JP2006046826A - 微粉炭火力発電システム及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気中のNOxの発生を抑制しつつ、微粉炭ボイラーの給排気系統における通風機等の補機の動力低減による発電効率の向上及び有効利用に適した石炭灰の排出の可能な微粉炭火力発電システム及び当該発電システム内の微粉炭火力発電設備の運転方法を提供する。
【解決手段】2段燃焼部を備える微粉炭ボイラーを含む微粉炭火力発電設備に、水電解装置と当該水電解装置で製造される酸素を貯蔵する酸素貯蔵装置とを併設した微粉炭火力発電システムにおいて、微粉炭火力発電設備の発電電力の余剰分を用いて水電解装置を運転して製造された酸素を前記酸素貯蔵装置に貯蔵しておき、これを上記2段燃焼部に供給する。上記発電システムには、水素貯蔵装置及び燃料電池装置を併設できる。また水電解装置を並列に複数基設置し、微粉炭火力発電設備の定格発電出力以下の所定の発電出力の設定値で順次段階的に起動停止することで、当該発電設備の応答性の向上が図られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、NOxの発生を抑制しつつ、微粉炭ボイラーの補機類の動力低減による発電効率の向上を図るとともに、低品位炭を燃料とした場合でも有効利用に適した石炭灰を排出させることにより、発電コスト低減を図ることができる微粉炭火力発電システム及び当該発電システム内の微粉炭火力発電設備の運転方法に関する。
微粉炭火力発電は、石炭燃料が他の化石燃料と比較して可採埋蔵量が多く、供給安定性に優れ、またその技術的信頼性が高い等の利点があることから重要な技術であり、現在蒸気条件の高温高圧化による高効率化の進んだ大容量の微粉炭火力発電設備が、主にベース負荷用として各地で定格負荷運転されている。
しかし、電力自由化が進む近年、かかる微粉炭火力発電設備における発電コストの低減への要請が強くなっている。そのために、燃料面では、水分が多く発熱量の低い低品位炭や難燃性の高燃料比炭等の安価な石炭を使用していくことが必要となる。また、送風機等の微粉炭ボイラー補機類の動力低減を図ることも発電効率の向上の点から検討されている。
また、最近、特に廃棄物のリサイクル、リユースの要請が強く、微粉炭火力発電設備から排出される廃棄物の有効利用、中でも発生量の最も多い石炭灰(フライアッシュ)の有効利用を進めるためには、灰中の未燃分量を下げる必要がある。
一方、電力の経済的かつ安定供給の観点からは、電力の需給バランスを調整することが重要である。そのため、全国各地に設けられた中央給電所および給電所から微粉炭火力発電設備、LNG火力発電設備、石油火力発電設備、揚水発電設備等に対する発電出力指令(発電出力の設定値)をそれぞれ変更することにより、上記各発電設備の電力需要地への発電出力を調整して電力の需給バランスを調整してきた。しかし、近年、昼夜間の電力需要格差は増加傾向にあり、主にLNG火力発電設備の運休、石油火力のDSS、揚水発電設備の運休等での対応を余儀なくされている。この電力需要格差は、今後も増大が予測されており、これらの方法で対処できない場合、電力需要量の大幅な低下に対応して微粉炭火力発電設備の負荷を更に下げて運転せざるを得なくなるが、主に以下のような問題がある。
先ず、微粉炭火力発電設備は、その特性上、LNG火力発電設備、石油火力発電設備等と比べて給電所の発電出力指令の変更に対して応答性が悪く、電力需給バランスを調整するには不向きである点が挙げられる。次に、微粉炭火力発電設備において更に低負荷運転を強いられた場合、結果として発電効率の著しい低下をもたらすことになるため、別途電力の負荷平準化のための対策が必要となる点が挙げられる。
この電力の負荷平準化については、深夜電力で水電解装置を運転し、水素及び酸素を貯蔵しておき、昼間の需要電力が増加し、電力が必要なときに、上記貯蔵された酸素及び水素を燐酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池に供給して発電し、得られる電力を昼間電力として需要地に供給することにより、電力の平準化を図る水電解装置−燃料電池系発電システムに関する技術が提案されている(特許文献1及び2参照)。
