JPH06242066A - 酸素センサの劣化検出方法及び装置 - Google Patents

酸素センサの劣化検出方法及び装置

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JPH06242066A
JPH06242066A JP5026337A JP2633793A JPH06242066A JP H06242066 A JPH06242066 A JP H06242066A JP 5026337 A JP5026337 A JP 5026337A JP 2633793 A JP2633793 A JP 2633793A JP H06242066 A JPH06242066 A JP H06242066A
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JP
Japan
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oxygen sensor
deterioration
temperature
sensor
oxygen
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JP5026337A
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Yoshikatsu Ishikawa
善克 石川
Hiroshi Kamiya
宏 神谷
Kazuyuki Morimoto
和幸 森本
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Shimano Inc
Harman Co Ltd
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Shimano Inc
Harman Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 目的は、簡単な校正により引き続き使用可能
な劣化については良と判断し、そうでない劣化のみを不
良と判断することのできる酸素センサの劣化検出方法及
び装置を提供することにある。 【構成】 加熱手段にて加熱され且つ監視電圧印加手段
にて監視電圧が印加される限界電流型の酸素センサの劣
化検出方法であって、酸素濃度が一定の条件下におい
て、前記酸素センサの温度を変化させて、その温度変化
に伴う前記酸素センサの出力値の変動状態から劣化を検
出する酸素センサの劣化検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱手段にて加熱され
且つ監視電圧印加手段にて監視電圧が印加される限界電
流型の酸素センサの劣化検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる限界電流型酸素センサ(以下、単
に酸素センサという)は、ディスク状の安定化ジルコニ
アの両面に設けた電極間に直流電圧を印加したときに、
酸素イオンをキャリアとして流れる電流が酸素濃度によ
って変化することを利用して酸素濃度を検出するもので
ある。
【0003】この電流は電圧が小さいときは電圧に比例
して増加するが、やがて、電圧が高くなっても増加しな
いフラット領域が観測される(但し、酸素濃度一定)。
このフラットな電流が限界電流と称され、酸素濃度に比
例する電流値となる。そこで、このフラット領域に電圧
(以下、監視電圧という)を設定しておけば、電流値か
ら酸素濃度を検出することができる。
【0004】かかる酸素センサにはヒータが一体形成さ
れており、通電により加熱される。上記限界電流が50
0℃程度の高温下で発生するからである。このヒータに
よる加熱等の影響で酸素センサの劣化が進むと、上記の
限界電流値が同一酸素濃度に対して低下してくる。従っ
て、劣化がある程度以上に進行すると、酸素濃度を正し
く検出することができなくなる。
【0005】そこで、酸素センサの劣化が所定レベル以
上に進行していないかどうかをチェックする劣化検出方
法が必要となる。従来、かかる劣化検出方法として、酸
素センサを上記ヒータにて一定温度に加熱した状態で、
大気中における酸素センサの出力値が、大気中の酸素濃
度(21%)に相当する値を中心とする所定範囲内にあ
るか否かをチェックしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大気中
(酸素濃度21%)における酸素センサの出力値が低下
