JP2016166539A - エンジン、及び当該エンジンを備えた作業車両 - Google Patents

エンジン、及び当該エンジンを備えた作業車両 Download PDF

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Abstract

【課題】排気ガス浄化装置の再生動作時において、運転状態に応じた排気ガスの状態を精度良く実現できるエンジンを提供する。
【解決手段】エンジン100には、排気ガスを浄化するDPF45が設けられる。また、エンジン100は、DPF45に捕集されたPMを除去する再生動作を行う。エンジン100は、エンジン本体10と、排気弁43と、ECU90と、運転状態検知部(回転速度検知部71及び燃料噴射量検知部72)と、を備える。エンジン本体10には、DPF45が配置される。排気弁43は、エンジン本体10の排気通路に設けられ、任意の開度に調整可能である。ECU90は、排気弁43の開度を制御可能である。運転状態検知部は、エンジン本体10の燃料噴射量及び回転速度を含む運転状態を検知する。ECU90は、運転状態検知部の検知結果に対応して排気弁43の開度を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として、排気ガス浄化装置を備えるエンジンに関する。
従来から、ディーゼルエンジンにおいて、排気ガスに含まれている有害成分を除去する排気ガス浄化装置をエンジンの排気通路に設ける構成が知られている。この排気ガス浄化装置は、粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集して燃焼させることにより除去するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)として構成されている。ところで、PMを燃焼することにより除去することはDPF再生と呼ばれている。
DPF再生の方法の1つに、ヒータやバーナ等の外部装置を介してPMを加熱することにより燃焼させることが挙げられる。特許文献1及び2に開示する排気浄化システム及び排気ガス浄化装置は、酸化触媒を利用してPMの酸化温度を下げ、排気ガスのエネルギーを用いてPMを自然着火できる温度に昇温させ燃焼することにより、DPF再生を行っている。
特許文献1の排気ガス浄化システムは、排気通路に上流側から酸化触媒と、粒子状物質を捕捉するフィルタと、排気絞り弁と、を設けるとともに、酸化触媒の入口に第1排気温度検出部と、酸化触媒とフィルタの間に第2排気温度検出部と、を配設し、DPFの再生制御の際に、酸化触媒の入口排気温度が酸化触媒の活性温度以下であるとき、排気絞り弁を閉じて遅延多段噴射制御を行い、排気ガスの温度を上昇させるとともに、酸化触媒の入口排気温度が酸化触媒の活性温度以上に昇温した後、フィルタの入口の排気温度がPM強制燃焼下限温度以上になるように排気絞り弁を段階的若しくは連続的に開くように構成されている。
特許文献1は、上記の構成により、DPFの再生制御運転のとき、トルク変動が少なく、白煙の発生も防止できるとする。
特許文献2の排気ガス浄化装置は、最小開度、最大開度、及び中間開度からなる3段階に調整可能な排気ガス絞り弁を排気通路に設け、パティキュレートフィルタの強制再生を行う際に、酸化触媒を活性化温度以上の温度に昇温させるとき、当該排気ガス絞り弁を最小開度にし、そして、パティキュレートフィルタを昇温して蓄積したパティキュレートを焼却するとき、排気ガス絞り弁を中間開度に保持するように構成されている。
特許文献2は、排気ガス絞り弁を用いて、酸化触媒とパティキュレートフィルタの昇温を安定して効率良く行うことができるとする。
特開2004−353529号公報 特開2007−040220号公報
特許文献1及び2に開示するように、従来から、DPFの再生制御時に、排気温度をPMの自然着火温度以上に昇温させるために、排気温度に応じて排気絞り弁(排気ガス絞り弁)の開度を制御することが提案されている。
しかし、負荷の変動が激しい状況下においてDPF再生を行うと、DPF再生中に排気圧力が急に上がることが考えられる。一般的に排気圧力が上昇すると排気温度は上昇する傾向にあるが、特許文献1及び2のように排気温度に基づいて排気絞り弁の開閉を制御する構成では、排気圧力の急激な増加に対して排気絞り弁を開く制御に遅れが生じ易くなり、最悪の場合、排気ガスの圧力が過大になってエンジンの破損を招いてしまう。一方で、負荷の変動がない状況でしかDPF再生を行わないこととすると、エンジンの稼動が大幅に制限され、利便性が大きく低下してしまう。
また、特許文献1では、ポスト噴射等により軽油等の燃料を排気管内に追加し、この燃料を上流側の酸化触媒で燃焼させることで、排気温度を上昇する方法についても述べられている。しかし、ポスト噴射を多用すると、エンジンオイルが軽油で希釈され、潤滑不足等の原因になるおそれもある。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、排気ガス浄化装置の再生動作時において、運転状態に応じた排気ガスの状態を精度良く実現できるエンジンを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成のエンジンが提供される。即ち、このエンジンには、排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置が設けられる。また、エンジンは、前記排気ガス浄化装置に捕集された粒子状物質を除去する再生動作を行う。エンジンは、エンジン本体と、排気弁と、制御部と、運転状態検知部と、を備える。前記エンジン本体には、前記排気ガス浄化装置が配置される。前記排気弁は、前記エンジン本体の排気通路に設けられ、任意の開度に調整可能である。前記制御部は、前記排気弁の開度を制御可能である。前記運転状態検知部は、少なくとも前記エンジン本体の燃料噴射量及び回転速度を含む運転状態を検知する。前記制御部は、前記運転状態検知部の検知結果に対応して前記排気弁の開度を制御する。
