(第1実施形態)
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。まず、本実施形態に係る表示装置である表示装置100の構成について図1〜10を参照して説明する。図1は、本発明を実施する表示装置の第1実施形態である表示装置100の構成を説明する三面図あって、表示装置100の正面図、下側面図(底面図)、背面図を示している。本実施形態の表示装置100は、平板状の直方体である第1のパネル(第1の筐体)101と第2のパネル(第2の筐体)102によって構成されている。
第1のパネル101は第1の表示部101aを備え、第2のパネル102は第2の表示部102aを備えている。なお、第1の表示部101aおよび第2の表示部102aのそれぞれは、隣り合う辺の長さが異なる矩形状である。
本実施形態では、それぞれの表示部として、TFT型LCD(薄膜トランジスタ駆動型液晶表示器)を採用する構成であるが、有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)などによって形成された表示部を採用するような構成であってもよい。なお、第1の表示部101aは、第1の表示制御回路110によって表示内容が制御され、第2の表示部102aは、第2の表示制御回路120によって表示内容が制御される構成である。
図1に図示するように、第1のパネル101は、第1の表示部101aが設けられたA面を正面(第1の面)とし、その反対側のB面を背面(第3の面)とする。また、第1のパネル101は、後述する溝部101c1および溝部101c2が設けられている面を左側面としその反対側の面を右側面とする。そして、第1のパネル101は、後述する溝部101b1および溝部101b2が設けられている面を下側面とし、その反対側の面を上側面とする。
なお、表示部101a方向から見た場合の第1のパネル101の下側面側の長辺を辺1(第1の辺)とし、第1のパネル101の右側面側の短辺を辺2(第2の辺)とする。そして、当該辺1と辺2とは互いに略直交している。
また、第2のパネル102は、第2の表示部101aが設けられたA面を正面(第2の面)とし、その反対側のB面を背面(第4の面)とする。また、第2のパネル102は、後述する溝部102c1および溝部102c2が設けられている面を右側面としその反対側の面を左側面とする。そして、第2のパネル102は、後述する溝部102b1および溝部102b2が設けられている面を下側面とし、その反対側の面を上側面とする。
なお、表示部102a方向から見た場合の第2のパネル102の下側面側の長辺を辺3(第3の辺)とし、第2のパネル102の左側面側の短辺を辺4(第4の辺)とする。そして、当該辺3と辺4とは互いに略直交している。
表示装置100は、第1のパネル101と第2のパネル102の相対的な配置を変更することで複数の状態に変更することができる表示装置であって、第1の表示部101aと第2の表示部102aとが同一の方向を向いている状態を展開状態とする。すなわち、第1のパネル101と第2のパネル102のA面同士(B面同士)が同一の方向を向いている状態を、表示装置100の展開状態とする。
上述した表示装置100の展開状態のうち、第1のパネル101の左側面と第2のパネル102の右側面とが接した展開状態を横展開状態とし、第1のパネル101の下側面と第2のパネル102の上側面とが接した展開状態を縦展開状態とする。
すなわち、第1のパネル101の辺1の延長線上に第2のパネル102の辺3が位置する状態を、表示装置100の横展開状態(第1の状態)とする。また、第1のパネル101の辺2との延長線上に第2のパネル102の辺4が位置する状態を、表示装置100の縦展開状態(第2の状態)とする。
また、表示装置100は、第1のパネル101と第2のパネル102のA面同士が向かい合い、B面同士がそれぞれ異なる方向を向く状態を収納状態とする。すなわち、第1のパネル101の第1の表示部101aと第2のパネル102の第2の表示部102aとが互いに向かい合う状態を、表示装置100の収納状態とする。
この収納状態としては、収納状態Aおよび収納状態Bの2つの状態にすることができる。上述した、収納状態AとBとは、第1のパネル101と第2のパネル102上において、後述する各ワイヤーが導かれる溝部がそれぞれ異なる。この詳細については後述する。
また、表示装置100は、第1のパネル101と第2のパネル102のB面同士が向かい合い、A面同士がそれぞれ異なる方向を向く状態を両面状態とする。すなわち、第1のパネル101の第1の表示部101aと第2のパネル102の第2の表示部102aとが露出し、それぞれが異なる方向を向く状態を、表示装置100の両面状態とする。
以上説明した、表示装置100の展開状態から収納状態、または表示装置100の展開状態から両面状態へと移行するまでの表示装置100の状態を移行状態とする。
なお、表示装置100の収納状態および両面状態では、各表示部の表示面と直交する方向から表示装置100を見て、第1のパネル101の辺1と第2のパネル102の辺3同士が互いに重畳(略一致)する。また、表示装置100の収納状態および両面状態では、各表示部の表示面と直交する方向から表示装置100を見て、第1のパネル101の辺2と第2のパネル102の辺4同士が互いに重畳(略一致)する。
図2を参照して表示装置100の内部構成について説明する。図2は、本発明を実施する表示装置の第1実施形態である表示装置100の内部構成を説明するブロック図である。第1のパネル101は、第1の表示制御回路110、第1の電源部111、第1の通信部112、そして、第1の表示部101aを備えている。また、第2のパネル102は、第2の表示制御回路120、第2の電源部121、第2の通信部122、そして、第2の表示部102aを備えている。
第1の表示制御回路110は、第1の表示部101aに表示用の画像(表示画像)を表示させるように制御できる表示制御手段である。また、第2の表示制御回路120は、第2の表示部102aに表示画像を表示させるように制御できる表示制御手段である。
第1の電源部111は、第1のパネル101の内部に電力を供給する電力供給手段である。また、第2の電源部121は、第2のパネル102の内部に電力を供給する電力供給手段である。表示装置100の不図示の電源がオンされると、第1の電源部111から第1の表示制御回路を介して、第1のパネル101内の各部に電力が供給される。同様に、第2の電源部121から第2の表示制御回路を介して、第2のパネル102内の各部に電力が供給される。
第1の通信部112および第2の通信部122は、第1の表示制御回路110および第2の表示制御回路120からの指示に応じて、第1のパネル101と第2のパネル102との間で種々のデータを送受信するための通信手段である。
本実施形態において、第1の通信部112および第2の通信部122は、各表示部に表示させる表示画像に関する情報(表示信号)を無線通信によって送受信する構成である。したがって、上述した表示信号を第1のパネル101および第2のパネル102との間で送受信することによって、第1の表示部101aと第2の表示部102aとで、それぞれ異なる画像や単一の画像を分割した画像を表示させることができる。
なお、本実施形態の表示装置100では、上述したように第1のパネル101および第2のパネル102の双方に表示制御回路等を設けるような構成だが、これに限定されるものではない。例えば、第1のパネル101または第2のパネル102の何れか一方のみに表示制御回路を設けるような構成であってもよい。この場合、当該一方のパネルに設けられた表示制御回路によって、第1のパネル101と第2のパネル102の双方を統括的に制御する。
また、本実施形態の表示装置100では、無線通信によって各パネル間の通信をおこなうような構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、第1のパネル101と第2のパネル102の連結手段である後述する各ワイヤーの内部に通信用のケーブルなどを設け、当該通信用のケーブルを用いて各パネル間での通信をおこなうような構成であってもよい。
次に、図3を参照して第1のパネル101を詳細に説明する。図3は、本発明を実施する表示装置の第1実施形態である表示装置100を構成する第1のパネル101の四面図であって、正面図、左側面図、下側面図(底面図)、背面図を示している。
第1のパネル101は、辺1の長さ(横幅)をWp、辺2の長さ(縦幅)をHp、辺1と平行な第1の表示部101aの辺の長さ(横幅)をWd、辺2と平行な表示部101aの長さ(縦幅)をHdとすると、以下の式(1)の関係を満たす。
Wp>Hp,Wd>Hd (1)
すなわち、第1のパネル101の長手方向の辺の長さWpは第1の表示部101aの短手方向の辺の長さHpより大きい。そして、第1のパネル101の長手方向の長さWdは第1の表示部101aの長手方向の長さHdより大きい。また、本実施形態の第1のパネル101は以下の式(2)の関係を満たす。
Wp:Hd=3:2 (2)
なお、式(2)に示したように、本実施形態では、第1のパネル101のWdとHdの比であるアスペクト比として、主に写真に多用される比率を採用したが、これに限定されるものではなく、その他の比率を採用するような構成であってもよい。
本実施形態の第1のパネル101では、第1のパネル101において、第1のパネル101の中心と第1の表示部101aの中心とが略一致するように第1の表示部101aを配置する。この状態で、第1のパネル101の縁部の幅(第1の表示部101aの縁から第1のパネル101の縁までの距離)が、第1の表示部101aの長手方向の長さWdと短手方向の長さHdと比較して10分1以下の大きさとなる。この構成によって、第1のパネル101が第2のパネル102と連結された際に、第1の表示部101aと第2の表示部102aとの間の距離を比較的小さくすることができる。したがって、本実施形態の表示装置100は、単一の画像を第1の表示部101aと第2の表示部102aとに分割して表示させる場合であっても、当該単一の画像を閲覧するユーザに与える違和感を抑制することができる。
