JP2016168033A - 簡易建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】新しい骨組みを備えた大型簡易建物を提供する。【解決手段】断面八角形の管材を用いて構築した簡易建物とし、両側に立設された柱部材11と頂部と両側の柱部材を連結するアーチ部材12を備えており、一方のアーチ部材の下部と他方のアーチ部材の上部をクロスタイバー21で連結し、両側のアーチ部材の部位間に水平タイバー22を設け、アーチ部材とクロスタイバーを斜めタイバー24で連結し、水平タイバーと建物頂部とを垂直タイバー23で連結する。【選択図】図1

Description

本発明は、植物栽培用温室や簡易倉庫に関する。特に、大型パイプハウスに適した技術である。
温室栽培は、施設農業として、注目されており、普及している。
特に、日本農業の抱える構造的課題、農業の再生、競争力強化が農業に求められている。農商工連、六次産業化、TPP、企業の参入など変革点にある。市場から農業の産業化として、品質の安定化、出荷数量の安定化、周年供給など要素の充足が求められている。農産物を生産し供給サイドから見ると、このような3要素を充足することができれば、安定した売り先(市場)を確保でき、経営の安定化を計ることができるようになって、家業から事業へ転換でき、産業として成長することが期待できる。
温室栽培は、天候変動の影響を緩和して、栽培環境をコントロールし、計画栽培、安定出荷の手段として有効である。農業の課題を解決する技術的に有効な手段の1つである。
施設栽培用の温室の大型化が求められており、各種提案されている。
例えば、特許文献1(特許第5399676号公報)には、連棟式の農業用温室が提案されている。隣接する温室の側面を連結して、隣接する温室間を農業機械等が移動できるように工夫がなされている。
特許文献2(特許第5607813号公報)には、大小異なるアーチ材を交互に配置して積雪などに対する耐久性を備えた簡易建物が提案されている。
特許文献3(登録実用新案第3026099号公報)には、アーチ状骨組みを二重に構成した温室が提案されている。
特許文献4(特許第4646322号公報)には、アーチ材を平面視でX状に交差させ、上下2段に設けた桁材で接合した骨組みを備えた温室が提案されている。
特許文献5(特許第3986002号公報)には、柱材を二重に構成した大型パイプハウスが提案されている。
これらの提案された温室は、断面円形のパイプ材を基本材としている。パイプ材の外、ガラス温室などには鉄骨材なども使用されている。
連棟によって、広い栽培面積を実現できるが、棟間に支柱があって、機器の移動の障害となり、また、排水用樋など接続構造が複雑であって谷間に雪が溜まり、積雪に対する抵抗性が弱い構造である。断面円形パイプ材では、大小のアーチ材を組み合わせることによって、温室の側壁部に利用できない部分が発生する。
特許第5399676号公報 特許第5607813号公報 登録実用新案第3026099号公報 特許第4646322号公報 特許第3986002号公報
本発明は、新しい骨組みを備えた大型簡易建物を開発することを目的とする。
(1)断面八角形の管材を用いて構築したことを特徴とする簡易建物。
(2)農業用温室であることを特徴とする(1)記載の簡易建物。
(3)両側に立設された柱部材と頂部と両側の柱部材を連結するアーチ部材を備えており、各材が断面八角形の管材であることを特徴とする(1)又は(2)記載の簡易建物。
(4)一方のアーチ部材の下部と他方のアーチ部材の上部をクロスタイバーで連結することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の簡易建物。
(5)両側のアーチ部材の部位間に水平タイバーを設けたことを特徴とする(4)記載の簡易建物。
(6)アーチ部材とクロスタイバーを斜めタイバーで連結し、水平タイバーと建物頂部とを垂直タイバーで連結したことを特徴とする(5)記載の簡易建物。
(7)断面八角形の管材の接合部材が接合用鞘管であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の簡易建物。
