JP2016169768A - 蓄圧装置 - Google Patents

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Hiromitsu Kuboyama
裕満 久保山
拓也 杉澤
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拓也 杉澤
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Abstract

【課題】蓄圧装置のピストンを付勢するスプリングの端部を支持するカバーがハウジングに対して傾くのを抑制する。
【解決手段】アキュムレータ100は、筒状部102と当該筒状部102の開放端103にスナップリング140を介して取り付けられるカバー110とを含むハウジング101と、筒状部102内に移動自在に配置されるピストン120と、ピストン120に対して蓄圧室150とは反対側に位置するようにカバー110とピストン120との間に配置されるスプリング130と、ソレノイドバルブS1とを含み、筒状部102の開放端103の内周面には、スナップリング140の外周部が嵌まり込む外側スナップリング溝104が形成され、カバー110には、スナップリング140の内周部が嵌まり込む内側スナップリング溝116が形成されている。
【選択図】図4

Description

本開示の発明は、油圧を蓄える蓄圧装置に関する。
従来、車両用駆動装置として、エンジンにより駆動されるオイルポンプと、オイルポンプに油路を介して接続された前進用クラッチと、当該油路から分岐された分岐油路を介してオイルポンプにより発生させられた油圧を蓄えるアキュムレータと、オイルポンプの停止中にアキュムレータの油圧を保持すると共に、オイルポンプの駆動開始時または駆動開始前にアキュムレータに蓄えられた油圧を前進用クラッチに供給する電磁開閉弁とを含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この車両用駆動装置では、車両が停止すると判断され、かつ、アキュムレータに蓄えられた油圧が必要圧以下である場合、エンジンの停止前に電磁開閉弁が開弁させられ、それによりアキュムレータの油圧が高められる。
また、上述のような用途に適用され得る蓄油装置として、ハウジングと、ハウジング内に移動自在に配置されて当該ハウジングの一端側に油室を画成するピストンと、当該ピストンをハウジングの一端側に付勢するスプリングと、油室内への油の充填に伴ってピストンと係合してスプリングの付勢力によりピストンが上記一端側に移動するのを規制する保持機構と、ハウジング内に配置されると共に通電時に保持機構によるピストンのロックを解除する電磁アクチュエータとを含むものが知られている(例えば、特許文献2参照)。この蓄油装置では、スプリングのピストン側とは反対側の端部を支持するカバー(支持部材)がハウジングの他端にスナップリングを介して取り付けられている。
特開2010−151238号公報 米国特許出願公開第2013/0092273号明細書
特許文献1に記載されたような用途に適用されるアキュムレータには、要求される油圧に応じた油を蓄えることができるように、高い剛性を有するスプリングが設けられる。このため、特許文献2に記載された蓄油装置のように、スプリングのピストン側とは反対側の端部を支持するカバーを単純にスナップリングによりハウジングに取り付けた場合、スプリングの付勢力によりカバーが傾いてしまい、ピストンの動作不良や信頼性の低下を招くおそれがある。
そこで、本開示の発明は、蓄圧装置のピストンを付勢するスプリングの端部を支持するカバーがハウジングに対して傾くのを抑制して当該ピストンをスムースに作動させると共に信頼性を向上させることを主目的とする。
本開示の蓄圧装置は、車両の原動機により駆動されるオイルポンプからの油圧を前記車両の発進時に係合される変速機の係合要素に供給するための供給油路に接続される蓄圧装置において、一端が開放された筒状部と、該筒状部の前記一端にスナップリングを介して取り付けられるカバーとを含むハウジングと、前記筒状部と共に蓄圧室を画成するように該筒状部内に移動自在に配置されるピストンと、前記ピストンに対して前記蓄圧室とは反対側に位置するように前記カバーと前記ピストンとの間に配置され、前記ピストンを前記蓄圧室側に付勢するスプリングと、閉弁時に前記蓄圧室から前記供給油路への油の流出を規制し、かつ開弁時に前記蓄圧室から前記供給油路への油の流出を許容するように構成されたソレノイドバルブとを備え、前記筒状部の前記一端の内周面には、前記スナップリングの外周部が嵌まり込む外側スナップリング溝が形成されており、前記カバーには、前記スナップリングの内周部が嵌まり込む内側スナップリング溝が形成されている。
この蓄圧装置では、ソレノイドバルブの閉弁時に、蓄圧室から供給油路への油の流出を規制して当該蓄圧室に油圧を蓄えることができる。更に、ソレノイドバルブを開弁させることにより、蓄圧室から上記供給油路へと油を流出させ、車両の発進時に係合される係合要素に油圧を供給することができる。また、この蓄圧装置では、ハウジングの筒状部の一端には、スナップリングを介してカバーが取り付けられ、ピストンを蓄圧室側に付勢するスプリングが当該カバーとピストンとの間に配置される。そして、筒状部の一端の内周面には、スナップリングの外周部が嵌まり込む外側スナップリング溝が形成され、カバーには、スナップリングの内周部が嵌まり込む内側スナップリング溝が形成されている。これにより、スナップリングの内周部の一方の端面のみをカバーに当接させる場合に比べて、少なくともスナップリングとカバーとの接触面積を増加させることが可能となり、スプリングからの力を受けるカバーを筒状部に対して強固に支持することができる。この結果、スプリングの付勢力によりカバーがハウジングに対して傾く(ガタつく)のを抑制し、ピストンをスムースに作動させると共にアキュムレータの信頼性を向上させることが可能となる。
本開示の蓄圧装置を含む動力伝達装置の概略構成図である。 図1の動力伝達装置に含まれる自動変速機の各変速段とクラッチおよびブレーキの作動状態との関係を示す作動表である。 図1の動力伝達装置に含まれる油圧制御装置を示す系統図である。 本開示の蓄圧装置を示す断面図である。 図4に示す蓄圧装置の拡大断面図である。 図4の蓄圧装置の動力伝達装置への取付状態を示す概略構成図である。 図4の蓄圧装置に油圧が蓄えられた状態を示す断面図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の蓄圧装置を含む動力伝達装置20の概略構成図である。同図に示す動力伝達装置20は、前輪駆動車両に搭載される図示しないエンジンのクランクシャフトに接続されると共にエンジンからの動力を図示しない左右の駆動輪(前輪)に伝達可能なものである。図示するように、動力伝達装置20は、トランスミッションケース22や、発進装置(流体伝動装置)23、オイルポンプ24、トランスミッションケース22内に収容される自動変速機25、ギヤ機構(ギヤ列)40、デファレンシャルギヤ(差動機構)50等を含む。また、動力伝達装置20が搭載される車両は、停車に伴って通常エンジンがアイドル運転される際等にエンジンの運転を停止させると共にアクセルペダルの踏み込みによる車両に対する発進要求に応じてエンジンを再始動させるアイドルストップ制御(自動停止始動制御)を実行可能なものである。