なお、ユーザが、表示装置100を用いて画像を閲覧する際の違和感を抑制するためには、第1のパネル101の縁部の幅はできるだけ小さくすることが望ましい。そこで、第1の表示部101aを、第1のパネル101の中心から後述する溝部101c1、101c2および101d1、101d2方向にシフトさせて配置するような構成であってもよい。この構成であれば、展開状態の表示装置100において、第1の表示部101aと第2の表示部102aと近づけることができるため、画像を閲覧する際にユーザに与える違和感を抑制することができる。
図3に図示するように、第1のパネル101には、正面(A面)から下側面(辺1側の側面)を通過して背面(B面)まで延出した直線形状の溝部が設けられている。当該溝部のうち、第1のパネル101の下側面に設けられている溝部が溝部101b1および溝部101b2である。また、第1のパネル101のB面に設けられている溝部が溝部101d1、溝部101d2である。さらに、第1のパネル101の左側面に設けられている溝部が溝部101c1、溝部101c2である。
図3に図示するように、本実施形態の第1のパネル101は、辺1において、溝部101d1の下側面側の端部と溝部101b1の下側面側の端部の位置が一致する。また、第1のパネル101は、辺2において、溝部101d1の左側面側の端部と溝部101c1の左側面側の端部の位置とが一致する。すなわち、第1のパネル101には、溝部101b1と溝部101d1と溝部101c1とによって、連続した一連の溝部が形成されている。
同様に、第1のパネル101は、辺1において、溝部101d2の下側面側の端部と溝部101b2の下側面側の端部の位置が一致し、辺2において、溝部101d2の左側面側の端部と溝部101d2の左側面側の端部の位置が一致する。すなわち、第1のパネル101には、溝部101b2と溝部101d2と溝部101c2とによって、連続した一連の溝部が形成されている。
ここで、第1のパネル101において、辺1に該当し、A面と下側面とが略直交することで形成された角部を角部101g1、101g2とする。また、第1のパネル101において、辺1に該当し、下側面とB面とが略直交することで形成された角部を角部101h1、101h2とする。また、第1のパネル101において、辺2に該当し、B面と左側面とが略直交することで形成された角部を角部101i1、101i2とする。さらに、第1のパネル101において、辺2に該当し、左側面とA面とが略直交することで形成された角部を角部101j1、101j2とする。
このうち、角部101g1、101h1、101i1、101j1は、連続して形成された溝部101b1、溝部101c1、溝部101d1に含まれる角部である。また、角部101g2、101h2、101i2、101j2は、連続して形成された溝部101b2、溝部101c2、溝部101d2に含まれる角部である。
なお、上述した第1のパネル101と同様に、第2のパネル102の表面にも溝部102b1〜102d2が形成されている。溝部102b1と溝部102c1と溝部102d1、および溝部102b2と、溝部102c2と、102d1とによって、連続した一連の溝部が形成されている。第2のパネル102上のそれぞれの溝部は、前述した第1のパネル101に形成されている溝部に対応した位置に形成されている。この詳細については後述する。
なお、第1のパネル101及び第2のパネル102の正面(A面)にも、上述した各溝部から連続した一連の溝部が設けられている。当該A面上の溝部は、各パネル上に設けられた後述する固定部に向けて形成された溝部であって、各パネルの正面に導かれたワイヤーが、パネルの外装から突出することを防ぐために設けられている。
溝部101b1および溝部101d1は、第1のパネル101の下側面およびB面において、辺2から距離Lb1だけ離れた位置に形成されている。また、溝部101b2および溝部101d2は、第1のパネル101の下側面およびB面において、辺2から距離Lb2だけ離れた位置に形成されている。また、溝部101c1は、第1のパネル101の左側面(辺2側の側面)において、辺1から距離Lc1だけ離れた位置に形成されている。また、溝部101c2は、第1のパネル101の左側面(辺2側の側面)において、辺1から距離Lc2だけ離れた位置に形成されている。なお、距離Lb2は距離Lb1よりも大きく、距離Lc2は距離Lc1よりも大きい。
図4は、本発明の第1実施形態に係る第1のパネル101および第2のパネル102の各溝部の拡大断面を例示的に説明した拡大断面図である。図4に図示するように、第1のパネル101および第2のパネル102の表面には上述したように溝部が形成されており、当該各溝部は各パネル上において、断面が有底のV字形状となるように形成されている。
そして、後述する各ワイヤーは、後述する固定部によって端部が固定された状態で、第1のパネル101および第2のパネル102の表面に形成された溝部に沿って当該溝部内に導かれる。なお、図4に図示するように、各ワイヤーは、所定の溝部内に導かれることで当該溝部に落ち込んだ状態となる。各ワイヤーの詳細については後述する。
次に、第1のパネル101に設けられた各固定部について説明する。図3に図示するように、第1のパネル101のA面の縁部であって第1の表示部101aと重畳しない位置には、固定部101e1、固定部101e2、固定部101f1、固定部101f2が設けられている。固定部101e1は、後述するワイヤー103の一方の端部を固定する固定手段である。固定部101e2は、後述するワイヤー104の一方の端部を固定する固定手段である。固定部101f1は、後述するワイヤー105の一方の端部を固定する固定手段である。固定部101f2は、後述するワイヤー106の一方の端部を固定する固定手段である。
なお、固定部101e1および固定部101e2は、第1のパネル101のA面の縁部のうち、下側面側(第1の辺側)近傍の位置(第1の位置)に設けられている。また、固定部101f1および固定部101f2は、第1のパネル101のA面の縁部のうち、左側面側(第2の辺側)近傍の位置(第4の位置)に設けられている。以上が第1のパネル101の説明である。
以下、第2のパネル102の詳細について説明する。なお、第2のパネル102の構成は、上述した第1のパネル101と略同一であるため、第2のパネル102と第1のパネル101との差異についてのみ以下に説明する。
本実施形態の第2のパネル102は、辺3において、溝部102d1の下側面側の端部と溝部102b1の下側面側の端部の位置が一致し、辺4において、溝部102d1の右側面側の端部と溝部102c1の右側面側の端部の位置が一致する。すなわち、第2のパネル102には、溝部102b1と溝部102d1と溝部102c1とによって、連続した一連の溝部が形成されている。同様に、第2のパネル102は、辺3において、溝部102d2の下側面側の端部と溝部102b2の下側面側の端部の位置が一致し、辺4において、溝部102d2の右側面側の端部と溝部102d2の右側面側の端部の位置が一致する。すなわち、第2のパネル102には、溝部102b2と溝部102d2と溝部102c2とによって、連続した一連の溝部が形成されている。
また、上述した第1のパネル101と同様に、第2のパネル102にも角部102g1、102g2、102h1、102h2、102i1、102i2、102j1、102j2が形成されている。第2のパネル102において、辺3に該当し、A面と下側面とが略直交することで形成された角部が角部102g1、102g2である。
第2のパネル102において、辺3に該当し、下側面とB面とが略直交することで形成された角部が角部102h1、102h2である。また、第1のパネル101において、辺4に該当し、B面と右側面とが略直交することで形成された角部が角部102i1、102i2である。さらに、第2のパネル102において、辺4に該当し、右側面とA面とが略直交することで形成された角部が角部102j1、102j2である。このうち、角部102g1、102h1、102i1、102j1は、連続して形成された溝部102b1、溝部102c1、溝部102d1に含まれる角部である。また、角部102g2、102h2、102i2、102j2は、連続して形成された溝部102b2、溝部102c2、溝部102d2に含まれる角部である。
第2のパネル102のA面の縁部であって第2の表示部102aと重畳しない位置には、固定部102e1、固定部102e2、固定部102f1、固定部102f2が設けられている。固定部102e1は、後述するワイヤー105の一方の端部を固定する固定手段である。固定部102e2は、後述するワイヤー106の一方の端部を固定する固定手段である。固定部102f1は、後述するワイヤー103の一方の端部を固定する固定手段である。固定部102f2は、後述するワイヤー104の一方の端部を固定する固定手段である。
なお、固定部102e1はおよび固定部102e2は、第2のパネル102のA面の縁部のうち、下側面側(第3の辺側)近傍の位置(第3の位置)に設けられている。また、固定部102f1および固定部102f2は、第2のパネル102のA面の縁部のうち、左側面側(第4の辺側)近傍の位置(第2の位置)に設けられている。以上が第2のパネル102の説明である。
以下、本実施形態における第1のパネル101および第2のパネル102の相対的な配置を変更可能に連結する連結手段であるワイヤー103〜106の詳細について説明する。ワイヤー103〜106は合成繊維や金属材料によって成形される線形状の連結手段であって、第1のパネル101と第2のパネル102とを折り畳み自在に連結している。
なお、ワイヤー103〜106はそれぞれ、線方向への弾性と、曲げ方向への柔軟性を有している。また、各ワイヤーの両端部は、端部同士が結合していない形状の連結手段である。すなわち、本実施形態のワイヤー103〜106は非ループ形状である。
上述したワイヤー103〜106は、各ワイヤーの線方向に張力が生じるように、両端が引っ張られた状態で各固定部に固定される。例えば、ワイヤー103であれば、表示装置100の展開状態および折り畳み状態(収納状態または両面状態)のそれぞれにおいて、ワイヤー103が撓まないように固定部101e1と固定部102f1とに固定されている。この構成によって、ワイヤー103〜106は、それぞれ対応する溝部の内部に導かれた状態で長さが最短となるような経路を通る。
