JP2016169363A - フォトクロミック組成物、及び該組成物からなる積層体、及び該積層体を用いた物品 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、フォトクロミックサングラスは、その使用状況によって“耐汗性”が求められる(人間の汗が接触しても、その状態変化のないサングラスが求められる)場合があるが、従来の積層シートを使用したサングラスにおいては、ポリカーボネートシート等の剥離が見られ、十分にその要求に応えられるものがなかった。
また、本発明の第二の目的は、樹脂製シート又はフィルムがフォトクロミック性を有する接着層により接合された積層構造を含んでなる光学物品であって、該積層構造における優れた接着性、並びに優れた耐熱性および優れたフォトクロミック特性を有する積層体を提供することである。
また、本発明の別の発明は、互いに対向する2枚の樹脂製シート又はフィルムが請求項1に記載のフォトクロミック組成物からなる接着層を介して接合された積層構造を含む積層体、及び該積層体を用いた遮光窓材、ディスプレイ材料、農業用フィルム、玩具、衣服、及び傘である。
本発明のフォトクロミック組成物において、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.6〜2.4の範囲であるポリウレタンウレア樹脂(以下、単に「ポリウレタンウレア樹脂」とも言う)を用いることが特徴である。上記ポリウレタンウレア樹脂は、分子鎖中にウレア結合(−R−NH−CO−NH−)を有するポリウレタン樹脂である。このように狭い範囲の多分散度を有することによって、本発明のポリウレタンウレア樹脂は、良好な接着力、耐熱性、及び耐汗性を有する。なお、多分散度が低いほど、すなわち多分散度が1.0に近いほど、本発明の効果が発現する傾向にあるが、多分散度が1.6未満であるポリウレタンウレア樹脂は、工業的製造方法においては実質困難だと考えられ、多分散度が2.4を超える場合には、低分子量のポリウレタンウレア樹脂の影響により、軟化開始温度が低温となるため、多分散度が狭い樹脂と比較して、耐熱性に劣り、高温下での密着性が低下する。また、高分子量ポリウレタンウレア樹脂の影響により、多分散度が狭い樹脂と比較して、有機溶剤に溶解した際の粘度が著しく上昇し、塗工が困難となる。良好な接着力、耐熱性、及び塗工性の観点から、本発明のポリウレタンウレア樹脂の多分散度は、1.8〜2.2の範囲であることがより好ましい。
(A)分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、
(B)分子内に2つ以上のアミノ基を有するポリアミン化合物と、
を反応して得られるものであることが好ましく、さらに、
(C)分子内にイソシアネート基と反応しうる基を1つ有する化合物と、
を反応して得られるものであることが好ましい。このようなポリウレタンウレア樹脂においては、原料である(B)成分としてポリアミン化合物を使用することに起因して、分子内にウレア結合が導入される。以下、これらの成分について説明する。
上記ポリウレタンウレア樹脂の構成成分である分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A成分)としては、公知のウレタンプレポリマーを用いることが可能である。中でも、
(A1)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリカプロラクトンポリオールなどの少なくとも2つ以上の水酸基を有するポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオール化合物と、
(A2)分子内に2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物と、
を反応して得られるものであることが好ましい。
上記ポリオール化合物(A1成分)としては、生成するポリウレタンウレア樹脂(I成分)が高架橋体になり過ぎないという理由から分子中に含まれる水酸基数が2〜6であることが好ましく、有機溶剤への溶解性を考慮すれば、分子中に含まれる水酸基数は2〜3であることがより好ましい。また、前述のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリカプロラクトンポリオールなどのポリオール化合物は、単独で使用しても良く、2種類以上を併用しても構わないが、耐熱性、接着性、耐候性、耐加水分解性などの観点から、特にポリカーボネートポリオール、及びポリカプロラクトンポリオールを使用することが好ましい。以下、A1成分として使用される各種化合物について詳しく説明する。
