JP2016168745A - 水溶性網状シートと水溶性フィルムとを有する積層体 - Google Patents

水溶性網状シートと水溶性フィルムとを有する積層体 Download PDF

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尚久 千東
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昌行 木下
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光浩 伊藤
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Abstract

【課題】水溶性薬剤包装材、水溶性ランドリーバッグ等を構成するための材料として有用な水溶性積層体であって、使用時(水中投入時)の速溶性と使用前の取扱性(高強度)とを両立させた積層体を提供する。
【解決手段】水溶性網状シートと水溶性フィルムとを有する積層体であって、
(1)前記水溶性網状シートは、ポリビニルアルコール系フラットヤーンから形成された織物又は不織布であり、且つ、開口率が20〜80%であり、
(2)前記水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムであり、
(3)前記積層体を水溶試験Aに供した際に、前記水溶試験Aの開始時を起点とし、前記水溶性網状シートの完溶時間が、前記水溶性フィルムの完溶時間と比べて1.5倍以上である、
ことを特徴とする積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、水溶性網状シートと水溶性フィルムとを有する積層体に関する。
本発明の積層体は、水溶性の材料からなる積層体(即ち「水溶性積層体」)であり、水溶性網状シートが最外層となるように袋状に成形することにより包装材として利用することができ、農薬、洗剤等を収容する水溶性薬剤包装材、その他、水溶性ランドリーバッグの用途に有用である。
現在、ポリビニルアルコール系水溶性フィルムは、農薬、洗剤等を収容する水溶性薬剤包装材、洗濯物を収容する水溶性ランドリーバッグ等の多くの分野で使用されている。
例えば、特許文献1には、「ポリビニルアルコール系樹脂(A)100重量部に対して、還元剤(B)0.1〜20重量部を配合した組成物を製膜してなる薬剤包装用水溶性フィルム。」が開示されている。この水溶性フィルムにより農薬をはじめとする各種薬剤を一定量ずつ密封包装することにより、使用時にはその包装形態のまま水田等の水中に投入し、内容物を包装形態のまま水に溶解又は分散して使用することができる。そのため、危険な薬剤等に直接触れることなく使用できる点や所定量が包装されているために使用時の計量が不要になる点で利便性が高い。
薬剤包装材の分野で使用されている水溶性フィルムには速溶性が求められているため、高湿度環境下又は水分付着時には水溶性フィルムの強度低下が著しい。そのため、農家等での実作業(例えば、水田への袋状農薬製剤(いわゆるジャンボ剤)の投入)では、常に乾燥した手や手袋で作業できる訳ではない点で速溶性と取扱性との両立に課題がある。
また、ランドリーバッグの分野では水溶性フィルムに高温溶解性が求められているが、湿潤時に強度が低下するため、病院での実使用時には尿等で水分過多の状態になっている洗濯物を収容すると、洗濯機に投入前にランドリーバッグが破れる等の課題がある。
上記強度面での問題を改善するために、例えば、特許文献2には、「融点が140〜220℃の水溶性ポリビニルアルコール系繊維からなる不織布又はウェブと、融点が140〜220℃の水溶性ポリビニルアルコール系フィルムとが一体化された水溶性積層物からなる水溶解温度0〜40℃の水溶性包装材。」が提案されている(特許文献2の請求項1)。
特開平9−316270号公報 特許3828172号公報
しかしながら、特許文献2の水溶性包装材は、強度の向上は期待できるものの水溶時間の制御(調整)が困難であること、水溶性繊維、水溶性不織布等の製造装置が大掛かりになること等に起因してコストアップにつながり実用化に課題がある。また、仮に実用化できたとしても、水溶性包装材全体の水溶時間を制御することが困難であるとともに、一般的な形状の繊維からなる織物又は不織布では、溶け残った繊維状物が核となり、内包薬剤が溶解した際の水中での分散を阻害することがある。更に、薬剤を収容後に水溶性包装材を濡れた手で触れた場合に、薬剤が漏洩することの懸念がある。
