JP2016166995A - ガラスの加工方法、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネル。 - Google Patents

ガラスの加工方法、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネル。 Download PDF

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Abstract

【課題】スループットが充分に優れるガラスの加工方法、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネルの提供。
【解決手段】ガラス基板1上に設けられる、ポジ型感光性樹脂組成物10を用いて形成した感光層の一部を露光・現像し、前記ガラス基板の表面の一部を露出させるパターンを有するレジスト層11を形成する第一の現像工程と、前記パターンを有するレジスト層11をマスク材として、前記ガラス基板を弗化水素酸含有水溶液によりエッチングする第一のエッチング工程と、前記パターンを有するレジスト層11の一部を露光・現像し、前記パターンを有するレジスト層11の一部を除去し、パターンを有するレジスト層12を形成する第二の現像工程と、前記パターンを有するレジスト層12をマスク材として、前記ガラス基板を弗化水素酸含有水溶液によりエッチングする第二のエッチング工程と、を備えるガラスの加工方法。
【選択図】図1

Description

本開示は、ポジ型感光性樹脂組成物を用いたガラスの加工方法、並びにその加工方法を用いたタッチパネルの製造方法及びタッチパネルに関する。
近年、スマートフォンやタブレット端末等のポーダブル機器の普及によりタッチパネルの需要が高まっている。タッチパネルのタッチセンサー部は、視覚的情報を表示する範囲(ビューエリア)において、人の指等の接触による位置情報を検出するセンサー部位と、位置情報を外部素子に伝えるための引き出し配線部位と、人の指等が接触する接触部位と、を備える構成となっている。
接触部位には、一般的に、ガラス基板(カバーガラス)が使用されている。このようなガラスの加工方法として、感光性樹脂組成物を用いて形成されるレジストパターンをマスクとし、弗化水素酸溶液を用いてガラスをエッチング処理する化学的工法が提案されている。このような化学的工法は、グラインダやルータ等を用いる物理的工法と比較し、加工後にクラックが入りにくく、ガラス強度の低下を抑制する技術として検討が進められている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
特開2008−76768号公報 特開2013−29687号公報
しかしながら、先行技術文献に記載のガラスの加工方法は、スループットが充分に優れているとはいえない場合があった。
そこで、本発明は、スループットが充分に優れるガラスの加工方法、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネルを提供することを目的とする。
本開示の一実施形態は、ガラス基板上に、ポジ型感光性樹脂組成物を用いてマスク材を形成し、次いで、弗化水素酸含有水溶液により、第一のエッチングをし、次いで、露光及び現像処理を施し、次いで、第二のエッチングをするガラスの加工方法に関する。また、そのガラスの加工方法を用いたタッチパネルの製造方法、及びタッチパネルに関する。
本実施形態のガラスの加工方法によれば、深さ方向が異なるエッチング加工を、ガラス基板に施すことが可能であり、スループットが特に優れる。また、そのタッチパネルの製造方法は、スループットを向上させることができる。また、ガラス基板上に加飾印刷材料を埋め込むための額縁状の凹部を形成し、そこに加飾印刷材料を埋め込むことにより、加飾印刷部と非加飾印刷部の段差が低減され、タッチセンサー部に使用する金属電極が断線しない高品質の加飾カバーガラス一体型タッチパネルを提供することができる。
本実施形態に係るガラスの加工方法の一例を、工程順ごとに断面図で示したものである。 本実施形態に係るガラスの加工方法を用いたタッチパネルの製造方法の一例を、工程順に断面図で示したものである。 本実施形態に係るタッチパネルの製造方法の図2に記載の(工程7)の、上面図である。 本実施形態に係るタッチパネルの製造方法の図2に記載の(工程8)の、上面図である。 本実施形態に係るタッチパネルの製造方法の図2に記載の(工程9)の、上面図である。 本実施形態に係るタッチパネルの製造方法の図2に記載の(工程10)の、上面図である。
以下、本開示の一実施形態について詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
[実施形態1:ガラスの加工方法]
以下、図面を参照しながらガラスの加工方法について詳細に説明する。
本実施形態におけるガラスの加工方法は、パターン有するレジスト層を繰り返し形成可能な、ポジ型感光性樹脂組成物を利用するものである。
はじめに、ガラス基板1に対し、感光層10を形成する〔図1(工程1、工程2参照)〕。
感光層10の形成方法に関して特に限定はないが、生産性に優れ、膜厚を調整しやすいという観点から、スピンコート法又はラミネート法が好ましい。
次いで、フォトマスク2及び活性光線3を用いて、感光層10に対して露光する。次いで、感光層10の露光部をアルカリ性水溶液により現像し、感光層の除去部4を形成する〔図1(工程3)参照〕。
活性光線3の光源としては、従来公知の光源(例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光等を有効に放射するもの)が用いることができる。また、レーザー直接描画露光法等を用いてもよい。