A1成分として使用されるポリカーボネートポリオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−4−ブチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA のエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類の1種類以上のホスゲン化より得られるポリカーボネートポリオール、或いはエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、及びジフェニルカーボネート等によるエステル交換法により得られるポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。この低分子ポリオール類なかでも、最終的に得られるポリウレタンウレア樹脂(I成分)の接着性、及び耐熱性の観点から、直鎖のアルキル鎖を有する低分子ポリオール類がより好ましく、側鎖にアルキル基を有する低分子ポリオールから合成されたポリカーボネートポリオールは、接着性が低下する傾向が見られる。
A1成分として使用されるポリカプロラクトンポリオールとしては、ε−カプロラクトンの開環重合により得られる化合物が使用できる。A1成分としてのポリカプロラクトンポリオールにおいては、ポリカーボネートポリオールにおける場合と同様な理由から、数平均分子量は好ましくは400〜2000、より好ましくは500〜1500、最も好ましくは600〜1200である。
ポリエーテルポリオールとしては、分子中に活性水素含有基を2個以上有する化合物とアルキレンオキサイドとの反応により得られるポリエーテルポリオール化合物及び該ポリエーテルポリオール化合物の変性体である、ポリマーポリオール、ウレタン変性ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルコポリマーポリオール等を挙げることが出来る。
ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多塩基酸との縮合反応により得られるポリエステルポリオールなどを挙げることができる。ここで、前記多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、3,3−ビス(ヒドロキシメチル)ヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙げられ、これらは単独で使用しても、2種類以上を混合して使用しても構わない。また、前記多塩基酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、これらは単独で使用しても、2種類以上を混合して使用しても構わない。
ポリエステルポリオールにおいては、ポリカーボネートポリオールにおける場合と同様な理由から、数平均分子量は好ましくは400〜2000、より好ましくは500〜1500、最も好ましくは600〜1200である。
上記ジイソシアネート化合物(A2成分)としては、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物、及びこれらの混合物が使用される。これらの中でも、耐候性の観点から脂肪族ジイソシアネート化合物及び/又は脂環式ジイソシアネート化合物を使用することが好ましい。また、同様の理由からA2成分の30〜100質量%、特に50〜100質量%が脂肪族ジイソシアネート化合物であることが好ましい。
前記分子内に2つ以上のアミノ基を有するポリアミン化合物(B成分)は、分子内に2つ以上のアミノ基(−NH2、または−NH(R)。但し、Rはアルキル基、特に炭素数1〜5のアルキル基を意味する。)を有するポリアミン化合物である。
該B成分は、ポリウレタンウレア樹脂(I成分)を合成する際の鎖延長剤として機能するものであり、鎖延長剤として、B成分を用いることによりポリウレタン樹脂中にウレア結合が導入され、ポリウレタンウレア樹脂となる。
上記のポリウレタンウレア樹脂を合成する際に、分子内に1つのイソシアネート基と反応しうる基を有する化合物(C成分)を併用することも可能である。このC成分を使用することにより、分子鎖の末端がキャッピングされたポリウレタンウレア樹脂となる。前述のイソシアネート基と反応しうる基とは、アミノ基(−NH2基、及び−NH(R)基)、水酸基(−OH基)、メルカプト基(−SH基:チオール基)、カルボキシル基〔−C(=O)OH基〕、又は酸クロライド基〔−C(=O)OCl基〕が挙げられる。上記のC成分の中でも、分子内に少なくとも1つのピペリジン構造を有する機能性付与化合物であることが好ましい。この機能性付与化合物は、ピペリジン構造の代わりにヒンダードフェノール構造、トリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を有するものであってもよい。ただし、最も優れた効果を発揮するのは、ピペリジン構造を有する機能性付与化合物である。
以下、C成分として使用される各種化合物について、代表例としてピペリジン構造を有する化合物などを詳しく説明する。
ポリウレタンウレア樹脂におけるC成分として使用されるピペリジン構造を有する化合物としては、下記一般式(i)で示される構造を分子内に有する化合物が好適に使用できる。
