JP2016166757A - Nh3センサの故障検知方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】NH3検知電極を光触媒材料で構成したNH3センサの故障検知方法を提供すること。
【解決手段】NH3センサは、NH3検知電極と、NH3検知電極を構成する材料とは異なる材料で構成された基準電極と、これら基準電極及びNH3検知電極が接合された酸素イオン導電性の固体電解質体と、NH3検知電極、基準電極、及び固体電解質体の近傍に設けられたヒータと、を備え、NH3検知電極と基準電極との間でNH3に応じた起電力MAIN−EMFを発生する。このNH3センサの故障検知方法は、ヒータを用いてNH3センサの温度を変化させる温度変化工程と、NH3センサの温度を変化させた際における起電力MAIN−EMFの変化を取得し、この起電力MAIN−EMFの変化に基づいてNH3センサの故障を検知する故障検知工程と、を備える。
【選択図】図9
【解決手段】NH3センサは、NH3検知電極と、NH3検知電極を構成する材料とは異なる材料で構成された基準電極と、これら基準電極及びNH3検知電極が接合された酸素イオン導電性の固体電解質体と、NH3検知電極、基準電極、及び固体電解質体の近傍に設けられたヒータと、を備え、NH3検知電極と基準電極との間でNH3に応じた起電力MAIN−EMFを発生する。このNH3センサの故障検知方法は、ヒータを用いてNH3センサの温度を変化させる温度変化工程と、NH3センサの温度を変化させた際における起電力MAIN−EMFの変化を取得し、この起電力MAIN−EMFの変化に基づいてNH3センサの故障を検知する故障検知工程と、を備える。
【選択図】図9
Description
本発明は、NH3センサの故障検知方法に関する。
車両には、内燃機関や排気の状態を把握するため、酸素濃度センサ、NOxセンサ、及び温度センサ等の様々なセンサが搭載されている。また、走行中の車両においてこれらセンサの故障を検知する方法も数多く提案されている。例えば特許文献1には、両電極を同一の材料で構成したNOxセンサが開示されている。そして特許文献2には、このようなNOxセンサに対する故障検知方法が開示されている。より具体的には、特許文献2の方法では、センサに設けられたヒータを用いてセンサ素子を所定の温度で加熱保持し、その時のインピーダンス抵抗値を用いてセンサの故障を検知する。
ところで近年では、アンモニア(NH3)を還元剤として排気中のNOxを選択的に還元するNH3選択還元触媒に関する研究が盛んである。このNH3選択還元触媒を備えた排気浄化システムでは、NH3選択還元触媒の上流側から尿素水を供給し、この尿素水から排気の熱で熱分解又は加水分解することでNH3を生成し、このNH3によって排気中のNOxを選択的に還元する。このような排気浄化システムにおける尿素水噴射制御には、NH3センサが用いられる場合がある。
またNH3センサとしては、NH3検知電極を光触媒材料で構成するものが提案されている。このNH3センサでは、NH3検知電極を熱によって活性化させることによってB酸点を発現させ、このB酸点によって極性分子であるNH3を選択的に吸着することによって、排気中のNH3を精度良く検出する。しかしながら、このようなNH3センサの故障を車両の走行中に検知する技術については、これまで十分に検討されていない。
本発明は、NH3検知電極を光触媒材料で構成したNH3センサの故障検知方法を提供することを目的とする。
(1)NH3センサ(例えば、後述のNH3センサ5)は、内燃機関(例えば、後述のエンジン1)の排気通路(例えば、後述の排気管11)内に晒されたNH3検知電極(例えば、後述のNH3検知電極513)と、前記NH3検知電極を構成する材料とは異なる材料で構成されかつ前記排気通路内に晒された基準電極(例えば、後述の基準電極512)と、前記基準電極及び前記NH3検知電極が接合された酸素イオン導電性の固体電解質体(例えば、後述の固体電解質体511)と、前記NH3検知電極、前記基準電極、及び前記固体電解質体の近傍に設けられたヒータ(例えば、後述のヒータ53)と、を備え、前記NH3検知電極と前記基準電極との間でNH3に応じた起電力(例えば、後述のMAIN−EMF)を発生する。このNH3センサの故障検知方法は、前記ヒータを用いて前記NH3センサの温度を変化させる温度変化工程(例えば、後述の図8のS3の工程)と、前記NH3センサの温度を変化させた際における前記起電力の変化を取得し、当該起電力の変化に基づいて前記NH3センサの故障を検知する故障検知工程(例えば、後述の図8のS2〜S12の工程)と、を備えることを特徴とする。
(2)この場合、前記温度変化工程では、前記ヒータを、オンにし、その後オフにし、その後再びオンにすることによって前記NH3検知電極の温度を変化させることが好ましい。
(3)この場合、前記固体電解質体には、NH3に対する選択性を有さずNO2に対する選択性を有しかつ前記排気通路内に晒された比較用電極(例えば、後述のNO2検知電極514)が接合され、前記温度変化工程では、前記NH3検知電極とともに前記比較用電極の温度を変化させ、前記故障検知工程では、前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を変化させた際における前記NH3検知電極と前記基準電極との間で発生する第1起電力(MAIN−EMF)の変化及び前記比較用電極と前記基準電極との間で発生する第2起電力(SUB−EMF)の変化を取得し、これら第1及び第2起電力の変化を比較することによって前記NH3センサの故障を検知することが好ましい。
(4)この場合、前記温度変化工程では、前記ヒータをオンにすることによって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を所定の高温側設定温度まで上昇させ、その後オフにし前記温度を所定の低温側設定温度まで低下させ、その後再びオンにすることによって前記温度を前記高温側設定温度まで上昇させ、前記故障検知工程では、前記温度変化工程によって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を前記高温側設定温度と前記低温側設定温度との間で変化させたときにおける前記第1起電力及び前記第2起電力の軌跡を取得し、前記第1起電力及び前記第2起電力の両方又は何れかの軌跡がヒステリシス特性を有さない場合には、前記NH3センサは故障したと判定することが好ましい。
(5)この場合、前記故障検知工程では、前記ヒータをオンからオフにし前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を低下させたときにおける前記第1起電力及び前記第2起電力の軌跡をそれぞれ第1降温時軌跡及び第2降温時軌跡とし、前記ヒータをオフからオンにし前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を上昇させたときにおける前記第1起電力及び前記第2起電力の軌跡をそれぞれ第1昇温時軌跡及び第2昇温時軌跡とし、所定の故障判定温度における前記第1降温時軌跡と前記第1昇温時軌跡との差分値(ΔMAIN−EMF)が、前記故障判定温度における前記第2降温時軌跡と前記第2昇温時軌跡との差分値(ΔSUB−EMF)以下である場合には前記NH3センサは故障したと判定することが好ましい。