これにより、エンジン本体の運転状態(燃料噴射量及び回転速度等)に応じて排気弁の開度を適切に調整できるので、排気ガス浄化装置の再生動作中に、エンジンが搭載された機械(例えば、作業車両)が行う作業の変化によってエンジンの運転状態が変動しても、排気ガスの状態(温度、圧力等)を適切に保つことができる。この結果、排気ガス浄化装置に捕集された粒子状物質を好適に除去することができる。
前記のエンジンにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、このエンジンは、大気圧検出部と、吸気温度検出部と、を備える。前記大気圧検出部は、当該エンジンの運転環境における大気圧を検出する。前記吸気温度検出部は、前記エンジン本体の吸気温度を検出する。前記制御部は、前記大気圧検出部及び前記吸気温度検出部の検出結果に基づいて、前記排気弁の開度を補正する。
これにより、エンジンが稼動する環境における大気圧及び外気温度に応じて、排気弁の開度を補正することができるので、エンジンの排気圧力が過大になることを防止できる。また、排気弁43の開度を介して排気圧力を調整することにより、排気ガス浄化装置内の排気温度を容易に制御できるので、粒子状物質の除去による排気ガス浄化装置の再生を確実に実現することができる。
前記のエンジンにおいては、前記排気弁の開度に関する制御を前記制御部が実行するか否かを切換可能な切換部を備えることが好ましい。
これにより、例えばエンジン負荷の変動が考えにくい場合(例えば、エンジンが搭載された機械が高負荷のみの作業を行う場合)に、排気弁の開度に関する制御を行わないようにすることで、エンジンを一層効率良く稼動させることができる。
前記のエンジンにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、このエンジンは、前記エンジン本体の前記排気ガスの排気温度を検出する排気温度検出部を更に備える。前記制御部は、前記排気温度検出部の検出結果に基づいて、前記排気弁の開度を補正する。
これにより、排気ガスの実際の温度に基づいて、例えば排気温度が上昇し過ぎないように排気弁の開度を調整することができるので、排気温度の過熱によるエンジンの効率低下、又はエンジンの損傷を防止することができる。
前記のエンジンにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記エンジン本体の前記排気ガスの排気圧力を検出する排気圧力検出部を更に備える。前記制御部は、前記排気圧力検出部の検出結果に基づいて、前記排気弁の開度を補正する。
これにより、排気ガスの実際の圧力に応じて、例えば排気圧力が過大にならないように排気弁の開度を調整することができるので、排気圧力の過大な上昇によるエンジンの損傷を防止することができる。
前記のエンジンにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記エンジン本体の冷却水温度を検出する冷却水温度検出部を更に備える。前記制御部は、前記冷却水温度検出部の検出結果に基づいて、前記排気弁の開度を補正する。
これにより、冷却水の温度に応じて排気弁の開度を調整できるので、例えば冷却水温度が過度に上昇することを防止でき、エンジン本体のオーバーヒートを防止することができる。
本発明の他の観点によれば、前記のエンジンを備えた作業車両が提供される。
これにより、エンジンの運転状態に応じて排気弁の開度を適切に調整できるので、排気ガス浄化装置の再生動作中に、作業車両が行う作業の変化によってエンジンの運転状態が変動しても、排気ガスの状態(温度、圧力等)を適切に保つことができる。この結果、排気ガス浄化装置に捕集された粒子状物質を好適に除去することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの構成を示す概略説明図。 ECUの構成を示す機能ブロック図。 DPF再生時における排気弁の開度を制御するための構成を示す図。 排気弁目標開度マップを説明する図。 環境条件に基づく開度補正制御ブロックの構成を詳細に説明する図。 大気圧及び吸気温度に対する開度補正量マップを示す図。 大気圧及び吸気温度に対する補正係数カーブを示す図。 吸気温度に対する排気弁の開度補正の効果を従来の構成と対比して説明するグラフ。 エンジン状態に基づく開度補正制御ブロックの構成を詳細に説明する図。 (a)リミット排気温度マップを説明するグラフ。(b)エンジン回転速度を所定値に固定した場合に、リミット排気温度マップから得られるリミット排気温度と実際の排気温度との間の偏差と燃料噴射量との関係を示す図。 排気温度偏差に基づく開度補正量マップを示す図。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るエンジン100の構成を示す概略説明図である。
最初に、エンジン100の構成について、図1を参照して説明する。本実施形態のエンジン100は、例えばホイルローダ等の図略の作業車両に搭載されている。このエンジン100は、コモンレール式の燃料噴射装置を有するディーゼルエンジンとして構成されている。
本実施形態のエンジン100は、図1に示すように、主として、エンジン本体10と、制御部であるECU(エンジンコントロールユニット)90と、を備えている。