ワイヤー103〜106には、ユーザが表示装置100の状態を変更する(展開する、または折り畳む)際に加える外力などが加わる。当該外力によって、ワイヤーが溝部から脱落することを防ぐためには、ワイヤーの張力を増加させ、緩みを小さくすることが望ましい。具体的には、上述した外力によって、ワイヤーが切れること防止するためには、ワイヤーの張力を、ワイヤーの引っ張り強度から計算される所定の値以下に低減することが望ましい。すなわち、溝部からのワイヤーの脱落およびワイヤーの破損等を考慮した信頼性を確保するために、各ワイヤーの張力を望ましい範囲に収める必要がある。しかしながら、部品の加工精度や組み付け精度によって、各ワイヤーの張力は設計値からばらつく。
そこで、本実施形態の表示装置100は、各固定部に、対応する各ワイヤーの張力を調節することができる張力調節機構(不図示)が設けられている。さらに、本実施形態のワイヤー103〜106は、それぞれが独立した1つの部材であって、異なる固定部に固定されている。
上述した張力調節機構としては、例えば、前述した各固定部に対応した第1のパネル101と第2のパネル102の各位置に、各ワイヤーを挿入可能な孔部が設ける。そして、当該孔部にワイヤーが挿入された状態で、孔部にワイヤーの端部を固定するための固定ピンを挿入する。この構成であれば、孔部に挿入するワイヤーの量や、ピンの挿入度合を変化させることで、ワイヤーの張力を調節することができる。この場合、各固定部が上述した張力調節機構に該当する。
なお、上述した固定ピンの外径を、孔部の内径よりも若干大きく設定する。この状態で、孔部の内部と固定ピンの外部とが所定の摩擦力を生じながら互いに慴動するので、固定ピンが孔部から脱落することを防止することができる。
以上説明した構成によって、本実施形態の表示装置100は、各ワイヤーの張力を独立して調整することができる。したがって、各ワイヤーが対応する溝部から脱落することや、破損することを防ぐことができる。
なお、固定部101e1の張力調節機構を用いてワイヤー103の張力を調節したとしても、その他のワイヤー104〜106の張力は変化しない。したがって、本実施形態の表示装置100では、調節が必要なワイヤーの張力のみを独立して調節することができる。以上がワイヤー103〜106の説明である。
なお、本実施形態では、表示装置100を横展開状態にした場合、第1のパネル101と第2のパネル102の各溝部および各固定部同士は、辺2と辺4を中心線とした線対称の関係となる位置に設けられる。また、表示装置100を縦展開状態にした場合、第1のパネル101と第2のパネル102の各溝部および各固定部同士は、辺1と辺3を中心線とした線対称の関係となる位置に設けられる。この詳細については後述する。
また、本実施形態の表示装置100では、各固定部で対応する各ワイヤーを固定する方法としては、上述した固定ピン以外に、接着、熱カシメ、圧着、フックなどへの引っかけなど種々の方法を採用することができる。
次に、図5を参照して表示装置100の展開状態と折り畳み状態の詳細について説明する。図5は、本発明を実施する表示装置の第1実施形態である表示装置100の展開状態および折り畳み状態を例示的に説明する図であって、表示装置100の各状態における三面図(正面図、右側面図、下側面図)を示している。図5(a)は、表示装置100の収納状態Aを例示的に説明した図である。
表示装置100は収納状態Aにおいて、各パネルA面およびB面と直交する方向において、第1のパネル101の辺1と第2のパネル102辺3とが一致し、第1のパネル101の辺2と第2のパネル102の辺4とが一致する。
図5(b)は、表示装置100の横展開状態を例示的に説明した図であって図5(a)に図示する矢印方向に第2のパネル102を相対的に略180度回動させた(展開させた)状態を示している。表示装置100は横展開状態において、第1のパネル101の辺1の延長線上に連続して第2のパネル102の辺3が位置し、第1のパネル101および第2のパネル102のA面およびB面同士がそれぞれ同一の方向を向く。
図5(c)は、表示装置100の両面状態を例示的に説明する図であって、図5(b)に図示する矢印方向に第2のパネル102を相対的に略180度回動させた(折り畳んだ)状態を示している。
表示装置100は両面状態において、前述した収納状態と同様に、各パネルA面およびB面と直交する方向において、第1のパネル101の辺1と第2のパネル102の辺3とが一致し、第1のパネル101の辺2と第2のパネル102の辺4とが一致する。
図5(d)は、表示装置100の縦展開状態を例示的に説明する図であって、図5(c)に図示する矢印方向に第2のパネル102を相対的に略180度回動させた(展開させた)状態を示している。表示装置100は縦展開状態において、第1のパネル101の辺2の延長線上に連続して第2のパネル102の辺4が位置し、第1のパネル101および第2のパネル102のA面およびB面同士がそれぞれ同一の方向を向く。
図5(e)は、表示装置100の収納状態Bを例示的に説明した図であって、図5(d)に図示する矢印の方向に第2のパネル102を相対的に略180度回動させた(折り畳んだ)状態を示している。表示装置100は収納状態Bにおいても、収納状態Aと同様に、各パネルのA面およびB面と直交する方向において、第1のパネル101の辺1と第2のパネル102の辺3とが一致し、第1のパネル101の辺2と第2のパネル102の辺4とが一致する。
以下、図5(a)〜図5(e)を参照して、表示装置100の各状態においける各ワイヤーの位置について詳細を説明する。図5の各図に図示するように、ワイヤー(第1の連結手段)103は、一方の端部が第1のパネル101の固定部101e1に固定され、他方の端部が第2のパネル102の固定部102f1に固定されている。また、ワイヤー(第1の連結手段)104は、一方の端部が第1のパネル101の固定部101e2に固定され、他方の端部が第2のパネル102の固定部102f2に固定されている。また、ワイヤー(第2の連結手段)105は、一方の端部が第2のパネル102の固定部102e1に固定され、他方の端部が第1のパネル101の固定部101f1に固定されている。ワイヤー(第2の連結手段)106は、一方の端部が第2のパネル102の固定部102e2に固定され、他方の端部が第1のパネル101の固定部101f2に固定されている。
まず、図5(a)を参照して、表示装置100の収納状態Aについて説明する。表示装置100は収納状態Aで、固定部101e1で固定されたワイヤー103が、溝部101b1、溝部101d1、溝部101c1に沿い、第1のパネル101の下側面、B面、左側面と接しつつ(経由して)固定部102f1に固定される。また、表示装置100は収納状態Aで、固定部101e2に固定されたワイヤー104が、溝部101b2、溝部101d2、溝部101c2に沿い、第1のパネル101の下側面、B面、左側面を接しつつ固定部102f2に固定される。また、表示装置100は収納状態Aで、固定部102e1に固定されたワイヤー105が、溝部102b1、溝部102d1、溝部102c1に沿い、第2のパネル102の下側面、B面、右側面と接しつつ固定部101f1に固定される。また、表示装置100は収納状態Aで、固定部102e2に固定されたワイヤー106が、溝部102b2、溝部102d2、溝部102c2に沿い、第2のパネル102の下側面、B面、右側面と接しつつ固定部101f2に固定される。
次に、図5(b)を参照して、表示装置100の横展開状態について説明する。なお、表示装置100の横展開状態において、各ワイヤーは、前述した収納状態Aと同様の溝部に導かれるため、以降は、横展開状態と収納状態Aとの違いについて説明する。
表示装置100の横展開状態でワイヤー(第1の連結手段)103は、第1のパネル101と第2のパネル102との間を通って第2のパネル102のA面へと向かう。同様に、ワイヤー(第2の連結手段)105は、第1のパネル101と第2のパネル102との間を通って第1のパネル101のA面へと向かう。なお、第1のパネル101と第2のパネル102との間とは、第1のパネル101に形成された溝部101c1と第2のパネル102に形成された溝部102c1の双方によって形成された空間を示している。
また、表示装置100の横展開状態でワイヤー(第1の連結手段)104は、第1のパネル101と第2のパネル102との間を通って第2のパネル102のA面へと向かう。同様に、ワイヤー(第2の連結手段)106は、第1のパネル101と第2のパネル102との間を通って第1のパネル101のA面へと向かう。なお、第1のパネル101と第2のパネル102との間とは、第1のパネル101に形成された溝部101c2と第2のパネル102に形成された溝部102c2の双方によって形成された空間を示している。
なお、表示装置100の横展開状態において、ワイヤー103のうち、溝部101d1に沿ってB面上を通過する(B面と接する)部分を通過部103cとする。また、ワイヤー104のうち、溝部101d2に沿ってB面を通過する(B面と接する)部分を通過部104cとする。同様に、ワイヤー105のうち、溝部102d1に沿ってB面上を通過する(B面と接する)部分を通過部105cとする。そして、ワイヤー106のうち、溝部102d2に沿ってB面上を通過する(B面と接する)部分を通過部106cとする。
なお、表示装置100が横展開状態である場合、ワイヤー103は、少なくとも、第1のパネル101の角部101g1、101h1、101i1、第2のパネル102の角部102j1と接触する。また、表示装置100が横展開状態である場合、ワイヤー104は、少なくとも、第1のパネル101の角部101g2、101h2、101i2、第2のパネル102の角部102j2と接触する。また、表示装置100が横展開状態である場合、ワイヤー105は、少なくとも、第2のパネル102の角部102g1、102h1、102i1、第1のパネル101の角部101j1と接触する。さらに、表示装置100が横展開状態である場合、ワイヤー106は、少なくとも、第2のパネル102の角部102g2、102h2、102i2、第1のパネル101の角部101j2と接触する。この詳細については図6を参照して後述する。