R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ、炭素数1〜4のアルキル基であり、特に、メチル基であることが好ましい。)。そして、上記ピペリジン環の窒素原子、または、4位の炭素原子にイソシアネート基と反応しうる基を有する化合物が、ピペリジン構造を有する化合物に該当する。
以下、より具体的な化合物について説明する。
R1、R2、R3、及びR4は、前記一般式(i)におけるものと同義であり、
R5は、炭素数1〜10アルキル基、または水素原子であり、
R6は炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数3〜20のポリメチレン基であり、aは0または1であり、
Xは、イソシアネート基と反応しうる基である。)。
R5は、炭素数1〜10アルキル基、または水素原子である。中でも、入手の容易さの観点から、炭素数1〜4アルキル基、または水素原子であることが好ましい。なお、R1〜R4が炭素数1〜4のアルキル基であるため、R5が水素原子であっても、立体障害の影響でR5が結合している窒素原子とイソシアネート基が反応することはない。
R6は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数3〜20のポリメチレン基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数3〜10のポリメチレン基である。なお、aは、R6の数を示すが、aが0の場合は、Xが直接ピペリジン環に結合しているものを指す。
上記式(1)で示される化合物を具体的に例示すれば、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノブチルピペリジンなどを挙げることができる。
上記C成分としては、前述したピペリジン構造を有する耐候性の向上を目的とした化合物以外にも、一般的なアミン、アルコール、チオール、及びカルボン酸を用いることができる。これらの化合物は、分子内にイソシアネート基と反応しうる基を1つ有することにより、I成分であるポリウレタンウレア樹脂の末端を、不活性化することができる。
本発明で使用されるその他のC成分の中でも、好ましい化合物としては、下記一般式(2)、及び(3)を挙げることができる。
R7は、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオキシカルボニル基または水素原子であり、
R8は、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはエステル基である。)
R7が水素原子である化合物をC成分として用いた場合には、I成分であるポリウレタンウレア樹脂の末端は、−NH(R8)基となるが、この−NH(R8)基は、他のポリマー、およびイソシアネート化合物とは実質的に反応しない。そのため、−NH(R8)基は、イソシアネート基と反応しうる基には該当しない。
好適なR7を例示すれば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、フェニル基、ベンジル基、1,1−ジメチルベンジル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、又は水素原子等が挙げられる。
好適なR8を例示すれば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、フェニル基、ベンジル基、1,1−ジメチルベンジル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、又はカルボキシプロピル基等が挙げられる。
R9は、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルキルオキシカルボニル基であり、
Zは、水酸基、カルボキシル基、またはチオール基である。)
で示される化合物も好適に使用できる。
上記本発明のフォトクロミック組成物におけるポリウレタンウレア樹脂(I成分)を構成する上記各成分、即ちA1成分、A2成分、B成分、およびC成分の量比は、ポリウレタンウレア樹脂を使用する用途等を勘案して適宜決定すればよいが、得られるポリウレタンウレア樹脂の耐熱性、接着力などのバランスの観点から、次のような量比とすることが好ましい。すなわち、A1成分に含まれる水酸基の総モル数をn1とし、A2成分に含まれるイソシアネート基の総モル数をn2とし、B成分に含まれるアミノ基の総モル数をn3とし、C成分に含まれるイソシアネート基と反応しうる基(具体的にはアミノ基、水酸基、メルカプト基及び/又はカルボキシル基等)の総モル数をn4としたときに、n1:n2:n3:n4=0.4〜0.8/1.0/0.19〜0.59/0.01〜0.2となる量比、特にn1:n2:n3:n4=0.45〜0.75/1.0/0.23〜0.53/0.02〜0.15となる量比とすることが好ましく、n1:n2:n3:n4=0.65〜0.75/1.0/0.23〜0.33/0.02〜0.1となる量比とすることが最も好ましい。ここで、上記n1〜n4は、各成分として用いる化合物の使用モル数と該化合物1分子中に存在する各基の数の積として求めることができる。