エンジン本体10は、主として、外部から空気を吸入する空気吸入部2と、燃料の燃焼室3を有するシリンダと、燃料の燃焼によって発生する排気ガスを外部に排出する排気ガス排出部4と、を備える。
空気吸入部2は、吸気の通路である吸気管21を備える。また、空気吸入部2は、吸気管21において吸気が流れる方向の上流側から順に配置された、エアクリーナ22と、過給機23と、インタークーラ24と、吸気弁25と、吸気マニホールド26と、を備える。
吸気管21は、エアクリーナ22と、過給機23と、インタークーラ24と、吸気弁25と、吸気マニホールド26と、を接続するように構成され、その内部に、エアクリーナ22から吸入された空気を流すことができる。
エアクリーナ22は、エアフィルタなどから構成されている。エアクリーナ22は、外部から吸入した空気に含まれている粉塵などを取り除いて、過給機23に供給する。
過給機23は、タービンホイール231と、シャフト232と、コンプレッサホイール233と、を備える。シャフト232の一端にはタービンホイール231が接続され、他端にはコンプレッサホイール233が接続されている。タービンホイール231は、燃料の燃焼によって発生する排気ガスを利用して回転するように構成されている。コンプレッサホイール233は、タービンホイール231の回転に伴って回転し、これによって空気が圧縮されて強制的に吸入される。
インタークーラ24は、過給機23によって吸入された圧縮空気を、冷却水又は空気と熱交換させることで冷却させる。
吸気弁25は、ECU90からの制御指令に従って、その開度を調節することにより、吸気通路の断面積を変化させる。これにより、吸気マニホールド26へ供給する空気量を調整することができる。
吸気マニホールド26は、吸気管21から供給された空気をエンジン本体10のシリンダ数に応じて分配し、それぞれのシリンダの燃焼室3へ供給する。
燃焼室3では、吸気マニホールド26から供給された空気を圧縮し、高温になった圧縮空気に燃料を噴射することにより、燃料を自然着火燃焼させ、ピストンを押して運動させる。こうして得られた動力は、クランク軸などを介して、所定の機器(推進用のスクリューなど)へ伝達される。
そして、本実施形態のエンジン100には、エンジン本体10が燃料の燃焼により過熱状態にならないようにするための図略の冷却水循環システムが設けられている。この冷却水循環システムは、冷却水を、エンジン本体10のシリンダヘッド等に形成された水冷ジャケット(図略)等に還流させ、エンジン本体10の水冷ジャケット等と熱交換させるように構成されている。
次に、本実施形態のエンジン100において、燃料の供給及び噴射を行う構成について簡単に説明する。図1に示すように、エンジン100は、燃料タンク31と、燃料フィルタ32と、燃料ポンプ33と、コモンレール34と、インジェクタ35と、を備える。
燃料ポンプ33は、燃料タンク31に貯留された燃料を吸入する。燃料ポンプ33によって吸い込まれた燃料は燃料フィルタ32を通過し、これにより、燃料に混入しているゴミ及び汚れが取り除かれる。そして、当該ゴミ及び汚れが除去された燃料はコモンレール34へ供給される。コモンレール34は、高圧で燃料を蓄え、複数のインジェクタ35に分配して供給する。
インジェクタ35は、燃焼室3に燃料を噴射するための燃料噴射バルブ(インジェクタ電磁弁)を備え、ECU90の指示に応じたタイミングで開閉することにより、燃焼室3に燃料を噴射する。当該インジェクタ35の開閉を制御することにより、燃料噴射量を調整することができる。
燃焼室3で燃料が燃焼することによって発生した排気ガスは、排気ガス排出部4を介して、燃焼室3からエンジン本体10の外へ排出される。
排気ガス排出部4は、排気ガスの通路である排気管41を備える。また、排気ガス排出部4は、排気管41において排気ガスが流れる方向における上流側から順に配置された、排気マニホールド42と、排気弁43と、排気ガス浄化装置であるDPF45と、を備える。
また、エンジン本体10はEGR装置50を備えており、排気ガスの一部を、図1に示すように、当該EGR装置50を介して吸気側へ還流させる。これにより、例えばエンジン100の高負荷運転時における最高燃焼温度を低下させることができるので、NOx(窒素酸化物)の生成量を低減することができる。
排気管41は、排気マニホールド42と、排気弁43と、DPF45と、を接続するように構成され、その内部に、燃焼室3から排出された排気ガスを流すことができる。
排気マニホールド42は、各燃焼室3で発生した排気ガスをまとめて、当該排気ガスを過給機23のタービンホイール231に供給するように排気管41へ導く。
排気弁43は、絞り弁として構成され、その開度を、無段階で(又は十分に多くの段階で)変更することができる。排気弁43は、ECU90の指令に従って、DPF45に送られる排気ガスの量を調整することができる。
DPF45は、排気管41の出口に設けられ、酸化触媒451と、当該酸化触媒451の下流側に配置されたフィルタ452と、を備える。
酸化触媒451は、白金等で構成されており、排気ガスに含まれる未燃燃料、一酸化炭素、一酸化窒素などの酸化を促進することができる。酸化触媒451の作用によって、排気ガス中の一酸化窒素は、不安定な二酸化窒素に酸化される。そして、二酸化窒素が一酸化窒素に戻るとき放出された酸素は、下流側のフィルタ452で捕捉されたPMの燃焼のために供給される。
フィルタ452は、例えばウォールフロー型のフィルタやハニカム構造のフィルタから構成される。フィルタ452は、酸化触媒451で処理された排気ガスに含まれるPMを捕集する。
なお、上記したPMの燃焼の効率を高めるためには排気ガスの温度を高温に維持する必要がある一方で、排気ガスが高温になり過ぎるとフィルタ452の劣化等の原因となる。このため、本実施形態のエンジン100は、特許文献1と同様に、排気弁43によってDPF45内の排気圧力を制御し、これによりDPF45内の排気ガスの温度を調整できるように構成されている。
