JP2009287507A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の排気浄化装置において、フィルタの再生を行うときに、排気絞り弁の開閉時期を適正化することにより、排気通路に備わる部材の温度を適正範囲に維持する技術を提供する。
【解決手段】排気マニホールド、酸化能力を有する触媒、フィルタ、排気絞り弁を上流側から順に備え、フィルタの再生を行うときに、モデルを用いて推定される触媒の温度が該触媒の活性温度の下限値よりも低く、且つ、モデルを用いて推定される排気マニホールドの温度が該排気マニホールドの過熱温度よりも低い場合に、排気絞り弁の開度をそれまでよりも小さくする。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
酸化触媒とパティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタという。)とを設け、排気中の粒子状物質(以下、PMという。)を捕集する技術が知られている。フィルタに捕集されているPM量が一定量に達すると、該フィルタよりも上流に設けた酸化触媒へ還元剤を供給し、該フィルタの温度を上昇させることによりPMを酸化させて除去することができる。このようにPMを除去することをフィルタの再生という。このフィルタの再生を行うときに排気絞り弁を閉じると、排気の温度が上昇するため、該フィルタの再生を速やかに完了させることができる。しかし、フィルタの再生時にはフィルタの温度が高温となるため、該フィルタが過熱する虞がある。
これに対し、排気の温度を測定するセンサを備え、該センサにより測定される温度に基づいて排気絞り弁の開度を調節することで、フィルタの過熱を抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、排気絞り弁の開度を変更してから、センサにより測定される温度が変化するまでには、時間がかかる。以下、この時間をセンサの応答遅れともいう。つまり、センサにより測定される温度は、特に過渡時において、実際の温度と異なることがある。そのため、センサの応答遅れを考慮して排気絞り弁の開度を調節することが要求される。例えば、排気絞り弁を開く時期が最適時期よりも遅くなると、圧力損失が大きくなるため、燃費が悪化する虞がある。また、排気絞り弁を閉じる時期が最適時期よりも遅くなると、触媒の温度が不十分のまま還元剤が添加されることになり、白煙が発生する虞がある。
特開2004−353529号公報 特開2007−16619号公報 特開2006−322364号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の排気浄化装置において、フィルタの再生を行うときに、排気絞り弁の開閉時期を適正化することにより、排気通路に備わる部材の温度を適正範囲に維持する技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の排気浄化装置は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明による内燃機関の排気浄化装置は、
内燃機関の排気通路に設けられ排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
前記フィルタよりも下流側の排気通路で開閉する排気絞り弁と、
前記フィルタよりも上流側に設けられ酸化能力を有する触媒と、
前記触媒よりも上流側に設けられる排気マニホールドと、
前記触媒よりも上流側から該触媒へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記還元剤供給手段により還元剤を供給することで、前記フィルタに捕集されている粒子状物質を酸化させるフィルタ再生手段と、
前記触媒および前記排気マニホールドの温度を、モデルを用いて推定する温度推定手段と、
前記フィルタ再生手段により粒子状物質を酸化させるときに、前記温度推定手段により推定される前記触媒の温度が該触媒の活性温度の下限値よりも低く、且つ、前記排気マニホールドの温度が該排気マニホールドの過熱温度よりも低い場合に、前記排気絞り弁の開度をそれまでよりも小さくする排気絞り弁制御手段と、
を備えることを特徴とする。
ここで、排気絞り弁の開度を閉じ側に変化させると、内燃機関の負荷が増加するため、排気の温度が上昇する。これにより、排気通路に備わる部材や排気通路自体の温度が上昇する。
また、触媒へ還元剤が供給されると、該触媒にて還元剤が酸化することにより、排気の温度が上昇する。この排気がフィルタへ流入することにより、該フィルタの温度が上昇する。なお、還元剤供給手段は、内燃機関から還元剤を含むガスを排出させても良く、排気通路の途中で排気中に還元剤を供給しても良い。
温度推定手段は、酸化能力を有する触媒の温度を推定する。これは、触媒内のガス温度としても良い。この推定は、モデルを用いて行われる。例えば、内燃機関からの排気の温度と、内燃機関から触媒までの間の熱の出入と、に基づいて触媒の上流側端部の温度(または、触媒へ流入する排気の温度)を推定できる。つまり、内燃機関からの排出されたガスは、排気通路や該排気通路に備わる部材等にて放熱しながら酸化触媒へ到達する。この放熱により、排気の温度が変化するので、この排気の温度の変化分を上流側から順次算出することにより、触媒へ流入する排気の温度を推定することができる。このように、触媒よりも上流における熱の出入を考慮して該触媒へ流入する排気の温度を推定するため、過渡運転時においても推定精度を高めることができる。
また、触媒の内部の温度は、過渡時において排気の流れ方向で不均一となる。つまり、排気と触媒とで熱交換が行われたり、触媒と外気とで熱交換が行われたり、触媒で還元剤が反応することにより熱が発生したりするため、温度が不均一となる。例えば、この温度の変化分を上流側から順次算出することにより、触媒内の所定位置の温度を推定することができる。このように、触媒における熱の出入を考慮して該触媒の温度を推定すれば、過渡運転時においても推定精度を高めることができる。なお、所定位置には、上流側端部及び下流側端部を含む。
触媒よりも上流には、排気マニホールドが備わる。この排気マニホールドは、排気通路の一部となる。排気マニホールドは、内燃機関から排出されたばかりの温度の高いガスが流通するため、温度が高くなる部材である。そのため、過熱し易い。排気マニホールドの温度も、排気や外気との熱交換等により変化するため、これらに基づいて算出することができる。このように、排気マニホールドにおける熱の出入を考慮して該排気マニホールドの温度を推定すれば、過渡運転時においても推定精度を高めることができる。なお、排気マニホールドの温度は、排気マニホールド内のガス温度としても良い。また、排気マニホールドの過熱温度は、該排気マニホールドが機能低下する温度(例えば排気マニホールドが変形する温度)としても良い。これは、実際に機能低下する前の温度であって、ある程度の余裕を持った所定の温度としても良い。
そして、触媒が活性温度の下限値以上となるように、且つ排気マニホールドが過熱しないように、排気絞り弁制御手段により排気絞り弁の開度が制御される。ここで、排気絞り弁の開度を小さくすることにより、排気の温度が上昇するため、触媒の温度を上昇させることができる。そして、触媒の温度が活性温度の下限値以上となれば、該触媒にて還元剤を酸化させることができるため、該還元剤を供給することにより排気の温度が上昇する。これにより、フィルタの温度を上昇させることができるため、フィルタの再生を行うこと