次に、図5(c)を参照して、表示装置100の両面状態について説明する。表示装置100が両面状態である場合、固定部101e1で固定されたワイヤー103が、溝部101b1、溝部102c1に沿い、第1のパネル101の下側面と第2のパネル102の右側面と接しつつ固定部102f1に固定される。
なお、ワイヤー103は、第1のパネル101および第2のパネル102のB面上において、第1のパネル101と第2のパネルの間を通過する。当該第1のパネル101と第2のパネル102との間とは、第1のパネル101に形成された溝部101d1と第2のパネル102に形成された溝部102d1の双方によって形成された空間である。
また、表示装置100は両面状態で、固定部101e2で固定されたワイヤー104が、溝部101b2、溝部102c2に沿い、第1のパネル101の下側面と第2のパネル102の右側面と接しつつ固定部102f2に固定される。なお、ワイヤー104は、第1のパネル101および第2のパネル102のB面上において、第1のパネル101と第2のパネルの間を通過する。当該第1のパネル101と第2のパネル102との間とは、第1のパネル101に形成された溝部101d2と第2のパネル102に形成された溝部102d2の双方によって形成された空間を示している。
また、表示装置100は両面状態で、固定部102e1で固定されたワイヤー105が、溝部102b1、溝部101c1に沿い、第2のパネル102の下側面と第1のパネル101の左側面と接しつつ固定部101f1に固定される。なお、ワイヤー105も前述したワイヤー103と同様に、第1のパネル101および第2のパネル102のB面上において、第1のパネル101と第2のパネルの間を通過する。
また、表示装置100は両面状態で、固定部102e2で固定されたワイヤー106が、溝部102b2、溝部101c2に沿い、第2のパネル102の下側面と第1のパネル101の左側面と接しつつ固定部101f2に固定される。なお、ワイヤー106も前述したワイヤー104と同様に、第1のパネル101および第2のパネル102のB面上において、第1のパネル101と第2のパネルの間を通過する。
次に、図5(d)を参照して、表示装置100の縦展開状態について説明する。表示装置100は縦展開状態で、固定部101e1で固定されたワイヤー103が、溝部102d1、溝部102c1に沿い、第2のパネル102のB面と右側面と接しつつ固定部102f1に固定される。なお、ワイヤー103は、第1のパネル101および第2のパネル102の下側面上において、第1のパネル101と第2のパネルの間を通過する。当該第1のパネル101と第2のパネル102との間とは、第1のパネル101に形成された溝部101b1と第2のパネル102に形成された溝部102b1の双方によって形成された空間を示している。
また、表示装置100は縦展開状態で、固定部101e2で固定されたワイヤー104が、溝部102d2、溝部102c2に沿い、第2のパネル102のB面と右側面と接しつつ固定部102f2に固定される。なお、ワイヤー104は、第1のパネル101および第2のパネル102の下側面上において、第1のパネル101と第2のパネルの間を通過する。当該第1のパネル101と第2のパネル102との間とは、第1のパネル101に形成された溝部101b2と第2のパネル102に形成された溝部102b2の双方によって形成された空間である。
また、表示装置100は縦展開状態で、固定部102e1で固定されたワイヤー105が、溝部101d1、溝部101c1に沿い、第1のパネル101のB面と左側面と接しつつ固定部101f1に固定される。なお、ワイヤー105も前述したワイヤー103と同様に、第1のパネル101および第2のパネル102の下側面側において、第1のパネル101と第2のパネルの間を通過する。
また、表示装置100は縦展開状態で、固定部102e2で固定されたワイヤー106が、溝部101d2、溝部101c2に沿い、第1のパネル101のB面と左側面と接しつつ固定部101f2に固定される。なお、ワイヤー106も前述したワイヤー104と同様に、第1のパネル101および第2のパネル102の下側面側において、第1のパネル101と第2のパネルの間を通過する。
なお、表示装置100が縦展開状態である場合、ワイヤー103は、少なくとも、第2のパネル102の角部102j1、102i1、102j1、第1のパネル101の角部101g1と接触する。また、表示装置100が縦展開状態である場合、ワイヤー104は、少なくとも、第2のパネル102の角部102j2、102i2、102j2、第1のパネル101の角部101g2と接触する。また、表示装置100が縦展開状態である場合、ワイヤー105は、少なくとも、第1のパネル101の角部101j1、101i1、101j1、第2のパネル102の角部102g1と接触する。さらに、表示装置100が縦展開状態である場合、ワイヤー106は、少なくとも、第1のパネル101の角部101j2、101i2、101j2、第2のパネル102の角部102g2と接触する。この詳細については図8を参照して後述する。
次に、図5(e)を参照して、表示装置100の収納状態Bについて説明する。表示装置100は収納状態Bで、固定部101e1で固定されたワイヤー103が、溝部102b1、溝部102d1、溝部102c1に沿い、第2のパネル102の下側面、B面、右側面と接しつつ固定部102f1に固定される。
また、表示装置100は収納状態Bで、固定部101e2で固定されたワイヤー104が、溝部102b2、溝部102d2、溝部102c2に沿い、第2のパネル102の下側面、B面、右側面と接しつつ固定部102f2に固定される。
また、表示装置100は、収納状態Bで、固定部102e1で固定されたワイヤー105が、溝部101b1、溝部101d1、溝部101c1に沿い、第1のパネル101の下側面、B面、左側面と接しつつ固定部101f1に固定される。
また、表示装置100は収納状態Bで、固定部102e2で固定されたワイヤー106が、溝部101b2、溝部101d2、溝部101c2に沿い、第1のパネル101の下側面、B面、左側面と接しつつ固定部101f2に固定される。
以上説明したように、本実施形態の表示装置100は、第1のパネル101と第2のパネル102の相対的な配置を変更することで、上述した各状態に展開および折り畳むことができる。具体的には、収納状態Aを基準として、収納状態A、横展開状態、両面状態、縦展開状態、収納状態Bの順またはその逆順に、表示装置100を展開および折り畳むことができる。すなわち、本実施形態の表示装置100は、各筐体間において、延長線上に位置する辺同士が異なるように、各筐体同士の相対的な配置を変更することができる。
ここで、ワイヤー103は、表示装置100の横展開状態において第1のパネル101のB面に形成された溝部101d1の内部に導かれるのに対して、縦展開状態において第2のパネル102のB面に形成された溝部102d1の内部に導かれる。なお、ワイヤー104〜106についても、ワイヤー103と同様に、表示装置100の展開状態に応じて導かれる溝部がそれぞれ変化する。
すなわち、本実施形態のワイヤー103〜106は、表示装置100の状態に応じて、第1のパネル101に形成された溝部と第2のパネル102に形成された溝部との間を移動する構成である。この構成により、本実施形態の表示装置100は、第1のパネル101と第2のパネル102の相対的な配置を変更して、上述した各状態へと変更する(展開および折り畳む)ことができる。
また、ワイヤー103〜106の大部分は、表示装置100の状態が横展開状態である場合と縦展開状態である場合とで、A面およびB面と直交する方向で重畳するパネル(または表示部)がそれぞれ変化する(入れ替わる)。例えば、各パネルのA面およびB面と直交する方向において、ワイヤー103の大部分は、表示装置100の横展開状態で第1のパネル101と重畳し、縦展開状態で第2のパネル102と重畳する。これに対して、各パネルのA面およびB面と直交する方向において、ワイヤー105の大部分は、表示装置100の横展開状態で第2のパネル102と重畳し、縦展開状態で第1のパネル101と重畳する。
なお、本実施形態の表示装置100は、上述したように、横展開状態、両面状態、縦展開状態において、各ワイヤーが、第1のパネル101と第2のパネル102との間に形成された各空間を通過するような構成である。この際、ワイヤー103とワイヤー105、およびワイヤー104とワイヤー106とは、上述した各空間において互いに交差している。以下、この点について図6〜8を参照して詳細を説明する。
図6は、本発明を実施した表示装置の第1実施形態である表示装置100の状態を横展開状態から収納状態Aに変更する(折り畳む)場合を例示的に説明する図である。図6(a)は、表示装置100を下側面方向から見た、表示装置100の横展開状態を例示的に説明する拡大図である。図6(b)は、表示装置100を下側面側から見た場合の、表示装置100の横展開状態から収納状態Aへの移行状態を例示的に説明する拡大図である。図6(b)に図示する表示装置100は、図6(a)の状態から第2のパネル102を相対的に略90度回動させた状態を示している。図6(c)は、表示装置100を下側面方向から見た場合の、表示装置100の収納状態Aを例示的に説明する拡大図である。図6(c)に図示する表示装置100は、図6(b)の状態から第2のパネル102を相対的に90度回動させた状態を示している。
以下、図6(a)〜(c)を参照して、図6(a)に図示する矢印Cの方向に向けて、表示装置100を横展開状態から収納状態Aへと変更する場合のワイヤー103、105の動作について説明する。なお、ワイヤー104およびワイヤー106の動作については、ワイヤー103およびワイヤー105と略同一なので説明は省略する。