して上記所定範囲をはずれた場合であっても、酸素濃度
と出力値との比例関係が維持されている場合がある。即
ち、図4に示すように、各酸素濃度における限界電流値
が一定の割合で低下し、実線の特性から破線の特性に劣
化した場合である。この場合は酸素濃度と出力値との比
例定数を変える校正を行うことにより元の特性と同じ特
性が得られる。
【0007】一方、図5に示すように、各酸素濃度にお
ける限界電流値は変化せずに、限界電流に達するまでの
電圧が高くなり、実線の特性から破線の特性へ劣化が生
じることもある。この場合、劣化の影響は酸素濃度が大
きいほうから現れる。例えば、図5で監視電圧がVk に
設定されているとき、酸素濃度が約19%以上になる
と、酸素センサの出力値(電流)は限界電流に達しなく
なり、この領域での酸素濃度と出力値との比例関係が崩
れる。もっとも監視電圧をVk'まで上げると酸素濃度2
1%においても劣化の影響はなくなるが、水蒸気の分解
による誤検出を回避するために実用上の監視電圧には上
限がある。
【0008】前述した従来の判定方法によれば、監視電
圧がVk のときの大気中における酸素センサの出力値が
低下して上記所定範囲をはずれていることは検出できて
も、図4、図5のいずれの劣化が生じているのかは判別
できず、一律に不良と判定することになる。しかるに、
図4の劣化が生じている場合は、前述したような理由で
引き続き使用しても何ら差し支えない。
【0009】むしろ、酸素センサを交換するメンテナン
スを極力少なくして製品のMTBFを延ばすためには、
酸素センサをできるだけ長く使用できるように設計する
ことが望ましい。本発明は上記の実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、簡単な校正により引き続き
使用可能な劣化については良と判定し、そうでない劣化
のみを不良と判定することのできる酸素センサの劣化検
出方法及び装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の限界電流型の酸
素センサの劣化検出方法は、加熱手段にて加熱され且つ
監視電圧印加手段にて監視電圧が印加されるものであっ
て、その第1の特徴は、酸素濃度が一定の条件下におい
て、前記酸素センサの温度を変化させて、その温度変化
に伴う前記酸素センサの出力値の変動状態から劣化を検
出する点にある。第2の特徴構成は、加熱手段にて加熱
され且つ監視電圧印加手段にて監視電圧が印加される限
界電流型の酸素センサの劣化検出装置であって、前記酸
素センサの温度を変化させる温度変更手段と、その温度
変更手段により温度を変化させるに伴う前記酸素センサ
の出力値の変動状態から劣化を判別する劣化判別手段と
が設けられている点にある。第3の特徴構成は、前記酸
素センサが、通風手段にて燃焼用空気が供給される燃焼
部の排ガスの酸素濃度を検出するように設けられ、前記
温度変更手段が、前記燃焼部が燃焼状態から燃焼停止状
態に切り換えられたのちも継続して前記通風手段を継続
して運転することにより、前記酸素センサの温度を変更
させるように構成され、前記劣化判別手段が、前記燃焼
停止状態に切り換えられた後の酸素濃度が大気中の酸素
濃度になったのちの前記酸素センサの出力値の変位を検
出して、前記酸素センサの劣化を判別するように構成さ
れている点にある。
【0011】
【作用】第1の特徴によれば、酸素濃度が一定の条件下
(例えば大気中の21%)において、酸素センサの温度
を変化させて、その温度変化に伴う酸素センサの出力値
の変動状態が所定範囲内であるか否かにより、酸素セン
サの劣化を判別する。つまり、前記の如く良と判定され
た限界電流型酸素センサは、酸素濃度が一定の条件下に
おいて、酸素センサの温度を使用温度範囲内で変化させ
ても、酸素センサの出力がほとんど変化しないことに着
目したものである。
【0012】例えば、図5に示すような劣化が生じる場
合、劣化前の酸素センサの特性は、酸素センサ温度がT
H ℃よりTL ℃に下がると、実線の特性から一点鎖線の
特性へ変化するが、これに対し、劣化後の酸素センサの
特性は、酸素センサ温度がT H ℃よりTL ℃に下がる
と、破線の特性から二点鎖線の特性へ変化する。このた
め、酸素センサの温度がTH ℃よりTL ℃に低下する
と、酸素濃度21%における監視電圧Vk に対する劣化
後の酸素センサの出力値(電流値)は、I H よりIL
低下する。従って、二つの出力値IH ,IL の差が所定
範囲外となり、不良と判定されるのである。