(8)結合片を有する接合用鞘管を柱部材とアーチ部材の接合に用い、結合片とクロスタイバーを軸着したことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の簡易建物。
(9)簡易建物頂部に棟木を備え、棟木から地際にかけて複数の桁部材を奥行き方向に設け、アーチ部分に上部筋交いを設け、立設された柱材部分に側部筋交いを設けたことを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の簡易建物。
(10)作耕土壌より下層に杭を設けて必要な引き抜き耐力を備えたことを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の簡易建物。
断面八角形の管材を構造材として使用することにより、間口が広く、軒高の高い簡易建物を提供することができた。農業用栽培用ハウスの大型化ができ、栽培作業性の向上、大型農業機械の使用、栽培空間の活用、高度な施設機器を導入することができる。妻側に設ける出入り口の開口も大きくでき、農業機械や資材を大型化することができる。
断面八角形の管材は管材自体の強度が高く、面を利用することにより、管の長手方向接合や他部材との結合において、拘束が効き、丸形よりもねじれを防止できる。
クロスタイバーなどの補助構造を設けることにより、耐久性を向上させることができる。特に、大量の積雪にも対応できる強度を実現できた。
八角形の管材同士を接合する鞘管を接合材に用いることにより、簡単に接合することができる。特に、クロスタイバーとの結合片を備えた接合材によって、大きな変形応力に耐える構造を実現できた。間口10m以上の耐雪性に優れたパイプ温室が実現できた。
実施例である高耐久性の簡易建物の断面構造を示す概略図 実施例である高耐久性の簡易建物の出入り口側妻面構造を示す概略図 実施例である高耐久性の簡易建物の側面構造を示す概略図 実施例である高耐久性の簡易建物の屋根面構造を示す概略図 実施例である高耐久性の簡易建物の平面を示す概略図 断面八角形の管材を示す図 接合用鞘管の例を示す図 本発明の簡易建物の断面構造例を示す図。 荷重変位試験の概略図 荷重変位試験の結果を示すグラフの図
本発明の簡易建物は、基本構造材として断面八角性の管材を用いて形成する。
基本断面構成は、八角管材を左右の柱部材とし、その上部に八角管材をアーチ部材として接続し、頂部でアーチ部材同士を接続して、基本断面を構成する。これらの接続は、接続用鞘官や差込棒材を用いる。鞘官には、タイバーなどとの接続片を取り付けることができる。さらに、建物に加わる高さ方向の圧縮や左右変形の耐久性を向上させるタイバーを必要に応じて配置する。
この断面構造を1つのフレームとして、温室の奥行き方向に所定間隔で立設し、棟木や桁を奥行き方向に配置して、接続する。さらに、筋交いなどの斜行材を設けて、耐久性を向上させる。杭支持構造によって、建物の大型化に伴い増大する転倒防止効果を向上させる。
妻側には、出入り口を設け、屋根には開閉できる天窓を必要に応じて設ける。
タイバーの配置を工夫することにより、耐久性を向上させることができ、積雪や風などの気象条件に応じた設計をすることができる。本発明では、間口10m以上、軒高2.5m以上の大きさで、耐雪荷重50kg/m2を実現することができる。耕作土壌よりも下層の安定した土層に杭を設定して、軽量である簡易建物の安定性を向上させる。
本発明の簡易建物は、主に、植物栽培に用いられる農業用ビニール温室に適用される。温室の外、収穫後の選別、包装作業、農作業用機器や栽培資材の簡易倉庫に使用することもできる。
[実施態様]
図1〜5に、本発明の簡易建物の一例である大型パイプハウスの例を示す。
図1は断面構造を示し、図2は出入り口側妻面構造を示し、図3は簡易建物の側面構造を示し、図4は屋根面構造を示し、図5は平面を示す概略図である。
本例の大型パイプハウスは、図1に示す断面構造を有するフレームを所定間隔、例えば100cmを置いて配設し、図2に示す出入り口を設けた妻面と出入り口の無い妻面を両端に配置し、棟木及び桁材を通して基本外郭が構成されている。この基本外郭に合成樹脂シートを張って、栽培用温室などを構築する。