図6(a)に図示するように、表示装置100の横展開状態において、ワイヤー103は、第1のパネル101の第1の辺に該当するA面側の角部101g1とB面側の角部101h1、第2の辺に該当するB面側の角部101i1とそれぞれ接している。そして、第1パネル101の角部101i1と第2のパネル102の第4の辺に該当するA面側の角部102j1に支持されている。この状態でワイヤー103は、溝部101c1と溝部102c1との間に形成された空間を通過する。
また、表示装置100の横展開状態において、ワイヤー105は、第2のパネル102の第3の辺に該当するA面側の角部102g1とB面側の角部102h1、第2の辺に該当するB面側の角部102i1とそれぞれ接している。そして、第2パネル102の溝部102c1のB面側の角部102i1と第1のパネル101の溝部101c1の第2の辺に該当するA面側の角部101j1に支持される。この状態でワイヤー105は、溝部101c1と溝部102c1との間に形成された空間を通過する。
そして、図6(a)に図示するように、ワイヤー103とワイヤー105とは、第1パネル101の溝部101c1と第2パネル102の溝部102c1によって形成される空間の中で交差している。この際、ワイヤー103とワイヤー105は、第1のパネル101と第2のパネル102のA面とB面の間の略中間の位置で交差している。
次に、図6(b)に図示する表示装置100の移行状態では、ワイヤー103とワイヤー105の交差位置が、第2のパネル102の折り畳みに伴って、第1のパネル101および第2のパネル102のA面側へと移行する。
次に、図6(c)に図示する表示装置100の収納状態Aにおいて、ワイヤー103は、第2のパネル102の固定部102f1と第1のパネル101の溝部101c1のA面側の角部101i1に支持される。また、ワイヤー105は、第1のパネル101の固定部101f1と第2のパネル102の溝部102c1のA面側の角部102i1に支持される。
図6(c)に図示するように、表示装置100の収納状態Aでは、ワイヤー103とワイヤー105が、第1のパネル101のA面と第2のパネル102のA面との間で交差する。具体的には、第1のパネル101と第2のパネル102のA面上に形成された溝部同士によって形成された空間において、ワイヤー103とワイヤー105とが交差する。
以上説明したように、表示装置100を横展開状態から収納状態Aへと折り畳む動作に伴って、各ワイヤーを支持する位置が変化する。そして、ワイヤーを支持する位置が変化することに応じて、各ワイヤー同士が交差する位置が第1のパネル101および第2のパネル102のA面とB面との間の位置からA面側へと移行する。この構成によって、ワイヤーが対応する溝部から脱落することなく表示装置100を折り畳むことができる。
なお、表示装置100の状態を収納状態Aから横展開状態へと変更(展開)する場合は、上述の動きとは逆の順序で各ワイヤーが動作する。また、表示装置100の縦展開状態から収納状態Bへの移行、または収納状態Bから縦展開状態への移行動作は、前述した表示装置100の横展開状態から収納状態Aへの移行、または収納状態Aから横展開状態への移行動作と同様であるので説明は省略する。
図7は、本発明を実施した表示装置の第1実施形態である表示装置100の状態を横展開状態から両面状態に変更する(折り畳む)場合を例示的に説明する図である。図7(a)は、表示装置100を下側面方向から見た、表示装置100の横展開状態を例示的に説明する拡大図である。図7(b)は、表示装置100を下側面方向から見た、表示装置100の横展開状態から両面状態への移行状態を例示的に説明する拡大図であって、図7(a)の状態から第2のパネル102を相対的に略45度回動させた状態を示している。図7(c)は、表示装置100を下側面方向から見た、表示装置100の横展開状態から両面状態への移行状態を例示的に説明する拡大図であって、図7(a)の状態から第2のパネル102を相対的に略90度回動させた状態を示している。図7(d)は、表示装置100を下側面方向から見た、表示装置100の横展開状態から両面状態への移行状態を例示的に説明する拡大図であって、図7(a)の状態から第2のパネル102を相対的に略135度回動させた状態を示している。図7(e)は、表示装置100を下側面方向から見た、表示装置100の両面状態を例示的に説明する拡大図であって、図7(a)の状態から第2のパネル102を相対的に略180度回動させた状態を示している。以下、図7(a)〜(e)を参照して、図7(a)に示す矢印D方向に、表示装置100を横展開状態から両面状態へと移行させる際のワイヤー103、105の動きについて説明する。なお、ワイヤー104およびワイヤー106の動きについては、ワイヤー103およびワイヤー105と同様なので説明は省略する。また、図7(a)の矢印D方向は、図6(a)で図示した矢印C方向とは反対方向である。
図7(a)に図示する表示装置100の横展開状態については、前述した通りなので説明を省略する。次に、図7(b)に図示する表示装置100の移行状態では、ワイヤー103とワイヤー105の交差位置が、第2のパネル102の折り畳みに伴って、第1のパネル101および第2のパネル102のB面側へと移行する。なお、この際のワイヤー103およびワイヤー105を支持する位置は、表示装置100の横展開状態と略同一である。
次に、図7(c)に図示する表示装置100の移行状態で、ワイヤー103は、第2のパネル102の溝部102c1のA面側の端と第1のパネル101の溝部101b1のB面側の端に支持される。また、ワイヤー105は、第1のパネル101の溝部101c1のA面側の端と第2のパネル102の溝部102b1のB面側の端に支持される。この際、ワイヤー103とワイヤー105の交差位置が、第2のパネル102の折り畳みに伴って、第1のパネル101および第2のパネル102のB面の端部近傍へと移行する。
次に、図7(d)に図示する表示装置100の移行状態で、ワイヤー103は、第2のパネル102の溝部102c1のB面側の端と第1のパネル101の溝部101b1のB面側の端に支持される。また、ワイヤー105は、第1のパネル101の溝部101c1のB面側の端と第2のパネル102の溝部102b1のB面側の端に支持される。この状態で、ワイヤー103とワイヤー105の交差位置が、第2のパネル102の折り畳みに伴って、第1のパネル101のB面と第2のパネル102のB面の間へと移行する。なお、この状態で当該交差位置は、溝部101d1と溝部102d1との間に形成された空間には位置していない。
次に、図7(e)に図示する表示装置100の両面状態で、ワイヤー103とワイヤー105とが、図7(d)に図示した状態と同様の位置で支持され、溝部101d1と溝部102d1との間に形成された空間で交差する。
以上説明したように、表示装置100を横展開状態から両面状態へと折り畳む動作に伴って、各ワイヤーを支持する位置が変化する。そして、ワイヤーを支持する位置が変化することに応じて、各ワイヤー同士が交差する位置が第1のパネル101および第2のパネル102のA面とB面との間の位置からB面側へと移行する。この構成によって、ワイヤーが対応する溝部から脱落することなく表示装置100の状態を変更(変形)させることができる。なお、表示装置100の状態を両面状態から横展開状態へと変更(展開)する場合は、上述の動きとは逆の順序で各ワイヤーが動作する。
図8は、本発明を実施した表示装置の第1実施形態である表示装置100の状態を縦展開状態から両面状態へと変更する(折り畳む)場合を例示的に説明する図である。なお、図8の各図は、表示装置100を左側面(第2のパネル102の右側面)方向から見た図であって、説明のために前述した図6および図7に合わせて、表示装置100を略90度回転させた状態を示している。
図8(a)は、表示装置100を左側面方向から見た、表示装置100の縦展開状態を例示的に説明する拡大図である。図8(b)は、表示装置100を左側面方向から見た、表示装置100の縦展開状態から両面状態への移行状態を例示的に説明する拡大図であって、図8(a)の状態から第1のパネル101を相対的に略45度回動させた状態を示している。図8(c)は、表示装置100を左側面方向から見た、表示装置100の縦展開状態から両面状態への移行状態を例示的に説明する拡大図であって、図8(a)の状態から第1のパネル101を相対的に略90度回動させた状態を示している。図8(d)は、表示装置100を左側面方向から見た、表示装置100の縦展開状態から両面状態への移行状態を例示的に説明する拡大図であって、図8(a)の状態から第1のパネル101を相対的に略135度回動させた状態を示している。図8(e)は、表示装置100を左側面方向から見た、表示装置100の両面状態を例示的に説明する拡大図であって、図8(a)の状態から第1のパネル101を相対的に略180度回動させた状態を示している。以下、図8(a)〜(e)を参照して、図8(a)に示す矢印E方向に、表示装置100を縦展開状態から両面状態へと移行させる際のワイヤー103、105の動きについて説明する。なお、ワイヤー104およびワイヤー106の動きについては、ワイヤー103およびワイヤー105と同様なので説明は省略する。
図8(a)に図示するように、表示装置100の縦展開状態において、ワイヤー103は、第2のパネル102の第4の辺に該当するA面側の角部102j1とB面側の角部102i1、第3の辺に該当するB面側の角部102hi1とそれぞれ接している。そして、第2パネル102の角部102h1と第1のパネル101の第1の辺に該当するA面側の角部101g1に支持されている。この状態でワイヤー103は、溝部101b1と溝部102b1との間に形成された空間を通過する。
また、表示装置100の縦展開状態において、ワイヤー105は、第1のパネル101の第2の辺に該当するA面側の角部101j1とB面側の角部101i1、第1の辺に該当するB面側の角部101h1とそれぞれ接している。そして、第1パネル101の角部101h1と第2のパネル102の第3の辺に該当するA面側の角部102g1に支持されている。この状態でワイヤー105は、溝部101b1と溝部102b1との間に形成された空間を通過する。
