JP2016164214A - 光学部材用粘着剤および光学積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重量平均分子量が50万以上の(メタ)アクリル系重合体(A)、架橋剤(B)、及び、下記式で表わされるカチオンと、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオンより選ばれるアニオンとからなるイオン化合物(C)より得られる、23℃における貯蔵弾性率が1.0×104〜1.0×106、且つ、80℃における貯蔵弾性率が5.0×103〜5.0×105である光学部材用粘着剤。
(R11及びR12は各々独立にアルキル基)
【選択図】なし
Description
偏光板用粘着剤層は、液晶素子の製造時に、通常、片面に剥離処理されたカバーフィルムが貼付された状態で偏光板上に貼付され、その後、カバーフィルムを剥がして粘着剤層を露出させてから基板に貼り付けられる。その際に、カバーフィルムや偏光板の絶縁性が高いことから静電気が発生し、液晶の配向を乱したり、電子部品を損傷させたりするなどの悪影響を及ぼすことがある。
このため、偏光板用粘着剤には、帯電防止性能も求められており、帯電防止性能を有する偏光板用粘着剤として、粘着剤を構成するベースポリマーに、イオン化合物を含有させる技術が報告されている。
本発明は、例えば以下の1.〜9.である。
前記(メタ)アクリル系重合体(A)の重量平均分子量が50万以上であり、イオン化合物(C)が下記化学式(1)で表わされるカチオンと、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオンより選ばれるアニオンからなるイオン化合物であり、23℃における貯蔵弾性率が1.0×104〜1.0×106、且つ、80℃における貯蔵弾性率が5.0×103〜5.0×105であることを特徴とする光学部材用粘着剤。
式(1)中、R11およびR12はそれぞれ独立にアルキル基である。
2.前記1.に記載の(メタ)アクリル系重合体(A)を構成する単量体成分として、(a1−1)ポリオキシアルキレン基またはアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを41〜99.9質量%、(a1−2)(メタ)アクリル酸アルキルエステル0〜58.9質量%、(a3)カルボキシル基含有モノマー0〜10質量%、(a4)水酸基含有モノマー0〜10質量%(但し、(a3)(a4)の合計は0質量%ではない。)を含有する、1.に記載の光学部材用粘着剤。
3.前記1.に記載の(メタ)アクリル系重合体(A)を構成する単量体成分として、(a1−2)(メタ)アクリル酸アルキルエステル60〜95質量%(a2) 芳香族環含有単量体を5〜30質量%、(a3)カルボキシル基含有モノマー0〜10質量%、(a4)水酸基含有モノマー0〜10質量%(但し、(a3)(a4)の合計は0質量%ではない。)を含有する、1.に記載の光学部材用粘着剤。
4.前記1.記載の(メタ)アクリル系重合体(A)を構成する単量体成分として、(a1−2)(メタ)アクリル酸アルキルエステル80〜99.9質量%、(a3)カルボキシル基含有モノマー0〜10質量%、(a4)水酸基含有モノマー0〜10質量%(但し、(a3)(a4)の合計は0質量%ではない。)を含有する、1.に記載の光学部材用粘着剤。
5.前記カルボキシル基含有モノマー(a3)を1〜10質量%含有することを特徴とする、2.乃至4.に記載の光学部材用粘着剤。
6.前記カルボキシル基含有モノマー(a3)を0〜0.5質量%含有する、2.乃至4.記載の光学部材用粘着剤。
7.少なくとも一方の面に保護膜を有する偏光板、及び、該保護膜上に、前記1.乃至6.記載の光学部材用粘着剤よりなる粘着剤層が積層されていることを特徴とする光学積層体。
8.前記2.に記載の光学部材用粘着剤が、シクロオレフィンポリマー層を有するフィルム上に積層されていることを特徴とする光学積層体。
9.前記6に記載の光学部材用粘着剤が、導電膜が形成されたガラス上に積層されていることを特徴とする光学積層体。
本明細書において、アクリルおよびメタクリルを総称して「(メタ)アクリル」とも記載する。
本発明の光学部材用粘着剤は、以下に説明する、(メタ)アクリル系重合体(A)と、架橋剤(B)と、イオン化合物(C)とを含有する。前記光学部材用粘着剤は、必要に応じて、シランカップリング剤(D)を含有してもよく、また、有機溶媒(E)を含有してもよい。
(メタ)アクリル系重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステルを含む重合性単量体混合物をラジカル重合させて得られる共重合体である。
単量体(a1−1)は、ポリオキシアルキレン基またはアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。
単量体(a1−1)は、例えば、式(2)で表される。
CH2=CR1−COOR2・・・(2)
R1は水素原子またはメチル基であり、R2は、式(3)で表される基である。
−(R3O)nR4・・・(3)
R3はアルキレン基であり、R4はアルキル基であり、nは1以上の整数である。アルキレン基の炭素数は、通常1〜10、好ましくは1〜5である。アルキル基の炭素数は、通常1〜10、好ましくは1〜4である。nは、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2である。
