以下に添付図面を参照して、この発明にかかるカード、カード決済装置、カード決済処理プログラムおよびカード決済処理方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
(クレジットカード100の外観)
実施の形態1にかかるカードの一例として、ICチップを備えたクレジットカードについて説明する。図1A〜図1Cは、この発明にかかる実施の形態1のカード(クレジットカード100)の外観を示す説明図である。図1Aにおいて、クレジットカード100は、ICチップ101を備えている。ICチップ101は、一般的なクレジットカードと同様に、接触型のICチップであり、クレジットカード100の「おもて面」の中央より左側のやや上側に設けられている。
また、図1Bは、クレジットカード100の「うら面」を示している。図1A、図1Bからもわかるように、実施の形態1にかかるクレジットカード100は、ICチップ101が設けられている以外は、エンボスの数字などもなく、また、文字や模様など一切印刷されていない。特に、「うら面」は、無模様かつ一色(たとえば白色)である。「おもて面」もICチップ101を除いて、「うら面」と同様である。
したがって、クレジットカード100には、カードの種類、カード会社名、カード会社のロゴマーク、カード番号、有効期限、所有者の氏名、セキュリティーコード、所有者の署名、カード会社に関する情報(住所、電話番号など)、その他の注意書きなどのいずれも記載されてはおらず、磁気コードもない。クレジットカード100は、まさに、いわゆる『のっぺらぼう』なカードである。
図示は省略するが、ICチップ101を非接触型にして、クレジットカード100内に埋め込んで内蔵させることによって「おもて面」も「うら面」と同様の外観とすることができる。ただし、その場合は、「おもて面」と「うら面」とを区別可能にするために、それぞれの面の色を変えるようにしてもよい。
図1Cは、図1Aに示したクレジットカード100の「おもて面」において、テンキー102およびディスプレイ103を表示させた状態を示している。クレジットカード100のおもて面は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーなどによる、表示/非表示の切り替えが可能なディスプレイからなり、通常は何も表示されないが、必要に応じて、テンキー102やディプレイ103を表示する。
したがって、クレジットカード100の材質は、従来のプラスチック製でなくてもよく、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーなどが搭載できる材質であるのが望ましい。
テンキー102の表示部分はタッチパネルとなっており、指などで接触することによって、表示されている数字をクレジットカード100(のICチップ101)に対して入力することができる。クレジットカード100の所有者は、このテンキー102を用いて暗証番号を入力する。また、ディスプレイ103は、カードの種類(たとえばカード会社を示す『VI●A』)や暗証番号入力に対する結果を含む文字(たとえば暗証番号を受け付けたことを示す『OK』や暗証番号が間違っていることを示す『NG』)などを表示する。
上述のように、入力された暗証番号に対応したカードの種類を表示するようにしたが、複数のクレジットカードに同一の暗証番号が設定されている場合も想定することができる。その場合には、当該暗証番号が入力されると、ディスプレイ103に、当該暗証番号に対応するすべてのカードの種類を、たとえば番号とともに、同時にまたは所定時間隔ごとに切り替えて表示するようにしてもよい(図示は省略)。そして、複数のカードの種類が表示された場合は、クレジットカード100の所有者は、たとえばカードの種類とともに表示される番号をテンキー102から入力することによって、所望のカードを選択するようにしてもよい。所望のカードが選択されると、当該選択された所望のカード以外のカードの種類の表示は消えるようにしてもよい。このようにして、決済に用いられるカードを確定させるようにしてもよい。
図1Cでは、テンキー102、ディスプレイ103は、ICチップ101が設けられている面(「おもて面」)と同じ面に表示するようにしたが、それに限定されるものではない。たとえば、図示は省略するが、テンキー102、ディスプレイ103の両方を、ICチップ101が設けられていない面(「うら面」)に設けてもよく、テンキー102、ディスプレイ103のいずれか一方のみを、ICチップ101が設けられていない面(「うら面」)に設けてもよい。また、テンキー102は、ディスプレイによって構成したが、それには限定されず、たとえば、あらかじめ印刷されており、タッチパネルなどの機能だけを備えていて、その印刷された数字を押下することによって、暗証番号を入力するようにしてもよい。
(クレジットカード100の機能的構成)
つぎに、実施の形態1にかかるカードであるクレジットカード100の機能的構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態1のカード(クレジットカード100)の機能的構成を示すブロック図である。図2のブロック図において、クレジットカード100は、記憶媒体201、暗証番号入力部202、暗証番号判断部203、判断結果表示部204、カード情報出力部205、カード情報出力許可部206を備えている。
記憶媒体201は、1つまたは複数のカード情報を記憶する。カード情報には、暗証番号情報が含まれる。記憶媒体201に記憶されるカード情報の具体例については後述する(図3を参照)。記憶媒体201は、具体的には、たとえば、図1A、図1Cに示したICチップ101内の所定の記憶領域および当該記憶領域へのデータの書き込みおよび読み出しをおこなう制御部によって、その機能を実現することができる。
暗証番号入力部202は、カードの所有者自らおこなう暗証番号の入力を受け付ける。暗証番号入力部202は、具体的には、たとえば、図1Cに示したテンキー102によって、その機能を実現することができる。
暗証番号判断部203は、暗証番号入力部202によって入力された暗証番号と、記憶媒体201に記憶された暗証番号情報とを比較し、一致する暗証番号情報があるか否かを判断する。暗証番号判断部203は、具体的には、たとえば、図1A、図1Cに示したICチップ101内の制御部によって、その機能を実現することができる。
判断結果表示部204は、暗証番号判断部203による判断結果に関する情報を表示する。判断結果表示部204は、具体的には、たとえば、図1Cに示したディスプレイ103によってその機能を実現することができる。図1Cでは、判断結果として、ディスプレイ103に『VI●A』などカード種類や『○○百貨店』など提携情報を表示する。この表示内容により、VI●Aカードについての暗証番号と一致し、そのカードにより決済が可能な状態となったことを示している。さらに、ディスプレイ103には、VI●Aカードのカード番号、有効期限、所有者の氏名、提携情報などをあわせて表示するようにしてもよい。
カード情報出力部205は、記憶媒体201に記憶されているカード情報を外部へ出力する。カード情報出力部205は、具体的には、たとえば、図1A、図1Cに示したICチップ101において外部とのデータの入出力を司るインタフェース部およびICチップ101内の制御部によって、その機能を実現することができる。
