以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一部分には同一符号を付している。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態による注文管理システム1の全体構成を示す図である。注文管理システム1は、飲食店の店舗に設置され、客の注文を管理するシステムである。同図に示すように、注文管理システム1は、ハンディターミナル200と、コントローラ300と、無線プリンタ400とを含んでいる。ハンディターミナル200又は無線プリンタ400と、コントローラ300とは無線LAN(Local Area Network)により無線通信する。
なお、同図においては、ハンディターミナル200を1台のみ示しているが、注文管理システム1には複数台のハンディターミナル200が含まれていてもよい。また、本図においては、無線プリンタ400を2台示しているが、注文管理システム1に含まれる無線プリンタ400の数は1台であってもよいし、3台以上であってもよい。また、各機器からコントローラ300への通信を中継するため、例えば店舗内などに、図示しない中継装置を配置してもよい。また、様々な障害等の対策のため、コントローラ300を複数台備えてコントローラ300の多重化を図ってもよい。また、コントローラ300は、複数台のサーバ装置から構成されていてもよい。また、本図においては、コントローラ300と無線プリンタ400との間の通信を、全て無線LANにより行う構成となっているが、これに限らず、例えば、有線LANなどの他の方式により通信できるようにしてもよい。
ハンディターミナル200は、注文を入力する電子機器であり、店舗における従業員に携帯され、入力される注文に基づく注文データをコントローラ300に送信する。また、ハンディターミナル200は、音声を入力するためのマイクを備えたヘッドセット270とBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信により無線接続する。
コントローラ300は、注文管理システム1を統括して制御する制御装置である。コントローラ300は、ハンディターミナル200から客の注文に関する注文データを受信し、受信した注文データを記憶管理する。また、コントローラ300は、各ハンディターミナル200から受信した注文データに基づいて伝票を無線プリンタ400に出力させる。
無線プリンタ400は、コントローラ300からの指示に応じて伝票を印字して出力するプリンタ装置である。無線プリンタ400には、バーコードを読み取るためのバーコードリーダ470が接続されている。なお、無線プリンタ400の種類として、厨房に調理を指示する調理伝票を印字する調理プリンタ410と、会計するためのゲスト伝票を印字するゲストプリンタ420とがある。
次に、ハンディターミナル200について説明する。図2は、本実施形態におけるハンディターミナル200の外観構成を示す正面図である。図示するように、ハンディターミナル200は、表示部205と、入力部206と、音声入力部207とを備える。
表示部205は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等であり、情報を表示する。表示部205の表示画面上には、タッチパネルが配置されている。表示部205には、注文ヘッダ情報と、注文情報と、音声録音モニタ2051と、後述する仮想ボタンとが表示される。注文ヘッダ情報は、注文日時と、テーブルNoと、担当者Noとを含む。また、注文情報は、注文されたメニューとその数量とを含む。音声録音モニタ2051は、音声入力部207又はヘッドセット270から入力される音声の状態を波形で示す。なお、本実施形態では、音声録音モニタ2051は、音声の状態を波形で示しているが、これに限らない。例えば、音声録音モニタ2051は、音声の状態を棒グラフ、マークの点滅、文字列(録音中は「録音中」と表示)、色(録音中と録音停止中とで表示色を変える)などで示してもよい。音声入力部207は、音声を入力するマイクである。
入力部206は、各種ボタンや表示部205上に配置されたタッチパネル等であり、入力を受け付ける。入力部206は、各メニューを示すメニューボタンと、数字を示すテンキーと、各種操作するための操作ボタンと、調理プリンタ410への伝言(音声)を入力するための調理伝言ボタン2061と、ゲストプリンタ420への伝言(音声)を入力するためのゲスト伝言ボタン2062と、注文の終了及びコントローラ300への注文データの送信を指示する注文終了ボタン2063と、伝言(音声)のみを入力するための伝言のみボタン2065とを備える。メニューボタン、テンキー、操作ボタン及び伝言のみボタン2065は、入力部206に予め配置されるキー2060である。また、調理伝言ボタン2061、ゲスト伝言ボタン2062及び注文終了ボタン2063は、表示部205に表示される仮想ボタンである。仮想ボタンは、タッチパネルにより入力を受け付ける。また、調理伝言ボタン2061及びゲスト伝言ボタン2062は、各無線プリンタ400へ送信する音声を録音するための録音機能を起動するボタンである。調理伝言ボタン2061及びゲスト伝言ボタン2062が、音声を出力する無線プリンタ400を特定する特定情報の入力を受け付ける特定情報入力部である。また、入力部206に配置されるボタンや仮想ボタンの内容は、入れ替えが可能である。
図3は、本実施形態におけるハンディターミナル200の構成を示すブロック図である。図示するように、ハンディターミナル200は、中央処理部201と、データ記憶部202と、無線通信部203と、近距離無線通信部204と、表示部205と、入力部206(注文入力部)と、音声入力部207とを備える。
中央処理部201は、ハンディターミナル200が備える各部を制御する。また、中央処理部201は、入力部206が入力を受け付けた注文を示す注文処理データと、音声入力部207が入力を受け付けた音声を示す音声データとを含む注文データを、無線通信部203からコントローラ300に送信する制御を行う。
データ記憶部202は、中央処理部201が生成した注文データ等、種々の情報を記憶する。無線通信部203は、コントローラ300と無線通信する。近距離無線通信部204は、ヘッドセット270と無線通信する。表示部205は、種々の情報を表示する。入力部206は、注文等の入力を受け付ける。音声入力部207は、音声の入力を受け付ける。
次に、コントローラ300について説明する。図4は、本実施形態におけるコントローラ300の構成を示すブロック図である。図示するように、コントローラ300は、中央処理部301と、データ記憶部302と、通信部303と、データ保存部304と、表示部305と、入力部306とを備える。
中央処理部301は、コントローラ300が備える各部を制御する。また、中央処理部301は、通信部303を介して、ハンディターミナル200から注文データを受信し、受信した注文データに基づく伝票を無線プリンタ400に出力させる制御を行う。具体的には、中央処理部301は、注文データに基づいて伝票番号を符番し、調理伝票データとゲスト伝票データとを生成する。そして、中央処理部301は、後述する出力マスタテーブルに基づき、通信部303を介して、生成した調理伝票データを調理プリンタ410に送信し、生成したゲスト伝票データをゲストプリンタ420に送信する。なお、調理伝票データは、調理伝票を印字させるための伝票データである。また、ゲスト伝票データは、ゲスト伝票を印字させるための伝票データである。伝票データは、注文データに関する伝票を印字するための伝票印字データと注文データに含まれる音声データとを含む。
データ記憶部302は、注文データを一時的に記憶する。通信部303は、無線プリンタ400またはハンディターミナル200と無線通信する。データ保存部304は、種々のデータを記憶する記憶部である。例えば、データ保存部304は、注文処理の履歴や、注文メニューや、注文メニューに対応する会計情報等を記憶する。また、データ保存部304は、各伝票の出力先を示す出力マスタテーブルを記憶する。
表示部305は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであり、種々の情報を表示する。入力部306は、キーボードやマウス等であり、入力を受け付ける。
図5は、本実施形態におけるコントローラ300が記憶する出力マスタテーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。図示するように、出力マスタテーブルは、伝票種別と、出力先と、迂回先との各データ項目を有し、行毎に関連付けて記憶する。データ項目「伝票種別」は、伝票の種別を記憶する。データ項目「出力先」は、伝票を印字させる無線プリンタ400を記憶する。データ項目「迂回先」は、データ項目「出力先」で指定される無線プリンタ400に障害が発生した場合に、伝票を印字させる迂回先の無線プリンタ400を記憶する。
図示する例では、伝票種別「調理伝票」の出力先は調理プリンタ410であり、迂回先はゲストプリンタ420であることを示している。また、伝票種別「ゲスト伝票」の出力先はゲストプリンタ420であり、迂回先は調理プリンタ410であることを示している。また、伝票種別「障害レポート」の出力先はゲストプリンタ420であり、迂回先は調理プリンタ410であることを示している。このように本実施形態では、出力マスタテーブルの情報に基づいて伝票の出力先や迂回先が設定されるため、出力マスタテーブルの情報を更新することで各伝票の出力先や迂回先を変更することができる。