単量体(a1−1)としては、例えば、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−エトキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
単量体(a1−1)は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
(メタ)アクリル系重合体(A)を形成する重合性単量体100質量%中、単量体(a1−1)の使用量は、41質量%以上99.9質量%以下であり、50質量%以上99.5質量%以下が好ましく、より好ましくは60質量%以上99.3質量%以下である。
単量体(a1―1)の使用量が41質量%以上であれば、(メタ)アクリル系重合体(A)を含有する粘着剤組成物から形成される粘着剤層は、高極性を示し、偏光板及び基板(特にガラス板)等への密着性に優れる。特に、通常難接着性であるCOPを保護膜とする偏光板を使用した際にも、良好な基材密着性を発現することが可能である。そのため、高温、高湿熱下でも、偏光板又は基板等からの粘着剤層の浮き、剥がれ等が生じず、耐久性に優れた粘着剤層とすることができる。また、基材との密着性に優れるためリワーク性が良好であり、更に、打ち抜き刃、周辺の偏光板等への粘着剤層付着が生じにくく、作業性に優れる。単量体(a1−1)の使用量が50質量%以上であれば、前記効果は一層顕著である。単量体(a1−1)の使用量が前記範囲内であれば、(メタ)アクリル系重合体(A)と後述するイオン化合物(B)との親和性がよく、イオン化合物(B)のブリードを抑えることができる。
単量体(a1−2)は、ポリオキシアルキレン基、アルコキシアルキル基、アリール基および架橋性基のいずれも有しない(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
単量体(a1−2)は、例えば、式(4)で表される。
CH2=CR9−COOR10・・・(4)
R9は水素原子またはメチル基であり、R10は ポリオキシアルキレン基、アルコキシアルキル基および架橋性基のいずれも有しない有機基である。R10における有機基としては、炭素数1〜24のアルキル基もしくは脂環式基などが挙げられる。
単量体(a1−2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂環式基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体(A)を形成する重合性単量体100質量%中、単量体(a1−2)の使用量は、0質量%以上58.9質量%以下であり、0.5質量%以上 49.9質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上39.9質量%以下である。
単量体(a2)は、側鎖に芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステルである。
単量体(a2)は、例えば、式(5)で表される。
CH2=CR5−COOR6・・・(5)
R5は水素原子またはメチル基であり、R6はアリール基である。
単量体(a2)としては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル化β-ナフトールアクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
単量体(a2)は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
単量体(a2)は、本発明の効果を損なわない範囲で使用することが出来、(メタ)アクリル系重合体(A)を形成する重合性単量体100質量%中、0質量%以上10質量%以下の範囲で使用される。
単量体(a3)は、カルボキシル基を有する単量体である。
(メタ)アクリル系重合体(A)を構成する重合性単量体として、単量体(a3)を用いることで、架橋剤(B)によって架橋され得る架橋点を(メタ)アクリル系重合体(A)に導入することができる。
単量体(a3)は、例えば、式(6)で表される。
CH2=CR7−COOR8・・・(6)
R7は水素原子またはメチル基であり、R8における有機基としては、水素、炭素数1〜12のカルボキシル基置換脂肪族基などが挙げられる。
単量体(a3)としては、例えば、カルボキシル基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
カルボキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
単量体(a3)としては、式(6)で表される化合物のほか、エチレン性不飽和カルボン酸を挙げることもできる。エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸が挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体(A)を形成する重合性単量体100質量%中、単量体(a3)の使用量は、1〜10質量%であると、適度な架橋による耐久性および応力緩和特性発現、粘着層が高凝集力化することによる耐久性向上、高極性化付与による被着体との密着力向上の観点で好ましい。さらに好ましくは、1〜8質量%である。
また単量体(a3)の使用量が0〜0.5質量部であるときには、透明導電膜への腐食性抑制、帯電防止性能の効率的な発現、および優れたリワーク性発現の観点で好ましい。さらに好ましくは、0〜0.4質量%である。