DPF45には、酸化触媒温度センサ61と、DPF温度センサ62と、差圧センサ63と、が設けられている。酸化触媒温度センサ61は、酸化触媒451の上流側(DPF45の入口)の排気温度を検出する。DPF温度センサ62は、酸化触媒451及びフィルタ452の間(フィルタ452の入口)の排気温度を検出する。ECU90は、当該酸化触媒温度センサ61及びDPF温度センサ62の検出結果に基づいて、DPF再生を好適に実行させることができる。
差圧センサ63は、フィルタ452の入口とフィルタ452の出口の排気の圧力差を検出してECU90へ出力する。ECU90は、当該差圧センサ63の検出結果に基づいて、フィルタ452に堆積したPMの堆積量を算出する。なお、PMの堆積量の算出方法はこれに限定されず、例えばエンジン100の運転履歴などに基づいてPMの堆積量を推測することもできる。
次に、本実施形態のエンジン100における、DPF45のフィルタ452に堆積したPMを除去する制御(以下、DPF再生制御と称する)について説明する。
本実施形態のエンジン100は、複数のDPF再生制御モードを有している。これらの再生制御モードには、PM堆積量が所定以上となったタイミングで行われるアシスト再生制御、所定時間ごとに行われるリセット再生制御、リセット再生制御を一定時間行ってもPM堆積量が所定以上残っている場合に行われるステーショナリ再生制御、及び、ステーショナリ再生制御を一定時間行ってもPM堆積量が所定以上残っている場合に行われるリカバリ再生制御が含まれている。なお、上記のうち、アシスト再生制御及びリセット再生制御は、エンジン100が搭載された作業車両の作業中に実行することができる。
何れのDPF再生制御モードにおいても、排気ガスの熱エネルギーを利用してDPF45内の温度を上昇させ、PMを自然燃焼させることにより除去している。従って、DPF再生を確実に実行するためには、排気ガスの状態(特に、温度)が好適に調整されていることが重要である。
しかしながら、ホイルローダ等の作業車両にエンジン100を適用した場合、当該作業車両の特性上、エンジン100が低負荷で運転されることが多くなる。一般に、低負荷運転の場合は、燃料噴射量が少ないため、排気温度が低くなり、また、排気ガスの量が少なくなる。従って、上記のような作業車両では、特に作業中にDPF再生を行う場合(アシスト再生制御又はリセット再生制御を行う場合)において、DPF45の再生に好適な十分に高い排気温度を実現できないことがある。
この点、特許文献1では、DPF内の温度に応じて排気弁の開度を調節し、必要に応じて排気ガスを昇温させている。しかし、特許文献1のように温度に基づいて排気弁の開度を制御するのでは、例えば、エンジンの負荷が急激に変化して排気圧力が急増した場合に、排気弁の開度調整が遅れて圧力調整が不十分になり、極端な場合にはエンジン本体10が損傷してしまう可能性がある。
このように、DPF再生(上記のアシスト再生制御又はリセット再生制御)を実行しているときに作業車両で行う作業が変更されると、燃料噴射量及び回転数が変化し、これによって排気圧力及び排気温度が変化する。従って、作業中のDPF再生を確実に行うことが困難な場合がある。
この事情を考慮して、本実施形態のエンジン100においては、図2に示すように、検出部70によって、エンジン本体10の運転状態、運転環境条件及び稼動状態を検出している。そして、ECU90は、上記の検出部70の検出結果に基づいて、エンジン100の運転状態に適した排気圧力を実現できるように排気弁43の開度を調整している。
なお、ECU90と排気弁43との通信(ECU90による排気弁43の制御)には、例えばCAN(Controller Area Network)通信を用いることができる。CAN通信は、自動車等において機器間の相互通信に用いられる公知の規格であり、耐ノイズ性に優れ信頼性が高い等の特徴がある。しかし、排気弁43の制御の方法はこれに限定されず、他の方法を用いることもできる。
検出部70は、エンジン本体10の運転状態(即ち、回転速度及び燃料噴射量)を検出するために、回転速度検知部71と、燃料噴射量検知部72と、を備える。
上記の回転速度検知部71は、例えば、エンジン本体10が備える図示しないクランク軸の回転を検出するクランクセンサとして構成することができる。また、燃料噴射量検知部72は、例えば上記のインジェクタ電磁弁への指令値に基づいて燃料噴射量を計算により得るように構成することができる。なお、燃料噴射量は、エンジンの負荷率を実質的に意味するものである。
ECU90は、排気弁目標開度計算部91と、記憶部93と、を備えている。排気弁目標開度計算部91は、排気弁43の開度を算出することができる。記憶部93は、排気弁43の開度に関して予め設定された様々な制御マップ及び制御カーブを記憶している。
以上の構成で、ECU90は、DPF再生時において、回転速度検知部71及び燃料噴射量検知部72からエンジン100の回転速度ν及び燃料噴射量θを取得するとともに、記憶部93から排気弁目標開度マップを読み込む。なお、図3には排気弁目標開度マップ101が模式的に示されている。そして、ECU90(排気弁目標開度計算部91)は、排気弁目標開度マップ101に基づいて、当該回転速度ν及び燃料噴射量θに対応した排気弁43の開度を算出し、排気弁43の開度を調整する。
排気弁目標開度マップ101は、エンジン100の回転速度νと燃料噴射量θに応じて排気弁43の開度を決定するためのものである。この排気弁目標開度マップ101は、図4に示すように、回転速度νと燃料噴射量θの組合せに開度を対応付けた2次元のテーブルとして表現することができる。