現像に用いるアルカリ性水溶液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア等の弱アルカリ無機化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等の弱アルカリ有機化合物;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド等を溶解した水溶液が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて水溶液として用いてもよい。また、現像方式としては、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、これらは単独で用いても併用してもよい。
次いで、感光層の除去部4を形成したパターンを有する感光層(R1)11をマスク材として、弗化水素酸含有水溶液を用いてガラス基板1をエッチングし、ガラス基板の除去部5を形成する〔図1(工程4)参照〕。エッチングによって、ガラス基板を深さ方向の少なくとも一部をエッチングすればよく、貫通するようにエッチング(貫通エッチング)であってもよい。
次いで、ガラス基板1上に形成したパターンを有する感光層(R1)11に対して、フォトマスク2’及び活性光線3’を用いて露光し、次いで、アルカリ性水溶液によって現像し、パターンを有する感光層(R2)12を形成する〔図1(工程5)参照〕。
次いで、パターンを有する感光層(R2)12をマスク材として、弗化水素酸含有水溶液を用いてガラス基板1をエッチングする〔図1(工程6)参照〕。エッチングによって、ガラス基板に凹部6を形成してもよい。
弗化水素酸含有水溶液としては、ふっ化水素酸の濃度が0.5〜20質量%であることが好ましく、8〜18質量%であることがより好ましい。ふっ化水素酸の濃度をこれらの範囲とすることで、適度に高いエッチングレートが得られ、高い生産性を保ちながら、エッチング深さを容易に調整できる傾向がある。また、ふっ化水素酸は、硫酸、硝酸、塩酸等の酸、界面活性剤等の有機化合物を含んでいてもよい。
次いで、剥離液を用いて、パターンを有する感光層(R2)12を除去してもよい〔図1(工程7)〕。
剥離液としては、例えば、上述の現像工程に用いるアルカリ性水溶液よりも、強いアルカリ性の水溶液を用いることができる。この強いアルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。中でも、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を用いることが好ましく、1〜5質量%水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を用いることがより好ましい。また、剥離方式としては、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、これらは単独で用いても併用してもよい。
本実施形態を用いることで、従来の方法に比べて、スループットが向上し、また、少量の感光性樹脂組成物によって、例えば、大判のガラス基板からガラス基板を個片化し、さらに、その個片化したガラス基板上に任意のエッチング深さを有するガラス基板の除去部を形成することができる。また、大幅な経済的恩恵を得ることができる。なお、本実施形態のガラスの加工方法は、基板の加工方法として適用できる。すなわち、ガラス基板の他に、例えば、金属表面を有する基板、透明導電層(ITO等)を有する基板、等の加工に用いることができる。エッチング液は、加工される基板に合わせて選択することができる。
以上、本実施形態におけるガラスの加工方法、及び基板の加工方法について説明したが、本加工方法はこれらに限定されるものではない。必要に応じて、例えば、ポジ型感光性樹脂組成物の開口パターンや、その開口幅、ガラス基板をエッチングする深さ等を任意で調整することができる。
以下に、その例として、本実施形態におけるガラスの加工方法を利用する、タッチパネルの製造方法について述べる。
[実施形態2:タッチパネルの製造方法]
本実施形態に係るタッチパネルの製造方法は、前述したガラスの加工方法を利用して大判のガラス基板を個片化後に、加飾印刷を埋め込むための額縁状の凹部を個片化したガラス基板上に設け、加飾印刷部と非加飾印刷形成部の段差を低減させ、高品質なタッチパネルを提供することができる。
以下、図面を参照しながら説明する。
ガラス基板の凹部6の形成までは、前述したガラスの加工方法の実施形態と同様のプロセスで行う。ただし、本タッチパネルの製造工程においては、図3に示すように、ガラスの除去部6を形成することができる。ガラスの除去部は、いわゆる、額縁状に形成してもよい〔図2(工程7)、及び図3(工程7)参照〕。
次いで、額縁状に形成したガラス基板の凹部6に対し、加飾印刷7を形成することができる〔図2(工程8)、及び図4(工程8)参照〕。
加飾印刷の形成方法としては、印刷法、フォトリソグラフィー法、転写法等が挙げられ、特に、容易に加飾印刷パターンが形成可能であるという観点から、印刷法が好ましい。
次いで、加飾印刷を施したガラス基板の面全体を覆うようにオーバーコート層8を形成することができる〔図2(工程9)、及び図5(工程9)参照〕。
オーバーコート層8としては、前記ガラス基板や加飾印刷等に用いられる材料の主成分との優れた密着性や、その他、透明性、耐熱性、及び機械的強度があるものなら特に限定はないが、光硬化性樹脂が好ましく、アクリル系の光硬化性樹脂含有組成物がより好ましい。また、オーバーコート層8の形成方法としては、生産性に優れ、容易に形成できるという観点から、スピンコート法又はラミネート法が好ましい。
次いで、オーバーコート層8上にタッチセンサー部9を形成することでできる。これによって、タッチパネルのカバーガラスとすることができる。
タッチセンサー部9に用いる電極材料としては、例えば、透明導電膜やメタルメッシュが挙げられ、これらは単独、または組合せて用いることができる。また、これらに限定せず、導電性を有する材料であれば、有機系、無機系問わず用いることができる。
[ポジ型感光性樹脂組成物]