単量体(a4)は、水酸基を有する単量体(a4)である。
(メタ)アクリル系重合体(A)を構成する重合性単量体として、単量体(a4)を用いることで、架橋度調整、基材および被着体との密着性向上および架橋剤(B)の相溶性向上を調節することができる。
単量体(a4)としては、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロシキブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体(A)を形成する重合性単量体100質量%中、単量体(a4)の使用量は、使用量が少なすぎると基材との密着性が乏しくなり、使用量が多すぎるとタック性が下がり密着性が低下する観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは0質量%を超えて8質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以上6質量%以下である。
単量体(a5)としては、例えば、アミノ基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマー;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体、などが挙げられる。
アミノ基含有(メタ)アクリレートとしては、N−アルキル置換アミノアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、例えば、モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN−モノアルキル置換アクリルアミド;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド等のN,N−ジアルキル置換アクリルアミドが挙げられる。
アミノ基および/またはアミド基含有(メタ)アクリレートが含まれると、塗工から安定した粘着性能を発現するまでの期間、いわゆるエージングに必要な期間が短縮される傾向にあり、生産安定性、量産性の面で望ましい。更に、粘着層が高凝集力化することによる耐久性向上の面でも望ましい。
単量体(a5)は、本発明の効果を損なわない範囲で使用することが出来、(メタ)アクリル系重合体(A)を形成する重合性単量体100質量%中、0質量%以上10質量%以下の範囲で使用される。
単量体(a1−1)〜単量体(a4)は第1の態様と同様の単量体を使用することが出来る。
単量体(a2)の使用量は、優れたMura抑制機能発現および耐久性維持の観点から、(メタ)アクリル系重合体(A)を形成する重合性単量体100質量%中、5〜30質量%、好ましくは7.5〜25質量%である。
これらの範囲を外れると、適正なMura抑制機能が得られない。また、使用量が上限を超えた場合には、高温時の凝集力が低くなることに起因して、耐久性が劣る。
単量体(a3)の使用量が1〜10質量%であると、適度な架橋による耐久性および応力緩和特性発現と、粘着層が高凝集力化することによる耐久性向上、高極性化付与による被着体との密着力向上の観点で好ましい。さらに好ましくは、1〜8質量%である。また、0〜0.5質量部であるときには、透明導電膜への腐食性抑制、および優れたリワーク性発現の観点で好ましい。さらに好ましくは、0〜0.4質量%である。
単量体(a1−1)〜単量体(a4)は第1の態様と同様の単量体を使用することが出来る。
単量体(a3)の使用量が1〜10質量%であると、適度な架橋による耐久性および応力緩和特性発現と、粘着層が高凝集力化することによる耐久性向上、高極性化付与による被着体との密着力向上の観点で好ましい。さらに好ましくは、1〜8質量%である。また、0〜0.5質量部であるときには、透明導電膜への腐食性抑制、および優れたリワーク性発現の観点で好ましい。さらに好ましくは、0〜0.4質量%である。
(メタ)アクリル系重合体(A)は、例えば、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法等の従来公知の重合法により製造することができ、これらの中でも溶液重合法が好ましい。具体的には、反応容器内に重合溶媒、重合性単量体を仕込み、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で重合開始剤を添加し、反応開始温度を通常40〜100℃、好ましくは50〜80℃に設定し、通常50〜90℃、好ましくは60〜90℃の温度に反応系を維持して、4〜20時間反応させる。
アゾ系開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)ジヒドレート、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2−シアノプロパノール)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等のアゾ化合物が挙げられる。
過酸化物系重合開始剤としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、カプロイルパーオキシド、ジ−i−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシビバレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−α−クミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンが挙げられる。