よって、本発明は、水溶性薬剤包装材、水溶性ランドリーバッグ等を構成するための材料として有用な水溶性積層体であって、使用時(水中投入時)の速溶性と使用前の取扱性(高強度)とを両立させた積層体を提供することを目的とする。また、当該積層体を用いた包装材を提供することも目的とする。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の水溶性網状シートとポリビニルアルコール系水溶性フィルムとを有する積層体によれば上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の水溶性積層体及びそれを用いた包装材に関する。
1.水溶性網状シートと水溶性フィルムとを有する積層体であって、
(1)前記水溶性網状シートは、ポリビニルアルコール系フラットヤーンから形成された織物又は不織布であり、且つ、開口率が20〜80%であり、
(2)前記水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムであり、
(3)前記積層体を水溶試験Aに供した際に、前記水溶試験Aの開始時を起点とし、前記水溶性網状シートの完溶時間が、前記水溶性フィルムの完溶時間と比べて1.5倍以上である、
ことを特徴とする積層体。
2.前記水溶性網状シートは、ポリビニルアルコール系フラットヤーンから形成された不織布であって、
前記不織布は、前記フラットヤーンが二軸方向又は三軸方向に配列している、上記項1に記載の積層体。
3.水溶性薬剤包装材又は水溶性ランドリーバッグを構成するための材料である、上記項1又は2に記載の積層体。
4.上記項1又は2に記載の積層体を、前記水溶性網状シートが最外層となるように袋状に成形することにより得られる包装材。
5.水溶性薬剤包装材である、上記項4に記載の包装材
6.水溶性ランドリーバッグである、上記項4に記載の包装材。
本発明の水溶性積層体は、溶解速度に違いのある特定の水溶性網状シートとポリビニルアルコール系水溶性フィルムとを有する積層体であることにより、水中投入時の速溶性とそれ以前の取扱性(高強度)とが両立されている。よって、本発明の水溶性積層体は水溶性薬剤包装材、水溶性ランドリーバッグ等を構成するための材料として有用である。
(a)水溶試験Aの試験装置の模式的斜視図である。(b)はビーカーの上面図でありスライドマウントと水流との関係を模式的に示している。
以下、本発明の積層体及び包装材について詳細に説明する。
1.水溶性積層体
本発明の水溶性積層体は、水溶性網状シートと水溶性フィルムとを有し、
(1)前記水溶性網状シートは、ポリビニルアルコール系フラットヤーンから形成された織物又は不織布であり、且つ、開口率が20〜80%であり、
(2)前記水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムであり、
(3)前記積層体を水溶試験Aに供した際に、前記水溶試験Aの開始時を起点とし、前記水溶性網状シートの完溶時間が、前記水溶性フィルムの完溶時間と比べて1.5倍以上である、
ことを特徴とする。以下、ポリビニルアルコールは「PVA」とも言う。
上記特徴を有する本発明の水溶性積層体は、溶解速度に違いのある特定の水溶性網状シートとPVA系水溶性フィルムとを有する積層体であることにより、水中投入時の速溶性とそれ以前の取扱性(高強度)とが両立されている。よって、本発明の水溶性積層体は水溶性薬剤包装材、水溶性ランドリーバッグ等を構成するための材料として有用である。
(水溶性網状シート)
本発明で用いる水溶性網状シートは、PVA系フラットヤーンから形成された織物又は不織布であり、且つ、開口率が20〜80%である。
織物又は不織布は、PVA系フラットヤーンから形成され、開口率が20〜80%であればよく、例えば、縦糸及び横糸を交互に織り込んだ織物であってもよく、フラットヤーンの各条を二軸方向又は三軸方向に配列してなる不織布であってもよい。本発明では、フラットヤーン及びそれを用いて得られる織物又は不織布の製造方法については、従来公知の製造方法を幅広く利用することができる。
本発明で用いるPVA系フラットヤーンは、各条の厚さは15〜70μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。また、各条の幅は0.5〜4.0mmが好ましく、0.8〜2.8mmがより好ましい。
PVA系フラットヤーンを形成するためのPVA系樹脂としては、PVA、変性PVAのいずれでもよいが、中でもPVAが好ましく用いられる。
上記PVAとしては、酢酸ビニルを単独重合し、更にそれをケン化して製造したものを用いることができる。また、上記変性PVAとしては、酢酸ビニルと他の不飽和単量体との重合体をケン化したものや、PVAを後変性したものを用いることができる。変性量は、10モル%以下であることが好ましい。7モル%以下がより好ましく、5モル%以下が更に好ましい。
上記不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