トランスミッションケース22は、コンバータハウジング221や、当該コンバータハウジング221に締結(固定)されるトランスアクスルケース222に加えて、コンバータハウジング221とトランスアクスルケース222との間に位置するように当該トランスアクスルケース222に締結(固定)されるフロントサポート223、およびトランスアクスルケース222に締結(固定)されるセンターサポート224を含む。本実施形態において、コンバータハウジング221、トランスアクスルケース222、およびセンターサポート224は、例えばアルミニウム合金により形成され、フロントサポート223は、鋼材(鉄合金)またはアルミニウム合金により形成される。
発進装置23は、図示しないドライブプレート等を介してエンジンのクランクシャフトおよび/または電気モータのロータに連結されるフロントカバーや、当該フロントカバーに密に固定されるポンプシェルを有する入力側のポンプインペラ23p、自動変速機25の入力軸26に連結される出力側のタービンランナ23t、ポンプインペラ23pおよびタービンランナ23tの内側に配置されてタービンランナ23tからポンプインペラ23pへの作動油の流れを整流するステータ23s、図示しないステータシャフトより支持されると共にステータ23sの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ23o等を含む。ポンプインペラ23p、タービンランナ23tおよびステータ23sは、トルク増幅作用を有するトルクコンバータを構成する。
更に、発進装置23は、フロントカバーと自動変速機25の入力軸26とを互いに接続すると共に両者の接続を解除するロックアップクラッチ23cと、フロントカバーと自動変速機25の入力軸26との間で振動を減衰するダンパ装置23dとを含む。本実施形態において、ロックアップクラッチ23cは、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)を有する多板摩擦式油圧クラッチとして構成される。ただし、ロックアップクラッチ23cは、単板摩擦式油圧クラッチであってもよい。また、発進装置23は、ステータ23sを有さない流体継手を含むものであってもよい。
オイルポンプ24は、巻掛け伝動機構240を介して発進装置23のポンプインペラ23pに連結される外歯ギヤ(インナーロータ)241、当該外歯ギヤに噛合する内歯ギヤ(アウターロータ)242、外歯ギヤ241および内歯ギヤ242を収容する図示しないギヤ室を画成するポンプボディ244およびポンプカバー245(図4参照)等を有するギヤポンプとして構成され、自動変速機25の入力軸26とは別軸上に配置される。オイルポンプ24は、巻掛け伝動機構240を介してエンジンからの動力により駆動され、トランスアクスルケース222の底部に設けられた作動油貯留部225(図3参照)に貯留されている作動油(ATF)を吸引して油圧制御装置70へと圧送する。巻掛け伝動機構240は、発進装置23のポンプインペラ23pと一体に回転するドライブスプロケットや、オイルポンプ24の外歯ギヤと一体に回転するドリブンスプロケット、ドライブスプロケットおよびドリブンスプロケットに巻掛けられるチェーンを含む。
自動変速機25は、8段変速式の変速機として構成されており、図1に示すように、ダブルピニオン式の第1遊星歯車機構30と、ラビニヨ式の第2遊星歯車機構35と、入力側から出力側までの動力伝達経路を変更するための4つのクラッチC1,C2,C3およびC4、2つのブレーキB1およびB2、並びにワンウェイクラッチF1とを含む。
第1遊星歯車機構30は、外歯歯車であるサンギヤ(固定要素)31と、このサンギヤ31と同心円上に配置される内歯歯車であるリングギヤ32と、互いに噛合すると共に一方がサンギヤ31に、他方がリングギヤ32に噛合する2つのピニオンギヤ33a,33bの組を自転自在(回転自在)かつ公転自在に複数保持するプラネタリキャリヤ34とを有する。図示するように、第1遊星歯車機構30のサンギヤ31は、フロントサポート223を介してトランスミッションケース22に対して回転不能に連結(固定)されており、第1遊星歯車機構30のプラネタリキャリヤ34は、入力軸26に一体回転可能に接続されている。また、第1遊星歯車機構30は、いわゆる減速ギヤとして構成されており、入力要素であるプラネタリキャリヤ34に伝達された動力を減速して出力要素であるリングギヤ32から出力する。
第2遊星歯車機構35は、外歯歯車である第1サンギヤ36aおよび第2サンギヤ36bと、第1および第2サンギヤ36a,36bと同心円上に配置される内歯歯車であるリングギヤ37と、第1サンギヤ36aに噛合する複数のショートピニオンギヤ38aと、第2サンギヤ36bおよび複数のショートピニオンギヤ38aに噛合すると共にリングギヤ37に噛合する複数のロングピニオンギヤ38bと、複数のショートピニオンギヤ38aおよび複数のロングピニオンギヤ38bを自転自在(回転自在)かつ公転自在に保持するプラネタリキャリヤ39とを有する。第2遊星歯車機構35のリングギヤ37は、自動変速機25の出力部材として機能し、入力軸26からリングギヤ37に伝達された動力は、ギヤ機構40、デファレンシャルギヤ50およびドライブシャフト51を介して左右の駆動輪に伝達される。また、プラネタリキャリヤ39は、ワンウェイクラッチF1を介してトランスミッションケース22により支持され、当該プラネタリキャリヤ39の回転方向は、ワンウェイクラッチF1により一方向に制限される。
クラッチC1は、第1遊星歯車機構30のリングギヤ32と第2遊星歯車機構35の第1サンギヤ36aとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC2は、入力軸26と第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39とを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC3は、第1遊星歯車機構30のリングギヤ32と第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC4は、第1遊星歯車機構30のプラネタリキャリヤ34と第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。本実施形態では、クラッチC1,C2,C3およびC4として、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、それぞれ作動油が供給される係合油室および遠心油圧キャンセル室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチが採用される。