次に、無線プリンタ400について説明する。図6は、本実施形態における無線プリンタ400の構造を示すブロック図である。図示するように、無線プリンタ400は、中央処理部401と、データ記憶部402と、無線通信部403と、印字部404と、表示部405と、入力部406と、接続部407と、音声出力部408とを備える。
中央処理部401は、無線プリンタ400が備える各部を制御する。中央処理部401は、無線通信部403を介して伝票データを受信し、受信した伝票データに含まれる伝票印字データに基づいて伝票を印字部404に印字させる制御を行う。また、中央処理部401は、伝票データに音声データが含まれる場合には、当該音声データに基づく音声を音声出力部408に出力させる制御を行う。また、中央処理部401は、受信した伝票データに含まれる音声データを、当該伝票データの伝票番号に対応付けてデータ記憶部402に書き込んで記憶させる制御を行う。また、中央処理部401は、入力部406またはバーコードリーダ470が伝票番号の入力を受け付けると、当該伝票番号に対応する音声データをデータ記憶部402から読み出し、読み出した音声データに基づく音声を音声出力部408に出力させる制御を行う。
データ記憶部402は、種々の情報を記憶する。例えば、データ記憶部402は、音声データを伝票番号に対応付けて記憶する。無線通信部403は、コントローラ300と無線通信する。印字部404は、印字メカ機構を制御して伝票の印字を行う。印字メカ機構は、用紙に印字を行う印字ヘッド、用紙の紙送りをするローラ、用紙をカットするカッタ可動刃と固定刃とから構成され、用紙への印字と用紙のカットとを行う。
表示部405は、LEDや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、種々の情報を表示する。入力部406は、例えば、ボタン等から構成され、入力を受け付ける。入力部406は、例えば、音声データに対応する伝票番号の入力を受け付ける。接続部407は、バーコードリーダ470と接続する。音声出力部408は、音声を出力するスピーカである。
図7は、本実施形態による無線プリンタ400のデータ記憶部402が記憶するデータ例を示す概略図である。データ記憶部402は、音声データ格納部4021として動作する。音声データ格納部4021は、複数の(例えば、16)の格納エリアを有し、各格納エリアに伝票番号と音声データとを対応付けて記憶する。中央処理部401は、音声データ格納部4021にある全ての格納エリアが使用されると、先頭の格納エリアから順に音声データを上書きする。
本図には、調理プリンタ410に記憶される調理音声データを例示している。図示する例では、音声データ格納部4021は、伝票番号「001」とその調理音声データとを対応付けて記憶し、伝票番号「002」とその調理音声データとを対応付けて記憶し、伝票番号「001−1」とその調理音声データとを対応付けて記憶し、伝票番号「n」とその調理音声データとを対応付けて記憶している。
図8は、本実施形態における無線プリンタ400の操作部分を示す概略図である。図示するように、操作部分には、表示部405と、入力部406とが配置されている。入力部406は、数字を入力するテンキーと、「−」を入力するキーと、情報をクリアするためのクリアキーと、音声を再生するための音声再生ボタン4061と、伝票を再発行するための再発行ボタンと、品切れを通知するための品切れボタンと、調理の完了や配膳の完了を入力する完了ボタンとを備える。
次に、本実施形態による注文管理システム1における動作を説明する。まず、従業員は、ハンディターミナル200の入力部206にあるキー2060や表示部205に表示された仮装ボタンを押下することにより、客からの注文及び客のテーブル番号を入力する。ハンディターミナル200の中央処理部201は、入力部206が受け付けた入力と、日付情報と、担当者Noとに基づいて、注文の内容を示す注文処理データを生成する。また、中央処理部201は、入力を受け付けた注文情報を表示部205に表示する。従業員は、表示部205に表示された注文情報を確認することで、入力した注文を確認することができる。
また、従業員は、厨房に伝言があり、調理プリンタ410から伝言(不定データ)を出力させたい場合には、調理伝言ボタン2061を押しながら音声入力部207またはヘッドセット270に向けて音声(伝言)を入力する。この入力を受け付けた場合、ハンディターミナル200の中央処理部201は、出力先に調理プリンタ410を設定し、調理伝言ボタン2061が押下されている間に音声入力部207またはヘッドセット270から入力された音声を録音し、録音した音声を示す調理音声データを生成する。なお、調理音声データは、調理プリンタ410への伝言を示す音声データである。
また、従業員は、ホールに伝言があり、ゲストプリンタ420から伝言(不定データ)を出力させたい場合には、ゲスト伝言ボタン2062を押しながら音声入力部207またはヘッドセット270に向けて音声(伝言)を入力する。この入力を受け付けた場合、ハンディターミナル200の中央処理部201は、出力先にゲストプリンタ420を設定し、ゲスト伝言ボタン2062が押下されている間、音声入力部207またはヘッドセット270から入力された音声を録音し、録音した音声を示すゲスト音声データを生成する。なお、ゲスト音声データは、ゲストプリンタ420への伝言を示す音声データである。
また、ハンディターミナル200の中央処理部201は、音声入力部207またはヘッドセット270から音声が入力されている間、音声の録音状態を音声録音モニタ2051に表示する。これにより、従業員は、音声録音モニタ2051の表示を確認することで、音声が正しく録音されているか否かを確認することができる。例えば、従業員は、音声録音モニタ2051に波形が表示されている場合には、正しく録音されていることが確認できる。なお、上述したとおり、音声録音モニタ2051の表示は、他の表示方法(棒グラフ、マークの点滅、文字列または色など)であってもよい。また、中央処理部201は、生成した音声データを、データ記憶部202に書き込んで記憶する。
従業員は、注文の入力が完了すると、注文終了ボタン2063を押下する。ハンディターミナル200の中央処理部201は、注文終了ボタン2063が押下された場合、注文データを生成し、生成した注文データをコントローラ300に送信する。
図9は、本実施形態によるハンディターミナル200が生成する注文データのデータ構造を示す概略図である。図示するように、注文データは、注文処理データと注文音声データとを含む。注文処理データは、注文の内容を示すデータであり、注文ヘッダ情報(注文日時と、テーブルNoと、担当者Noとを含む情報)及び注文情報(注文されたメニューとその数量とを含む情報)を含む。注文音声データは、音声入力部207またはヘッドセット270から入力された音声を示す音声データである。注文音声データには、調理音声データとゲスト音声データとがある。
中央処理部201は、注文入力において、調理伝言ボタン2061が入力を受け付け、調理音声データを生成した場合に、注文データに調理音声データを格納する。また、中央処理部201は、注文入力において、ゲスト伝言ボタン2062が入力を受け付け、ゲスト音声データを生成した場合に、注文データにゲスト音声データを格納する。なお、注文音声データには、調理音声データまたはゲスト音声データのどちらか一方のみが含まれていてもよいし、調理音声データ及びゲスト音声データの両方が含まれていてもよい。また、中央処理部201は、注文入力において音声が入力されていない場合には、注文データに注文音声データを格納しない。
また、従業員は、注文を入力せずに調理プリンタ410やゲストプリンタ420から伝言のみを出力させたい場合には、伝言のみボタン2065を押下した後に、調理伝言ボタン2061またはゲスト伝言ボタン2062を押下して音声を入力する。ハンディターミナル200の中央処理部201は、伝言のみボタン2065が押下された後に音声が入力された場合には、当該音声を示す調理音声データまたはゲスト音声データを生成し、生成した調理音声データまたはゲスト音声データと、注文ヘッダ情報(注文日時と、テーブルNoと、担当者Noとを含む情報)とを含む注文データをコントローラ300に送信する。
コントローラ300は、ハンディターミナル200から注文データを受信すると、注文処理を実行する。具体的には、コントローラ300の中央処理部301は、受信した注文データをデータ記憶部302に書き込んで一時記憶する。そして、中央処理部301は、注文処理ごとに、注文処理の履歴、注文ニューや注文メニューに対応する会計情報などをデータ保存部304に書き込んで記憶する。
続いて、コントローラ300は、伝票処理を実行する。具体的には、コントローラ300の中央処理部301は、受信した注文データに基づいて、調理伝票データ及びゲスト伝票データを生成する。そして、中央処理部301は、生成した調理伝票データを調理プリンタ410に送信し、生成したゲスト伝票データをゲストプリンタ420に送信する。
図10は、本実施形態におけるコントローラ300が生成する伝票データのデータ構造を示す概略図である。図10(A)は、調理伝票データを示す。図示するように、調理伝票データは、伝票番号と、調理伝票印字データと、調理音声データとを含む。伝票番号は、伝票を識別する識別情報である。調理伝票印字データは、調理伝票を印字するための伝票印字データである。伝票印字データは、伝票を印字するためのデータである。
