JP2016164890A - 圧着端子、接続構造体及びコネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム芯線201を絶縁被覆202で被覆した被覆電線200の被覆先端202aより露出長さXw露出させた電線露出部201aを圧着する圧着部30を備えた雌型圧着端子10(10a)であって、圧着部30のバレル片32を、電線露出部201aより先端側から絶縁被覆202の被覆先端202aより後端側までを連続して一体的に囲繞するように圧着し、圧着部30における表面の少なくとも一部に、有機材料からなる圧縮永久ひずみ0%〜30%或いはJIS K 6253に準拠したタイプAデュロメータにより測定される硬度でA1〜A90又はJIS K 6253に準拠したタイプDデュロメータにより測定される硬度でD40〜D90の少なくとも一方の特性を有する高機能シール材を備えた。
【選択図】図1
Description
なお、有機材料が液相材料の場合、例えば、加熱、紫外線照射、2液混合、嫌気、水分との反応等の方式により硬化することができる。
この発明に態様として、前記長手方向止水材が、前記一方のバレル片における幅方向の端部に配置されていてもよい。
またこの発明に態様として、前記圧着部の外表面における前記他方のバレル片の片端部に、前記長手方向に配置された止水材が配置されていてもよい。
またこの発明に態様として、前記セレーションが、前記バレル片の上部までを連続する溝形状であってもよい。
この発明によれば、圧着端子の圧着部における圧着だけで確実な止水性を確保することのできる接続構造体を構成することができる。したがって、安定した導電性を確保することができる。
この発明によれば、高機能止水材によって圧着端子と電線導体との接続部分の止水性を確保するので、圧着端子と電線導体を構成する金属種によらず、安定した導電性を確保した状態に圧着端子及び電線導体を接続することができる。
この発明によれば、圧着端子と電線導体を構成する金属種によらず、安定した導電性を確保した状態に圧着端子を接続することができる。
図1は雌型圧着端子10の斜視図、図2は雌型圧着端子10についての説明図である。詳しくは、図2(a)は雌型圧着端子10の側面図、図2(b)は雌型圧着端子10の幅方向中央における縦断面図、図2(c)は雌型圧着端子10の背面図、図2(d)は圧着接続構造体1の幅方向中央における縦断面図、図2(e)は同状態の圧着接続構造体1における圧着部30の後端付近であるA−A線矢視断面である。
以下において、雌型圧着端子10と被覆電線200とについて詳述する。
雌型圧着端子10は、該雌型圧着端子10の長手方向Xの先端側である前方から後方に向かって、図示省略する雄型コネクタにおける挿入タブの挿入を許容するコネクタボックス部20と、コネクタボックス部20の後方で、所定の長さのトランジション部20aを介して配置された圧着部30とを一体に構成している。
なお、コネクタボックス部20に挿入する挿入タブを備えた雄型圧着端子(図示せず)の圧着部30も同様の構造で構成している。
なお、セレーション33は、圧着底面31と、圧着底面31の幅方向Yの両側から斜め外側上方に延出するバレル片32の上部までを連続する溝形状で形成している。
したがって、圧着部30における長手方向の重ね合い部Dの止水性を確保することができる。
しかし、圧着部30を断面Oクリンプに圧着する方が、断面Fクリンプに圧着するよりもシール41,42が必要な領域や面積が少なくて済むだけでなく、アルミニウム芯線201に導体切れが生じたり、絶縁被覆202が傷付いたりしないので、好ましくは、断面Oクリンプに圧着するとよい。
したがって、雌型圧着端子10とアルミニウム芯線201において安定した導電性を確保した接続状態を備えた圧着接続構造体1を構成することができる。
上述のような圧着端子10(10a)を用いた圧着接続構造体1(1a)をコネクタハウジング300に装着することによって、確実な導電性を有するコネクタ3(3a,3b)を構成することができる(図5参照)。
まず、第1〜第7の効果確認試験を実施するにあたり、圧着端子10(10a)を用いた圧着接続構造体1(1a)からなる試験体1〜41と、比較対象として比較体1〜5を作製した。
上記試験体1〜13及び比較体1,2における、シール材厚さは約200±50μmとし、硬さと圧縮永久ひずみは下記の表1に示す。
A1060)である導体断面積が0.75mm2、長さ11cmのアルミニウム素線(素線11本のより線)で構成するアルミニウム芯線を用いた。