ができる。なお、触媒の上流側端部の温度が、該触媒の活性温度の下限値以上となれば良い。このときに、排気マニホールドが過熱しないように排気絞り弁の開度を調節している。つまり、排気マニホールドの過熱を抑制しつつフィルタの再生を行うことが可能となる。
本発明においては、前記温度推定手段は、前記フィルタの温度をモデルを用いて推定し、
前記排気絞り弁制御手段は、前記温度推定手段により推定されるフィルタの温度が該フィルタの過熱温度よりも高い場合に、前記排気絞り弁の開度をそれまでよりも大きくすることができる。
フィルタの温度は、過渡時において排気の流れ方向で不均一となる。つまり、排気とフィルタとで熱交換が行われたり、フィルタと外気とで熱交換が行われたり、フィルタでPMが酸化することにより熱が発生したりするため、温度が不均一となる。モデルを用いて、この温度を推定する。推定するのは、フィルタ内のガス温度としても良い。例えば、温度の変化分を上流側から順次算出することにより、フィルタ内の所定位置の温度を推定することができる。このように、フィルタにおける熱の出入を考慮して該フィルタの温度を推定するため、過渡運転時においても推定精度を高めることができる。なお、所定位置には、上流側端部及び下流側端部を含む。また、フィルタの温度が最も高くなる位置の温度を推定することにより、フィルタの過熱を抑制しても良い。
本発明においては、前記温度推定手段は、前記酸化能力を有する触媒の所定位置における温度を推定し、
前記排気絞り弁制御手段は、前記温度推定手段により推定される前記触媒の上流側端部の温度が該触媒の活性温度の下限値に所定値を加えた温度よりも高く、且つ、前記温度推定手段により推定される該触媒の下流側端部の温度が前記フィルタにて粒子状物質を酸化させる温度の下限値よりも高い場合に、前記排気絞り弁の開度をそれまでよりも大きくすることができる。
活性温度の下限値に所定値を加えた温度とは、排気絞り弁の開度をそれまでよりも大きくしても、触媒の温度が活性温度の下限値よりも低くならない温度である。つまり、触媒の温度が十分に高いために、温度を低下させたとしても、なお還元剤を酸化させることができる。そのため、還元剤の供給により、フィルタの温度を上昇させることができる。そして、排気絞り弁の開度を大きくすると、内燃機関の負荷が低下するため、燃費を向上させることができる。
また、触媒の下流側端部の温度が粒子状物質を酸化させる温度の下限値よりも高い場合には、フィルタに流入する排気の温度が十分に高いために、該フィルタの再生を行うことができる。
つまり、触媒の温度が十分に高く、且つ、フィルタに流入する排気の温度が十分に高い場合には、排気絞り弁の開度を大きくしてもフィルタの再生を継続して行うことができ、且つ排気絞り弁の開度を大きくすることにより燃費を向上させることができる。
本発明においては前記温度推定手段は、前記酸化能力を有する触媒よりも上流側の排気通路内のガスの温度をモデルを用いて推定し、
前記フィルタ再生手段は、前記温度推定手段により推定される前記触媒へ流入する直前の排気通路内のガス温度が該触媒の活性温度の下限値以上のときに前記還元剤供給手段により還元剤を供給することができる。
内燃機関からの排出されたガスは、排気通路や該排気通路に備わる部材にて放熱しながら酸化触媒へ到達する。この放熱により、排気の温度が変化するので、この排気の温度の変化分を上流側から順次算出することにより、排気通路内のガスの温度を推定することができる。
そして、触媒へ流入する直前の排気通路内のガス温度が該触媒の活性温度の下限値以上のときには、該触媒の温度が活性温度の下限値以上となる。このときに還元剤供給手段により還元剤を供給すると、該還元剤が触媒にて反応する。そのため、触媒および該触媒よりも下流のフィルタの温度を上昇させることができる。
本発明においては、前記酸化能力を有する触媒よりも上流側に、酸化能力を有する他の触媒である上流触媒を少なくとも1つ備え、
前記温度推定手段は、前記酸化能力を有する触媒よりも上流側の排気通路内のガスの温度および前記上流触媒の温度をモデルを用いて推定し、その結果に基づいて、前記触媒に流入する排気の温度および該触媒の温度を推定することができる。
上流触媒の温度は、上流触媒内のガス温度としても良い。上流触媒における熱の出入と、該上流触媒から下流の排気通路における熱の出入と、を上流側から順次算出することにより、フィルタのすぐ上流に備わる酸化能力を有する触媒に流入する排気の温度を推定することができる。これにより、触媒やフィルタの温度も推定することができる。
つまり、触媒を複数備えていても、夫々の触媒における熱の出入と、夫々の触媒間の排気通路における熱の出入と、を考慮して順次温度を算出することができる。これにより、各触媒に流入するガスの温度、および各触媒温度の推定精度を高めることができる。
本発明においては、前記温度推定手段は、前記上流触媒の温度を推定するときに放熱による下降温度を推定し、該下降温度は、該上流触媒と外気との温度差および車速に基づいて推定される該温度差による下降温度と、該上流触媒の温度に基づいて推定される熱輻射による下降温度と、からなることができる。
また、本発明においては、前記温度推定手段は、前記排気通路内のガスの温度を推定するときに、放熱による下降温度を推定し、該下降温度は、該排気通路内のガスと外気との温度差および車速に基づいて推定される該温度差による下降温度と、排気通路内のガス温度に基づいて推定される熱輻射による下降温度と、からなることができる。
さらに、本発明においては、前記温度推定手段は、前記酸化能力を有する触媒の温度を推定するときに、放熱による下降温度を推定し、該下降温度は、該酸化能力を有する触媒と外気との温度差および車速に基づいて推定される該温度差による下降温度と、該触媒内のガス温度に基づいて推定される熱輻射による下降温度と、からなることができる。
つまり、排気通路内のガス、上流触媒、または酸化能力を有する触媒(以下、これらを温度推定対象という。)では、夫々、放熱により温度が下降し得る。この放熱により下降する分の温度を下降温度としている。ただし、上流触媒、および酸化能力を有する触媒の温度は、還元剤の反応により上昇し得る。この場合には、還元剤の反応のみを考えたときに到達し得る温度よりも、放熱した分だけ温度が下降するので、この下降する分の温度を下降温度としている。そして、放熱による下降温度を、温度推定対象と外気との温度差による下降温度と、温度推定対象の熱輻射による下降温度と、に分けて考えている。
温度推定対象と外気との温度差による下降温度は、外気温と関係している。つまり、外気温が低いほど放熱量が多くなるため、温度の下降分は大きくなる。また、車速が速くな
るほど、温度推定対象周辺の外気の入れ替わりが速くなるため、温度の下降分は大きくなる。これらを考慮することにより、温度推定対象と外気との温度差による下降温度をより正確に算出することができる。また、温度推定対象の熱輻射による下降温度は、外気温と関係している。つまり、外気温が低いほど熱輻射による放熱量が多くなるため、温度の下降分は大きくなる。そして、温度推定対象と外気との温度差による下降温度、および温度推定対象の熱輻射による下降温度を考慮して温度推定対象の温度を夫々の算出することにより、夫々の温度推定対象の温度の推定精度を高めることができる。
本発明においては、前記温度推定手段は、吸入空気量に基づいてHCの浄化率を推定し、該HCの浄化率を、吸入空気量および背圧に基づいて補正することができる。