ブレーキB1は、第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bをトランスミッションケース22に回転不能に固定(接続)すると共に第2サンギヤ36bのトランスミッションケース22に対する固定を解除するものである。ブレーキB2は、第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39をトランスミッションケース22に回転不能に固定すると共にプラネタリキャリヤ39のトランスミッションケース22に対する固定を解除するものである。本実施形態では、ブレーキB1およびB2として、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、作動油が供給される係合油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキが採用される。
また、ワンウェイクラッチF1は、第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39に連結(固定)されるインナーレースや、アウターレース、複数のスプラグ、複数のスプリング(板バネ)、保持器等を含む。ワンウェイクラッチF1は、インナーレースに対してアウターレースが一方向に回転した際に各スプラグを介してトルクを伝達すると共に、インナーレースに対してアウターレースが他方向に回転した際に両者を相対回転させる。ただし、ワンウェイクラッチF1は、ローラ式といったようなスプラグ式以外の構成を有するものであってもよい。
これらのクラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2は、油圧制御装置70による作動油の給排を受けて動作する。図2に、自動変速機25の各変速段とクラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2、並びにワンウェイクラッチF1の作動状態との関係を表した作動表を示す。自動変速機25は、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2を図2の作動表に示す状態とすることで前進第1速〜第8速の変速段と後進第1速および第2速の変速段とを提供する。なお、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2の少なくとも何れかは、ドグクラッチといった噛み合い係合要素とされてもよい。
ギヤ機構40は、自動変速機25の第2遊星歯車機構35のリングギヤ37に連結されるカウンタドライブギヤ41と、自動変速機25の入力軸26と平行に延在するカウンタシャフト42に固定されると共にカウンタドライブギヤ41に噛合するカウンタドリブンギヤ43と、カウンタシャフト42に形成(あるいは固定)されたドライブピニオンギヤ44と、ドライブピニオンギヤ44に噛合すると共にデファレンシャルギヤ50に連結されたデフリングギヤ45とを有する。図1に示すように、ギヤ機構40のカウンタドライブギヤ41は、第1および第2遊星歯車機構30,35の間に位置するように複数のボルトを介してトランスアクスルケース222に固定されるセンターサポート224により軸受を介して回転自在に支持される。
図3は、油圧制御装置70を示す系統図である。油圧制御装置70は、エンジンからの動力により駆動されてトランスアクスルケース222の作動油貯留部225からストレーナ60を介して作動油を吸引して吐出する上述のオイルポンプ24に接続され、発進装置23や自動変速機25により要求される油圧を生成すると共に、各種軸受等の潤滑対象に作動油を供給する。油圧制御装置70は、バルブボディ700や、オイルポンプ24からの作動油を調圧してライン圧PLを生成するプライマリレギュレータバルブ71、セカンダリレギュレータバルブ72、オイルクーラ73、逆止弁74、アプライコントロールバルブ75、それぞれプライマリレギュレータバルブ71から供給される元圧としてのライン圧PLを調圧して対応するクラッチ等への油圧を生成する調圧バルブとしてのリニアソレノイドバルブSL1,SL2,SL3,SL4およびSL5等を含む。本実施形態において、バルブボディ700は、トランスミッションケース22を構成するトランスアクスルケース222の側部に取り付けられる。
プライマリレギュレータバルブ71は、リニアソレノイドバルブSLTからの油圧を信号圧として用いてライン圧を生成する。リニアソレノイドバルブSLTは、オイルポンプ24側(例えばライン圧PLを調圧して一定の油圧を出力する図示しないモジュレータバルブ)からの作動油を調圧して車両のアクセル開度あるいはスロットルバルブの開度に応じた油圧を出力するように変速用の電子制御装置(以下、「TMECU」という)90により制御される。セカンダリレギュレータバルブ72は、プライマリレギュレータバルブ71からドレンされる作動油を調圧してセカンダリ圧(循環圧)Psecを生成する。オイルクーラ73は、セカンダリレギュレータバルブ72からドレンされて潤滑対象に供給される作動油を冷却する。逆止弁74は、プライマリレギュレータバルブ71の調圧ポートに接続され、オイルポンプ24側からの作動油がプライマリレギュレータバルブ71側へと逆流するのを規制する。
リニアソレノイドバルブSL1,SL2,SL3,SL4およびSL5は、逆止弁74の出力ポートにそれぞれ接続されており、プライマリレギュレータバルブ71から供給される元圧としてのライン圧PLを調圧して対応するクラッチ等への油圧を生成する。リニアソレノイドバルブSL1は、印加される電流に応じて元圧であるライン圧PLを調圧してクラッチC1への油圧(係合油圧)を生成する常閉型リニアソレノイドバルブである。リニアソレノイドバルブSL2は、印加される電流に応じて元圧であるライン圧PLを調圧してクラッチC2への油圧(係合油圧)を生成する常閉型リニアソレノイドバルブである。リニアソレノイドバルブSL3は、印加される電流に応じて元圧であるライン圧PLを調圧してクラッチC3への油圧(係合油圧)を生成する常閉型リニアソレノイドバルブである。リニアソレノイドバルブSL4は、印加される電流に応じて元圧であるライン圧PLを調圧してクラッチC4への油圧(係合油圧)を生成する常閉型リニアソレノイドバルブである。リニアソレノイドバルブSL5は、印加される電流に応じて元圧であるライン圧PLを調圧してブレーキB1への油圧(係合油圧)を生成する常閉型リニアソレノイドバルブである。