カード情報出力許可部206は、暗証番号判断部203による判断結果に基づいて、記憶媒体201に記憶された、一致した暗証番号情報に対応するカード情報を、カード情報出力部205が外部へ出力することを許可する。カード情報出力許可部206は、暗証番号判断部203による判断結果に基づいて、一致する暗証番号情報がなかった場合は、いずれのカード情報も、カード情報出力部205が外部へ出力することを許可しない。カード情報出力許可部206は、具体的には、たとえば、図1A、図1Cに示したICチップ101内の制御部によって、その機能を実現することができる。図1Cでは、カード1(VI●Aカード)のカード情報の出力が許可された状態を示している。
さらに、クレジットカード100は、図示は省略するが、各部へ供給する電池を内蔵していてもよい。また、電池に加えてまたは電池の代わりに、外部電源からの電力の供給を受けるための手段(電力取得部)を備えていてもよい。外部電源からの電力の供給を受けるための手段については、公知の技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。
(データ構成の一例)
つぎに、実施の形態1にかかるクレジットカード100の記憶媒体201に記憶されるカード情報の具体例について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態1のカード(クレジットカード100)の記憶媒体のデータ構成の一例を示す説明図である。
図3において、記憶媒体201は、3つの暗証番号情報(「暗証番号」)にそれぞれ対応する3つのカード情報を記憶する。カード情報には、通常のクレジットカードと同様に、決済に必要な情報を含む各種の情報が含まれる。たとえば、カードの種類(カード会社)に関する情報(「カード種類」)、カード番号に関する情報(「カード番号」)、カードの有効期限に関する情報(「有効期限」)、カード所有者の氏名に関する情報(「所有者氏名」)、クレジットカードが提携されている企業や特典の内容に関する情報(「提携情報」)などである。
図3においては、暗証番号が『1234』に対応する「カード1」のカード情報として、カード種類が『VI●A』、カード番号が『5555−123−4567』、有効期限が『19/04(2019年4月)』、所有者氏名が『TARO YAMADA』、提携情報が『○○航空』である。また、暗証番号が『9876』に対応する「カード2」のカード情報として、カード種類が『J●B』、カード番号が『4444−987−6543』、有効期限が『20/12(2020年12月)』、所有者氏名が『TARO YAMADA』、提携情報が『□□百貨店』である。また、暗証番号が『5432』に対応する「カード3」のカード情報として、カード種類が『MA●TER』、カード番号が『6666−3457−6789』、有効期限が『21/09(2021年9月)』、所有者氏名が『TARO YAMADA』、提携情報は無しである。
このように、カード情報は、暗証番号ごとに、暗証番号に対応させて記憶媒体201に記憶している。また、図示は省略するが、カードの所有者の画像情報を記憶媒体201に記憶しておいてもよい。
これらの暗証番号情報、カード情報およびカードの所有者の画像情報は、追加、削除、登録されている内容の変更をすることができる。暗証番号情報、カード情報およびカードの所有者の画像情報の追加、削除、登録は、記憶媒体201が書き換え可能なメモリーであれば、カード発行後におこなうことができる。記憶媒体201が書き換えできないメモリーであれば、暗証番号情報、カード情報およびカードの所有者の画像情報の追加、削除、登録が生じた場合は、新たなクレジットカードを発行し直すことによっておこなう。
(クレジットカード100の処理手順)
つぎに、実施の形態1にかかるクレジットカード100の処理手順について説明する。図4は、この発明にかかる実施の形態1のカード(クレジットカード100)の処理手順を示すフローチャートである。
図4のフローチャートにおいて、たとえば電源がオンになることで、テンキー102をクレジットカード100の「おもて面」の所定の位置に表示する(ステップS401)。電源のオンは、クレジットカード100に設けられた、図示を省略する所定のスイッチを入れることによっておこなわれる。また、テンキー102やディスプレイ103を表示する位置などの所定の位置を所定時間以上触れることによって、電源をオンするようにしてもよい。また、クレジットカード100を電力が供給可能な所定の位置に接触させたり、ICチップ101から電力の供給を受けるようにしてもよい。
つぎに、表示されたテンキー102から暗証番号が入力されたか否かを判断する(ステップS402)。暗証番号は、数字4桁の場合は、4つ目の数字が入力された時点で入力が完了するようにしてもよい。また、それ以外の暗証番号の場合は、『♯』が入力された時点で入力が完了するようにしてもよい。
ここで、暗証番号が入力されるのを待って(ステップS402:No)、入力された場合(ステップS402:Yes)は、入力された暗証番号と、記憶媒体201に記憶されている暗証番号情報との比較をおこない、一致する暗証番号情報があるか否かを判断する(ステップS403)。
ステップS403における判断の結果、一致する暗証番号情報があった場合(ステップS403:Yes)は、一致した暗証番号情報に対応するカード情報のうちのカードの種類に関する情報を表示画面(ディスプレイ103)に表示する(ステップS404)とともに、一致した暗証番号情報および一致した暗証番号情報に対応するカード情報の外部への出力許可を開始する(ステップS405)。
それから、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS406)。所定時間とは、決済処理がおこなわれる時間を想定して設定する。具体的には、3分〜5分程度が好ましい。所定時間が経過するのを待って(ステップS406:No)、経過した場合(ステップS406:Yes)は、一致した暗証番号情報および一致した暗証番号情報に対応するカード情報の外部への出力許可を停止し(ステップS407)、その後、ステップS409へ移行する。また、図示は省略するが、所定時間が経過する前であっても、決済処理が終了したことを認識して、カード情報の外部への出力許可を停止するようにしてもよい。それにより、より確実に不正な決済処理がおこなわれることを防止することができる。
ステップS403における判断の結果、一致する暗証番号情報がなかった場合(ステップS403:No)は、その旨の判断結果(『NG』)を表示画面(ディスプレイ103)に表示して(ステップS408)、その後、ステップS409へ移行する。
ステップS409において、たとえば電源をオフすることによって、テンキー102およびディスプレイ103を非表示とし(ステップS409)、一連の処理を終了する。
(クレジットカード100を用いた決済手順の一例)
このクレジットカード100によって決済をする際、まず、クレジットカード100の所有者は、クレジットカード100の電源をオンにし、テンキー102を表示させる。つぎに、テンキー102を用いて、利用するカードの種類に応じた暗証番号を入力する。入力後、ディスプレイ103に表示された表示内容(暗証番号入力に対する判断結果)を確認の上、店舗の店員に当該クレジットカード100を手渡す。
店舗店員は、当該所有者から手渡された当該クレジットカード100のICチップ101からカード情報および暗証番号情報を取得するために、当該クレジットカード100を、カード決済装置としての店舗端末装置(後述する図8、図9A、図9Bなど参照)にクレジットカード100をセットする。そして店舗店員は、店舗端末装置に対して決済金額の入力をおこなう。店舗店員による決済金額の入力は、たとえば、キーボードからの入力やバーコードスキャナによる入力などである。
