JP2019158049A - 油圧制御装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動ポンプの小型化やコストダウンを図りつつ、エンジンの運転停止に伴って機械式ポンプから油が供給されなくなる際に、変速機の係合要素および低圧油供給部の双方に対する油の供給量を良好に確保する。【解決手段】油圧制御装置は、変速機の低圧油供給部に対する電動ポンプからの油の供給を許容する第1状態と、低圧油供給部に対する電動ポンプからの油の供給を規制する第2状態とを形成する切替バルブと、車両の走行中にエンジンの運転停止に応じて電動ポンプを作動させると共に第1状態を形成するように切替バルブを制御し、エンジンの再始動要求に応じて第2状態を形成するように切替バルブを制御して、解放されている係合要素に電動ポンプからの油を供給する制御ユニットとを含む。【選択図】図6

Description

本開示は、車両の原動機からの動力により駆動される機械式ポンプと、電力により駆動される電動ポンプとの少なくとも何れか一方からの油を調圧して変速機の係合要素に供給する油圧制御装置およびその制御方法に関する。
従来、エンジンと駆動輪とを切り離すクラッチと、エンジンの出力を駆動輪へ伝達するギヤと、エンジンの回転に伴って作動してギヤに潤滑油を供給する機械式ポンプと、電動ポンプとを含む車両の制御装置として、エンジンを自立運転させた状態でクラッチを係合して惰性走行する通常惰行と、エンジンを自立運転させた状態でクラッチを切り離して惰性走行するN惰行と、エンジンを停止させた状態でクラッチを切り離して惰性走行するフリーランとを実行するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この制御装置は、エンジンを停止させるフリーランの実行に際して、機械式ポンプによる潤滑油の供給が停止されることを考慮して、電動ポンプから変速機のギヤへ供給される潤滑油が多くなるように当該電動ポンプの回転数をN惰行時に比べて高くする。
特開2013−213557号公報
上述のような車両では、フリーランの解除要求に応じてピストンをストロークさせてクラッチを係合させることが必要となり、フリーランの実行中にその解除要求がなされると、クラッチを係合させるために電動ポンプからの油の供給量を更に増加させなければならない。このため、上記従来の車両では、電動ポンプの大型化やコストアップを招いてしまうおそれがある。
そこで、本開示の発明は、電動ポンプの小型化やコストダウンを図りつつ、エンジンの運転停止に伴って機械式ポンプから油が供給されなくなる際に、変速機の係合要素および低圧油供給部の双方に対する油の供給量を良好に確保することを主目的とする。
本開示の油圧制御装置は、車両のエンジンからの動力により駆動される機械式ポンプと、電力により駆動される電動ポンプと、前記機械式ポンプに接続される第1油路と、前記電動ポンプに接続されると共に前記第1油路と合流する第2油路とを含み、前記第1および第2油路の合流部に供給された油を調圧して変速機の複数の係合要素の少なくとも何れか1つに供給する油圧制御装置であって、前記第2油路に接続されており、前記変速機の低圧油供給部に対する前記電動ポンプからの油の供給を許容する第1状態と、前記低圧油供給部に対する前記電動ポンプからの油の供給を規制する第2状態とを形成する切替バルブと、前記車両の走行中に前記エンジンの運転停止に応じて前記電動ポンプを作動させると共に前記第1状態を形成するように前記切替バルブを制御し、前記エンジンの再始動要求に応じて前記第2状態を形成するように前記切替バルブを制御して、解放されている前記係合要素に前記電動ポンプからの油を供給する制御ユニットとを含むものである。
本開示の油圧制御装置の切替バルブは、変速機の低圧油供給部に対する電動ポンプからの油の供給を許容する第1状態と、低圧油供給部に対する電動ポンプからの油の供給を規制する第2状態とを形成可能なものである。また、制御ユニットは、車両の減速に伴うエンジンの運転停止に応じて電動ポンプを作動させると共に第1状態を形成するように切替バルブを制御する。これにより、エンジンの運転停止に伴って機械式ポンプから油が供給されなくなる際に、電動ポンプからの油を当該切替バルブを介して低圧油供給部に供給することが可能となる。更に、制御ユニットは、エンジンの再始動要求に応じて第2状態を形成するように切替バルブを制御する。これにより、電動ポンプからの油を低圧油供給部に供給することなく、エンジンの再始動に応じて係合される係合要素に供給することができる。この結果、電動ポンプの小型化やコストダウンを図りつつ、エンジンの運転停止に伴って機械式ポンプから油が供給されなくなる際に、変速機の係合要素および低圧油供給部の双方に対する油の供給量を良好に確保することが可能となる。
本開示の油圧制御装置を含む動力伝達装置を搭載した車両の概略構成図である。 図1の車両に搭載された動力伝達装置を示す概略構成図である。 図2の動力伝達装置に含まれる自動変速機の各変速段とクラッチおよびブレーキの作動状態との関係を示す作動表である。 本開示の油圧制御装置を示す系統図である。 図1の車両の停車に伴ってエンジンの運転が停止されてから当該車両に対する発進要求に応じてエンジンが始動される際の油圧制御装置等の動作を説明するためのタイムチャートである。 本開示の他の油圧制御装置を示す系統図である。 図1の車両の停車や惰性走行の実行に伴ってエンジンの運転が停止されてからエンジンが再始動される際の油圧制御装置等の動作を説明するためのタイムチャートである。 図6に示す油圧制御装置に適用可能な他の切替バルブを示す概略構成図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の油圧制御装置70を含む動力伝達装置20を搭載した車両10の概略構成図である。同図に示す車両10は、エンジン12と、当該エンジン12からの動力を左右の駆動輪(前輪)DWに伝達する動力伝達装置20とを有する前輪駆動車両であり、停車に伴って通常エンジン12がアイドル運転される際等に当該エンジン12の運転を停止させると共に運転者による車両10に対する発進要求に応じてエンジン12を再始動させるアイドルストップ制御(自動停止始動制御)や、走行中にエンジン12の運転を停止させる惰性走行を実行可能なものである。また、車両10は、図1に示すように、エンジン12を制御するエンジン電子制御ユニット(以下、「EGECU」という)14と、図示しない電子制御式油圧ブレーキユニットを制御するブレーキ電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という)16と、動力伝達装置20を制御する変速電子制御ユニット(以下、「TMECU」という)21とを含む。
EGECU14は、図示しないCPU等を含むマイクロコンピュータであり、エンジン12のクランクシャフトの回転位置を検出する図示しないクランクシャフトポジションセンサ、アクセルペダル91の踏み込み量(操作量)を検出するアクセルペダルポジションセンサ92、車速センサ99といった各種センサ等からの信号、ブレーキECU16やTMECU21からの信号等を入力する。EGECU14は、これらの信号に基づいて何れも図示しない電子制御式のスロットルバルブや燃料噴射弁および点火プラグ等を制御する。ブレーキECU16も図示しないCPU等を含むマイクロコンピュータであり、ブレーキペダル93の踏み込み量に応じたマスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサ94や車速センサ99といった各種センサ等からの信号、EGECU14等からの信号等を入力する。ブレーキECU16は、これらの信号に基づいて図示しないブレーキアクチュエータ(油圧アクチュエータ)等を制御する。
TMECU21も図示しないCPU等を含むマイクロコンピュータであり、複数のシフトポジションの中から所望のシフトポジションを選択するためのシフトレバー95の操作位置を検出するシフトポジションセンサ96、アクセルペダルポジションセンサ92、車速センサ99、自動変速機25の入力回転数(タービンランナ23bまたは自動変速機25の入力軸26の回転数)を検出する入力回転数センサといった各種センサ等からの信号、EGECU14やブレーキECU16からの信号等を入力する。TMECU21は、これらの信号に基づいて動力伝達装置20を制御する。
動力伝達装置20は、図2に示すように、トランスミッションケース22や、当該トランスミッションケース22内に収容された発進装置(流体伝動装置)23、エンジン12からの動力により駆動される機械式オイルポンプ24、図示しないバッテリからの電力により駆動される電動オイルポンプ28、自動変速機25、ギヤ機構(ギヤ列)40、デファレンシャルギヤ(差動機構)50、油圧制御装置70等を含む。
トランスミッションケース22は、ハウジング221や、当該ハウジング221に締結(固定)されるトランスアクスルケース222に加えて、ハウジング221とトランスアクスルケース222との間に位置するように当該トランスアクスルケース222に締結(固定)されるフロントサポート223、およびトランスアクスルケース222に締結(固定)されるセンターサポート224を含む。本実施形態において、ハウジング221、トランスアクスルケース222、およびセンターサポート224は、例えばアルミニウム合金により形成され、フロントサポート223は、鋼材(鉄合金)またはアルミニウム合金により形成される。
発進装置23は、図示しないドライブプレート等を介してエンジン12のクランクシャフトに連結されるフロントカバーや、当該フロントカバーに密に固定されるポンプシェルを有する入力側のポンプインペラ23p、自動変速機25の入力軸26に連結される出力側のタービンランナ23t、ポンプインペラ23pおよびタービンランナ23tの内側に配置されてタービンランナ23tからポンプインペラ23pへの作動油の流れを整流するステータ23s、図示しないステータシャフトより支持されると共にステータ23sの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ23o等を含む。ポンプインペラ23p、タービンランナ23tおよびステータ23sは、トルク増幅作用を有するトルクコンバータを構成する。