特開2002−56879号公報 特開2002−56880号公報
本発明は、上記事情に鑑み、微粉炭火力発電システムにおいて、上記のような燃料電池発電システムと微粉炭火力発電とを組み合わせた場合でも、排気中のNOxの発生を抑制しつつ、微粉炭ボイラーの給気、排気系統における通風機等の補機の動力低減による発電効率の向上を図り、低品位炭を燃料とした場合でも有効利用に適した石炭灰を排出させることにより、発電コスト低減を図ることができる微粉炭火力発電システム及び当該発電システム内の微粉炭火力発電設備の運転方法を提供することを目的とする。
上記目的は、本発明によれば、2段燃焼部を備える微粉炭ボイラーと、当該微粉炭ボイラーで発生した蒸気により駆動されて発電を行うタービン発電機とを備えた微粉炭火力発電設備に、水電解装置と、当該水電解装置で製造される酸素を貯蔵する酸素貯蔵装置とを併設してなる微粉炭火力発電システムであって、前記微粉炭火力発電設備の発電電力の余剰分を用いて前記水電解装置を運転して製造された酸素を前記酸素貯蔵装置に貯蔵しておき、前記酸素貯蔵装置に貯蔵された酸素を前記2段燃焼部に供給するように構成したことを特徴とする微粉炭火力発電システムによって達成される。
上記微粉炭火力発電システムは、更に水素貯蔵装置及び燃料電池装置を備えて、上記酸素貯蔵装置及び水素貯蔵装置に貯蔵しておいた水素及び酸素を用い、上記燃料電池装置において発電を行うことができる。
本発明によれば、微粉炭火力発電設備の発電電力の余剰分を用いて水電解装置を運転し、これによって製造した酸素を貯蔵しておき、これを微粉炭ボイラーの2段燃焼部に供給することで、NOxの発生を抑制しつつ、当該2段燃焼部への燃焼用空気量を下げることができるので、排気量を減少させることができ、これにより、給気、排気系統の通風機等の補機の動力低減が可能となる。
また、上記のように2段燃焼部に酸素を供給し、燃焼用空気の酸素濃度を高く設定したので、当該2段燃焼部における石炭灰の未燃分を急速に燃焼させることができ、これによって石炭灰中の未燃分の低減が可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されない。尚、各図において共通するか、又は相当する部分には、同一の符号を付し、以下では重複した説明を省略する。
図1は、本発明の微粉炭火力発電システム1における実施の形態の一例を示す全体構成図である。この微粉炭火力発電システム1は、微粉炭火力発電設備2とこれに併設された水電解装置50、当該水電解装置50によって製造される酸素を貯蔵する酸素貯蔵装置60から構成される。また、図1に示すように、微粉炭火力発電システム1は、本発明の上記水電解装置50で製造される水素を貯蔵しておく水素貯蔵装置70を設けてもよい。
上記微粉炭火力発電設備2は、2段燃焼部11を備える微粉炭ボイラー10、当該微粉炭ボイラー10に付属する給炭系統(不図示)、給気系統、排気系統、蒸気・給水系統の各系統を装備し、更に蒸気タービン41及び発電機42からなるタービン発電機を備えている。ここで、上記微粉炭ボイラー10の「2段燃焼部」とは、NOxの発生を抑制するために、微粉炭燃焼に必要な燃焼用空気のうち、理論空気量以下の空気を微粉炭バーナー(不図示)に供給し、残りの燃焼用空気量を、微粉炭バーナー下流(火炉内上部)の空気導入口12を通して火炉内に供給して、未燃分を燃焼させる領域をいい、以下では上記空気導入口12を「2段燃焼空気導入口」という。
図1において、上記給気系統は、押込み通風機20及び給気ダンパー23から構成されている。また、排気系統は、上記微粉炭ボイラーからの排気管30、空気予熱器31及び集塵装置32から構成されているが、適宜、排煙脱硝装置、節炭器、排煙脱硫装置、誘引ファン、煙突等を併設してもよい。また、蒸気・給水系統は、上記微粉炭ボイラーからの蒸気配管40、タービン発電機の蒸気タービン41、復水器43、給水ポンプ44から構成されている。