店舗端末装置は、セットされたクレジットカード100から読み取られたカード情報、暗証番号と、店員によって入力された決済金額情報とをカード会社のサーバ(後述する図8など参照)に送信し、決済処理を要求する。暗証番号情報はカード情報とともに取得済みであるので、カード所有者に対して、あらためて、暗証番号の入力を要求することはない(または、念のため、暗証番号の入力を要求するようにしてもよい)。
その後、決済処理が終了すると、店舗端末装置によってレシートが印刷される。店舗店員は、当該レシートをカード所有者にクレジットカード100とともに手渡して、一連の決済手続は終了する。そして、クレジットカード100は、所定時間が経過後、電源がオフとなる。
このように、実施の形態1にかかるクレジットカード100によれば、クレジットカード100を利用する際に、カード所有者はクレジットカード100に直接に暗証番号を入力し、入力された暗証番号に対応するカード情報を所定時間のみ外部に出力し、決済処理が可能となるので、他人が当該クレジットカード100を見ただけでは、カード情報が分からず、悪用を防止することができる。
〔実施の形態2〕
つぎに、実施の形態2にかかるカードの一例であるクレジットカード500および当該クレジットカード500の決済装置、カード決済処理プログラムおよびカード決済処理方法について説明する。
(クレジットカード500の外観)
図5A、図5Bは、この発明にかかる実施の形態2のカード(クレジットカード500)の外観を示す説明図である。図5Aにおいて、クレジットカード500は、ICチップ501を備えている。ICチップ501は、非接触型のICチップであり、クレジットカード500内に埋め込んで内蔵してある。
また、図5Bは、クレジットカード500の「うら面」を示している。図5A、図5Bからもわかるように、実施の形態2にかかるクレジットカード500は、エンボスの数字などもなく、また、文字や模様など一切印刷されておらず、「おもて面」も「うら面」も、無模様かつ一色(たとえば白色)である。
したがって、クレジットカード500には、カードの種類、カード会社名、カード会社のロゴマーク、カード番号、有効期限、所有者の氏名、セキュリティーコード、所有者の署名、カード会社に関する情報(住所、電話番号など)、その他の注意書きなどのいずれも記載されてはおらず、磁気コードもない。クレジットカード500は、まさに、いわゆる『のっぺらぼう』なカードである。そのため、「おもて面」と「うら面」とを区別可能にするために、それぞれの面の色を変えるようにしてもよい。
このように、「おもて面」も「うら面」も何も表示されていないことから、外観上は、何のカードかもわからず、当然、クレジットカードであることすら認識することはできない。
ICチップ501が内蔵されていて、表面上は見えないこと、かつ、テンキー、ディスプレイを備えていない点で、実施の形態1におけるクレジットカード100とは異なる。ただし、ICチップ501は、実施の形態1におけるクレジットカード100と同様に、接触型のICチップを用いて、クレジットカード500の「おもて面」の中央より左側のやや上側に見えるように設けられていてもよい。
(クレジットカード500の機能的構成)
つぎに、実施の形態2にかかるカードであるクレジットカード500の機能的構成について説明する。図6は、この発明にかかる実施の形態2のカード(クレジットカード500)の機能的構成を示すブロック図である。図6のブロック図において、クレジットカード500は、記憶媒体601、暗証番号情報入力部602、暗証番号判断部603、カード情報出力部604、カード情報出力許可部605を備えている。
記憶媒体601は、1つまたは複数のカード情報を記憶する。カード情報には、暗証番号情報が含まれる。記憶媒体601に記憶されるカード情報の具体例は、図3に示した、実施の形態1における記憶媒体201と同様の内容である。記憶媒体601は、具体的には、たとえば、図5Aに示したICチップ501内の所定の記憶領域および当該記憶領域へのデータの書き込みおよび読み出しをおこなう制御部によって、その機能を実現することができる。
暗証番号情報入力部602は、外部装置の一例である、後述するカード決済装置(店舗端末装置)から出力された暗証番号にかかる情報(暗証番号情報)の入力を受け付ける。暗証番号情報入力部602は、具体的には、たとえば、図5Aに示したICチップ501において外部とのデータの入出力を司るインタフェース部およびICチップ501内の制御部によって、その機能を実現することができる。暗証番号をクレジットカードに直接入力しない点で、実施の形態1にかかるクレジットカード100の暗号番号入力部202とは異なる。
暗証番号判断部603は、暗証番号情報入力部602によって入力された暗証番号情報と、記憶媒体601に記憶された暗証番号情報とを比較し、一致する暗証番号情報があるか否かを判断する。暗証番号判断部603は、具体的には、たとえば、図5Aに示したICチップ501内の制御部によって、その機能を実現することができる。
カード情報出力部604は、記憶媒体601に記憶されているカード情報をカード決済装置(店舗端末装置)へ出力する。カード情報出力部604は、具体的には、たとえば、図5Aに示したICチップ501において外部とのデータの入出力を司るインタフェース部およびICチップ501内の制御部によって、その機能を実現することができる。
カード情報出力許可部605は、暗証番号判断部603による判断結果に基づいて、記憶媒体601に記憶された、一致した暗証番号情報に対応するカード情報を、カード情報出力部604が外部へ出力することを許可する。カード情報出力許可部605は、暗証番号判断部603による判断結果に基づいて、一致する暗証番号情報がなかった場合は、いずれのカード情報も、カード情報出力部604が外部へ出力することを許可しない。カード情報出力許可部605は、具体的には、たとえば、図5Aに示したICチップ501内の制御部によって、その機能を実現することができる。
さらに、クレジットカード500は、図示は省略するが、各部へ供給する電池を内蔵していてもよい。また、電池に加えてまたは電池の代わりに、外部電源からの電力の供給を受けるための手段(電力取得部)を備えていてもよい。
(クレジットカード500の処理手順)
つぎに、実施の形態2にかかるカード(クレジットカード500)の処理手順について説明する。図7は、この発明にかかる実施の形態2のカード(クレジットカード500)の処理手順を示すフローチャートである。
図7のフローチャートにおいて、カード決済装置(店舗端末装置)から暗証番号情報の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS701)。ここで、暗証番号情報の入力が受け付けられるのを待って(ステップS701:No)、入力が受け付けられた場合(ステップS701:Yes)は、入力された暗証番号情報と、記憶媒体601に記憶されている暗証番号情報との比較をおこない、一致する暗証番号情報があるか否かを判断する(ステップS702)。
ステップS702における判断の結果、一致する暗証番号情報があった場合(ステップS702:Yes)は、一致した暗証番号情報に対応するカード情報の外部、すなわちカード決済装置(店舗端末装置)への出力許可を開始する(ステップS703)。
それから、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS704)。所定時間とは、実施の形態1と同様に、決済処理がおこなわれる時間を想定して設定する。具体的には、3分〜5分程度が好ましい。所定時間が経過するのを待って(ステップS704:No)、経過した場合(ステップS704:Yes)は、一致した暗証番号情報に対応するカード情報の外部への出力許可を停止し(ステップS705)、一連の処理を終了する。また、図示は省略するが、所定時間が経過する前であっても、決済処理が終了したことを認識して、カード情報の外部への出力許可を停止するようにしてもよい。