<ウレタンプレポリマー(A)の製造方法>
本発明のフォトクロミック組成物に用いるポリウレタンウレア樹脂は、一般にウレタンプレポリマーとジアミン等のポリアミンとの反応によって製造することができるが、ウレタンプレポリマー(A成分)は、上記ポリオール化合物(A1成分)と、上記ジイソシアネート化合物(A2成分)とを反応(以下、「プレポリマー反応」ともいう)させることによって製造することができる。
ポリウレタンウレア樹脂は、一般にウレタンプレポリマーとジアミン等のポリアミンとの反応によって製造することができるが、ウレタンプレポリマー(A成分)と、ポリアミン化合物(B成分)とを反応させる際に、A成分とB成分との完全混合時間(θM)が30秒以下、好ましくは15秒以下にすることにより、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6〜2.4の範囲であるポリウレタンウレア樹脂を得ることができる。
本発明のフォトクロミック組成物でII成分として用いるフォトクロミック化合物をとしては、クロメン化合物、フルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、スピロピラン化合物などの公知のフォトクロミック化合物を何ら制限なく使用することが出来る。これらは、単独使用でもよく、2種類以上を併用しても良い。
本発明のフォトクロミック組成物において、前記ポリウレタンウレア樹脂(I成分)と、分子内に少なくとも2つのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(III成分)とを反応させて得られる生成物を含むことにより、後述する光学物品の接着(密着)強度をより向上させることができるため好ましい。III成分の分子内に、2つ以上のイソシアネート基を有することにより、フォトクロミック性接着層を形成する際に、I成分と反応し、橋架け構造を有するポリウレタンウレア樹脂を生成することができる。この橋架け構造がI成分中に形成されたことによって、ポリウレタンウレア樹脂の耐熱性が向上するとともに、凝集破壊が起こりにくくなったため、接着性向上の効果が高くなると考えられる。ただし、操作性、得られるフォトクロミック組成物の粘度、保存安定性等を考慮すると、イソシアネート基の数は2〜3であることが好ましい。その中でも、2級炭素に結合したイソシアネート基を有する化合物を使用することが好ましい。これらは、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
〔測定条件〕 昇温速度:10℃/分、測定温度範囲:30〜200℃、プローブ:先端径0.5mmの針入プローブ。
さらに、本発明で使用するフォトクロミック組成物には、フォトクロミック化合物の耐久性の向上、発色速度の向上、退色速度の向上や製膜性のために、I成分を溶解できる溶媒、界面活性剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料、可塑剤等の添加剤を添加しても良い。添加するこれら添加剤としては、公知の化合物が何ら制限なく使用される。
本発明のフォトクロミック組成物は、上記I成分、II成分、及びその他の成分を混合することにより製造することができる。各成分を混合する順序は、特に制限されるものではない。
すなわち、
(I)ポリウレタンウレア樹脂、(II)フォトクロミック化合物、必要に応じて、(III)ポリイソシアネート化合物、および、有機溶媒を所定の配合量で混合した後、乾燥して有機溶媒を除去すると共に、前記(I)ポリウレタンウレア樹脂と前記(III)ポリイソシアネート化合物とを反応させることにより、フォトクロミック組成物を製造する方法である。この方法では、I成分、II成分、III成分、及び有機溶媒を含む組成物から有機溶媒を除去する工程を経ることで本発明のフォトクロミック組成物を得ることができるため、以下、I成分、II成分、III成分、及び有機溶媒を含む組成物を前駆体組成物とする場合もある。この前記前駆体組成物には、上記した「その他成分」を配合することも可能である。
上記の製造方法において有機溶媒を使用することにより、ポリウレタンウレア樹脂(I成分)、ポリイソシアネート化合物(III成分)、及びフォトクロミック化合物(II成分)、さらには、必要に応じて添加されるその他の成分が混合しやすくなり、前駆体組成物の均一性を向上させることができる。また、前駆体組成物の粘度を適度に調整することができ、樹脂製シート又はフィルムに前駆体組成物を塗布するときの操作性および塗布層厚の均一性を高くすることもできる。なお、樹脂製シート又はフィルムとして有機溶媒に侵され易い材質のものを使用した場合には、外観不良が生じたり、フォトクロミック特性が低下したりするという問題が発生することが懸念されるが、このような問題は、後述する方法を採用することにより回避することが出来る。また、前駆体組成物においては、後述するように、様々な種類の溶媒が使用できるので、溶媒として樹脂製シート又はフィルムを侵し難い溶媒を選択して使用することによっても上記問題の発生を防止することができる。