そして、図8(a)に図示するように、ワイヤー103とワイヤー105とは、第1パネル101の溝部101b1と第2パネル102の溝部102b1によって形成される空間の中で交差している。この際、ワイヤー103とワイヤー105は、第1のパネル101と第2のパネル102のA面とB面の間の略中間の位置で交差する。
次に、図8(b)に図示する表示装置100の移行状態では、ワイヤー103とワイヤー105の交差位置が、第2のパネル102の折り畳みに伴って、第1のパネル101および第2のパネル102のB面側へと移行する。なお、この際のワイヤー103およびワイヤー105を支持する位置は、表示装置100の縦展開状態と略同一である。
次に、図8(c)に図示する表示装置100の移行状態で、ワイヤー103は、第1のパネル101の溝部101b1のA面側の端と第2パネル102の溝部102c1のB面側の端に支持される。また、ワイヤー105は、第2のパネル102の溝部102b1のA面側の端と第1のパネル101の溝部101c1のB面側の端に支持される。
また、この際、ワイヤー103とワイヤー105の交差位置が、第2のパネル102の折り畳みに伴って、第1のパネル101および第2のパネル102のB面の端部近傍へと移行する。
次に、図8(d)に図示する表示装置100の移行状態で、ワイヤー103は、第1のパネル101の溝部101b1のB面側の端と第2のパネル102の溝部102c1のB面側の端に支持される。また、ワイヤー105は、第2のパネル102の溝部102b1のB面側の端と第1のパネル101の溝部101c1のB面側の端に支持される。
この状態で、ワイヤー103とワイヤー105の交差位置が、第2のパネル102の折り畳みに伴って、第1のパネル101のB面と第2のパネル102のB面の間へと移行する。なお、この状態で当該交差位置は、溝部101d1と溝部102d1との間に形成された空間には位置していない。
次に、図8(e)に図示する表示装置100の両面状態で、ワイヤー103とワイヤー105とが、図8(d)に図示した状態と同様の位置で支持され、溝部101d1と溝部102d1との間に形成された空間で交差する。
以上説明したように、装置100の状態を縦展開状態から両面状態へと変更する(折り畳む)動作に伴って、各ワイヤーを支持する第1のパネル101および第2のパネル102における位置が変化する。そして、ワイヤーを支持する位置が変化することに応じて、各ワイヤー同士が交差する位置が第1のパネル101および第2のパネル102のA面とB面との間の位置からB面側へと移行する。この構成によって、ワイヤーが対応する溝部から脱落することなく表示装置100の状態を変更させる(折り畳む)ことができる。なお、表示装置100の状態を両面状態から縦展開状態へと変更(展開)させる場合は、上述の動きとは逆の順序で各ワイヤーが動作する。
以上説明した構成によって、本実施形態の表示装置100は、横展開状態、両面状態、収納状態A、収納状態B、縦展開状態という5つの状態間における変形操作を容易に行うことができる。したがって、本実施形態の表示装置100は、それぞれ表示部が設けられた第1のパネル101と第2のパネル102との相対的な配置を複数の状態へと変更することができる。特に、第1のパネル101と第2のパネル102において、延長線上に位置する辺同士が異なるように、第1のパネル101と第2のパネル102の相対的な配置を変更することができる。
したがって、本実施形態の表示装置100は、表示部101aと表示部102aに単一の画像を分割して表示させる場合に、表示させたい画像のアスペクト比や撮影の種類に応じて、各パネルの相対的な配置を自由に変更することができる。
例えば、表示装置100全体に表示させる画像の長辺と短辺の比率が、3:2や16:9など、写真(または撮像素子)に多用される比率である場合は、表示装置100の状態を縦展開状態に変更させる。また、表示装置100全体に表示させる画像の長辺と短辺の比率が、映画用に多用されるスコープサイズや、所謂パノラマ画像などの横長な比率(例えば、2:1以上の比率など)である場合は、表示装置100の状態を横展開状態に変更させる。
このように、本実施形態の表示装置100は、表示させたい画像の長辺と短辺の比率(またはアスペクト比)に合わせて、各パネルの相対的な配置を変更することができるので、できる限り大きい画像を表示させることができる。特に、表示装置100をデジタルカメラなどの撮像装置に適用させた場合は、撮像装置によって取得した大きさ(各辺の比率)が異なる種々の画像に合わせて、当該画像をできるだけ大きく表示させることができる。
以下、第1の表示部101aと第2の表示部102aに、単一の画像(以降の説明では元画像と称す)を分割した画像Aおよび画像Bを表示させる場合の表示制御に関する処理(以下、表示制御処理と称す)を行う場合について図9、図10を参照して説明する。図9は、本発明を実施する表示装置の第1実施形態である表示装置100の表示制御処理を説明するフローチャートである。
まず、ステップS101で第1の表示制御回路110は、不図示のメモリから第1の表示部101aまたは第2の表示部102aに表示させる元画像を読み出す。
次に、ステップS102で第1の表示制御回路110は、元画像のアスペクト比Aを算出する。ここで、当該アスペクト比Aは、元画像の長手方向(長辺)の長さをL1、短手方向(短辺)の長さをL2とすると、以下の式(3)より、
A=L1/L2≧1 (3)
となる。そして、ステップS103で第1の表示制御回路110は、算出したアスペクト比Aが表示閾値Ash以上であるか否かを判定する。なお、本実施形態では、表示閾値Ash=2とする。当該表示閾値Ashは、表示装置100の横展開状態の表示部のアスペクト比Aw=3と縦展開状態の表示部のアスペクト比Ah=1.33の間の値を採用している。
なお、表示閾値Ashとしては、上述した値に限定されるものではない。表示閾値Ashとしては、少なくとも、元画像を表示装置100の横展開状態で表示するのに適した画像であるか、元画像を表示装置100の縦展開状態で表示するのに適した画像であるかを判定するための閾値であればよい。
算出したアスペクト比Aが表示閾値Ash以上であると判定された場合、ステップS104で第1の表示制御回路110は、元画像を、表示装置100の横展開状態に合わせて画像Aと画像Bに分割して連続的に表示(以下、横連続表示と称す)させる。また、算出したアスペクト比Aが表示閾値Ashより小さいと判定された場合、ステップS105で第1の表示制御回路110は、表示装置100の縦展開状態に合わせて元画像を画像Aと画像Bに分割して連続的に表示(以下、縦連続表示と称す)させる。横連続表示および縦連続表示の詳細については後述する。以上が、本実施形態の表示制御処理である。
図10は、本発明を実施する表示装置の第1実施形態である表示装置100の各表示部への画像の表示方法を例示的に説明する図である。図10(a)〜(d)は、元画像を分割して横連続表示させる場合を例示的に説明する図である。図10(e)〜(h)は、元画像を分割して縦連続表示させる場合を例示的に説明する図である。
前述したステップS104において、元画像(図10(a)に図示)を分割して横連続表示させる場合、第1の表示制御回路110は、元画像の長辺を元画像の短辺に平行な分割線で2分割して画像Aおよび画像Bを生成する(図10(b)に図示)。そして、第1の表示制御回路110は、第1の通信部112から第2の通信部122に向けて横連続表示を指示する表示信号を送信する。当該表示信号としては、画像Aに関する情報と当該画像Aを第1の表示制御回路110による画像Bの表示と同期させて表示させるための同期信号を含んでいる。
次に、第1の表示制御回路110および第2の表示制御回路120は、第1の表示部101aおよび第2の表示部102aに合わせて、画像Aおよび画像Bを最大表示できるように、画像Aおよび画像Bを拡大する。さらに、第1の表示制御回路110および第2の表示制御回路120は、当該拡大された画像Aおよび画像Bを、第1の表示部101aの辺2側および第2の表示部102aの辺4側に寄せて表示させる(図10(c)に図示)。以上が元画像を横連続表示させる場合の表示例である。
次に、ステップS105において、元画像を分割して縦連続表示させる場合について説明する。なお、表示信号を送信するまでの工程は前述した横連続表示の場合と同様なので説明は省略する。
第1の表示制御回路110および第2の表示制御回路120は、画像A及び画像Bを、分割線が第1のパネル101および第2のパネル102の辺3と平行な向きに回転させる。そして、第1の表示制御回路110および第2の表示制御回路120は、第1の表示部101aおよび第2の表示部102aに合わせて、画像Aおよび画像Bを最大表示できるように、画像Aおよび画像Bを拡大する。以降は、前述した横連続表示と同様なので説明は省略する。以上が元画像を横連続表示させる場合の表示例である。
以上説明した構成によって、本実施形態の表示装置100は、図10(d)や図10(h)に図示するように元画像を分割して表示させることができる。したがって、ユーザは、元画像の分割方向に合わせて表示装置100の状態を横展開状態または縦展開状態に変更させることで、元画像の長辺および短辺の比率に適した大きさの画像を閲覧することができる。
例えば、元画像の長辺と短辺の長さの差が比較的小さい場合は表示装置100を縦展開状態にし、元画像の長辺と短辺の長さの差が比較的大きい場合は表示装置100を横展開状態にすることで、元画像の大きさに適した状態の画像を閲覧することができる。
または、ユーザは、表示装置100の展開状態に合わせて元画像を分割し、第1の表示部101aと第2の表示部102aに、当該分割された画像を連続的に表示させることができる。