【0013】一方、図4に示すような劣化が生じる場合
には、酸素センサの温度がTH ℃よりTL ℃に下がる
と、実線(酸素センサの温度TH ℃,劣化前)及び破線
(酸素センサの温度TH ℃,劣化後)の特性は一点鎖線
の特性へ変化する。このため、酸素濃度21%における
監視電圧Vk に対する劣化後の酸素センサの出力値(電
流値)は、酸素センサの温度TH ℃に対する出力値IH
と、酸素センサの温度TL ℃に対する出力値IL とに有
意差を生じない。従って、二つの出力値IH ,IL の差
が所定範囲内となり、良と判定される。尚、かかる劣化
判定における必要条件は、酸素センサの温度が変化する
前の酸素濃度と酸素センサの温度が変化した後の酸素濃
度とが等しく、且つ、それらの酸素濃度が酸素濃度検出
範囲内の酸素濃度であればよく、必ずしも既知である必
要はない。
【0014】第2の特徴構成によれば、温度変更手段に
て酸素センサの温度を変化させ、そのときの酸素センサ
の出力値の変動状態が所定範囲内であるか否かを劣化判
別手段により判別して、酸素センサの劣化状態を判定す
る。
【0015】第3の特徴構成によれば、温度変更手段
が、燃焼部を燃焼状態より燃焼停止状態に切り換えたの
ち通風手段を継続して運転すると、酸素センサの温度
は、その雰囲気温度が低下するに伴って低下する。そし
て、燃焼部を燃焼状態より燃焼停止状態に切り換えた後
の酸素濃度が大気中の酸素濃度(21%一定)になった
後、酸素センサの温度が低下するに伴う酸素センサの出
力値の変位を検出し、その変位が所定範囲内であるか否
かを劣化判別手段により判別して、酸素センサの劣化状
態を判定する。
【0016】
【発明の効果】第1の特徴及び第2の特徴構成によれ
ば、酸素濃度一定状態で酸素センサの温度を変更するこ
とにより、酸素センサの劣化状態を判定することができ
るので、簡単な構成により引き続き使用可能な劣化につ
いては良と判定し、そうでない劣化のみを不良と判定す
る酸素センサの劣化検出方法及び装置を提供するに至っ
た。その結果、酸素センサの実使用上の寿命を延ばすも
のとなった。第3の特徴構成によれば、燃焼装置のポス
トパージ中に、酸素センサの劣化状態を判定することが
できるので、特別に酸素センサの劣化を判別するための
状態(酸素濃度が一定で、且つ、酸素センサの温度を変
化させる状態)を作りだすことなく、酸素センサの劣化
を判別することができるに至った。
【0017】
【実施例】以下、本発明を給湯器に適用し、燃焼用空気
の供給量を適正に維持すべく排気中の酸素濃度を検出す
るように構成した実施例を図面に基づいて説明する。本
実施例の給湯器は図1に示すように、筒状ケース1内に
バーナ2を備える燃焼部3とその高温排気により水を加
熱するフィンチューブ型の熱交換器4が設けられてい
る。筒状ケース1の下端には燃焼部3に燃焼用空気を供
給する通風手段としてのファン5の吐出側が接続され、
筒状ケース1の上端には排気路6が接続されている。
【0018】バーナ2への燃料供給路7には燃料供給量
を調節するためのガス比例弁8が設けられている。ガス
比例弁8は、マイクロコンピュータを利用した燃焼コン
トローラ9によって、その開度が制御される。燃焼コン
トローラ9は、設定手段Rによって設定された設定湯温
と、湯温検出手段Sによって検出される湯温との偏差を
小さくするようにガス比例弁8の励磁電流を制御し、も
って燃料供給量を制御する。
【0019】湯温を制御するには、バーナ2への燃料供
給量のみならず、燃焼部3への燃焼用空気の供給量をも
適切に制御する必要がある。そこで、燃焼コントローラ
9は、ファン5の送風量、即ち回転数をも制御する。そ
して、燃焼部3への空気供給量が適正であるかどうかを
監視すべく、排気中の酸素濃度を検出する限界電流型酸
素センサ(以下、単に酸素センサという)10が排気路
6に設けられている。つまり、酸素センサ10がファン
5にて燃焼用空気が供給される燃焼部3の排ガスの酸素
濃度を検出するように設けられている。従って、排気中
の酸素濃度が適正値より大きければ、空気供給量が過剰
気味であると判断し、適正値より小さければ空気供給量
が不足気味であると判断することができる。
【0020】酸素センサ10は、図2に示すように、セ
ンサエレメント11、端子12、端子台13、メッシュ
カバー14からなる。センサエレメント11は、図3に
示すように、ディスク状の安定化ジルコニア11aの両
側に白金電極11bを形成し、その片側に小孔11cが
設けられたキャップ11dを接合して構成されている。