次に、水について説明する。
上記前駆体組成物には水を配合することもできる。特に、前駆体組成物にポリイソシアネート化合物であるIII成分を含む場合には、水を配合することにより、III成分に含まれるイソシアネート基を効率的に加水分解する(反応させる)ことができる。この水は、前駆体組成物に最初から配合することもできる。ただし、前駆体組成物の保存安定性を考慮すると、前駆体組成物の使用時、つまり、該組成物により塗膜を形成し、樹脂製シートを張り合わせる際に配合することが好ましい。また、この水は、下記に詳述するが、フォトクロミック性接着シートを形成する場合に、その雰囲気下に存在する湿気で代用することもできる。III成分に含まれるイソシアネート基の加水分解は、前駆体組成物を樹脂製シートにコートして塗膜を形成した後に、その環境下の水分(湿気)と接触することによっても進行する。
本発明の積層体は、互いに対向する2枚の樹脂製シート又はフィルムが本発明のフォトクロミック組成物からなる接着層を介して接合されてなる積層構造を含んでなる。このような積層体としては、上記積層構造のみからなる積層シート又はフィルム(以下、単に、本発明の積層体ともいう。);上記積層構造を形成する際に、フォトクロミック組成物からなる接着層の両側に別の接着層を介して2枚の樹脂製シート又はフィルムを接合してなる積層シート又はフィルム;これら積層シート又はフィルムに光学シート又はフィルムを更に積層したり、表面にハードコート層などのコート層を形成したりした複合積層シート又はフィルムなどを挙げることができる。
本発明のI’成分は、I成分と同様に多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6〜2.4の範囲であるポリウレタンウレア樹脂を用いることが好ましい。このように狭い範囲の多分散度を有することによって、I’成分を第2接着層に用いた場合に、第1接着層、及び樹脂製シート又はフィルムとの強固な密着性と、耐熱性、及び耐汗性を有することが可能になる。良好な接着力、耐熱性の観点から、I’成分に用いるポリウレタンウレア樹脂の多分散度は、1.8〜2.2の範囲であることがより好ましい。
I’成分は、以上のような配合割合でI成分の合成方法にならって製造できる。
第2接着層の膜厚は、2〜40μmの範囲であることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。膜厚が2μmより薄い場合には接着性が低下する傾向にあり、膜厚が40μmを越える場合には、有機溶剤が残存しやすくなる。また、フォトクロミック化合物の耐候性(耐久性)が低下する傾向にある。
次に、本発明の積層体を構成する材料或いは部材について説明する。
本発明において、樹脂製シート又はフィルムとしては、光透過性を有するシート又はフィルムが特に制限なく使用できるが、入手の容易性および加工のし易さなどの観点から樹脂製のものを使用することが好適である。樹脂製シート又はフィルムの原料として好適な樹脂を例示すれば、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。その中でも、接着性が良好で射出成形法に対する適用性が高いという理由からポリカーボネート樹脂が特に好ましい。また、偏光フィルム(ポリビニルアルコール偏光フィルムをトリアセチルセルロース樹脂フィルムではさんだもの)、偏光シート(ポリビニルアルコール偏光フィルムをポリカーボネートシートではさんだもの)、染色されたフィルム、染色されたシートも、本発明の樹脂製シート又はフィルムとして使用することが可能である。なお、染色した樹脂製シート又はフィルムを使用する場合には、元々、染色されたものを使用することもできるし、本発明の積層シートを作製した後、表面の樹脂製シート又はフィルムを染色してもよい。
本発明の積層体は、互いに対向する2枚の樹脂製シート又はフィルムを本発明のフォトクロミック組成物からなる接着層を介して接合させることにより製造される。なお、上記第1接着層の厚さは、フォトクロミック化合物の発色濃度、耐候性および接着強度などの観点から、5〜100μm、特に10〜50μmとすることが好ましい。また、第2接着層を使用する場合には、その膜厚は、前述の通り2〜40μmの範囲であることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。得られる光学物品の厚みとしては、光学物品の製造の容易さや、後述する加工の加工性の観点から、500〜3000μmが好ましい。
1)あらかじめ樹脂製シート又はフィルム上に第2接着層を積層させ、この第2接着層を有する2枚の樹脂製シート又はフィルムで、第1接着層を挟みこむ方法、
2)第1接着層の両面に第2接着層を塗布しておき、その両面に樹脂製シート又はフィルムを貼り付ける方法、