(6)この場合、前記故障検知工程では、前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を変化させている間に、前記第1起電力が前記第2起電力より高くなった場合には、前記NH3検知電極又は前記NH3検知電極と前記固体電解質体との接合部に故障が生じたと判定することが好ましい。
(7)この場合、前記温度変化工程において、前記ヒータをオンにすることによって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を所定の第1温度(例えば、後述の高温側設定温度)まで上昇させ、前記ヒータをオフにすることによって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を所定の第2温度(例えば、後述の低温側設定温度)まで低下させ、その後前記ヒータをオンにすることによって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を前記第1温度まで上昇させることを1回のサイクルとして、前記故障検知工程では、2回のサイクルにわたり続けて前記第1起電力が前記第2起電力より高くなった場合には、前記NH3検知電極又は前記NH3検知電極と前記固体電解質体との接合部に故障が生じたと判定することが好ましい。
(8)この場合、前記固体電解質体には、NH3に対する選択性を有さずNO2に対する選択性を有しかつ前記排気通路内に晒された比較用電極が接合され、前記温度変化工程では、前記ヒータをオンにすることによって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を所定の高温側設定温度まで上昇させ、その後オフにし前記温度を所定の低温側設定温度まで低下させ、その後再びオンにすることによって前記温度を前記高温側設定温度まで上昇させ、前記NH3検知電極と前記基準電極との間で発生する起電力を第1起電力と定義し、前記比較用電極と前記基準電極との間で発生する起電力を第2起電力と定義し、前記故障検知工程では、前記温度変化工程によって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を前記高温側設定温度と前記低温側設定温度との間で変化させたときにおける前記第1起電力及び前記第2起電力の軌跡を取得し、前記第1起電力及び前記第2起電力の両方又は何れかの軌跡がヒステリシス特性を有さない場合には、前記NH3センサは故障したと判定することが好ましい。
(1)ヒータを用いてNH3センサの温度を変化させると、固体電解質体並びにこれに接合されたNH3検知電極及び基準電極等を構成する材料のバンドギャップが変化し、これによってNH3検知電極及び基準電極の間で発生する起電力も、これらを構成する材料の物性に応じた態様で変化する。本発明では、ヒータを用いてNH3センサの温度を変化させた際における起電力の変化を取得し、この変化に基づいてNH3センサの故障を検知する。これにより、車両の走行中であっても容易にNH3センサの故障を検知できる。特にNH3検知電極と固体電解質体との接合に不具合が生じた場合には、この不具合は上述のように温度を変化させた時の起電力の変化に現れやすい。よって本発明によれば、このようなNH3検知電極と固体電解質体との接合の不具合に起因する故障を容易に検知できる。
(2)本発明では、ヒータをオンにすることによってNH3センサを所定の温度まで昇温し、その後ヒータをオフにすることによってNH3センサを所定の温度まで降温し、その後再びヒータをオンにすることによってNH3センサを所定の温度まで昇温し、このときの起電力の変化に基づいてNH3センサの故障を検知する。このように本発明では、NH3センサの昇温時及び降温時の両方の時における起電力の変化を用いることによって、故障の検知精度を向上できる。
(3)本発明では、固体電解質体にNH3に対する選択性を有さずNO2に対する選択性を有する比較用電極をさらに接合する。この比較用電極及び基準電極の間に生じる起電力(第2起電力)も、NH3検知電極及び基準電極の間の起電力(第1起電力)と同様に、NH3センサの温度に応じて変化する。このため、第2起電力の変化は、降温時や昇温時における第1起電力の変化に基づいてNH3センサの故障を判定する際の比較対象となる。本発明では、これら第1及び第2起電力の変化を比較することにより、精度良くNH3センサの故障を検知できる。第1起電力はその温度だけでなく様々な要因によって変化するので、第1起電力の変化のみでNH3センサの故障を検知した場合には、誤判定が生じる場合がある。本発明では、第1及び第2起電力の比較を用いてNH3センサの故障を検知することにより、このような誤判定を防止できる。
(4)NH3検知電極や比較用電極を固体電解質体と接合すると、これら異種材料の境界面では界面分極が発生する。またこのような分極の発生に起因して、NH3センサの温度変化によって生じる第1起電力及び第2起電力の変化にはヒステリシスが現れる。すなわち、高温側設定温度から低温側設定温度へ変化させたときにおける第1及び第2起電力の軌跡は、それぞれ低温側設定温度から高温側設定温度へ変化させたときにおける軌跡と異なる。本発明では、このようなヒステリシス特性の有無によってNH3センサの故障を検知することにより、故障検知精度をさらに向上できる。
(5)NH3検知電極や比較用電極を固体電解質体と接合すると、上述のようにNH3センサの温度変化によって生じる第1起電力及び第2起電力の変化にはヒステリシスが現れる。すなわち、第1及び第2降温時軌跡はそれぞれ第1及び第2昇温時軌跡と一致せず、これら降温時軌跡と昇温時軌跡との間には、NH3検知電極や比較用電極に用いる材料に応じた差分値が生じる。本発明では、このような第1降温時軌跡と第1昇温時軌跡の差分値と第2降温時軌跡と第2昇温時軌跡の差分値との比較に基づいてNH3センサの故障を検知することにより、故障検知精度をさらに向上できる。
(6)上述のようにNH3センサの温度を変化させると、NH3検知電極及び比較用電極を構成する材料の物性に応じた態様で変化する。この際、NH3検知電極及び比較用電極が共に正常な状態でありかつ固体電解質体に適切に接合されていれば、第1起電力は第2起電力よりも低い値を推移する。本発明では、第1起電力が第2起電力より高くなった場合には、NH3検知電極又はこれと固体電解質体との接合部に故障が生じたと判定する。なお、比較用電極に故障が生じても第1起電力が第2起電力より高くなる場合はあり得る。しかしながらNH3検知電極は、熱や物理的な衝撃に弱い光触媒材料が用いられる場合があるため、比較用電極と比べて故障が生じやすい。よって比較用電極の故障を除外し、上述のようにNH3検知電極が故障したと判定することは妥当である。