図10(B)は、ゲスト伝票データを示す。図示するように、ゲスト伝票データは、伝票番号と、ゲスト伝票印字データと、ゲスト音声データとを含む。ゲスト伝票印字データは、ゲスト伝票を印字するための伝票印字データである。
中央処理部301は、注文データに調理音声データが含まれる場合に、調理伝票データに当該調理音声データを格納する。また、中央処理部301は、注文データにゲスト音声データが含まれる場合に、ゲスト伝票データに当該ゲスト音声データを格納する。すなわち、中央処理部301は、注文データに音声データが格納されていない場合は、伝票データに音声データを格納しない。また、中央処理部301は、注文データに調理音声データが含まれる場合には、音声データが含まれることを示す情報(例えば、音声記号)を付加して調理伝票印字データを生成する。また、中央処理部301は、注文データにゲスト音声データが含まれる場合には、音声データが含まれることを示す情報(例えば、音声記号)を付加してゲスト伝票印字データを生成する。
無線プリンタ400は、コントローラ300から伝票データを受信すると、印字処理を実行する。具体的には、無線プリンタ400の中央処理部401は、受信した伝票データに含まれる伝票印字データに基づいて伝票を印字部404に印字させる。また、中央処理部401は、受信した伝票データに音声データが含まれる場合には、当該音声データに基づく音声を音声出力部408に出力させる。
図11は、本実施形態における無線プリンタ400が出力する伝票の一例を示すイメージ図である。本図には、ハンディターミナル200において伝言(音声データ)が入力された場合における伝票の一例を示す。
図11(a)は調理伝票1060の一例を示す。図示するように、調理伝票(調理指示伝票)1060には、伝票番号1062と、伝票番号を示すバーコード1064と、注文された日時と、テーブル番号と、注文を受け付けた担当と、伝言(音声データ)があることを示す音声記号1066と、注文されたメニューの名称と、その数量と、その提供時(記号)とが印字されている。
図11(b)はゲスト伝票1080の一例を示す。図示するように、ゲスト伝票(お客様控え伝票)1080には、伝票番号1082と、伝票番号を示すバーコード1084と、注文された日時と、テーブル番号と、注文を受け付けた担当と、伝言(音声データ)があることを示す音声記号1086と、注文されたメニューと、その数量と、その金額と、注文されたメニュー全ての合計金額とが印字されている。
図11(c)は調理伝票1090の他の例を示す。本例には、ハンディターミナル200において注文は入力されず、テーブル番号及び伝言(音声データ)が入力された場合の例を示す。図示するように、調理伝票1090には、伝票番号1092と、伝票番号を示すバーコード1094と、注文された日時と、テーブル番号と、注文を受け付けた担当と、伝言(音声データ)があることを示す音声記号1096と、伝言のみ(注文なし)であることを示すメッセージ「伝言のみ」1098とが印字されている。
なお、上述した例では、伝票において、伝言(音声データ)があることを音声記号により示しているが、これに限らず、音声記号の代わりに文字で伝言(音声データ)があることを示してもよい。また、図11(c)に示すように、「伝言のみ」1098と印字された調理伝票1090であってテーブル番号などの注文ヘッダ情報の印字もある場合、そのテーブル等に特化した伝言であることが予想され、テーブル番号や日時情報、担当情報といった注文ヘッダ情報が重要な情報となることが考えられる。そこで、このような場合には、注文ヘッダ情報を、注文情報が含まれる通常の調理伝票1090よりも識別力が高くなるような印字方法で印字してもよい。例えば、注文ヘッダ情報のフォントを変えたり、文字を大きくしたりしてもよい。
図12は、本実施形態における注文管理システム1の動作を示すシーケンス図である。本図には、ハンディターミナル200において、調理プリンタ410への伝言(音声)及びゲストプリンタ420への伝言(音声)が入力された場合における動作例を示す。
(ステップS101)ハンディターミナル200が、注文入力を実行する。客から注文を聞いた従業員は、その注文をハンディターミナル200に入力する。ハンディターミナル200は、入力された注文に基づき注文処理データを生成する。また、従業員は、調理伝言ボタン2061を押下しながら、調理プリンタ410への伝言(音声)を音声入力部207から入力する。ハンディターミナル200は、入力された音声に基づいて調理音声データを生成する。また、従業員は、ゲスト伝言ボタン2062ボタンを押下しながら、ゲストプリンタ420への伝言(音声)を音声入力部207から入力する。ハンディターミナル200は、入力された音声に基づいてゲスト音声データを生成する。また、ハンディターミナル200は、注文終了ボタン2063が入力を受け付けると、注文入力を完了する。その後、ステップS102の処理に進む。
(ステップS102)ハンディターミナル200は、注文入力に基づき、注文処理データと、調理音声データと、ゲスト音声データとを含む注文データを生成し、生成した注文データをコントローラ300に送信する。
(ステップS103)コントローラ300は、注文データを受信すると、注文処理を実行する。その後、ステップS104の処理に進む。
(ステップS104)コントローラ300は、伝票処理を実行する。具体的には、コントローラ300は、受信した注文データに基づいて、調理伝票データ及びゲスト伝票データを生成する。その後、ステップS105の処理に進む。
(ステップS105)コントローラ300は、生成した調理伝票データを調理プリンタ410に送信する。その後、ステップS106の処理に進む。
(ステップS106)コントローラ300は、生成したゲスト伝票データをゲストプリンタ420に送信する。
(ステップS107)調理プリンタ410は、調理伝票データを受信すると、受信した調理伝票データに含まれる調理伝票印字データに基づいて調理伝票を印字する。その後、ステップS108の処理に進む。
(ステップS108)調理プリンタ410は、受信した調理伝票データに含まれる調理音声データに基づく音声を出力する。
(ステップS109)ゲストプリンタ420は、ゲスト伝票データを受信すると、受信したゲスト伝票データに含まれるゲスト伝票印字データに基づいてゲスト伝票を印字する。その後、ステップS110の処理に進む。
(ステップS110)ゲストプリンタ420は、受信したゲスト伝票データに含まれるゲスト音声データに基づく音声を出力する。
図13は、本実施形態における注文管理システム1の他の動作を示すシーケンス図である。本図には、ハンディターミナル200において、調理プリンタ410への伝言(音声)が入力された場合であって、調理プリンタ410において障害が発生した場合の動作例を示す。
(ステップS201)ハンディターミナル200が、注文入力を実行する。客から注文を聞いた従業員は、その注文をハンディターミナル200に入力する。ハンディターミナル200は、入力された注文に基づき注文処理データを生成する。また、従業員は、調理伝言ボタン2061を押下しながら、調理プリンタ410への伝言(音声)を音声入力部207から入力する。ハンディターミナル200は、入力された音声に基づいて調理音声データを生成する。その後、ステップS202の処理に進む。
(ステップS202)ハンディターミナル200は、注文入力に基づき、注文処理データと調理音声データとを含む注文データを生成し、生成した注文データをコントローラ300に送信する。
(ステップS203)コントローラ300は、注文データを受信すると、注文処理を実行する。その後、ステップS204の処理に進む。
(ステップS204)コントローラ300は、伝票処理を実行する。その後、ステップS205の処理に進む。
(ステップS205)コントローラ300は、生成した調理伝票データを調理プリンタ410に送信する。当該調理伝票データには、調理音声データが含まれる。調理プリンタ410は、障害が発生しており、コントローラ300から送信された調理伝票データを受信できない。コントローラ300は、通信に対して無応答もしくは通信に対してエラー応答であるときに、調理プリンタ410の障害を検出する。その後、ステップS206の処理に進む。
(ステップS206)コントローラ300は、調理プリンタ410の障害を検出すると、出力マスタテーブルを参照して調理伝票の迂回先を特定し、調理伝票の迂回先であるゲストプリンタ420に、調理伝票データを送信する。このとき送信する調理伝票データには、調理伝票印字データのみが含まれ、調理音声データは含まれない。これにより、ゲストプリンタ420が調理伝票を印字する。その後、ステップS207の処理に進む。
(ステップS207)コントローラ300は、伝票出力エラー処理を実行する。具体的には、コントローラ300は、調理伝票障害通知を生成する。調理伝票障害通知は、調理伝票に障害が発生したことを通知するデータであり、伝票番号と音声の送信に失敗したことを示す音声送信エラーとを含む。その後、ステップS208の処理に進む。
(ステップS208)コントローラ300は、生成した調理伝票障害通知をハンディターミナル200に送信する。
(ステップS209)ハンディターミナル200は、調理伝票障害通知を受信すると、エラー「調理プリンタへの伝言送信が失敗しました」を表示部205に表示する。これにより、ハンディターミナル200を操作する従業員は、調理プリンタ410への伝言送信に失敗したことを知ることができる。