3)樹脂製シート又はフィルム上に、第1接着層、第2接着層、第1接着層、さらには樹脂製シート又はフィルムとなるように順次積層していく方法、
などが挙げられるが、製造効率などの観点から、1)の方法を採用することが最も好ましい。
本発明のフォトクロミック組成物は、得られた積層体は優れた接着性、特に高温における優れた接着性を示し、得られた積層体は、耐汗性も高い。すなわち、人工汗と接触させた後であっても、優れた接着性を示す。さらに、本発明の積層体は、太陽光照射時における高い発色濃度、及び太陽光未照射時における高い退色速度を有し、しかも発退色による繰り返し耐久性が高い。従って、本発明の積層体は前述のプラスチックサングラス以外にも、遮光窓材、ディスプレイ材料、農業用フィルム、玩具、衣服、傘等の物品にフォトクロ物性を発現させるための積層体として用いることができる。
A1成分;ポリオール化合物
PL1:旭化成ケミカルズ株式会社製デュラノール(1,5−ペンタンジオールとヘキサンジオールを原料とするポリカーボネートジオール、数平均分子量800)。
PL2:旭化成ケミカルズ株式会社製デュラノール(1,5−ペンタンジオールとヘキサンジオールを原料とするポリカーボネートジオール、数平均分子量1000)。
A2成分;ジイソシアネート化合物
NCO1:イソホロンジイソシアネート。
NCO2:4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物。
B成分;ポリアミン化合物
CE1:イソホロンジアミン。
C成分;分子内に1つのイソシアネート基と反応しうる基を有する化合物
HA1:1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジン。
HA2:ノルマルブチルアミン。
有機溶媒
D1:イソプロピルアルコール。
D2:プロピレングリコール−モノメチルエーテル。
D3:トルエン。
D4:ジエチルケトン。
D5:t−ブチルアルコール。
II成分;フォトクロミック化合物
PC1:下記式で示される化合物
CA1:4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物(分子量262)
その他の成分
L1:エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、Irganox245)。
L2:DOW CORNING TORAY L−7001(東レ・ダウコーニング株式会社製、界面活性剤)。
(ウレタンプレポリマーの製造)
翼径135mmのマックスブレンド翼、邪魔板を備える内径260mm、高さ280mm、仕込用量10Lの反応容器に、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を接続した。マックスブレンド翼は100rpmで撹拌した。
この反応容器に、数平均分子量800のポリカーボネートジオール1770g、イソホロンジイソシアネート700g、トルエン500gを仕込み、窒素雰囲気下、100℃で7時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを合成した。反応の終点は、イソシアネート基の逆滴定法により確認した。
ウレタンプレポリマー反応終了後、反応液を0℃付近まで冷却し、イソプロピルアルコール1430g、ジエチルケトン2670gに溶解させた後、液温を0℃に保持した。次いで、鎖延長剤であるビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン171gとジエチルケトン145gの混合溶液を30分以内に滴下し、0℃で1時間反応させた。その後さらに、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジン42gを滴下し、0℃で1時間反応させることにより、ポリウレタンウレア樹脂のジエチルケトン溶液を得た。得られたポリウレタンウレア樹脂は、数平均分子量が19,000であり、重量平均分子量が41,000であり、多分散度が2.16であり、軟化点が105℃(軟化開始温度;約80℃)であり、動粘度が15,000cStであった。
なお、ポリアミン化合物であるビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタンの滴下開始時の反応液の粘度が0.06kg/m・s、密度が900kg/m3、マックスブレンド翼の回転数が100rpmであり、レイノルズ数(Re)が456となり、マックスブレンド翼におけるn・θM−Re曲線より、混合時間数(n・θM)が14であることから、完全混合時間(θM)が8秒であった。
上記ウレタンウレア樹脂の、数平均分子量、重量平均分子量、多分散度、軟化点、及び動粘度については以下の方法によって測定した。
数平均分子量、重量平均分子量、及び多分散度に関しては、本文中に記載の方法に分析を実施した。
