JP2016166615A - ディファレンシャル装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このバッフルプレートは、差動ギヤ機構を収容するディファレンシャルケース(以下、「デフケース」という)に固定されたリングギヤ(ファイナルドリブンギヤ)に対し、隙間を介在させつつその下部を覆うように設けられている。
そのため、リングギヤが回転することにより潤滑油がバッフルプレートとの隙間内に入りにくくなり、リングギヤがバッフルプレート内から掻き出す排出油量に対して流入油量が少なくなる。これにより、リングギヤに対する潤滑油の撹拌抵抗が低減し、ひいてはスピンロスが低減する。
しかしながら、上記従来のディファレンシャル装置では、上述の通りバッフルプレート内からの排出油量が増えるため、リングギヤがバッフルプレート内から掻き揚げる潤滑油量が減ってしまう。その結果、デフケース内に供給される潤滑油量も減ることとなり、差動ギヤ機構の焼き付き耐力が低下してしまう。
前記ケース部材に同心状に固定され、当該ケース部材を所定の回転方向に回転させるリングギヤと、
前記ケース部材との間に隙間を介在させつつ、当該ケース部材の下部を覆うように設けられたバッフルプレートと、
を備えるディファレンシャル装置であって、
前記ケース部材は、当該ケース部材の内部と外部を連通させるとともに、当該ケース部材の回転に伴って前記バッフルプレート内から出没する位置に形成された孔部を有し、
前記バッフルプレートは、前記ケース部材との間の隙間が、前記回転方向の上流側の入口側隙間よりも下流側の出口側隙間の方が狭くなるように設けられていることを特徴とする。
前記バッフルプレートは、前記ケース部材との間の隙間が前記回転方向の上流側から下流側に向かって次第に狭くなるように、軸方向に沿った内周面の中心軸が、前記ケース部材の前記中心軸に対して水平方向で前記回転方向の上流側に偏心していることを特徴とする。
ここで、「軸方向」とは、ケース本体部の中心軸に沿った方向を意味する。
前記ケース部材は、前記差動ギヤ機構を収容するとともに、前記中心軸及び前記孔部を有するケース本体部を有し、
前記リングギヤは、前記ケース部材のうち前記ケース本体部よりも軸方向の一方側の部分に固定され、
前記バッフルプレートは、前記リングギヤの下部を覆うギヤ被覆部と、前記ケース部材のうちの前記ケース本体部の下部を覆うケース被覆部とを有し、
前記ギヤ被覆部は、前記リングギヤとの間の隙間が周方向に沿って略一定となるように設けられ、
前記ケース被覆部は、前記ケース本体部との間の隙間が、前記入口側隙間よりも前記出口側隙間の方が狭くなるように設けられていることを特徴とする。
これにより、ケース部材の回転に伴って出口側隙間からバッフルプレート外に排出される潤滑油量よりも入口側隙間から流入する潤滑油量の方が多くなる。その結果、バッフルプレート内には潤滑油が溜まりやすくなるため、ケース部材の回転に伴ってバッフルプレート内から出没する孔部から掬い揚げられるようにして、この溜まった潤滑油がケース部材内に好適に導入される。
したがって、ケース部材内の差動ギヤ機構に好適に潤滑油を供給することができ、差動ギヤ機構の焼き付き耐力を向上させることができる。
これにより、潤滑油はバッフルプレート内に円滑に流れて、より溜まりやすくなる。
したがって、ケース部材内の差動ギヤ機構にさらに好適に潤滑油を供給することができ、差動ギヤ機構の焼き付き耐力をさらに向上させることができる。
これにより、バッフルプレートのうちのギヤ被覆部では、排出油量に対して流入油量を少なくしてリングギヤに対する潤滑油の撹拌抵抗を好適に低減させるとともに、一方のケース被覆部では、上述の通りケース部材内の差動ギヤ機構に好適に潤滑油を供給することができる。
したがって、スピンロスを好適に低減させつつ、差動ギヤ機構の焼き付き耐力を向上させることができる。
このうち、2つの潤滑油導入孔21b,21bは、外部からデフ室21a内に潤滑油を導入するためのものであり、中心軸Axと直交する方向に沿いつつ互いに軸対称となる位置に形成され、ケース本体部21の内部と外部を連通させている。また、2つの潤滑油導入孔21b,21bは、デフケース2の回転に伴って、ケース本体部21の略下半部を覆う後述のバッフルプレート4のケース被覆部42内から出没する位置に形成されている。
一方、2つの軸受孔21c,21cは、デフ室21a内のピニオンギヤのシャフト(図示省略)を軸支するものであり、2つの潤滑油導入孔21b,21bに沿った方向及び中心軸Axのいずれとも直交する方向に沿いつつ、互いに軸対称となる位置に形成されている。
なお、本実施形態におけるギヤ被覆部41には、リングギヤ3の外径方向に位置する側壁の一部に切欠きが形成されているが(図1及び図2参照)、この切欠きは図示しない他部品との干渉を避けるためのものであり、形成しなくともよい。
但し、この隙間CLは、回転方向Rの下流側(最下流部)での出口側隙間CL2が上流側(最上流部)の入口側隙間CL1よりも狭ければよく、回転方向Rの上流側から下流側に向かって次第に狭くなっていなくともよい。なお、本実施形態では、隙間CLの出口側隙間CL2が、組立精度等を加味したうえでバッフルプレート4とケース本体部21とが接触しない最小の隙間として、約1.5mmに設定されている。