両電極11b間に電圧を印加すると、ポンピング作用に
より酸素イオンをキャリアとする電流が流れる。
【0021】キャップ11d内への空気の流入が小孔1
1cによって制限されることから電圧の所定領域で電流
がほぼ一定(限界電流)になる。そして、この限界電流
は空気中の酸素濃度に比例して変化するので、一定電圧
(監視電圧)を両電極11b間に印加しておき、そのと
きの電流値から酸素濃度を検出することができる。又、
上記ポンピング作用は、高温(500℃程度)において
発生するするので、キャップ11d上部にヒータ11e
を一体に形成し、ヒータ11eへの通電によりセンサエ
レメント11を加熱するように構成している。従って、
ヒータ11eは、酸素センサ10の加熱手段として機能
し、電極11bは、酸素センサ10に監視電圧を印加す
る監視電圧印加手段として機能する。
【0022】酸素センサ10の出力値(電流値)は、燃
焼コントローラ9に入力され、燃焼コントローラ9は、
その出力値がバーナ2への燃料供給量に応じて定められ
た適正値(酸素濃度目標値)に維持されるようにファン
5の回転数を制御し、燃焼部3への空気供給量を調節し
ている。この酸素濃度目標値と燃料供給量との関係は、
予め実験により求められたものであって、例えば図6に
示すようになる。尚、ファン5の回転数の制御は、ファ
ンモータへの印加電圧を変えることによって行ってい
る。
【0023】次に、酸素センサ10の劣化判定について
説明する。酸素センサ10の電圧、電流、酸素濃度の関
係は図4又は図5に示すようになる。実線の特性は劣化
前の酸素センサ温度TH ℃の初期特性、破線の特性はヒ
ータ11eによる加熱等の影響で酸素センサの劣化があ
る程度進行した後の酸素センサ温度TH ℃の特性を示
す。尚、図4と図5とでは、劣化による特性の変化に相
違があるが、これは、限界電流型酸素センサの劣化モー
ドに2つのパターンがあることを示している。つまり、
図4の劣化モードでは、各酸素濃度における限界電流値
が一定の割合で低下しているのに対し、図5の劣化モー
ドでは、各酸素濃度における限界電流値は変化せずに、
限界電流に達する電圧が高くなる。
【0024】通常の酸素濃度検出においては、酸素セン
サ10に所定の監視電圧Vk が印加されている。この監
視電圧Vk は、通常、酸素濃度0%における水蒸気分解
開始電圧にほぼ等しい電圧に設定されている。これより
高い酸素濃度における水蒸気分解開始電圧はもっと高い
ので、水蒸気が分解されて発生する酸素による誤検出を
回避することができる。従って、水蒸気の分解による誤
検出を回避するために実用上の監視電圧には上限があ
る。
【0025】図5の実線の特性(劣化前)及び破線の特
性(劣化後)は、酸素センサの温度をTH ℃よりTL
に下げると、夫々一点鎖線及び二点鎖線の特性へと変化
することとなる。このため、酸素センサ温度がTH ℃よ
りTL ℃に変化しても、劣化前の酸素センサ10の出力
値(電流値)はIO のままで変化しない。しかし、破線
で示す特性(TH ℃)まで劣化が進行すると、酸素セン
サ10の出力値(電流値)は、酸素センサ温度がTH
ではIH であるが、酸素センサ温度がTL ℃に下がると
L となるので、図5(b)に示すように、酸素濃度2
1%付近での酸素濃度とセンサ出力との直線性が崩れ、
酸素濃度を正しく検出できなくなる。
【0026】一方、図4(a)の実線の特性(劣化前)
及び破線の特性(劣化後)は、酸素センサの温度をTH
℃よりTL ℃に下げると、ともに一点鎖線の特性へと変
化する。尚、図4(b)の実線及び破線は、酸素センサ
温度TH ℃における劣化前及び劣化後の特性を示してい
るが、酸素センサ温度がTL ℃に変化してもその実線及
び破線の特性は大きく変化しない。このため、破線で示
す特性(TH ℃)まで劣化が進行した場合において、酸
素センサの温度がTH ℃よりTL ℃に変化しても、酸素
濃度と酸素センサ10の出力値(電流値)の比例関係は
崩れないので、劣化後の酸素センサ温度TH ℃における
酸素センサ10の出力値(電流値)IH と劣化後の酸素
センサ温度TL ℃における酸素センサ10の出力値(電
流値)IL とには、大きな差を生じない。
【0027】そこで、大気中(酸素濃度21%)におけ
る二つの異なる酸素センサ温度TH,TL ℃に対する二
つの出力値IH ,IL を検出し、その変位より酸素セン
サ10が図4に示す劣化状態であるか図5に示す劣化状
態であるかを判別し、図4に示す劣化状態であれば構成
手段9cにて構成を行う。尚、酸素センサ10の温度を