すなわち、ポリエチレンオキシド換算によるゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)を用いて、カラム:Shodex KD−806M(昭和電工株式会社製)を2本直列接続、溶離液:LiBr(10mmol/L)/DMF溶液、流速:1ml/min、検出器:RI検出器、ポリウレタンウレア樹脂試料溶液:1.0%ジメチルホルムアミド(DMF)溶液の条件にて測定し、日本ウォーターズ株式会社製GPC解析ソフト『Empower Personal GPC Option』を用いて算出した。また、多分散度は、重量平均分子量/数平均分子量で算出される値であり、上記方法によって求められた数平均分子量、及び重量平均分子量より算出した。
ポリウレタンウレア樹脂溶液を、ステンレスの容器に流し込み、40℃で10時間、60℃で10時間、さらに真空乾燥機にて60℃で12時間乾燥させることにより、厚み1mmの試験片を作製した。得られた試験片を、熱機械測定装置(セイコーインスツルメント社製、TMA120C)を用い、昇温速度:10℃/分、測定温度範囲:30〜200℃、プローブ:先端径0.5mmの針入プローブの条件にて軟化点を測定した。
ポリウレタン樹脂溶液約10gを、キャノンフェンスケ粘度計(#600)に入れ、このキャノンフェンスケ粘度計(柴田科学株式会社製)を25℃±0.1℃に制御した恒温水槽に15分浸した後、動粘度を測定した。
表1に示すポリオール化合物(A1成分)、ジイソシアネート化合物(A2成分)、ポリアミン化合物(B成分)、分子内に1つのイソシアネート基と反応しうる基を有する化合物(C成分)及び有機溶媒を用い、表1、及び表2に示す反応条件を用いた以外は、U1の合成方法と同様にして、U2〜17のポリウレタンウレア樹脂を合成した。評価結果を表2に示す。なお、完全混合時間(θM)は、ポリアミン化合物(B成分)を滴下開始する際のウレタンプレポリマー(A成分)の反応液の粘度、密度、及びマックスブレンド翼の回転数からレイノルズ数(Re)を算出し、その後マックスブレンド翼におけるn・θM−Re曲線から導きだされるn・θMより算出した。
(前駆体組成物の調製)
ポリウレタンウレア樹脂(U1)の溶液1000g、フォトクロミック化合物12.1g(PC1/PC2/PC3=8.7/2.0/1.4g)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物 43.2g、さらに酸化防止剤としてエチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート] 3.6g、界面活性剤としてDOW CORNING TORAY L−7001 0.5gを添加し、室温で攪拌・混合を行い、前駆体組成物を得た。
ポリウレタンウレア樹脂(U4)の溶液1000gに、界面活性剤としてDOW CORNING TORAY L−7001 0.7gを添加し、室温で攪拌・混合を行い、第2接着層用接着剤を得た。
コーター(テスター産業製)を用いて、積層シートを作製した。第2接着層用接着剤を厚み300μmのポリカーボネートシート上に、塗工速度0.5m/minで塗工し、乾燥温度110℃で3分間乾燥させることにより、膜厚8μmの第2接着層を有するポリカーボネートシートを得た。
次いで、上記前駆体組成物を塗布したPET製フィルムと第2接着層を有するポリカーボネートシートを張り合わせた積層体のPET製フィルムを剥離し、剥離した面と第2接着層を有するポリカーボネートシートを0.1MPaの圧力で張り合わせ、積層シートを得た。積層シートは、フォトクロミック性接着層である第1接着層の両面に第2接着層を有し、さらに第2接着層の外面(第1接着層が積層していない面)にポリカーボネートシートが積層した構成であった。得られた積層シートを40℃、真空下で24時間静置した後、110℃で60分加熱処理し、次いで60℃、100%RHで24時間の加湿処理を行い、最後に40℃、真空下で24時間静置することにより、目的のフォトクロミック特性を有する積層シートを得た。残存溶剤量を測定したところ、0.01%であった。なお、最終的に得られたフォトクロミック性接着シートをポリカーボネートシートから剥離し、赤外吸収スペクトルを確認したところ、該フォトクロミック性接着シート中にイソシアネート基のピークは検出されなかった。
なお、これらの評価は以下のようにして行った。
得られた積層シートを試料とし、これに、(株)浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100を、エアロマスフィルター(コーニング社製)を介して23℃、積層シート表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm2、245nm=24μW/cm2で120秒間照射して発色させ、積層シートのフォトクロミック特性を測定した。
得られた積層シートを、25×100mmの接着部分を有する試験片とし、試験雰囲気温度が設定可能な恒温槽を備えた試験機(オートグラフAGS−500NX、島津製作所製)に装着し、クロスヘッドスピード100mm/minで引張り試験を行い、それぞれ下記1)〜3)の剥離強度を測定した。