アプライコントロールバルブ75は、リニアソレノイドバルブSL3からの油圧をクラッチC3(のみ)に供給可能にする第1状態と、リニアソレノイドバルブSL3からの油圧をブレーキB2(のみ)に供給可能にする第2状態とを選択的に形成可能なスプールバルブである。本実施形態において、アプライコントロールバルブ75は、図示しないシフトレバーがドライブレンジにセットされると第1状態を形成し、かつシフトレバーがドライブレンジ以外のシフトレンジ(パーキングレンジ、ニュートラルレンジおよびリバースレンジ)にセットされると第2状態を形成するように構成される。なお、アプライコントロールバルブ75の信号圧は、ライン圧PLやモジュレータバルブにより生成されるモジュレータ圧等であってもよく、図示しないデューティソレノイドバルブから出力されてもよい。
上述のリニアソレノイドバルブSL1,SL2,SL3,SL4およびSL5(それぞれに印加される電流の値)は、TMECU90により制御される。そして、自動変速機25のクラッチC1,C2,C3およびC4並びにブレーキB1およびB2への油圧は、それぞれに対応するリニアソレノイドバルブSL1,SL2,SL3,SL4またはSL5により直接制御(設定)される。TMECU90は、予め定められた図示しない変速線図から取得されるアクセル開度および車速に対応した目標変速段が形成されるように、変速段の変更に伴って係合させられるクラッチ等に対応したリニアソレノイドバルブSL1〜SL5への油圧指令値(係合圧指令値)と、当該変速段の変更に伴って解放されるクラッチ等に対応したリニアソレノイドバルブSL1〜SL5への油圧指令値(解放圧指令値)を設定する。更に、TMECU90は、変速段の変更中や変速完了後に、係合したクラッチやブレーキ(係合要素)に対応したリニアソレノイドバルブSL1〜SL5への油圧指令値(保持圧指令値)を設定する。このため、TMECU90には、CPUやROM,RAMといったハードウエアと、ROMにインストールされた制御プログラムといったソフトウェアとの協働により、上述の油圧指令値、すなわち係合圧指令値、解放圧指令値、および保持圧指令値を設定する図示しない変速制御モジュールが機能ブロックとして構築される。
ここで、動力伝達装置20を搭載する車両は、上述のように、エンジンのアイドルストップ制御を実行可能なものであり、アイドルストップ制御が実行されてエンジンの運転が停止されると、当該エンジンの運転停止に伴ってオイルポンプ24も停止し、ライン圧PLが低下する。従って、オイルポンプ24の作動が停止すると、自動変速機25の前進第1速(発進段)の形成時に係合させられる発進クラッチとしてのクラッチC1に対し、それに対応したリニアソレノイドバルブSL1から油圧(係合油圧)を供給し得なくなる。
このため、図3に示すように、動力伝達装置20の油圧制御装置70には、オイルポンプ24以外からクラッチC1に油圧を供給可能とするために、アキュムレータ(蓄圧装置)100が接続されている。アキュムレータ100は、クラッチC1を完全係合させるのに十分な油圧を蓄えることができるものであり、本実施形態において、逆止弁74とリニアソレノイドバルブSL1の入力ポートとの間で、バルブボディ700に形成されたオイルポンプ24からの油圧をクラッチC1に供給するための供給油路L1に接続される。
アキュムレータ100は、図示するように、ハウジング101と、ハウジング101内に移動自在に配置されて当該ハウジング101と共に蓄圧室150を画成するピストン120と、ピストン120に対して蓄圧室150とは反対側に位置するようにハウジング101に配置されてピストン120を蓄圧室150側に付勢するスプリング(付勢部材)130と、ソレノイドバルブS1とを含む。ソレノイドバルブS1は、2つのポートを有するスプール(弁体)や当該スプールを収容するスリーブ、ソレノイド部に加えて、スプールあるいはスリーブに内蔵された逆止弁CVを有する常閉型のオンオフバルブである。ソレノイドバルブS1に内蔵された逆止弁CVは、ソレノイド部に電流が印加されない非通電時すなわちソレノイドバルブS1の閉弁時に供給油路L1からの作動油が蓄圧室150に流入するのを許容すると共に蓄圧室150から供給油路L1への作動油の流出を規制する。更に、ソレノイドバルブS1は、ソレノイド部に電流が印加される通電時すなわち開弁時に、蓄圧室150から供給油路L1への作動油の流出を許容する。
アキュムレータ100のソレノイドバルブS1は、TMECU90により制御され、TMECU90は、エンジンが運転されており、オイルポンプ24が油圧を生成している際に、ソレノイドバルブS1を閉弁状態に維持する。これにより、オイルポンプ24の作動中、当該オイルポンプ24から吐出された後、プライマリレギュレータバルブ71により調圧された作動油の一部(ライン圧PL)は、供給油路L1から逆止弁CVを介してアキュムレータ100の蓄圧室150に流入する。この結果、蓄圧室150に流入した作動油によりスプリング130の付勢力に抗してピストン120を移動させ、当該蓄圧室150に油圧を蓄えることが可能となる。また、アキュムレータ100では、逆止弁CVにより蓄圧室150から供給油路L1への作動油の流出が規制されるので、スプリング130の収縮が規制されていない際に、蓄圧室150内にスプリング130の収縮量に応じた油圧を蓄えることができる。
そして、TMECU90は、アイドルストップ制御によりエンジンの運転が停止された後、予め定められたエンジンが再始動される前のタイミングまたはエンジンの再始動時にソレノイドバルブS1をオンすると共に、クラッチC1に対応したリニアソレノイドバルブSL1を開弁させる。これにより、アキュムレータ100の蓄圧室150から供給油路L1へと油を流出させ、リニアソレノイドバルブSL1を介して発進クラッチであるクラッチC1に油圧を供給して当該クラッチC1を係合させることができる。この結果、エンジンが運転されておらずオイルポンプ24により油圧が生成されていないか、あるいはエンジンの始動直後であってオイルポンプ24により生成される油圧が低い場合であっても、クラッチC1を速やかに係合させて車両をスムースに発進させることが可能となる。
続いて、アキュムレータ100の構成等について詳細に説明する。図4は、アキュムレータ100を示す断面図である。アキュムレータ100のハウジング101は、鉄合金あるいはアルミニウム合金を鋳造することにより形成されており、一端(図4中左端)が開放された有底円筒状の筒状部102を含む。更に、ハウジング101は、筒状部102の開放端103を覆う(塞ぐ)ように当該筒状部102に取り付けられるカバー110を含む。カバー110は、鉄合金あるいはアルミニウム合金を鋳造することにより形成されている。
筒状部102は、開放端103とは反対側の端部を覆う(塞ぐ)端壁部(第1端壁部)105と、当該筒状部102の軸心(図4中一点鎖線参照)の延在方向(軸方向)における開放端103と端壁部105との間で当該軸心と直交する方向における外側(図4中上側)に突出する突出部107とを有する。筒状部102の端壁部105には、図4に示すように、連通孔106が形成されている。また、筒状部102の外周に設けられた突出部107には、上述のソレノイドバルブS1が取り付けられる。