本実施例では、柱部材、アーチ部材、桁材など主要な構造材として、断面八角形の管材が用いられる。管材の材質は、従来と同様に鋼管あるいはアルミニウム管が用いられる。
図1は、基本単位であるフレームの断面構造を示している。
柱部材11を左右に立設し、この柱部材の上端側にアーチ部材12を接続し、左右のアーチ部材12、12を接続して、外周フレームが構成される。これらの接続には、鞘管に構成されたジョイント部材が用いられている。柱部材11は、やや内側に傾斜して設けられる。
この外周フレームを補強するタイバーが左右方向に配置される。タイバーは、補強の程度に応じて設けられるものであって、本例に限定されるものではない。
クロスタイバー21が一方のアーチ部材12の下部と他方のアーチ部材12の上部を連結している。2本のクロスタイバーの交差部は連結して、相互の変形を防止する。
水平タイバー22が左右のアーチ部材12、12を水平方向に連結している。水平位置はクロスタイバー21が設けられる場合は、クロスタイバーの上端側連結部付近が適している。クロスタイバー上端連結部に設けることによってクロスタイバー上端に集中する応力による変形を防止することができる。
垂直タイバー23が頂部から垂下して水平タイバー22と接続する。垂直方向に負荷される分力に対する抵抗性が高まる。
斜めタイバー24をアーチ部材12の中間部とクロスタイバーの21の中間部を連結するように設ける。アーチ部材側に中間位置は、クロスタイバーの上下の接続箇所の中間付近である。クロスタイバー側の中間位置は、交差部と下端との中間である。斜めタイバーは、それぞれの中間位置に接続されることにより、変形を抑える中間接続部材である。
本例では、アーチ部材に対する水平タイバーと斜めタイバーの取付け位置は、アーチ部材の長手方向にほぼ三分する位置としている。この位置に奥行き方向の桁部材を配置している。
クロスタイバーは、大きな負荷がかかるので柱部材やアーチ部材と同様に八角形の管材を使用することが好ましい。他のタイバーは、八角形管材あるいは丸形管材を用いることができる。
図7にジョイント用の鞘管の例を示す。鞘管は、鞘管構造であるので、断面八角形の管材が挿入される内面八角形の筒状体である。
図7(a)は、肩部ジョイント部材41を示している。柱部材11とアーチ部材12が「く」の字状に屈曲して連結されるので、鞘管も同様に屈曲している。肩部ジョイント部材41は、鞘管本体46と鞘管本体上部に溶接などによって取り付けられた結合片41a、鞘管の上下部にビス穴45が設けられている。結合片41aにはクロスタイバー21の下端部を結合する取付孔41bが設けられている。クロスタイバーの下端と結合片は、双方の穴にボルトなどを装着して、軸着する。クロスタイバーの下端側結合部には大きな応力がかかるので、締め付けるクランプ式の結合よりも軸着の方が高い安全性を示す。クロスタイバーに用いる管材の先端部は押圧して扁平に形成することにより、接合部の強度を向上させることができる。
初め、八角管材の外周を締め込むクランプを用いてクロスタイバーと肩部ジョイント部材を結合したが、大きな荷重をクロスタイバーにかけると、クランプが変形するなどの弊害が発生した。このため、クロスタイバーの先端を扁平に押圧し、肩部ジョイント部材には結合片を設けて、両者をボルトなどで軸着した方が、構造的に高強度が得られることが判明した。
屈曲部には奥行き方向に水平に配置される桁部材を接合するためのクランプが設けられている。
ビス穴45は、挿入された柱部材の上部側あるいはアーチ部材12の下部側のビス穴にビスを挿通して、これらの部材と肩部ジョイント部材の抜止用に設けられている。
図7(b)は、妻側肩部ジョイント44を示している。妻面にはクロスタイバーが不要なので、肩部ジョイント部材41から結合片41aを除いた構成となっている。
図7(c)は、棟部ジョイント部材42を示している。図示された棟部ジョイント部材42は、屋根傾斜にあわせて「く」の字状に屈曲している。必要に応じてビス穴が設けられる。
棟部ジョイント部材42には、棟木を通すプレート43が2枚設けられている。この例は、天窓等を設けやすい、頂部上面側に棟木を配置する形式である。棟木を設けない場合はプレートが不要であり、下面側に棟木を通す場合は、プレートあるいはクランプを屈曲内面側に設ける。
