変換する。
未燃燃料圧縮機17は配管36に接続され、この配管36は配管35に接続されている。また、配管36には制御弁50が取り付けられている。この制御弁50が開状態のとき、未燃燃料ガスが、配管35、36を介して未燃燃料圧縮機17に供給される。未燃燃料圧縮機17は、供給された未燃燃料ガスを圧縮する。圧縮された未燃燃料ガスは、燃焼器19に供給される。
再循環ブロワ18は、配管37に接続されている。この配管37の一端は配管36とともに配管35から分岐し、他端は配管34に接続されている。また、配管37には制御弁51が取り付けられている。この制御弁51が開状態のとき、未燃燃料ガスが配管35、37を介して再循環ブロワ18に供給される。再循環ブロワ18は、この未燃燃料ガスを昇圧して配管38に送出する。このとき、再循環ブロワ18は、この未燃燃料ガスの圧力が配管34を流れる圧縮燃料ガスの圧力と等しくなるように昇圧動作を行う。配管38に送出された未燃燃料ガスは、配管34で圧縮燃料ガスと合流し、再び燃料側熱交換器14を介して燃料電池15に供給される。
燃焼器19は、空気圧縮機11から燃焼用圧縮空気の供給を受ける。また、燃焼器19は、燃料電池15から燃料側熱交換器14と未燃燃料圧縮機17とを介して未燃燃料ガスの供給を受ける。燃焼器19において、この未燃燃料ガスがこの燃焼用圧縮空気で燃焼することによって燃焼ガスが生成される。
ガスタービン20は、燃焼器19から燃焼ガスの供給を受けるとともに、燃料電池15から空気側熱交換器12を介して排出圧縮空気の供給を受ける。この燃焼ガスおよびこの排出圧縮空気の供給によって、ガスタービン20は回転駆動する。
発電機21は、ガスタービン20に直結されている。発電機21は、ガスタービン20の回転駆動により生じた回転エネルギーを電気エネルギーに変換する。
排熱回収ボイラ22は、配管39を介してガスタービン20に接続され、ガスタービン20の回転駆動により生じた熱を回収する。
次に、上述した燃料電池複合発電システム1の動作の一例について、再び図1を参照しながら説明する。
まず、空気圧縮機11が空気40を段階的に圧縮することによって、燃料電池用圧縮空気と燃焼用圧縮空気とを生成する。これが本実施形態における空気圧縮ステップである。燃料電池用圧縮空気は、空気側熱交換器12によって加温されて燃料電池15に供給される。一方、燃焼用圧縮空気は燃焼器19に供給される。本実施形態では、例えば、燃料電池用圧縮空気の圧力は約0.5Mpaであり、燃焼用圧縮空気の圧力は約2MPaである。また、空気側熱交換器12は燃料電池用圧縮空気を約900℃に加温する。
空気圧縮機11の動作に並行して燃料圧縮機13が燃料41を圧縮する。これにより、圧縮燃料ガスが生成される。この圧縮燃料ガスは、燃料側熱交換器14によって加温されて燃料電池15に供給される。本実施形態では、燃料圧縮機13は、圧縮燃料ガスの圧力が燃料電池用圧縮空気の圧力(0.5MPa)とほぼ等しくなるように燃料41を圧縮する。また、燃料側熱交換器14は、圧縮燃料ガスを燃料電池用圧縮空気の温度とほぼ等しい約900℃に加温する。なお、燃料圧縮機13は、生成した圧縮燃料ガスを燃焼器19に供給してもよい。
次に、燃料電池15が、燃料電池用圧縮空気と圧縮燃料ガスとの化学反応により発電する。これが本実施形態における発電ステップである。この化学反応後、未燃燃料ガスおよび排気圧縮空気が燃料電池15から排出される。燃料電池15から排出された未燃燃料ガスは、燃料側熱交換器14によって減温され、未燃燃料圧縮機17で圧縮され、燃焼器19に供給される。一方、燃料電池15から排出された排気圧縮空気は、空気側熱交換器12で減温されてガスタービン20に供給される。
次に、燃焼器19が、未燃燃料ガスを燃焼用圧縮空気で燃焼させることによって燃焼ガスを生成する。これが本実施形態における燃焼ステップである。この燃焼ガスはガスタービン20に供給される。