カバー110は、中心部にエア抜き用の開口111oを有する略円盤状の底壁部(第2端壁部)111と、底壁部111の外周から軸方向に延出された短尺の筒状壁部113と、筒状壁部113の遊端から径方向外側に延出された環状のフランジ部115とを有する。カバー110は、スナップリング140を介して筒状部102の開放端103に取り付けられる。すなわち、筒状部102の開放端103の内周面には、スナップリング140の外周部が嵌まり込む環状の外側スナップリング溝104が形成されている。
図5に示すように、外側スナップリング溝104のスナップリング140の端面(図5における左側または右側の端面)と対向する2つの内面104aおよび104bのうち、筒状部102の開放端103側(一端側)に位置する内面104aは、筒状部102の軸心と直交する方向に延びる。これにより、外側スナップリング溝104の内面104aは、スナップリング140の対応する端面(図5における左側の端面)と当接する。これに対して、筒状部102の端壁部105側(他端側)に位置する内面104bは、図5に示すように、外側スナップリング溝104の底面104cから端壁部105側に向かうにつれて筒状部102の軸心に近接するように傾斜させられている。従って、外側スナップリング溝104の内面104bと、それと対向するスナップリング140の端面(図5における右側の端面)との間には、隙間が形成される。
また、アキュムレータ100では、筒状部の102の開放端103に加えて、カバー110にスナップリング140の内周部が嵌まり込む内側スナップリング溝116が形成されている。本実施形態において、内側スナップリング溝116は、図4および図5に示すように、カバー110のフランジ部115の外周面に形成されている。内側スナップリング溝116のスナップリング140の端面(図5における左側または右側の端面)と対向する2つの内面116aおよび116bは、それぞれ筒状部102(カバー110)の軸心と直交する方向に延びる。これにより、内側スナップリング溝116の内面116aおよび116bは、それぞれスナップリング140の対応する端面と当接する。
アキュムレータ100のピストン120は、図4に示すように、有底筒状に形成されており、略円盤状の受圧部121と、受圧部121から軸方向に延出された円筒状の胴部123とを有する。ピストン120は、受圧部121が端壁部105と対向すると共に、胴部123がカバー110側に位置するように、筒状部102の軸心に沿って摺動自在となるように当該筒状部102に嵌合される。これにより、筒状部102の内周面、端壁部105およびピストン120の受圧部121により、蓄圧室150が画成され、当該蓄圧室150は、端壁部105の連通孔106に連通する。
また、受圧部121の外周面には、環状のシール溝が形成されており、当該シール溝には、Oリング126とシールリング127とが配置される。図示するように、Oリング126は、受圧部121のシール溝の底面と当接するように当該シール溝内に配置され、シールリング127は、Oリング126を包囲すると共に筒状部102の内周面に摺接するようにシール溝内に配置される。これにより、ピストン120の摺動抵抗を減らしつつ、受圧部121の外周面と筒状部102の内周面との間を良好にシールすることが可能となる。更に、胴部123の外周面には、ピストン120の摺動抵抗を減らすための環状の凹部が形成されている。
アキュムレータ100のスプリング130は、図4に示すように、ピストン120に対して蓄圧室150とは反対側に位置するようにカバー110とピストン120との間に配置される。本実施形態において、スプリング130は、圧縮コイルばねであり、ピストン120を蓄圧室150側に付勢する。また、カバー110の底壁部111の中央部には、ピストン120に向けて突出する環状の突部(第1突部)112が形成されており、当該突部112は、スプリング130の一端内(図4における左端内)に嵌め込まれる。更に、ピストン120の受圧部121の中央部には、カバー110に向けて突出する環状の突部(第2突部)122が形成されており、当該突部122は、スプリング130の他端内(図4における右端内)に嵌め込まれる。これにより、スプリング130の両端部の内周部が突部112または122により支持されるので、筒状部102に対してスプリング130を調心して、スプリング130の外周面がカバー110の筒状壁部113の内周面やピストン120の胴部123の内周面に摺接してしまうのを抑制することができる。
図4に示すように、ハウジング101の筒状部102の外周部すなわち突出部107には、スプール(弁体)が筒状部102の軸心と直交する方向に延在するようにソレノイドバルブS1が取り付けられる。また、突出部107は、筒状部102の軸心と平行に端壁部105の外表面からソレノイドバルブS1の先端部側に延びる第1油路108と、筒状部102の軸心に対して傾斜して端壁部105の外表面からソレノイドバルブS1の側部側に延在する第2油路109とを有する。第2油路109は、第1油路108と交差することなく端壁部105側から開放端103側に向かうにつれて第1油路108から離間するように延びる。第1油路108の一端(図4における右端)は、端壁部105の外表面と面一に形成された突出部107の端面で開口し、第1油路108の他端(図4における左端)は、ソレノイドバルブS1のソレノイド部から離間した一方のポート(図4における下側のポート)に連通する。第2油路109の一端(図4における右端)も、第1油路108の一端と同様に、突出部107の端面で開口し、第2油路109の他端(図4における左端)は、ソレノイドバルブS1のソレノイド部に近接した他方のポート(図4における上側のポート)に連通する。
第1および第2油路108,109は、ソレノイドバルブS1の閉弁時(非通電時)に上記逆止弁CV(図3参照)を介して互いに連通する。すなわち、ソレノイドバルブS1の閉弁時には、逆止弁CVにより第1油路108から第2油路109への作動油の流入が許容され、第2油路109から第1油路108への作動油の流入が規制される。また、ソレノイドバルブS1の開弁時には、当該ソレノイドバルブS1により第1および第2油路108,109が互いに連通させられる。