例えば、ユーザが表示装置100を横展開状態にした場合は、分割された元画像を、第1のパネル101の辺2側と第2のパネル102の辺4側に寄せて、それぞれの表示部に表示させる。また、ユーザが表示装置100を縦展開状態にした場合は、分割された元画像を、第1のパネル101の辺1側と第2のパネル102の辺3側に寄せて、それぞれの表示部に表示させる。したがって、本実施形態の表示装置100は、単一の画像を分割して閲覧する際にユーザに与える違和感を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態の表示装置100は、連結手段としてワイヤー103〜106を採用し、各ワイヤーは第1のパネル101の第1の表示部101aの縁部と、第2の表示部102aが設けられている面の縁部で固定される構成である。また、各ワイヤーは、一方の端部が固定された第1のパネル101および第2のパネル102の面とは異なる面と接しつつ、第1のパネル101と第2のパネル102の間を通過して、他方の端部で固定される構成である。
なお、本実施形態の表示装置100は、各ワイヤーが、一方のパネル(筐体)に一方の端部が固定され、当該パネルの異なる3つの角部と接触しつつ、他方のパネル(筐体)に他方の端部が固定される。この際、各ワイヤーは、他方のパネルの1つの角部と接触している。そして、パネル同士の相対的な配置を変更することで、各ワイヤーが異なる3つの角部と接触するパネルと、1つの角部と接触するパネルとが変化する(入れ替わる)。
例えば、表示装置100が横展開状態である場合に、ワイヤー103は、第1のパネル101の異なる3つの角部(角部101g1、101h1、101i1)と接し、第2のパネル102の1つの角部(角部102j1)と接する。これに対して、表示装置100が縦展開状態である場合、ワイヤー103は、第2のパネル102の異なる3つの角部(角部102h1、102i1、102j1)と接し、第1のパネル101の1つの角部(角部101g1)と接する。
以上説明したように、ワイヤー103は、表示装置100が横展開状態である場合に、第2のパネルの角部よりも第1のパネル101の角部と多く接する。そして、ワイヤー103は、表示装置100が縦展開状態である場合に、第1のパネル101の角部よりも第2のパネル102の角部と多く接する。すなわち、本実施形態の表示装置100は、横展開状態と縦展開状態とで、接する角部が多いパネルが入れ替わる。
本実施形態の表示装置100は、少なくとも上述した構成を採用することによって、ユーザによる状態の変更(展開および折り畳み)動作に応じて、収納状態A、収納状態B、両面状態、横展開状態、縦展開状態へと自由に変形させることができる。すなわち、本実施形態の構成を採用することによって、表示部を備えた複数の筐体を、それぞれが直交する複数の方向に展開することができる表示装置を提供することができる。
また、本実施形態の表示装置100は、単一の画像を分割して表示させる場合に、展開状態に応じた適切な大きさの画像を、第1の表示部101aおよび第2の表示部102aへとそれぞれ表示させる構成である。したがって、本実施形態の表示装置100は、各パネル間において、延長線上に位置する辺同士が異なるように、各パネル同士の相対的な配置を変更しつつ、表示装置100の状態に応じた画像を各表示部に表示させることができる。
(第2実施形態)
前述した第1実施形態では、ワイヤー103〜106を固定する各固定部を、第1のパネル101と第2のパネル102のA面に設けるような構成であった。本実施形態では、第1のパネル101と第2のパネル102のA面以外の面に固定部を設ける構成について図11〜13を参照して説明する。
図11は、本発明を実施する表示装置の第2実施形態である表示装置200の構成を説明する図である。図12は、本発明を実施する表示装置の第2実施形態である表示装置300の構成を説明する図である。図13は、本発明を実施する表示装置の第2実施形態である表示装置400の構成を説明する図である。なお、図11〜13に示す各表示装置の基本的な構成は、前述した第1実施形態の表示装置100と略同一である。以降は、本実施形態に係る各表示装置について、前述した第1実施形態に係る表示装置100とは異なる構成について説明する。
図11に図示するように、本変形例の表示装置200は、第1のパネル201の右側面(溝部201c1、201c2が形成される面の反対側の面)と、第2のパネル202の左側面(溝部202c1、202c2が形成される面の反対側の面)をC面とする。また、本変形例の表示装置200は、第1のパネル201と第2のパネル202の上側面(溝部201b1、201b2、202b1、202b2が形成される面の反対側の面)をD面とする。
図11に図示するように、表示装置200は、固定部201e2および固定部202e2が第1のパネル201および第2のパネル202のC面に形成されている。また、表示装置200は、固定部201f2および固定部202f2が第1のパネル201および第2のパネル202のD面に形成されている。
表示装置200のワイヤー204は、一方の端部が固定部201e2に固定され、他方の端部が固定部202f2に固定される。また、ワイヤー206は、一方の端部が固定部202e2に固定され、他方の端部が固定部201f2に固定される。
次に、図12に図示するように、表示装置300は、固定部301e2および固定部302e2が第1のパネル301および第2のパネル302のB面に形成されている。また、表示装置300は、固定部301f2および固定部302f2が第1のパネル301および第2のパネル302のB面に形成されている。
表示装置300のワイヤー304は、一方の端部が固定部301e2に固定され、他方の端部が固定部302f2に固定される。また、ワイヤー306は、一方の端部が固定部302e2に固定され、他方の端部が固定部301f2に固定される。
次に、図13に図示するように、表示装置400は、固定部401e2および固定部402e2が第1のパネル401および第2のパネル402の上側面(表示装置200のD面と同一)に形成されている。また、表示装置400は、固定部401f2および固定部402f2が第1のパネル401および第2のパネル402の上側面に形成されている。
表示装置400のワイヤー404は、一方の端部が固定部401e2に固定され、他方の端部が固定部402f2に固定される。また、ワイヤー406は、一方の端部が固定部402e2に固定され、他方の端部が固定部401f2に固定される。
以上説明した表示装置200〜400においては、前述した実施形態とは異なり、ワイヤー204、304、404とワイヤー206、306、406を、第1のパネル201と第2のパネル202のA面以外の面で固定するような構成である。この構成であっても、前述した第1実施形態と同様に、ユーザの操作に応じて、表示装置の状態を収納状態A、収納状態B、両面状態、横展開状態、縦展開状態へと自由に変更させることができる。
したがって、本実施形態の構成を採用することによって、各筐体間において、延長線上に位置する辺同士が異なるように、各筐体同士の相対的な配置を変更可能な表示装置を提供することができる。
以上説明したように、本実施形態の表示装置200〜400では、各ワイヤーが、一方のパネル(筐体)に一方の端部が固定され、当該パネルの異なる3つ以上の角部と接触しつつ、他方のパネル(筐体)に他方の端部が固定される。この際、各ワイヤーは、他方のパネルの1つ以上の角部と接触している。そして、パネル同士の相対的な配置を変更することで、各ワイヤーが異なる3つ以上の角部と接触するパネルが変化する。
したがって、上述した構成を採用した本実施形態の表示装置であっても、前述した第1実施形態の表示装置と同様に、各パネル間において、延長線上に位置する辺同士が異なるように、各パネル同士の相対的な配置を変更することが出来る。
なお、上述した本実施形態の各表示装置は、状態の変更(展開および折り畳み)操作に応じて、各ワイヤーを支持する位置がそれぞれ変化するが、各ワイヤーの基本的な動きは、前述した第1実施形態と略同一なので説明を省略する。
(変形例)
本変形例では、前述した実施形態に係る表示装置と略同一の構成を有する表示装置600を備えた撮像装置500について図14〜20を参照して説明する。図14〜図20は、本発明を実施する表示装置の変形例である表示装置600を備えた撮像装置500の構成を説明する三面図であって、それぞれ表示装置の状態、および撮像装置における表示装置の位置が異なる例を示している。なお、本変形例では、前述した第1実施形態の表示装置100を適用した撮像装置について例示的に説明する。
図14は、本変形例に係る撮像装置500を構成する表示装置600が両面状態かつ第1の表示位置に位置しており、第1の表示部601がユーザ側を向いている状態を例示的に説明する図である。
図15は、本変形例に係る撮像装置500を構成する表示装置600が両面状態かつ第2の表示位置に位置しており、第1の表示部602がユーザ方向を向いている状態を例示的に説明する図である。
図16は、本発明の変形例に係る撮像装置500を構成する表示装置600が縦展開状態かつ第2の表示位置に位置しており、第1の表示部601および第2の表示部602がユーザ方向を向いている状態を例示的に説明する図である。
図17は、本発明の変形例に係る撮像装置500を構成する表示装置600が横展開状態かつ第2の表示位置に位置しており、第1の表示部601および第2の表示部602がユーザ方向を向いている状態を例示的に説明する図である。
図18は、本発明の変形例に係る撮像装置500を構成する表示装置600が縦展開状態かつ第2の表示位置に位置しており、第1の表示部601および第2の表示部602がユーザ方向の反対を向いている状態を例示的に説明する図である。
図19は、本発明の変形例に係る撮像装置500を構成する表示装置600が縦展開状態かつ第1の表示位置に位置しており、第1の表示部601および第2の表示部602がユーザ方向を向いている状態を例示的に説明する図である。
図20は、本発明の変形例に係る撮像装置500を構成する表示装置600が収納状態かつ第1の表示位置に位置している状態を例示的に説明する図である。なお、各図において、後述するレンズユニット500bによる被写体の撮像方向をZ方向とし、当該Z方向と直交する撮像装置500の長手方向をX方向、当該Z方向と直交する撮像装置500の短手方向をY方向とする。
撮像装置500は、カメラ本体500aとレンズユニット500bとによって構成されており、カメラ本体500aに対して取り外し可能なレンズユニット500bを、カメラ本体500aに取り付けている状態である。