(7)NH3検知電極や比較用電極は排気通路内に晒されるため、その上流から何らかの理由によって流れてきた硫黄成分によって一時的に被毒する場合がある。この場合、NH3検知電極に故障が生じていなくても第1起電力と第2起電力との間の大小関係が逆転する場合がある。本発明では、ヒータを用いて電極温度を第1温度→第2温度→第1温度と変化させることを1回のサイクルと定義し、2回のサイクルにわたり続けて第1起電力が第2起電力より高くなった場合には、NH3検知電極等が故障したと判定する。これにより、電極の一時的な被毒に起因する誤判定を防止できる。
(8)本発明によれば、上記(4)の発明とほぼ同等の効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の内燃機関(以下、「エンジン」という)1及びその排気浄化システム2の構成を示す図である。排気浄化システム2は、エンジン1の排気ポートから延びる排気管11に設けられた触媒浄化装置3と、これらエンジン1及び触媒浄化装置3を制御する電子制御ユニット7と、を備える。
図1は、本実施形態の内燃機関(以下、「エンジン」という)1及びその排気浄化システム2の構成を示す図である。排気浄化システム2は、エンジン1の排気ポートから延びる排気管11に設けられた触媒浄化装置3と、これらエンジン1及び触媒浄化装置3を制御する電子制御ユニット7と、を備える。
エンジン1は、例えば、空燃比をストイキよりもリーンとする所謂リーン燃焼を基本としたもの、より具体的にはディーゼルエンジンやリーンバーンガソリンエンジン等である。エンジン1には、各シリンダに燃料を噴射する燃料噴射弁17が設けられている。この燃料噴射弁17を駆動するアクチュエータは、ECU7に電磁的に接続されている。エンジン1の空燃比は、吸気制御弁16によってシリンダ内に導入される新気の量、及びエンジン1の各シリンダに設けられた燃料噴射弁17からの燃料噴射量等を、電子制御ユニット7によって調整することで制御される。以下では、エンジン1の燃料噴射制御等の実行に係る電子制御ユニットをFI−ECU71という。
触媒浄化装置3は、上流触媒コンバータ31と、排気浄化フィルタ32と、下流触媒コンバータ33と、尿素水供給装置4と、NH3センサ5と、を備える。上流触媒コンバータ31は、排気管11のうちエンジン1の直下に設けられている。下流触媒コンバータ33は、排気管11のうち上流触媒コンバータ31より下流側に設けられている。排気浄化フィルタ32は、排気管11のうち上流触媒コンバータ31と下流触媒コンバータ33との間に設けられている。これら上流触媒コンバータ31及び下流触媒コンバータ33には、エンジン1の排気に含まれるCO、HC、NOx等の成分を浄化する反応を促進するための触媒が設けられている。
上流触媒コンバータ31は、フロースルー型のハニカム構造体を基材として、この基材に酸化触媒を担持して構成される。エンジン1から排出された排気に含まれるHCやCOは、この上流触媒コンバータ31を通過する過程で酸化触媒の作用によって酸化され、浄化される。また、排気に含まれるNOも、上流触媒コンバータ31を通過する過程でNO2に酸化される。エンジン1の直下の排気に含まれるNOxのうちほぼ全てはNOでありNO2はほとんど含まれていない(NO2/NOx比がほぼ0)。このため、上流触媒コンバータ31でNOを酸化しNO2を生成することにより、下流触媒コンバータ33に流入する排気のNO2/NOx比を、後述のSCR触媒におけるNOx浄化性能が最適化される約0.5まで上昇させることができる。
排気浄化フィルタ32は、多孔質壁で区画形成された複数のセルを有するウォールフロー型のハニカム構造体と、各セルに対し上流側と下流側とで互い違いに設けられた目封じと、を備える。エンジン1から排出された排気に含まれるスート及びSOF等の粒子状物質(Particulate Matter、以下単に「PM」という)は、フィルタ32の多孔質壁の細孔を通過する過程で捕集される。フィルタ32に過剰な量のPMが堆積すると、圧力降下が増加し、これによってエンジン1における燃料噴射量が増加し、結果として燃費が悪化するおそれがある。そこでFI−ECU71は、フィルタ32におけるPM堆積量を監視しており、PM堆積量が所定量を超えたと判断すると、これを契機としてポスト噴射等によってフィルタ32を昇温し、堆積したPMを強制的に燃焼除去するフィルタ再生処理を実行する。このフィルタ再生処理の詳細な手順については説明を省略する。
下流触媒コンバータ33は、フロースルー型のハニカム構造体を基材として、この基材にNH3選択還元触媒(以下、「SCR触媒」という)を担持して構成される。このSCR触媒は、NH3の存在する雰囲気下で排気中のNOxを選択的に還元するNOx浄化機能を備える。具体的には、後述の尿素水インジェクタ42からNH3が供給されると、このNH3によって、下記3種類の反応式に従って、排気中のNOxを選択的に還元する。
NO+NO2+2NH3→2N2+3H2O
4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O
6NO2+8NH3→7N2+12H2O
NO+NO2+2NH3→2N2+3H2O
4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O
6NO2+8NH3→7N2+12H2O
また、このSCR触媒は、上記NOx浄化機能を備えるとともに、NH3を所定の量だけ貯蔵するNH3貯蔵機能も備える。以下では、SCR触媒に貯蔵されたNH3の量をNH3ストレージ量といい、このNH3ストレージ量の限界を最大NH3ストレージ量という。SCR触媒のNH3ストレージ量が最大NH3ストレージ量を超えると、その下流へNH3がスリップする。このようにしてSCR触媒に貯蔵されたNH3は、尿素水インジェクタ32から供給されたNH3と合わせて排気中のNOxの還元に適宜消費される。なお、SCR触媒に多くのNH3が存在すると、流入するNOxとの反応性が向上する。したがって、SCR触媒のNOx浄化機能は、そのNH3ストレージ量が多くなるほど向上する。
尿素水供給装置4は、尿素水タンク41と尿素水インジェクタ42とを備える。尿素水タンク41は、NH3の前駆体である尿素水を貯蔵する。尿素水タンク41は、尿素水供給路43及び図示しない尿素水ポンプを介して尿素水インジェクタ42に接続されている。尿素水インジェクタ42は、図示しないアクチュエータで駆動されると開閉し、尿素水タンク41から供給される尿素水を、SCR触媒における還元剤として排気管11内の下流触媒コンバータ33の上流側に噴射する。インジェクタ42から噴射された尿素水は、排気中又は下流触媒コンバータ33においてNH3に加水分解され、NOxの還元に消費される。