図2に、出入り口を備えた妻面の構成を示す。妻面には妻柱と水平横木を配置して、格子状の枠体を形成して、大面積の受けを構成する。下部中央部には出入り口となるドア枠を設けてドア6を設ける。間口300cm、高さ250cmの開口部も可能であるので、農業機械などの出入りする設備機器の大型化が可能であり、作用性の効率が上がる。
図3に、側面構造を示している。柱部材11とアーチ部材12からなる構造フレームが、所定の間隔でパイプハウスの奥行き長さ分並べて立設されている。本例では、100cm程度の間隔である。
棟木を頂部長手方向に配置し、棟木から地際にかけて複数の桁部材を長手方向に設ける。本例では、頂部の棟木からアーチ部桁部材32a、32b、柱部桁部材33a、33b、地際桁部材34が配置され、それぞれ、アーチ部材12・・・、柱部材11・・・・と連結されている。
柱部桁部材33aは、軒高部に設けられる。具体的には、柱部材11とアーチ部材12を接合する肩部ジョイント部材41の屈曲部に設けられる。
柱部材は先端側が地面に打ち込まれている。打ち込まれた地際に地際桁部材34を結合する。パイプハウスが風で浮き上がり、倒伏する恐れがある場合は、さらに杭を併用して、引き抜き対策をする。本発明の簡易建物は、大型であり、風圧も大きくなるので、杭を設けることは引き抜き対策として、重要である。杭は地際桁部材34に連結する。
棟木材は、八角形の管材を用いることもできるが、四角形の管材が天窓等の取付け支持部材として適している。本実施例では、四角形管材を使用している。
桁部材とアーチ部材は八角形管材を使用する。
側面には、アーチ部分に上部筋交いを設け、柱部材部分に側部筋交いを設けて、パイプハウスに対する捻れ変形に対する抵抗材とする。本実施例では、上部筋交いとして、アーチ部筋交い35、側部筋交いとして側面筋交い36を設ける。これらの筋交いは、強度設計に応じて、配置を決定する。筋交いは、交差する柱部材、アーチ部材と連結される。
桁部材、アーチ部材と柱部材は八角形の管材を用いることによって、面が結合における拘束力を高めることとなり、パイプハウスの全体強度が向上する。
図4に屋根面構造を示す。中央に配置された棟木31からアーチ部桁部材32a、32b、柱部桁部材が平行に設けられ、また、アーチ部筋交い35が斜めに配置されている。本例では、図面視で棟木の上方側に天窓7が設けられており、天窓の開閉側先端を受ける天窓受け直管72が設けられている。
図5に、建物内法の平面5を示す。柱部材が出入り無く、一列に並んでおり、妻側も出入り口部に若干凹部が生ずるが、基本的には一列である。この結果、本発明では、栽培などの利用効率が高い。
図6に、断面八角形の管材を示す。
本発明では、主要な構造材として断面八角形の管材を使用する。
外面と内面が八角形である。八角形とすることにより、四方八方からの応力に対して均等に対応できると共に、面を利用して、方向性を出すことができる。例えば、接合部材として、八角形の外面に挿入される内面八角の鞘管による長手方向の接合は、相互の捻れが防止され、方向性を特定することができる。前述の肩部ジョイント部材41に見られるように、鞘管の外面に結合片41aを溶接することが容易にできることとなり、結合片の方向も特定することができる。丸管の場合は、溶接が線上になりむずかしく、かつ、挿管しても回転するので、安定性に欠ける。
また、管材同士の結合においてもクランプ材の廻り止めができる。
この八角パイプは、例えば、円形パイプを成形することにより製造することができる。孔径、厚みは任意であるが、簡易建物に使用する八角パイプは、種類を少なくして共通化することが好ましい。
例えば、短径39.5mm、長径42.3mm、厚み1.6mmの鋼製材で、引張強度590N/mm2、ヤング率205000N/mm2である。
材質は、鋼、アルミニウムなど一般的なパイプ素材を使用することができ、鋼材では防錆用にメッキが施される。地中に埋め込む部分はさらに防錆用の塗装などを施すことが好ましい。
この八角パイプは、長尺材であり、柱材、アーチ材など特定の長さに切断して準備される。
[他の実施態様]
図8に、本発明の簡易建物の断面構造例をA〜Eの5タイプ示す。