次に、無線プリンタ400において、音声データを再度再生するときの動作について説明する。例えば、無線プリンタ400が伝票を印字する際に、無線プリンタ400の付近に従業員が居る保証はなく、音声データを再生しても従業員に伝わらない場合がある。そこで、本実施形態では、無線プリンタ400が伝票を印字する際だけではなく、伝票番号の入力を受け付けた際にも入力された伝票番号に対応する音声データに基づく音声を出力する。これにより、従業員は、任意のタイミングで伝票に対応する音声データを再生することができる。
以下、無線プリンタ400が伝票データを受信した際の動作手順について説明する。無線プリンタ400の中央処理部401は、伝票データを受信すると、受信した伝票データをデータ記憶部402に書き込んで一次記憶する。また、中央処理部401は、伝票データに音声データが含まれている場合には、データ記憶部402の音声データ格納部4021に音声データを伝票番号と対応付けて書き込んで記憶する。また、中央処理部401は、伝票データに基づいた伝票を印字し、伝票データに音声データが含まれている場合には、音声データに基づいた音声を出力する。なお、発行された伝票に印字されている音声記号により、音声による伝言があることを認識することができる。
以下、音声データに基づいた音声を再度出力させる際の第1の再生処理の処理手順について説明する。従業員は、音声を再度再生させる場合には、伝票に印字されたバーコードを無線プリンタ400に接続されたバーコードリーダ470に読み取らせる。この操作によって、無線プリンタ400は、バーコードリーダ470が伝票に印字されたバーコードから伝票番号を読み取る。なお、バーコードリーダ470が伝票に印字されたバーコードから伝票番号を読み取ったときに、無線プリンタ400は、第1の再生処理を実行する。
図14は、本実施形態における無線プリンタ400が実行する第1の再生処理の処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS301)中央処理部401は、バーコードリーダ470によりバーコードを読み取り、伝票番号を入力する。その後、ステップS302の処理に進む。
(ステップS302)中央処理部401は、読み取ったバーコードを解析する。具体的には、中央処理部401は、入力された伝票番号に対応する音声データを音声データ格納部4021から読み出す。その後、ステップS303の処理に進む。
(ステップS303)中央処理部401は、読み出した音声データに基づいた音声を音声出力部408に出力させる。その後、処理を終了する。
上述した処理により、バーコードリーダ470にバーコードを読み取らせることで、無線プリンタ400に再度音声データを出力させることができる。なお、伝票に印字されたバーコードをバーコードリーダ470にもう一度読み取らせることで、何度でも音声データを出力させることができる。
以下、音声データに基づいた音声を再度出力させる際の第2の再生処理の処理手順について説明する。第2の再生処理は、バーコードリーダ470を使用しない再生処理である。従業員は、音声を再度再生させる場合には、入力部406のキーを操作して伝票に印字されている伝票番号を入力し、音声再生ボタン4061を押下する。なお、入力部406のキーが操作されて伝票に印字されている伝票番号が入力され、音声再生ボタン4061が押下されたときに、無線プリンタ400は、第2の再生処理を実行する。
図15は、本実施形態における無線プリンタ400が実行する第2の再生処理の処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS401)中央処理部401は、入力部406において伝票番号の入力と音声再生ボタン4061の入力を受け付ける。その後、ステップS402の処理に進む。
(ステップS402)中央処理部401は、入力されたキーコードを解析する。具体的には、中央処理部401は、入力された伝票番号に対応する音声データを音声データ格納部4021から読み出す。その後、ステップS403の処理に進む。
(ステップS403)中央処理部401は、読み出した音声データに基づく音声を音声出力部408に出力させる。その後、処理を終了する。
上述した処理により、無線プリンタ400に、再度音声データを出力させることができる。なお、第2の再生処理はバーコードリーダ470を使用しない再生処理であるため、例えば、バーコードリーダ470でバーコードを読み取ることができない場合にも、音声データを再度出力させることができる。また、例えば、バーコードリーダ470を備えていない無線プリンタ400にも、音声データを再度出力させることができる。
上述したとおり、本実施形態では、ハンディターミナル200は、コントローラ300と通信する無線通信部203と、注文の入力を受け付ける入力部206と、音声の入力を受け付ける音声入力部207と、入力部206が入力を受け付けた注文を示す注文処理データと、音声入力部207が入力を受け付けた音声を示す音声データとを含む注文データを、無線通信部203からコントローラ300に送信する中央処理部201とを備える。また、コントローラ300は、ハンディターミナル200または無線プリンタ400と通信する通信部303と、通信部303を介してハンディターミナル200から注文データを受信すると、当該注文データに関する伝票を印字するための伝票印字データと当該注文データに含まれる音声データとを含む伝票データを通信部303から無線プリンタ400に送信する中央処理部301とを備える。また、無線プリンタ400は、コントローラ300と通信する無線通信部403と、伝票を印字する印字部404と、音声を出力する音声出力部408と、無線通信部403を介してコントローラ300から伝票データを受信すると、当該伝票データに含まれる伝票印字データに基づいて印字部404に伝票を印字させるとともに、当該伝票データに含まれる音声データの音声を音声出力部408に出力させる中央処理部401とを備える。
これにより、ハンディターミナル200を操作する従業員は、手書きに代わって音声で伝言(不定データ)を厨房(調理プリンタ410またはゲストプリンタ420)に伝えることができる。また、音声により伝言を入力するため、入力ペン等を必要としない。また、音声であるため、手書きに比べて、より多くの情報を入力することができる。よって、容易に、より多くの不定データをハンディターミナル200に入力して厨房等の所定位置に居る従業員に伝えることができる。
また、無線プリンタ400は、伝票データに含まれる音声データをその伝票番号とともに記憶するデータ記憶部402と、音声データに対応する識別情報の入力を受け付ける入力部406(またはバーコードリーダ470)とを備え、中央処理部401は、伝票番号の入力を受け付けると、当該伝票番号に対応する音声データに基づく音声を音声出力部408に出力させる。これにより、無線プリンタ400は、任意のタイミングで指定の音声データに基づく音声を出力することができる。よって、厨房で必要なときに何回でも伝言を再生することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態における注文管理システム1の構成は、図1に示す第1の実施形態における構成と同様であるため、その説明を省略する。第1の実施形態では、ハンディターミナル200において、伝言(不定データ)を音声のみで入力しているのに対し、本実施形態では、音声に加えて手書き入力により伝言(不定データ)を入力することができる。
図16は、本実施形態におけるハンディターミナル200の外観構成を示す正面図である。図示するように、ハンディターミナル200は、表示部205上に手書き領域2052を有する。手書き領域2052は、タッチペンや指等によるフリーフォーマットの手書き入力を受け付ける。従業員は、タッチペン等で手書き領域2052に伝言(手書きメモ)を記入する。入力部206(手書き入力部)は、手書き領域2052に記入された手書きメモの入力をタッチパネルにより受け付ける。ハンディターミナル200の他の構成は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
以下、従業員が、手書き領域2052に伝言「学校行事繰上げ」を記入し、その後、伝言のみボタン2065を押下した後、調理伝言ボタン2061を押下しながら音声による伝言「xx小学校の運動会は、天候悪化により14時に繰り上げ終了です」を入力し、注文終了ボタン2063を押下した場合を例に説明する。なお、本例では、特定の客に特化した伝言ではないため、従業員は、テーブルNoを入力しない。
ハンディターミナル200の中央処理部201は、手書き領域2052に手書き入力された伝言「学校行事繰上げ」を示す手書きデータ(画像データ)を生成し、音声入力部207が入力を受け付けた音声による伝言「xx小学校の運動会は、天候悪化により14時に繰り上げ終了です」を示す調理音声データを生成する。そして、ハンディターミナル200は、テーブル番号を含まない注文ヘッダ情報、生成した手書きデータ及び調理音声データを含む注文データをコントローラ300に送信する。
コントローラ300は、ハンディターミナル200から注文データを受信すると、当該注文データに含まれる手書きデータが示す手書きメモの印字を含む調理伝票印字データを生成する。そして、コントローラ300は、生成した調理伝票印字データと受信した調理音声データとを含む調理伝票データを生成して調理プリンタ410に送信する。