上記微粉炭火力発電設備2では、燃焼用空気は、給気系統の押込み通風機20を介して、ダンパー23で給炭量に応じた燃焼用空気量に制御され、空気予熱器31に送られる。空気予熱器31では、排気の保有熱でこの燃焼用空気が加熱され、更に配管24aを通して送風される。上記配管24aは、微粉炭ボイラー10本体直前で微粉炭バーナー(不図示)及び2段燃焼部空気導入口のそれぞれに通じる配管26及び28に分岐され、ここで燃焼用空気は上記両配管に振り分けられる。微粉炭バーナー及び2段燃焼部に供給される燃焼用空気の流量は、配管28途中のダンパー25において決定され、2段燃焼部11へ燃焼用空気を供給しないようにすることも可能である。尚、上記空気予熱器31で廃熱回収された排気は、集塵装置(電気集塵機)32で石炭灰等の煤塵が除去された後に煙突(不図示)から大気中に放出される。
一方、貯炭場(不図示)から搬送される塊状の石炭は、微粉炭機(不図示)において微粉状に粉砕された後、微粉炭バーナーに送られ、ここで、微粉炭は上記配管26により供給される燃焼用空気とともに、火炉内に連続的に吹き込まれる。火炉内では、吹き込まれた微粉炭が火炉水管壁からの輻射熱を受けて、着火燃焼し、その熱で炉内にある水管内の水が加熱され、高温高圧の蒸気が製造される。この高温高圧の蒸気は、不図示の過熱器等を通して更に高温高圧とされ、配管40を通してタービン発電機に送られ、そこで蒸気タービン41を駆動した後、復水器43で蒸気から水に戻され、給水ポンプ44により微粉炭ボイラー10内に戻される。上記タービン発電機は、高圧蒸気用、中圧蒸気用、低圧蒸気用等複数基設けることもでき、例えば上記蒸気配管40からの高圧蒸気で高圧タービンを駆動して発電するとともに、当該高圧タービン排気を一旦微粉炭ボイラー10に戻して再過熱した後、別の蒸気配管(不図示)を通して上記の中圧タービン、低圧タービンに送り、これらを駆動させて発電することもできる。
上記微粉炭火力発電システム1では、深夜等の需要電力量が定格発電電力量を下回り、発電電力量に余剰分が生じた場合、この余剰分を用いて水電解装置50を運転して酸素及び水素を製造する。上記水電解装置50の形式は特に限定されず、公知の固体高分子電解質電解装置,アルカリ水電解装置、高圧式電解装置、改良型アルカリ水電解装置等が使用できる。この水電解装置50は、微粉炭火力発電設備10の発電能力等により1基のみ設置するだけでもよいが、本発明においては、微粉炭火力発電設備2、ひいては発電システム1全体の発電出力の設定変更に対する応答性を向上させる観点から、並列に複数基設置されるのが好ましい。各水電解装置の電解能力は、それぞれ同等であってもよく、異なっていてもよい。上記の1基又は複数基の水電解装置に供給される水原料は、微粉炭ボイラー10に装備されている純水タンク(不図示)から抜き出して使用できる。
上記水電解装置を並列に複数基設置した場合、例えば以下のような方法でこれらの水電解装置を運転することができる。即ち、需要電力量の低下から、微粉炭火力発電設備2の電力需要地への発電出力を下げる必要がある場合、微粉炭火力発電設備2に対する発電出力の設定値を当該発電設備2の定格発電出力の範囲内で変更することにより、所定の設定値で順次段階的に起動又は停止するようにすることができる。この発電出力の設定値の変更は、通常、全国各地に点在する中央給電所又は給電所からの発電出力指令によって行われる。この運転方法の具体例を図3に基づいて説明する。この図では、説明の便宜上、5基の電解能力の同等な水電解装置が微粉炭火力発電設備2に併設され、当該発電設備2の定格発電出力を100%とし、水電解装置1基の運転時の消費電力は2%の発電出力に相当するものとしている。また、この図において、(a)は、本発明の微粉炭火力発電設備2が定格発電出力で運転されている場合に、需要電力量の低下により上記発電設備2の発電出力の設定値を下げる場合、(b)は、発電電力量の少ない状態から定格発電出力まで設定値を上げる場合の複数基の水電解装置50の起動停止方法をそれぞれ示している。尚、この水電解装置の起動停止に係る発電出力の設定値の変更は、この図に示すように2%刻みに限定されるものではなく、水電解装置の消費電力や需要電力量の低下量等を考慮し、適宜選択が可能であることは言うまでもない。