2)70℃雰囲気下での剥離強度は、上記サイズに切り出した試験片を、70℃に設定した恒温槽内で10分加熱した後、上記のようにして測定した。
3)150℃雰囲気下での剥離強度は、上記にサイズに切り出した試験片を、150℃に設定した恒温槽内で10分加熱した後、上記のようにして測定した。
得られた積層シートを、直径50mmの円形に切り出し、この試験片の外周をリング状のステンレス製治具で締め付けた。別途、蓋付きのプラスチック容器に人工汗(10%の食塩、及び5%の乳酸を添加した蒸留水)を用意し、この人工汗中に前記試験片を浸漬した。この試験片、及び人工汗が入ったプラスチック容器を70℃で保管し、24時間毎に試験片端部の剥離有無を目視評価した。評価結果の数値は、安定した接着性を示した時間(剥離が生じる直前までの時間)である。
(前駆体組成物の調整)
前駆体組成物は実施例1と同様の方法で得た。
コーター(テスター産業製)を用いて、積層シートを作製した。上記前駆体組成物を、PET製フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製ピューレックスフィルム、シリコン塗膜付)上に、塗工速度0.3m/minで塗工し、乾燥温度100℃で5分間乾燥させ、厚み約40μmのフォトクロミック性接着層を得て、ポリカーボネートシートを0.1MPaの圧力で張り合わせた。
なお、これらの評価は実施例1と同様の方法により実施した。
表3に示すポリウレタンウレア樹脂(I成分)、フォトクロミック化合物(II成分)、ポリイソシアネート化合物(III成分)、有機溶媒、その他の成分、第2接着層を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層シートを得た。得られた各種積層シートの評価結果を表4に示した。
表3に示すポリウレタンウレア樹脂(I成分)、フォトクロミック化合物(II成分)、ポリイソシアネート化合物(III成分)、有機溶媒、その他の成分、を用いた以外は実施例2と同様の方法で積層シートを得た。得られた各種積層シートの評価結果を表4に示した
Claims (14)
- (I)多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.6〜2.4の範囲であるポリウレタンウレア樹脂、及び
(II)フォトクロミック化合物
を含んでなるフォトクロミック組成物。 - 前記フォトクロミック組成物が、更に
(III)分子内に少なくとも2つのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物
を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のフォトクロミック組成物。 - 前記(II)フォトクロミック化合物の含有量が、前記(I)ポリウレタンウレア樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部である請求項1に記載のフォトクロミック組成物。
- 前記ポリウレタンウレア樹脂が、
(A)分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、
(B)分子内に2つ以上のアミノ基を有するポリアミン化合物と、
を反応して得られる樹脂である請求項1記載のフォトクロミック組成物。 - さらに、前記ポリウレタンウレア樹脂が、
(C)分子内にイソシアネート基と反応しうる基を1つ有する化合物と、
を反応して得られる樹脂である請求項4記載のフォトクロミック組成物。 - 前記ウレタンプレポリマーが、
(A1)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリカプロラクトンポリオールなどの少なくとも2つ以上の水酸基を有するポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオール化合物と、
(A2)分子内に2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物と、
を反応して得られるウレタンプレポリマーである請求項4記載のフォトクロミック組成物。 - 互いに対向する2枚の樹脂製シート又はフィルムが請求項1に記載のフォトクロミック組成物からなる接着層を介して接合された積層体。
- 互いに対向する2枚の樹脂製シート又はフィルムが、請求項1に記載のフォトクロミック組成物からなる第1接着層と、該第1接着層の両側に存在する第2接着層とを介して接合された積層構造を含む請求項7記載の積層体。
- 請求項7又は8記載の積層体を用いた遮光窓材。
- 請求項7又は8記載の積層体を用いたディスプレイ材料。
- 請求項7又は8記載の積層体を用いた農業用フィルム。
- 請求項7又は8記載の積層体を用いた玩具。
- 請求項7又は8記載の積層体を用いた衣服。
- 請求項7又は8記載の積層体を用いた傘。
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