調理プリンタ410は、調理伝票データを受信すると、データ記憶部402に記憶し、受信した調理伝票データに含まれる調理伝票印字データに基づいて調理伝票を印字するとともに、受信した調理伝票データに含まれる調理音声データに基づいて音声を出力する。
図17は、本実施形態における無線プリンタ400が出力する伝票の一例を示すイメージ図である。図示するように、本図に示す調理伝票1090aには、図11(c)に示す第1の実施形態における調理伝票1090に印字された項目に加えて、手書き入力による伝言「学校行事繰上げ」1099の画像が印字されている。また、特定の客に特化した伝言ではなく、ハンディターミナル200においてテーブルNoが入力されていないため、調理伝票1090aにはテーブル番号が印字されていない。また、特定の客に特化した伝言ではないため、調理伝票1090aの伝票番号は空白である。なお、特定の客に特化していない調理伝票1090aの伝票番号は空白に限らず、999や×××などのように、特定の伝票番号(客)に関連しないものが印字されるようにしてもよい。調理伝票1090aに印字される他の項目は、調理伝票1090と同様であるため、その説明を省略する。
このように、注文管理システム1では、「学校行事繰上げ」と要点だけを手書きメモで表現し、詳細情報「xx小学校の運動会は、天候悪化により14時に繰り上げ終了です」を音声で伝えることが可能である。この情報によって、厨房では仕込み時間を繰り上げるなどの準備に取り掛かることができる。なお、本実施形態では、ハンディターミナル200において、手書き入力及び音声入力による伝言のみの場合を例に説明したが、これに限られず、注文入力をする際にも同様に、注文処理に加えて手書き入力及び音声入力を実現することができる。
上述したとおり、本実施形態では、第1の実施形態における構成に加えて、ハンディターミナル200の入力部206は手書きメモの入力を受け付け、中央処理部201は入力を受け付けた手書きメモを示す手書きデータを含む注文データを、無線通信部203からコントローラ300に送信する。コントローラ300の中央処理部301は、注文データに含まれる手書きデータが示す手書きメモの印字を含む伝票印字データと注文データに含まれる音声データとを含む伝票データを通信部303から無線プリンタ400に送信する。
これにより、本実施形態によれば、第1の実施形態における効果に加えて、ハンディターミナル200において入力された手書きメモを、無線プリンタ400において印字することができる。よって、本実施形態による注文管理システム1では、音声による伝言に加えて、手書きメモによる伝言をハンディターミナル200から無線プリンタ400に送信することができる。
なお、手書きメモの内容は、「学校行事繰上げ」に限らず、どのような内容であってもよい。例えば、「テーブルが空きました」など、どのような内容であってもよい。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図18は、本実施形態による注文管理システム2の全体構成を示す図である。注文管理システム2は、飲食店の店舗に設置され、客の注文を管理するシステムである。同図に示すように、注文管理システム2は、ハンディターミナル200と、コントローラ300と、無線プリンタ400と、マルチディスプレイ500(表示装置)とを含んでいる。ハンディターミナル200と、無線プリンタ400と、マルチディスプレイ500と、コントローラ300とは無線LAN(Local Area Network)により無線通信する。
なお、同図においては、ハンディターミナル200を1台のみ示しているが、注文管理システム2には複数台のハンディターミナル200が含まれていてもよい。また、本図においては、無線プリンタ400を2台示しているが、注文管理システム2に含まれる無線プリンタ400の数は2台であってもよいし、3台以上であってもよい。また、本図においては、マルチディスプレイ500を1台示しているが、注文管理システム2に含まれるマルチディスプレイ500の数は2台であってもよいし、3台以上であってもよい。
また、各機器からコントローラ300への通信を中継するため、例えば店舗内などに、図示しない中継装置を配置してもよい。また、様々な障害等の対策のため、コントローラ300を複数台備えてコントローラ300の多重化を図ってもよい。また、コントローラ300は、複数台のサーバ装置から構成されていてもよい。また、本図においては、コントローラ300と、無線プリンタ400と、マルチディスプレイ500との間の通信を、全て無線LANにより行う構成となっているが、これに限らず、例えば、有線LANなどの他の方式により通信できるようにしてもよい。
ハンディターミナル200は、注文を入力する電子機器であり、店舗における従業員に携帯され、入力される注文に基づく注文データをコントローラ300に送信する。また、ハンディターミナル200は、音声を入力するためのマイクを備えたヘッドセット270とBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信により無線接続する。
コントローラ300は、注文管理システム2を統括して制御する制御装置である。コントローラ300は、ハンディターミナル200から客の注文に関する注文データを受信し、受信した注文データを記憶管理する。また、コントローラ300は、各ハンディターミナル200から受信した注文データに基づいて伝票を無線プリンタ400に出力させ、マルチディスプレイ500に表示させる。
無線プリンタ400は、コントローラ300からの指示に応じて伝票を印字して出力するプリンタ装置である。無線プリンタ400には、バーコードを読み取るためのバーコードリーダ470が接続されている。なお、無線プリンタ400の種類として、厨房に調理を指示する調理伝票を印字する調理プリンタ410と、会計するためのゲスト伝票を印字するゲストプリンタ420とがある。マルチディスプレイ500は、コントローラ300からの指示に応じて伝票を表示する表示装置である。
次に、ハンディターミナル200について説明する。本実施形態におけるハンディターミナル200の構成は、第1の実施形態における構成と同様であるため、説明を省略する。なお、本実施形態では、入力部206が備えるボタンのうち調理伝言ボタン2061は、調理プリンタ410と、マルチディスプレイ500とへの伝言(音声)を入力するためのボタンとする。すなわち、調理伝言ボタン2061は、調理プリンタ410とマルチディスプレイ500に送信する音声を録音するための録音機能を起動するボタンである。
次に、コントローラ300について説明する。本実施形態におけるコントローラ300の構成は、第1の実施形態における構成と同様であるため、説明を省略する。なお、本実施形態では、中央処理部301は、通信部303を介して、ハンディターミナル200から注文データを受信し、受信した注文データに基づく伝票を無線プリンタ400に出力させ、マルチディスプレイ500に表示させる制御を行う。
具体的には、中央処理部301は、注文データに基づいて伝票番号を符番し、調理伝票データと、ゲスト伝票データと、マルチディスプレイ用伝票データとを生成する。そして、中央処理部301は、出力マスタテーブルに基づき、通信部303を介して、生成した調理伝票データを調理プリンタ410に送信し、生成したゲスト伝票データをゲストプリンタ420に送信する。また、中央処理部301は、生成した表示伝票データをマルチディスプレイ500に送信する。なお、マルチディスプレイ用伝票データは、調理伝票を表示させるためのデータである。マルチディスプレイ用伝票データは、注文データに関する伝票を表示するための調理伝票表示データと注文データに含まれる調理音声データとを含む。
次に、無線プリンタ400について説明する。本実施形態における無線プリンタ400の構成は、第1の実施形態における構成と同様であるため、説明を省略する。
次に、マルチディスプレイ500について説明する。マルチディスプレイ500は、コントローラ300からの指示に応じて伝票を表示する表示装置である。なお、本実施形態では、マルチディスプレイ500は、マルチディスプレイ用伝票データに含まれる調理伝票表示データに基づいて伝票を表示する。
図19は、本実施形態におけるマルチディスプレイ500の構造を示すブロック図である。図示するように、マルチディスプレイ500は、中央処理部501と、データ記憶部502と、無線通信部503と、表示部505と、入力部506と、音声出力部508とを備える。
中央処理部501は、マルチディスプレイ500が備える各部を制御する。中央処理部501は、無線通信部503を介してマルチディスプレイ用伝票データを受信し、受信したマルチディスプレイ用伝票データに含まれる調理伝票表示データに基づいて伝票を表示部505に表示させる制御を行う。また、中央処理部501は、マルチディスプレイ用伝票データに音声データが含まれる場合には、当該音声データに基づく音声を音声出力部508に出力させる制御を行う。また、中央処理部501は、受信したマルチディスプレイ用伝票データに含まれる音声データを、当該伝票データの伝票番号に対応付けてデータ記憶部502に書き込んで記憶させる制御を行う。また、中央処理部501は、入力部506が再生指示の入力を受け付けると、当該再生指示に対応する音声データをデータ記憶部502から読み出し、読み出した音声データに基づく音声を音声出力部508に出力させる制御を行う。