後変性の方法としては、PVAをアセト酢酸エステル化、アセタール化、ウレタン化、エーテル化、リン酸エステル化、又はオキシアルキレン化する方法等が挙げられる。
PVA系樹脂として、側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂を用いることも好ましい。上記側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂は、例えば、(ア)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(イ)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(ウ)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、(エ)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法等により得ることができる。
PVA系樹脂は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
PVA系樹脂のケン化度は、80〜95mol%が好ましく、85〜93mol%がより好ましく、88〜91mol%が更に好ましい。
PVA系樹脂のケン化度が高過ぎると、水溶性が低下し、水中投入した際に溶け残りが多く発生するおそれがある。また、PVA系樹脂のケン化度が低過ぎると、PVA系樹脂の製膜時にドロー延伸を行って水溶時間を調整したとしても、本発明の水溶性積層体を水溶試験Aに供した際に、水溶性網状シートの完溶時間を水溶性フィルムの完溶時間の1.5倍以上に確保できないおそれがある。
なお、本明細書におけるPVA系樹脂のケン化度は、JIS K6726に準拠した測定方法により測定したケン化度である。また、2種以上のPVA系樹脂が混合して用いられる場合には、上記PVA系樹脂のケン化度は、当該2種以上のPVA系樹脂を混合した樹脂組成物について、上記JIS K6726に準拠した測定方法により測定したケン化度である。
PVA系樹脂の重合度は、300〜10000が好ましく、400〜5000がより好ましく、500〜2000が更に好ましい。なお、本明細書におけるPVA系樹脂の重合度は、JIS K6726の方法に準拠して測定した粘度平均重合度である。
PVA系樹脂の重合度が高過ぎると、後述の押出製膜が困難になるおそれがある。また、PVA系樹脂の重合度が低過ぎると、ケン化度同様、製膜時にドロー延伸を行って水溶時間を調整したとしても、本発明の水溶性積層体を水溶試験Aに供した際に、水溶性網状シートの完溶時間を水溶性フィルムの完溶時間の1.5倍以上に確保できないおそれがある。
PVA系樹脂の粘度については、4重量%水溶液粘度値が4.5cP以上であることが好ましく、5.0cP以上であることがより好ましい。本明細書における4重量%水溶液粘度値は、PVA系樹脂の4重量%水溶液を調製し、JIS K6726:1994 3.11.1(回転粘度計法)に準拠して測定した値である。
PVA系樹脂の当該粘度値が高過ぎると、後述の押出製膜が困難になるおそれがある。また、PVA系樹脂の当該粘度値が低過ぎると、ケン化度同様、製膜時にドロー延伸を行って水溶時間を調整したとしても、本発明の水溶性積層体を水溶試験Aに供した際に、水溶性網状シートの完溶時間を水溶性フィルムの完溶時間の1.5倍以上に確保できないおそれがある。
本発明では、PVA系フラットヤーンは、上記PVA系樹脂を原料とし、押出製膜(溶融押出製膜)により形成後にフラットヤーンの短冊状にカットして得ることが好ましく、押出製膜時のドロー比を調整することにより、所望の水溶性が得られるように調整することができる。押出製膜の際は、公知のTダイ法を用いた溶融押出を行えばよい。
押出製膜に用いる押出機は一軸押出機又は二軸押出機のいずれでもよい。一般的にPVA系樹脂は粉末又はフレーク状で市販されているため、二軸押出機の場合はそのまま使用することができるが、一軸押出機の場合は事前にペレット加工を行うことが好ましい。
押出機の設定温度は限定的ではないが200℃程度であることが好ましく、Tダイ金型の設定温度は210℃程度であることが好ましい。
押出製膜の際は、製膜性を向上させるために可塑剤を適宜混合してもよい。可塑剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール等のジオール類や、エリスリトール、ペンタエリスリトール、グルコース類等の多糖類が挙げられるが、可塑性能を発揮するものであればこれらに限定されない。