第1効果確認試験を、試験体1〜13及び比較体1,2に対して実施した結果について表1に示す。
腐食試験後、抵抗上昇値、腐食状況とを測定、観察した。また腐食試験以外の試験方法や評価方法は上述した第1効果確認試験と同様である。
試験体1〜8及び試験体12に使用している圧縮永久ひずみを下記の手順で測定した。
圧縮永久ひずみ試験は、JIS K6262に準拠して、圧縮率25%、試験温度125℃、試験時間75時間にて試験を行った。
また、微細な隙間への追従・充填(樹脂の軟質性)及び高弾性反発によって、強酸、高温、温度変化の厳しい環境でも密閉状態を維持することができる。
試験体4、試験体14〜18、及び比較体3は、それぞれの銅合金条100から端子の形状に応じた連鎖端子110を打ち抜き、曲げ加工した圧着端子10(10a)の圧着部30における幅方向シール41及び長手方向シール42に対して、引張りせん断接着強度の異なる樹脂を塗布し半硬化状態で、電線の被覆体先端より所定長さ露出させた電線導体の露出部分とを圧着して取り付けて圧着接続構造体1(1a)を構成した。
組成がECAl(送電線用アルミニウム合金線材のJIS
A1060)である導体断面積が0.75mm2、長さ11cmのアルミニウム素線(素線11本のより線)で構成するアルミニウム芯線201を圧着して取り付けて圧着接続構造体1(1a)を構成した。
サーマルショック試験の試験条件は、120℃にて15分間放置後、−40℃にて15分間放置する工程を1サイクルとして、5000サイクル実施した。
特に、引張りせん断接着強さ5MPa〜27MPaの特性を有する試験体14〜試験体17は、過酷な環境に曝されても優れた防食性をもつことが確認された。
試験体19〜29は、粗化処理した銅合金条100から端子の形状に応じた連鎖端子110を打ち抜き、曲げ加工した圧着端子10(10a)の圧着部30における幅方向シール41及び長手方向シール42に対して、引張りせん断接着強度の異なる樹脂を塗布し半硬化状態で、電線の被覆体先端より所定長さ露出させた電線導体の露出部分とを圧着して取り付けて圧着接続構造体1(1a)を構成した。高機能シール材の一例であるホットメルト型樹脂A、液状シリコーンゴムC、液状シリコーンゴムDを設けた。
A1060)である導体断面積が0.75mm2、長さ11cmのアルミニウム素線(素線11本のより線)で構成するアルミニウム芯線201を圧着して取り付けて圧着接続構造体1(1a)を構成した。
試験体30〜35は、銅合金条100から端子の形状に応じた連鎖端子110を打ち抜き、曲げ加工した圧着端子10(10a)の圧着部30における幅方向シール41及び長手方向シール42に対して、引張りせん断接着強度の異なる樹脂を塗布し硬化後、電線の被覆体先端より所定長さ露出させた電線導体の露出部分とを圧着して取り付けて圧着接続構造体1(1a)を構成した。高機能シール材の一例であるホットメルト型樹脂A、ホットメルト型樹脂B、ホットメルト型樹脂Cを設けた。
第6効果確認試験を、試験体30〜35に対して実施した結果について表8に示す。
また、シール材の再溶融によって、微細な隙間への追従・充填と端子基材との高い接着性を得ることができる。さらに、強酸、高温、温度変化の厳しい環境でも止水性が得られ、高硬度の試験体31及び試験体32、高圧縮永久ひずみの試験体30の樹脂でも、第3効果確認試験における試験体1〜6と同等の防食性を持つことができる。
この発明の電線導体及びアルミニウム電線導体及びアルミニウム合金電線導体は、実施形態のアルミニウム芯線201に対応し、
以下同様に、
被覆体は、絶縁被覆202に対応し、
被覆体の先端は、被覆先端202aに対応し、
所定長さは、露出長さXwに対応し、
電線導体の露出部は、電線露出部201aに対応し、
圧着端子は、雌型圧着端子10,10aに対応し、
長手方向の長さは、長手方向長さXbに対応し、
幅方向シールは、幅方向シール41,前方幅方向シール41a,後方幅方向シール41bに対応し、
長手方向シールは、長手方向シール42,内面側長手方向シール42a,外面側長手方向シール42bに対応し、
接続構造体は、圧着接続構造体1に対応し、
コネクタは、コネクタ3,雌型コネクタ3a及び雄型コネクタ3bに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
また、圧着部30をオープンバレル形式としたが、例えばクローズバレル形式としてもよい。
3…コネクタ
3a…雌型コネクタ
3b…雄型コネクタ
10,10a…雌型圧着端子
30…圧着部
32…バレル片
32a…左バレル片