本実施形態のガラスの加工方法及びタッチパネルの製造方法には、繰り返し現像が可能なポジ型感光性樹脂組成物であれば、制限なく用いることができるが、ガラスに対する密着性及び繰り返し現像性に優れるという観点で、(A)クレゾール樹脂と、(B)光酸発生剤と、(C)密着性付与剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物を用いることができる。なお、本明細書において、これらの成分は、単に(A)成分、(B)成分、(C)成分等と称することがある。
以下、ポジ型感光性樹脂組成物を構成する各成分について詳細に説明する。
<(A)成分>
(A)成分として用いるクレゾール樹脂は、メタクレゾール、パラクレゾール、オルトクレゾールから選ばれる1種以上のクレゾール化合物を含むフェノール化合物と、アルデヒド化合物との重縮合生成物である。クレゾール樹脂は、ノボラック型クレゾール樹脂であることが好ましい。重縮合は、例えば酸等の触媒存在下で行われる。
重縮合に用いられるフェノール化合物は、メタクレゾール及びパラクレゾールを主成分として含んでもよい。この場合、メタクレゾールとパラクレゾールとの質量比に関して、露光部の現像性及び未露光部の耐現像液性の観点から、メタクレゾール/パラクレゾールが30/70〜70/30であることが好ましく、35/65〜65/35であることがより好ましく、40/60〜60/40であることが更に好ましい。
重縮合に用いられるフェノール化合物は、クレゾール化合物以外のフェノール化合物をさらに含むことができる。クレゾール化合物以外のフェノール化合物は、置換されていてもよいフェニル基と該フェニル基に結合したフェノール性水酸基とを有する化合物であればよく、例えば、フェノール;2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−ブチルフェノール、3−ブチルフェノール、4−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のアルキルフェノール;メトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール等のアルコキシフェノール;ビニルフェノール、アリルフェノール等のアルケニルフェノール;ベンジルフェノール等のアラルキルフェノール;メトキシカルボニルフェノール等のアルコキシカルボニルフェノール;ベンゾイルオキシフェノール等のアリールカルボニルフェノール;クロロフェノール等のハロゲン化フェノール;及び、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール等のポリヒドロキシベンゼンからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり得る。これらのフェノール化合物は本発明が趣旨を逸脱しない範囲で用いることができる。例えば、クレゾール化合物以外のフェノール化合物の量は、アルデヒド化合物との重縮合に用いられるフェノール化合物の総量を基準として30質量%以下であることが好ましい。
アルデヒド化合物は、アルデヒド基を有しフェノール化合物と重縮合反応する化合物であればよく、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、グリセルアルデヒド及びグリオキシル酸メチル等から選ばれる。パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒドの前駆体をフェノール化合物との反応に用いてもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
パラクレゾール及びメタクレゾールを含むフェノール化合物から得られるノボラック型クレゾール樹脂を感光性樹脂組成物が含有する場合、その重量平均分子量(以下、場合により「Mw」ともいう)は、感光特性(感度及び解像性)と機械的強度とをよりバランスよく向上させる観点で、108〜30000であることが好ましく、1000〜15000であることがより好ましい。中でも、ラミネート速度を考慮すると、重量平均分子量は低いことが特に好ましく、機械的強度を考慮すると、重量平均分子量は高いことが特に好ましい。
本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。
パラクレゾール及びメタクレゾールを含むフェノール化合物から得られるノボラック型クレゾール樹脂を感光性樹脂組成物が含有する場合、その含有割合は、感光層の機械的強度と現像性とをよりバランスよく向上させる観点から、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して5〜55質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましく、15〜45質量部であることが更に好ましい。
オルトクレゾールを含むフェノール化合物から得られるノボラック型クレゾール樹脂を感光性樹脂組成物が含有する場合、その重量平均分子量は、感光層における未露光部の耐現像液性と露光部の現像性とをよりバランス良く向上できる観点から、500〜5000であることが好ましく、800〜4000であることがより好ましく、1000〜3000であることが特に好ましい。
オルトクレゾールを含むフェノール化合物から得られるノボラック型クレゾール樹脂を感光性樹脂組成物が含有する場合、その含有割合は、感光層の現像性と種々の導体を備える基板に対する密着性との両立の観点から、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して20〜60質量部であることが好ましく、30〜50質量部であることがより好ましく、35〜45質量部であることが更に好ましい。