可塑剤の混合量は限定的ではないが、PVA系樹脂100重量部に対して3〜10重量部程度であることが好ましい。可塑剤の混合量は、3重量未満の場合には製膜性向上の効果が得られ難く、10重量部よりも多い場合には押出機のスクリュー部で噛み込み不良が発生して押出製膜性が低下するおそれがある。
本発明では、Tダイ金型のリップクリアランスを1.0〜2.0mmとし、15倍から50倍程度、好ましくは20〜40倍程度のドロー比を採用することによりPVA系フィルムを製膜することが好ましい。上記ドロー比を採用することにより、ドロー比を15倍未満、更には10倍以下に設定することにより得られるPVA系フィルムや、一般的に普及しているキャスト法で製造されたPVAフィルムよりも、縦方向の強度が2〜5倍程度大きくできるとともに、溶解性の程度を低く調整することができる。
続いて、PVA系フィルムを、例えば上下嵌合歯のマイクロスリット方式スリッターを用いて所定の幅にスリット加工することにより、フラットヤーンは得られる。
フラットヤーンを織物又は不織布に加工する方法は限定されないが、例えば、フラットヤーンの各条を縦、横の二軸に直交して積層不織布を作製する場合には、次のような工程により作製することができる。
縦、横の直交積層不織布を製造する場合は、まず横糸となるフラットヤーンを整列させたシートを準備する。そして、円筒状に整列させ、連続走行させながら糸の中央に配置したスピンコーティング方式のコーターでエチレン−酢酸ビニル(EVA)系粘着剤を蜘蛛の巣状にコーティングし、フラットシート状に戻して巻き取る。
この巻き取ったフラットシートを横糸として繰り出し、縦糸用のPVA系フラットヤーンを整列させたシートと積層させ、縦糸の整列長さに応じて横糸を熱刃でカットする。
その状態で熱ロールに接触させ、横糸に事前に塗布しておいたEVA系粘着剤で接着させ巻き取り、積層不織布は得られる。
本発明では、水溶性網状シートである織物又は不織布の開口率(面積率)は20〜80%であればよいが、その中でも30〜70%であることが好ましい。かかる範囲に設定することにより、水溶性積層体で包装材を作製した際に強度を確保できるとともに水中投入時に内包物を速やかに放出することができる。
(水溶性網状シートに積層する水溶性フィルム)
水溶性網状シートに積層する水溶性フィルムとしては、水溶性網状シートとの関係において後述する所定の完溶時間の差があれば特に限定されず、本発明では、水溶性網状シートの項目で説明したフラットヤーンを形成するためのPVA系フィルムの製造において、ドロー比を15未満(特に10以下)に設定することにより得られる水溶性フィルムを好適に用いることができる。その他、水溶性フィルムの原料となるPVA系樹脂の説明については、前記水溶性網状シートの項目で説明と同様である。
水溶性フィルムの厚さは、20〜70μmが好ましく、30〜50μmがより好ましい。かかる範囲で水溶性フィルムの厚さを調整することにより、水溶性網状シートとの関係で後述する所定の水溶時間の差が得られるように調整することが好ましい。
(水溶性積層体)
本発明の水溶性積層体は、上記水溶性網状シートと水溶性フィルムとを有する。積層体の形成方法は限定されないが、例えば、水溶性網状シートと水溶性フィルムとを熱ラミネーターを用いて、約120℃の熱ロールにて抱きかかえさせる熱融着方法を採用することにより積層させることができる。
本発明の水溶性積層体は、水溶性積層体の状態で水溶試験Aに供した際に、水溶試験Aの開始時を起点とし、水溶性網状シートの完溶時間が、水溶性フィルムの完溶時間と比べて1.5倍以上である。かかる条件下、水溶性網状シートの具体的な完溶時間としては、水溶性積層体の用途にもよるが、一般に90秒以上が好ましく、90〜5000秒が好ましく、200〜2000秒がより好ましい。そして、かかる水溶性網状シートの完溶時間は水溶性フィルムの具体的な完溶時間と比較して1.5倍以上であり、2〜20倍程度であれば好ましい。水溶性フィルムの具体的な完溶時間としては、水溶性積層体の用途にもよるが、一般に20〜600秒が好ましく、破れ発生までの時間(後述の「破れ時間」は5〜50秒が好ましく、20〜40秒がより好ましい。)
なお、本明細書における水溶試験Aは、次の通りに定義される試験方法である。
(イ)図1に示す通り、1000mlビーカー(柴田科学株式会社製HARIOビーカー、胴外径110mm、高さ151mm))に25℃の超純水800ml及び40mm×φ8mm回転子を入れて回転子を回転させ、超純水の渦巻きの下端が600mlラインに位置するように回転数を設定する(概ね450rpmで当該条件となる)。