つまり、酸化能力を有する触媒や上流触媒においてHCが浄化されるとき(酸化されるとき)に温度が上昇するが、このHCの浄化率によって温度の上昇値が変わる。つまり、HCの浄化率を求めることにより、HCの発熱による温度上昇分を算出することができる。このHC浄化率は、吸入空気量によって変わることが知られている。しかし、吸入空気量だけではなく、背圧によってもHC浄化率は変わる。そこで、これらの値に応じてHC浄化率を補正すれば、より正確な値を得ることができる。
なお、本発明においては、内燃機関の吸入空気温度または内燃機関の冷却水温度に基づいて、前記モデルにより推定される温度を補正することができる。
内燃機関から排出されるガスの温度は、内燃機関の吸入空気温度または内燃機関の冷却水温度に応じて変化する。これらに基づいてガスの温度を補正すれば、ガスの温度の推定精度をさらに高くすることができる。また、ガスの温度が変化すれば、触媒やフィルタの温度も変化する。つまり、モデルを用いて推定される温度を内燃機関の吸入空気温度または内燃機関の冷却水温度に基づいて補正すれば、推定精度をより高めることができる。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、フィルタの再生を行うときに、排気絞り弁の開閉時期を適正化することにより、排気通路に備わる部材の温度を適正範囲に維持することができる。
以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関の排気浄化装置を適用する内燃機関とその吸・排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有する水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。各気筒2には、該気筒2内に燃料を噴射する燃料噴射弁3が備えられている。
また、内燃機関1には、吸気マニホールド4が接続されており、該吸気マニホールド4は、各気筒2の燃焼室と吸気ポート(図示省略)を介して通じている。そして、吸気マニホールド4は、吸気管5に接続されている。
この吸気管5の途中には、排気のエネルギを駆動源として作動するターボチャージャ6のコンプレッサハウジング6aが設けられている。また、コンプレッサハウジング6aよりも上流の吸気管5には、該吸気管5内を流通する吸気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ7が設けられている。このエアフローメータ7により、内燃機関1の吸入
空気量が測定される。
一方、内燃機関1には、排気マニホールド8が接続されており、該排気マニホールド8は、各気筒2の燃焼室と排気ポート(図示省略)を介して通じている。
そして排気マニホールド8は、ターボチャージャ6のタービンハウジング6bと接続されている。このタービンハウジング6bは排気管10に接続されている。
排気管10の途中には、上流側から順に、前段触媒11、酸化触媒12、パティキュレートフィルタ13(以下、単にフィルタ13という。)が設けられている。前段触媒11は、酸化能力を有する触媒であれば良く、例えば酸化触媒、三元触媒、吸蔵還元型NOx
触媒等を用いることができる。この前段触媒11は、酸化触媒12よりも小型で、熱容量が小さい。また、フィルタ13は、排気中に含まれるPMを捕集する。なお、酸化触媒12とフィルタ13とは、ケース14内に格納されている。本実施例においては酸化触媒12が、本発明における酸化能力を有する触媒に相当する。また、本実施例においては前段触媒11が、本発明における上流触媒に相当する。
ケース14における酸化触媒12の直上流には、排気の温度に応じた信号を出力する第1温度センサ15が取り付けられている。また、ケース14における酸化触媒12とフィルタ13との間には、排気の温度に応じた信号を出力する第2温度センサ16が取り付けられている。第1温度センサ15により、酸化触媒12に流入する排気の温度を測定することができる。また、第2温度センサ16により、酸化触媒12から流出する排気の温度、またはフィルタ13に流入する排気の温度を測定することができる。
フィルタ13よりも下流の排気管10には、該排気管10内を流通する排気の流量を調節する排気絞り弁17が設けられている。排気絞り弁17は、排気管10の通路断面積を変更することにより、該排気管10を流れる排気の量を変更する。なお、排気絞り弁17は全開及び全閉のみが可能な弁であっても良く、連続的に開度を調整可能な弁であっても良い。
排気マニホールド8には、後述するECU30からの信号により開弁して排気中に還元剤を噴射する燃料添加弁29が設けられている。還元剤には、燃料(HC)が用いられる。
内燃機関1には、該内燃機関1の回転数を測定するクランク角センサ21と、該内燃機関1の冷却水温度を測定する冷却水温度センサ22とが取り付けられている。また、吸気マニホールド4には、該吸気マニホールド4内を流通する吸気の温度を測定する吸気温度センサ23が取り付けられている。排気マニホールド8には、該排気マニホールド8内の圧力を測定する背圧センサ27が取り付けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU30が併設されている。このECU30は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
ECU30には、上記センサの他、運転者がアクセルペダル24を踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し機関負荷を検出可能なアクセル開度センサ25、及び大気圧を測定する大気圧センサ26、さらには車速を測定する車速センサ28が電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU30に入力されるようになっている。
一方、ECU30には、燃料噴射弁3、排気絞り弁17、および燃料添加弁29が電気
配線を介して接続されており、該ECU30によりこれらの機器が制御される。
ここで、フィルタ13の再生時には、内燃機関1から未燃燃料(HC)を排出させたり、燃料添加弁29から燃料(HC)を添加したりする。このHCを酸化触媒12にて反応させ、このときに発生する熱によりフィルタ13の温度を上昇させる。このときに、排気マニホールド8、酸化触媒12、及びフィルタ13の温度を推定し、これらの温度に応じて排気絞り弁17の開度を調節する。なお、排気絞り弁17の開度を小さくするほど、内燃機関1から排出されるガスの温度が高くなる。なお、本実施例においては燃料噴射弁3または燃料添加弁29が、本発明における還元剤供給手段に相当する。また、フィルタ13の再生を行うECU30が、本発明におけるフィルタ再生手段に相当する。
図2は、排気管10内の排気の温度、及び前段触媒11、酸化触媒12、フィルタ13の温度を推定するための物理モデルを説明するための図である。
前段触媒11、前段触媒11から酸化触媒12までの間の排気管10、酸化触媒12、フィルタ13の夫々を、排気の流れ方向に複数の領域に分割して考える。なお、本実施例では、前段触媒11、前段触媒11から酸化触媒12までの間の排気管10、酸化触媒12を3分割し、フィルタ13を4分割している。なお、前段触媒11、前段触媒11から酸化触媒12までの間の排気管10、および酸化触媒12の温度は、それらの内部のガス温度と等しいと仮定する。HCやPMは、触媒やフィルタ13上で反応し、このときに発生する熱は一旦触媒やフィルタ13に移動した後に、ガスとの間で熱交換をする。
THATC[n]は、前段触媒11の温度を示している。nは0から3である。nが0のときには、前段触媒11の上流側端部の温度を示している。そして、nの値が大きくなるほど、下流側の温度を示す。