一般的に、排気弁43の開度を減少させると、排気背圧が上昇するために排気のポンピングロスが増加し、この結果、排気温度が上昇する。このことを利用して、本実施形態では、運転状態(即ち、回転速度ν及び燃料噴射量θ)に応じて排気ガスの適切な目標圧力を実現するように、排気弁目標開度マップ101を適宜定めている。更に言えば、本実施形態では、特に低負荷域において排気ガスの温度をDPF再生に好適な状態に安定して保つことができるように、排気弁目標開度マップ101が定められている。ただし、どのようなマップを設定するかはエンジン100の特性等に応じて任意に定めることができ、図4では、開度の具体的な値は省略されている。
これにより、エンジン本体10の運転状態に応じて排気弁43の開度を適切に調整できるので、例えば作業車両が行う作業の変化によってエンジン100の運転状態が変動しても、排気ガスの状態(温度と圧力)を適切に保つことができ、DPF再生制御を好適に実現することができる。
なお、前述したようにエンジン100は複数のDPF再生制御モードを有しているが、排気弁目標開度マップ101は、それぞれのDPF再生制御モードに対応して別々に定められている。これにより、それぞれのDPF再生制御モードに応じて排気弁43の開度を適切に制御することができる。
ところで、エンジン本体10から排出される排気ガスの圧力及び温度は、大気圧及び吸気温度によって大きな影響を受ける。例えば、エンジン100が高地で運転される場合は、大気圧が低いため、排気温度が上がり易くなる。また、外気温度が通常より低い場合は、吸気温度が低くなる分、排気温度が低下することになる。
更に、上記のように排気弁目標開度マップ101により排気弁43の開度を制御するだけでは、例えば排気温度の過度の上昇、エンジン冷却水温度の過度の上昇、及び排気圧力の過度の上昇等が起こった場合に、このような状況に素早く対応して排気弁43の開度を変更することが困難である。従って、排気圧力の上がり過ぎによるエンジンの破損、エンジン冷却水温度の上がり過ぎによるオーバーヒート等の原因となってしまう。
この点、本実施形態のエンジン100において、ECU90は、排気弁開度補正量計算部92を備えている。この排気弁開度補正量計算部92は、図3に示す2つのブロック、即ち、環境条件に基づく開度補正制御ブロック102と、エンジン状態に基づく開度補正制御ブロック103と、を備える。
環境条件に基づく開度補正制御ブロック102は、エンジン100の環境条件(具体的には、大気圧及び吸気温度)に基づいて、排気弁43の開度を補正すべき量である開度補正量を計算して出力する。エンジン状態に基づく開度補正制御ブロック103は、エンジン100の状態(具体的には、排気温度、排気圧力及び冷却水温度)に基づいて、排気弁43の開度を補正すべき量である開度補正量を計算して出力する。
排気弁開度補正量計算部92は、それぞれのブロックから出力された開度補正量を加算することで、総合的な開度補正量を求める。そして、排気弁開度補正量計算部92が求めた総合的な開度補正量が、排気弁目標開度計算部91において(排気弁目標開度マップ101により)求められた目標開度に加算される。以上により排気弁43の補正後の目標開度が求められ、この目標開度を実現するように排気弁43がECU90によって制御される。
次に、図3に示す2つのブロックのうち、環境条件に基づく開度補正制御ブロック102について、図5等を参照して詳細に説明する。
図2に示すように、検出部70は、エンジン100の環境条件を検出するために、大気圧センサ73と、吸気温度センサ74と、を備える。大気圧センサ73は、図1に示すように、エンジン100の適宜の位置に配置された圧力センサとして構成されている。また、吸気温度センサ74は、吸気マニホールド26に配置された温度センサとして構成されている。
図5に示すように、環境条件に基づく開度補正制御ブロック102は、大気圧に基づく補正制御ブロックと、吸気温度に基づく補正制御ブロックと、を備える。
大気圧に基づく補正制御ブロックは、大気圧に対する開度補正量マップ111と、大気圧に対する補正係数カーブ112と、を用いて、大気圧に対応する排気弁43の開度補正量を求めることができる。
吸気温度に基づく補正制御ブロックは、吸気温度に対する開度補正量マップ113と、吸気温度に対する補正係数カーブ114と、を用いて、吸気温度に対応する排気弁43の開度補正量を求めることができる。
2つのブロックで求められた開度補正量は、図5に示すように加算される。そして、加算後の開度補正量が、環境条件に基づく開度補正制御ブロック102における開度補正量として出力される。
大気圧に対する開度補正量マップ111及び吸気温度に対する開度補正量マップ113は、大気圧又は吸気温度の何れかに応じて排気弁43の開度を補正する基準となる値(補正基準量)を、エンジン100の回転速度νと燃料噴射量θに応じて決定するためのものである。それぞれの補正量マップは図6に簡易的に示されている。これらの補正量マップは、図4の排気弁目標開度マップと同様に、回転速度νと燃料噴射量θの組合せに補正基準量を対応付けた2次元のテーブルとして表現することができる。
また、大気圧に対する補正係数カーブ112及び吸気温度に対する補正係数カーブ114は、上記の補正基準量に乗算される補正係数を、大気圧又は吸気温度の何れかに応じて決定するためのものである。それぞれの補正係数カーブは、図7に簡易的に示されるように、大気圧又は吸気温度に補正係数を対応付けた1次元のテーブルとして表現することができる。
それぞれの開度補正量マップ及び補正係数カーブは、予め設定され、記憶部93に記憶されている。ただし、どのようなマップ及びカーブを設定するかはエンジン100の特性等を考慮して任意に定めることができ、図6及び図7では、補正基準量及び補正係数の具体的な値は省略されている。