(A)成分は、不飽和炭化水素基を有するクレゾール樹脂(以下「変性クレゾール樹脂」ということがある)を含有してもよい。変性クレゾール樹脂を用いることで、感光層を形成した時の可とう性を更に向上させることができる。不飽和炭化水素基を有する変性クレゾール樹脂としては、不飽和炭化水素基を有する化合物で変性された、不飽和炭化水素基を有する化合物を含むクレゾール化合物から得られるクレゾール樹脂を用いることができる。不飽和炭化水素基を有する変性クレゾール樹脂として、クレゾール樹脂を、不飽和炭化水素基を有する化合物で変性した樹脂を用いることもできる。
不飽和炭化水素基を有する変性クレゾール樹脂は、密着性及び可とう性を更に向上させる観点から、2以上の不飽和炭化水素基を有することができる。不飽和炭化水素基は、例えば、アルケンジイル基(−CH=CH−)であってもよい。感光性樹脂組成物を調製するときの相溶性及び感光層の可とう性を更に向上させる観点からは、不飽和炭化水素基含有化合物の炭素数は4〜100が好ましく、8〜80がより好ましく、10〜60が更に好ましい。
不飽和炭化水素基を有する上記化合物としては、例えば、炭素数4〜100の不飽和炭化水素、カルボキシル基を有するポリブタジエン、エポキシ化ポリブタジエン、リノリルアルコール、オレイルアルコール、不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸エステル等が挙げられる。好適な不飽和脂肪酸としては、例えば、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α−リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられる。これらの中でも特に、炭素数8〜30の不飽和脂肪酸と、炭素数1〜10の1価から3価のアルコールとのエステルがより好ましく、炭素数8〜30の不飽和脂肪酸と3価のアルコールであるグリセリンとのエステルが特に好ましい。
炭素数8〜30の不飽和脂肪酸とグリセリンとのエステルは、例えば、植物油として商業的に入手可能である。植物油の主成分は、それぞれ組成を異にする各種不飽和脂肪酸とグリセリンとのエステルの混合物であり、不飽和脂肪酸としては、上記不飽和脂肪酸が挙げられる。植物油としては、例えば、ヨウ素価が100以下の不乾性油、ヨウ素価が100を超えて130未満の半乾性油、ヨウ素価が130以上の乾性油等が挙げられる。不乾性油としては、例えば、オリーブ油、あさがお種子油、カシュウ実油、さざんか油、つばき油、ひまし油、落花生油等が挙げられる。半乾性油としては、例えば、コーン油、綿実油、ごま油等が挙げられる。乾性油としては、例えば、桐油、亜麻仁油、大豆油、胡桃油、サフラワー油、ひまわり油、荏の油、芥子油等が挙げられる。また、炭素数8〜30の不飽和脂肪酸とグリセリンとのエステルとして、これらの植物油を加工して得られる加工植物油を用いてもよい。
フェノール化合物又はクレゾール樹脂と、植物油との反応において、過度の反応の進行に伴うゲル化を防ぎ、歩留まりが向上する観点から、上記植物油の中でも、不乾性油を用いることが好ましい。一方、レジストパターンの密着性及び機械的強度が向上する観点では、乾性油を用いることが好ましい。乾性油の中でも、レジストパターンの密着性及び可とう性がより一層優れる観点から、桐油、亜麻仁油、大豆油、胡桃油又はサフラワー油が好ましく、桐油又は亜麻仁油がより好ましい。
不飽和炭化水素基を有する化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
感光性樹脂組成物が不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂を含有する場合、その重量平均分子量は、感光特性(感度及び解像性)と機械的強度とをよりバランスよく向上させる観点で、108〜30000であることが好ましく、1000〜15000であることがより好ましく、1500〜13000であることが更に好ましい。中でも、ラミネート速度を考慮すると、重量平均分子量は低いことが特に好ましく、機械的強度を考慮すると、重量平均分子量は高いことが特に好ましい。不飽和炭化水素基を有する変性クレゾール樹脂の重量平均分子量の下限値は、108であることが好ましく、1000であることがより好ましく、1500であることが更に好ましい。不飽和炭化水素基を有する変性クレゾール樹脂の重量平均分子量の上限値は、30000であることが好ましく、15000であることがより好ましく、13000であることが更に好ましい。
感光性樹脂組成物が不飽和炭化水素基を有する変性クレゾール樹脂を含有する場合、その含有割合は、ポジ型感光性樹脂組成物から形成される感光層の機械的強度と露光部の現像性とをよりバランスよく向上させる観点から、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して10〜35質量部であることが好ましく、15〜30質量部であることがより好ましく、15〜25質量部であることが更に好ましい。
クレゾール化合物を含むフェノール化合物とアルデヒド化合物との重縮合には、従来公知のフェノール樹脂の合成条件を用いることができる。重縮合反応には、酸触媒又は塩基触媒を用いることが好ましく、酸触媒を用いることがより好ましい。酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸等が挙げられる。これらの酸触媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記重縮合は、反応温度100〜120℃で行うことが好ましい。反応時間は使用する触媒の種類又は量により異なるが、通常1〜50時間である。反応終了後、反応生成物を200℃以下の温度で減圧脱水することで、不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂が得られる。反応には、トルエン、キシレン、メタノール等の溶媒を用いることができる。