ステップS702における判断の結果、一致する暗証番号情報がなかった場合(ステップS702:No)は、その旨の判断結果(『NG』)を外部、すなわちカード決済装置(店舗端末装置)へ出力して(ステップS706)、一連の処理を終了する。
(カード決済システム800のシステム構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2のカード決済装置を含むカード決済システムのシステム構成について説明する。図8は、この発明にかかる実施の形態2のカード決済装置(店舗端末装置820)を含むカード決済システムのシステム構成を示す説明図である。
図8において、カード決済システム800は、サーバ810、カード決済装置としての店舗端末装置820を含んで構成されている。カード決済システム800において、サーバ810および店舗端末装置820は、インターネットなどのネットワーク830に接続されている。
サーバ810は、パーソナル・コンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる。サーバ810は、利用者データベース811と、利用状況管理データベース812と、を備えている。
店舗端末装置820は、カード決済機能を備え、CAFISやINFOX−NETなどの決済用のネットワークを介して、インターネットなどのネットワーク830に接続されている。店舗端末装置820は、それぞれ、サーバ810との間で、ネットワーク830を介した通信が可能とされている。
カード決済システム800において、店舗端末装置820は、クレジットカード500などのカードを用いた決済(以下「カード決済」という)にかかる各種の処理をおこなうことができる。店舗端末装置820は、カード決済にかかる各種の処理の実行に際して、サーバ810との間で通信をおこなう。
また、カード決済システム800において、店舗端末装置820は、顧客とカード決済システム800とのインタフェースを司り、カードの利用状況を顧客に報知する。店舗端末装置820は、カード決済をおこなうごとにカードの利用状況を報知する。カードの利用状況の報知方法については、説明を後述する。
店舗端末装置820は、具体的には、たとえばCAT(Credit Authorization Terminal)端末などのカードの信用照会端末や、INFOX端末などの多機能決済端末などによって実現することができる。これらの端末装置は、電話回線の他、所定のネットワーク830を介してインターネットに接続可能とされている。また、これらの端末装置は、POS端末に接続され、あるいはPOS端末に一体に組み込まれ、POS端末を介してネットワーク830に接続されていてもよい。
(店舗端末装置820のハードウエア構成)
つぎに、店舗端末装置820のハードウエア構成について説明する。図9Aおよび図9Bは、この発明にかかる実施の形態2のカード決済装置(店舗端末装置820)のハードウエア構成を示すブロック図である。図9Aにおいては、カード決済に特化した機能を備えた店舗端末装置820のハードウエア構成を示している。図9Bにおいては、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置820のハードウエア構成を示している。
図9Aにおいて、カード決済に特化した機能を備えた店舗端末装置820は、CPU911と、ROM912と、RAM913と、ディスプレイ914と、キーボード915と、ネットワークI/F916と、ブザー917と、カードリーダ918と、プリンタ919と、を備えている。また、店舗端末装置820が備える各部911〜919は、バス920によってそれぞれ接続されている。
CPU911は、店舗端末装置820全体の制御を司る。ROM912は、カード決済に際して実行させる各種のプログラムなどを記憶している。RAM913は、CPU911のワークエリアとして使用される。CPU911は、カード決済に際して、ネットワークI/F916を介してサーバ810との間で通信をおこなう。
キーボード915は、カード決済をおこなう店舗の店員などによるカード決済にかかる各種の入力操作を受け付けたり、カードの所有者による暗証番号の入力操作を受け付けたりする。キーボード915は、入力された情報をCPU911に出力する。ディスプレイ914は、たとえば液晶パネルを備えた表示装置によって実現することができる。ディスプレイ914を実現する液晶パネルは、定型メッセージ、数字、記号などを表示することができる。また、ディスプレイ914を実現する液晶パネルは、7セグメント方式のディスプレイであってもよい。
ブザー917は、店舗端末装置820においてエラーが発生した場合などに所定のブザー音声を出力する。ブザー917としては、たとえば圧電ブザー、電子ブザー、電磁ブザーなど公知の各種のブザーを用いることができる。カードリーダ918は、カードを用いた決済において、クレジットカード500のICチップ501に記録されたデータを読み出す。また、ICチップ501に対して、所定のデータを入力する機能を備えている。
プリンタ919は、伝票用紙に対して決済の内容などを印字する印字処理をおこなう。プリンタ919は、たとえば複写が可能な伝票用紙に対する印字が可能なインパクトドットプリンタなどを用いることができる。プリンタ919は、インパクトドットプリンタに限るものではなく、サーマルプリンタ、レーザプリンタ、インクジェットプリンタなど公知の各種の印字方式のプリンタによって実現することができる。プリンタ919は、伝票用紙を保持する用紙保持機構、伝票用紙に対して印字をおこなうプリンタヘッドなどを備えて構成されている。
図9Bにおいて、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置820は、CPU921と、ROM922と、RAM923と、HDD924と、HD925と、ディスプレイ926と、タッチパネル927と、キーボード928と、バーコードスキャナ929と、プリンタ930と、ドロワ開放装置931と、ネットワークI/F932と、スピーカー933と、カードリーダ934と、を備えている。また、店舗端末装置820が備える各部921〜934は、バス935によってそれぞれ接続されている。
CPU921は、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置820全体の制御を司る。ROM922は、カード決済時、商品の売り上げ登録時あるいは売り上げの精算時などに実行させる各種のプログラムなどを記憶している。RAM923は、CPU921のワークエリアとして使用される。CPU921は、たとえばカード決済に際して、ネットワークI/F932を介してサーバ810との間で通信をおこなう。
カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置820は、サーバ810との間で直接通信をおこなうことができる。また、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置820は、店舗ごとあるいはグループごとに設けられたサーバコンピュータを介して、サーバ810との間で通信をおこなってもよい。