更に、発進装置23は、フロントカバーと自動変速機25の入力軸26とを互いに接続すると共に両者の接続を解除するロックアップクラッチ23cと、フロントカバーと自動変速機25の入力軸26との間で振動を減衰するダンパ装置23dとを含む。本実施形態において、ロックアップクラッチ23cは、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)を有する多板摩擦式油圧クラッチとして構成される。ただし、ロックアップクラッチ23cは、単板摩擦式油圧クラッチであってもよい。また、発進装置23は、ステータ23sを有さない流体継手を含むものであってもよい。
機械式オイルポンプ24は、巻掛け伝動機構240を介して発進装置23のポンプインペラ23pに連結される外歯ギヤ(インナーロータ)241、当該外歯ギヤに噛合する内歯ギヤ(アウターロータ)242、外歯ギヤ241および内歯ギヤ242を収容する図示しないギヤ室を画成するポンプボディおよびポンプカバー(何れも図示省略)等を有するギヤポンプであり、自動変速機25の入力軸26とは別軸上に配置される。機械式オイルポンプ24は、巻掛け伝動機構240を介してエンジン12からの動力により駆動され、トランスアクスルケース222の底部に設けられた作動油貯留部(図示省略)に貯留されている作動油(ATF)を吸引して油圧制御装置70へと圧送する。巻掛け伝動機構240は、発進装置23のポンプインペラ23pと一体に回転するドライブスプロケットや、機械式オイルポンプ24の外歯ギヤと一体に回転するドリブンスプロケット、ドライブスプロケットおよびドリブンスプロケットに巻掛けられるチェーン等を含む。
また、電動オイルポンプ28は、TMECU21により制御される図示しない電動モータおよび当該電動モータにより回転駆動されるインペラ等を含み、トランスアクスルケース222の作動油貯留部に貯留されている作動油を吸引して油圧制御装置70へと圧送する。本実施形態では、電動オイルポンプ28として、電動モータの流量制御により吐出流量および吐出圧を変更可能なものが採用されている。ただし、電動オイルポンプ28は、電動モータの回転数制御(デューティ制御)により吐出流量および吐出圧を変更可能なものであってもよい。
自動変速機25は、8段変速式の変速機として構成されており、図2に示すように、ダブルピニオン式の第1遊星歯車機構30と、ラビニヨ式の第2遊星歯車機構35と、入力側から出力側までの動力伝達経路を変更するための4つのクラッチC1,C2,C3およびC4、2つのブレーキB1およびB2とを含む。
第1遊星歯車機構30は、外歯歯車であるサンギヤ(固定要素)31と、このサンギヤ31と同心円上に配置される内歯歯車であるリングギヤ32と、互いに噛合すると共に一方がサンギヤ31に、他方がリングギヤ32に噛合する2つのピニオンギヤ33a,33bの組を自転自在(回転自在)かつ公転自在に複数保持するプラネタリキャリヤ34とを有する。図示するように、第1遊星歯車機構30のサンギヤ31は、フロントサポート223を介してトランスミッションケース22に対して回転不能に連結(固定)されており、第1遊星歯車機構30のプラネタリキャリヤ34は、入力軸26に一体回転可能に接続されている。また、第1遊星歯車機構30は、いわゆる減速ギヤとして用いられ、入力要素であるプラネタリキャリヤ34に伝達された動力を減速して出力要素であるリングギヤ32から出力する。
第2遊星歯車機構35は、外歯歯車である第1サンギヤ36aおよび第2サンギヤ36bと、第1および第2サンギヤ36a,36bと同心円上に配置される内歯歯車であるリングギヤ37と、第1サンギヤ36aに噛合する複数のショートピニオンギヤ38aと、第2サンギヤ36bおよび複数のショートピニオンギヤ38aに噛合すると共にリングギヤ37に噛合する複数のロングピニオンギヤ38bと、複数のショートピニオンギヤ38aおよび複数のロングピニオンギヤ38bを自転自在(回転自在)かつ公転自在に保持するプラネタリキャリヤ39とを有する。第2遊星歯車機構35のリングギヤ37は、自動変速機25の出力部材として機能し、入力軸26からリングギヤ37に伝達された動力は、ギヤ機構40、デファレンシャルギヤ50およびドライブシャフト51を介して左右の駆動輪に伝達される。
クラッチC1は、第1遊星歯車機構30のリングギヤ32と第2遊星歯車機構35の第1サンギヤ36aとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC2は、入力軸26と第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39とを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC3は、第1遊星歯車機構30のリングギヤ32と第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC4は、第1遊星歯車機構30のプラネタリキャリヤ34と第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。本実施形態では、クラッチC1,C2,C3およびC4として、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、油圧制御装置70からの係合油圧(作動油)が供給される係合油室、当該係合油室内で発生する遠心油圧をキャンセルするために油圧制御装置70からの作動油が供給される遠心油圧キャンセル室等を含む多板摩擦式油圧クラッチが採用される。
ブレーキB1は、第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bをトランスミッションケース22に回転不能に固定(接続)すると共に第2サンギヤ36bのトランスミッションケース22に対する固定を解除するものである。ブレーキB2は、第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39をトランスミッションケース22に回転不能に固定すると共にプラネタリキャリヤ39のトランスミッションケース22に対する固定を解除するものである。本実施形態では、ブレーキB1およびB2として、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、作動油が供給される係合油室等を含む多板摩擦式油圧ブレーキが採用される。
これらのクラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2は、油圧制御装置70による作動油の給排を受けて動作する。図3に、自動変速機25の各変速段とクラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2の作動状態との関係を表した作動表を示す。自動変速機25は、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2を図3の作動表に示す状態とすることで前進第1速〜第8速の変速段と後進第1速および第2速の変速段とを提供する。すなわち、自動変速機25の各変速段は、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2のうちの何れか2つの係合により形成される。また、アイドルストップ制御や惰性走行の実行により車両10の走行中にエンジン12の運転が停止される際には、車速等に応じた変速段に対応した2つのクラッチやブレーキの一方が解放されると共に他方が係合されてニュートラル状態が形成され、車両10の走行状態に応じて係合させるべきクラッチ等が変更されていく。なお、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2の少なくとも何れかは、ドグクラッチといった噛み合い係合要素とされてもよい。
ギヤ機構40は、自動変速機25の第2遊星歯車機構35のリングギヤ37に連結されるカウンタドライブギヤ41と、自動変速機25の入力軸26と平行に延在するカウンタシャフト42に固定されると共にカウンタドライブギヤ41に噛合するカウンタドリブンギヤ43と、カウンタシャフト42に形成(あるいは固定)されたドライブピニオンギヤ44と、ドライブピニオンギヤ44に噛合すると共にデファレンシャルギヤ50に連結されたデフリングギヤ45とを有する。図2に示すように、ギヤ機構40のカウンタドライブギヤ41は、第1および第2遊星歯車機構30,35の間に位置するように複数のボルトを介してトランスアクスルケース222に固定されるセンターサポート224により軸受を介して回転自在に支持される。
図4は、油圧制御装置70を示す系統図である。油圧制御装置70は、それぞれトランスアクスルケース222の作動油貯留部からストレーナ60を介して作動油を吸引して吐出可能な上述の機械式オイルポンプ24および電動オイルポンプ28に接続される。そして、油圧制御装置70は、発進装置23や自動変速機25により要求される油圧を生成すると共に、各種軸受等の潤滑対象やクラッチC1〜C4の遠心油圧キャンセル室C1c等といった低圧油供給部(被潤滑部)に作動油を供給する。図示するように、油圧制御装置70は、複数の油路L1〜L9等が形成されたバルブボディ700や、プライマリレギュレータバルブ71、セカンダリレギュレータバルブ72、モジュレータバルブ74、オイルクーラ75、リニアソレノイドバルブSL1,SLT、信号圧出力バルブSR、切替バルブ80等を含む。
バルブボディ700は、例えばトランスミッションケース22を構成するトランスアクスルケース222の側部に取り付けられる。バルブボディ700の油路L1(第1油路)は、機械式オイルポンプ24の吐出ポートに接続され、その中途には第1逆止弁77が設置されている。第1逆止弁77は、上流側すなわち機械式オイルポンプ24側における油圧が下流側における油圧よりも高いときに機械式オイルポンプ24側から下流側への作動油の流通を許容すると共に、上流側における油圧が下流側における油圧以下であるときに機械式オイルポンプ24側から下流側への作動油の流通を遮断する。すなわち、第1逆止弁77は、機械式オイルポンプ24からの油圧の低下に応じて閉鎖する。