変化させる温度変更手段Zとして、燃焼部3が燃焼状態
から燃焼停止状態に切り換えられたのちも継続してファ
ン5を継続して運転すること(ポストパージ)により、
酸素センサ10の雰囲気温度を変化させ、その雰囲気温
度の変化により酸素センサ10の温度を変更させるよう
に構成されている。よって、燃焼コントローラ9が燃焼
部3及びファン5を制御してポストパージを実行するよ
うに構成されているので、燃焼コントローラ9は、酸素
センサ10の温度を変化させる温度変更手段Zとして機
能する。又、燃焼コントローラ9内には、上記劣化判定
のための劣化判別手段9a、内部タイマー9b、及び校
正手段9cが設けられている。以下、劣化判定を含む、
燃焼開始から停止までの燃焼コントローラ9による制御
について、図9のフローチャート図に基づいて説明す
る。
【0028】燃焼開始が指令されるに伴って、即ち給湯
栓(図示せず)が開かれ、水流スイッチ15がオンにな
るに伴って、酸素センサ10への通電(ヒータ11eへ
の通電及び監視電圧の印加)及びファン5の作動が開始
される(処理(イ))。主電磁弁18、電磁比例弁8の
ガス弁の開成、バーナ2への点火も行われる。但し、実
際にはガス弁の開成及びバーナ2への点火は、ファン5
の作動より約1秒遅れて行われる。
【0029】ヒータ11eにより酸素センサ10(セン
サエレメント11)が適正状態に加熱されるまで、即ち
安定温度(例えば500℃)に達するまでに約1分程度
の時間を要する。そこで、この間は、ファン5の回転数
がバーナ2への燃料供給量に応じて決められる目標回転
数となるように制御される(処理(ロ))。つまり、酸
素センサ10の出力値が有効になるまでの、いわば仮制
御である。燃料供給量と目標回転数との関係は実験によ
って適正な関係が決められており、図7に示すように比
例関係となる。尚、ファン5には実回転数を検出するた
めの回転数検出センサ17が備えられており、その検出
信号が燃焼コントローラ9に入力されている。
【0030】燃焼コントローラ9は、その内部タイマ9
bによって上記仮制御を行う時間を管理している。内部
タイマ9bは、燃焼開始に伴ってリセットされカウント
が開始される。そして、内部タイマ9bが所定時間(t
1 )に達すると、ファン5の制御が上記仮制御から酸素
センサ10の出力値に基づく前述の制御(図6)に移さ
れる。又、前述したように電磁比例弁8の開度調節によ
る燃料供給量の制御も行われる(処理(ハ))。ここ
で、所定時間(t1 )は、予め実験により決められた、
酸素センサ10が適正状態に加熱されるまでの時間(例
えば1分間)である。
【0031】給湯栓が閉じられ、水流スイッチ15がオ
フになると、ガス弁8,18が閉じられ燃焼は停止する
(処理(ニ))。ファン5は作動を継続し、ポストパー
ジつまり燃焼停止後の排気動作を行い、燃焼部3や排気
路6が冷却される。ポストパージは、内部タイマ9eが
所定時間(t2 )に達するまで継続される。この間、酸
素センサ10の出力値の読み込みが順次行われる(処理
(ホ))。そして、所定時間(t2 )が経過すると、そ
の間の酸素センサ10の出力値の最大値IH 及び所定時
間(t2 )が経過後の酸素センサ10の出力値IL を検
出し、その二つのセンサ出力IH ,IL の差の絶対値
(|IH −IL |)が所定値ΔI以下かどうかのチェッ
クが判定手段9bにより行われる(処理(ヘ))。
【0032】尚、図8の(カ),(キ),(ク)は、夫
々、燃焼停止後所定時間(t2 )が経過するまでの間の
酸素センサ10の出力値、酸素センサ10の雰囲気温度
変化、及び排気路6内の酸素濃度値の推移を示したもの
である。つまり、燃焼を停止すると図8(ク)の如く排
気路6内の酸素濃度は、大気中の酸素濃度(21%)へ
と上昇し、この酸素濃度の上昇に伴い酸素センサ10の
出力値もIH へと上昇する。一方、ポストパージにおい
て、時間が経過するに伴いセンサ雰囲気温度は図8
(キ)に示すようにWH よりWL へと下降していく。こ
のセンサ雰囲気温度の下降による温度変化により、酸素
センサ10の温度が影響を受け、酸素センサ10の温度
はTH よりTL へと下降することとなる。従って、図5
の破線の如く酸素センサ10が劣化状態にあれば、酸素
センサの温度がTH よりTL へ変化すると、つまり、セ
ンサ雰囲気温度がWH よりWL へと変化すると、図8
(カ)に示すように、酸素センサ10の出力値はIH
りI L へと減少する。
【0033】判定手段9bは、(|IH −IL |)が所
定値ΔIを越えている場合は不良と判定する。従って、