THEX[n]は、前段触媒11から酸化触媒12までの間の排気管10内のガス温度を示している。nは0から3である。nが0のときには、前段触媒11のすぐ下流の温度を示している。そして、nの値が大きくなるほど、下流側の温度を示し、nが3のときには酸化触媒12のすぐ上流の温度を示している。なお、本実施例では、THATC[3]とTHEX[0]とは等しいものとする。
THNX[n]は、酸化触媒12の温度を示している。nは0から3である。nが0のときには、酸化触媒12の上流側端部の温度を示している。そして、nの値が大きくなるほど、下流側の温度を示す。なお、本実施例では、THEX[3]とTHNX[0]とは等しいものとする。
THDP[n]は、フィルタ13の温度を示している。nは0から4である。nが0のときには、フィルタ13の上流側端部の温度を示している。そして、nの値が大きくなるほど、下流側の温度を示す。なお、本実施例では、酸化触媒12とフィルタ13とは十分に近いものとし、THNX[3]とTHDP[0]とは等しいものとする。
また、ET6は、タービンハウジング6bから流出した直後の排気の温度(以下、ターボ下流温度という。)である。なお、本実施例では、タービンハウジング6bのすぐ下流に前段触媒11が設けられているものとし、ET6とTHATC[0]とは等しいものとする。
まず、ターボ下流温度ET6を以下の式により算出する。
ET6=ET6ENG−ET6DLT
ただし、ET6ENGは内燃機関1から排出されるガス温度であり、ET6DLTは伝
達による変化分(以下、伝達温度という。)である。つまり、内燃機関1から排出されるガスは、排気マニホールド8、ターボチャージャ6等にて熱を外部に放出するため、温度が低下する。この温度低下分を減算している。
内燃機関1から排出されるガス温度ET6ENGは以下の式により算出する。
ET6ENG=(ET6B−ETHIA)×EMT6+ETHIA+ET6OFTHW+ET6OFTHA+ET6OFPA+ET6OFEXP
ただし、ET6Bは基準温度、ETHIAは吸気温度、EMT6はGn比補正係数、ET6OFTHWは冷却水温度による補正量、ET6OFTHAは吸気温度による補正量、ET6OFPAは大気圧による補正量、ET6OFEXPは背圧による補正量である。つまり、内燃機関1から排出されるガス温度ET6ENGは、Gn比補正係数、吸気温度、冷却水温度、大気圧、及び背圧の影響を受けて変化するため、これらの値に応じて補正する。なお、Gn比とは、実際の空気量と目標空気量との比(実際の空気量/目標空気量)である。ここでいう空気量は、内燃機関1の1回転あたりの吸入空気量である。このET6ENGには、なましを行っても良い。例えば燃料噴射弁3からの燃料噴射量と、吸入空気量と、により決定されるなまし率ET6SMを用いてなましを行うことができる。
基準温度ET6Bは、補正前の基準となる温度であり、以下の式により算出する。
ET6B=ET6MAP
ただし、ET6MAPは、機関回転数および燃料噴射弁3からの燃料噴射量をパラメータとするマップに基づいて得られる値である。
Gn比補正係数EMT6は、以下の式により算出する。
EMT6=EMT6MAP
ただし、EMT6MAPは、Gn比及び大気圧をパラメータとするマップに基づいて得られる値である。
冷却水温度による補正量ET6OFTHWは、以下の式により算出する。
ET6OFTHW=T_T6OFTHW×T_MT6THW
ただし、T_T6OFTHWは冷却水温度補正係数であり、T_MT6THWは冷却水温度補正係数基準値である。
冷却水温度補正係数T_T6OFTHWは、以下の式により算出する。
T_T6OFTHW=ET6OFTHWMAP
ただし、ET6OFTHWMAPは、冷却水温度をパラメータとするマップに基づいて得られる値である。つまり、冷却水温度補正係数T_T6OFTHWは、冷却水の温度自体に応じて決定される値である。
冷却水温度補正係数基準値T_MT6THWは、以下の式により算出する。
T_MT6THW=EMT6THWMAP
ただし、EMT6THWMAPは、機関回転数及び燃料噴射弁3からの燃料噴射量をパラメータとするマップに基づいて得られる値である。つまり、機関回転数及び燃料噴射弁3からの燃料噴射量が変わると、冷却水とガスとの熱交換量が変わるため、これに応じて補正をしている。
また、吸気温度による補正量ET6OFTHAは、以下の式により算出する。
ET6OFTHA=T_T6OFTHA×T_MT6THA
ただし、T_T6OFTHAは吸気温度補正係数であり、T_MT6THAは吸気温度補正係数基準値である。
吸気温度補正係数T_T6OFTHAは、以下の式により算出する。
T_T6OFTHA=ET6OFTHAMAP
ただし、ET6OFTHAMAPは、吸気温度をパラメータとするマップに基づいて得られる値である。つまり、吸気温度補正係数T_T6OFTHAは、吸気温度自体に応じて決定される値である。
吸気温度補正係数基準値T_MT6THAは、以下の式により算出する。
T_MT6THA=EMT6THAMAP
ただし、EMT6THAMAPは、機関回転数及び燃料噴射弁3からの燃料噴射量をパラメータとするマップに基づいて得られる値である。つまり、機関回転数及び燃料噴射弁3からの燃料噴射量が変わると、吸気温度が排気温度に与える影響度が変化するため、これに応じて補正をしている。
また、大気圧による補正量ET6OFPAは、以下の式により算出する。
ET6OFPA=T_T6OFPA×T_MT6PA
ただし、T_T6OFPAは大気圧補正係数であり、T_MT6PAは大気圧補正係数基準値である。
大気圧補正係数T_T6OFPAは、以下の式により算出する。
T_T6OFPA=ET6OFPAMAP
ただし、ET6OFPAMAPは、大気圧をパラメータとするマップに基づいて得られる値である。つまり、大気圧補正係数T_T6OFPAは、大気圧自体に応じて決定される値である。
大気圧補正係数基準値T_MT6PAは、以下の式により算出する。
T_MT6PA=EMT6PAMAP
ただし、EMT6PAMAPは、機関回転数及び燃料噴射弁3からの燃料噴射量をパラメータとするマップに基づいて得られる値である。つまり、機関回転数及び燃料噴射弁3からの燃料噴射量が変わると、大気圧が排気温度に与える影響度が変化するため、これに応じて補正をしている。
背圧による補正量ET6OFEXPは、以下の式により算出する。
ET6OFEXP=ET6OFEXPMAP
ただし、ET6OFEXPMAPは、背圧、機関回転数、及び燃料噴射弁3からの燃料噴射量に基づいて得られる値である。つまり、機関回転数及び燃料噴射弁3からの燃料噴射量が変わると、背圧が排気温度に与える影響度が変化するため、これに応じて補正をしている。
また、伝達温度ET6DLTは、内燃機関1から排出されるガスが前段触媒11のすぐ上流に到達するまでに低下する分の温度であり、以下の式により算出する。
ET6DLT=(ET6ENG−ETHMIX)×(1−T_ERS)
ただし、ETHMIXは熱受時のガス温度である。また、T_ERSは遅れ空気量GRADLYをパラメータとするマップに基づいて得られる値である。遅れ空気量とは、前回計算時における空気量である。これは、過渡時におけるずれを補正するために用いられている。つまり、(1−T_ERS)は、補正係数として用いられる。
今回計算時における熱受時のガス温度ETHMIX(今回)は、以下の式により算出する。
ETHMIX(今回)=ETHMIX(前回)+ETHIN−ETHOUT
ただし、ETHMIX(前回)は前回計算時における熱受時のガス温度、ETHINは
排気系での受熱による温度変化分、ETHOUTは排気系での放熱による温度変化分である。