次に、ガスタービン20は、燃焼ガスと排気圧縮空気の供給により回転駆動する。これが本実施形態における駆動ステップである。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池複合発電システム1によれば、空気圧縮機11は、燃焼用圧縮空気の生成の途中で燃料電池用圧縮空気を生成し、この燃料電池用圧縮空気を燃料電池15に供給している。そのため、空気圧縮機11が高圧な燃焼用圧縮空気を吐出する圧縮機であったとしても、燃料電池15にとって最適な圧縮空気を空気圧縮気11から減圧することなく燃料電池15に供給することが可能となる。これにより、経済性に優れ、発電効率の高い燃料電池複合発電システムを得ることが可能となる。
(変形例)
以下、第1の実施形態の変形例に係る燃料電池複合発電システムについて説明する。図2は、第1の実施形態の変形例に係る燃料電池複合発電システムの概略的な構成を示す図である。上述した第1の実施形態に係る燃料電池複合発電システム1と同様の構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図2に示すように、本変形例に係る燃料電池複合発電システム1aは、第1の実施形態に係る燃料電池複合発電システム1に蒸気タービンシステム60を組み合わせた構成を備える。
蒸気タービンシステム60は、蒸気タービン61と、発電機62と、復水器63と、冷却塔64と、冷却ポンプ65と、給水ポンプ66と、を備える。
排熱回収ボイラ22において、回収された熱で水を温めることによって水蒸気が発生する。蒸気タービン61は、この水蒸気で回転駆動する。発電機62は、蒸気タービン61に直結されており、蒸気タービン61の回転駆動により生じた回転エネルギーを電気エネルギーに変換する。
復水器63は、蒸気タービン61から排出された高温蒸気を水に戻す。冷水塔64は、この高温蒸気を冷却するための冷却水を貯留している。冷却ポンプ65は、この冷却水を冷水塔64から復水器63へ送り込む。給水ポンプ66は、復水器63の水を排熱回収ボイラ22へ送り込む。
上述した本変形例に係る燃料電池複合発電システム1aによれば、蒸気タービンシステム60が、排熱回収ボイラ22に回収された熱で発電している。そのため、発電効率をさらに向上させることが可能となる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る燃料電池複合発電システムについて説明する。図3は、本発明の実施形態2に係る燃料電池複合発電システムの概略的な構成を示す図である。上述した第1の実施形態に係る燃料電池複合発電システム1と同様の構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態に係る燃料電池複合発電システム2は、第1の実施形態に係る燃料電池複合発電システム1の構成に加えて、制御弁71、72と、圧力センサ73と、制御部74と、をさらに備える。
制御弁71は、配管31に取り付けられている。制御弁71が開状態のとき、第1の燃料電池用圧縮空気が空気圧縮機11から燃料電池15に供給される。反対に、制御弁71が閉状態のとき、第1の燃料電池用圧縮空気の供給が遮断される。この制御弁71が、本実施形態における第1の制御弁を構成する。
制御弁72は、配管31aに取り付けられている。配管31aの一端は制御弁71よりも下流側で配管31に接続され、他端は空気圧縮機11の抽気口に接続されている。制御弁72が開状態のとき、第1の燃料電池用圧縮空気よりも圧力が高い第2の燃料電池用圧縮空気が空気圧縮機11から燃料電池15に供給される。この制御弁72が、本実施形態における第2の制御弁を構成する。
圧力センサ73は、燃料側熱交換器14と燃料電池15との間で圧縮燃料ガスの圧力を検出し、検出結果を制御部74に出力する。
制御部74は、圧力センサ73の検出結果に基づいて、第1の制御状態と第2の制御状態の切り替え制御する。第1の制御状態とは、制御部74が制御弁71を開状態に保持し、かつ制御弁72を閉状態に保持する状態である。一方、第2の制御状態とは、制御部74が制御弁71を閉状態に保持し、かつ制御弁72を開状態に保持する状態である。