図5(a)の破線で示す特性まで劣化が進行している場
合は不良と判定される。そして、(チ)以降の処理に示
すように、設定手段Rに設けられた異常ランプ(燃焼ラ
ンプと兼用)16を点滅させ器具の運転を停止させた
後、インターロックをかける。尚、インターロックの解
除は酸素センサ10の交換等の所定のメンテナンスを行
った後、リセットスイッチ(図示せず)を押すことによ
り行われる。
【0034】判定手段9bは、(|IH −IL |)が所
定値ΔI以下の場合(図4の劣化状態の場合)は良と判
定し、酸素濃度対出力値特性を校正する(処理
(ト))。具体的には、酸素濃度とセンサ出力との比例
関係はそのままで比例定数のみが変化するので、酸素濃
度21%に対するセンサ出力がIL であるとして上記比
例定数を定める校正を行う。
【0035】この後、ファン5の作動及び酸素センサ1
0への通電を停止して、燃焼制御を終了する。尚、上記
所定時間(t2 )が経過する前に再び給湯栓が開かれ水
流スイッチ15がオンになった場合は、ガス弁が開かれ
再び点火された後、処理(ハ)の位置にジャンプする。
【0036】以下に別実施例について列記する。 上記実施例の所定時間(t2 )とポストパージ時間
とが同じでも良い。 上記実施例では、酸素濃度対出力値特性の校正を、
既知酸素濃度21%と、それに対するセンサ出力値IL
を用いて行ったが、センサ出力値IH を用いても良い。
又、IL とIH との中間値を用いてもよい。 上記実施例では、燃焼停止後所定時間(t2 )が経
過するまでの間の酸素センサ10の出力値の最大値IH
と所定時間経過後の出力値IL とより、酸素センサ10
の劣化を判別しているが、燃焼停止後、酸素濃度が大気
中の酸素濃度になったのちの酸素センサ10の出力値の
変位より、酸素センサ10の劣化を判別するようにして
も良い。つまり、燃焼停止後のポストパージで、排気路
6の排ガスが大気と完全に入れ変わったと考えられる時
間(例えば、燃焼停止後5秒)経過したときの酸素セン
サ10の出力値とその後所定時間経過したときの酸素セ
ンサ10の出力値とより劣化を判別するようにしても良
い。 上記実施例では、燃焼停止後所定時間(t2 )が経
過するまでの間の酸素センサ10の出力値の変動状態か
ら、酸素センサ10の劣化状態を判定しているが、酸素
センサ10の近傍にセンサ雰囲気温度を測定する温度セ
ンサを設け、燃焼停止後、温度センサの検出値が所定の
値(WL )になるまでの間の酸素センサ10の出力値の
変動状態から、酸素センサ10の劣化を判別するように
しても良い。又、燃焼停止後、上記温度センサの検出値
が所定の温度変化をする間の酸素センサ10の出力値の
変動状態から、酸素センサ10の劣化を判別するように
しても良い。又は、酸素センサ10の温度を測定する温
度センサを酸素センサ10に備えさせておき、その温度
センサの検出値が所定の温度変化をする間(例えば、5
00℃から450℃に低下する間)の酸素センサ10の
出力値の変動状態から、酸素センサ10の劣化を判別す
るようにしても良い。 上記実施例では、ポストパージの間の酸素センサ1
0の出力値の変動状態から、酸素センサ10の劣化を判
別しているが、プリパージの間に酸素センサ10の温度
を変化させ、そのときの酸素センサ10の出力値の変動
状態から、酸素センサ10の劣化を判別するようにして
も良い。例えば、酸素センサ10の温度を測定する温度
センサを酸素センサ10に備えさせておき、水流スイッ
チ15がオンになるに伴って、酸素センサ10への通電
及びファン5の作動が開始される(プリパージ)が、こ
のときのヒーター11eによる酸素センサ10の温度上
昇を温度センサにて測定し、その測定温度値が所定の温
度変化をする間(例えば450℃から500℃に上昇す
る間)の酸素センサ10の出力値の変動状態から、酸素
センサ10の劣化状態を判定する。尚、このときの酸素
センサ10の温度上昇を温度センサにて測定する代わり
に、酸素センサ10のヒータ11eへの通電を開始した
のちの時間を測定しておき、その測定時間にて酸素セン
サ10の温度上昇を推定するようにしても良い。 上記実施例では、酸素センサ10の雰囲気温度の変
化による酸素センサ10の温度変化を利用して劣化を判
別しているが、酸素センサ10の温度変化をヒータ11
eへ通電する電力を変更することにより行うようにして
も良い。例えば、酸素センサが定常作動状態(500
℃)にあるとき、酸素センサ10の雰囲気温度及び酸素
濃度が変化しないとすると、酸素センサ10の温度変化
をヒータ11eへ通電する電力を変更することにより酸