排気系での受熱による温度変化分ETHINは、以下の式により算出する。
ETHIN=ET6DLT×EGADLY×0.131072/(排気系質量×排気系比熱)
ただし、EGADLYは遅れ空気量である。また、0.131072は計算周期(128ms)に対してECU30の計算誤差を考慮して決定される値である。排気系質量及び排気系比熱は、予め実験等により求めることができる。
排気系での放熱による温度変化分ETHOUTは、以下の式のより算出する。
ETHOUT=EER×0.131072/(排気系質量×排気系比熱)
ただし、EERは、放熱エネルギである。
放熱エネルギEERは、以下の式により算出する。
EER=EERMAP
ただし、EERMAPは、(ETHEXM−ETHA)をパラメータとするマップに基づいて得られる値である。ETHEXMは排気系壁温であり、ETHMIXと等しいものとする。また、ETHAは吸気温度である。
以上により、ターボ下流温度ET6を推定することができる。
次に、前段触媒11の温度の物理モデルについて説明する。前述のように、THATC[0]=ET6が成り立つ。また、nが1から3のときには、以下の式が成り立つ。
THATC[n]=T_TATC[n−1]−THATCARDN[n−1]−THATCHKDN[n−1]
ただし、T_TATC[n]はHCの発熱により上昇した後の温度、THATCARDN[n]は前段触媒11と外気との温度差による放熱での温度変化分(下降温度)、THATCHKDN[n]は前段触媒11での熱輻射による放熱での温度変化分(下降温度)である。
つまり、1つ上流の領域からの熱の出入を考慮して、その領域の温度を算出している。このようにして、順次下流側の温度を算出していくことで、前段触媒11の全領域の温度を算出することができる。つまり、前段触媒11の所定位置における温度を推定することができる。
ここで、HCの発熱により上昇した後の温度T_TATC[n−1]は、以下のようにして算出する。
まず、前段触媒11の上流端部における残留HC量EGHCATC[0]を以下の式により算出する。これは、前段触媒11に流入するHC量である。
EGHCATC[0]=EGHCLN/EMQTHUP
ただし、EGHCLNは残留酸素分HCであり、燃料添加弁29から添加されるHC量である。これはECU30による指令値である。また、EMQTHUPは燃料添加弁噴射量補正値であり、燃料添加弁29の経年変化や煤の付着による噴射量の変化を補正するために用いられる値である。燃料添加弁噴射量補正値EMQTHUPは、予め実験等により求めておく。
EGHCLNは以下の式により算出する。
EGHCLN=T_GNCLN−EGHCRH
ただし、EGHCRHはリッチ分すり抜けHCである。これは、理論空燃比よりもリッチとなっているために触媒で反応せずに下流側にすり抜けるHC量である。
また、T_GNCLNは、以下の式により算出する。
T_GNCLN=EGHCAD+T_GHCEG
ただし、EGHCADは実添加分触媒到達量である。これは、燃料添加弁29から実際に添加されるHC量である。
また、T_GHCEGは、内燃機関1から排出されるHC量であり、以下の式により算出する。
T_GHCEG=EGHCMAP
ただし、EGHCMAPは、機関回転数、燃料噴射弁3からの燃料噴射量、及びGn比をパラメータとするマップから求まる値である。つまり、内燃機関1から排出されるHC量T_GHCEGは、機関回転数、燃料噴射弁3からの燃料噴射量、及びGn比に応じて変化するため、これらの値にもとづいて算出する。
また、前段触媒11での反応HC量T_GHCATC[n]は以下の式により算出する。
T_GHCATC[n]=EGHCATC[n−1]×ERHCATC[n]
ただし、EGHCATC[n−1]は前段触媒11での残留HC量あり、ERHCATC[n]は前段触媒11でのHC浄化率である。
前段触媒11での残留HC量EGHCATC[n]は、以下の式により算出する。
EGHCATC[n]=EGHCATC[n−1]−T_GHCATC[n]
また、前段触媒11でのHC浄化率ERHCATC[n]は、以下の式により算出する。
ERHCATC[n]=T_RHCATCB+EMRHCATC
ただし、T_RHCATCBは基本HC浄化率であり、EMRHCATCはHC浄化率空気量補正量である。
基本HC浄化率T_RHCATCBは、以下の式により算出する。
T_RHCATCB=ERHCATC_MAP
ただし、ERHCATC_MAPは、前回計算時のTHATC[n]をパラメータとするマップに基づいて得られる値である。つまり、前回計算時のTHATC[n]によってHC浄化率が変化するため、この前回計算時のTHATC[n]に基づいてHC浄化率の基準値を算出している。
また、HC浄化率空気量補正量EMRHCATCは、以下の式により算出する。
EMRHCATC=EMRHCATC_MAP
ただし、EMRHCATC_MAPは、遅れ空気量および背圧をパラメータとするマップに基づいて得られる値である。つまり、遅れ空気量だけではなく背圧によってもHC浄化率が変化するため、遅れ空気量および背圧に基づいてHC浄化率を補正している。
また、前段触媒11内のエネルギT_EATC[n]を、以下の式により算出する。
T_EATC[n]=EEAATC[n−1]+EECATC[n]+T_GHCATC[n]×EHVHC
ただし、EEAATC[n]は通過ガスが持つエネルギであり、EECATC[n]はその領域が持つエネルギであり、EHVHCはHC発熱量である。
HC発熱量EHVHCは以下の式により算出する。
EHVHC=EMQADTHC×EDNFUEL×1000
ただし、EMQADTHCは燃料発熱量補正係数であり、EDNFUELは燃料の比重である。燃料の比重EDNFUELは、予め実験等により求めておく。
燃料発熱量補正係数EMQADTHCは、以下の式により算出する。
EMQADTHC=EMQADTHCMAP
ただし、EMQADTHCMAPは、遅れ空気量をパラメータとするマップに基づいて得られる値である。つまり、吸入空気量に基づいて発熱量を補正している。
また、熱容量T_HCATC[n]を以下の式により算出する。
T_HCATC[n]=EGASMP+EGATC
ただし、EGASMPは空気の熱容量であり、EGATCは前段触媒11の熱容量である。
前段触媒11の熱容量EGATCは、以下の式により算出する。
EGATC=(EGATC/ENATC)×ESPHEATC
ただし、EGATCは前段触媒11の質量であり、ENATCは前段触媒11の領域数(分割数)であり、ESPHEATCは前段触媒11の比熱である。これらの値は、予め実験等により求めておく。
そして、HCの発熱により上昇した後の温度T_TATCは以下の式により算出する。
T_TATC=T_EATC/T_HCATC
また、通過ガスが持つエネルギEEAATC[n]、前段触媒11と外気との温度差による放熱での温度変化分(下降温度)THATCARDN[n]、前段触媒11での熱輻射による放熱での温度変化分(下降温度)THATCHKDN[n]は、夫々以下の式により算出する。
EEAATC[n]=EGASMP×T_TATC
THATCARDN[n]=THATCARDNMAP
THATCHKDN[n]=THATCHKDNMAP
ただし、THATCARDNMAPは、前回計算時におけるTHATC[n]と外気温THAとの差、及び車速ESPDをパラメータとするマップに基づいて得られる値である。また、THATCHKDNMAPは、前回計算時におけるTHATC[n]をパラメータとするマップに基づいて得られる値である。