本発明は、間口10m以上の大きなパイプ構造の建物を実現できる。そして、タイバーの補強構造を工夫することにより、50kg/m2以上の雪荷重にも十分に対応できる強度が実現できることが確認されている。無積雪地域から積雪地方でも対応できるパイプ構造である。
Aタイプは、上記実施例に示した構造である。クロスタイバー、水平タイバー、斜めタイバー、垂直タイバーを設けることによって、合掌材やタイバーの挫屈を押さえることにより、十分な耐雪性を発揮することができる。クロスタイバーの設置位置を肩部の屈曲部よりも上に設けることにより、肩部より下の空間を十分に使用することができるので、高い軒高を実現している。
Bタイプは、クロスタイバー、水平タイバーを設けている。Aタイプよりも耐雪性は低いが、広い空間は実現できるので、積雪が余り多くない場所で使用可能である。
Cタイプは、クロスタイバーを設けている。Bタイプよりも耐雪性は低いが、広い空間は実現できるので、積雪が少ない場所で使用可能である。
Dタイプは、柱部材をアーチ部材で構成されており、タイバーを設けない例である。耐雪性が低く、無積雪地に適している。
Eタイプは、クロスタイバーが、肩部よりも低い位置から同じ側面のアーチ部材の上方に連結し、上部に水平タイバーとV形の斜めタイバーを設けている。このタイプは、十分な耐雪性を実現できる。一方、肩部よりも低い位置である柱部材の中間にクロスタイバーが設けられているので、利用性が制限される。中央部の高さは得られるので、中央部を高く使用する形態には適している。
A〜Dタイプは、柱部材の上端まで軒高として利用することが可能であり、2.5m以上を確保することができる。2.5〜3m程度の高さを確保すると、背の高い植物の栽培管理も容易にできる。例えば、上方に遮光ネットや、保温用シートを設けることができ、これらの設備を設けても十分な作業高さが得られ、植物背丈も活かすことができる。
なお、5つのタイプを説明したが、本発明はこれに限るものでは無い。
[強度試験]
[載荷試験]
隣接する一組のフレーム間に1m間隔で重りを吊して荷重を与え、鉛直方向の変位、両肩部の変位を計測して水平方向の変位を計測した。図9参照。
試験モデル :Aタイプ、間口10.8m、軒高2.5m、棟高5.3m、奥行き 10.0mである。
八角パイプ材:鋼材、外径42.7mm、1.6タフ
外周被覆材 :温室用樹脂フィルム
柱間隔 :1m
荷重条件 :隣接する一対のフレームの中間に吊り荷重を負荷する。吊り間隔は、 アーチ部に1m間隔とした。荷重単位2.92kgの重り。
試験方法 :加重用重りを0から順次増やしながら、3箇所の変位を計測した。その 結果を図10に示す。
図10に、載荷試験の結果をグラフに示す。
縦軸に変位量を示し、一箇所あたりの荷重を横軸に取っている。
鉛直方向の変位、左右の肩部の変位は、それぞれ荷重の増加に伴い大きくなるが、55.5kgにおいて、89.9mm、31.6mm、42.8mmを示している。パイプハウスとしては、許容範囲の変位に納まっていることが確認できた。
<考察>
日本施設園芸協会にて定められている変形限界は、高さ方向のたわみが間口の60分の1以下(≦間口L/60)、柱上端の水平方向への倒れが35分の1以下(≦軒高h/35)とされている。
間口10.8m、軒高2.5mとすると、基準値はそれぞれ、180.0mm、71.4mmが上限となる。
本試験結果は、十分に50cm以上の積雪に耐え得ることが確認できた。なお、園芸基準では、積雪1cmあたり1kgと設定している。
この試験のほか、B〜Eの各タイプについても、載荷加重試験をおこなって、耐久性について知見を得ている。建物を構築する場所に適した八角パイプを使用したパイプ構造を設計することができる。
八角パイプを用いた間口10.8mのAタイプ建物について説明したが、部材を共通化した規格サイズのパイプ温室は、積雪条件、立地地層条件に応じた、建物の構造を容易に決定することができる。
本発明は、広く、高く、倒伏耐性を備えた耐久性の高い八角パイプ建物を構築することができる。栽培用温室の柱材にH形鋼を使用する場合は、他に多くの種類の材料が必要となるが、八角パイプ材を用いることにより、少ない種類の材料で構築することができるので、組み立てが容易であり、費用も抑えることができる。
1 断面構造
2 妻面
3 側面
4 屋根面
5 平面
6 ドア
7 天窓
8 八角パイプ断面