以下、本実施形態に係る燃料電池複合発電システム2の動作のうち、燃料電池用圧縮空気の供給制御に関する動作の一例について説明する。燃料電池用圧縮空気の供給制御に関する動作以外の動作内容は、第1の実施形態と同様なので説明を省略する。
まず、圧力センサ73が、圧縮燃料ガスの圧力を検出し、検出結果を制御部74へ出力する。
次に、制御部74は、圧力センサ73の検出値を予め定められたしきい値と比較する。その結果、検出値がしきい値以下の場合、制御部74は上述した第1の制御状態になる。これにより、圧縮燃料ガスとの圧力差が第2の燃料電池用圧縮空気に比べて小さな第1の燃料電池用圧縮空気が空気圧縮機11から燃料電池15に供給される。
反対に、検出値がしきい値を超えている場合、制御部74は上述した第2の制御状態になる。これにより、圧縮燃料ガスとの圧力差が第1の燃料電池用圧縮空気に比べて小さな第2の燃料電池用圧縮空気が空気圧縮機11から燃料電池15に供給される。
以上説明した本実施形態に係る燃料電池複合発電システム2によれば、空気圧縮機11から第1の燃料電池用圧縮空気および第2の燃料電池用圧縮空気を個別に燃料電池15に供給できるように構成されている。そして、制御部74が圧縮燃料ガスの圧力に応じて制御弁71、72を制御することによって、圧縮燃料ガスとの圧力差がより小さい燃料電池用圧縮空気が燃料電池15に供給される。その結果、圧縮燃料ガスと燃料電池用圧縮空気との圧力差に起因する燃料電池4の損傷が起こりにくくなり、システム運転の信頼性を向上させることが可能となる。
例えば、電力の需要が減少する場合、ガスタービン20は発電量を低下させ、低負荷の運転となる。この場合、空気圧縮機11で圧縮される空気の圧力は全体的に低下してしまい、これにより燃料電池4の最適な圧力状態が確保できない事態が想定される。そこで、制御部74が、比較的圧力の高い第2の燃料電池用圧縮空気が燃料電池15に供給されるように各制御弁71、72を制御することによって、このような事態を回避することが可能となる。
また、燃料電池15が何かのトラブルで停止するのに伴って圧縮燃料ガスの圧力が低下した場合には、制御部74が、比較的圧力の低い第1の燃料電池用圧縮空気が燃料電池15に供給されるように各制御弁71、72を制御することによって、燃料電池用圧縮空気と圧縮燃料ガスとの圧力差を抑制することが可能となる。
なお、本実施形態では、空気圧縮機11から圧力が互いに異なる2つの燃料電池用圧縮空気を個別に燃料電池15に供給可能な構成であったが、3つ以上の燃料電池用圧縮空気を供給可能な構成であってもよい。すなわち、空気圧縮機11が圧力のそれぞれ異なる複数の燃料電池用圧縮空気を生成し、複数の制御弁が複数の燃料電池用圧縮空気のそれぞれに対応して設けられ、制御部74が圧力センサ73の検出結果に基づいて、燃料電池用圧縮空気と圧縮燃料ガスとの圧力差が所定の範囲内になるように複数の制御弁を制御する構成であってもよい。
(変形例)
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、燃料電池複合発電システム2に蒸気タービンシステム60を組み合わせた構成を採用してもよい。図4は、第2の実施形態に係る燃料電池複合システムの概略的な構成を示す図である。
図4に示す燃料電池複合発電システム2aは、第1の実施形態の変形例に係る燃料電池複合発電システム1aと同様に蒸気タービンシステム60を備える。この蒸気タービンシステム60は、排熱回収ボイラ22に回収された熱で発電している。これにより、発電効率をさらに向上させることが可能となる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規なシステムは、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明したシステムの形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
1、1a、2、2a 燃料電池複合発電システム
11 空気圧縮機
15 燃料電池
19 燃焼器
20 ガスタービン
22 排熱回収ボイラ
61 蒸気タービン
71、72 制御弁
73 圧力センサ
74 制御部