尿素水インジェクタ42のアクチュエータは、電子制御ユニット7に電磁的に接続されている。電子制御ユニット7は、SCR触媒においてNH3を用いた最適なNOx浄化が実現されるように適切な尿素水の噴射量を決定するとともに、決定した量の尿素水が噴射されるように尿素水インジェクタ42を駆動する尿素水噴射制御を実行する。この尿素水噴射制御は、例えば、エンジン1から排出されるNOx量に基づくフィードフォワード制御と、NH3センサ5によって検出されるNH3濃度に基づくフィードバック制御とを組み合わせて構成される。以下では、このような尿素水噴射制御の実行に係る電子制御ユニットをDCU(Dosing Control Unit)72という。
NH3センサ5は、排気管11に設けられ、その検出素子5dが下流触媒コンバータ33の下流側の排気に晒されるようになっている。NH3センサ5は、後に図3を参照して詳述するように作用し、下流触媒コンバータ33の下流側の排気中のNH3等の成分に応じて変動する2つの信号(後述の起電力MAIN−EMF及びSUB−EMF)を電子制御ユニット7に出力する。電子制御ユニット7では、NH3センサ5からの出力信号に基づいて下流触媒コンバータ33の下流側の排気のNH3濃度を算出する。ここで算出されるNH3濃度は、上述のようにDCU72における尿素水噴射制御に用いられる。以下では、NH3センサ5の制御に係る電子制御ユニットをセンサコントローラ73という。
図2は、NH3センサの検出素子5dの断面図である。検出素子5dは、排気に晒され排気中のガス成分に応じた信号を発生するガス検出ユニット51と、ガス検出ユニット51の温度に応じた信号を発生する温度検出ユニット52と、ガス検出ユニット51を加熱するヒータ53と、を図2に示すように積層して構成される。
ガス検出ユニット51は、板状の固体電解質体511と、この固体電解質体511の一方の面に沿って設けられた板状の基準電極512と、固体電解質体511の他方の面のうち基準電極512と対向する位置に設けられた板状のNH3検知電極513及びNO2検知電極514と、これら電極513,514を保護する多孔質体の保護層515と、を積層して構成される。このガス検出ユニット51は、基準電極512側の面を温度検出ユニット52に向けて、多孔質体のスペーサ54を介して温度検出ユニット52に接合される。ガス検出ユニット51と温度検出ユニット52とをスペーサ54を介して接合することにより、これらユニット51,52の間には排気が通流する中空部55が形成される。
固体電解質体511には、酸素イオン(O2−)導電性の半導体材料が用いられる。より具体的には、固体電解質体511の材料としては、例えばジルコニア(ZrO2)に酸化イットリア(Y2O3)を添加して得られる金属酸化物半導体が用いられる。
基準電極512には、酸素分子(O2)に対する活性を有する金属材料が用いられる。より具体的には、基準電極512の材料としては、例えば白金(Pt)が用いられる。基準電極512は、中空部55を介して排気に晒されるように固体電解質体511の表面に接合される。基準電極512には金属材料が用いられ、固体電解質体511には半導体材料が用いられる。したがって基準電極512と固体電解質体511との接合は、オーミック接合又はショットキー接合となっている。基準電極512としてこのようなO2に対する活性を有する金属材料を用いることにより、排気中のO2濃度に応じた基準電位が形成される。
NH3検知電極513には、上述の基準電極512と異なる材料であり、かつ少なくとも光触媒材料を含んだ半導体材料が用いられる。光触媒材料は、排気中のH2Oを用いてB酸点(・OH)を形成するB酸点形成機能を有する。後に説明するように、ガス検出ユニット51は、このNH3検知電極513のB酸点形成機能を利用することによって、NH3検知電極513と基準電極512との間で排気中のNH3に応じた起電力MAIN−EMFを発生する。NH3検知電極513の光触媒材料としては、例えば金属酸化物半導体であるBiVO4が用いられる。NH3検知電極513は、排気に晒されるように固体電解質体511の表面に接合される。このNH3検知電極513と固体電解質体511は、互いに価電子帯や伝導帯の電位及びフェルミ準位が異なる異種半導体である。したがってNH3検知電極513と固体電解質体511との接合は、ヘテロ接合となっている。また、後に図4を参照して説明するように、NH3検知電極513のB酸点形成機能によって、NH3検知電極513と基準電極512との間には、排気中のNH3の濃度に応じた起電力が発生する。以下ではこれら電極512,513の間に発生する起電力を“MAIN−EMF”と表記する。
NO2検知電極514には、上記NH3検知電極513と異なる材料であり、B酸点形成機能を有さずかつNO2に対する選択性を有する半導体材料が用いられる。より具体的には、NO2検知電極514の材料としては、例えばTbCrO3にMgOを添加して得られる金属酸化物半導体が用いられる。NO2検知電極514は、排気に晒されるように固体電解質体511の表面に接合される。このNO2検知電極514と固体電解質体511は、互いに価電子帯や伝導帯の電位及びフェルミ準位が異なる異種半導体である。したがって、NO2検知電極514と固体電解質体511との接合は、ヘテロ接合となっている。ただし、上述のNH3検知電極513−固体電解質体511間の接合と異なり、NO2検知電極514と固体電解質体511とでは価電子帯の電位がやや異なる程度で、伝導帯電位はほぼ同等である。また、詳細な説明は省略するが、NO2検知電極514を以上のように構成することにより、NO2検知電極514と基準電極512との間には、排気中のNO2の濃度に応じた起電力が発生する。以下では、これら電極514,512との間に発生する起電力を“SUB−EMF”と表記する。
図3は、NH3検知電極及びNO2検知電極を固体電解質体に接合した後におけるそれぞれの接合部分のバンド構造を模式的に示す図である。図3の上段は、NH3検知電極(BiVO4)−固体電解質体(ZrO2+Y2O3)のバンド構造を示し、図3の下段は、NO2検知電極(TbCrO3)−固体電解質体(ZrO2+Y2O3)のバンド構造を示す。
図3の上段に示すように、異種半導体の接合では、互いのフェルミ準位を一致させつつ、価電子帯や伝導帯は強制的に結ばれる。この結果、固体電解質体側からNH3検知電極側へは障壁電位は無いため、O2−イオンの伝導性は良い。逆にNH3検知電極側から固体電解質体側へは障壁電位を伴うため、O2−イオンの伝導性は悪い。また図3の上段に示すように、価電子帯の電位差によってNH3検知電極側には固体電解質体側から遷移するホール(h+)が溜まる。これはNH3検知電極におけるNH3等の酸化力の向上に寄与する。
図3の下段に示すように、NO2検知電極と固体電解質体とでは、伝導帯電位はほぼ同等である。このため、NO2検知電極と固体電解質体との間では、相互にO2−イオンの伝導性が良い。なお、NO2検知電極及び固体電解質体は、NH3検知電極及び固体電解質体と比較すると、互いのバンド構造が近い。このため、NO2検知電極と固体電解質体との間では、NH3検知電極と固体電解質体との間よりも界面分極が起こりにくくなっている。