以上により、本実施形態のエンジン100は、環境条件(大気圧及び吸気温度)による排気圧力及び排気温度への影響を防止するように排気弁43の開度を適切に補正することができる。従って、エンジン100の運転状態に適した排気圧力及び排気温度を維持することができるので、DPFの再生を確実かつ好適に実現することができる。
図8は、環境条件に基づく開度補正制御ブロック102による排気弁43の開度補正の効果の一例を示すものである。図8(a)に示すように、外気温が通常より低いとき、従来の構成では、外気温が常温の場合よりも排気ガスの温度が低下してPMの燃焼が困難になる場合があった。一方、本実施形態では、外気温が低い場合には、排気弁43の開度を適宜減少させる補正によって排気ガスの圧力を増加させるように制御する。この結果、図8(b)に示すように、排気ガスの温度を、外気温が常温の場合とほぼ同等程度にすることができる。
続いて、図3に示す2つのブロックのうち、エンジン状態に基づく開度補正制御ブロック103について、図9等を参照して詳細に説明する。
図2に示すように、検出部70は、エンジン100の状態(排気温度、排気圧力及び冷却水温度)を検出するために、排気温度センサ75と、排気圧力センサ76と、冷却水温度センサ77と、を備える。排気温度センサ75は、図1に示すように、排気マニホールド42に配置された温度センサとして構成されている。また、排気圧力センサ76は、排気マニホールド42に配置された圧力センサとして構成されている。冷却水温度センサ77は、上述の冷却水循環システムにおける冷却水経路の適宜の位置に配置された温度センサとして構成されている。
図9に示すように、エンジン状態に基づく開度補正制御ブロック103は、排気温度に基づく補正制御ブロックと、排気圧力に基づく補正制御ブロックと、冷却水温度に基づく補正制御ブロックと、を備える。
最初に、排気温度に基づく補正制御ブロックについて説明する。このブロックでは先ず、エンジン100の回転速度ν及び燃料噴射量θに基づき、排気弁43の開度を補正することが必要な排気温度の範囲のうち下限の温度(リミット排気温度)を、リミット排気温度マップ121を用いて求める。なお、リミット排気温度マップ121については後述する。
その後、排気温度センサ75からエンジン本体10の実際の排気温度が取得されるとともに、この実際の排気温度から、リミット排気温度マップ121に基づいて得られたリミット排気温度が減算される。そして、減算後の値とゼロとが比較され、大きい方の値が出力される。これにより、リミット排気温度より実際の排気温度が高い場合はその偏差(正の値)が出力され、そうでない場合(即ち、排気弁43の開度補正が不要である場合)はゼロが出力される。
次に、排気温度に基づく補正制御ブロックでは、得られた排気温度の偏差と、エンジン100の回転速度νと、に基づき、排気弁43の開度補正量が、排気温度偏差に基づく開度補正量マップ122に基づいて求められる。
次に、リミット排気温度マップ121、及び、排気温度偏差に基づく開度補正量マップ122について説明する。
リミット排気温度マップ121は、エンジンの回転速度νと燃料噴射量θの組合せにリミット排気温度を対応付けた2次元のテーブルとして表現することができる。図10(a)は、リミット排気温度マップ121を、縦軸を燃料噴射量、横軸をエンジン回転速度として概念的に示したグラフである。
図10(a)に示すように、リミット排気温度マップ121は、回転速度νが高くなる程、また、燃料噴射量θが多くなる程、リミット排気温度が高くなるように定められている。なお、グラフにおける細線は、マップで定められるリミット排気温度の等温線を示している。
図10(b)のグラフには、図10(a)で示す所定の回転速度ν1における、リミット排気温度と燃料噴射量の関係が示されている。上述したように、リミット排気温度は、燃料噴射量θが多くなるほど高温になる。
また、図10(b)には、排気温度センサ75から得られた実際の排気温度と、燃料噴射量との関係が、通常の例と異常な例のそれぞれについて示されている。この図10(b)から分かるように、通常は、実際の排気温度はリミット排気温度を常に下回る。一方、エンジンに何らかのイレギュラーな状況が発生した場合は、実際の排気温度がリミット排気温度を上回ることが考えられる。
この点、本実施形態では、定められたリミット排気温度を実際の排気温度が上回ると、両排気温度の偏差(排気温度偏差)が計算される。そして、得られた排気温度偏差に対する排気弁43の開度補正量を、排気温度偏差に基づく開度補正量マップ122を用いて求め、この補正量によって補正された開度となるように排気弁43が制御される。これにより、排気温度の上がり過ぎを適切に防止することができる。
排気温度偏差に基づく開度補正量マップ122は、エンジンの回転速度νと排気温度偏差の組合せに排気弁43の開度補正量を対応付けた2次元のテーブルとして表現することができる。図11は、排気温度偏差に基づく開度補正量マップ122を、縦軸を燃料噴射量、横軸をエンジン回転速度として概念的に示したグラフである。図11に示すように、排気温度偏差に基づく開度補正量マップ122は、排気温度偏差が大きくなる程、また、回転速度νが大きくなる程、開度の補正量(開度を増大させる方向の補正量)を増大させるように定められている。なお、グラフにおける細線は、マップで定められる開度補正量の等補正量線を示している。