また、バルブボディ700の油路L2(第2油路)は、一端が電動オイルポンプ28の吐出ポートに接続されると共に他端が上記第1逆止弁77の下流側で油路L1に接続されており、その中途には第2逆止弁78が設置されている。第2逆止弁78は、上流側すなわち電動オイルポンプ28側における油圧が下流側すなわち油路L1における油圧よりも高いときに電動オイルポンプ28側から下流側への作動油の流通を許容すると共に、上流側における油圧が下流側における油圧以下であるときに電動オイルポンプ28側から下流側への作動油の流通を遮断する。これにより、エンジン12の運転停止に伴って機械式オイルポンプ24が停止している状態で電動オイルポンプ28が作動させられている際には、当該電動オイルポンプ28からの油圧が油路L1にライン圧PLとして供給されることになる。更に、バルブボディ700の油路L3(第3油路)は、電動オイルポンプ28と第2逆止弁78との間で油路L2から分岐されている。
プライマリレギュレータバルブ71は、機械式オイルポンプ24と第1逆止弁77との間で油路L1に接続されており、リニアソレノイドバルブSLTからの油圧を信号圧として用いて機械式オイルポンプ24からの作動油を調圧することにより元圧を生成する。これにより、電動オイルポンプ28が停止している状態でエンジン12により機械式オイルポンプ24が駆動されている際には、プライマリレギュレータバルブ71により調圧された元圧が油路L1にライン圧PLとして供給されることになる。また、セカンダリレギュレータバルブ(第2のレギュレータバルブ)72は、リニアソレノイドバルブSLTからの油圧を信号圧として用いて上記元圧の生成に伴ってプライマリレギュレータバルブ71からドレンされる作動油(ドレン油)を調圧することにより当該元圧(ライン圧PL)よりも低いセカンダリ圧(循環圧)Psecを生成する。
リニアソレノイドバルブSLTは、機械式オイルポンプ24側(例えばモジュレータバルブ74)からの作動油を調圧して車両10のアクセル開度あるいはスロットルバルブの開度に応じた油圧を出力するようにTMECU21により制御される。本実施形態において、TMECU21は、車両10のアクセル開度等とは無関係にリニアソレノイドバルブSLTを制御可能であり、当該リニアソレノイドバルブSLTの出力圧を制御することで、プライマリレギュレータバルブ71およびセカンダリレギュレータバルブ72のドレン油の量を調整することができる。また、モジュレータバルブ74は、第1逆止弁77の下流側で油路L1から分岐された油路L4に接続される入力ポートを有し、油路L1からの作動油(ライン圧PL)を調圧(減圧)して略一定のモジュレータ圧Pmodを出力する。更に、オイルクーラ75は、セカンダリ圧Psecの生成に伴ってセカンダリレギュレータバルブ72からドレンされる作動油(ドレン油)を冷却する。
リニアソレノイドバルブSL1(調圧バルブ)は、油路L1に接続される入力ポートを有し、油路L1からの作動油(ライン圧PL)を調圧してクラッチC1の係合油室C1eへの油圧(係合油圧)を生成する。また、リニアソレノイドバルブSL1(ソレノイド部に印加される電流の値)は、TMECU21により制御される。更に、油圧制御装置70は、自動変速機25のクラッチC2,C3およびC4並びにブレーキB1およびB2の何れか1つまたは2つに対応した図示しない複数のリニアソレノイドバルブを有しており、これらのリニアソレノイドバルブもTMECU21により制御される。本実施形態において、油路L1は、これらの図示しないリニアソレノイドバルブのうち、例えばクラッチC2,C3およびブレーキB2に対応したリニアソレノイドバルブの入力ポートに接続される。また、クラッチC4およびブレーキB1に対応したリニアソレノイドバルブの入力ポートは、バルブボディ700に形成された図示しない油路を介してプライマリレギュレータバルブ71の出力ポートに接続される。
信号圧出力バルブSRは、TMECU21により通電制御される例えば常閉式のオンオフソレノイドバルブであり、当該信号圧出力バルブSRの入力ポートは、バルブボディ700に形成された油路L5を介してモジュレータバルブ74の出力ポートに連通する。信号圧出力バルブSRは、ソレノイド部への通電時にモジュレータバルブ74からのモジュレータ圧Pmodを信号圧Psrとして出力ポートから出力する。
切替バルブ80は、バルブボディ700内に軸方向に移動自在に配置されるスプール800と、スプール800と軸方向に並ぶようにバルブボディ700内に固定される区画部材801と、スプール800を付勢するスプリング802と、区画部材801内に配置される弁体としてのボール805とを含む。更に、切替バルブ80は、第1入力ポート80aと、第2入力ポート80bと、第1出力ポート80cと、第2出力ポート80dと、信号圧入力ポート80eと、第1および第2ドレンポート80f,80gとを有する。
スプール800は、軸方向に間隔をおいて形成された2つのランド800x,800yとボール押圧部800zとを有し、ボール押圧部800zが区画部材801側に位置するようにバルブボディ700内に配置される。区画部材801は、スプール800側で開口するように形成されたボール室801aを有する。スプリング802は、スプール800のボール押圧部800zを包囲するようにランド800yと区画部材801との間に配置され、当該スプール800を区画部材801から離間するように図4における上方に付勢する。ボール805は、区画部材801内に画成されたボール室801a内にスプール800の軸方向に移動自在に配置される。
第1入力ポート80aは、スプール800の2つのランド800x,800y間の空間に連通すると共に、バルブボディ700に形成された油路L6を介してセカンダリレギュレータバルブ72のドレンポートに連通する。第1入力ポート80aには、セカンダリ圧Psecの生成に伴ってセカンダリレギュレータバルブ72からドレンされる作動油(ドレン油)が油路L6を介して供給される。第2入力ポート80bは、バルブボディ700に形成された上述の油路L3に接続されると共に区画部材801のボール室801aに連通する。第2入力ポート80bには、電動オイルポンプ28の作動時に油路L3を介して当該電動オイルポンプ28からの作動油が供給される。
第1出力ポート80cは、区画部材801側からスプール800側に向かうにつれて先細になる略三角形状の断面形状を有し、バルブボディ700に形成された油路L7を介してオイルクーラ75の作動油入口に連通する。第2出力ポート80dは、バルブボディ700に形成された油路L8に接続されると共に区画部材801のボール室801aに連通する。図4に示すように、油路L8は、中途に逆止弁79を有しており、当該油路L8の第2出力ポート80dとは反対側の端部は、第1出力ポート80cとオイルクーラ75との間で油路L7に連通している。逆止弁79は、上流側すなわち第2出力ポート80d(電動オイルポンプ28)側における油圧が下流側すなわち油路L7における油圧よりも高いときに第2出力ポート80d側から油路L7側への作動油の流通を許容すると共に、第2出力ポート80d側における油圧が油路L7側における油圧以下であるときに第2出力ポート80d側から油路L7側への作動油の流通を遮断する。
信号圧入力ポート80eは、バルブボディ700に形成された油路L9を介して信号圧出力バルブSRの出力ポートに連通する。第1ドレンポート80fは、スプール800側から区画部材801側に向かうにつれて先細になる略三角形状の断面形状を有し、スプール800の2つのランド800x,800y間の空間に連通可能である。第2ドレンポート80gは、スプリング802が配置されるスプリング室に連通すると共に区画部材801のボール室801aに連通可能である。これにより、ボール室801a内に残留した作動油を第2ドレンポート80gからバルブボディ700の図示しない油路等を介して作動油貯留部へと戻すことができる。
本実施形態において、切替バルブ80の取付状態は、信号圧入力ポート80eに信号圧出力バルブSRからの信号圧Psr(モジュレータ圧Pmod)が供給されずにスプール800がスプリング802によって図4中上方すなわち区画部材801から離間するように付勢される第1状態(同図中左側半分の状態)である。切替バルブ80の取付状態(第1状態)では、スプール800の2つのランド800x,800y間の空間を介して第1入力ポート80aと第1ドレンポート80fとが連通する。また、切替バルブ80の取付状態では、第1出力ポート80cの図中上端がスプール800の2つのランド800x,800y間の空間に僅かに連通する。これにより、切替バルブ80が第1状態を形成する際、油路L6に供給されたセカンダリレギュレータバルブ72からのドレン油は、基本的に第1ドレンポート80fに流入し、当該第1ドレンポート80fからバルブボディ700の図示しない油路等を介して作動油貯留部へと戻される。また、切替バルブ80が第1状態を形成する際、油路L6からのドレン油のごく一部は、第1出力ポート80cを介して油路L7に流入する。これにより、スプール800のランド800yと第1出力ポート80cとの間等における異物の噛み込み等を抑制することが可能となる。
また、切替バルブ80が第1状態を形成する際には、スプール800がスプリング802により区画部材801から離間するように付勢されることで、当該スプール800のボール押圧部800zが区画部材801のボール室801aの開口付近に位置し、ボール押圧部800zとボール室801a内のボール805との間には、軸方向の間隔が形成される。これにより、切替バルブ80が第1状態を形成する際に電動オイルポンプ28から油路L3に作動油が供給されると、油路L3から第2入力ポート80bに供給された油圧の作用によりボール805が区画部材801の図中上方(信号圧入力ポート80e側)の弁座部に押圧される。この結果、切替バルブ80の第2入力ポート80bがボール室801aを介して第2出力ポート80dに連通し、油路L3からの作動油は、第2入力ポート80b、ボール室801a、第2出力ポート80d、油路L8(逆止弁79)を介して油路L7に流入可能となる。