HDD924は、CPU921の制御にしたがって、HD925に対するデータのリード/ライトを制御する。HDD924は、HD925の制御によって書き込まれたデータを記憶する。具体的には、HD925は、たとえば商品マスタファイルや売り上げファイルなどを記憶している。カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置820における商品マスタファイルや売り上げファイルについては公知であるため説明を省略する。
ディスプレイ926は、たとえば液晶パネルを備えた表示装置によって実現することができる。ディスプレイ926は、カーソル、アイコン、ツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータに関するウインドウ(ブラウザ)を表示する。カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置820は、店員側に情報を表示するディスプレイ926と、顧客(カードの所有者)側に情報を表示するディスプレイ926とのように、1台あたり複数のディスプレイ926を備えていてもよい。
タッチパネル927は、ディスプレイ926に積層され、操作位置に応じた信号をCPU921に対して出力する。タッチパネル927は、たとえば抵抗膜方式や静電容量方式、音響パルス認識方式、超音波表面弾性波方式、赤外遮光方式、画像認識方式など公知の各種の方式のものを用いることができる。キーボード928は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、操作されたキーに応じた信号をCPU921に対して出力する。
バーコードスキャナ929は、商品に付されたバーコードや2次元コードなどを光学的に読み取ることが可能な光学式マーク認識装置(OMR:Optical Mark RecognitionもしくはOptical Mark Reader)によって実現することができる。バーコードスキャナ929は、LEDなどの光源、光源からの光を走査させるポリゴンミラー、読み取り対象物からの反射光を受光するセンサ、センサが受光した光信号をデコードするデコード回路などを備えている。センサとしてCCDイメージセンサを採用することにより、2次元コードを読み取ることが可能になる。デコード回路がデコードしたデータは、CPU921に出力される。
プリンタ930は、ロール紙に対して決済の内容などを印字する印字処理をおこなう。サーマルプリンタ、レーザプリンタ、インクジェットプリンタなど公知の各種の印字方式のプリンタによって実現することができる。プリンタ930は、ロール紙を保持するロール紙保持機構、ロール紙に対して印字をおこなうプリンタヘッド、印字済みのロール紙を任意の長さでカットするカッタ機構などを備えて構成されている。
ドロワ開放装置931は、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置820に対して所定の操作がおこなわれた場合に、当該店舗端末装置820に接続されたドロワ装置を開放する。ドロワ開放装置931は、具体的には、たとえばソレノイドなどによって実現することができ、キーボード928における「預/現計」キーの操作に応じてCPU921から出力された開放信号を受信した場合に動作してドロワ装置を解錠する。
スピーカー933は、商品をスキャンした場合の『ピッ』という音声やエラーなどの異常発生時の報知音を出力する。スピーカー933は、ボイスコイル(図示を省略する)を備えており、CPU921から出力された音声信号にしたがった電気信号をボイスコイルに印加することによって音声を出力する。カードリーダ934は、クレジットカード500のICチップ501に記録されたデータを読み出す。また、ICチップ501に対して、所定のデータを入力する機能を備えている。
(店舗端末装置820の機能的構成)
つぎに、実施の形態2にかかるカード決済装置としての店舗端末装置820の機能的構成について説明する。図10は、この発明にかかる実施の形態2のカード決済装置(店舗端末装置820)の機能的構成を示すブロック図である。図10のブロック図において、店舗端末装置820は、暗証番号入力部1001、暗証番号情報出力部1002、カード情報入力部1003、決済金額情報入力部1004、認証要求情報送信部1005、認証許可情報受信部1006、決済処理部1007、表示部1008と、を備えている。
暗証番号入力部1001、暗証番号情報出力部1002、カード情報入力部1003、決済金額情報入力部1004、認証要求情報送信部1005、認証許可情報受信部1006、決済処理部1007、表示部1008は、たとえば、店舗端末装置820が備える各部911〜919あるいは921〜934によって実現することができる。
暗証番号入力部1001は、カードの所有者自らおこなう暗証番号の入力を受け付ける。暗証番号入力部1001は、具体的には、たとえば、図9A、図9Bに示したキーボード915、928によって、その機能を実現することができる。
暗証番号情報出力部1002は、暗証番号入力部1001によって入力された暗証番号の情報を、クレジットカード500に対して出力する。暗証番号情報出力部1002は、具体的には、たとえば、図9A、図9Bに示したカードリーダ918、934などのクレジットカード500と接続されるインタフェースによって、その機能を実現することができる。
カード情報入力部1003は、クレジットカード500から出力されるカード情報、カードの所有者の画像情報、その他、クレジットカード500から出力される各種情報などを入力する。各種情報には、たとえば判断結果に関する情報(カード情報出力不許可(NG)情報など)が含まれる。カード情報入力部1003は、具体的には、たとえば、図9A、図9Bに示したカードリーダ918、934などのクレジットカード500と接続されるインタフェースによって、その機能を実現することができる。
決済金額情報入力部1004は、認証を要求するカード決済の利用金額情報(決済金額情報)の入力を受け付ける。決済金額情報入力部1004は、店舗端末装置820を操作する店舗店員などによる直接操作を受け付けることによって決済金額情報の入力を受け付ける。また、決済金額情報入力部1004は、たとえばPOS端末から出力された利用金額情報を受信することによって決済金額情報の入力を受け付けるようにしてもよい。
認証要求情報送信部1005は、カードの認証要求に関する情報をサーバ810へ送信する。カードの認証要求に関する情報は、カード情報入力部1003によって入力されたカード情報、認証を要求するカードでの今回の決済金額に関する情報、店舗端末装置820の識別情報を含んでいる。
認証許可情報受信部1006は、認証要求に対して、サーバ810から送信された許可情報および報知方法情報を受信する。
決済処理部1007は、認証許可情報受信部1006が受信した許可情報に基づいて認証が許可されたと判断した場合に、認証を要求したクレジットカード500による決済処理をおこなう。その際、すでに暗証番号入力部1001が暗証番号の入力を受け付けているので、再度の暗証番号の入力は要求しない(または、念のため、再度、暗証番号の入力を要求するようにしてもよい)。また、決済処理部1007は、さらに、店舗控用およびカード所有者の控用のレシートを、たとえば図9A、図9Bに示したプリンタ919、930などを用いて印刷する。
表示部1008は、カード情報入力部1003によって入力された情報の全部または一部、決済金額情報入力部1004によって入力された情報の全部または一部、認証許可情報受信部1006によって受信された情報の全部または一部を表示する。カード情報入力部1003によって入力された情報または認証許可情報受信部1006によって受信された情報には、クレジットカード500の所有者の画像(写真)情報が含まれていてもよい。表示部1008の具体的な表示例については、図11A、図11Bを用いて後述する。