図2に戻り、温度検出ユニット52は、板状の測温セル521と、この測温セル521の両側の面に設けられた測温電極522,523と、を含んで構成され、ガス検出ユニット51とヒータ53との間に設けられる。測温セル521には、温度に応じてインピーダンスが変化する材料(例えば、ZrO2)が用いられる。測温電極522,523はそれぞれセンサコントローラに接続されており、測温セル521の温度に相当する測温セル521のインピーダンスZ(Imp)はセンサコントローラによって測定される。以下では、このインピーダンスZ(Imp)から得られる温度、すなわち測温セル521における温度を単に検出素子5dの温度ともいう。
ヒータ53は、電流が流れると発熱する電熱線531と、この電熱線531が設けられた板状の基板532と、を含んで構成され、発熱面がNH3検知電極513やNO2検知電極514の近傍に位置するように、温度検出ユニット52に設けられる。電熱線531への供給電力は、図示しないバッテリから電熱線531へ供給される駆動電流のデューティ比をヒータコントローラによって調整することによって制御される。
次に、以上のように構成されたNH3センサの主要な機能である起電力の発生メカニズムを説明する。
図4は、NH3センサの検出素子を排気に晒したときに進行する反応の一例を示す図であり、起電力の発生メカニズムを簡略化して表した図である。図4には、検出素子のうちNH3検知電極と固体電解質体と基準電極とで構成された部分のみを示す。また図4の左側は排気中にNH3が含まれていないときの反応を示し、図4の右側は排気中にNH3が含まれているときの反応を示す。
図4は、NH3センサの検出素子を排気に晒したときに進行する反応の一例を示す図であり、起電力の発生メカニズムを簡略化して表した図である。図4には、検出素子のうちNH3検知電極と固体電解質体と基準電極とで構成された部分のみを示す。また図4の左側は排気中にNH3が含まれていないときの反応を示し、図4の右側は排気中にNH3が含まれているときの反応を示す。
始めに図4の左側に示す反応について説明する。NH3検知電極に含まれるBiVO4は、熱等の外部エネルギーによって励起されるとO−2p軌道(価電子帯)の電子が禁制帯を飛び越えてV−3d軌道(伝導帯)に移る。これにより、図4に示すように、O−2p軌道より移った電子の抜け穴にはホール(h+)が生じ酸化サイトが形成され、V−3d軌道に移った電子によって還元サイトが形成される。還元サイトでは、O2を還元しO2−イオンを生成する反応が進行し、酸化サイトではO2−イオンを酸化しO2を生成する反応が進行する。この際、排気中にNH3が含まれていない場合、NH3検知電極側に形成される還元サイト及び酸化サイトで進行するO2→2O2−及び2O2−→O2の反応もほぼ平衡する。このため、排気中にNH3が含まれていなければ、両電極間で起電力が生じない。すなわち、MAIN−EMF≒0となる。
次に図4の右側に示す反応について説明する。NH3検知電極に含まれるBiVO4が励起状態にありかつ周囲にH2Oが存在すると、酸化サイトでH2Oが・OHに分解される。分解された・OHは、その後、Bi−6S軌道からV−3d軌道への電子遷移によってトラップされ、これによってB酸点が形成される。B酸点は、強い水素結合力によって、極性分子であるNH3を引きつけるが、無極性分子であるHCを引きつけない強いNH3選択性を有する。なお、B酸点は、NH3だけでなく極性分子であるH2Oを引きつける機能もある。このため、B酸点を形成するためにはH2Oが必要であるが、H2Oが多すぎるとNH3の吸着を妨害し、NH3検知電極と基準電極との間の起電力MAIN−EMFを負方向へ変化させるように作用する。排気中にNH3が存在すると、このNH3は、NH3検知電極に形成されたB酸点に引きつけられるとともに、還元サイトで捕捉したO2−イオンによって酸化され、H2OとN2になる。この際、図4の右側に示すように、NH3検知電極側で電子の収支差が発生する。これにより、排気中にNH3が存在する場合、NH3検知電極と基準電極との間にはNH3の濃度に応じて変化する0でない起電力MAIN−EMFが発生する。
図5は、以上のように構成されたNH3センサの起電力MAIN−EMF,SUB−EMFのNH3/NO2特性を示す図である。図5には、NH3濃度及びNO2濃度が共に0のベースガスを供給した場合(中央)、上記ベースガスのNH3濃度を増加させた場合(右側)、及び上記ベースガスのNO2濃度を増加させた場合(左側)における起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの変化を示す。起電力MAIN−EMFは、図4を参照して説明したようにNH3濃度に応じた変化を示すと同時に、NO2濃度に応じた変化も示す。
図6は、NH3センサの起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの温度特性を示す図である。図6には、検出素子にNH3やNO2を含まない一定の温度のモデルガス(具体的には、空気)を吹き付けながら、ヒータを用いて検出素子の温度を変化させたときにおける起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの軌跡を、横軸を温度とし縦軸を電圧とした平面にプロットした図である。図6において、実線はMAIN−EMFの軌跡を示し、破線はSUB−EMFの軌跡を示す。また図6には、検出素子の温度を、高温側から低温側へ低下させた後、再び高温側へ上昇させた時における起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの軌跡を示す。
図6に示すように、検出素子の温度を変化させると、モデルガスの成分を変化させていないにもかかわらず起電力MAIN−EMF,SUB−EMFは共に変化する。両起電力MAIN−EMF,SUB−EMF共に、温度が高くなるほど起電力も正側へ増加する。これは、検出素子の温度が高くなるほどバンドギャップが見掛け上狭くなるためであると考えられる。また、図6に示すように、NH3検知電極で発生するMAIN−EMFは、どの温度域でも常にSUB−EMFより低くなっているが、これはNH3検知電極とNO2検知電極を構成する触媒材料の相違に起因すると考えられる。
また図6に示すように、両起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの降温時における軌跡は、昇温時における軌跡と一致しない。より具体的には、昇温時における起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの軌跡は、共に降温時における軌跡よりも常に低くなっている。すなわち、起電力MAIN−EMF,SUB−EMFは共に検出素子の温度変化に対してヒステリシス特性がある。これは、上述のように異種半導体であるNH3検知電極及びNO2検知電極と固体電解質体とを接合することにより、接合部に界面分極が発生するためであると考えられる。また、図6に示すようにヒステリシスの大きさ(降温時の軌跡と昇温時の軌跡の差)は、起電力SUB−EMFよりもMAIN−EMFの方が大きくなっている。これは図3を参照して説明したように、NO2検知電極と固体電解質体との間では、NH3検知電極と固体電解質体との間よりも界面分極が起こりにくくなっているためであると考えられる。