前回計算時におけるTHATC[n]と外気温THAとの差は放熱量に影響を与える。また、車速ESPDが速くなると、前段触媒11の外側近傍の空気の入れ替わりが速くなるため、放熱量に影響を与える。そのため、前回計算時におけるTHATC[n]と外気温THAとの差、および車速に応じてTHATCARDN[n]を変化させている。
ここで、通過ガスが持つエネルギEEAATC[0]は、以下の式により算出する。
EEAATC[0]=EGASMP×ET6
ただし、EGASMPは空気の熱容量である。
また、領域が持つエネルギEECATC[n]は、その領域の質量に前段触媒11の比熱ESPHEATCを乗じ、さらに、HCの発熱により上昇した後の温度T_TATC[n]を乗じて求まる。つまり、以下の式により算出する。
EECATC[n]=(EGATC/ENATC)×ESPHEATC×T_TATC
次に、前段触媒11から酸化触媒12までの間の排気管10内のガス温度の物理モデルについて説明する。前述のように、THEX[0]=THATC[3]が成り立つ。また
、nが1から3のときには、以下の式が成り立つ。
THEX[n]=THEX[n−1]−THEXARDN[n]−THATCEXDN[n]
ただし、THEXARDN[n]は排気管10と外気との温度差による放熱での温度変化分(下降温度)、THATCEXDN[n]は排気管10での熱輻射による放熱での温度変化分(下降温度)である。前段触媒11とは異なり、HCの酸化による発熱はない。そのため、前段触媒11におけるHCの酸化による発熱に関する部分を除けば、前段触媒11から酸化触媒12までの間の排気管10内のガス温度THEX[n]についても、前段触媒11の場合と同様に算出することができる。
つまり、1つ上流の領域からの熱の放出を考慮して、その領域の温度を算出している。このようにして、順次下流側の温度を算出していくことで、排気管10の全領域の温度を算出することができる。
さらに、酸化触媒12の温度の物理モデルについては、前段触媒11と同様に考えることができる。ここで、前述のように、THNX[0]=THEX[3]が成り立つ。また、酸化触媒12に流入するHC量は、前段触媒11の下流側端部での残留HC量EGHCATC[3]と等しい。
また、フィルタ13の温度の物理モデルでは、各領域におけるPMの酸化による発熱を考慮する。つまり、前段触媒11におけるHCの発熱を、フィルタ13におけるPMの酸化による発熱に置き換えて考えることにより、フィルタ13の温度THDP[n]を算出することができる。PMの酸化による温度上昇分は、PMの質量およびフィルタ13の温度THDP[n−1]と相関関係にあるため、これらに基づいて算出することができる。これらの関係はマップ化しておいても良い。また、フィルタ13に吸蔵還元型NOx触媒
等を担持している場合には、該触媒におけるHCの酸化による発熱を前段触媒11と同様にして考える。
なお、夫々の物理モデルにより得られる温度と、温度センサにより得られる温度と、を比較して、夫々の物理モデルにより得られる温度を補正しても良い。つまり、物理モデルにより得られる排気管10内のガス温度THEX[3]と、第1温度センサ15により得られる温度と、を比較して、排気管10内のガス温度THEX[n]を補正する。また、物理モデルにより得られる酸化触媒12の温度THNX[3]と、第2温度センサ16により得られる温度と、を比較して、酸化触媒12の温度THNX[n]を補正する。同様に、フィルタ13よりも下流に温度センサを備えておけば、フィルタ13の温度THDP[4]と、センサにより得られる温度と、を比較して、フィルタ13の温度THDP[n]を補正することができる。また、これらの補正量を学習することもできる。
次に、本実施例に係る排気絞り弁17の開度の制御フローについて説明する。図3は、本実施例に係る排気絞り弁17の開度の制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎にECU30により繰り返し実行される。
ステップS101では、ECU30は、フィルタ13に捕集されているPMが閾値以上となっているか否か判定される。本ステップでは、フィルタ13の再生が必要か否か判定されている。つまり、閾値とは、フィルタ13の再生を行う指標となるPM捕集量である。フィルタ13に堆積しているPMの量は、内燃機関1の運転状態の履歴に基づいて推定することができる。また、フィルタ13よりも上流側と下流側との差圧を検出し、該差圧が規定値以上となっているか否かに基づいて判定してもよい。さらに、車両の走行距離に基づいて判定してもよい。ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方否定判定がなされた場合にはフィルタ13の再生を行う必要がないため
本ルーチンを一旦終了させる。この場合、フィルタ13の再生を行っていないときの制御が行われる。
ステップS102では、ECU30は、フィルタ13の再生処理を開始する。例えば、燃料噴射弁3からの燃料噴射態様(時期、分割回数、分割割合、燃料噴射圧)を変化させる。併せて、例えばEGRガス量を減量させたり、スワール比を変化させたり、EGRクーラ効率を変化させたりする。内燃機関1から未燃燃料を還元剤として排出させても良く、また、燃料添加弁29から排気中へ燃料を噴射しても良い。
ステップS103では、ECU30は、酸化触媒12の温度THNX[0]が、酸化触媒12の失活温度TA1以下であるか否か判定する。酸化触媒12の失活温度TA1とは、酸化触媒12においてHCを十分に酸化することができない温度の上限値として設定される。つまり、本ステップでは、酸化触媒12の温度THNX[0]が酸化触媒12の活性温度の下限値よりも低いか否か判定される。ステップS103で肯定判定がなされた場合にはステップS104へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS102へ戻る。
ステップS104では、ECU30は、排気マニホールド8内のガス温度ET4が、該排気マニホールド8が過熱する虞のある温度TA5以下であるか否か判定する。過熱の虞のある温度TA5は、過熱する温度に対して余裕を持たせた値に設定される。なお、過熱する虞のある温度TA5は、過熱する温度としても良い。本ステップでは、排気絞り弁17の開度を小さくしても排気マニホールド8が過熱しないか否か判定される。
排気マニホールド8内のガス温度ET4は、例えば機関回転数及び燃料噴射弁3からの燃料噴射量と相関関係にある。これらの関係を予め実験等により求めてマップ化しておけば、該マップにより排気マニホールド8内のガス温度ET4の基準値を得ることができる。また、排気マニホールド8内のガス温度ET4は、冷却水温度、吸気温度、および過給圧によっても変わるため、夫々の値に応じて補正を行う。例えば夫々の値と補正係数との関係をマップ化してECU30に記憶させておく。そして、機関回転数および燃料噴射量をマップに代入して求まる基準値に、冷却水温度による補正係数、吸気温度による補正係数、過給圧による補正係数を夫々乗じることにより、排気マニホールド8内のガス温度ET4を得る。ステップS104で肯定判定がなされた場合にはステップS105へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS102へ戻る。
ステップS105では、ECU30は、排気絞り弁17の開度を小さくする。つまり、排気絞り弁17を閉じ側に制御する。このときには、規定の角度だけ小さくしても良いし、排気マニホールド8内のガス温度ET4または酸化触媒12の温度THNX[0]に応じて開度を小さくしても良い。排気絞り弁17の開度を小さくすることにより、酸化触媒12の温度THNX[0]を上昇させる。これにより、酸化触媒12にて還元剤を反応させることができるため、フィルタ13の温度を上昇させることができる。