素センサの温度を例えば450℃へと変化させ、そのと
きの酸素センサ10の出力値の変動状態から、酸素セン
サ10の劣化を判別するようにしても良い。 本発明は、実施例のような給湯器に限らず、各種の
酸素濃度検出装置に適用できる。要は、劣化判定を大気
中で行う必要はなく、センサ温度TH のときの酸素濃度
とセンサ温度TL のときの酸素濃度が等しく、且つ、そ
の劣化判定時の酸素濃度が、酸素濃度検出範囲の内の酸
素濃度であればよい。従って、例えば燃焼中に上記条件
が満たされれば劣化判定を行うことも可能である。尚、
酸素濃度の絶対値を検出する必要がない場合、つまり、
酸素濃度の相対的変化のみを検出すればよい酸素濃度検
出装置の場合にあっては、酸素センサの酸素濃度対出力
値特性の校正は必ずしも必要ではない。
【0037】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る給湯器の構成図
【図2】限界電流型酸素センサの断面図
【図3】センサユニットの断面図
【図4】限界電流型酸素センサの劣化特性図(その1)
【図5】限界電流型酸素センサの劣化特性図(その2)
【図6】燃料供給量と酸素濃度目標値との関係を示すグ
ラフ
【図7】燃料供給量とファン目標回転数との関係を示す
グラフ
【図8】ポストパージにおける諸特性の関係を示すグラ
【図9】燃焼コントローラの処理を示す流れ図
【符号の説明】
3 燃焼部 5 通風手段 9a 劣化判別手段 10 酸素センサ 11b 監視電圧印加手段 11e 加熱手段 Z 温度変更手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 和幸 大阪府大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式会社ハーマン内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱手段(11e)にて加熱され且つ監
    視電圧印加手段(11b)にて監視電圧が印加される限
    界電流型の酸素センサ(10)の劣化検出方法であっ
    て、 酸素濃度が一定の条件下において、前記酸素センサ(1
    0)の温度を変化させて、その温度変化に伴う前記酸素
    センサ(10)の出力値の変動状態から劣化を検出する
    酸素センサの劣化検出方法。
  2. 【請求項2】 加熱手段(11e)にて加熱され且つ監
    視電圧印加手段(11b)にて監視電圧が印加される限
    界電流型の酸素センサ(10)の劣化検出装置であっ
    て、 前記酸素センサ(10)の温度を変化させる温度変更手
    段(Z)と、その温度変更手段(Z)により温度を変化
    させるに伴う前記酸素センサ(10)の出力値の変動状
    態から劣化を判別する劣化判別手段(9a)とが設けら
    れている酸素センサの劣化検出装置。
  3. 【請求項3】 前記酸素センサ(10)が、通風手段
    (5)にて燃焼用空気が供給される燃焼部(3)の排ガ
    スの酸素濃度を検出するように設けられ、 前記温度変更手段(Z)が、前記燃焼部(3)が燃焼状
    態から燃焼停止状態に切り換えられたのちも継続して前
    記通風手段(5)を継続して運転することにより、前記
    酸素センサ(10)の温度を変更させるように構成さ
    れ、 前記劣化判別手段(9a)が、前記燃焼停止状態に切り
    換えられた後の酸素濃度が大気中の酸素濃度になったの
    ちの前記酸素センサ(10)の出力値の変位を検出し
    て、前記酸素センサ(10)の劣化を判別するように構
    成されている請求項2記載の酸素センサの劣化検出装
    置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4007819A1 (de) * 1989-03-13 1990-09-20 Ngk Insulators Ltd Wasserdichter sauerstoffuehler
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JP2018205040A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 株式会社東芝 原子炉施設および原子炉格納容器内酸素測定方法

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