この構成で、何らかの外乱因子等の影響でエンジン100にイレギュラーな状況が発生し、その結果として実際の排気温度が上昇したとしても、リミット排気温度を上回った時点で、実際の排気温度とリミット排気温度との偏差に応じて排気弁43の開度が補正されることになる。これにより、排気温度が過剰に上昇しないようにエンジン100の状態を適切に保つことができるので、エンジン100の運転を安定して継続することができる。
図9に示す排気圧力に基づく補正制御ブロックでは、リミット排気圧力マップ123、及び、排気圧力偏差に基づく開度補正量マップ124を用いて、必要に応じて排気弁43の開度を補正する。冷却水温度に基づく補正制御ブロックでは、リミット冷却水温度マップ125、及び、冷却水温度偏差に基づく開度補正量マップ126を用いて、必要に応じて排気弁43の開度を補正する。排気圧力に基づく補正制御ブロック、及び、冷却水温度に基づく補正制御ブロックについては、対象が排気温度でなく排気圧力又は冷却水温度となるだけで、他は排気温度に基づく補正制御ブロックと実質的に同じであるため、詳細な説明を省略する。
これにより、エンジン100において何らかの理由で実際の排気圧力/冷却水温度が上昇したとしても、リミット排気圧力/リミット冷却水温度を上回った時点で、実際の排気圧力/冷却水温度とリミット排気圧力/リミット冷却水温度との偏差に応じて排気弁43の開度が補正されることになる。従って、排気圧力や冷却水温度が過剰に上昇しないようにエンジン100の状態を適切に保つことができるので、エンジン100の運転を安定して継続することができる。
上記の3つのブロックから得られた開度補正量は加算されて、この加算後の開度補正量が、エンジン状態に基づく開度補正制御ブロック103から開度補正量として出力される。
なお、本実施形態のエンジン100は、図3に示すように、ECU90が排気弁43の開度に関する制御を行うか否かを切換可能な切換部105を備えている。なお、排気弁43の開度の制御を行わない場合、排気弁43は常に全開とされる。この切換機能を利用する方法は様々に考えられるが、例えば、排気弁43の開度制御の可否を指示する制御スイッチ106を作業車両の操作部に設け、オペレータの指示に基づいて開度制御の有無を切換可能に構成することが考えられる。
以上の構成により、例えばエンジン100の高負荷運転の割合が高いと予測できる場合、排気弁43の開度制御を実行しないようにオペレータが制御スイッチ106を操作することで、燃費の低下やヒートバランスの不安定化を抑制できるので、エンジン100を効率良く運転することができる。
ただし、上記の構成に限定せず、ECU90がエンジンの運転状態を判断して、排気弁43の開度補正制御の有無を自動的に切り換えるように構成することもできる。
以上に説明したように、本実施形態のエンジン100には、排気ガスを浄化するDPF45が設けられる。また、エンジン100は、DPF45に捕集されたPMを除去する再生動作を行う。エンジン100は、エンジン本体10と、排気弁43と、ECU90と、運転状態検知部(回転速度検知部71及び燃料噴射量検知部72)と、を備える。エンジン本体10には、DPF45が配置される。排気弁43は、エンジン本体10の排気通路に設けられ、任意の開度に調整可能である。ECU90は、排気弁43の開度を制御可能である。運転状態検知部は、エンジン本体10の燃料噴射量及び回転速度を含む運転状態を検知する。ECU90は、運転状態検知部の検知結果に対応して排気弁43の開度を制御する。
これにより、エンジン本体10の運転状態(燃料噴射量及び回転速度等)に応じて排気弁43の開度を適切に調整できるので、エンジン100が搭載されたホイルローダが行う作業の変化によってエンジン100の稼動状態が変動しても、排気ガスの状態(温度、圧力)を適切に保つことができ、DPF45に捕集されたPMを好適に除去することができる。
また、本実施形態のエンジン100は、大気圧センサ73と、吸気温度センサ74と、を備える。大気圧センサ73は、当該エンジン100の運転環境における大気圧を検出する。吸気温度センサ74は、エンジン本体10の吸気温度を検出する。ECU90は、大気圧センサ73及び吸気温度センサ74の検出結果に基づいて、排気弁43の開度を補正する。
これにより、エンジン100が稼動する環境における大気圧及び外気温度の変化に応じて、排気弁43の開度を補正することができるので、エンジン100の排気圧力が過大になることを防止できる。また、排気弁43の開度を介して排気圧力を調整することにより、DPF45内の排気温度を容易に制御できるので、PMの除去によるDPF45の再生を確実に実現することができる。
また、本実施形態のエンジン100においては、排気弁43の開度に関する制御をECU90が実行するか否かを切換可能な切換部105を備える。
これにより、エンジン100の負荷が変動しないと予測される場合(例えば、エンジン100が搭載された機械が高負荷のみの作業を行う場合)、排気弁43の開度に関する制御を行わないようにすることができ、エンジン100を一層効率良く稼動させることができる。
また、本実施形態のエンジン100は、エンジン本体10の排気ガスの排気温度を検出する排気温度センサ75を更に備える。ECU90は、排気温度センサ75の検出結果に基づいて、排気弁43の開度を補正する。
これにより、排気ガスの実際の温度に基づいて、排気温度が上昇し過ぎないように排気弁43の開度を調整することができるので、排気温度の過熱によるエンジン100の効率低下や損傷を防止することができる。
また、本実施形態のエンジン100は、エンジン本体10の排気ガスの排気圧力を検出する排気圧力センサ76を更に備える。ECU90は、排気圧力センサ76の検出結果に基づいて、排気弁43の開度を補正する。
これにより、排気ガスの実際の圧力に応じて、排気圧力が過大にならないように排気弁43の開度を調整することができるので、排気圧力の過大な上昇によるエンジン100の損傷を防止することができる。