図7は、NH3センサの検出素子5d及びこれを制御するセンサコントローラ73の構成を示すブロック図である。センサコントローラ73は、NH3濃度演算モジュール731と、センサ故障検知モジュール732と、温調モジュール733と、を備える。以下、各モジュール731〜733の機能について順に説明する。
NH3濃度演算モジュール731では、NH3検知電極513で発生する起電力MAIN−EMF[mV]及びNO2検知電極514で発生する起電力SUB−EMF[mV]を用いて、排気のNH3濃度[ppm]を算出する。ここで算出された排気のNH3濃度は、例えばDCUに送信され、DCUにおける尿素水噴射制御に用いられる。図5に示すように、起電力MAIN−EMFは、排気のNH3濃度が増加すると負側へ変化する特性があることから、所定の演算式を用いて起電力MAIN−EMF[mV]からNH3濃度[ppm]を算出することができる。しかしながら図5に示すように、起電力MAIN−EMFは排気のNO2濃度が増加すると正側へ変化する特性があるため、排気中にNH3とNO2とが共存する場合には、起電力MAIN−EMFのみではNH3濃度を正確に算出することができない。そこでNH3濃度演算モジュール731では、排気のNO2濃度に応じて正側に変化する起電力SUB−EMFを用いて起電力MAIN−EMFからNO2による影響を取り除くことによって、正確なNH3濃度を算出する。
センサ故障検知モジュール732では、2つの起電力MAIN−EMF,SUB−EMFに基づいてNH3センサの故障を検知し、故障している場合にはこれを明示するセンサ故障フラグをオンにする。このセンサ故障フラグの状態に関する情報は、DCUにおける尿素水噴射制御において適宜参照される。例えば、センサ故障検知モジュール732によってセンサ故障フラグがオンにされると、DCUでは実行中の尿素水噴射制御におけるNH3センサの出力に基づくフィードバック制御を停止させる。図6を参照して説明したように、正常なNH3センサで発生する起電力MAIN−EMF,SUB−EMFは、特有の温度特性を有する。センサ故障検知モジュール732では、ヒータ53を用いて検出素子5dの温度を変化させたときにおける起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの変化を取得し、図6に示すような温度特性が適切に再現されるかどうかを判断することによってその故障を検知する。この故障検知処理の具体的な手順については、後に図8を参照して説明する。
温調モジュール733は、測温セル521のインピーダンスZ(Imp)を測定する計測回路733aと、インピーダンスZ(Imp)が所定の目標値になるように(すなわち、検出素子5dの温度がインピーダンスの目標値に相当する目標温度になるように)ヒータ54の駆動電流を調整する駆動回路733bと、を備える。NH3検知電極513やNO2検知電極514等、検出素子5dを構成する材料には様々な触媒が用いられているため、これら触媒の機能を生かして正確にNH3濃度を算出するためには、触媒が活性しているように検出素子5dの温度を予め定められた目標温度に維持する必要がある。温調モジュール733は、これら計測回路733a及び駆動回路733bを用いることによって、検出素子5dの温度を所定の目標温度に維持する。また温調モジュール733は、センサ故障検知モジュール732においてNH3センサの故障検知処理を実行する際には、このモジュール732からの要求に応じてヒータ53をオン/オフ駆動し、検出素子5dの温度を変化させる。
図8は、故障検知処理の具体的な手順を示すフローチャートである。この処理は、図示しないイグニッションスイッチをオンにしてからオフにするまでの間であって、NH3センサの故障が確定していない場合(例えば、後述のセンサ故障フラグがオフである場合)に、センサコントローラのセンサ故障検知モジュールにおいて所定の周期で繰り返し実行される。
S1では、センサコントローラは、NH3センサの故障検知を行うのに適した時期であるか否かを判定する。ここで、故障検知を行うのに適した時期とは、排気の温度が低くなる時期であって、より具体的にはエンジンのアイドル運転中、エンジンの停止中、又は減速に伴うエンジンの燃料カット中等が挙げられる。以下で説明するように、図8の処理では、ヒータのオン/オフによってNH3センサの検出素子の温度を変化させる。この際、ヒータをオフにしたときに検出素子の温度を速やかに低下させ、ひいては故障検知処理を速やかに終えるには、排気の温度はできるだけ低い方が好ましい。S1の判定がNOである場合には、以下の処理を行うことなく、この図8の処理を直ちに終了する。S1の判定がYESである場合には、S2に移る。
S2では、センサコントローラは、起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの記録を開始する。S3では、センサコントローラは、ヒータを予め定められた手順でオン/オフ駆動することによって、NH3センサの検出素子の温度を変化させる。より具体的には、検出素子の温度が所定の高温側設定温度になるまでヒータをオンにし、その後、検出素子の温度が上記高温側設定温度よりも低い低温側設定温度になるまでヒータをオフにし、その後再び上記高温側設定温度になるまでヒータをオンにすることによって、検出素子の温度を高温側設定温度と低温側設定温度との間で変化させる。S4では、センサコントローラは、上記S2で開始した起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの記録を終了する。S2〜S4の処理により、検出素子の温度を高温側設定温度と低温側設定温度との間で変化させている時における起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの軌跡が取得される。
図9は、S2〜S4の処理で取得される起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの軌跡の一例を、横軸を検出素子の温度とし縦軸を電圧とした平面にプロットした図である。起電力MAIN−EMFの軌跡を例に説明すると、S3では、始めにヒータをオンにして検出素子の温度を高温側設定温度まで上昇させると、起電力MAIN−EMFは図9中P1で示す値になる。その後、ヒータをオフにすることで検出素子の温度を低温側設定温度まで低下させると、起電力MAIN−EMFは図9中T1で示す軌跡をたどってP2で示す値まで低下する。その後、ヒータをオンにすることで検出素子を再び加熱すると、起電力MAIN−EMFは、元の軌跡T1をたどらずに別の軌跡T2をたどってP3で示す値まで一旦低下した後、軌跡T3をたどって元のP1で示す値まで上昇する。すなわち、図9における軌跡T1は、検出素子の温度を低下させている時における降温時軌跡であり、T2とT3を組み合わせた軌跡は、検出素子の温度を上昇させている時における昇温時軌跡である。なお、起電力SUB−EMFの軌跡も定性的には起電力MAIN−EMFの軌跡と同じであるので、詳細な説明は省略する。以下では、図9の例を参照しながら、各処理の詳細な内容について説明する。