図6は、アキュムレータ100の動力伝達装置20への取付状態を示す概略構成図である。同図は、図4における矢印方向からアキュムレータ100やセンターサポート224等をみたものである。図4および図6に示すように、アキュムレータ100は、動力伝達装置20のオイルポンプ24を構成するポンプカバー245に取り付けられる。すなわち、アキュムレータ100のハウジング101は、図4に示すように、端壁部105および突出部107の外表面(図4における右の表面)がプレート160を介してポンプカバー245の外表面(図4における左側の表面)と対向するように、複数のボルトBによりポンプカバー245に締結(固定)される。このようにハウジング101がポンプカバー245に取り付けられた際、筒状部102は、オイルポンプ24(ポンプカバー245)とピストン120の移動方向に隣り合う。また、アキュムレータ100のソレノイドバルブS1は、図4および図6に示すように、筒状部102(蓄圧室150)に対して油圧制御装置70のバルブボディ700とは反対側に位置すると共に、オイルポンプ24により吸入される油を濾過するストレーナ60とピストン120の移動方向に隣り合う。
更に、ハウジング101の筒状部102は、図6に示すように、自動変速機25の入力軸26よりもバルブボディ700側に配置されると共に、ソレノイドバルブS1の軸心(図6における一点鎖線参照)の延在方向(図6における左右方向)からみてストレーナ60と少なくとも部分的に重なる。また、ソレノイドバルブS1は、入力軸26と直交する方向(図6における上下方向)からみて当該入力軸26と重なり、ソレノイドバルブS1の軸心は、筒状部102の軸心(図6における×印参照)から入力軸26側とは反対側(図中下側)にオフセットされている。これにより、アキュムレータ100をトランスミッションケース22(自動変速機25)に対してより近接させることができるので、動力伝達装置20全体の大型化を抑制することが可能となる。
ポンプカバー245は、ポンプボディ244と共にフロントサポート223に締結(固定)されるものであり、当該ポンプカバー245には、図4に示すように、油圧制御装置70のバルブボディ700に形成された供給油路L1(逆止弁74とリニアソレノイドバルブSL1の入力ポートとの間)に連通する給排油路248と、連通油路249とが形成されている。給排油路は248は、アキュムレータ100の筒状部102の軸心と直交する方向に延びる部分と、当該筒状部102の軸心と平行に延びる部分とを有する。また、本実施形態において、連通油路249は、ポンプカバー245の外表面(図4における左側の表面)に形成された油溝である。
また、ハウジング101とポンプカバー245との間に介設されるプレート160には、孔部166,168および169が形成されている。孔部166は、ハウジング101(筒状部102)の端壁部105に形成された連通孔106と、ポンプカバー245の連通油路249の一端(図4における下端)とを連通させる。また、孔部169は、ハウジング101(筒状部102)の突出部107に形成された第2油路109(開口部)とポンプカバー245の連通油路249の他端(図4における上端)とを連通させる。更に、孔部168は、ハウジング101(突出部107)に形成された第1油路108(開口部)とポンプカバー245の給排油路248(筒状部102の軸心と平行に延びる部分)とを連通させる。また、プレート160の表裏面には、少なくとも孔部166,168および169のそれぞれの周囲を囲むように図示しないガスケットが貼着されている。
これにより、オイルポンプ24がエンジンにより駆動されて油圧を生成しており、かつソレノイドバルブS1が閉弁状態に維持されている際、プライマリレギュレータバルブ71により調圧された作動油の一部は、バルブボディ700の供給油路L1から、ポンプカバー245の給排油路248、プレート160の孔部168、突出部107の第1油路108、逆止弁CV、突出部107の第2油路109、プレート160の孔部169、ポンプカバー245の連通油路249、プレート160の孔部166、および端壁部105の連通孔106を介して蓄圧室150に流入する。この結果、図7に示すように、蓄圧室150に流入した作動油によりスプリング130の付勢力に抗してピストン120を移動させ、当該蓄圧室150に油圧を蓄えることが可能となる。
また、図7に示す状態で、ソレノイドバルブS1が開弁されると、スプリング130の付勢力によりピストン120が端壁部105に向けて移動し、蓄圧室150内の作動油は、連通孔106、孔部166、連通油路249、第2油路109、第1油路108、孔部168、および給排油路248を介してバルブボディ700の供給油路L1に流入する。これにより、エンジンが運転されておらずオイルポンプ24により油圧が生成されていないか、あるいはエンジンの始動直後であってオイルポンプ24により生成される油圧が低い場合であっても、アキュムレータ100からの油圧によりクラッチC1を速やかに係合させることが可能となる。
上述のように、動力伝達装置20のアキュムレータ100では、逆止弁CVを有するソレノイドバルブS1が、筒状部102の軸心の延在方向における端壁部105とカバー110の底壁部111との間に位置するように筒状部102の外周部に取り付けられる。すなわち、ソレノイドバルブS1は、弁体が筒状部102の軸心と直交する方向に延在するように筒状部102の突出部107に取り付けられる。これにより、ソレノイドバルブS1を例えば筒状部102の開放端103を覆うカバー110に取り付ける場合に比べて、筒状部102(軸心)の延在方向すなわちピストン120の移動方向におけるアキュムレータ100の寸法(全長)が増加するのを抑制することができる。この結果、アキュムレータ100では、自動変速機25を含む動力伝達装置20(車両)に対する搭載性をより向上させることが可能となる。
また、アキュムレータ100のハウジング101は、動力伝達装置20のオイルポンプ24を構成するポンプカバー245に取り付けられ、ポンプカバー245は、供給油路L1に連通する給排油路248と、蓄圧室150に連通する連通油路249とを有する。更に、ハウジング101(筒状部102)の突出部107には、ポンプカバー245の給排油路248に連通する第1油路108と、ポンプカバー245の連通油路249に連通する第2油路109とが形成される。そして、逆止弁CVは、ソレノイドバルブS1の閉弁時に第1油路108から第2油路109への油の流入を許容し、ソレノイドバルブS1は、開弁時に第1油路108と第2油路109とを連通させる。このように、オイルポンプ24のポンプカバー245に給排油路248および連通油路249を設けることで、アキュムレータ100のハウジング101の大型化を抑制しつつ、蓄圧室150と供給油路L1とを連通させることが可能となる。なお、ソレノイドバルブS1等の構成によっては、第1油路108とポンプカバー245の連通油路249の他端(図4における上端)とを連通させると共に、第2油路109とポンプカバー245の給排油路248(筒状部102の軸心と平行に延びる部分)とを連通させてもよい。