一方、信号圧入力ポート80eに信号圧出力バルブSRからの信号圧Psr(モジュレータ圧Pmod)が供給されると、スプール800がスプリング802の付勢力に抗して区画部材801に向けて移動し、切替バルブ80は、第2状態(図4中右側半分の状態)を形成する。切替バルブ80が第2状態を形成する際には、スプール800のランド800xにより第1入力ポート80aと第1ドレンポート80fとの連通が遮断されると共に、第1入力ポート80aがスプール800の2つのランド800x,800y間の空間を介して第1出力ポート80cの全体に連通する。これにより、切替バルブ80が第2状態を形成する際には、油路L6に供給されたセカンダリレギュレータバルブ72からのドレン油が第1出力ポート80cを介して油路L7に流入可能となる。
更に、切替バルブ80が第2状態を形成する際には、スプール800が区画部材801に向けて移動することで、当該スプール800のボール押圧部800zがボール室801a内のボール805に当接し、当該ボール805を区画部材801の図中下方(第2出力ポート80d側)の弁座部に押圧する。本実施形態において、信号圧入力ポート80eに供給された信号圧Psr(モジュレータ圧Pmod)を受けるスプール800の受圧面の面積は、電動オイルポンプ28からの油圧(吐出圧)が予め定められた閾値未満である際に、信号圧Psrの作用によりスプール800に付与される推力がスプリング802の付勢力と油路L3から第2入力ポート80bに供給される油圧の作用によりボール805に付与される推力との和に打ち勝つように定められている。
これにより、切替バルブ80が第2状態を形成する際に電動オイルポンプ28から油路L3に作動油が供給されても、ボール805は、基本的に、スプール800のボール押圧部800zにより区画部材801の図中下方(第2出力ポート80d側)の弁座部に押圧されたままとなる。この結果、切替バルブ80が信号圧入力ポート80eへの信号圧Psrの供給に応じて第2状態を形成している際には、ボール805により切替バルブ80の第2入力ポート80bと第2出力ポート80dとの連通を遮断し、電動オイルポンプ28からの作動油を第2出力ポート80dに供給することなく、油路L1側に供給することが可能となる。
また、本実施形態において、電動オイルポンプ28からの油圧(吐出圧)に対する上記閾値は、当該電動オイルポンプ28(マグネットカップリング)の脱調を生じさせない吐出圧の上限値として実験・解析を経て定められている。従って、何らかの要因により電動オイルポンプ28の吐出圧が必要以上に高まり、電動オイルポンプ28からの油圧が上記閾値以上になると、油路L3から第2入力ポート80bに供給された油圧の作用によりボール805に付与される推力とスプリング802の付勢力との和が信号圧入力ポート80eに供給された信号圧Psrの作用によりスプール800に付与される推力に打ち勝ち、切替バルブ80は第1状態を形成して第2入力ポート80bと第2出力ポート80dとの連通を許容する。これにより、電動オイルポンプ28の吐出圧が必要以上に高まった際に、切替バルブ80をリリーフバルブとして機能させて当該電動オイルポンプ28の脱調の発生を抑制することが可能となる。
次に、図4および図5を参照しながら、アイドルストップ制御の実行により車両10の停車に伴ってエンジン12の運転が停止されてから当該車両10に対する発進要求に応じてエンジン12が再始動される際の油圧制御装置70の動作について説明する。なお、以下の説明において、エンジン12の「運転停止」は、当該エンジン12の回転数が低下して機械式オイルポンプ24から充分な量の作動油が吐出されなくなっている状態と当該エンジン12の運転が完全に停止されている状態とを含むものとする。
車両10の停車に伴ってエンジン12の運転が停止される場合、TMECU21は、エンジン12の運転停止(エンジン停止指令)に応じて、信号圧出力バルブSRへの通電を解除(解除状態に維持)して信号圧Psrの出力を停止させると共に電動オイルポンプ28を作動させる。これにより、切替バルブ80は、上述の第1状態を形成し、電動オイルポンプ28からの油圧が油路L2から油路L1にライン圧PLとして供給される。また、切替バルブ80が第1状態を形成することで、電動オイルポンプ28からの油の一部は、油路L3、切替バルブ80の第2入力ポート80b、ボール室801a、第2出力ポート80d、油路L8(逆止弁79)を介して油路L7に流入し、更にオイルクーラ75を介してクラッチC1の遠心油圧キャンセル室C1cを含む低圧油供給部に供給される。これにより、エンジン12の運転停止に伴って機械式オイルポンプ24が停止し、元圧の生成に伴って発生するプライマリレギュレータバルブ71からのドレン油が減少しても、クラッチC1の遠心油圧キャンセル室C1cを含む自動変速機25の低圧油供給部に対する作動油の供給量が不足するのを抑制することができる。
このように切替バルブ80が第1状態を形成する状態で電動オイルポンプ28を作動させる間、TMECU21は、リニアソレノイドバルブSL1から、エンジン12を再始動させて車両10を発進させる際に係合されるクラッチC1(図3参照)にトルク容量をもたすことなく、係合油室C1eに作動油を満たすことができる程度(ピストンをストロークがなくなるように移動させることができる程度)の油圧が出力されるように当該リニアソレノイドバルブSL1に対する油圧指令値Psl1*を設定する。更に、この間、TMECU21は、リニアソレノイドバルブSL1に対する油圧指令値Psl1*と低圧油供給部への作動油の供給量に見合った油圧を発生するように電動オイルポンプ28を制御する。
また、車両10の停車後(エンジン12の運転停止後)に当該車両10の運転者によりブレーキペダル93の踏み込みが解除されると共にアクセルペダル91が踏み込まれることで車両10に対する発進要求がなされると(図5における時刻t1)、TMECU21は、当該発進要求に応じて、電動オイルポンプ28を作動させたまま、信号圧出力バルブSRに通電して信号圧Psrを出力させる。これにより、切替バルブ80が上述の第2状態を形成することで第2入力ポート80bと第2出力ポート80dとの連通が遮断され、自動変速機25の低圧油供給部に対する電動オイルポンプ28からの作動油の供給が遮断される。
更に、車両10に対する発進要求に応じてエンジン12が始動され、それに伴って機械式オイルポンプ24が作動油を吐出すると、プライマリレギュレータバルブ71は、機械式オイルポンプ24からの作動油を調圧することにより上述の元圧を生成し、セカンダリレギュレータバルブ72は、プライマリレギュレータバルブ71のドレン油を調圧することにより当該元圧よりも低いセカンダリ圧Psecを生成する。この際、プライマリレギュレータバルブ71により生成される元圧は、電動オイルポンプ28からの油圧よりも高くなるまで第1逆止弁77の下流側に流入することはない。そして、セカンダリレギュレータバルブ72のドレン油は、油路L6から第2状態を形成する切替バルブ80の第1入力ポート80aおよび第1出力ポート80cを介して油路L7に流入し、更にオイルクーラ75を介してクラッチC1の遠心油圧キャンセル室C1cを含む低圧油供給部に供給される。
これにより、エンジン12の運転停止後の発進要求に応じて、電動オイルポンプ28からの作動油をリニアソレノイドバルブSL1により調圧して係合油室C1eに供給すると共にセカンダリレギュレータバルブ72のドレン油を遠心油圧キャンセル室C1cに供給することができるので、発進要求に応じて急係合を抑制しつつ速やかにクラッチC1を係合させることが可能となる。また、この際、クラッチC1の遠心油圧キャンセル室C1cを含む低圧油供給部への作動油の供給量をまかなうために電動オイルポンプ28の吐出流量を増加させる必要がなくなることから、電動オイルポンプ28の小型化やコストダウンを図ることができる。この結果、油圧制御装置70によれば、電動オイルポンプ28の小型化やコストダウンを図りつつ、クラッチC1の遠心油圧キャンセル室C1cを含む低圧油供給部に対する作動油の供給量が不足するのを抑制可能となる。
また、切替バルブ80を含む油圧制御装置70では、ボール805に付与される推力とスプリング802の付勢力との和が、信号圧Psrの作用によりスプール800に付与される推力に打ち勝つまで、第2入力ポート80bと第2出力ポート80dとの連通を遮断したまま電動オイルポンプ28からの作動油をリニアソレノイドバルブSL1等に供給することができる。従って、図5に示すように電動オイルポンプ28の吐出圧(ライン圧PL)を高めることで、エンジン12を再始動させて車両10を発進させる際にクラッチC1と共に係合されるブレーキB2(図3参照)にも電動オイルポンプ28からの作動油(ライン圧)PLを調圧して供給し、当該ブレーキB2を係合させることが可能となる。この際、何らかの要因により電動オイルポンプ28の吐出圧が必要以上に高まったとしても、切替バルブ80をリリーフバルブとして機能させて当該電動オイルポンプ28の脱調の発生を抑制することができる。
更に、上記切替バルブ80によれば、信号圧出力バルブSRからの信号圧Psrの出力を停止させることで上記第1状態を形成すると共に信号圧出力バルブSRから信号圧入力ポート80eに信号圧Psrを供給することで上記第2状態を形成することが可能となる。そして、切替バルブ80が第2状態を形成する際には、ボール805により第2入力ポート80bと第2出力ポート80dとの間の作動油の漏れをより確実に抑制することができるので、電動オイルポンプ28からの作動油をクラッチC1側にのみ供給されるようにして当該電動オイルポンプ28の負担をより軽減することが可能となる。
なお、エンジン12の始動後に電動オイルポンプ28から自動変速機25の低圧油供給部への作動油の供給が遮断される際には、当該低圧油供給部に供給されるセカンダリレギュレータバルブ72のドレン油の流量が充分に確保されるように、アクセル開度等とは無関係にリニアソレノイドバルブSLTが制御されてもよい。また、エンジン12の始動後に電動オイルポンプ28を停止させる際、セカンダリレギュレータバルブ72のドレン油の流量を充分に確保すると共に、電動オイルポンプ28からの油圧が機械式オイルポンプ24からの元圧で速やかに置き換えられるように、プライマリレギュレータバルブ71により生成される元圧に応じて電動オイルポンプ28の吐出圧を徐々に低下させてもよい。