(表示画面の一例)
図11A、図11Bは、この発明にかかる実施の形態2のカード決済装置(店舗端末装置820)に表示される表示画面例を示す説明図である。図11Aは、入力された暗証番号と一致する暗証番号情報があった場合を、図11Bは、入力された暗証番号と一致する暗証番号情報がなかった場合を、それぞれ示している。
図11Aにおいて、表示部1008によって表示される表示画面1101は、たとえば、クレジットカード500の記憶媒体601に記憶されている、一致する暗証番号情報に対応する、カード情報である「カード種類」、「カード番号」、「有効期限」、「所有者氏名」、「提携情報」などを表示する。入力された暗証番号に対応したカード情報を表示するようにしたが、複数のクレジットカードに同一の暗証番号が設定されている場合も想定することができる。その場合には、当該暗証番号が入力されると、表示部1008に、当該暗証番号に対応するすべてのカード情報を表示するようにしてもよい(図示は省略)。そして、複数のカード情報が表示された場合は、店舗の店員は、クレジットカード500の所有者に対して、所望のカードの選択を依頼し、決済に用いるカードを確定するようにしてもよい。
また、カード情報入力部1003によって入力されたカード情報に、カード所有者の画像(写真)情報が含まれている場合には、その画像(写真)情報1111も表示するようにしてもよい。入力された暗証番号については、不正使用を避けるために、表示しない。あるいは、カード所有者に確認するために、暗証番号の一部のみ表示するようにしてもよい。
また、決済金額情報入力部1004によって入力された決済金額に関する情報を表示するようにしてもよい。また、認証許可情報受信部1006によって受信した認証許可に関する情報も表示するようにしてもよい。カード情報入力部103によって入力されたカード情報に、カード所有者の画像(写真)情報が含まれていなくても、認証許可情報受信部1006によって受信した情報に、カード所有者の画像(写真)情報が含まれている場合には、その画像情報1111も表示するようにしてもよい。
カード情報入力部1003によって入力されたカード情報および認証許可情報受信部1006によって受信した情報の両方に、カード所有者の画像(写真)情報が含まれている場合には、図示は省略するが、その両方をそれぞれ並べて表示するようにしてもよい。並べて表示することにより、店舗店員がより確実にカード所有者が本人であることを確認することができる。
図11Bにおいて、表示部1008によって表示される表示画面1102は、判断結果がNGであり、カード情報がクレジットカード500から取得できなかった旨、および、その後のカード所有者に対する対応などについてを表示する。
(店舗端末装置820の処理手順)
つぎに、実施の形態2にかかるカード決済装置として店舗端末装置820の処理手順について説明する。図12は、この発明にかかる実施の形態2のカード決済装置(店舗端末装置820)の処理手順を示すフローチャートである。
図12のフローチャートにおいて、クレジットカード500が、店舗端末装置820の所定の位置にセットされたか否かを判断する(ステップ1201)。ここで、クレジットカード500が所定の位置にセットされるのを待って(ステップS1201:No)、セットされた場合(ステップS1201:Yes)は、つぎに、店舗端末装置820のキーボード915、928から、(カード所有者によって、)暗証番号が入力されたか否かを判断する(ステップS1202)。ここで、暗証番号が入力されるのを待って(ステップS1202:No)、入力された場合(ステップS1202:Yes)は、つぎに、入力された暗証番号にかかる暗証番号情報をクレジットカード500へ出力する(ステップS1203)。
その後、クレジットカード500からカード情報の入力があったか否かを判断する(ステップS1204)。ここで、カード情報の入力がなかった場合、すなわち、一致する暗証番号がなく、カード情報の代わりに判断結果(NG情報)が出力された場合(ステップS1204:No)は、たとえば図11Bのように、その旨(NG情報)および再度暗証番号を入力し直してもらう旨の情報を表示し(ステップS1205)、ステップS1202へ戻る。図示は省略するが、ステップS1202〜S1205を所定回数繰り返した場合には、ステップS1202へ戻らず、一連の処理を終了するようにしてもよい。
ステップS1204において、カード情報の入力があった場合(ステップS1204:Yes)は、つぎに、決済金額情報の入力があったか否かを判断する(ステップS1206)。ここで、決済金額情報の入力を待って(ステップS1206:No)、入力があった場合(ステップS1206:Yes)は、入力があったカード情報および決済金額情報を、たとえば図11Aのように表示する(ステップS1207)。そして、サーバ810に対して、認証要求情報を送信する(ステップS1208)。
その後、サーバ810からの認証許可情報を受信したか否かを判断する(ステップS1209)。ここで、認証許可情報を受信した場合(ステップS1209:Yes)は、認証処理を実行し(ステップS1210)、一連の処理を終了する。一方、認証許可情報を受信しなかった場合、すなわち、認証の許可がなされなかった場合(ステップS1209:No)は、当該クレジットカードでは認証することができないので、認証処理を実行することなく、一連の処理を終了する。
(クレジットカード500を用いた決済手順の一例)
このクレジットカード500によって決済をする際、まず、クレジットカード500の所有者は、店舗端末装置820の所定の位置にクレジットカード500をセットし(あるいは店舗の店員にクレジットカード500を手渡し、当該店員にセットしてもらい)、その後、キーボード(テンキー)915、928を用いて、利用するカードの種類に応じた暗証番号を入力する。入力後、暗証番号が正しければ、当該暗証番号に対応するカード情報がクレジットカード500から取得されて、店舗端末装置820のディスプレイ914、926に表示される。
そして店舗店員は、店舗端末装置820に対して決済金額の入力をおこなう。店舗店員による決済金額の入力は、たとえば、キーボード915、928からの入力やバーコードスキャナ929による入力などである。
店舗端末装置は、セットされたクレジットカード500から読み取られたカード情報、暗証番号と、店員によって入力された決済金額情報とをカード会社のサーバ810に送信し、決済処理を要求する。暗証番号情報はすでに取得済みであるので、カード所有者に対して、あらためて、暗証番号の入力を要求することはない(または、念のため、再度、暗証番号の入力を要求するようにしてもよい)。
その後、決済処理が終了すると、店舗端末装置820によってレシートが印刷される。店舗店員は、当該レシートをカード所有者にクレジットカード500とともに手渡して、一連の決済手続は終了する。
このように、実施の形態2にかかるクレジットカード500およびカード決済装置(店舗端末装置820)によれば、実施の形態1にかかるクレジットカード100と同様に、利用する際に、暗証番号が入力された場合にのみ、入力された暗証番号に対応するカード情報を外部に出力し、決済処理が可能となるので、他人が当該クレジットカード500を見ただけでは、カード情報が分からず、悪用を防止することができる。また、実施の形態2にかかるクレジットカード500は、カード決済装置に暗証番号入力部1001を備えているため、実施の形態1にかかるクレジットカード100と比較して、クレジットカード500に暗証番号を入力するためのテンキーも、判断結果を表示するためのキーボードも設ける必要がない。