微粉炭火力発電設備2が、定格発電出力(図中100%)で運転されている状態で、需要電力量の低下から当該設備の発電出力の設定値を98%に下げる指令信号が給電所から発せられた場合、この指令信号は、微粉炭火力発電設備2の自動負荷調整装置(不図示)に入力されるとともに、複数基の水電解装置の起動停止調整回路(不図示)にも入力される。この起動停止調整回路は、上記発電出力の設定を下げる場合、所定の設定値で、複数基の水電解装置が1基ごと順次段階的に起動し、また発電電力量が低い状態から設定値を上げていく場合、所定の設定値で1基ごと段階的に停止するように予め設定されている。従って、100%の定格発電出力から98%に設定を下げる指令が上記起動停止調整回路に入力された場合、最初の1基目の水電解装置が起動され、次に設定値が96%に下げられたところで、2基目の水電解装置が起動されるというように順次1基ずつ段階的に起動されていき、設定値が90%に下げられた場合、最後の5基目が起動される。また、発電出力の低い状態(例えば、図中88%で上記5基の水電解装置がすべて運転されている状態)から、設定値が90%に上げられた場合、上記最後に起動された水電解装置が停止され、92%に上げられたところで4基目に起動された水電解装置が停止されるというように順次1基ずつ段階的に停止していき、設定を98%に上げたところで、最初に起動された1基目の水電解装置が停止される。一方、微粉炭火力発電設備2の自動負荷調整装置は、発電出力の設定値が変更されるごとに、上記変更された各設定値の差に相当する発電電力量を水電解装置の運転用に切り替える。このような水電解装置の起動停止方法を採用することで、上記変更された各設定値の差に相当する電力は、水電解装置の運転に消費され、結果として微粉炭火力発電システム1は、 見掛け上発電電力量を定格に維持しながら、当該発電システムからの需要地に対する発電出力のみを迅速に下げることができ、その結果応答性の向上が図られる。
実際には、上記のような水電解装置の起動停止方法を行う場合、公知の制御方法を用いて微粉炭火力発電設備2の発電電力量の低減と複数基の水電解装置の起動停止とがスムーズに行えるように制御する必要がある。また、水電解装置1基を運転することによる消費電力が、当該装置の起動停止に係る発電出力の設定値の差(上記の例では2%)に相当する電力よりも小さい場合であっても、水電解装置1基を起動することで、上記設定値の差に相当する発電出力の一部は水電解装置の運転に消費されるため、微粉炭火力発電設備自体の負荷調整量は、その分小さくなり、結果として水電解装置を併設しない場合よりも短時間で発電出力を調整し、その後安定して運転することが可能であり、結果として微粉炭火力発電設備2、ひいてはこの発電システム1全体の応答性を向上させることができる。尚、上記の水電解装置の運転方法の例では、水電解装置を発電出力の設定変更により順次1基ずつ段階的に起動停止するが、このような方法に限られず、更に複数基の水電解装置を設置し、いくつかの群に分け、上記設定変更により、所定の設定値でこれらのうちの1群が同時に段階的に起動停止されるようにしてもよい。
このような運転方法により水電解装置50において製造された酸素及び水素は、酸素貯蔵装置60及び水素貯蔵装置70にそれぞれ貯蔵される。貯蔵装置60及び70の形状、容量及び貯蔵圧力については特に限定されず、水電解装置50の性能によりこれらは適宜決定される。