ステップS106では、ECU30は、酸化触媒12の温度THNX[0]が、酸化触媒12の失活温度TA1に規定値を加えた温度TA2以上となっているか否か判定する。この温度TA2は、排気絞り弁17の開度を大きくしても、酸化触媒12の温度THNX[0]が活性温度の下限値よりも低くならない温度である。つまり、本ステップでは、排気絞り弁17の開度を大きくしても、酸化触媒12の温度THNX[0]が活性温度の下限値よりも低くならないか否か判定される。ステップS106で肯定判定がなされた場合にはステップS107へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS105へ戻る。
ステップS107では、ECU30は、フィルタ13の温度THDP[0]が、フィルタ13の失活温度TA3よりも高いか否か判定する。フィルタ13の失活温度TA3とは、フィルタ13に捕集されているPMを酸化させることができない温度の上限値として設定される。つまり、本ステップでは、排気絞り弁17の開度を小さくしても、フィルタ13の再生が可能であるか否か判定される。なお、フィルタ13の温度THDP[0]に代えて、酸化触媒12の温度THNX[3]を用いて判定を行っても良い。ステップS107で肯定判定がなされた場合にはステップS108へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS105へ戻る。
ステップS108では、ECU30は、排気絞り弁17の開度を大きくしている。つまり、排気絞り弁17を開き側に制御する。このときには、規定の角度だけ大きくしても良いし、酸化触媒12の温度THNX[0]またはフィルタ13の温度THDP[0]に応じて開度を大きくしても良い。排気絞り弁17の開度を大きくすることにより、酸化触媒12の温度THNX[0]及びフィルタ13の温度THDP[0]が下降する。これにより、必要以上に温度を高くすることを抑制できるため、燃費を向上させることができる。
このようにして排気絞り弁17の開度を調節することにより、排気マニホールド8の過熱を抑制しつつ、酸化触媒12の温度THNX[0]及びフィルタ13の温度THDP[0]をフィルタ13の再生に必要となる温度に維持することができる。また、物理モデルにより得た温度に基づいて排気絞り弁17の開度を調節することにより、適切な時期に適切な開度に合わせることができる。
次に、本実施例に係る排気絞り弁17の開度の他の制御フローについて説明する。図4は、本実施例に係る排気絞り弁17の開度の他の制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎にECU30により繰り返し実行される。
ステップS201では、ECU30は、フィルタ13に捕集されているPMが閾値以上となっているか否か判定される。本ステップでは、ステップS101と同じ処理がなされる。ステップS201で肯定判定がなされた場合にはステップS202へ進み、一方否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS202では、ECU30は、フィルタ13の再生処理を開始する。例えば、燃料噴射弁3からの燃料噴射態様(時期、分割回数、分割割合、燃料噴射圧)を変化させる。併せて、例えばEGRガス量を減量させたり、スワール比を変化させたり、EGRクーラ効率を変化させたりする。ただし、ステップS102とは異なり、燃料添加弁29からの還元剤の噴射はまだ行わない。
ステップS203では、ECU30は、酸化触媒12の温度THNX[0]が、酸化触媒12の失活温度TA1以下であるか否か判定する。ステップS103と同じ処理がなされる。ステップS203で肯定判定がなされた場合にはステップS204へ進み、一方否定判定がなされた場合には、ステップS208へ進む。
ステップS204では、ECU30は、排気マニホールド8内のガス温度ET4が、該排気マニホールド8が過熱する虞のある温度TA5以下であるか否か判定する。ステップS104と同じ処理がなされる。ステップS204で肯定判定がなされた場合にはステップS205へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS203へ戻る。
ステップS205では、ECU30は、排気絞り弁17の開度を小さくする。ステップS105と同じ処理がなされる。これにより、酸化触媒12にて還元剤を反応させることができるため、フィルタ13の温度を上昇させることができる。
ステップS206では、ECU30は、排気マニホールド8内のガス温度ET4が、該排気マニホールド8が過熱する虞のある温度TA5以下である否か判定する。本ステップでは、排気マニホールド8の過熱を抑制する必要がないか否か判定される。ステップS206で肯定判定がなされた場合にはステップS207へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS212へ進む。
ステップS207では、ECU30は、酸化触媒12の温度THNX[0]が酸化触媒12の失活温度TA1よりも高いか否か判定する。つまり、還元剤を供給したときに、酸化触媒12で還元剤が反応するか否か判定される。ステップS207で肯定判定がなされた場合にはステップS208へ進み、一方否定判定がなされた場合には、再度ステップS207が実行される。
ステップS208では、ECU30は、排気中へ還元剤を供給する。この還元剤は、酸化触媒12にて反応する。内燃機関1から未燃燃料を排出させても良く、燃料添加弁29から燃料を噴射させても良い。なお、本実施例では、酸化触媒12の温度THNX[0]が、酸化触媒12の失活温度TA1よりも高いときに還元剤を供給しているが、これに代えて、酸化触媒12に流入するガス温度THEX[3]が、酸化触媒12の活性温度の下限値以上のときに還元剤を供給しても良い。
ステップS209では、ECU30は、フィルタ13の温度THDP[3]が、フィルタ13が過熱する虞のある温度TA6以上であるか否か判定する。この温度TA6は、フィルタ13が過熱する温度に対して余裕を持たせてある。つまり、本ステップでは、排気絞り弁17の開度を大きくしてフィルタ13の過熱を抑制する必要があるか否か判定される。フィルタ13の再生時には、フィルタ13の中央よりもやや下流側の温度が最も高くなる。そのため、このフィルタ13の温度THDP[3]に基づいて、過熱するか否か判定している。ステップS209で肯定判定がなされた場合にはステップS212へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS210へ進む。
ステップS210では、ECU30は、酸化触媒12の温度THNX[0]が、酸化触媒12の失活温度TA1に規定値を加えた温度TA2以上となっているか否か判定する。ステップS106と同じ処理がなされる。ステップS210で肯定判定がなされた場合にはステップS211へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS207へ戻る。
ステップS211では、ECU30は、フィルタ13の温度THDP[0]が、フィルタ13の失活温度TA3よりも高いか否か判定する。ステップS107と同じ処理がなされる。ステップS211で肯定判定がなされた場合にはステップS212へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS207へ戻る。