データ記憶部502は、種々の情報を記憶する。例えば、データ記憶部502は、音声データを伝票番号に対応付けて記憶する。無線通信部503は、コントローラ300と無線通信する。表示部505は、例えば液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示する。入力部506は、例えば、表示部505(液晶ディスプレイ)の表示領域上に設けられたタッチパネルであり、再生指示などの入力を受け付ける。音声出力部508は、音声を出力するスピーカである。
図20は、本実施形態によるマルチディスプレイ500のデータ記憶部502が記憶するデータ例を示す概略図である。データ記憶部502は、音声データ格納部5021として動作する。音声データ格納部5021は、複数の(例えば、16)の格納エリアを有し、各格納エリアに伝票番号と音声データとを対応付けて記憶する。中央処理部501は、音声データ格納部5021にある全ての格納エリアが使用されると、先頭の格納エリアから順に音声データを上書きする。
本図には、マルチディスプレイ500に記憶される調理音声データを例示している。図示する例では、音声データ格納部5021は、伝票番号「001」とその調理音声データとを対応付けて記憶し、伝票番号「002」とその調理音声データとを対応付けて記憶し、伝票番号「001−1」とその調理音声データとを対応付けて記憶し、伝票番号「n」とその調理音声データとを対応付けて記憶している。
次に、本実施形態による注文管理システム2における動作を説明する。まず、従業員は、ハンディターミナル200の入力部206にあるキー2060や表示部205に表示された仮装ボタンを押下することにより、客からの注文及び客のテーブル番号を入力する。ハンディターミナル200の中央処理部201は、入力部206が受け付けた入力と、日付情報と、担当者Noとに基づいて、注文の内容を示す注文処理データを生成する。また、中央処理部201は、入力を受け付けた注文情報を表示部205に表示する。従業員は、表示部205に表示された注文情報を確認することで、入力した注文を確認することができる。
また、従業員は、厨房に伝言があり、調理プリンタ410およびマルチディスプレイ500から伝言(不定データ)を出力させたい場合には、調理伝言ボタン2061を押しながら音声入力部207またはヘッドセット270に向けて音声(伝言)を入力する。この入力を受け付けた場合、ハンディターミナル200の中央処理部201は、出力先に調理プリンタ410とマルチディスプレイ500とを設定し、調理伝言ボタン2061が押下されている間に音声入力部207またはヘッドセット270から入力された音声を録音し、録音した音声を示す調理音声データを生成する。なお、調理音声データは、調理プリンタ410とマルチディスプレイ500への伝言を示す音声データである。
また、従業員は、ホールに伝言があり、ゲストプリンタ420から伝言(不定データ)を出力させたい場合には、ゲスト伝言ボタン2062を押しながら音声入力部207またはヘッドセット270に向けて音声(伝言)を入力する。この入力を受け付けた場合、ハンディターミナル200の中央処理部201は、出力先にゲストプリンタ420を設定し、ゲスト伝言ボタン2062が押下されている間、音声入力部207またはヘッドセット270から入力された音声を録音し、録音した音声を示すゲスト音声データを生成する。なお、ゲスト音声データは、ゲストプリンタ420への伝言を示す音声データである。
また、ハンディターミナル200の中央処理部201は、音声入力部207またはヘッドセット270から音声が入力されている間、音声の録音状態を音声録音モニタ2051に表示する。これにより、従業員は、音声録音モニタ2051の表示を確認することで、音声が正しく録音されているか否かを確認することができる。例えば、従業員は、音声録音モニタ2051に波形が表示されている場合には、正しく録音されていることが確認できる。なお、上述したとおり、音声録音モニタ2051の表示は、他の表示方法(棒グラフ、マークの点滅、文字列または色など)であってもよい。また、中央処理部201は、生成した音声データを、データ記憶部202に書き込んで記憶する。
従業員は、注文の入力が完了すると、注文終了ボタン2063を押下する。ハンディターミナル200の中央処理部201は、注文終了ボタン2063が押下された場合、注文データを生成し、生成した注文データをコントローラ300に送信する。なお、注文データのデータ構造は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
中央処理部201は、注文入力において、調理伝言ボタン2061が入力を受け付け、調理音声データを生成した場合に、注文データに調理音声データを格納する。また、中央処理部201は、注文入力において、ゲスト伝言ボタン2062が入力を受け付け、ゲスト音声データを生成した場合に、注文データにゲスト音声データを格納する。なお、注文音声データには、調理音声データまたはゲスト音声データのどちらか一方のみが含まれていてもよいし、調理音声データ及びゲスト音声データの両方が含まれていてもよい。また、中央処理部201は、注文入力において音声が入力されていない場合には、注文データに注文音声データを格納しない。
また、従業員は、注文を入力せずに調理プリンタ410や、マルチディスプレイ500や、ゲストプリンタ420から伝言のみを出力させたい場合には、伝言のみボタン2065を押下した後に、調理伝言ボタン2061またはゲスト伝言ボタン2062を押下して音声を入力する。ハンディターミナル200の中央処理部201は、伝言のみボタン2065が押下された後に音声が入力された場合には、当該音声を示す調理音声データまたはゲスト音声データを生成し、生成した調理音声データまたはゲスト音声データと、注文ヘッダ情報(注文日時と、テーブルNoと、担当者Noとを含む情報)とを含む注文データをコントローラ300に送信する。
コントローラ300は、ハンディターミナル200から注文データを受信すると、注文処理を実行する。具体的には、コントローラ300の中央処理部301は、受信した注文データをデータ記憶部302に書き込んで一時記憶する。そして、中央処理部301は、注文処理ごとに、注文処理の履歴、注文ニューや注文メニューに対応する会計情報などをデータ保存部304に書き込んで記憶する。
続いて、コントローラ300は、伝票処理を実行する。具体的には、コントローラ300の中央処理部301は、受信した注文データに基づいて、調理伝票データと、ゲスト伝票データと、マルチディスプレイ用伝票データとを生成する。そして、中央処理部301は、生成した調理伝票データを調理プリンタ410に送信し、生成したゲスト伝票データをゲストプリンタ420に送信し、生成したマルチディスプレイ用伝票データをマルチディスプレイ500に送信する。
調理伝票データとゲスト伝票データとは、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。図21は、本実施形態におけるコントローラ300が生成するマルチディスプレイ用伝票データのデータ構造を示す概略図である。図示するように、マルチディスプレイ用伝票データは、伝票番号と、調理伝票表示データと、調理音声データとを含む。伝票番号は、伝票を識別する識別情報である。調理伝票表示データは、調理伝票を表示するための伝票表示データである。伝票表示データは、伝票を表示するためのデータである。
中央処理部301は、注文データに調理音声データが含まれる場合に、調理伝票データとマルチディスプレイ用伝票データとに当該調理音声データを格納する。また、中央処理部301は、注文データにゲスト音声データが含まれる場合に、ゲスト伝票データに当該ゲスト音声データを格納する。すなわち、中央処理部301は、注文データに音声データが格納されていない場合は、伝票データに音声データを格納しない。また、中央処理部301は、注文データに調理音声データが含まれる場合には、音声データが含まれることを示す情報(例えば、音声記号)を付加して調理伝票印字データとマルチディスプレイ用伝票データとを生成する。また、中央処理部301は、注文データにゲスト音声データが含まれる場合には、音声データが含まれることを示す情報(例えば、音声記号)を付加してゲスト伝票印字データを生成する。
無線プリンタ400は、コントローラ300から伝票データを受信すると、印字処理を実行する。具体的には、無線プリンタ400の中央処理部401は、受信した伝票データに含まれる伝票印字データに基づいて伝票を印字部404に印字させる。また、中央処理部401は、受信した伝票データに音声データが含まれる場合には、当該音声データに基づく音声を音声出力部408に出力させる。なお、無線プリンタ400が出力する伝票は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
マルチディスプレイ500は、コントローラ300からマルチディスプレイ用伝票データを受信すると、表示処理を実行する。具体的には、マルチディスプレイ500の中央処理部501は、受信したマルチディスプレイ用伝票データに含まれる伝票表示データに基づいて伝票を表示部505に表示させる。また、中央処理部501は、受信したマルチディスプレイ用伝票データに音声データが含まれる場合には、当該音声データに基づく音声を音声出力部508に出力させる。
図22は、本実施形態におけるマルチディスプレイ500が表示する伝票の一例を示すイメージ図である。本図には、ハンディターミナル200において伝言(音声データ)が入力された場合における伝票の一例を示す。