本発明においては、図1に示すように、上記酸素貯蔵装置60に貯蔵された酸素を流量調整弁61により定量導出し、これを微粉炭ボイラー10の2段燃焼部11に供給することを特徴とする。具体的には、上記定量導出された酸素を配管62途中の流量調整弁63を開き、配管64途中の流量調整弁65を閉じて配管62を通して空気予熱器31で加熱した後、上記微粉炭ボイラー10の2段燃焼空気導入口12に通じる燃焼用空気配管28に送入する。或いは、流量調整弁63を閉じ、流量調整弁65を開いて配管62より分岐された配管64を通して空気予熱器31にて加熱せずに上記微粉炭ボイラー10の2段燃焼空気導入口12に通じる燃焼用空気配管28に送入してもよい。この燃焼用空気配管28に送入される酸素は、それのみで上記2段燃焼部11に供給してもよいし、ダンパー25を所定の開度で開いて上記配管28に流れ込む燃焼用空気と混合して2段燃焼部11に供給してもよい。また、ダンパー23及び33をそれぞれ所定の開度で開き、上記酸素と燃焼用空気及び排気との混合気体として2段燃焼部11に供給してもよい。このように、2段燃焼部へ別途製造した酸素を供給することにより、排気中のNOxの発生を抑制しつつ、灰中未燃分量の低減が可能となる。
2段燃焼空気導入口12から火炉内に上記の酸素及び燃焼用空気、又は酸素、燃焼用空気及び排気の混合気体が供給される場合、当該混合気体中の酸素濃度は、NOxを抑制しつつ、灰中未燃分が最低となるように制御される。具体的には、酸素配管途中の流量調整弁63又は65、燃焼用空気ダンパー25、排気ダンパー33のうち少なくとも1つの流量調整弁又はダンパーの開度を一定として他のダンパー等の開度を調整することにより、上記混合気体の酸素濃度が制御される。この開度を一定とし、又は調整するダンパー又は流量調整弁は、微粉炭ボイラーの構造やその運転状況等から適宜選択される。この制御に際しては、2段燃焼空気導入口12直前の上記混合気体の酸素濃度を計測するとともに、排気中の酸素濃度、排気流量、2段燃焼部に供給される燃焼用空気流量を計測し、これらの計測値を上記制御に用いることができる。
また、2段燃焼部11に供給される上記混合気体の流速は、2段燃焼部11を通過する石炭灰中の未燃分との接触機会を増大させ、また炉壁に沿って配設されている水管周辺における未燃分の燃焼による局所的な高温化による水管の損傷を防止する点から大きくすることが好ましい。そこで、必要であれば、例えば、2段燃焼部11の構造や排気流速等から、上記混合気体の2段燃焼空気導入口12における最適流速範囲を求め、当該流速範囲となるように上記混合気体の最適流量範囲を決定し、この流量範囲を上記制御に使用してもよい。
図2は、図1に示した微粉炭火力発電システム1において、燃料電池装置100を併設した場合の本発明の実施の形態の別の例を示す全体構成図である。この発電システム1は、需要電力量が上記微粉炭火力発電装置2の発電電力量を上回る場合等に用いることができ、その結果、更に電力の負荷平準化を図ることができるものである。
図中、符号100は燃料電池装置を示している。当該装置の形式は特に限定されず、固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)、溶融炭酸塩型燃料電池装置(MCFC)等の高温型燃料電池装置や燐酸型燃料電池装置(PAFC)、高分子電解質形燃料電池装置(PEFC)、アルカリ水溶液形燃料電池装置(AFC)等の中・低温形燃料電池装置のいずれの燃料電池装置をも好適に使用できる。
この発電システム1においても、水電解装置50は、1基設置するだけでもよいが、微粉炭火力発電設備2の応答性、ひいては発電システム1全体の応答性を向上させる観点から複数基設置され、上記例示した方法と同様の運転方法により運転されるのが好ましい。この場合、各水電解装置の電解能力は、上記の実施の形態と同様、それぞれ同等でもよく、相互に異なっていてもよい。また、複数基の水電解装置を幾つかの群に分け、所定の発電電力量の設定値で、これらのうちの1群が段階的に起動又は停止するようにしてもよい。