Claims (6)

  1. 空気を段階的に圧縮することによって、燃料電池用圧縮空気と、前記燃料電池用圧縮空気よりも圧力が高い燃焼用圧縮空気と、を生成する空気圧縮機と、
    前記空気圧縮機から供給された前記燃料電池用圧縮空気と、前記燃料電池用圧縮空気の圧力に対応して圧縮された圧縮燃料ガスとの化学反応により発電する燃料電池と、
    前記化学反応後の前記圧縮燃料ガスである未燃燃料ガスが前記燃料電池から供給されるとともに、前記燃焼用圧縮空気が前記空気圧縮機から供給され、前記未燃燃料ガスが前記燃焼用圧縮空気で燃焼することによって燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記化学反応後の前記燃料電池用圧縮空気である排出圧縮空気が前記燃料電池から供給されるとともに、前記燃焼ガスが前記燃焼器から供給され、前記排出圧縮空気と前記燃焼ガスとで駆動するガスタービンと、
    を備える燃料電池複合発電システム。
  2. 前記空気圧縮機は、圧力がそれぞれ異なる複数の燃料電池用圧縮空気を生成し、
    前記燃料電池複合発電システムは、
    前記複数の燃料電池用圧縮空気のそれぞれに対応して設けられた複数の制御弁であって、対応する燃料電池用圧縮空気が前記空気圧縮機から前記燃料電池へ供給される開状態と、対応する燃料電池用圧縮空気の供給が遮断される閉状態とに、それぞれが個別に切り替え可能な複数の制御弁と、
    前記圧縮燃料ガスの圧力を検出する圧力センサと、
    前記圧力センサの検出結果に基づいて、前記燃料電池用圧縮空気と前記圧縮燃料ガスとの圧力差が所定の範囲内になるように前記複数の制御弁を制御する制御部と、
    をさらに備える、請求項1に記載の燃料電池複合発電システム。
  3. 前記空気圧縮機は、前記複数の燃料電池用圧縮空気の1つである前記第1の燃料電池用圧縮空気と、前記複数の燃料電池用圧縮空気の他の1つである、前記第1の燃料電池用圧縮空気よりも圧力が高い第2の燃料電池用圧縮空気と、を生成し、
    前記複数の制御弁は、前記第1の燃料電池用圧縮空気に対応する第1の制御弁と、前記第2の燃料電池用圧縮空気に対応する第2の制御弁と、を備え、
    前記制御部は、前記第1の制御弁が前記開状態であり、かつ前記第2の制御弁が前記閉状態である第1の制御状態と、前記第1の制御弁が前記閉状態であり、かつ前記第2の制御弁が前記開状態である第2の制御状態と、を前記圧力センサの検出結果に基づいて切り替え制御する、請求項2に記載の燃料電池複合発電システム。
  4. 前記制御部は、前記圧力センサの検出値を予め定められたしきい値と比較し、前記検出値が前記しきい値以下の場合に前記第1の制御状態となり、前記検出値が前記しきい値を超えている場合に前記第2の制御状態になる、請求項3に記載の燃料電池複合発電システム。
  5. 前記ガスタービンの駆動により生じた熱を回収し、前記熱を用いて水蒸気を生成する排熱回収ボイラと、
    前記排熱回収ボイラから供給された前記水蒸気で駆動する蒸気タービンと、
    をさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池複合発電システム。
  6. 空気を段階的に圧縮することによって、燃料電池用圧縮空気と、前記燃料電池用圧縮空気よりも圧力が高い燃焼用圧縮空気と、を生成する空気圧縮ステップと、
    前記燃料電池用圧縮空気と、前記燃料電池用圧縮空気の圧力に対応して圧縮された圧縮燃料ガスとの化学反応により燃料電池が発電する発電ステップと、
    前記化学反応後の前記圧縮燃料ガスである未燃燃料ガスが前記燃焼用圧縮空気で燃焼することによって、燃焼ガスを生成する燃焼ステップと、
    前記燃焼ステップで生成された前記燃焼ガスと、前記化学反応後の前記燃料電池用圧縮空気である排出圧縮空気とでガスタービンが駆動する駆動ステップと、
    を備える燃料電池複合発電システムの運転方法。
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