(ロ)縦24mm×横35mmの枠を有するスライドマウントに試料フィルム(水溶性積層体)を取り付け、試料フィルムの面が水流と平行になるようにビーカー中に浸漬し、水溶試験Aの開始時を起点とし、目視観察により、水溶性網状シート及び水溶性フィルムがそれぞれ完全に溶解するまでの時間(当該時間をそれぞれの「完溶時間」と言う)を測定する。また、水溶性フィルムについては、水溶性フィルム表面に破れが生じるまでの時間「破れ時間」についても測定する。完溶時間の測定においては、水溶性網状シートと水溶性フィルムとが接着剤により接着されている場合には、硬化した接着剤がビーカー中に残存する場合があるが、接着剤の残存は許容される。図1において、(a)は水溶試験Aの試験装置の模式的斜視図であり、(b)はビーカーの上面図でありスライドマウントと水流との関係を模式的に示している。
本発明の水溶性積層体は、水溶性薬剤包装材、ランドリーバッグ等を構成するための材料として有用であり、具体的には、水溶性積層体の水溶性網状シートが最外層となるように袋状に成形することにより作製することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
(1)PVA系フラットヤーン及び水溶性網状シート(積層不織布)の作製
セキスイスペシャリティケミカルズ社製PVA(SELVOL205(ケン化度88%、重合度500、粉状)100重量部に、酸化防止剤(イルガノックス3114とイルガフォス168とを1:1の重量比で混合したもの)0.4重量部をブレンドしながら、二軸混練押出機で180℃程度の温度でペレタイズ加工を行い、ペレットを得た。
上記ペレットを用いて一軸押出機で押出製膜を行った。押出製膜の熱条件は、フィード部を210℃、ミキシング部205℃、メータリング部を200℃に設定し、金型の設定温度は205℃とした。
金型は、フラットフィルムを製造できるT型ダイを使用し、リップ開度を2.0mmとしてポリビニルアルコールフィルムの溶融押出を行った。この時に厚みを50μmとなるように引き取り速度を調整してドロー比を40倍としたフラットフィルムを得た。
次に、このフラットフィルムを汎用的に使用されるマイクロスリッター機にて1.4mm幅にカットしてポリビニルアルコール系フラットヤーンを得た。
このフラットヤーンを用いて、直交積層不織布を下記の方法で製造した。
(i)まず横糸にするシートとしてヤーンを整列させたシートを準備した。ヤーンを1インチあたり5本の密度で円筒状に整列させ、連続走行さながら糸の中央に配置したスピンコーティング方式のコーターでEVA系粘着剤(東ソー(株)ウルトラセン547L)を120℃程度で溶解させ、蜘蛛の巣状にコーティングし、ロールで冷却しながらフラットシート状に戻して巻き取った。
(ii)縦糸と横糸を積層させるには、縦糸用のヤーンを1インチ当たり5本の密度で繰り出して整列させながら、横糸用に巻き取ったシートを設備の直交方から繰り出し、水を噴霧しながら設備で縦糸用のヤーンと積層、擬似接着させ、縦糸の整列幅長さに応じて横糸を熱刃でカットした。その状態で直径800mmの熱ロールに接触させ、120℃に加熱しながら横糸に事前に塗布しておいたEVA系粘着剤で接着させ巻き取り、開口率50%の積層不織布を得た。
(2)水溶性PVAフィルムの作製
セキスイスペシャリティケミカルズ社製SELVOL205(ケン化度88%、重合度500、粉状)100重量部に、酸化防止剤(イルガノックス3114とイルガフォス168とを1:1の重量比で混合したもの)0.4重量部をブレンドしながら、二軸混練押出機で180℃程度の温度で、可塑剤としてジグリセリンを5重量部追添しながらペレタイズ加工を行い、ペレットを得た。
上記ペレットを用いて一軸押出機で押出製膜を行った。押出製膜の熱条件は、フィード部を210℃、ミキシング部205℃、メータリング部を200℃の設定で、金型の設定温度は205℃とした。
金型は、フラットフィルムを製造できるT型ダイを使用し、リップ開度を0.7mm
としてポリビニルアルコールフィルムの溶融押出を行った。この時に厚みを50μmとなるように引き取り速度を調整してドロー比を14倍としたフラットフィルムを得た。
(3)水溶性積層体の作製
上記(1)、(2)の方法で得た積層不織布と水溶性フィルムを熱ラミネーターを用いて、直径200mmの熱ロールを120℃まで加温し、抱きかかえてプレスさせながら、10m/分の加工速度の熱融着方法で貼り合せて水溶性積層体の作製を得た。
実施例2
(1)PVA系フラットヤーン及び水溶性網状シート(積層不織布)の作製
セキスイスペシャリティケミカルズ社製PVA〔SELVOL205(ケン化度88%、重合度500、粉状)とSELVOL310(ケン化度98%、重合度1000、粉状)を1:1の割合で混合したもの〕100重量部に、酸化防止剤(イルガノックス3114とイルガフォス168とを1:1の重量比で混合したもの)0.4重量部をブレンドしながら、二軸混練押出機で180℃程度の温度でペレタイズ加工を行い、ペレットを得た。