ディファレンシャル装置1では、ファイナルドライブギヤの回転に伴ってリングギヤ3とデフケース2とが回転方向Rへ回転すると、図示しないハウジングの内部に貯留された潤滑油がリングギヤ3によって掻き揚げられ、バッフルプレート4内に収容される。
このとき、ケース本体部21とケース被覆部42との間の隙間CLは、出口側隙間CL2が入口側隙間CL1よりも狭くなっているため、デフケース2の回転に伴って出口側隙間CL2から隙間CL(ケース被覆部42)外に排出される潤滑油量よりも入口側隙間CL1から流入する潤滑油量の方が多くなる。その結果、ケース被覆部42内には潤滑油が溜まりやすくなり、ひいては、デフ室21a内に潤滑油を導入しやすくなる。
これにより、デフケース2の回転に伴って出口側隙間CL2からケース被覆部42外に排出される潤滑油量よりも入口側隙間CL1から流入する潤滑油量の方が多くなる。その結果、ケース被覆部42内には潤滑油が溜まりやすくなるため、デフケース2の回転に伴ってケース被覆部42内から出没する潤滑油導入孔21bから掬い揚げられるようにして、この溜まった潤滑油がケース本体部21内のデフ室21aに好適に導入される。
したがって、デフ室21a内の差動ギヤ機構に好適に潤滑油を供給することができ、差動ギヤ機構の焼き付き耐力を向上させることができる。
これにより、潤滑油はケース被覆部42内に円滑に流れて、より溜まりやすくなる。
したがって、デフ室21a内の差動ギヤ機構にさらに好適に潤滑油を供給することができ、差動ギヤ機構の焼き付き耐力をさらに向上させることができる。
これにより、バッフルプレート4のうちのギヤ被覆部41では、排出油量に対して流入油量を少なくしてリングギヤ3に対する潤滑油の撹拌抵抗を好適に低減させるとともに、一方のケース被覆部42では、上述の通りデフ室21a内の差動ギヤ機構に好適に潤滑油を供給することができる。
したがって、スピンロスを好適に低減させつつ、差動ギヤ機構の焼き付き耐力を向上させることができる。
2 ディファレンシャルケース(ケース部材)
21 ケース本体部
21a デフ室
21b 潤滑油導入孔(孔部)
Ax 中心軸
L 外形軌跡
3 リングギヤ
4 バッフルプレート
41 ギヤ被覆部
42 ケース被覆部
42a 中心軸
CL 隙間
CL1 入口側隙間
CL2 出口側隙間
R 回転方向
Claims (3)
- 内部に差動ギヤ機構を収容するとともに、略水平な中心軸回りに回転可能に支持されたケース部材と、
前記ケース部材に同心状に固定され、当該ケース部材を所定の回転方向に回転させるリングギヤと、
前記ケース部材との間に隙間を介在させつつ、当該ケース部材の下部を覆うように設けられたバッフルプレートと、
を備えるディファレンシャル装置であって、
前記ケース部材は、当該ケース部材の内部と外部を連通させるとともに、当該ケース部材の回転に伴って前記バッフルプレート内から出没する位置に形成された孔部を有し、
前記バッフルプレートは、前記ケース部材との間の隙間が、前記回転方向の上流側の入口側隙間よりも下流側の出口側隙間の方が狭くなるように設けられていることを特徴とするディファレンシャル装置。 - 前記バッフルプレートは、前記ケース部材との間の隙間が前記回転方向の上流側から下流側に向かって次第に狭くなるように、軸方向に沿った内周面の中心軸が、前記ケース部材の前記中心軸に対して水平方向で前記回転方向の上流側に偏心していることを特徴とする請求項1に記載のディファレンシャル装置。
- 前記ケース部材は、前記差動ギヤ機構を収容するとともに、前記中心軸及び前記孔部を有するケース本体部を有し、
前記リングギヤは、前記ケース部材のうち前記ケース本体部よりも軸方向の一方側の部分に固定され、
前記バッフルプレートは、前記リングギヤの下部を覆うギヤ被覆部と、前記ケース部材のうちの前記ケース本体部の下部を覆うケース被覆部とを有し、
前記ギヤ被覆部は、前記リングギヤとの間の隙間が周方向に沿って略一定となるように設けられ、
前記ケース被覆部は、前記ケース本体部との間の隙間が、前記入口側隙間よりも前記出口側隙間の方が狭くなるように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のディファレンシャル装置。
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JPS63180767U (ja) * | 1987-05-15 | 1988-11-22 | ||
JPH03130463U (ja) * | 1990-04-13 | 1991-12-27 | ||
JP2012062995A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-03-29 | Fuji Heavy Ind Ltd | 車両用変速装置の潤滑構造 |
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2015
- 2015-03-09 JP JP2015045411A patent/JP6488158B2/ja active Active
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