更に、上記切替バルブ80では、第1状態の形成時に第1出力ポート80cがスプール800の2つのランド800x,800y間の空間に僅かに連通するが、これに限られるものではない。すなわち、当該切替バルブ80は、第1状態の形成時にスプール800のランド800yによって第1入力ポート80aと第1出力ポート80cとの連通が遮断されるように構成されてもよい。
また、上記車両10は、走行中にエンジン12の運転を停止させる惰性走行を実行可能なものであることから、油圧制御装置70やTMECU21は、車両10の惰性走行時に上述のような動作を行うように構成されてもよい。すなわち、TMECU21は、惰性走行の実行に伴うエンジン12の停止(エンジン停止指令)に応じて、信号圧出力バルブSRへの通電を解除(解除状態に維持)して信号圧Psrの出力を停止させると共に電動オイルポンプ28を作動させ、惰性走行の解除要求に応じて、電動オイルポンプ28を作動させたまま、信号圧出力バルブSRに通電して信号圧Psrを出力させるものであってもよい。
これにより、惰性走行のためのエンジン12の運転停止に伴って機械式オイルポンプ24が停止し、セカンダリレギュレータバルブ72のドレン油が減少しても、電動オイルポンプを作動させることで、クラッチC1〜C4の遠心油圧キャンセル室C1c等を含む自動変速機25の低圧油供給部に対する作動油の供給量が不足するのを抑制することができる。また、惰性走行の解除要求に応じて、電動オイルポンプ28からの作動油をエンジン12の再始動に際して係合されるクラッチC1〜C4の少なくとも何れかの係合油室C1e等に供給すると共にセカンダリレギュレータバルブ72のドレン油を遠心油圧キャンセル室C1c等に供給して、急係合を抑制しつつ速やかに当該クラッチC1〜C4の少なくとも何れかを係合させることが可能となる。
図6は、本開示の他の油圧制御装置70Bを示す系統図である。なお、油圧制御装置70Bの構成要素のうち、上述の油圧制御装置70と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
油圧制御装置70Bも、機械式オイルポンプ24および電動オイルポンプ28に接続され、発進装置23や自動変速機25により要求される油圧を生成すると共に、各種軸受等の潤滑対象やクラッチC1〜C4の遠心油圧キャンセル室C1c等といった低圧油供給部(被潤滑部)に作動油を供給するものである。油圧制御装置70Bにおいて、バルブボディ700Bの油路L1(第1油路)は、機械式オイルポンプ24の吐出ポートに接続され、その中途には第1逆止弁77が設置されている。また、バルブボディ700Bの油路L2(第2油路)は、その中途に第2逆止弁78を含む。油路L2の一端は、電動オイルポンプ28の吐出ポートに接続され、その他端は、油路L1の第1逆止弁77の下流側に接続され、油路L2からは、油路L3が分岐されている。
更に、油路L1およびL2の合流部J12には、リニアソレノイドバルブSL1を含むと共にクラッチC1の係合油室C1eに接続された油路(第4油路)L40や、クラッチC2−C4、ブレーキB1,B2の係合油室に連通する油路が接続されている。図示するように、油路L2と油路L3との分岐部J23は、電動オイルポンプ28と、油路L1と油路L2との合流部J12との間に設けられ、油路L2の合流部J12と分岐部J23との間には、第2逆止弁78が設置されている。第2逆止弁78は、分岐部側J23における油圧が合流部J12側における油圧よりも高いときに電動オイルポンプ28側から油路L40側への油の流通を許容すると共に、分岐部J23側における油圧が合流部J12側における油圧以下であるときに電動オイルポンプ28側から油路L40側への油の流通を遮断する。これにより、機械式オイルポンプ24からの作動油が油路L3および切替バルブ80を介して低圧油供給部に供給されないようにしつつ、電動オイルポンプ28からの作動油をクラッチC1等に供給することが可能となる。
加えて、油圧制御装置70Bは、セカンダリレギュレータバルブ72により調圧されたレギュレータバルブ(71)からのドレン油(セカンダリ圧)を発進装置(トルクコンバータ)の流体室230に供給するための油路(第5油路)L51およびL52と、第2切替バルブ85と、逆止弁(第3逆止弁)86と、例えばソレノイド部への通電時にモジュレータバルブ74からのモジュレータ圧Pmodを信号圧として出力ポートから出力するオンオフソレノイドバルブSLとを含む。第2切替バルブ85は、油路L51と油路L52とを連通させると共に油路L61と油路L62とを連通させる連通状態と、油路L51と油路L52との連通および油路L61と油路L62との連通を解除する遮断状態とを形成可能なものであり、オンオフソレノイドバルブSLからの信号圧の出力状態において、連通状態および遮断状態の何れか一方を形成する。また、逆止弁86は、図示しないコイルスプリングを含み、第2切替バルブ85とオイルクーラ75と間に位置するように油路L62上に設置されている。逆止弁86は、流体室230からの戻り油の圧力低下に応じてオイルクーラ75側への作動油の流通を当該コイルスプリングの付勢力により規制する。かかる構成により、これにより、エンジン12の運転、すなわち機械式オイルポンプ24の停止に伴ってプライマリレギュレータバルブ71からのドレン油が流体室230に供給されなくなっても、当該流体室230内に作動油を確保しておくことが可能となる。
また、油圧制御装置70Bにおいて、セカンダリレギュレータバルブ72のドレンポートを流出した作動油は、ストレーナ60を介して作動油貯留部に戻される。更に、油圧制御装置70Bにおいて、オイルクーラ75の作動油出口は、油路L6を介して、切替バルブ80の第1入力ポート80aに連通すると共に、バルブボディ700Bに形成された図示しない油路を介して、クラッチC1の遠心油圧キャンセル室C1cの作動油入口に連通する。また、油圧制御装置70Bにおいて、切替バルブ80の第1出力ポート80cに接続された油路L7は、図6に示すように、クラッチC1の遠心油圧キャンセル室C1cとった低圧油供給部の作動油入口に連通した油路に連通する。
次に、図6および図7を参照しながら、アイドルストップ制御や惰性走行の実行に伴ってエンジン12の運転が停止されてから発進要求や惰性走行の解除要求に応じてエンジン12が再始動される際の油圧制御装置70Bの動作について説明する。
車両10の運転者によりアクセルペダル91の踏み込みが解除されると共にブレーキペダル93が踏み込まれ、アイドルストップ制御により車両10の停車に伴ってエンジン12の運転が停止される場合、TMECU21は、エンジン12の運転停止(エンジン停止指令)に応じて、信号圧出力バルブSRへの通電を解除(解除状態に維持)して信号圧Psrの出力を停止させると共に電動オイルポンプ28を作動させる(図7における時刻ta)。これにより、切替バルブ80は、上述の第1状態を形成し、電動オイルポンプ28からの油圧が油路L2から油路L1にライン圧PLとして供給される。また、切替バルブ80が第1状態を形成することで、電動オイルポンプ28からの油の一部は、油路L2,L3、切替バルブ80の第2入力ポート80b、ボール室801a、第2出力ポート80d、油路L8(逆止弁79)を介して油路L7に流入し、クラッチC1の遠心油圧キャンセル室C1cを含む低圧油供給部に供給される。これにより、エンジン12の運転停止に伴って機械式オイルポンプ24から作動油が供給されなくなっても、電動オイルポンプ28からの作動油を油路L2,L3、切替バルブ80等を介して低圧油供給部に供給することが可能となる。
電動オイルポンプ28の作動開始後、運転者によるブレーキペダル93の踏み込みに応じて例えば車両10の車速が第1の車速まで低下すると(図7における時刻tb)、TMECU21は、信号圧出力バルブSRに通電して信号圧Psrを出力させると共に、図7に示すように、切替バルブ80が第1状態を形成する際に比べて電動オイルポンプ28の吐出流量を増加させる。更に、TMECU21は、運転者によりアクセルペダル91が踏み込まれた際に前進第2速段での速やかな発進を可能にするために、前進第2速段の形成時に係合されるブレーキB1が係合直前の状態となるように当該ブレーキB1に対応したリニアソレノイドバルブを制御する。これにより、切替バルブ80が上述の第2状態を形成することで第2入力ポート80bと第2出力ポート80dとの連通が遮断され、電動オイルポンプ28からの作動油は、自動変速機25の低圧油供給部に供給されることなく、油路L2からブレーキB1の係合油室に供給される。
TMECU21は、ブレーキB1のリニアソレノイドバルブの制御開始(電動オイルポンプ28からの作動油の供給開始)から予め定められた油圧供給時間が経過するまで、信号圧出力バルブSRに信号圧Psrを出力させると共に、電動オイルポンプ28の吐出流量を増加させる。これにより、ブレーキB1の係合油室に作動油が急速充填される。ブレーキB1のリニアソレノイドバルブの制御開始から当該油圧供給時間が経過すると(図7における時刻tc)、TMECU21は、信号圧出力バルブSRへの通電を解除して信号圧Psrの出力を停止させ、ブレーキB1のリニアソレノイドバルブを全開にすると共に、図7に示すように、電動オイルポンプ28の吐出流量を切替バルブ80が第1状態を形成する際の値に戻す。これにより、電動オイルポンプ28からの作動油は、係合油室内の油圧が保持されるようにブレーキB1に供給されると共に、切替バルブ80が上述の第1状態を形成することで、油路L2,L3、切替バルブ80等を介して低圧油供給部にも供給されることになる。
また、運転者によるブレーキペダル93の踏み込みに応じて車両10の車速が第2の車速(<第1の車速)まで低下すると(図7における時刻td)、TMECU21は、信号圧出力バルブSRに通電して信号圧Psrを出力させると共に、切替バルブ80が第1状態を形成する際に比べて電動オイルポンプ28の吐出流量を増加させる。更に、TMECU21は、運転者によりアクセルペダル91が踏み込まれた際に前進第1速段での速やかな発進を可能にするために、前進第1速段の形成時に係合されるブレーキB2が係合直前の状態となるように当該ブレーキB2に対応したリニアソレノイドバルブを制御する。これにより、切替バルブ80が第2状態を形成することで第2入力ポート80bと第2出力ポート80dとの連通が遮断され、電動オイルポンプ28からの作動油は、自動変速機25の低圧油供給部に供給されることなく、油路L2からブレーキB2の係合油室に供給される。なお、電動オイルポンプ28からの作動油がブレーキB2に供給されるのに伴い、ブレーキB1の係合油室内の作動油はドレンされる。