マルチディスプレイ500の中央処理装置501は、伝票を表示部505に並べて表示する。図示する例では、調理伝票5101(調理指示伝票)を上段左側に表示し、調理伝票5201を上段中央に表示している。なお、複数の調理伝票を表示する場合における、各調理伝票の表示位置はどのような位置であってもよい。例えば、各調理伝票を、伝票番号順に、表示部505の左側から右側に順に並べて表示してもよい。また、例えば、各調理伝票を、テーブル番号順に、左側から右側に順に並べて表示してもよい。また、各調理伝票を、上段と、中段と、下段など、複数段に並べて表示してもよい。また、表示する調理伝票が多数有り、1画面に収まらない場合には、複数画面を用いて調理伝票を表示してもよい。
調理伝票5101は、第1の実施形態における調理伝票1060に対応する伝票である。図示する例では、調理伝票5101には、伝票番号5102と、注文された日時(ハンディターミナル200からコントローラ300に注文データが送信された日時)と、テーブル番号と、伝言(音声データ)があることを示す再生ボタン5104と、注文されたメニューの名称と、その数量と、注文されたメニューが提供みであることをレ点で示す入力と表示の兼用エリア5106と、完了ボタン5108とが表示されている。
調理伝票5201は、第1の実施形態における調理伝票1090に対応する伝票である。図示する例では、調理伝票5201には、伝票番号5202と、注文された日時(ハンディターミナル200からコントローラ300に注文データが送信された日時)と、テーブル番号と、伝言(音声データ)があることを示す再生ボタン5204と、伝言のみ(注文なし)であることを示すメッセージ「伝言のみ」5203と、完了ボタン5108とが表示されている。
本実施形態では、入力部506は、例えば、表示部505(液晶ディスプレイ)の表示領域上に設けられたタッチパネルである。そこで、本実施形態では、再生ボタン5104,5204を、音声出力指示の入力を受け付ける入力部506としている。例えば、マルチディスプレイ500の中央処理部501は、調理伝票5101の再生ボタン5104が押下された場合には、調理伝票5101に関連付けてデータ記憶部502が記憶している調理音声データを音声出力部508から出力させる。また、例えば、マルチディスプレイ500の中央処理部501は、調理伝票5201の再生ボタン5204が押下された場合には、調理伝票5201に関連付けてデータ記憶部502が記憶している調理音声データを音声出力部508から出力させる。
また、本実施形態では、完了ボタン5108,5208を、調理伝票の表示を消去する指示を受け付ける入力部506としている。例えば、マルチディスプレイ500の中央処理部501は、調理伝票5101の完了ボタン5108が押下された場合には、調理伝票5101の表示を消去する。また、例えば、マルチディスプレイ500の中央処理部501は、調理伝票5201の完了ボタン5208が押下された場合には、調理伝票5201の表示を消去する。
なお、上述した例では、伝票において、伝言(音声データ)があることを再生ボタンにより示しているが、これに限らず、再生ボタンの代わりに文字で伝言(音声データ)があることを示してもよい。また、図22の調理伝票5202に示すように、「伝言のみ」5203と表示されておりテーブル番号などの注文ヘッダ情報の表示もある場合、そのテーブル等に特化した伝言であることが予想され、テーブル番号や日時情報、担当情報といった注文ヘッダ情報が重要な情報となることが考えられる。そこで、このような場合には、注文ヘッダ情報を、注文情報が含まれる通常の調理伝票5202よりも識別力が高くなるような方法で表示してもよい。例えば、注文ヘッダ情報のフォントを変えたり、文字を大きくしたりしてもよい。
図23は、本実施形態における注文管理システム2の動作を示すシーケンス図である。本図には、ハンディターミナル200において、調理プリンタ410及びマルチディスプレイ500への伝言(音声)と、ゲストプリンタ420への伝言(音声)が入力された場合における動作例を示す。
(ステップS401)ハンディターミナル200が、注文入力を実行する。客から注文を聞いた従業員は、その注文をハンディターミナル200に入力する。ハンディターミナル200は、入力された注文に基づき注文処理データを生成する。また、従業員は、調理伝言ボタン2061を押下しながら、調理プリンタ410及びマルチディスプレイ500への伝言(音声)を音声入力部207から入力する。ハンディターミナル200は、入力された音声に基づいて調理音声データを生成する。また、従業員は、ゲスト伝言ボタン2062ボタンを押下しながら、ゲストプリンタ420への伝言(音声)を音声入力部207から入力する。ハンディターミナル200は、入力された音声に基づいてゲスト音声データを生成する。また、ハンディターミナル200は、注文終了ボタン2063が入力を受け付けると、注文入力を完了する。その後、ステップS402の処理に進む。
(ステップS402)ハンディターミナル200は、注文入力に基づき、注文処理データと、調理音声データと、ゲスト音声データとを含む注文データを生成し、生成した注文データをコントローラ300に送信する。
(ステップS403)コントローラ300は、注文データを受信すると、注文処理を実行する。その後、ステップS404の処理に進む。
(ステップS404)コントローラ300は、伝票処理を実行する。具体的には、コントローラ300は、受信した注文データに基づいて、調理伝票データと、ゲスト伝票データと、マルチディスプレイ用伝票データとを生成する。その後、ステップS405の処理に進む。
(ステップS405)コントローラ300は、生成した調理伝票データを調理プリンタ410に送信する。その後、ステップS406の処理に進む。
(ステップS406)コントローラ300は、生成したゲスト伝票データをゲストプリンタ420に送信する。
(ステップS407)コントローラ300は、生成したマルチディスプレイ用伝票データをマルチディスプレイ500に送信する。
(ステップS408)調理プリンタ410は、調理伝票データを受信すると、受信した調理伝票データに含まれる調理伝票印字データに基づいて調理伝票を印字する。その後、ステップS409の処理に進む。
(ステップS409)調理プリンタ410は、受信した調理伝票データに含まれる調理音声データに基づく音声を出力する。
(ステップS410)ゲストプリンタ420は、ゲスト伝票データを受信すると、受信したゲスト伝票データに含まれるゲスト伝票印字データに基づいてゲスト伝票を印字する。その後、ステップS411の処理に進む。
(ステップS411)ゲストプリンタ420は、受信したゲスト伝票データに含まれるゲスト音声データに基づく音声を出力する。
(ステップS412)マルチディスプレイ500は、マルチディスプレイ用伝票データを受信すると、受信したマルチディスプレイ用伝票データに含まれる調理伝票表示データに基づいて調理伝票を表示する。その後、ステップS413の処理に進む。
(ステップS413)マルチディスプレイ500は、受信したマルチディスプレイ用伝票データに含まれる調理音声データに基づく音声を出力する。
次に、マルチディスプレイ500において、音声データを再度再生するときの動作について説明する。例えば、マルチディスプレイ500が伝票の表示を行ったタイミングで、マルチディスプレイ500の付近に従業員が居る保証はなく、音声データを再生しても従業員に伝わらない場合がある。そこで、本実施形態では、マルチディスプレイ500が伝票の表示を行ったタイミングだけではなく、入力部506が音声出力指示の入力を受け付けた際にも入力された伝票番号に対応する音声データに基づく音声を出力する。これにより、従業員は、任意のタイミングで伝票に対応する音声データを再生することができる。
以下、マルチディスプレイ500がマルチディスプレイ用伝票データを受信した際の動作手順について説明する。マルチディスプレイ500の中央処理部501は、マルチディスプレイ用伝票データを受信すると、受信したマルチディスプレイ用伝票データをデータ記憶部502に書き込んで一次記憶する。また、中央処理部501は、マルチディスプレイ用伝票データに音声データが含まれている場合には、データ記憶部502の音声データ格納部5021に音声データを伝票番号と対応付けて書き込んで記憶する。また、中央処理部501は、調理伝票表示データに基づいて表示部505に伝票を表示し、マルチディスプレイ用伝票データに音声データが含まれている場合には、音声データに基づいた音声を音声出力部508に出力させる。なお、表示されている伝票に再生ボタンが含まれていることにより、音声による伝言があることを認識することができる。
以下、音声データに基づいた音声をマルチディスプレイ500から再度出力させる際の再生処理の処理手順について説明する。従業員は、マルチディスプレイ500から音声を再度再生させる場合には、表示部505に表示されている調理伝票のうち、音声を再度再生させる調理伝票の再生ボタンをタッチする。この操作によって、マルチディスプレイ500は、押下された再生ボタンを含む調理伝票に関連付けて記憶されている音声データを出力する。
図24は、本実施形態におけるマルチディスプレイ500が実行する再生処理の処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS501)中央処理部501は、入力部506であるタッチパネル上に配置された再生ボタンが押下されたことを検出する。その後、ステップS502の処理に進む。