上記ペレットを用いて一軸押出機で押出製膜を行った。押出製膜の熱条件は、フィード部を210℃、ミキシング部210℃、メータリング部を205℃に設定し、金型の設定温度は205℃とした。
金型は、フラットフィルムを製造できるT型ダイを使用し、リップ開度を2.0mmとしてポリビニルアルコールフィルムの溶融押出を行った。この時に厚みを50μmとなるように引き取り速度を調整してドロー比を40倍としたフラットフィルムを得た。
次に、このフラットフィルムを汎用的に使用されるマイクロスリッター機にて1.4mm幅にカットしてポリビニルアルコール系フラットヤーンを得た。
このフラットヤーンを用いて、実施例1と同様にして直交積層不織布を作製した。
(2)水溶性PVAフィルムの作製
実施例1と同様にして水溶性PVAフィルムを作製した。
(3)水溶性積層体の作製
実施例1と同様にして水溶性積層体を作製した。
実施例3
(1)PVA系フラットヤーン及び水溶性網状シート(積層不織布)の作製
実施例2と同様にしてフラットフィルムを得た後、このフラットフィルムを汎用的に使用されるマイクロスリッター機にて0.8mm幅にカットしてポリビニルアルコール系フラットヤーンを得た。
このフラットヤーンを用いて、縦、斜めの三軸方向積層不織布を下記の方法で製造した。
現在使用されている縦、斜めの三軸方向積層不織布製造機械を用いた。
まず、縦糸を5mmピッチで整列させ巻き取りながら、その上に横方向にトラバース移動する斜め糸積層装置を稼働させた(特許1442884に記載された方法)。このようにすれば、縦、斜め方向にヤーンが積層する。
次に、縦、斜めに積層した不織布を直径800mmの熱ロールに抱かせながら120℃で熱融着させ、開口率50%の三軸方向積層不織布を得た。
(2)水溶性PVAフィルムの作製
実施例1と同様にして水溶性PVAフィルムを作製した。
(3)水溶性積層体の作製
実施例1と同様にして水溶性積層体を作製した。
実施例4
(1)PVA系フラットヤーン及び水溶性網状シート(積層不織布)の作製
実施例2と同様にしてフラットヤーンを得た。
このフラットヤーンを用いて、直交積層不織布を下記の方法で製造した。
(i)まず横糸にするシートとしてヤーンを整列させたシートを準備した。ヤーンを1インチあたり2本の密度で円筒状に整列させ、連続走行さながら糸の中央に配置したスピンコーティング方式のコーターでEVA系粘着剤(東ソー(株)ウルトラセン547L)を120℃程度で溶解させ、蜘蛛の巣状にコーティングし、ロールで冷却しながらフラットシート状に戻して巻き取った。
(ii)縦糸と横糸を積層させるには、縦糸用のヤーンを1インチ当たり2本の密度で繰り出して整列させながら、横糸用に巻き取ったシートを設備の直交方から繰り出し、水を噴霧しながら設備で縦糸用のヤーンと積層、擬似接着させ、縦糸の整列幅長さに応じて横糸を熱刃でカットした。その状態で直径800mmの熱ロールに接触させ、120℃に加熱しながら横糸に事前に塗布しておいたEVA系粘着剤で接着させ巻き取り、開口率80%の積層不織布を得た。
(2)水溶性PVAフィルムの作製
実施例1と同様にして水溶性PVAフィルムを作製した。
(3)水溶性積層体の作製
実施例1と同様にして水溶性積層体を作製した。
実施例5
(1)PVA系フラットヤーン及び水溶性網状シート(積層不織布)の作製
実施例2と同様にしてフラットフィルムを得た後、このフラットフィルムを汎用的に使用されるマイクロスリッター機にて1.2mm幅にカットしてポリビニルアルコール系フラットヤーンを得た。
このフラットヤーンを用いて、縦、斜めの三軸方向積層不織布を下記の方法で製造した。
現在使用されている縦、斜めの三軸方向積層不織布製造機械を用いた。
まず、縦糸を15mmピッチで整列させ巻き取りながら、その上に横方向にトラバース移動する斜め糸積層装置を稼働させた(特許1442884に記載された方法)。このようにすれば、縦、斜め方向にヤーンが積層する。
次に、縦、斜めに積層した不織布を直径800mmの熱ロールに抱かせながら120℃で熱融着させ、開口率80%の三軸方向積層不織布を得た。
(2)水溶性PVAフィルムの作製
実施例1と同様にして水溶性PVAフィルムを作製した。
(3)水溶性積層体の作製
実施例1と同様にして水溶性積層体を作製した。
実施例6
(1)PVA系フラットヤーン及び水溶性網状シート(積層不織布)の作製
実施例2と同様にしてフラットフィルムを得た後、このフラットフィルムを汎用的に使用されるマイクロスリッター機にて2.3mm幅にカットしてポリビニルアルコール系フラットヤーンを得た。
このフラットヤーンを用いて、直交積層不織布を下記の方法で製造した。
(i)まず横糸にするシートとしてヤーンを整列させたシートを準備した。ヤーンを1インチあたり6本の密度で円筒状に整列させ、連続走行さながら糸の中央に配置したスピンコーティング方式のコーターでEVA系粘着剤(東ソー(株)ウルトラセン547L)を120℃程度で溶解させ、蜘蛛の巣状にコーティングし、ロールで冷却しながらフラットシート状に戻して巻き取った。