不飽和炭化水素基を有する変性クレゾール樹脂を調製する場合、まず、上記フェノール化合物と不飽和炭化水素基を有する上記化合物とを反応させ、不飽和炭化水素基を有するフェノール化合物(変性フェノール化合物)を作製することができる。上記反応は、50〜130℃で行うことが好ましい。フェノール化合物と不飽和炭化水素基を有する化合物との反応割合は、ポジ型感光性樹脂組成物から形成される感光層の可とう性を向上させる観点から、フェノール化合物100質量部に対し、不飽和炭化水素基を有する化合物1〜100質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。上記反応においては、必要に応じてp−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を触媒として用いてもよい。
上記反応により生成する不飽和炭化水素基を有する変性フェノール化合物と、アルデヒド化合物とを重縮合させることにより、不飽和炭化水素基を有するクレゾール樹脂(変性クレゾール樹脂)を得ることができる。
不飽和炭化水素基を有する変性クレゾール樹脂は、上述の不飽和炭化水素基を有する変性フェノール化合物を、m−キシレンのようなフェノール化合物以外の芳香族化合物とともにアルデヒド化合物と重縮合することにより得ることもできる。この場合、フェノール化合物体と不飽和炭化水素基を有する化合物とを反応させて得られる変性フェノール化合物に対するフェノール化合物以外の芳香族化合物のモル比は、0.5未満であることが好ましい。
不飽和炭化水素基を有する変性クレゾール樹脂は、メタクレゾール、パラクレゾール及びオルトクレゾールから選ばれる1種以上のクレゾール化合物を含むフェノール化合物とアルデヒド化合物との重縮合によって得られるクレゾール樹脂と、不飽和炭化水素基を有する化合物とを反応させて得ることもできる。
クレゾール樹脂と不飽和炭化水素基を有する化合物との反応は、反応温度50〜130℃で行うことが好ましい。また、クレゾール樹脂と不飽和炭化水素基を有する化合物との反応割合は、感光層の可とう性を向上させる観点から、フェノール樹脂100質量部に対し、不飽和炭化水素基を有する化合物が1〜100質量部であることが好ましく、2〜70質量部であることがより好ましく、10〜30質量部であることが更に好ましい。このとき、必要に応じて、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を触媒として用いてもよい。なお、反応にはトルエン、キシレン、メタノール、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いることができる。
<(B)成分>
(B)成分である光酸発生剤は、光により酸を発生する化合物(又は感光剤)ともいえる。このような(B)成分は、光照射により酸を発生させ、光照射した部分のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有する。(B)成分の具体例としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。これらの中で、感度が高いことから、1,2−キノンジアジド化合物が好ましい。
1,2−キノンジアジド化合物は、1,2−キノンジアジド及び/又はその誘導体である。1,2−キノンジアジド誘導体は、例えば、水酸基又はアミノ基を有する有機化合物と、スルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物との反応により得られる化合物である。このとき、水酸基又はアミノ基と、1,2−キノンジアジド化合物のスルホ基又はスルホニルクロリド基とが結合する。この結合は、得られる1,2−キノンジアジド誘導体の分子内に一つ以上あればよい。
上記スルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物としては、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、及びオルトアントラキノンジアジドスルホニルクロリドが挙げられる。これらの中でも、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド及び1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドからなる群より選ばれる1種以上の化合物が好ましい。これらのスルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物は、溶剤によく溶解することから、水酸基又はアミノ基を有する上記有機化合物との反応効率を高めることができる。
水酸基又はアミノ基を有する上記有機化合物としては、例えば、ポリヒドロキシベンゾフェノン類、ビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体、フェノール、p−メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、没食子酸、アニリン、p−アミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ノボラック、ピロガロール−アセトン樹脂、p−ヒドロキシスチレンのホモポリマー又はこれと共重合し得るモノマーとの共重合体が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリヒドロキシベンゾフェノン類としては、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ−2’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,6−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,5−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン及び2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類としては、例えば、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2’,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−{1−[4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール及び3,3’−ジメチル−{1−[4−〔2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノールが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
トリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体としては、例えば、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン及びビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体としては、例えば、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−チルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン及びビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
これらの中でも、水酸基又はアミノ基を有する上記有機化合物は、ポリヒドロキシベンゾフェノン類、ビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン類、及び/又は、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類であることが好ましい。
水酸基を有する上記有機化合物は、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物であることがより好ましい。この場合、感光性樹脂組成物への光照射前と光照射後との現像液に対する溶解度差が大きくなるため、画像コントラストにより優れるという利点がある。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
Figure 2016166995
Figure 2016166995
Figure 2016166995
ここで、式(1)〜(3)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立に水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、又は、置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基を示し、Xは単結合、酸素原子又はフェニレン基を示す。
水酸基を有する上記有機化合物が上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物である場合、スルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物が、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、及び/又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドであることが好ましい。これらのスルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物は、上記一般式(1)〜(3)で表される化合物との相溶性が良好であることから、(a)成分と(b)成分とを混合した場合に生じる凝集物の発生量を低減させることができる。また、これらを含む感光性樹脂組成物をポジ型フォトレジストの感光性成分として用いると、感度、画像コントラスト及び耐熱性により優れるものとなる。
上記一般式(1)〜(3)で表される化合物は、下記化学式(4)〜(6)のいずれかで表される化合物であることがより好ましい。この場合、光感度により優れるという利点がある。
Figure 2016166995
Figure 2016166995
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上記化学式(4)〜(6)で表される化合物を用いた1,2−キノンジアジド誘導体の合成方法としては、下記の方法が挙げられる。すなわち、例えば、上述の化学式(4)〜(6)のいずれかで表される化合物と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−スルホニルクロリドとを、ジオキサン、THFのような溶媒中に添加し、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、炭酸アルカリ又は炭酸水素アルカリ等のアルカリ触媒存在下で反応させる方法が挙げられる。このとき、上記化学式(4)〜(6)で表される化合物の水酸基と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−スルホニルクロリドのスルホニル基とが縮合した1,2−キノンジアジド化合物が合成される。得られる1,2−キノンジアジド化合物の分子内において、化学式(4)〜(6)で表される化合物の水酸基と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−スルホニルクロリドのスルホニル基との結合は少なくとも一つあればよい。