TMECU21は、ブレーキB2のリニアソレノイドバルブの制御開始(電動オイルポンプ28からの作動油の供給開始)から予め定められた油圧供給時間が経過するまで、信号圧出力バルブSRに信号圧Psrを出力させると共に、電動オイルポンプ28の吐出流量を増加させる。これにより、ブレーキB2の係合油室に作動油が急速充填される。ブレーキB2のリニアソレノイドバルブの制御開始から当該油圧供給時間が経過すると(図7における時刻te)、TMECU21は、信号圧出力バルブSRへの通電を解除して信号圧Psrの出力を停止させ、ブレーキB2のリニアソレノイドバルブを全開にすると共に、図7に示すように、電動オイルポンプ28の吐出流量を切替バルブ80が第1状態を形成する際の値に戻す。これにより、電動オイルポンプ28からの作動油は、係合油室内の油圧が保持されるようにブレーキB2に供給されると共に、切替バルブ80が上述の第1状態を形成することで、油路L2,L3、切替バルブ80等を介して低圧油供給部にも供給されることになる。
更に、運転者によるブレーキペダル93の踏み込みに応じて車両10が停車すると(図7における時刻tf)、TMECU21は、信号圧出力バルブSRに通電して信号圧Psrを出力させると共に、切替バルブ80が第1状態を形成する際に比べて電動オイルポンプ28の吐出流量を増加させる。また、TMECU21は、運転者によりアクセルペダル91が踏み込まれた際に前進第1速段での速やかな発進を可能にするために、前進第1速段の形成時に係合されるクラッチC1が係合直前の状態となるように当該クラッチC1に対応したリニアソレノイドバルブSL1を制御する。これにより、切替バルブ80が上述の第2状態を形成することで第2入力ポート80bと第2出力ポート80dとの連通が遮断され、電動オイルポンプ28からの作動油は、自動変速機25の低圧油供給部に供給されることなく、油路L2から油路L40を介してクラッチC1の係合油室C1eに供給される。
TMECU21は、クラッチC1のリニアソレノイドバルブSL1の制御開始(電動オイルポンプ28からの作動油の供給開始)から予め定められた油圧供給時間が経過するまで、信号圧出力バルブSRに信号圧Psrを出力させると共に、電動オイルポンプ28の吐出流量を増加させる。これにより、クラッチC1の係合油室C1eに作動油が急速充填される。リニアソレノイドバルブSL1の制御開始から当該油圧供給時間が経過すると(図7における時刻tg)、TMECU21は、信号圧出力バルブSRへの通電を解除して信号圧Psrの出力を停止させ、リニアソレノイドバルブSL1を全開にすると共に、図7に示すように、電動オイルポンプ28の吐出流量を切替バルブ80が第1状態を形成する際の値に戻す。これにより、電動オイルポンプ28からの作動油は、係合油室C1e等内の油圧が保持されるようにクラッチC1およびブレーキB2に供給されると共に、切替バルブ80が上述の第1状態を形成することで、油路L2,L3、切替バルブ80等を介して遠心油圧キャンセル室C1cを含む低圧油供給部にも供給されることになる。
上述のように、油圧制御装置70Bによれば、アイドルストップ制御によるエンジン12の運転停止に伴って機械式オイルポンプ24から作動油が供給されなくなる際に、切替バルブ0を第1状態に切り替えることで、電動オイルポンプ28からの作動油を当該切替バルブ80を介して遠心油圧キャンセル室C1c等の低圧油供給部に供給することが可能となる。また、切替バルブ80を第2状態に切り替えることで、電動オイルポンプ28からの作動油を低圧油供給部に供給することなく、エンジン12の再始動時に係合されるクラッチC1等に供給することができる。
この結果、電動オイルポンプ28の小型化やコストダウンを図りつつ、エンジン12の運転停止に伴って機械式オイルポンプ24から作動油が供給されなくなる際に、自動変速機25のクラッチC1等や低圧油供給部の双方に対する作動油の供給量を良好に確保することが可能となる。そして、車両10の停車後に運転者によりブレーキペダル93の踏み込みが解除されると共にアクセルペダル91が踏み込まれることで車両10に対する発進要求がなされた際に(図7における時刻th)、機械式オイルポンプ24による油圧が高まるまで、電動オイルポンプ28からの作動油をリニアソレノイドバルブSL1から係合油室C1eに供給すると共に切替バルブ80を介して遠心油圧キャンセル室C1cに供給することで、発進要求に応じて急係合を抑制しつつ速やかにクラッチC1を係合させることが可能となる。
また、アイドルストップ制御によるエンジン12の運転停止中、油圧制御装置70Bでは、当該エンジン12の再始動時に係合されるクラッチC1やブレーキB1等への電動オイルポンプ28からの作動油の供給開始から油圧供給時間が経過してクラッチC1等が係合直前の状態になるまで、切替バルブ80が第2状態を形成する。更に、アイドルストップ制御によるエンジン12の運転停止中に切替バルブ80が第2状態を形成する際には、当該切替バルブ80が第1状態を形成する場合に比べて電動オイルポンプ28の吐出流量が増加させられる。これにより、アイドルストップ制御によるエンジン12の運転停止中に、再始動時に係合されるクラッチC1等に多くの油を速やかに供給しておいて、エンジン12の再始動に応じて当該クラッチC1等を速やかに係合させると共に、電動オイルポンプ28から低圧油供給部に作動油が供給されなくなる時間をより短縮化することが可能となる。
一方、車両10の惰性走行の実行に伴うエンジン12のエンジン停止指令が発せられると、TMECU21は、信号圧出力バルブSRへの通電を解除(解除状態に維持)して信号圧Psrの出力を停止させると共に電動オイルポンプ28を作動させる(図7における時刻ti)。これにより、エンジン12の運転停止に伴って機械式オイルポンプ24から作動油が供給されなくなっても、電動オイルポンプ28からの作動油を切替バルブ80等を介して低圧油供給部に供給することが可能となる。
また、電動オイルポンプ28の作動開始後に、車両10の車速が第1の惰行速度まで低下すると(図7における時刻tj)、TMECU21は、切替バルブ80が第2状態を形成するように信号圧出力バルブSRに通電して信号圧Psrを出力させると共に、図7に示すように、切替バルブ80が第1状態を形成する際に比べて電動オイルポンプ28の吐出流量を増加させる。更に、TMECU21は、運転者によりアクセルペダル91が踏み込まれた際に前進第4速段での速やかな発進を可能にするために、前進第4速段の形成時に係合されるクラッチC1が係合直前の状態となるようにリニアソレノイドバルブSL1を制御する。これにより、クラッチC1のリニアソレノイドバルブSL1の制御開始(電動オイルポンプ28からの作動油の供給開始)から予め定められた油圧供給時間が経過するまでに、クラッチC1の係合油室C1eに作動油が急速充填される。リニアソレノイドバルブSL1の制御開始から油圧供給時間が経過すると(図7における時刻tk)、TMECU21は、信号圧出力バルブSRへの通電を解除して信号圧Psrの出力を停止させ、リニアソレノイドバルブSL1を全開にすると共に、図7に示すように、電動オイルポンプ28の吐出流量を切替バルブ80が第1状態を形成する際の値に戻す。
更に、車両10の車速が第2の惰行速度(<第1の惰行速度)まで低下すると(図7における時刻tl)、TMECU21は、切替バルブ80が第2状態を形成するように信号圧出力バルブSRに通電して信号圧Psrを出力させると共に、切替バルブ80が第1状態を形成する際に比べて電動オイルポンプ28の吐出流量を増加させる。また、TMECU21は、運転者によりアクセルペダル91が踏み込まれた際に前進第1速段での速やかな発進を可能にするために、前進第1速段の形成時に係合されるブレーキB2が係合直前の状態となるように当該ブレーキB2に対応したリニアソレノイドバルブを制御する。これにより、ブレーキB2のリニアソレノイドバルブの制御開始(電動オイルポンプ28からの作動油の供給開始)から予め定められた油圧供給時間が経過するまでに、ブレーキB2の係合油室に作動油が急速充填される。ブレーキB2のリニアソレノイドバルブの制御開始から当該油圧供給時間が経過すると(図7における時刻tm)、TMECU21は、信号圧出力バルブSRへの通電を解除して信号圧Psrの出力を停止させ、ブレーキB2のリニアソレノイドバルブを全開にすると共に、図7に示すように、電動オイルポンプ28の吐出流量を切替バルブ80が第1状態を形成する際の値に戻す。
そして、運転者によりアクセルペダル91が踏み込まれることによりエンジン12の再始動要求がなされると(図7における時刻tn)、TMECU21は、切替バルブ80が第2状態を形成するように信号圧出力バルブSRに通電して信号圧Psrを出力させると共に、図7に示すように、切替バルブ80が第1状態を形成する際に比べて電動オイルポンプ28の吐出流量を増加させる。更に、TMECU21は、運転者によりアクセルペダル91が踏み込まれた際に前進第1速段での速やかな発進を可能にするために、前進第1速段の形成時に係合されるクラッチC1が係合直前の状態となるようにリニアソレノイドバルブSL1を制御する。これにより、クラッチC1のリニアソレノイドバルブSL1の制御開始(電動オイルポンプ28からの作動油の供給開始)から予め定められた油圧供給時間が経過するまでに、電動オイルポンプ28からの作動油が低圧油供給部すなわち遠心油圧キャンセル室C1cに供給されず、クラッチC1の係合油室C1eに作動油が急速充填される。これにより、電動オイルポンプ28からの作動油を低圧油供給部に供給することなく、エンジン12の再始動に応じて係合されるクラッチC1に供給して当該クラッチC1を係合させることができる。