〔実施の形態3〕
つぎに、実施の形態3にかかるカードの一例であるクレジットカード1300および当該クレジットカード1300の決済装置、カード決済処理プログラムおよびカード決済処理方法について説明する。
(クレジットカード1300の外観)
クレジットカード1300の外観は、図示は省略するが、実施の形態2にかかるクレジットカード500と同じである。すなわち、クレジットカード1300は、ICチップを備えている。ICチップは、非接触型のICチップであり、クレジットカード1300内に埋め込んで内蔵してある。
また、実施の形態3にかかるクレジットカード1300も、実施の形態2にかかるクレジットカード500と同様に、エンボスの数字などもなく、また、文字や模様など一切印刷されておらず、「おもて面」も「うら面」も、無模様かつ一色(たとえば白色)である。
したがって、クレジットカード1300には、カードの種類、カード会社名、カード会社のロゴマーク、カード番号、有効期限、所有者の氏名、セキュリティーコード、所有者の署名、カード会社に関する情報(住所、電話番号など)、その他の注意書きなどのいずれも記載されてはおらず、磁気コードもない。クレジットカード1300も、クレジットカード500と同様に、いわゆる『のっぺらぼう』なカードである。ICチップは、実施の形態1におけるクレジットカード100、実施の形態2にかかるクレジットカード500と同様に、接触型のICチップを用いて、クレジットカード1300の「おもて面」の中央より左側のやや上側に見えるように設けられていてもよい。
(クレジットカード1300の機能的構成)
つぎに、実施の形態3にかかるカードであるクレジットカード1300の機能的構成について説明する。図13は、この発明にかかる実施の形態3のカード(クレジットカード1300)の機能的構成を示すブロック図である。図13のブロック図において、クレジットカード1300は、記憶媒体1302、カード情報要求受付部1303、カード情報出力部1304と、を備えている。
記憶媒体1302は、1つまたは複数のカード情報を記憶する。カード情報には、暗証番号情報が含まれる。記憶媒体1302に記憶されるカード情報の具体例は、図3に示した、実施の形態1における記憶媒体201と同様の内容である。記憶媒体1302は、具体的には、たとえば、ICチップ内の所定の記憶領域および当該記憶領域へのデータの書き込みおよび読み出しをおこなう制御部によって、その機能を実現することができる。
カード情報要求受付部1303は、後述するカード決済装置(店舗端末装置1400)から出力された、暗証番号情報を含むカード情報の要求を受け付ける。カード情報要求受付部1303は、具体的には、たとえば、ICチップにおいて外部とのデータの入出力を司るインタフェース部およびICチップ内の制御部によって、その機能を実現することができる。
カード情報出力部1304は、記憶媒体1302に記憶されている、暗証番号情報を含むカード情報を、カード情報要求受付部1303が受け付けた要求に応じて、カード決済装置(店舗端末装置1400)へ出力する。カード情報出力部1304は、具体的には、たとえば、ICチップにおいて外部とのデータの入出力を司るインタフェース部およびICチップ内の制御部によって、その機能を実現することができる。
さらに、クレジットカード1300は、図示は省略するが、各部へ供給する電池を内蔵していてもよい。また、電池に加えてまたは電池の代わりに、外部電源からの電力の供給を受けるための手段(電力取得部)を備えていてもよい。
(店舗端末装置1400の機能的構成)
つぎに、実施の形態3にかかるカード決済装置としての店舗端末装置1400の機能的構成について説明する。なお、店舗端末装置1400を含むカード決済システムは、実施の形態2におけるカード決済システム800と同様であるので、その図示および説明は省略する。また、店舗端末装置1400のハードウエア構成は、店舗端末装置820のハードウエア構成と同様であるので、その図示および説明は省略する。
図14は、この発明にかかる実施の形態3のカード決済装置(店舗端末装置1400)の機能的構成を示すブロック図である。図14のブロック図において、店舗端末装置1400は、カード情報要求部1401、暗証番号情報入力部1402、暗証番号入力部1403、暗証番号判断部1404、カード情報入力部1405、決済金額情報入力部1406、認証要求情報送信部1407、認証許可情報受信部1408、決済処理部1409、表示部1410と、を備えている。
カード情報要求部1401は、暗証番号情報を含むカード情報の出力要求をクレジットカード1300に対しておこなう。カード情報要求部1401は、具体的には、たとえば、図9A、図9Bに示したカードリーダ918、934などのクレジットカード1300と接続されるインタフェースによって、その機能を実現することができる。
暗証番号情報入力部1402は、クレジットカード1300から出力される暗証番号情報を入力する。暗証番号情報入力部1402は、具体的には、たとえば、図9A、図9Bに示したカードリーダ918、934などのクレジットカード1300と接続されるインタフェースによって、その機能を実現することができる。
暗証番号入力部1403は、カードの所有者自らおこなう暗証番号の入力を受け付ける。暗証番号入力部1403は、具体的には、たとえば、図9A、図9Bに示したキーボード915、928によって、その機能を実現することができる。
暗証番号判断部1404は、暗証番号情報入力部1402と、暗証番号入力部1403によって入力された暗証番号情報とを比較し、一致する暗証番号情報があるか否かを判断する。暗証番号判断部1404は、図9A、図9Bに示したCPU911、921、ROM912、922、RAM913、923、HDD924、HD925などによって、その機能を実現する。
なお、カード情報入力部1405、決済金額情報入力部1406、認証要求情報送信部1407、認証許可情報受信部1408、決済処理部1409、表示部1410は、実施の形態2における店舗端末装置820のカード情報入力部1003、決済金額情報入力部1004、認証要求情報送信部1005、認証許可情報受信部1006、決済処理部1007、表示部1008と、同様の構成内容であるので、その説明は省略する。
(店舗端末装置1400の処理手順)
つぎに、実施の形態3にかかるカード決済装置として店舗端末装置1400の処理手順について説明する。図15は、この発明にかかる実施の形態3のカード決済装置(店舗端末装置1400)の処理手順を示すフローチャートである。
図15のフローチャートにおいて、クレジットカード1300が、店舗端末装置1400の所定の位置にセットされたか否かを判断する(ステップS1501)。ここで、クレジットカード1300が所定の位置にセットされるのを待って(ステップS1501:No)、セットされた場合(ステップS1501:Yes)は、クレジットカード1300に対して、暗証番号情報を要求する(ステップS1502)。そして、当該要求に応じて、クレジットカード1300から暗証番号情報を取得する(ステップS1503)。
つぎに、店舗端末装置1400のキーボード915、928から、(カード所有者によって、)暗証番号が入力されたか否かを判断する(ステップS1504)。ここで、暗証番号が入力されるのを待って(ステップS1504:No)、入力された場合(ステップS1504:Yes)は、ステップS1503において取得した暗証番号情報と、比較して、入力された暗証番号と一致する暗証番号情報があるか否かを判断する(ステップS1505)。