11 柱部材
12 アーチ部材

21 クロスタイバー
22 水平タイバー
23 垂直タイバー
24 斜めタイバー

31 棟木
32a、32b アーチ部桁部材
33a、33b 柱部桁部材
34 地際桁部材
35 アーチ部筋交い
36 側面筋交い

41 肩部ジョイント部材
41a 結合片
41b 取付孔

42 棟部ジョイント部材
43 プレート(棟木用)
44 妻側肩部ジョイント
45 ビス穴
46 鞘管本体

52 クランプ

72 天窓受け直管

W 間口
H1 棟高
H2 軒高
D 奥行

Claims (10)

  1. 断面八角形の管材を用いて構築したことを特徴とする簡易建物。
  2. 農業用温室であることを特徴とする請求項1記載の簡易建物。
  3. 両側に立設された柱部材と頂部と両側の柱部材を連結するアーチ部材を備えており、各材が断面八角形の管材であることを特徴とする請求項1又は2記載の簡易建物。
  4. 一方のアーチ部材の下部と他方のアーチ部材の上部をクロスタイバーで連結することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の簡易建物。
  5. 両側のアーチ部材の部位間に水平タイバーを設けたことを特徴とする請求項4記載の簡易建物。
  6. アーチ部材とクロスタイバーを斜めタイバーで連結し、水平タイバーと建物頂部とを垂直タイバーで連結したことを特徴とする請求項5記載の簡易建物。
  7. 断面八角形の管材の接合部材が接合用鞘管であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の簡易建物。
  8. 結合片を有する接合用鞘管を柱部材とアーチ部材の接合に用い、結合片とクロスタイバーを軸着したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の簡易建物。
  9. 簡易建物頂部に棟木を備え、棟木から地際にかけて複数の桁部材を奥行き方向に設け、アーチ部分に上部筋交いを設け、立設された柱材部分に側部筋交いを設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の簡易建物。
  10. 作耕土壌より下層に杭を設けて必要な引き抜き耐力を備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の簡易建物。
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