始めにS5では、センサコントローラは、取得した起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの軌跡を用いることによって、起電力MAIN−EMF及びSUB−EMFの両方の軌跡にヒステリシスが存在するか否かを判定する。ヒステリシスの有無は、例えば、検出素子の温度が低温側設定温度にある状態からヒータをオンにした直後における両起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの低下幅(図9の例では、P2の電圧値とP3の電圧値との差)が所定値以上であるか否かを判断することによって、判定できる。S5の判定がNOである場合、すなわち起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの何れかでヒステリシスが生じなかった場合には、センサコントローラは、NH3センサは故障していると判断し、S6に移る。
S6では、センサコントローラは、ヒステリシスが存在しなかった方の電極に異常があると判断し、センサ故障フラグをオンにするとともに暫定故障フラグをオフにリセットし、この処理を終了する。ここで、センサ故障フラグとは、NH3センサの故障が確定したことを示すフラグであり、NH3センサが故障している可能性が高い場合にオンに設定される。暫定故障フラグとは、NH3センサの故障が暫定的に確定したこと示すフラグであり、後に説明するようにNH3センサが故障している蓋然性が高い場合にオンに設定される。
S5の判定がYESである場合には、センサコントローラは、より詳細にNH3センサの故障を判定すべくS7に移る。S7では、センサコントローラは、起電力MAIN−EMF,SUB−EMFそれぞれのヒステリシスの、低温側設定温度から高温側設定温度の間の所定の温度における差分値ΔMAIN−EMF,ΔSUB−EMFを算出し、差分値ΔMAIN−EMFがΔSUB−EMFより大きいか否かを判定する。
ここで、起電力MAIN−EMFのヒステリシスの差分値ΔMAIN−EMFとは、図9に示すように、起電力MAIN−EMFの降温時軌跡(T1)と昇温時軌跡(T2+T3)の、低温側設定温度から高温側設定温度の間の所定の温度における差である。なお、起電力SUB−EMFのヒステリシスの差分値ΔSUB−EMFも同様に定義されるので、説明を省略する。図9に示すように、これら差分値ΔMAIN−EMF,ΔSUB−EMFは、共に検出素子の温度が高くなるほど小さくなる傾向がある。従ってS7では、低温側設定温度の近傍で取得される差分値ΔMAIN−EMF,ΔSUB−EMFを用いて故障を判定することが好ましい。
S7の判定がNOである場合、すなわち差分値ΔMAIN−EMFがΔSUB−EMF以下である場合には、センサコントローラは、NH3センサは故障していると判断し、S6に移る。一方、S7の判定がYESである場合には、センサコントローラは、より詳細にNH3センサの故障を判定すべくS8に移る。
S8では、センサコントローラは、ヒータをオンからオフにすることによって検出素子の温度を高温側設定温度から低温側設定温度まで低下させている間に、起電力MAIN−EMFは常に負の方向へ変化していたか否かを判定する。またS9では、センサコントローラは、起電力MAIN−EMFとSUB−EMFの軌跡を比較し、常に起電力MAIN−EMFはSUB−EMFよりも小さかったか否かを判定する。S8及びS9の判定が両方ともYESである場合には、センサコントローラは、S10に移り、NH3センサが正常であることを確定すべく、センサ故障フラグをオフにしたまま、暫定故障フラグをオフにリセットし、この処理を終了する。
S8及びS9の判定の何れかがNOである場合には、センサコントローラは、S11に移る。S11では、センサコントローラは、暫定故障フラグがオフであるか否かを判定する。S11の判定がYESである場合には、センサコントローラは、S12に移り、センサ故障フラグをオフにしたまま、暫定故障フラグをオンにし、この処理を終了する。これにより、NH3センサが故障した状態であることが暫定的に確定する。一方S11の判定がNOである場合、すなわち既にNH3センサが故障した状態であることが暫定的に確定している場合には、センサコントローラは、S6に移り、センサ故障フラグをオンにするとともに、暫定故障フラグをオフにリセットし、この処理を終了する。これにより、NH3センサの故障が確定する。
図8の故障検知処理は、NH3センサ特有の図6に示す現象を利用したものである。したがって、図8の故障検知処理によってセンサ故障フラグがオンとなった場合、NH3センサの故障要因は、NH3検知電極又はNO2検知電極と固体電解質体との接合部分に不具合が生じたものと判断できる。なお、S5、S7、S8及びS9の故障判定のうち、S7及びS9は起電力MAIN−EMFとSUB−EMFとの比較を伴うものであるため、これら2つの故障判定については、どちらのNH3検知電極及びNO2検知電極のどちらの接合部に不具合が生じたかを厳密には特定することはできない。しかしながら、NH3検知電極は光触媒材料を含んで構成されているため、NO2検知電極と比較して熱や物理的な衝撃に弱くなっている。このため、S7及びS9の故障判定が否定的な結果であった場合には、NH3検知電極と固体電解質体との接合部に不具合が生じたものとみなすことができる。
以上のように、図8の処理では、S5及びS7の判定については、否定的な結果であった場合には直ちにNH3センサの故障を確定したが、S8及びS9の判定については、2回続けて否定的な結果であった場合にNH3センサの故障を確定した。NH3検知電極及びNO2検知電極は、共に排気管内に晒されるため、上流から流れてきた硫黄成分によって被毒し、一時的に起電力MAIN−EMF,SUB−EMFの温度特性が図6に示すようなものから変化したり、大小関係が逆転したりする場合がある。このため、一時的な不具合であるにも関わらず、S8及びS9の判定結果が否定的になる場合がある。図8の処理では、このような検出素子の被毒に起因する誤判定を防止するため、S8及びS9の判定については、2回続けて否定的な結果であった場合に、センサの故障を確定するようにしている。なお、このような被毒によって、起電力MAIN−EMFのヒステリシスまで消失することはないので、S5及びS7の判定については、否定的な結果であった場合には直ちにNH3センサの故障を確定している。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、上記実施形態では、センサの故障を判定する際に、差分値ΔMAIN−EMFをΔSUB−EMFと比較したが、本発明はこれに限らない。例えば、差分値ΔMAIN−EMFを、実験等によって予め定められた固定値と比較することによって、センサの故障を判定するようにしてもよい。