(ステップS502)中央処理部501は、押下された再生ボタンを解析する。具体的には、押下された再生ボタンの位置から、その再生ボタンが表示されている領域に表示されている調理伝票の伝票番号を解析して求める。その後、ステップS503の処理に進む。
(ステップS503)中央処理部501は、ステップS502の処理で求めた伝票番号を解析する。具体的には、中央処理部501は、ステップS502の処理で求めた伝票番号に対応する音声データを音声データ格納部5021から読み出す。その後、ステップS504の処理に進む。
(ステップS504)中央処理部501は、読み出した音声データに基づいた音声を音声出力部508に出力させる。その後、処理を終了する。
上述した処理により、マルチディスプレイ500に表示されている調理伝票の再生ボタンを押下することで、マルチディスプレイ500に再度音声データを出力させることができる。なお、マルチディスプレイ500に表示されている調理伝票の再生ボタンを押下する度に、何度でも音声データを出力させることができる。
上述したとおり、本実施形態では、ハンディターミナル200は、コントローラ300と通信する無線通信部203と、注文の入力を受け付ける入力部206と、音声の入力を受け付ける音声入力部207と、入力部206が入力を受け付けた注文を示す注文処理データと、音声入力部207が入力を受け付けた音声を示す音声データとを含む注文データを、無線通信部203からコントローラ300に送信する中央処理部201とを備える。また、コントローラ300は、ハンディターミナル200と、無線プリンタ400と、マルチディスプレイ500と通信する通信部303を備える。
また、コントローラ300は、通信部303を介してハンディターミナル200から注文データを受信すると、当該注文データに関する伝票を印字するための伝票印字データと当該注文データに含まれる音声データとを含む伝票データを通信部303から無線プリンタ400に送信する中央処理部301を備える。また、コントローラ300は、通信部303を介してハンディターミナル200から注文データを受信すると、当該注文データに関する伝票を表示するための調理伝票表示データと当該注文データに含まれる音声データとを含むマルチディスプレイ用伝票データを通信部303からマルチディスプレイ500に送信する中央処理部301を備える。
また、マルチディスプレイ500は、コントローラ300と通信する無線通信部503と、伝票を表示する表示部505と、音声を出力する音声出力部508とを備える。また、マルチディスプレイ500は、無線通信部503を介してコントローラ300からマルチディスプレイ用伝票データを受信すると、当該伝票データに含まれる調理伝票表示データに基づいて表示部505に伝票を表示させるとともに、当該マルチディスプレイ用伝票データに含まれる音声データの音声を音声出力部508に出力させる中央処理部501を備える。
これにより、ハンディターミナル200を操作する従業員は、マルチディスプレイ500を用いて、手書きに代わって音声で伝言(不定データ)を厨房に伝えることができる。また、音声により伝言を入力するため、入力ペン等を必要としない。また、音声であるため、手書きに比べて、より多くの情報を入力することができる。よって、容易に、より多くの不定データをハンディターミナル200に入力して厨房等の所定位置に居る従業員に伝えることができる。
また、マルチディスプレイ500は、マルチディスプレイ用伝票データに含まれる音声データをその伝票番号とともに記憶するデータ記憶部502と、音声データの再生指示の入力を受け付ける入力部506(再生ボタン)とを備える。この構成により、中央処理部501は、再生ボタンが押下され、入力部506が音声データの再生指示の入力を受け付けると、当該再生ボタンに対応する音声データに基づく音声を音声出力部508に出力させる。これにより、マルチディスプレイ500は、任意のタイミングで指定の音声データに基づく音声を出力することができる。よって、厨房で必要なときに何回でも伝言を再生することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、音声記号や再生ボタンを用いて、各伝票に関連付けられている音声が存在することを報知しているが、報知態様はこれに限らない。例えば、各伝票に関連付けられている音声が存在することをより目立たせるために、透かし表示で大きく音声記号を表示するようにしてもよい。
図25は、マルチディスプレイ500が表示する、透かし表示で大きく音声記号を表示している伝票の一例を示すイメージ図である。図示する例では、調理伝票5301には、音声記号5302が透かし表示で大きく表示されている。また、調理伝票5401には、音声記号5402が透かし表示で大きく表示されている。また、図示する例では、再生ボタン5303,5403の表示は、記号ではなく文字で表示されている。このように、再生ボタンの表示態様は、再生ボタンであることが分かれば、どのような表示態様であってもよい。
図26は、無線プリンタ400が出力する、透かし表示で大きく音声記号を表示している伝票の一例を示すイメージ図である。図示する例では、調理伝票1160には、音声記号1166が透かし表示で大きく表示されている。
このように、音声記号を伝票に大きく表示または印字することで、音声記号の見落としを防止できる。また、音声記号を透かし表示で表示または印字することで、音声記号を大きく表示または印字したとしても、伝票に表示または印字することができる情報量が減少することを防止できる。
また、例えば、第3の実施形態において、注文管理システム2は、ハンディターミナル200と、コントローラ300と、無線プリンタ400と、マルチディスプレイ500(表示装置)とを含んでいる例を用いて説明したが、これに限らない。例えば、注文管理システムは、無線プリンタを備えていなくてもよい。すなわち、注文管理システムは、ハンディターミナルと、コントローラと、マルチディスプレイとを含んでいるものであってもよい。
また、例えば、第3の実施形態では、ハンディターミナル200から無線プリンタ400やマルチディスプレイ500に対して、音声データを送信しているが、これに限らない。例えば、第2の実施形態と同様に、ハンディターミナル200からマルチディスプレイ500に対して、音声データの代わりに手書きデータを送信できるようにしてもよい。また、例えば、ハンディターミナル200から無線プリンタ400やマルチディスプレイ500に対して、音声データと手書きデータとの両方を送信できるようにしてもよい。
また、例えば、第3の実施形態では、マルチディスプレイ500は、コントローラ300からマルチディスプレイ用伝票データを受信して、注文に関する情報を伝票(調理伝票)のフォーマットで表示しているが、表示フォーマットはこれに限らず、どのようなフォーマットで表示してもよい。例えば、マルチディスプレイ500は、注文に関する情報として、縦がメニューで、横がテーブル番号となった調理指示の一覧表示画面を表示するようにしてもよい。また、マルチディスプレイ500は、注文に関する情報として、調理指示だけではなく、空席状態等どのような情報を表示するようにしてもよい。
また、マルチディスプレイ500は、伝票のフォーマットとは異なるフォーマットで注文に関する情報を表示する場合においても、伝言(音声データ)のある注文データが紐付く伝票番号やテーブル番号を表示するときには、第3の実施形態と同様に伝言(音声データ)があることを示す再生ボタンを表示し、伝言(音声データ)があることを認識させ、伝言(音声データ)を再生できるようにしてもよい。また、この場合においても、ハンディターミナル200からマルチディスプレイ500に対して、音声データの代わりに手書きデータを送信できるようにし、マルチディスプレイ500は、手書きデータを表示するようにしてもよい。これにより、例えば、ハンディターミナル200がマルチディスプレイ500に対して手書きデータ「15番テーブル食器片づけ」と音声データ「床に水がこぼれているので拭いて下さい」を送信することで、マルチディスプレイ500は、手書きデータ「15番テーブル食器片づけ」に基づいた表示を行い、音声データ「床に水がこぼれているので拭いて下さい」に基づいた音声を出力することができる。
また、例えば、上述した実施形態では、無線プリンタ400には、伝票に印字されたバーコードを読み取るためのバーコードリーダ470が接続されているが、入力部406により伝票番号を入力可能なため、バーコードリーダ470は接続されていなくともよい。
また、上述した実施形態では、無線プリンタ400として調理プリンタ410とゲストプリンタ420とを例に説明したが、これに限られず、調理プリンタ410が複数存在してもよいし、ドリンク用プリンタやデザート用プリンタ等、他のプリンタ装置があってもよい。この場合には、各プリンタ装置に対応する録音ボタンをハンディターミナル200に追加することにより、各プリンタ装置へ音声データが送信可能となる。
また、ハンディターミナル200は、上述した実施形態に示したものに限られず、例えばスマートフォンやタブレット端末等の電子機器であってもよい。或いは、ハンディターミナル200の代わりに据え置き型の入力端末でもよい。
なお、上述した実施形態におけるハンディターミナル200、コントローラ300、無線プリンタ400、マルチディスプレイ500が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。