リニアソレノイドバルブSL1の制御開始から油圧供給時間が経過すると(図7における時刻to)、TMECU21は、信号圧出力バルブSRへの通電を解除して信号圧Psrの出力を停止させ、リニアソレノイドバルブSL1を全開にすると共に、図7に示すように、電動オイルポンプ28の吐出流量を切替バルブ80が第1状態を形成する際の値に戻す。そして、エンジン12が再始動されて当該エンジン12の回転数が機械式オイルポンプ24から充分な量の作動油が吐出される所定回転数まで上昇すると(図7における時刻tp)、TMECU21は、電動オイルポンプ28の作動を停止させる。
上述のように、油圧制御装置70Bによれば、惰性走行の実行によるエンジン12の運転停止に伴って機械式オイルポンプ24から作動油が供給されなくなる際に、切替バルブ0を第1状態に切り替えることで、電動オイルポンプ28からの作動油を当該切替バルブ80を介して遠心油圧キャンセル室C1c等の低圧油供給部に供給することが可能となる。また、切替バルブ80を第2状態に切り替えることで、電動オイルポンプ28からの作動油を低圧油供給部に供給することなく、エンジン12の再始動時に係合されるクラッチC1等に供給することができる。そして、運転者によりアクセルペダル91が踏み込まれることで車両10に対する発進要求や加速要求がなされた際に、機械式オイルポンプ24による油圧が高まるまで、電動オイルポンプ28からの作動油をリニアソレノイドバルブSL1から係合油室C1eに供給すると共に切替バルブ80を介して遠心油圧キャンセル室C1cに供給することで、発進要求に応じて急係合を抑制しつつ速やかにクラッチC1を係合させることが可能となる。
また、惰性走行の実行によるエンジン12の運転停止中、油圧制御装置70Bでは、当該エンジン12の再始動時に係合されるクラッチC1やブレーキB1等への電動オイルポンプ28からの作動油の供給開始から油圧供給時間が経過してクラッチC1等が係合直前の状態になるまで、切替バルブ80が第2状態を形成する。更に、惰性走行の実行によるエンジン12の運転停止中に切替バルブ80が第2状態を形成する際には、当該切替バルブ80が第1状態を形成する場合に比べて電動オイルポンプ28の吐出流量が増加させられる。これにより、惰性走行の実行によるエンジン12の運転停止中に、再始動時に係合されるクラッチC1等に多くの油を速やかに供給しておいて、エンジン12の再始動に応じて当該クラッチC1等を速やかに係合させると共に、電動オイルポンプ28から低圧油供給部に作動油が供給されなくなる時間をより短縮化することが可能となる。なお、TMECU21により図7の時刻tnから時刻tpまでに実行される処理は、アイドルストップ制御によりエンジン12の運転が停止された後に当該エンジン12の再始動要求がなされた際に実行されてもよい。
図8は、上述の切替バルブ80に代えて油圧制御装置70Bに適用可能な他の切替バルブ80Bを示す概略構成図である。
図8に示す切替バルブ80Bは、第1バルブ81および第2バルブ82により構成される。第1バルブ81は、2つのランド810x,810yを有すると共にバルブボディ700B内に軸方向に移動自在に配置される第1スプール810と、第1スプール810を付勢する第1スプリング812と、第1入力ポート81aと、第1出力ポート81cと、信号圧入力ポート81eと、第1および第2ドレンポート81f,81gとを含む。第1入力ポート81aは、第1スプール810の2つのランド810x,810y間の空間に連通すると共に、バルブボディ700Bに形成された油路L6を介してオイルクーラ75の作動油出口に連通する。第1出力ポート81cは、上記第1出力ポート80cと同様の略三角形状の断面形状を有し、バルブボディ700Bに形成された油路L7に連通する。信号圧入力ポート81eは、バルブボディ700Bに形成された油路L9を介して信号圧出力バルブSRの出力ポートに連通する。第1ドレンポート81fは、上記第1ドレンポート80fと同様の略三角形状の断面形状を有し、第1スプール810の2つのランド810x,810y間の空間に連通可能である。第2ドレンポート81gは、第1スプリング812が配置されるスプリング室に連通する。なお、第1入力ポート81aに接続される油路L6と、第1出力ポート81cに接続される油路L7とを、中途にオリフィスが設置される油路L10を介して互いに連通させてもよい。
第2バルブ82は、2つのランド820x,820yを有すると共にバルブボディ700B内に軸方向に移動自在に配置される第2スプール820と、第2スプール820を付勢する第2スプリング822と、第2入力ポート82bと、第2出力ポート82dと、信号圧入力ポート82eとを含む。第2入力ポート82bは、バルブボディ700Bに形成された油路L3に接続され、当該第2入力ポート82bには、電動オイルポンプ28の作動時に油路L3を介して当該電動オイルポンプ28からの作動油が供給される。図8に示すように、油路L3には、リリーフ弁88が接続されている。リリーフ弁88は、機械式オイルポンプ24からの油圧が所定値以下であって第1逆止弁77が閉鎖している際(機械式オイルポンプ24の停止時)に、当該リリーフ弁88の出力圧がクラッチC1やブレーキB1,B2を係合させる際に要求されるライン圧PLを超えないように、流入した作動油の一部をリリーフ弁88への入力圧に応じてドレンするものである。これにより、電動オイルポンプ28の吐出圧が必要以上に高まった際に、クラッチC1等の急係合や低圧油供給部への油の過供給、当該電動オイルポンプ28の脱調の発生等を抑制することが可能となる。そして、第2出力ポート82dは、バルブボディ700Bに形成された油路L8に接続され、信号圧入力ポート82eは、バルブボディ700Bに形成された油路L9を介して信号圧出力バルブSRの出力ポートに連通する。
第1バルブ81の取付状態は、信号圧入力ポート81eに信号圧出力バルブSRからの信号圧Psr(モジュレータ圧Pmod)が供給されずに第1スプール810が第1スプリング812によって図8中上方に付勢される第2状態(図中左側半分の状態)である。また、第2バルブ82の取付状態は、信号圧入力ポート82eに信号圧出力バルブSRからの信号圧Psr(モジュレータ圧Pmod)が供給されずに第2スプール820が第2スプリング822によって図8中上方に付勢される第2状態(図中左側半分の状態)である。第1バルブ81の取付状態(第2状態)では、第1スプール810の2つのランド810x,810y間の空間を介して第1入力ポート81aと第1ドレンポート81fとが連通すると共に、第1出力ポート81cの図中上端が第1スプール810の2つのランド810x,810y間の空間に僅かに連通する。また、第2バルブ82の取付状態(第2状態)では、第2スプール820のランド820yにより第2入力ポート82bと第2出力ポート82dとの連通が規制(遮断)される。
一方、第1バルブ81の信号圧入力ポート81eに信号圧出力バルブSRからの信号圧Psr(モジュレータ圧Pmod)が供給されると、第1スプール810が第1スプリング812の付勢力に抗して図8中下方に移動し、第1バルブ81は、第1状態(図中右側半分の状態)を形成する。第1バルブ81が第2状態を形成する際には、第1スプール810のランド810xにより第1入力ポート81aと第1ドレンポート81fとの連通が遮断されると共に、第1入力ポート81aが第1スプール810の2つのランド810x,810y間の空間を介して第1出力ポート81cの全体に連通する。これにより、第1バルブ81が第2状態を形成する際には、油路L6に供給されたオイルクーラ75からの作動油は、第1出力ポート81cを介して油路L7に流入可能となる。
また、第2バルブ82の信号圧入力ポート82eに信号圧出力バルブSRからの信号圧Psr(モジュレータ圧Pmod)が供給されると、第2スプール820が第2スプリング822の付勢力に抗して図8中下方に移動し、第2バルブ82は、第1状態(図中右側半分の状態)を形成する。第2バルブ82が第2状態を形成する際には、第2入力ポート82bが第2スプール820の2つのランド820x,820y間の空間を介して第2出力ポート82dに連通する。これにより、第2バルブ82が第1状態を形成する際には、油路L3に供給された電動オイルポンプ28からの作動油は、第2出力ポート82dを介して油路L8に流入可能となる。
上述のような切替バルブ80Bを油圧制御装置70Bに適用した場合には、エンジン12の運転停止に伴って機械式オイルポンプ24から作動油が供給されなくなる際に、第1および第2バルブ81,82の信号圧入力ポート81e,82eに信号圧出力バルブSRからの信号圧Psrを供給して第1および第2バルブ81,82を第1状態に切り替えることで、電動オイルポンプ28からの作動油を油路L3や第2バルブ82等を介して低圧油供給部に供給することが可能となる。また、エンジン12の運転停止中に信号圧出力バルブSRからの信号圧Psrの出力を停止させて第1および第2バルブ81,82を第2状態に切り替えることで、電動オイルポンプ28からの作動油を低圧油供給部に供給することなく、油路L2から油路L40を介してエンジン12の再始動時に係合されるクラッチC1等に供給することができる。
以上説明したように、本開示の油圧制御装置は、車両(10)のエンジン(12)からの動力により駆動される機械式ポンプ(24)と、電力により駆動される電動ポンプ(28)と、前記機械式ポンプ(24)に接続される第1油路(L1)と、前記電動ポンプ(28)に接続されると共に前記第1油路(L1)と合流する第2油路(L2)とを含み、前記第1および第2油路(L1,L2)の合流部(J12)に供給された油を調圧して変速機(25)の複数の係合要素の少なくとも何れか1つ(C1,B1,B2)に供給する油圧制御装置(70B)であって、前記第2油路(L2)に接続されており、前記変速機(25)の低圧油供給部(C1c)に対する前記電動ポンプ(28)からの油の供給を許容する第1状態と、前記低圧油供給部(C1c)に対する前記電動ポンプ(28)からの油の供給を規制する第2状態とを形成する切替バルブ(80,80B)と、前記車両(10)の走行中に前記エンジン(12)の運転停止に応じて前記電動ポンプ(28)を作動させると共に前記第1状態を形成するように前記切替バルブ(80,80B)を制御し、前記エンジン(12)の再始動要求に応じて前記第2状態を形成するように前記切替バルブ(80)を制御して、解放されている前記係合要素(C1)に前記電動ポンプ(28)からの油を供給する制御ユニット(21)とを含むものである。