また、本実施形態のエンジン100は、エンジン本体10の冷却水温度を検出する冷却水温度センサ77を更に備える。ECU90は、冷却水温度センサ77の検出結果に基づいて、排気弁43の開度を補正する。
これにより、冷却水の温度に応じて排気弁43の開度を調整できるので、冷却水温度が過度に上昇することを防止でき、エンジン本体10のオーバーヒートを防止することができる。
また、本実施形態のホイルローダは、上記のエンジン100を備える。
これにより、エンジン100の運転状態に応じて排気弁43の開度を適切に調整できるので、ホイルローダが様々な作業を行うことでエンジン100の運転状態が変動しても、適切な排気状態を保つことができ、DPF45に捕集されたPMを好適に除去することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態のエンジン100は、ホイルローダのほか、フォークリフト、トラクタ、モア等の作業車両に適用することができる。また、上記実施形態のエンジン100は、作業車両以外の機械(例えば、発電機)にも適用することができる。
上記実施形態のエンジン100は、排気弁43の開度及びその補正量を計算するように構成されているが、これに限定せず、排気ガスの圧力を制御対象として計算するように構成しても良い。即ち、ECU90は、排気弁43の目標開度の代わりに目標排気圧力を計算及び補正するように構成した上で、得られた目標排気圧力となるように排気弁43の開度をフィードバック制御しても良い。
上記実施形態のエンジン100は、複数のDPF再生制御モードを有し、当該複数のDPF再生制御モードに応じて複数の制御マップを用意しており、実行されているDPF再生制御モードに対応する制御マップを用いて、排気圧力及び排気温度(排気弁43の開度)を調整するように構成されている。しかしながら、他の制御によってDPF再生を行うように構成しても良い。
排気弁目標開度マップ101が、排気弁43が有する個体差(バラツキ)を考慮して定められても良い。あるいは、当該個体差を補正するための補正係数カーブ等が特別に定められても良い。即ち、上記実施形態の構成では排気弁43を任意の開度に調整できるので、排気弁43の個体差(バラツキ)を考慮した開度の制御も容易である。
10 エンジン本体
43 排気弁
45 DPF(排気ガス浄化装置)
71 回転速度検知部(運転状態検知部の一部)
72 燃料噴射量検知部(運転状態検知部の一部)
73 大気圧センサ(大気圧検出部)
74 吸気温度センサ(吸気温度検出部)
75 排気温度センサ(排気温度検出部)
76 排気圧力センサ(排気圧力検出部)
77 冷却水温度センサ(冷却水温度検出部)
90 ECU(制御部)
91 排気弁目標開度計算部
92 排気弁開度補正量計算部
100 エンジン
105 切換部

Claims (7)

  1. 排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置が設けられ、前記排気ガス浄化装置に捕集された粒子状物質を除去する再生動作を行うエンジンであって、
    前記排気ガス浄化装置が配置されたエンジン本体と、
    前記エンジン本体の排気通路に設けられ、任意の開度に調整可能な排気弁と、
    前記排気弁の開度を制御可能な制御部と、
    少なくとも前記エンジン本体の燃料噴射量及び回転速度を含む運転状態を検知する運転状態検知部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記運転状態検知部の検知結果に対応して前記排気弁の開度を制御することを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンであって、
    当該エンジンの運転環境における大気圧を検出する大気圧検出部と、
    前記エンジン本体の吸気温度を検出する吸気温度検出部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記大気圧検出部及び前記吸気温度検出部の検出結果に基づいて、前記排気弁の開度を補正することを特徴とするエンジン。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンであって、
    前記排気弁の開度に関する制御を前記制御部が実行するか否かを切換可能な切換部を備えることを特徴とするエンジン。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載のエンジンであって、
    前記エンジン本体の前記排気ガスの排気温度を検出する排気温度検出部を更に備え、
    前記制御部は、前記排気温度検出部の検出結果に基づいて、前記排気弁の開度を補正することを特徴とするエンジン。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載のエンジンであって、
    前記エンジン本体の前記排気ガスの排気圧力を検出する排気圧力検出部を更に備え、
    前記制御部は、前記排気圧力検出部の検出結果に基づいて、前記排気弁の開度を補正することを特徴とするエンジン。
  6. 請求項1から5までの何れか一項に記載のエンジンであって、
    前記エンジン本体の冷却水温度を検出する冷却水温度検出部を更に備え、
    前記制御部は、前記冷却水温度検出部の検出結果に基づいて、前記排気弁の開度を補正することを特徴とするエンジン。
  7. 請求項1から6までの何れか一項に記載のエンジンを備えることを特徴とする作業車両。
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