酸素貯蔵装置60から導出された酸素は、流量調整弁69が閉じられ、流量調整弁63を所定の開度で開くことにより、配管62を通して燃焼用空気配管24内を流れる燃焼用空気中に所定量送入され、酸素及び燃焼用空気の混合気体として空気予熱器31に供給される。上記酸素と燃焼用空気との混合気体は、空気予熱器31で加熱された後、図1に示すシステムと同様に、微粉炭ボイラー10の微粉炭バーナー(不図示)及び2段燃焼部11に分配される。この実施の形態においても、上記酸素と燃焼用空気との混合空気は、排気ダンパー33を閉じ、燃焼用空気ダンパー25を開くことにより、配管28及び29を通じてその一部が2段燃焼部11に供給される。更に、排気ダンパー33を所定の開度で開くことで、酸素、燃焼用空気及び排気の混合気体として2段燃焼部11に供給することもできる。2段燃焼部11へ供給されるこれらの混合気体の酸素濃度及び流速は、上記実施の形態と同様に制御されるようにすることが好ましい。
燃料電池装置100が運転される場合、酸素貯蔵装置60から流量調整弁61を経て導出された酸素の一部は、流量調整弁69が所定の開度で開かれることにより、燃料電池装置100の空気極Cに送られる。この燃料電池装置100及び微粉炭ボイラー10の2段燃焼部11に供給される酸素の流量は、流量調整弁63及び69の開度を調整することにより決定され、流量調整弁63を閉じることにより、燃料電池装置100にのみ酸素を供給することもできる。また、燃料電池装置100の燃料極Aには、水素貯蔵装置70から配管76を通して水素が供給され、その流量は、配管76途中の流量調整弁72の開度によって調整される。
燃料電池装置100の空気極Cに通じる配管67には、酸素だけでなく、微粉炭火力発電設備2内の給気系統の配管24から分岐された配管22を通して燃焼用空気を導入することができる。この場合、流量調整弁68及び69の開度を調整することにより、例えば燃料電池装置100の形式に応じて、酸素のみ、燃焼用空気のみ、又は酸素と燃焼用空気との混合気体を燃料電池装置100の空気極Cに供給できる。また、上記の酸素や燃焼用空気以外にも、微粉炭火力発電設備2の排気配管30から分岐された配管130を通して排気も空気極Cに供給することができる。上記の酸素及び燃焼用空気の流量調整弁68及び69を閉じることで、空気極Cに排気のみを供給することもでき、その流量は配管130途中の流量調整弁131の開度により調整される。また、この流量調整弁131の開度を上記酸素及び燃焼用空気の流量調整弁68及び69の開度とともに調整することで、排気、酸素及び燃焼用空気の3成分の混合比を任意に変更した種々の混合気体を空気極Cに供給することもできる。
燃料電池装置100に、上記のように水素と酸素又は酸素と燃焼用空気の混合気体等を供給することにより、燃料電池装置100による発電が可能となり、当該装置による発電量を直流/交流変換して送電することにより、需要電力量が微粉炭火力発電設備の定格発電電力量を上回った場合でも、上記微粉炭火力発電設備の負荷を変化させずに対応することが可能となり、その結果電力負荷の平準化が図られる。
また、特に、燃料電池装置100として溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)が併設される場合、上記のように、燃料電池装置100の空気極Cに供給される気体を全量又は一部に排気を用いることで、排気中の二酸化炭素が当該装置100において濃縮されて除去できるようになるので、その結果排気中の二酸化炭素濃度を低減し、大気中への二酸化炭素の放出量を低減する可能性がある。
燃料電池100の下流側では、燃料電池装置として高温型燃料電池装置が設置された場合には、燃料極Aから排出される反応生成物の水は水蒸気の形態であるため、この水蒸気の保有熱を利用して微粉炭火力発電システム内のコージェネレーションを図ることもできるし、上記水蒸気を流量調整弁120及び配管121を通して微粉炭ボイラー10の蒸気系統の給水ポンプ44上流側に設けた熱交換器122へ送ることもできる。この場合、また、空気極C側から排出された酸素又は燃焼用空気等は、別途送風機(不図示)等を用いて上記2段燃焼部への供給等に利用できる。