(ii)縦糸と横糸を積層させるには、縦糸用のヤーンを1インチ当たり6本の密度で繰り出して整列させながら、横糸用に巻き取ったシートを設備の直交方から繰り出し、水を噴霧しながら設備で縦糸用のヤーンと積層、擬似接着させ、縦糸の整列幅長さに応じて横糸を熱刃でカットした。その状態で直径800mmの熱ロールに接触させ、120℃に加熱しながら横糸に事前に塗布しておいたEVA系粘着剤で接着させ巻き取り、開口率20%の積層不織布を得た。
(2)水溶性PVAフィルムの作製
実施例1と同様にして水溶性PVAフィルムを作製した。
(3)水溶性積層体の作製
実施例1と同様にして水溶性積層体を作製した。
実施例7
(1)PVA系フラットヤーン及び水溶性網状シート(積層不織布)の作製
実施例2と同様にしてフラットフィルムを得た後、このフラットフィルムを汎用的に使用されるマイクロスリッター機にて1.5mm幅にカットしてポリビニルアルコール系フラットヤーンを得た。
このフラットヤーンを用いて、縦、斜めの三軸方向積層不織布を下記の方法で製造した。
現在使用されている縦、斜めの三軸方向積層不織布製造機械を用いた。
まず、縦糸を5mmピッチで整列させ巻き取りながら、その上に横方向にトラバース移動する斜め糸積層装置を稼働させた(特許1442884に記載された方法)。このようにすれば、縦、斜め方向にヤーンが積層する。
次に、縦、斜めに積層した不織布を直径800mmの熱ロールに抱かせながら120℃で熱融着させ、開口率20%の三軸方向積層不織布を得た。
(2)水溶性PVAフィルムの作製
実施例1と同様にして水溶性PVAフィルムを作製した。
(3)水溶性積層体の作製
実施例1と同様にして水溶性積層体を作製した。
比較例1
(1)PVA系フラットヤーン及び水溶性網状シート(積層不織布)の作製
実施例2と同様にしてフラットフィルムを得た後、このフラットフィルムを汎用的に使用されるマイクロスリッター機にて3.0mm幅にカットしてポリビニルアルコール系フラットヤーンを得た。
このフラットヤーンを用いて、直交積層不織布を下記の方法で製造した。
(i)まず横糸にするシートとしてヤーンを整列させたシートを準備した。ヤーンを1インチあたり6本の密度で円筒状に整列させ、連続走行さながら糸の中央に配置したスピンコーティング方式のコーターでEVA系粘着剤(東ソー(株)ウルトラセン547L)を120℃程度で溶解させ、蜘蛛の巣状にコーティングし、ロールで冷却しながらフラットシート状に戻して巻き取った。
(ii)縦糸と横糸を積層させるには、縦糸用のヤーンを1インチ当たり6本の密度で繰り出して整列させながら、横糸用に巻き取ったシートを設備の直交方から繰り出し、水を噴霧しながら設備で縦糸用のヤーンと積層、擬似接着させ、縦糸の整列幅長さに応じて横糸を熱刃でカットした。その状態で直径800mmの熱ロールに接触させ、120℃に加熱しながら横糸に事前に塗布しておいたEVA系粘着剤で接着させ巻き取り、開口率10%の積層不織布を得た。
(2)水溶性PVAフィルムの作製
実施例1と同様にして水溶性PVAフィルムを作製した。
(3)水溶性積層体の作製
実施例1と同様にして水溶性積層体を作製した。
比較例2
(1)PVA系フラットヤーン及び水溶性網状シート(積層不織布)の作製
セキスイスペシャリティケミカルズ社製PVA(SELVOL205(ケン化度88%、重合度500、粉状)100重量部に、酸化防止剤(イルガノックス3114とイルガフォス168とを1:1の重量比で混合したもの)0.4重量部をブレンドしながら、二軸混練押出機で180℃程度の温度でペレタイズ加工を行い、ペレットを得た。
上記ペレットを用いて一軸押出機で押出製膜を行った。押出製膜の熱条件は、フィード部を210℃、ミキシング部205℃、メータリング部を200℃に設定し、金型の設定温度は205℃とした。
金型は、フラットフィルムを製造できるT型ダイを使用し、リップ開度を0.7mmとしてポリビニルアルコールフィルムの溶融押出を行った。この時に厚みを50μmとなるように引き取り速度を調整してドロー比を14倍としたフラットフィルムを得た。
次に、このフラットフィルムを汎用的に使用されるマイクロスリッター機にて1.4mm幅にカットしてポリビニルアルコール系フラットヤーンを得た。
このフラットヤーンを用いて、実施例1と同様にして直交積層不織布を作製した。
(2)水溶性PVAフィルムの製造方法
上記(1)の方法で得たフラットフィルムを水溶性フィルムとして使用した。
(3)水溶性積層体の作製
実施例1と同様にして水溶性積層体を作製した。
比較例3
(1)PVA系フラットヤーン及び水溶性網状シート(積層不織布)の作製