重合開始剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
重合中に、重合開始剤を複数回添加することも制限されない。
重合溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
(メタ)アクリル系重合体(A)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定される重量平均分子量(Mw)が、ポリスチレン換算値で、通常50万以上であり、好ましくは50万〜300万、より好ましくは70万〜250万、さらに好ましくは90万〜200万の重合体(A1)である。Mwが前記下限値以上であると、粘着剤層の耐久性、凝集力が優れる点で好ましい。Mwが前記上限値以下であると、粘着剤組成物の塗工性、濡れ性が良好である点で好ましい。
本発明の光学部材用粘着剤は、架橋剤(B)を含有する。架橋剤(B)は(メタ)アクリル系重合体(A)に導入され得る架橋性基によって適宜選択される。粘着力、濡れ性、光漏れ抑制性、塗工品の経時安定性の観点から、例えば、後述するイソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物が好ましい。
1分子中のイソシアネート官能基の数が2個のジイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートが挙げられる。脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の炭素数4〜30の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。脂環族ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチルジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の炭素数7〜30の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルプロパンジイソシアネート等の炭素数8〜30の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
1分子中のイソシアネート官能基の数が3個以上のイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。具体的には、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネートが挙げられる。
また、イソシアネート化合物としては、例えば、1分子中のイソシアネート官能基の数が2個または3個以上の上記イソシアネート化合物の多量体(例えば2量体または3量体、ビウレット体、イソシアヌレート体)、誘導体(例えば、多価アルコールと2分子以上のジイソシアネート化合物との付加反応生成物)、重合物が挙げられる。前記誘導体における多価アルコールとしては、低分子量多価アルコールとして、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコールが挙げられ;高分子量多価アルコールとして、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールが挙げられる。
このようなイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートの3量体、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはトリレンジイソシアネートのビウレット体またはイソシアヌレート体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートとの反応生成物(例えばトリレンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートの3分子付加物)、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物(例えばヘキサメチレンジイソシアネートの3分子付加物)、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートが挙げられる。
架橋剤(B)は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の粘着剤組成物において、架橋剤(B)の含有量は、(メタ)アクリル系重合体(A)に応じて適宜選択され、上記(メタ)アクリル系重合体(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.05〜5質量部、更に好ましくは0.06〜2質量部である。
上記範囲内で架橋剤(B)を配合することにより、本発明の光学部材用粘着剤から形成される粘着剤層は、適度な応力緩和特性が発現し、充分な耐熱性を得ることが出来る。また、柔軟性、密着性に優れる。
本発明の光学部材用粘着剤は、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンおよび/またはビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオンから選ばれるアニオンと、下記の式(1)で示される4−アルキル−N−アルキルピリジニウムカチオンとからなるイオン化合物(C)を含有する。