ステップS1505において、一致する暗証番号情報がない場合(ステップS1505:No)は、たとえば図11Bのように、その旨(NG情報)および再度暗証番号を入力し直してもらう旨の情報を表示し(ステップS1506)、ステップS1504へ戻る。図示は省略するが、ステップS1504〜S1506を所定回数繰り返した場合には、ステップS1504へ戻らず、一連の処理を終了するようにしてもよい。
ステップS1505において、一致する暗証番号情報がある場合(ステップS1505:Yes)は、当該一致する暗証番号情報に対応するカード情報を、クレジットカード1300に対して要求する(ステップS1507)。そして、当該要求に応じて、クレジットカード1300からカード情報を取得する(ステップS1508)。その後、ステップS1509へ移行する。
ステップS1509〜S1513の各工程における処理は、図12のフローチャートに示した実施の形態2にかかる店舗端末装置820のステップS1206〜S1210までと同様であるので、その説明は省略する。
(クレジットカード1300を用いた決済手順の一例)
このクレジットカード1300によって決済をする際、まず、クレジットカード1300の所有者は、店舗端末装置1400の所定の位置にクレジットカード1300をセットし(あるいは店舗の店員にクレジットカード1300を手渡し、当該店員にセットしてもらい)、その後、キーボード(テンキー)915、928を用いて、利用するカードの種類に応じた暗証番号を入力する。入力後、暗証番号が正しければ、当該暗証番号に対応するカード情報をクレジットカード1300から取得されて、店舗端末装置1400のディスプレイ914、926に表示される。
そして店舗店員は、店舗端末装置1400に対して決済金額の入力をおこなう。店舗店員による決済金額の入力は、たとえば、キーボード915、928からの入力やバーコードスキャナ929による入力などである。
店舗端末装置1400は、セットされたクレジットカード1300から読み取られたカード情報、暗証番号と、店員によって入力された決済金額情報とをカード会社のサーバ810に送信し、決済処理を要求する。暗証番号情報はすでに取得済みであるので、カード所有者に対して、あらためて、暗証番号の入力を要求することはない(または、念のため、再度、暗証番号の入力を要求するようにしてもよい)。
その後、決済処理が終了すると、店舗端末装置1400によってレシートが印刷される。店舗店員は、当該レシートをカード所有者にクレジットカード1300とともに手渡して、一連の決済手続は終了する。
このように、実施の形態3にかかるクレジットカード1300およびカード決済装置(店舗端末装置1400)によれば、実施の形態1、2にかかるクレジットカード100、500と同様に、利用する際に、暗証番号が入力された場合にのみ、入力された暗証番号に対応するカード情報を外部に出力し、決済処理が可能となるので、他人が当該クレジットカード1300を見ただけでは、カード情報が分からず、悪用を防止することができる。また、実施の形態3にかかるクレジットカード1300は、カード決済装置に暗証番号入力部1403を備えているため、実施の形態1にかかるクレジットカード100と比較して、クレジットカード1300に暗証番号を入力するためのテンキーも、判断結果を表示するためのキーボードも設ける必要がない。さらに、暗証番号が一致するかの判断手段をカード決済装置に設けたので、クレジットカード1300のICチップが、その判断をする必要もない。
以上説明したように、この実施の形態のクレジットカード100は、一つまたは複数の暗証番号情報を含むカード情報を記憶する記憶媒体201と、暗証番号を入力する暗証番号入力部202と、暗証番号入力部202によって入力された暗証番号と、記憶媒体201に記憶された暗証番号情報とを比較し、一致する暗証番号情報があるか否かを判断する暗証番号判断部203と、暗証番号判断部203による判断結果に基づいて、記憶媒体201に記憶された、一致した暗証番号情報に対応するカード情報の出力を許可するカード情報出力許可部206と、を備えているので、正しい暗証番号が入力されたときだけ、所望のカード情報が出力され、決済をおこなうことができる。したがって、それ以外では、カード情報を取得することはできず、他人が当該カード情報を悪用することを防止することができる。
また、この実施の形態のクレジットカード500は、一つまたは複数の暗証番号情報を含むカード情報を記憶する記憶媒体601と、カード決済装置(店舗端末装置820)から入力された暗証番号と、記憶媒体601に記憶された暗証番号情報とを比較し、一致する暗証番号情報があるか否かを判断する暗証番号判断部603と、暗証番号判断部603による判断結果に基づいて、記憶媒体601に記憶された、一致した暗証番号情報に対応するカード情報の出力を許可するカード情報出力許可部605と、を備えており、カード決済装置(店舗端末装置820)が、暗証番号を入力する暗証番号入力部1001と、入力された暗証番号情報をクレジットカード500へ出力する暗証番号情報出力部1002と、を備えているので、カード決済装置(店舗端末装置820)に対して正しい暗証番号が入力されたときだけ、所望のカード情報が出力され、決済をおこなうことができる。したがって、それ以外では、カード情報を取得することはできず、他人が当該カード情報を悪用することを防止することができる。
また、この実施の形態のクレジットカード100、500は、暗証番号判断部による判断結果に関する情報を表示する判断結果表示部を備えているので、暗証番号の入力が正しくおこなわれ、カード情報が確実に出力できるかどうかを容易にかつ確実に知ることができる。
また、この実施の形態のカード決済装置(店舗端末装置1400)は、カードに設けられた記憶媒体1302から、当該記憶媒体1302に記憶された少なくとも一つのカードの暗証番号情報を取得する暗証番号情報入力部1402と、暗証番号の入力を受け付ける暗証番号入力部1403と、暗証番号入力部1403により入力された暗証番号と、暗証番号情報入力部1402によって取得された暗証番号情報とを比較し、一致する暗証番号情報があるか否かを判断する暗証番号判断部1404と、暗証番号判断部1404による判断結果に基づいて、記憶媒体1302から、記憶媒体1302に記憶された、一致した暗証番号情報に対応するカード情報を取得するカード情報入力部1405と、カード情報入力部1405により取得されたカード情報を用いて決済処理を実行する決済処理実行部(認証要求情報送信部1407、認証許可情報受信部1408、決済処理部1409)と、を備えているので、カード決済装置(店舗端末装置1400)に対して正しい暗証番号が入力されたときだけ、所望のカード情報が出力され、決済をおこなうことができる。したがって、それ以外では、カード情報を取得することはできず、他人が当該カード情報を悪用することを防止することができる。
また、この実施の形態のカード決済装置(店舗端末装置1400)は、カード情報入力部1405により取得されたカード情報の一部を表示する表示部1410を備えているので、カード所有者あるいは店舗店員が、取得したカード情報の内容を容易にかつ確実に知ることができ、決済処理を安全にかつ円滑におこなうことができる。
カード情報入力部1405は、暗証番号判断部1404による判断結果に基づいて、記憶媒体1302から、記憶媒体1302に記憶された、カードの所有者の画像情報を取得し、表示部1410は、画像情報を表示することができるので、店舗店員がカード所有者の肖像を容易に確認することができ、決済処理をより安全にかつ円滑におこなうことができる。
なお、この実施の形態で説明したカード決済処理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。