更に、アキュムレータ100のハウジング101は、ソレノイドバルブS1が筒状部102に対して供給油路L1を含むバルブボディ700とは反対側に位置するようにポンプカバー245に取り付けられる。これにより、ソレノイドバルブS1がバルブボディ700側に位置するようにポンプカバー245にハウジング101が取り付けられる場合に比べて、バルブボディ700の供給油路L1とアキュムレータ100の第1油路108とを連通させる給排油路248を短縮化して、アキュムレータ100が取り付けられるポンプカバー245の大型化を抑制することが可能となる。また、上記実施形態において、ハウジング101は、ソレノイドバルブS1がオイルポンプ24により吸入される油を濾過するストレーナ60と隣り合うようにポンプカバー245に取り付けられる。これにより、アキュムレータ100周辺のスペース効率をより向上させることが可能となる。なお、アキュムレータ100(ハウジング101)は、ポンプカバー245以外の動力伝達装置20の構成部材に取り付けられてもよい。
加えて、上記実施形態では、アキュムレータ100のハウジング101と動力伝達装置20のポンプカバー245との間に、ポンプカバー245の連通油路249と蓄圧室150とを連通させる孔部166と、ポンプカバー245の給排油路248とハウジング101の第1油路108とを連通させる孔部168と、ポンプカバー245の連通油路249とハウジング101の第2油路109とを連通させる孔部169と、表裏面に貼着されたガスケットとを有するプレート160が介設される。これにより、ハウジング101とポンプカバー245との間にシールリング等を配置する場合に比べて、ハウジング101やポンプカバー245の寸法(筒状部102の軸心の延在方向における長さ)の増加を抑制しつつ、給排油路248と第1油路108との連通部、連通油路249と第2油路109との連通部、および連通油路249と蓄圧室150との連通部を良好にシールすることが可能となる。
また、アキュムレータ100では、ハウジング101の筒状部102の開放端103にスナップリング140を介してカバー110が取り付けられ、ピストン120を蓄圧室150側に付勢するスプリング130がカバー110とピストン120との間に配置される。そして、筒状部102の開放端103の内周面には、スナップリング140の外周部が嵌まり込む外側スナップリング溝104が形成され、カバー110には、スナップリング140の内周部が嵌まり込む内側スナップリング溝116が形成されている。これにより、スナップリング140の内周部の一方の端面(例えば図4における右側の端面)のみをカバー110とを当接させる場合に比べて、少なくともスナップリング140とカバー110との接触面積を増加させることが可能となり、スプリング130からの力を受けるカバー110を筒状部102に対して強固に支持することができる。この結果、スプリング130の付勢力によりカバー110がハウジング101に対して傾く(ガタつく)のを抑制し、ピストン120をスムースに作動させると共にアキュムレータ100の信頼性をより向上させることが可能となる。
更に、上記実施形態において、外側スナップリング溝104のスナップリング140の端面と対向する2つの内面のうち、筒状部102の端壁部105側に位置する内面104bは、図5に示すように、外側スナップリング溝104の底面104cから端壁部105側(他端側)に向かうにつれて筒状部102の軸心に近接するように傾斜している。これにより、カバー110の装着に先立って筒状部102内にピストン120を組み付ける際に、当該ピストン120に装着されたシールリング127が筒状部102の外側スナップリング溝104に引っ掛かってしまうのを抑制し、アキュムレータ100の組立性を良好に維持することが可能となる。
また、上記実施形態において、カバー110は、開口111oを有する底壁部111と、底壁部111の外周から延出された筒状壁部113と、筒状壁部113の遊端から径方向外側に延出された環状のフランジ部115とを有し、内側スナップリング溝116は、フランジ部115に形成される。このように、カバー110のフランジ部115に内側スナップリング溝116を設ければ、当該フランジ部115のスナップリング140よりも筒状部102の端壁部105側(他端側)に位置する部分の寸法を増加させることなく(図5における二点鎖線参照)、筒状部102に対するカバー110の傾きを良好に抑制することができる。従って、カバー110の傾きを抑制するのに伴うピストン120のストロークすなわち蓄圧室150の容積の減少を抑制することが可能となる。
なお、カバー110を筒状部102に装着するに際しては、カバー110(フランジ部115)の内側スナップリング溝116に拡張させたスナップリング140を嵌めた後、治具を用いてスナップリング140を縮径させた状態でカバー110を筒状部102の開放端103に嵌め込み、治具を取り外して開放端103の外側スナップリング溝104に嵌まり込むようにスナップリング140を拡張させればよい。このため、カバー110の底壁部111には、図6に示すように、例えば円弧状に延びる少なくとも1つ(図6に示す例では、2つ)の切り欠き111cが形成されてもよい。また、アキュムレータ100には、スプリング130の代わりに、ダイヤフラムといった他の付勢部材が設けられてもよい。更に、ソレノイドバルブS1は、スプール(弁体)が筒状部102の軸心と平行に延在するようにハウジング101の筒状部102の外周部(突出部107)に取り付けられてもよい。
以上説明したように、本開示の蓄圧装置は、車両の原動機により駆動されるオイルポンプからの油圧を前記車両の発進時に係合される変速機の係合要素に供給するための供給油路に接続される蓄圧装置において、一端が開放された筒状部と、該筒状部の前記一端にスナップリングを介して取り付けられるカバーとを含むハウジングと、前記筒状部と共に蓄圧室を画成するように該筒状部内に移動自在に配置されるピストンと、前記ピストンに対して前記蓄圧室とは反対側に位置するように前記カバーと前記ピストンとの間に配置され、前記ピストンを前記蓄圧室側に付勢するスプリングと、閉弁時に前記蓄圧室から前記供給油路への油の流出を規制し、かつ開弁時に前記蓄圧室から前記供給油路への油の流出を許容するように構成されたソレノイドバルブとを備え、前記筒状部の前記一端の内周面には、前記スナップリングの外周部が嵌まり込む外側スナップリング溝が形成されており、前記カバーには、前記スナップリングの内周部が嵌まり込む内側スナップリング溝が形成されている。
すなわち、本開示の蓄圧装置では、ソレノイドバルブの閉弁時に、蓄圧室から供給油路への油の流出を規制して当該蓄圧室に油圧を蓄えることができる。更に、ソレノイドバルブを開弁させることにより、蓄圧室から上記供給油路へと油を流出させ、車両の発進時に係合される係合要素に油圧を供給することができる。また、本開示の蓄圧装置では、ハウジングの筒状部の一端には、スナップリングを介してカバーが取り付けられ、ピストンを蓄圧室側に付勢するスプリングが当該カバーとピストンとの間に配置される。そして、筒状部の一端の内周面には、スナップリングの外周部が嵌まり込む外側スナップリング溝が形成され、カバーには、スナップリングの内周部が嵌まり込む内側スナップリング溝が形成されている。これにより、スナップリングの内周部の一方の端面のみをカバーに当接させる場合に比べて、少なくともスナップリングとカバーとの接触面積を増加させることが可能となり、スプリングからの力を受けるカバーを筒状部に対して強固に支持することができる。この結果、スプリングの付勢力によりカバーがハウジングに対して傾く(ガタつく)のを抑制し、ピストンをスムースに作動させると共にアキュムレータの信頼性を向上させることが可能となる。