ステップS212では、ECU30は、排気絞り弁17の開度を大きくしている。ステップS108と同じ処理がなされる。これにより、必要以上に温度を高くすることを抑制できるため、燃費を向上させることができる。
このようにして排気絞り弁17の開度を調節することにより、排気マニホールド8およびフィルタ13の過熱を抑制しつつ、酸化触媒12の温度THNX[0]及びフィルタ13の温度THDP[0]をフィルタ13の再生に必要となる温度に維持することができる。また、物理モデルにより得た温度に基づいて排気絞り弁17の開度を調節することにより、適切な時期に適切な開度に合わせることができる。なお、本実施例においてはステップS105、108、205、または212を処理するECU30が、本発明における排気絞り弁制御手段に相当する。
また、本実施例では前段触媒11を備えているが、該前段触媒11を備えていない場合であっても、タービンハウジング6bから酸化触媒12までの間の排気管10内のガス温度を順次算出することにより、該酸化触媒12に流入する排気の温度を推定することができる。また、酸化触媒12よりも上流に複数の触媒を備えていても良い。つまり、夫々の触媒における温度と、夫々の触媒間の排気管10内のガス温度と、を順次算出することにより、酸化触媒12に流入する排気の温度を推定することができる。
なお、本実施例においては、前段触媒11の温度THATC[n]、前段触媒11から酸化触媒12までの間の排気管10内のガス温度THEX[n]、酸化触媒12の温度THNX[n]、フィルタ13の温度THDP[n]、または排気マニホールド8内のガス温度ET4を推定するECU30が、本発明における温度推定手段に相当する。
実施例に係る内燃機関の排気浄化装置を適用する内燃機関とその吸・排気系の概略構成を示す図である。 排気管内の排気の温度、及び前段触媒、酸化触媒、フィルタの温度を推定するための物理モデルを説明するための図である。 実施例に係る排気絞り弁の開度の制御フローを示したフローチャートである。 実施例に係る排気絞り弁の開度の他の制御フローを示したフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
3 燃料噴射弁
4 吸気マニホールド
5 吸気管
6 ターボチャージャ
6a コンプレッサハウジング
6b タービンハウジング
7 エアフローメータ
8 排気マニホールド
10 排気管
11 前段触媒
12 酸化触媒
13 パティキュレートフィルタ
14 ケース
15 第1温度センサ
16 第2温度センサ
17 排気絞り弁
21 クランク角センサ
22 冷却水温度センサ
23 吸気温度センサ
24 アクセルペダル
25 アクセル開度センサ
26 大気圧センサ
27 背圧センサ
28 車速センサ
30 ECU

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
    前記フィルタよりも下流側の排気通路で開閉する排気絞り弁と、
    前記フィルタよりも上流側に設けられ酸化能力を有する触媒と、
    前記触媒よりも上流側に設けられる排気マニホールドと、
    前記触媒よりも上流側から該触媒へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
    前記還元剤供給手段により還元剤を供給することで、前記フィルタに捕集されている粒子状物質を酸化させるフィルタ再生手段と、
    前記触媒および前記排気マニホールドの温度を、モデルを用いて推定する温度推定手段と、
    前記フィルタ再生手段により粒子状物質を酸化させるときに、前記温度推定手段により推定される前記触媒の温度が該触媒の活性温度の下限値よりも低く、且つ、前記排気マニホールドの温度が該排気マニホールドの過熱温度よりも低い場合に、前記排気絞り弁の開度をそれまでよりも小さくする排気絞り弁制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記温度推定手段は、前記フィルタの温度をモデルを用いて推定し、
    前記排気絞り弁制御手段は、前記温度推定手段により推定されるフィルタの温度が該フィルタの過熱温度よりも高い場合に、前記排気絞り弁の開度をそれまでよりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記温度推定手段は、前記酸化能力を有する触媒の所定位置における温度を推定し、
    前記排気絞り弁制御手段は、前記温度推定手段により推定される前記触媒の上流側端部の温度が該触媒の活性温度の下限値に所定値を加えた温度よりも高く、且つ、前記温度推定手段により推定される該触媒の下流側端部の温度が前記フィルタにて粒子状物質を酸化させる温度の下限値よりも高い場合に、前記排気絞り弁の開度をそれまでよりも大きくすることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記温度推定手段は、前記酸化能力を有する触媒よりも上流側の排気通路内のガスの温度をモデルを用いて推定し、
    前記フィルタ再生手段は、前記温度推定手段により推定される前記触媒へ流入する直前の排気通路内のガス温度が該触媒の活性温度の下限値以上のときに前記還元剤供給手段により還元剤を供給することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記酸化能力を有する触媒よりも上流側に、酸化能力を有する他の触媒である上流触媒を少なくとも1つ備え、
    前記温度推定手段は、前記酸化能力を有する触媒よりも上流側の排気通路内のガスの温度および前記上流触媒の温度をモデルを用いて推定し、その結果に基づいて、前記触媒に流入する排気の温度および該触媒の温度を推定することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記温度推定手段は、前記上流触媒の温度を推定するときに放熱による下降温度を推定し、該下降温度は、該上流触媒と外気との温度差および車速に基づいて推定される該温度差による下降温度と、該上流触媒の温度に基づいて推定される熱輻射による下降温度と、からなることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記温度推定手段は、前記排気通路内のガスの温度を推定するときに、放熱による下降温度を推定し、該下降温度は、該排気通路内のガスと外気との温度差および車速に基づい
    て推定される該温度差による下降温度と、排気通路内のガス温度に基づいて推定される熱輻射による下降温度と、からなることを特徴とする請求項4から6の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 前記温度推定手段は、前記酸化能力を有する触媒の温度を推定するときに、放熱による下降温度を推定し、該下降温度は、該酸化能力を有する触媒と外気との温度差および車速に基づいて推定される該温度差による下降温度と、該触媒内のガス温度に基づいて推定される熱輻射による下降温度と、からなることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 前記温度推定手段は、吸入空気量に基づいてHCの浄化率を推定し、該HCの浄化率を、吸入空気量および背圧に基づいて補正することを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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