本開示の油圧制御装置の切替バルブは、変速機の低圧油供給部に対する電動ポンプからの油の供給を許容する第1状態と、低圧油供給部に対する電動ポンプからの油の供給を規制する第2状態とを形成可能なものである。また、制御ユニットは、車両の減速に伴うエンジンの運転停止に応じて電動ポンプを作動させると共に第1状態を形成するように切替バルブを制御する。これにより、エンジンの運転停止に伴って機械式ポンプから油が供給されなくなる際に、電動ポンプからの油を当該切替バルブを介して低圧油供給部に供給することが可能となる。更に、制御ユニットは、エンジンの再始動要求に応じて第2状態を形成するように切替バルブを制御する。これにより、電動ポンプからの油を低圧油供給部に供給することなく、エンジンの再始動に応じて係合される係合要素に供給することができる。この結果、電動ポンプの小型化やコストダウンを図りつつ、エンジンの運転停止に伴って機械式ポンプから油が供給されなくなる際に、変速機の係合要素および低圧油供給部の双方に対する油の供給量を良好に確保することが可能となる。
また、前記制御ユニット(21)は、前記エンジン(12)の再始動時に応じて係合される前記係合要素(C1)への前記電動ポンプ(28)からの油の供給開始から前記係合要素(C1)が係合直前の状態になるまで、前記第2状態を形成するように前記切替バルブ(80,80B)を制御するものであってもよい。これにより、エンジンの再始動に応じて係合要素を速やかに係合させることが可能となる。
更に、前記制御ユニット(21)は、前記切替バルブ(80,80B)を前記第2状態にする際に、前記エンジン(12)の運転停止中に前記切替バルブ(80,80B)を前記第1状態にする際に比べて、前記電動ポンプ(28)の吐出流量を増加させるものであってもよい。これにより、係合要素に多くの油を速やかに供給すると共に、低圧油供給部に油が供給されなくなる時間をより短縮化することが可能となる。
また、前記変速機(25)の変速段は、少なくとも2つの前記係合要素(C1−C4,B1,B2)の係合により形成されてもよく、前記車両(10)の走行中に前記エンジン(12)の運転が停止される際には、車速に応じた変速段に対応した前記係合要素(C1−C4,B1,B2)の少なくとも1つが解放されると共に残余の係合要素(C1−C4,B1,B2)が係合されてニュートラル状態が形成されてもよく、前記制御ユニット(21)は、前記エンジン(12)の運転停止中に、係合させるべき前記残余の係合要素(C1,B1,B2)が変更になると、前記第2状態を形成するように前記切替バルブ(80,80B)を制御するものであってもよい。
本開示の油圧制御装置の制御方法は、車両(10)のエンジン(12)からの動力により駆動される機械式ポンプ(24)と、電力により駆動される電動ポンプ(28)と、前記機械式ポンプ(24)に接続される第1油路(L1)と、前記電動ポンプ(28)に接続されると共に前記第1油路(L1)と合流する第2油路(L2)とを含み、前記第1および第2油路(L1,L2)の合流部(J12)に供給された油を調圧して変速機(25)の複数の係合要素の少なくとも何れか1つ(C1,B1,B2)に供給する油圧制御装置(70B)の制御方法であって、前記車両(10)の走行中に前記エンジン(12)の運転停止に応じて前記電動ポンプ(28)を作動させると共に前記変速機(25)の低圧油供給部(C1c)に対する前記電動ポンプ(28)からの油の供給を許容し、前記エンジン(12)の再始動要求に応じて、解放されている前記係合要素(C1)に前記電動ポンプ(28)からの油を供給する際に、前記低圧油供給部(C1c)に対する前記電動ポンプ(28)からの油の供給を規制するものである。
本開示の方法によれば、電動ポンプの小型化やコストダウンを図りつつ、エンジンの運転停止に伴って機械式ポンプから油が供給されなくなる際に、変速機の係合要素および低圧油供給部の双方に対する油の供給量を良好に確保することが可能となる。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、油圧制御装置の製造産業等において利用可能である。
10 車両、12 エンジン、14 エンジン制御電子制御装置(EGECU)、16 エンジン制御電子制御装置(ブレーキECU)、20 動力伝達装置、21 変速制御電子制御装置(TMECU)、22 トランスミッションケース、221 ハウジング、222 トランスアクスルケース、223 フロントサポート、224 センターサポート、23 発進装置、23c ロックアップクラッチ、23d ダンパ装置、23o ワンウェイクラッチ、23p ポンプインペラ、23s ステータ、23t タービンランナ、230 流体室、24 機械式オイルポンプ、240 伝動機構、241 外歯ギヤ、242 内歯ギヤ、25 自動変速機、26 入力軸、28 電動オイルポンプ、30 第1遊星歯車機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、33a,33b ピニオンギヤ、34 プラネタリキャリヤ、35 第2遊星歯車機構、36a 第1サンギヤ、36b 第2サンギヤ、37 リングギヤ、38a ショートピニオンギヤ、38b ロングピニオンギヤ、39 プラネタリキャリヤ、40 ギヤ機構、41 カウンタドライブギヤ、42 カウンタシャフト、43 カウンタドリブンギヤ、44 ドライブピニオンギヤ、45 デフリングギヤ、50 デファレンシャルギヤ、51 ドライブシャフト、60 ストレーナ、70,70B 油圧制御装置、700,700B バルブボディ、71 プライマリレギュレータバルブ、72 セカンダリレギュレータバルブ、74 モジュレータバルブ、75 オイルクーラ、77 第1逆止弁、78 第2逆止弁、79,86 逆止弁、80,80B 切替バルブ、81 第1バルブ、82 第2バルブ、80a,81a 第1入力ポート、80b,82b 第2入力ポート、80c,81c 第1出力ポート、80d,82d 第2出力ポート、80e 信号圧入力ポート、80f,81f 第1ドレンポート、80g,81g 第2ドレンポート、800 スプール、800x,800y,810x,810y,820x,820y ランド、800z ボール押圧部、801 区画部材、801a ボール室、802 スプリング、805 ボール、810 第1スプール、820 第2スプール、812 第1スプリング、822 第2スプリング、85 第2切替バルブ、88 リリーフ弁、91 アクセルペダル、92 アクセルペダルポジションセンサ、93 ブレーキペダル、94 マスタシリンダ圧センサ、95 シフトレバー、96 シフトポジションセンサ、99 車速センサ、B1,B2 ブレーキ、C1,C2,C3,C4 クラッチ、C1c 遠心油圧キャンセル室、C1e 係合油室、L1,L2,L3,L4,L40,L5,L51,L52,L6,L61.L62,L7,L8,L9,L10 油路、SL オンオフソレノイドバルブ,SR 信号圧出力バルブ、SL1,SLT リニアソレノイドバルブ。

Claims (5)

  1. 車両のエンジンからの動力により駆動される機械式ポンプと、電力により駆動される電動ポンプと、前記機械式ポンプに接続される第1油路と、前記電動ポンプに接続されると共に前記第1油路と合流する第2油路とを含み、前記第1および第2油路の合流部に供給された油を調圧して変速機の複数の係合要素の少なくとも何れか1つに供給する油圧制御装置であって、
    前記第2油路に接続されており、前記変速機の低圧油供給部に対する前記電動ポンプからの油の供給を許容する第1状態と、前記低圧油供給部に対する前記電動ポンプからの油の供給を規制する第2状態とを形成する切替バルブと、
    前記車両の走行中に前記エンジンの運転停止に応じて前記電動ポンプを作動させると共に前記第1状態を形成するように前記切替バルブを制御し、前記エンジンの再始動要求に応じて前記第2状態を形成するように前記切替バルブを制御して、解放されている前記係合要素に前記電動ポンプからの油を供給する制御ユニットと、
    を備える油圧制御装置。
  2. 請求項1に記載の油圧制御装置において、
    前記制御ユニットは、前記エンジンの再始動に応じて係合される前記係合要素への前記電動ポンプからの油の供給開始から前記係合要素が係合直前の状態になるまで、前記第2状態を形成するように前記切替バルブを制御する油圧制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の油圧制御装置において、
    前記制御ユニットは、前記切替バルブを前記第2状態にする際に、前記エンジンの運転停止中に前記切替バルブを前記第1状態にする際に比べて、前記電動ポンプの吐出流量を増加させる油圧制御装置。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の油圧制御装置において、
    前記変速機の変速段は、少なくとも2つの前記係合要素の係合により形成され、
    前記車両の走行中に前記エンジンの運転が停止される際には、車速に応じた変速段に対応した前記係合要素の少なくとも1つが解放されると共に残余の係合要素が係合されてニュートラル状態が形成され、
    前記制御ユニットは、前記エンジンの運転停止中に、係合させるべき前記残余の係合要素が変更になると、前記第2状態を形成するように前記切替バルブを制御する油圧制御装置。
  5. 車両のエンジンからの動力により駆動される機械式ポンプと、電力により駆動される電動ポンプと、前記機械式ポンプに接続される第1油路と、前記電動ポンプに接続されると共に前記第1油路と合流する第2油路とを含み、前記第1および第2油路の合流部に供給された油を調圧して変速機の複数の係合要素の少なくとも何れか1つに供給する油圧制御装置の制御方法であって、
    前記車両の走行中に前記エンジンの運転停止に応じて前記電動ポンプを作動させると共に前記変速機の低圧油供給部に対する前記電動ポンプからの油の供給を許容し、前記エンジンの再始動要求に応じて、解放されている前記係合要素に前記電動ポンプからの油を供給する際に、前記低圧油供給部に対する前記電動ポンプからの油の供給を規制する油圧制御装置の制御方法。
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