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−スルホニルクロリドとしては、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、又は、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドが好適である。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
感光性樹脂組成物中の(B)成分の含有量は、感光特性及び機械特性の観点から、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の総量100質量部に対して、3〜30質量部であることが好ましく、5〜25質量部であることがより好ましく、10〜20質量部であることが特に好ましい。
<(C)成分>
形成した感光層のガラス基板への密着性をより向上させる観点から、ポジ型感光性樹脂組成物は、(C)成分として密着性付与剤を含有することができる。
密着性付与剤としては、含窒素化合物、シランカップリング剤、アルミキレート剤等の接着助剤を用いることができる。
含窒素化合物としては、アゾール基、アミノ基、アミド基、イミノ基、イミド基等を有することが好ましく、例えば、イミダゾール、ピラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、メルカプトトリアゾール等のトリアゾ−ル系化合物、アルキルアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、アニリン、エチレンジアミン、カテコールアミン、エチレンジアミン四酢酸、ビピリジン、ターピリジン及びフェナントロリンが挙げられる。これらの含窒素化合物は、単独、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
シランカップリング剤としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基又はアミノ基の反応性置換基を有していることが好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
アルミキレート剤としては、例えば、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート及びアルミニウムトリスアセチルアセトネートが挙げられる。これらのアルミキレート剤は、単独、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの接着助剤の中でも特に、現像性、及びフェノールノボラック系樹脂との反応性の観点から、シランカップリング剤が好ましい。
ポジ型感光性樹脂組成物中に接着助剤を配合する場合の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.2〜8質量部であることが好ましく、0.5〜4質量部であることが更に好ましい。
以上に述べたように、ポジ型感光性樹脂組成物を用いたガラスの加工方法、及びガラスの加工方法も利用したタッチパネルの製造方法により、加飾カバーガラス一体型タッチパネルを高品質で、比較的容易な工程で効率良く提供することが可能となる。
1:ガラス基板
2、2´:フォトマスク
3、3´:活性光線
4、4´:感光層の除去部
5:ガラス基板の除去部
6:ガラス基板の凹部
7:加飾部
8:オーバーコート層
9:タッチセンサ部
10:感光層
11:パターンを有する感光層(R1)
12:パターンを有する感光層(R2)

Claims (9)

  1. ガラス基板上に設けられる、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成した感光層の一部を露光する第一の露光工程と、
    前記感光層を現像し、前記ガラス基板の表面の一部を露出させるパターンを有するレジスト層を形成する第一の現像工程と、
    前記パターンを有するレジスト層(R1)をマスク材として、前記ガラス基板を弗化水素酸含有水溶液によりエッチングする第一のエッチング工程と、
    前記パターンを有するレジスト層(R1)の一部を露光する第二の露光工程と、
    前記パターンを有するレジスト層(R1)を現像し、前記パターンを有するレジスト層(R1)の一部を除去し、パターンを有するレジスト層(R2)を形成する第二の現像工程と、
    前記パターンを有するレジスト層(R2)をマスク材として、前記ガラス基板を弗化水素酸含有水溶液によりエッチングする第二のエッチング工程と、を備えるガラスの加工方法。
  2. 前記第一のエッチング工程において、前記ガラス基板を深さ方向の少なくとも一部をエッチング又は貫通エッチングする請求項1に記載のガラスの加工方法。
  3. 前記パターンを有するレジスト層(R2)を剥離する工程を、さらに備える、請求項1又は2に記載のガラスの加工方法。
  4. 前記第二のエッチング工程において、凹部を形成する工程を、さらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラスの加工方法。
  5. 前記ポジ型感光性樹脂組成物が、(A)クレゾール樹脂、(B)光酸発生剤、(C)密着性付与剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラスの加工方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラスの加工方法を用いてなされる、タッチパネルの製造方法。
  7. 請求項4に記載のガラスの加工方法を用いてなされ、前記凹部に、加飾部を形成する工程を、さらに備える、タッチパネルの製造方法。
  8. 前記加飾部が、額縁状を形成する、請求項7のタッチパネルの製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項に記載のタッチパネルの製造方法により得られる、タッチパネル。
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