式(1)中、R11およびR12はそれぞれ独立にアルキル基である。
光学部材用粘着剤がイオン化合物(C)を含有することにより、光学部材用粘着剤から形成される粘着剤層の表面抵抗値を低下させ、帯電防止性能を有する粘着剤層を得ることができる。
また、前記粘着剤層を貼りつける偏光板は、一般的には、偏光子を保護するための保護膜を有している場合が多く、前記保護膜としては、トリアセチルセルロース等のセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、シクロオレフィン系フィルム(COP)などが挙げられ、特にトリアセチルセルロース等のセルロースフィルムがよく使用される。
式(1)中、R11およびR12はそれぞれ独立にアルキル基である。
好ましくは、R11が炭素数1〜8のアルキル基であり、R12が炭素数1〜18のアルキル基である。耐湿熱性により優れた粘着剤層が得られることから、より好ましくは、R11が炭素数1〜5のアルキル基であり、R12が炭素数1〜12のアルキル基、更に好ましくは、R11が炭素数1〜3のアルキル基であり、R12が炭素数8のアルキル基である。R11およびR12におけるアルキル基は、いずれもn−アルキル基であることが好ましい。また、アルキル基が上記範囲の炭素数であることは、(メタ)アクリル系重合体(A)とイオン化合物(C)との適度な相溶性を発現する上で、望ましい。適度な相溶性を示すことで、初期の良好な帯電防止性能が発現するとともに、経時でのブリードによる帯電防止性能の劣化や、被着体との密着性劣化を抑制する。さらに、耐湿熱性に優れる。
前記式(1)で表される4−アルキル−N−アルキルピリジニウムカチオンとしては、4−メチル−N−オクチルピリジニウムカチオン、4−メチル−N−ブチルピリジニウムカチオンなどが挙げられる。理由は定かではないが、上記構造のイオン化合物であれば、特に塗膜化した後の安定化に優れ、帯電防止性能や粘着特性を一定のまま保つことが出来る。
本発明の光学部材用粘着剤は、前記化合物の他に、シランカップリング剤(D)を含有してもよい。シランカップリング剤(D)を用いることで、ガラス板等の基板に対して粘着剤層を強固に接着させ、高湿熱環境下での偏光板の剥がれを防止する点に寄与しうる。
本発明の光学部材用粘着剤は、その塗布性を調整するため、有機溶媒(E)を含有する粘着剤組成物を用いて得ることが好ましい。有機溶媒としては、((メタ)アクリル系重合体(A)の製造条件)の欄で説明した重合溶媒が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル系重合体(A)および重合溶媒を含む重合体溶液と、架橋剤(B)と、イオン化合物(C)とを混合して、粘着剤組成物を調製することができる。前記粘着剤組成物において、有機溶媒の含有量は、通常50〜90質量%、好ましくは60〜90質量%である。
なお、本明細書において「固形分」とは、粘着剤組成物中の含有成分のうち上記有機溶媒(E)を除いた全成分をいい、「固形分濃度」とは、粘着剤組成物100質量%に対する前記固形分の割合をいう。
本発明の光学部材用粘着剤は、上記成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲で、Mw1000〜20000のアクリル系低分子量重合体、酸化防止剤、光安定剤、金属腐蝕防止剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋促進剤、界面活性剤、およびリワーク剤から選択される1種または2種以上を含有してもよい。
本発明の光学部材用粘着剤は、(メタ)アクリル系重合体(A)と、架橋剤(B)と、イオン化合物(C)と、必要に応じて他の成分とを、従来公知の方法により混合することで調製することができる。例えば、(メタ)アクリル系重合体(A)を合成する際に得られた、(メタ)アクリル系重合体(A)を含む重合体溶液に、架橋剤(B)と、イオン化合物(C)と、必要に応じて他の成分とを配合することが挙げられる。
前記光学部材用粘着剤は、ガラス基板又は偏光板等への密着性および高温高湿度下での耐久性に優れるため、偏光板とガラス基板との貼り合わせに好適に用いることができる。
粘着剤層は、上述の光学部材用粘着剤から形成される。例えば、上述の粘着剤中の架橋反応を進めることにより、具体的には(メタ)アクリル系重合体(A)を架橋剤(B)で架橋することにより粘着剤層が得られる。
本発明の光学積層体は、上述の第1乃至第3の態様の(メタ)アクリル系重合体(A)を含む光学部材用粘着剤より形成された粘着剤層を有する。粘着剤層は、例えば、上記粘着剤層のみを有する両面粘着シート、基材と、基材の両面に形成された上記粘着剤層とを有する両面粘着シート、基材と、基材の一方の面に形成された上記粘着剤層を有する片面粘着シート、およびそれら粘着シートの粘着剤層の基材と接していない面に剥離処理されたカバーフィルムが貼付された粘着シートとして形成される。
形成される粘着剤層の膜厚は、粘着性能維持の観点から、通常5〜75μm、好ましくは10〜50μmである。基材およびカバーフィルムの膜厚は、特に限定されないが、通常10〜125μm、好ましくは25〜75μmである。
偏光板としては、従来公知の偏光板を使用することができ、例えば、偏光子と、前記偏光子の片面または両面上に配置された偏光子保護膜とを有する偏光板が挙げられる。
偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムに偏光成分を含有させて延伸することにより得られる延伸フィルムが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、エチレン・酢酸ビニル共重合体の鹸化物が挙げられる。偏光成分としては、例えば、ヨウ素または二色性染料が挙げられる。
偏光子保護膜としては、例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のアセチルセルロース等のセルロースからなるフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリシクロオレフィンフィルムが挙げられる。本発明では、偏光子保護膜としてセルロースフィルムもしくはポリシクロオレフィンフィルムを用い、当該偏光子保護膜に粘着剤層が接して形成された場合においても、長期信頼性、具体的には耐湿熱性に優れる。
偏光板の厚さは、通常30〜250μm、好ましくは50〜200μmである。
また、上記偏光板には、例えば、防眩層、位相差層、視野角向上層等の他の機能を有する層が積層されていてもよい。
ポリプロピレン製ボトルに2gの水と2gのイオン化合物とを加え、濃度50質量%の試験用液を作成した。この試験溶液に、0.25g(厚さ40μm、40mm×120mm)のトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム;コニカミノルタ(株)製 K−10)を投入し、浸漬させた。前記ポリプロピレン製ボトルを、温度85℃、湿度85%環境下に300時間静置させた後、前記試験用液を採取し、液中の酢酸濃度を高速液体カラムクロマトグラフィー((株)島津製作所製)にて分析した。その結果を表1に示す。
上記評価で用いたイオン化合物は以下のとおりである。
(メタ)アクリル系重合体(A)について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により、下記条件で、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を求めた。
・測定装置:HLC−8320GPC(東ソー(株)製)
・GPCカラム構成:以下の4連カラム(すべて東ソー(株)製)
(1)TSKgel HxL−H(ガードカラム)
(2)TSKgel GMHxL
(3)TSKgel GMHxL
(4)TSKgel G2500HxL
・流速:1.0mL/min
・カラム温度:40℃
・サンプル濃度:1.5%(w/v)(テトラヒドロフランで希釈)
・移動相溶媒:テトラヒドロフラン
・標準ポリスチレン換算
撹拌機、還流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、n−ブチルアクリレート94質量部、アクリル酸6質量部、および酢酸エチル溶媒90質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら80℃に昇温した。次いで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.05部を加え、窒素ガス雰囲気下、80℃で6時間重合反応を行った。反応終了後、酢酸エチルにて希釈し、固形分濃度15質量%の重合体溶液を調製した。得られた(メタ)アクリル系重合体A1のMwは180万であり、Mw/Mnは5.1であった。
重合反応に用いた重合性単量体を表2に記載したとおりに変更したこと以外は合成例A1と同様に行い、(メタ)アクリル系重合体A2、A6〜A7、A10を含む、固形分濃度15質量%の重合体溶液を調製した。結果を表2に示す。
重合反応に用いた重合性単量体を表2に記載したとおりに変更し、酢酸エチル溶媒 を合成例A3〜A5は100部、A8は120部、A9およびA11〜A13は150部を仕込んだこと以外は合成例A1と同様に行い、(メタ)アクリル系重合体A3〜A5、A8、A9、A11〜A13を含む、固形分濃度20質量%の重合体溶液を調製した。結果を表2に示す。
BA:ブチルアクリレート
MA:メチルアクリレート
BZA:ベンジルアクリレート
MEA:メトキシエチルアクリレート
AA:アクリル酸
2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
AM:アクリルアミド
(1)粘着剤組成物の調整
合成例A1で得られた(メタ)アクリル系重合体溶液(固形分濃度15質量%)と、架橋剤(B)として(B1):日本ポリウレタン工業(株)製「コロネートL」(固形分濃度75質量%)と(B3):綜研化学(株)製「E−5XM」(固形分濃度5質量%)、イオン化合物(C)として(C2):4−メチル−オクチルピリジニウム/(FSO2)2N−と、シランカップリング剤(D)として綜研化学(株)製「A−50」とを混合して、粘着剤組成物を得た。なお、各成分の比率は、合成例A1で得られた(メタ)アクリル系重合体溶液に含まれる重合体A1 100質量部に対して、(B1)0.62質量部、(B3)0.01質量部、(C2)1.5質量部、(D)0.2質量部となる量である(いずれも固形分値)。
剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、上記(1)で得られた粘着剤組成物を、ドクターブレードを用いて液温25℃で塗布し、90℃で3分間乾燥して、乾燥膜厚20μmの塗膜を形成した。塗膜の前記PETフィルムの貼付面とは反対面に、剥離処理されたPETフィルムをさらに貼り合わせ、23℃/50%RH環境下で7日間静置して熟成させて、2枚のPETフィルムに挟まれた厚さ20μmの粘着剤層を有する粘着シートを得た。
剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、上記(1)で得られた粘着剤組成物を、ドクターブレードを用いて液温25℃で塗布し、90℃で3分間乾燥して、乾燥膜厚20μmの塗膜を有する粘着シートを得た。前記シートと偏光板(厚さ:110μm、層構成:トリアセチルセルロースフィルム/ポリビニルアルコールフィルム/トリアセチルセルロースフィルム)とを、前記塗膜と偏光板とが接するように貼り合わせ、23℃/50%RHの条件で7日間静置して熟成させて、PETフィルムと厚さ20μmの粘着剤層と偏光板とを有する粘着剤層付き偏光板を得た。
実施例1において、配合組成を表3〜表5に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤組成物、粘着シートおよび粘着剤層付き偏光板を得た。
実施例1において、配合組成を表3〜表5に記載したとおりに変更し、さらに実施例1で作成した粘着剤層付き偏光板に加えて、偏光子保護膜がポリシクロオレフィンである偏光板(厚さ:110μm、層構成:COPフィルム/ポリビニルアルコールフィルム/COPフィルム)についても粘着剤層付き偏光板を作成したこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤組成物、粘着シートおよび粘着剤層付き偏光板を得た。
架橋剤(B)
B1:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL、固形分濃度75質量%)
B2:キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
(綜研化学(株)製、TD−75,固形分濃度75%)
B3: 多官能エポキシ化合物
(綜研化学(株)製、E−5XM、固形分濃度5%)
イオン化合物(C):前記〔イオン化合物の評価〕で使用したイオン化合物C1〜C6に同じである。
シランカップリング剤(D):A−50(綜研化学社製)
(ゲル分率)
実施例・比較例で得られた粘着シートから、粘着剤層約0.1gをサンプリング瓶に採取し、酢酸エチル30mLを加えて4時間振盪した後、このサンプル瓶の内容物を200メッシュのステンレス製金網で濾過し、金網上の残留物を100℃で2時間乾燥して乾燥重量を測定した。次式により、粘着剤層のゲル分率を求めた。
・ゲル分率(%)=(乾燥重量/粘着剤層採取重量)×100(%)
実施例・比較例で得られた粘着シートを100mm×100mmの大きさに裁断して試験片を作成した。粘着シートからPETフィルムを剥離し、粘着剤層を円形の表面電極及び裏面電極で挟んだ。100Vの電圧を印加し、60秒後の表面抵抗値を測定した。なお、測定は、JIS K6911(1995年)に準拠して二重リング電極法にて実施しており、表面抵抗値測定は、R8252デジタルエレクトロメータ((株)エーディーシー製)を使用した。
実施例・比較例で得られた粘着シートからPETフィルムを剥離し、粘着剤層を23℃/50%RH環境下で複数回貼り合わせ、50℃/5atmのオートクレーブで20分間処理して、厚さ1.0mmの粘着剤層を作製した。この厚さ1.0mmの粘着剤層について、Anton Paar製「Physica MCR300」を用いて、JIS K7244に準拠した動的粘弾性測定法(温度範囲−40〜160℃、昇温速度3.67℃/分、周波数1Hzの条件)により粘弾性スペクトルを測定し、温度25℃における貯蔵弾性率を決定した。
実施例・比較例で得られた粘着剤層付き偏光板を、80mm×140mmの大きさに裁断し、厚さ1.1mmの無アルカリガラス板の両側に、吸収軸が互いに直交するようにラミネーターロールを用いて貼着し、次いで50℃、5気圧に調整されたオートクレーブに20分間保持して試験板を作成した。この試験板を温度80℃の条件下に72時間放置し、以下の基準で光漏れの観察を行った。
A:ほぼ光漏れは認められず、実用上問題無
B:わずかに若干光漏れが認められるが、使用可能
C:光漏れが認められるが、使用可能
D:著しく光漏れが認められ、実用上問題有
実施例・比較例で得られた粘着剤層付き偏光板(PETフィルム/粘着剤層/偏光板(偏光子保護膜はTAC)からなる積層体)を150mm×250mmの大きさに裁断して試験片を作成した。試験片からPETフィルムを剥離し、ラミネーターロールを用いて、粘着剤層/偏光板からなる積層体を厚さ2mmの無アルカリガラス板の片面に、粘着剤層と無アルカリガラス板とが接するように貼着した。得られた積層体を、50℃/5気圧に調整されたオートクレーブ中に20分間保持して、試験板を作成した。同様の試験板を2枚作成した。前記試験板を、温度80℃の条件下(耐熱性)または温度60℃/湿度90%RHの条件下(耐湿熱性)で500時間放置した。 更に実施例1、2〜5、10、13については、同様の条件で、更に2枚の試験板を作成した。前記試験板を、温度100℃の条件下(耐熱性)または温度80℃/湿度85%RHの条件下(耐湿熱性)で500時間放置した。前記試験板の粘着剤層からの発泡、前記試験板の亀裂、粘着剤層の剥がれ等の外観欠陥を以下の基準で目視観察して評価した。