また、燃料電池装置として中・低温系燃料電池装置が設置された場合には、上記反応生成物の水は、上記給水ポンプ44下流側に設けた熱交換器(不図示)に送り、廃熱回収を行ってもよく、別個に設けられた淡水タンク(不図示)に貯水し、微粉炭火力発電システム内の他の用途に使用してもよい。また、空気極Cから排出された酸素又は燃焼用空気等は、上記と同様に、別途送風機(不図示)等を用いて上記2段燃焼部への供給等に利用できる。
尚、図1及び図2に示すいずれの実施の形態においても、微粉炭ボイラー2段燃焼部11での酸素の消費量や燃料電池装置100の酸素及び水素の消費量よりも水電解装置50により製造され貯蔵される水素及び酸素の貯蔵量が多い場合には、両者の貯蔵量と消費量との差に相当する量を弁(流量調整弁)66及び71から抜き出して他の装置に使用したり、販売等することができる。
微粉炭火力発電システム1における本発明の実施の形態の一例を示す全体構成図である。 微粉炭火力、燃料電池発電システムにおける本発明の実施の形態の一例を示す全体構成図である。 微粉炭火力発電システムにおける並列に複数基設置された水電解装置の起動停止方法を示す図である。
符号の説明
1 微粉炭火力発電システム
2 微粉炭火力発電設備
10 微粉炭ボイラー
11 2段燃焼部
41 蒸気タービン
42 発電機
50 水電解装置
60 酸素貯蔵装置
70 水素貯蔵装置
100 燃料電池装置









Claims (7)

  1. 2段燃焼部を備える微粉炭ボイラーと、当該微粉炭ボイラーで発生した蒸気により駆動されて発電を行うタービン発電機とを備えた微粉炭火力発電設備に、水電解装置と、当該水電解装置で製造される酸素を貯蔵する酸素貯蔵装置とを併設してなる微粉炭火力発電システムであって、前記微粉炭火力発電設備の発電電力の余剰分を用いて前記水電解装置を運転して製造された酸素を前記酸素貯蔵装置に貯蔵しておき、前記酸素貯蔵装置に貯蔵された酸素を前記2段燃焼部に供給するように構成したことを特徴とする微粉炭火力発電システム。
  2. 更に、燃料電池装置と水素貯蔵装置とを備え、前記微粉炭火力発電設備の発電電力の余剰分を用いて前記水電解装置を運転して製造された水素を前記水素貯蔵装置に貯蔵しておき、前記水素貯蔵装置に貯蔵された水素を前記燃料電池装置に供給して発電を行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の微粉炭火力発電システム。
  3. 前記2段燃焼部に供給される酸素は、前記微粉炭ボイラーの燃焼用空気及び/又は前記微粉炭ボイラーの排気との混合気体として前記2段燃焼部に供給される請求項1又は2に記載の微粉炭火力発電システム。
  4. 前記水電解装置は、並列に複数基設置される請求項1又は2に記載の微粉炭火力発電システム。
  5. 2段燃焼部を備える微粉炭ボイラーと、当該微粉炭ボイラーで発生した蒸気により駆動されて発電を行うタービン発電機とを備えた微粉炭火力発電設備に、水電解装置と、当該水電解装置で製造される酸素を貯蔵する酸素貯蔵装置とを併設し、前記微粉炭火力発電設備の発電電力の余剰分を用いて前記水電解装置を運転して製造された酸素を前記酸素貯蔵装置に貯蔵しておき、前記酸素貯蔵装置に貯蔵された酸素を前記2段燃焼部に供給することを特徴とする微粉炭火力発電設備の運転方法。
  6. 更に、燃料電池装置と水素貯蔵装置とを併設し、前記微粉炭火力発電設備の発電電力の余剰分を用いて前記水電解装置を運転して製造された水素を前記水素貯蔵装置に貯蔵しておき、前記水素貯蔵装置に貯蔵された水素を前記燃料電池装置に供給して発電を行うことを特徴とする請求項7に記載の微粉炭火力発電設備の運転方法。
  7. 前記水電解装置は、並列に複数基設置され、前記微粉炭火力発電設備の定格発電出力以下の所定の発電出力の設定値で順次段階的に起動又は停止するように構成した請求項5又は6に記載の微粉炭火力発電設備の運転方法。


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