32b…右バレル片
41…幅方向シール
41a…前方幅方向シール
41b…後方幅方向シール
42…長手方向シール
42a…内面側長手方向シール
42b…外面側長手方向シール
200…被覆電線
201…アルミニウム芯線
201a…電線露出部
202…絶縁被覆
202a…被覆先端
300…コネクタハウジング
D…重ね合い部
Xw…露出長さ
X…長手方向
Xb…長手方向長さ
Y…幅方向
Claims (11)
- 電線導体の外周を絶縁性の被覆体で被覆した被覆電線における被覆体の先端より所定長さ露出させた電線導体の露出部分を圧着する圧着部が備えられている圧着端子であって、
前記圧着部が、前記電線導体の露出部分に圧着した状態において、前記電線導体の先端より先端側から前記被覆体の先端より後端側までを連続して一体的に囲繞するとともに、前記圧着部を構成する左右のバレル片のうち一方のバレル片の幅方向の端部が他方のバレル片の端部の上に重ねられ、該圧着部の長手方向と直交する面で切断した断面形状が閉鎖する閉鎖断面であり、
前記圧着部の内表面に、
溝形状であるセレーションと、幅方向の幅方向止水材と、長手方向の長手方向止水材とが備えられ、
前記幅方向止水材が、前記長手方向において、前記電線導体の露出部分に対応する部分を挟むように配置され、
前記長手方向止水材が、前記幅方向止水材とつなげるように配置されている
圧着端子。 - 前記長手方向止水材が、
前記一方のバレル片における幅方向の端部に配置されている
請求項1に記載の圧着端子 - 電線導体の外周を絶縁性の被覆体で被覆した被覆電線における被覆体の先端より所定長さ露出させた電線導体の露出部分を圧着する圧着部が備えられている圧着端子であって、
前記圧着部が、前記電線導体の露出部分に圧着した状態において、前記電線導体の先端より先端側から前記被覆体の先端より後端側までを連続して一体的に囲繞するとともに、前記圧着部を構成する左右のバレル片のうち一方のバレル片の幅方向の端部が他方のバレル片の端部の上に重ねられ、該圧着部の長手方向と直交する面で切断した断面形状が閉鎖する閉鎖断面であり、
前記圧着部の内表面に、
溝形状であるセレーションと、前記セレーションを囲うように配置された略コの字状の止水材とが備えられている
圧着端子。 - 前記略コの字状の止水材を構成する長手方向に配置された止水材が、前記一方のバレル片端部に配置されている
請求項3に記載の圧着端子。 - 電線導体の外周を絶縁性の被覆体で被覆した被覆電線における被覆体の先端より所定長さ露出させた電線導体の露出部分を圧着する圧着部が備えられている圧着端子であって、
前記圧着部が、前記電線導体の露出部分に圧着した状態において、前記電線導体の先端より先端側から前記被覆体の先端より後端側までを連続して一体的に囲繞するとともに、前記圧着部を構成する左右のバレル片のうち一方のバレル片の幅方向の端部が他方のバレル片の端部の上に重ねられ、該圧着部の長手方向と直交する面で切断した断面形状が閉鎖する閉鎖断面であり、
前記圧着部の内表面に、
溝形状であるセレーションと、前記圧着部の長手方向に互いに対向配置された第一、第二の幅方向止水材と、少なくとも1つの長手方向止水材とを備え、
前記第一の幅方向止水材は、電線露出部より前記圧着部先端側に配置され、
前記第二の幅方向止水材は、電線被覆体と接触する位置に配置され、
前記長手方向止水材は、前記第一の幅方向止水材と前記第二の幅方向止水材に渡って配置されている
ことを特徴とする圧着端子。 - 前記圧着部の外表面における前記他方のバレル片の片端部に、前記長手方向に配置された止水材が配置されている
請求項1〜5のうちのいずれかに記載の圧着端子。 - 前記圧着部が、
前記電線導体の露出部分に圧着した状態において、該圧着部の長手方向と直交する面で切断した断面形状が閉鎖断面となるように圧着されている
請求項1〜6のいずれか一つに記載の圧着端子。 - 前記セレーションが、前記バレル片の上部までを連続する溝形状である
請求項1〜7のいずれか一つに記載の圧着端子。 - 請求項1〜8のいずれか一つに記載の圧着端子における圧着部によって、前記被覆電線と前記圧着端子とが接続されている
接続構造体。 - 前記被覆電線における前記電線導体が、アルミニウム電線導体あるいはアルミニウム合金電線導体で構成されている
請求項9に記載の接続構造体。 - 請求項9又は10に記載の接続構造体における圧着端子がコネクタハウジング内に配置されている
コネクタ。
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