実施例11〜13、16〜17、20〜21、比較例4〜6、9〜10については、実施例・比較例で得られた粘着剤層付き偏光板(PETフィルム/粘着剤層/偏光板(偏光子保護膜はポリシクロオレフィン))である偏光板を使用した他は、(耐久性試験)TAC/ガラスと同様の条件で、更に2枚の試験板を作成した。前記試験板を、温度80℃の条件下(耐熱性)または温度60℃/湿度90%RHの条件下(耐湿熱性)で500時間放置した。 更に実施例13については、同様の条件で、更に2枚の試験板を作成し、前記試験板を、温度100℃の条件下(耐熱性)または温度80℃/湿度85%RHの条件下(耐湿熱性)で500時間放置した。前記試験板の粘着剤層からの発泡、前記試験板の亀裂、粘着剤層の剥がれ等の外観欠陥を以下の基準で目視観察して評価した。
実施例2、6〜9、11〜12、14〜21、比較例1〜11については、実施例・比較例で得られた粘着剤層付き偏光板(PETフィルム/粘着剤層/偏光板からなる積層体(偏光子保護膜はTAC))を150mm×250mmの大きさに裁断して試験片を作成した。試験片からPETフィルムを剥離し、ラミネーターロールを用いて、粘着剤層/偏光板からなる積層体を厚さ2mmのITO蒸着ガラス板の片面に、粘着剤層とITO蒸着ガラス板とが接するように貼着した。得られた積層体を、50℃/5気圧に調整されたオートクレーブ中に20分間保持して、試験板を作成した。同様の試験板を2枚作成した。前記試験板を、温度80℃の条件下(耐熱性)または温度60℃/湿度90%RHの条件下(耐湿熱性)で500時間放置した。前記試験板の粘着剤層からの発泡、前記試験板の亀裂、粘着剤層の剥がれ等の外観欠陥を以下の基準で目視観察して評価した。
(耐久性試験 基準)
A:浮き・剥がれ面積 3%未満
B:浮き・剥がれ面積 3%以上5%未満
C:浮き・剥がれ面積 5%以上7%未満
D:浮き・剥がれ面積 7%以上
10mm×100mmにカットしたITO蒸着ガラスに、実施例で得られた粘着シートを10mm×60mmにカットして片側の剥離フィルムを剥がして貼り付け、50℃、5atmで20分間オートクレーブ処理を行った。次いで、1時間室温で静置した後、60℃、90%RH環境下に500時間置き、23℃、65%RHで1時間静置した後、ITO蒸着ガラスの抵抗値を測定した。あらかじめ測定しておいた上記処理を行っていないITO蒸着ガラスの抵抗値に対する、上記処理後の抵抗値の変化率を求めた。なお、抵抗値の測定には、テスター(三和電気計器(株)製、デジタルマルチメーター PC510)を用いた。
(基準)
1.3以下:抵抗値変化小
Claims (9)
- (メタ)アクリル系重合体(A)、架橋剤(B)、及びイオン化合物(C)より得られる光学部材用粘着剤であって、
前記(メタ)アクリル系重合体(A)の重量平均分子量が50万以上であり、イオン化合物(C)が下記化学式(1)で表わされるカチオンと、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオンより選ばれるアニオンからなるイオン化合物であり、23℃における貯蔵弾性率が1.0×104〜1.0×106、且つ、80℃における貯蔵弾性率が5.0×103〜5.0×105であることを特徴とする光学部材用粘着剤。
式(1)中、R11およびR12はそれぞれ独立にアルキル基である。 - 請求項1記載の(メタ)アクリル系重合体(A)を構成する単量体成分として、(a1−1)ポリオキシアルキレン基またはアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを41〜99.9質量%、(a1−2)(メタ)アクリル酸アルキルエステル0〜58.9質量%、(a3)カルボキシル基含有モノマー0〜10質量%、(a4)水酸基含有モノマー0〜10質量%(但し、(a3)(a4)の合計は0質量%ではない。)を含有する、請求項第1項記載の光学部材用粘着剤。
- 請求項1記載の(メタ)アクリル系重合体(A)を構成する単量体成分として、(a1−2)(メタ)アクリル酸アルキルエステル60〜95質量%、(a2) 芳香族環含有単量体を5〜30質量%、(a3)カルボキシル基含有モノマー0〜10質量%、(a4)水酸基含有モノマー0〜10質量%(但し、(a3)(a4)の合計は0質量%ではない。)を含有する、請求項第1項記載の光学部材用粘着剤。
- 請求項1記載の(メタ)アクリル系重合体(A)を構成する単量体成分として、(a1−2)(メタ)アクリル酸アルキルエステル80〜99.9質量%、(a3)カルボキシル基含有モノマー0〜10質量%、(a4)水酸基含有モノマー0〜10質量%(但し、(a3)(a4)の合計は0質量%ではない。)を含有する、請求項第1項記載の光学部材用粘着剤。
- 前記カルボキシル基含有モノマー(a3)を1〜10質量%含有することを特徴とする、請求項2乃至4に記載の光学部材用粘着剤。
- 前記カルボキシル基含有モノマー(a3)を0〜0.5質量%含有する、請求項2乃至4記載の光学部材用粘着剤。
- 少なくとも一方の面に保護膜を有する偏光板、及び、該保護膜上に、請求項1乃至6記載の光学部材用粘着剤よりなる粘着剤層が積層されていることを特徴とする光学積層体。
- 請求項2に記載の光学部材用粘着剤が、シクロオレフィンポリマー層を有するフィルム上に積層されていることを特徴とする光学積層体。
- 請求項6に記載の光学部材用粘着剤が、導電膜が形成されたガラス上に積層されていることを特徴とする光学積層体。
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