比較例2と同様にしてフラットヤーンを作製した。
このフラットヤーンを用いて、直交積層不織布を下記の方法で製造した。
(i)まず横糸にするシートとしてヤーンを整列させたシートを準備した。ヤーンを1インチあたり2本の密度で円筒状に整列させ、連続走行さながら糸の中央に配置したスピンコーティング方式のコーターでEVA系粘着剤(東ソー(株)ウルトラセン547L)を120℃程度で溶解させ、蜘蛛の巣状にコーティングし、ロールで冷却しながらフラットシート状に戻して巻き取った。
(ii)縦糸と横糸を積層させるには、縦糸用のヤーンを1インチ当たり2本の密度で繰り出して整列させながら、横糸用に巻き取ったシートを設備の直交方から繰り出し、水を噴霧しながら設備で縦糸用のヤーンと積層、擬似接着させ、縦糸の整列幅長さに応じて横糸を熱刃でカットした。その状態で直径800mmの熱ロールに接触させ、120℃に加熱しながら横糸に事前に塗布しておいたEVA系粘着剤で接着させ巻き取り、開口率80%の積層不織布を得た。
(2)水溶性PVAフィルムの作製
実施例1と同様にして水溶性PVAフィルムを作製した。
(3)水溶性積層体の作製
実施例1と同様にして水溶性積層体を作製した。
試験例1
≪水溶性フィルムと水溶性網状シートの水溶性評価≫
実施例及び比較例で作製した水溶性積層体を水溶試験Aに供することにより、水溶性フィルムの破れ時間及び完溶時間、並びに、水溶性網状シートの完溶時間を測定した。結果を表1に示す。
≪濡れ手指触評価≫
水溶性積層体を用いて縦10cm×横10cmの袋を作成し、農薬等の化学薬品の代わりとして、擬似的にグラニュー糖を20g充填した。
検査者の片手を、水を満たした桶に浸け、その直後に内容物を充填した
包材を直接持ち、10秒後に机上に置いた際の内容物漏洩度合い及びフィルム外観で官能評価した。
評価基準は下記の通りとした。
◎ :濡れた部分からの流出無く、外観上の問題も無し。
○ :濡れた部分からの流出なく、外観は、若干水溶を認める
△ :濡れた部分からの流出は無いが、フィルム外観は今にも破けそうに見える。
×△:濡れた部分から内容物の流出が認められる。溶けた部分は手で触れた部分程度で
止まっている。
× :濡れた部分から内容物の流出が認められる。溶けた部分は、すでに手袋側にも付着している。
≪薬剤溶出≫
水溶性積層体を用いて縦10cm×横10cmの袋を作成し、農薬等の化学薬品の代わりとして、擬擬似的にグラニュー糖を20g充填した。
対照として、市販の農薬ジャンボ剤用の水溶性フィルム(日本合成化学株式会社製 ハイセロンC200)にも、同様にグラニュー糖を20g充填した。
それらの袋を20℃の水に入れて、一分後のグラニュー糖の水中への溶け具合を、対照品と比較した。
評価基準は下記の通りとした。
◎ :対照と同程度の溶出を認める。
○ :対照とほぼ同程度の溶出を認める。
△ :対照より溶出量は少ないが、実用上問題ないと思われる。
×△:対照より溶出量が1/2程度と少なく、実用上問題あると思われる。
× :ほとんど溶出しない状態。
1.水溶試験Aに供する試料フィルム
2.スライドマウント
3.1000mlビーカー(柴田科学株式会社製HARIOビーカー、胴外径110mm、高さ151mm)
4.40mm×φ8mmの回転子
5.マグネティックスターラー

Claims (6)

  1. 水溶性網状シートと水溶性フィルムとを有する積層体であって、
    (1)前記水溶性網状シートは、ポリビニルアルコール系フラットヤーンから形成された織物又は不織布であり、且つ、開口率が20〜80%であり、
    (2)前記水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムであり、
    (3)前記積層体を水溶試験Aに供した際に、前記水溶試験Aの開始時を起点とし、前記水溶性網状シートの完溶時間が、前記水溶性フィルムの完溶時間と比べて1.5倍以上である、
    ことを特徴とする積層体。
  2. 前記水溶性網状シートは、ポリビニルアルコール系フラットヤーンから形成された不織布であって、
    前記不織布は、前記フラットヤーンが二軸方向又は三軸方向に配列している、請求項1に記載の積層体。
  3. 水溶性薬剤包装材又は水溶性ランドリーバッグを構成するための材料である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 請求項1又は2に記載の積層体を、前記水溶性網状シートが最外層となるように袋状に成形することにより得られる包装材。
  5. 水溶性薬剤包装材である、請求項4に記載の包装材
  6. 水溶性ランドリーバッグである、請求項4に記載の包装材。
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