例えば、上記実施形態では、センサの故障を判定する際に、差分値ΔMAIN−EMFをΔSUB−EMFと比較したが、本発明はこれに限らない。例えば、差分値ΔMAIN−EMFを、実験等によって予め定められた固定値と比較することによって、センサの故障を判定するようにしてもよい。
1…エンジン(内燃機関)
11…排気管(排気通路)
5…NH3センサ
5d…検出素子
511…固体電解質体
512…基準電極
513…NH3検知電極
514…NO2検知電極(比較用電極)
53…ヒータ
11…排気管(排気通路)
5…NH3センサ
5d…検出素子
511…固体電解質体
512…基準電極
513…NH3検知電極
514…NO2検知電極(比較用電極)
53…ヒータ
Claims (8)
- 内燃機関の排気通路内に晒されたNH3検知電極と、
前記NH3検知電極を構成する材料とは異なる材料で構成されかつ前記排気通路内に晒された基準電極と、
前記基準電極及び前記NH3検知電極が接合された酸素イオン導電性の固体電解質体と、
前記NH3検知電極、前記基準電極、及び前記固体電解質体の近傍に設けられたヒータと、を備え、前記NH3検知電極と前記基準電極との間でNH3に応じた起電力を発生するNH3センサの故障検知方法であって、
前記ヒータを用いて前記NH3センサの温度を変化させる温度変化工程と、
前記NH3センサの温度を変化させた際における前記起電力の変化を取得し、当該起電力の変化に基づいて前記NH3センサの故障を検知する故障検知工程と、を備えることを特徴とするNH3センサの故障検知方法。 - 前記温度変化工程では、前記ヒータをオンにし、その後オフにし、その後再びオンにすることによって前記NH3検知電極の温度を変化させることを特徴とする請求項1に記載のNH3センサの故障検知方法。
- 前記固体電解質体には、NH3に対する選択性を有さずNO2に対する選択性を有しかつ前記排気通路内に晒された比較用電極が接合され、
前記温度変化工程では、前記NH3検知電極とともに前記比較用電極の温度を変化させ、
前記故障検知工程では、前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を変化させた際における前記NH3検知電極と前記基準電極との間で発生する第1起電力の変化及び前記比較用電極と前記基準電極との間で発生する第2起電力の変化を取得し、これら第1及び第2起電力の変化を比較することによって前記NH3センサの故障を検知することを特徴とする請求項2に記載のNH3センサの故障検知方法。 - 前記温度変化工程では、前記ヒータをオンにすることによって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を所定の高温側設定温度まで上昇させ、その後オフにし前記温度を所定の低温側設定温度まで低下させ、その後再びオンにすることによって前記温度を前記高温側設定温度まで上昇させ、
前記故障検知工程では、前記温度変化工程によって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を前記高温側設定温度と前記低温側設定温度との間で変化させたときにおける前記第1起電力及び前記第2起電力の軌跡を取得し、前記第1起電力及び前記第2起電力の両方又は何れかの軌跡がヒステリシス特性を有さない場合には、前記NH3センサは故障したと判定することを特徴とする請求項3に記載のNH3センサの故障検知方法。 - 前記故障検知工程では、前記ヒータをオンからオフにし前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を低下させたときにおける前記第1起電力及び前記第2起電力の軌跡をそれぞれ第1降温時軌跡及び第2降温時軌跡とし、前記ヒータをオフからオンにし前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を上昇させたときにおける前記第1起電力及び前記第2起電力の軌跡をそれぞれ第1昇温時軌跡及び第2昇温時軌跡とし、所定の故障判定温度における前記第1降温時軌跡と前記第1昇温時軌跡との差分値が、前記故障判定温度における前記第2降温時軌跡と前記第2昇温時軌跡との差分値以下である場合には前記NH3センサは故障したと判定することを特徴とする請求項3又は4に記載のNH3センサの故障検知方法。
- 前記故障検知工程では、前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を変化させている間に、前記第1起電力が前記第2起電力より高くなった場合には、前記NH3検知電極又は前記NH3検知電極と前記固体電解質体との接合部に故障が生じたと判定することを特徴とする請求項3又は4に記載のNH3センサの故障検知方法。
- 前記温度変化工程において、前記ヒータをオンにすることによって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を所定の第1温度まで上昇させ、前記ヒータをオフにすることによって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を所定の第2温度まで低下させ、その後前記ヒータをオンにすることによって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を前記第1温度まで上昇させることを1回のサイクルとして、
前記故障検知工程では、2回のサイクルにわたり続けて前記第2起電力が前記第1起電力より高くなった場合には、前記NH3検知電極又は前記NH3検知電極と前記固体電解質体との接合部に故障が生じたと判定することを特徴とする請求項3又は4に記載のNH3センサの故障検知方法。 - 前記固体電解質体には、NH3に対する選択性を有さずNO2に対する選択性を有しかつ前記排気通路内に晒された比較用電極が接合され、
前記温度変化工程では、前記ヒータをオンにすることによって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を所定の高温側設定温度まで上昇させ、その後オフにし前記温度を所定の低温側設定温度まで低下させ、その後再びオンにすることによって前記温度を前記高温側設定温度まで上昇させ、
前記NH3検知電極と前記基準電極との間で発生する起電力を第1起電力と定義し、
前記比較用電極と前記基準電極との間で発生する起電力を第2起電力と定義し、
前記故障検知工程では、前記温度変化工程によって前記NH3検知電極及び前記比較用電極の温度を前記高温側設定温度と前記低温側設定温度との間で変化させたときにおける前記第1起電力及び前記第2起電力の軌跡を取得し、前記第1起電力及び前記第2起電力の両方又は何れかの軌跡がヒステリシス特性を有さない場合には、前記NH3センサは故障したと判定することを特徴とする請求項2に記載のNH3センサの故障検知方法。
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