また、前記ピストンには、前記筒状部の内周面に摺接するシール部材が装着されてもよく、前記外側スナップリング溝の前記スナップリングの端面と対向する2つの内面のうち、前記筒状部の他端側に位置する一方は、前記外側スナップリング溝の底面から前記他端側に向かうにつれて前記筒状部の軸心に近接するように傾斜してもよい。これにより、筒状部内にピストンを組み付ける際に、当該ピストンに装着されたシール部材が筒状部の外側スナップリング溝に引っ掛かってしまうのを抑制し、蓄圧装置の組立性を良好に維持することが可能となる。
更に、前記カバーは、開口を有する底壁部と、前記底壁部の外周から延出された筒状壁部と、前記筒状壁部の遊端から径方向外側に延出された環状のフランジ部とを有してもよく、前記内側スナップリング溝は、前記フランジ部に形成されてもよい。このように、カバーのフランジ部に内側スナップリング溝を設ければ、当該フランジ部のスナップリングよりも筒状部の他端側に位置する部分の寸法を増加させることなく、筒状部に対するカバーの傾きを良好に抑制することができる。従って、カバーの傾きを抑制するのに伴うピストンのストロークすなわち蓄圧室の容積の減少を抑制することが可能となる。
また、前記カバーの前記底壁部は、前記ピストンに向けて突出する第1突部を有してもよく、前記ピストンは、前記底壁部に向けて突出する第2突部を有してもよく、前記スプリングの両端部の内周部は、前記第1または第2突部により支持されてもよい。これにより、筒状部に対してスプリングを調心して、スプリングの外周面がカバーの筒状壁部の内周面やピストンに摺接してしまうのを抑制することが可能となる。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、動力伝達装置の製造産業等において利用可能である。
20 動力伝達装置、22 トランスミッションケース、23 発進装置、23c ロックアップクラッチ、23d ダンパ装置、23o ワンウェイクラッチ、23p ポンプインペラ、23s ステータ、23t タービンランナ、24 オイルポンプ、25 自動変速機、26 入力軸、30 第1遊星歯車機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、33a,33b ピニオンギヤ、34 プラネタリキャリヤ、35 第2遊星歯車機構、36a 第1サンギヤ、36b 第2サンギヤ、37 リングギヤ、38a ショートピニオンギヤ、38b ロングピニオンギヤ、39 プラネタリキャリヤ、40 ギヤ機構、41 カウンタドライブギヤ、42 カウンタシャフト、43 カウンタドリブンギヤ、44 ドライブピニオンギヤ、45 デフリングギヤ、50 デファレンシャルギヤ、51 ドライブシャフト、60 ストレーナ、70 油圧制御装置、71 プライマリレギュレータバルブ、72 セカンダリレギュレータバルブ、73 オイルクーラ、74 逆止弁、75 アプライコントロールバルブ、90 電子制御装置(TMECU)、100 アキュムレータ、101 ハウジング、102 筒状部、103 開放端、104 外側スナップリング溝、104a,104b,116a,116b 内面、104c 底面、105 端壁部、106 連通孔、107 突出部、108 第1油路、109 第2油路、110 カバー、111 底壁部、111c 切り欠き、111o 開口、112,122 突部、113 筒状壁部、115 フランジ部、116 内側スナップリング溝、120 ピストン、121 受圧部、123 胴部、126 Oリング、127 シールリング、130 スプリング、140 スナップリング、150 蓄圧室、160 プレート、166,168,169 孔部、221 コンバータハウジング、222 トランスアクスルケース、223 フロントサポート、224 センターサポート、225 作動油貯留部、240 巻掛け伝動機構、241 外歯ギヤ、242 内歯ギヤ、244 ポンプボディ、245 ポンプカバー、248 給排油路、249 連通油路、700 バルブボディ、B ボルト、B1,B2 ブレーキ、C1,C2,C3,C4 クラッチ、CV 逆止弁、F1 ワンウェイクラッチ、L1 供給油路、S1 ソレノイドバルブ、SL1,SL2,SL3,SL4,SL5,SLT リニアソレノイドバルブ。

Claims (4)

  1. 車両の原動機により駆動されるオイルポンプからの油圧を前記車両の発進時に係合される変速機の係合要素に供給するための供給油路に接続される蓄圧装置において、
    一端が開放された筒状部と、該筒状部の前記一端にスナップリングを介して取り付けられるカバーとを含むハウジングと、
    前記筒状部と共に蓄圧室を画成するように該筒状部内に移動自在に配置されるピストンと、
    前記ピストンに対して前記蓄圧室とは反対側に位置するように前記カバーと前記ピストンとの間に配置され、前記ピストンを前記蓄圧室側に付勢するスプリングと、
    閉弁時に前記蓄圧室から前記供給油路への油の流出を規制し、かつ開弁時に前記蓄圧室から前記供給油路への油の流出を許容するように構成されたソレノイドバルブとを備え、
    前記筒状部の前記一端の内周面には、前記スナップリングの外周部が嵌まり込む外側スナップリング溝が形成されており、前記カバーには、前記スナップリングの内周部が嵌まり込む内側スナップリング溝が形成されている蓄圧装置。
  2. 請求項1に記載の蓄圧装置において、
    前記ピストンには、前記筒状部の内周面に摺接するシール部材が装着され、
    前記外側スナップリング溝の前記スナップリングの端面と対向する2つの内面のうち、前記筒状部の他端側に位置する一方は、前記外側スナップリング溝の底面から前記他端側に向かうにつれて前記筒状部の軸心に近接するように傾斜している蓄圧装置。
  3. 請求項1または2に記載の蓄圧装置において、
    前記カバーは、開口を有する底壁部と、前記底壁部の外周から延出された筒状壁部と、前記筒状壁部の遊端から径方向外側に延出された環状のフランジ部とを有し、前記内側スナップリング溝は、前記フランジ部に形成される蓄圧装置。
  4. 請求項3に記載の蓄圧装置において、
    前記カバーの前記底壁部は、前記ピストンに向けて突出する第1突部を有し、
    前記ピストンは、前記底壁部に向けて突出する第2突部を有し、
    前記スプリングの両端部の内周部は、前記第1または第2突部により支持される蓄圧装置。
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