カメラ本体500aは、CCDやCMOSなどによって構成された撮像素子を含む不図示の撮像手段を備えている。カメラ本体500aの背面側(撮像方向側とは反対側)には後述する表示装置600が備えられている。
レンズユニット500bは、カメラ本体500aに取り付けられた状態で、被写体の光学像をカメラ本体500aへと導き、前述した撮像素子上に結像させることができる。ユーザは、カメラ本体500aの不図示の操作手段を操作することで、撮像素子上に結像した光学像を撮像することができる。
次に、撮像によって取得された画像データは、カメラ本体500aの内部に設けられた不図示のカメラマイコン(CPU)によって種々の処理および変換を施された後に不図示のメモリ等に記録される。
次に、カメラマイコンは、メモリ内に記録された画像データを読み出し、表示用の画像に変換する。そして、カメラマイコンは、変換後の表示用の画像に関する情報を表示装置600の表示制御回路110へと送信する。そして、表示制御回路110は、取得した画像に関する情報に基づいて、前述した第1実施形態で説明した表示制御を実行する。以降の説明は、前述した第1実施形態と同様なので説明は省略する。
なお、前述した第1実施形態とは異なり、本変形例の表示装置600としては、表示制御回路110と表示制御回路120を設けないような構成であってもよい。この場合、前述した撮像装置500に設けられたカメラマイコンが、表示制御回路110、120と同様の制御を実行する構成であればよい。
表示装置600は、カメラ本体500aのX方向の側面に設けられたヒンジ部501によってカメラ本体500aに回動可能に固定されている。ヒンジ部501は、表示装置600を、X方向と平行な軸1およびY方向と平行な軸2を中心に回転可能に保持している。
ヒンジ部501は、撮像装置500の背面側において、撮像装置500に種々の情報を入力する操作部が設けられた側とは反対側の縁部に設けられている。本変形例では、上述した操作部が撮像装置500の背面右側に設けられているため、ヒンジ部501は、撮像装置500の背面左側に設ける。
撮像装置500は、図14に図示する表示装置600のX方向の位置(以下、第1の表示位置と称する)では、軸2を回動軸として表示装置600を回動させることができる。また、撮像装置500は、図15に図示する表示装置600のX方向の位置(以下、第2の表示位置と称する)では、軸1および軸2を回動軸として表示装置600を回動させることができる。なお、ヒンジ部501は、図14に図示する回動軸1が表示装置600の各パネルの長辺と略平行となり、回動軸2が各パネルの短辺と略平行となるように設けられている。
以下、表示装置600の展開及び折り畳み動作について説明する。本変形例の表示装置600を構成する各部は、前述した第1実施形態の表示装置100を構成する各部と略同一である。したがって、図14〜20に図示する第1のパネル601、第2のパネル602、第1の表示部601a、第2の表示部602a、各ワイヤー603〜606説明は省略する。なお、表示装置600に設けられた各ワイヤーの動作については、前述した実施形態と同様なので説明は省略する。なお、図中の矢印の方向が表示装置600の回動方向である。
図14に図示する表示装置600の状態で、撮像装置500は、第1の表示部601を撮像装置500の背面液晶として使用することができる。この状態から、ヒンジ部501の軸2を中心に表示装置600を相対的に略180度回動させた状態が図15である。
図15に図示するように、表示装置600がカメラ本体500aのX方向に突出した状態で、撮影者側から第1の表示部601を閲覧することができ、撮像対象の被写体側から第2の表示部602を閲覧することができる。
ユーザは、第1のパネル601および第2のパネル602をカメラ本体500aに干渉させることなく、表示装置600を、図15に図示する状態から縦展開状態(図16に図示)や、横展開状態(図17に図示)へと変更させることができる。
図18は、図16に図示する表示装置600の縦展開状態から、軸1中心にヒンジ部501を相対的に略180度回動させた状態の撮像装置500を示している。この状態で、第1の表示部601aと第2の表示部602aとが、撮像対象の被写体側を向く。
図19は、図18に図示する表示装置600の状態から、軸2中心にヒンジ部501を更に相対的に略180度回動させた状態の撮像装置500を示している。この状態で、表示装置600は第2の表示位置から第1の表示位置へと戻り、第1の表示部601aと第2の表示部602aとが撮影者側を向く。
この場合、表示装置600がカメラ本体500aの背後(背面側)に配置されるため、図16に図示した撮像装置500の状態に対して撮像装置500を小型化しつつ、表示装置600を縦展開状態に展開することができる。
図20は、図19に図示する表示装置600の縦展開状態から、第1のパネル601の第1の表示部601aを撮像対象の被写体側に向けて相対的に略180度回動させた状態の撮像装置500を示している。この状態で、第1の表示部601aと第2の表示部602aの双方を向かい合わせた状態(収納状態)にすることで、両表示部を保護することができる。
以上説明したように、前述した実施形態の表示装置100と略同一の構成を有する表示装置600を撮像装置500に適用させた場合であっても、撮像装置500の外形に干渉させずに表示装置600の状態を変更できる。したがって、本変形例の撮像装置500を構成する表示装置600は、各パネル間において、延長線上に位置する辺同士が異なるように、各パネル同士の相対的な配置を変更することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。上述した実施形態および変形例では、表示装置の展開状態において、元画像を分割した画像を第1の表示部と第2の表示部とに表示させるような構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、表示装置の展開状態において、第1の表示部または第2の表示部の何れか一方のみに元画像を表示させるような構成であってもよい。
ここで、元画像を表示させていない表示部に、元画像以外の画像を表示させるような構成であってもよい。例えば、一方の表示部に表示させている画像に関する情報や、一方の表示部に表示させている画像と時間的に連続して取得した画像などを、他方の表示部に表示させるような構成であってもよい。
また、前述した実施形態および変形例では、表示装置の横展開状態および縦展開状態で、各ワイヤーが、2つのパネルにそれぞれ異なる端部が固定されつつ、一方のパネルの異なる3つ以上の角部と接触する構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、前述した第1実施形態のワイヤー103、105の一方の端部を第1のパネルの下側面に固定し、他方の端部を第2のパネルの右側面に固定するような構成であってもよい。逆に、前述した第1実施形態のワイヤー104、106の一方の端部を第2のパネルの下側面に固定し、他方の端部を第1のパネルの左側面に固定するような構成であってもよい。
この場合、ワイヤー103は、表示装置が横展開状態で第1のパネル101の角部101h1と角部101i1と接触し、表示装置が縦展開状態で第2のパネル102の角部102i1と角部102h1と接触する。同様に、ワイヤー104〜106も各ワイヤーに対応する角部と接触する。この構成であれば、各ワイヤーの長さを短くすることができるので、各ワイヤーに掛るコストを抑制した表示装置を提供することができる。また、上述した構成であれば、各ワイヤーが各パネルのA面と面することはない。この場合、各パネル同士を連結するワイヤーをユーザの目に触れにくい位置へと配することができるため、ユーザに与える違和感を抑制した表示装置を提供することができる。
以上説明したように、各ワイヤーが、一方のパネル(筐体)に一方の端部が固定され、当該パネルの異なる2つ以上の角部と接触しつつ、他方のパネル(筐体)に他方の端部が固定される。そして、パネル同士の相対的な配置を変更(例えば、横展開状態から縦展開状態へと変更)することで、各ワイヤーが異なる2つ以上の角部と接触するパネルが変化する。本発明を実施する表示装置としては、少なくとも上述した構成を有することで、各パネル間において、延長線上に位置する辺同士が異なるように、各パネル同士の相対的な配置を変更することが出来る。
なお、一方のパネルの異なる2つ以上の角部と接触する表示装置は、横展開状態や縦展開状態において、各ワイヤーの端部が各パネルの側面に固定されているので、各パネル間でワイヤー同士が交差する位置が、表示装置の厚み方向における所定の方向に偏る。これに対して、横展開状態や縦展開状態において、各ワイヤーが一方のパネルの3つ以上の異なる角部と接触する表示装置は、各パネル同士を連結するワイヤー同士が交差する位置を、表示装置の厚み方向における略中央にすることができる。したがって、前述した実施形態および変形例の表示装置は、横展開様態および縦展開状態において、各パネル同士の厚み方向の位置合わせを正確に行うことができる。
また、前述した実施形態および変形例では、2つのパネル(第1のパネルおよび第2のパネル)を展開および折り畳みすることができる表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、表示装置は、2つ以上のパネルをそれぞれ展開および折り畳むことができる構成であってもよい。
また、前述した実施形態および変形例では、第1のパネルおよび第2のパネルの表面に溝部が形成されているような構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、表示装置の展開および折り畳み動作に伴って所定以上のゆるみが発生しないような張力で各ワイヤーが保持されていれば、第1のパネルと第2のパネルに溝部を形成されていないような構成であってもよい。この場合、各ワイヤーとしては、伸縮可能な弾性材料を採用することが望ましい。そして、各ワイヤーに付加する張力としては、前述した実施形態や変形例の表示装置の状態と比較して、各ワイヤーが通過する第1のパネルおよび第2のパネル上の位置が変化しないような力であることが望ましい。