JP2016163221A - 伝送装置、伝送プログラムおよび伝送方法 - Google Patents

伝送装置、伝送プログラムおよび伝送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】突発的にあるいは恒常的に帯域が大きく不足する環境下において放送を伝達する通信技術を提供する。
【解決手段】
伝送装置であって、音声を含まない映像情報、映像情報を含まない音声情報のいずれかが少なくとも含まれるデータ種類の指定を選択条件として受け付ける選択条件受付部と、伝送する対象の情報のうち、受け付けた選択条件を満たさない情報を特定し、特定した情報を、より少ないデータ量を有する縮小情報に置換して第二の伝送情報へと変換する伝送情報変換部と、伝送情報変換部により変換されなかった伝送する対象の情報と、伝送情報変換部により変換された第二の伝送情報とを、他の装置へ送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、伝送装置、伝送プログラムおよび伝送方法に係るものである。
地上デジタル放送では、MPEG−2 TS(Transport Stream)を使用した放送信号(以下、放送TSという)をインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)フレームで包含し伝送するニーズが高まっている。放送TSのような、従来よりも比較的高い転送レートを必要とするMPEG−2 TSパケットを伝送するには、伝送路もそれに伴って大きな帯域を確保する必要がある。
上記のような技術においては、特許文献1に、「TSパケットストリームからヌルパケットを検出し、ヌルパケットをよりデータ量の少ない代替パケットに変換して出力し、ヌルパケット以外のTSパケットをそのまま出力する前処理ステップと、当該前処理ステップによるパケットを伝送路に入力する伝送ステップと、当該伝送路からのパケットの内、TSパケットをそのまま出力し、代替パケットをヌルパケットに戻して出力する後処理ステップとを具備することを特徴とするTSパケット伝送方法。」と記載されている。
特開2007−96673号公報
上記特許文献1に記載の技術は、送るべきTSパケットが無いタイミングでTSストリームに挿入されるヌルパケットの量を減らす技術に過ぎず、映像・音声・制御情報等の放送の目的となる対象の伝送パケット量を減らすものではない。そのため、突発的にあるいは恒常的に帯域が大きく不足する環境下において放送を伝達することについては効果が薄い。
本発明の目的は、突発的にあるいは恒常的に帯域が大きく不足する環境下において放送を伝達する通信技術を提供することにある。
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記課題を解決すべく、本発明に係る伝送装置は、音声を含まない映像情報、映像情報を含まない音声情報のいずれかが少なくとも含まれるデータ種類の指定を選択条件として受け付ける選択条件受付部と、伝送する対象の情報のうち、受け付けた上記選択条件を満たさない情報を特定し、特定した上記情報を、より少ないデータ量を有する縮小情報に置換して第二の伝送情報へと変換する伝送情報変換部と、上記伝送情報変換部により変換されなかった上記伝送する対象の情報と、上記伝送情報変換部により変換された上記第二の伝送情報とを、他の装置へ送信する送信部と、を備える。
また、上記の伝送装置においては、上記伝送情報変換部は、上記伝送する対象の情報に含まれる識別子により上記選択条件を満たすか否かを判定するものであってもよい。
また、上記の伝送装置においては、上記伝送情報変換部は、上記縮小情報として、所定の定型情報を用いるものであってもよい。
また、上記の伝送装置においては、上記データ種類として放送制御情報が含まれ、上記選択条件受付部は、上記放送制御情報に関して、放送規格、サービスまたはサービスの一部の少なくともいずれかの指定を選択条件として受け付けるものであってもよい。
また、上記の伝送装置においては、上記第二の伝送情報を受け付けると、上記縮小情報を、所定の空情報に置換する受信情報変換部、を備えるものであってもよい。
また、上記の伝送装置においては、上記送信部と異なる第二の送信部を備え、上記第二の送信部は、上記第二の伝送情報のうち、上記選択条件を満たす情報に関して上記送信部と並列に同一の送信先へ送信するものであってもよい。
また、本発明に係る伝送プログラムは、コンピューターを伝送装置として機能させる伝送プログラムであって、上記コンピューターを、制御手段として動作させ、上記制御手段に対して、音声を含まない映像情報、映像情報を含まない音声情報のいずれかが少なくとも含まれるデータ種類の指定を選択条件として受け付ける選択条件受付ステップと、伝送する対象の情報のうち、受け付けた上記選択条件を満たさない情報を特定し、特定した上記情報を、より少ないデータ量を有する縮小情報に置換して第二の伝送情報へと変換する伝送情報変換ステップと、上記伝送情報変換ステップにおいて変換されなかった上記伝送する対象の情報と、上記伝送情報変換ステップにおいて変換された上記第二の伝送情報とを、他の装置へ送信する送信ステップと、を実行させる。
また、本発明に係る伝送方法は、コンピューターを用いた伝送方法であって、上記コンピューターは、音声を含まない映像情報、映像情報を含まない音声情報のいずれかが少なくとも含まれるデータ種類の指定を選択条件として受け付ける選択条件受付ステップと、伝送する対象の情報のうち、受け付けた上記選択条件を満たさない情報を特定し、特定した上記情報を、より少ないデータ量を有する縮小情報に置換して第二の伝送情報へと変換する伝送情報変換ステップと、上記伝送情報変換ステップにおいて変換されなかった上記伝送する対象の情報と、上記伝送情報変換ステップにおいて変換された上記第二の伝送情報とを、他の装置へ送信する送信ステップと、を実施する。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明によると、突発的にあるいは恒常的に帯域が大きく不足する環境下において放送を伝達することができる。
本発明の第一の実施形態に係る送信機のブロック図である。 本発明の第一の実施形態に係る受信機のブロック図である。 送信処理の処理フローを示す図である。 受信処理の処理フローを示す図である。 MPEG−2TSパケットのデータ構造を示す図である。 縮小パケットのデータ構造を示す図である。 本発明の第一の実施形態の変形例に係る送受信機のブロック図である。 本発明の第二の実施形態に係る送信機のブロック図である。 本発明の第二の実施形態に係る受信機のブロック図である。 本発明の第二の実施形態に係る受信処理の処理フローを示す図である。
以下に、本発明に係る第一の実施形態を適用した伝送装置である送信機10および受信機20についてのそれぞれの実施形態について、図面を参照して説明する。当該伝送装置は、特に高い転送レートを必要とするMPEG−2 TS(Transport Stream)などの動画情報のパケットやインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)などを用いて、非同期かつジッタ、データロスが比較的発生しやすいインターネット等の伝送路を経由してパケットを送受信するための装置に関するものである。
図1は、本発明の第一の実施形態における送信機10のブロック図である。本実施形態において想定する送信機10においては、放送TSに含まれる映像、音声、制御のいずれかの種類のパケットを特定し、予め設定された種類のパケットをより小さいデータ量のパケット(以下、縮小パケットという。)に変換するパケット選択部100と、ジッタの発生の可能性のある伝送路を介して受信機20へパケットを送信する送信部140と、が含まれる。
パケット選択部100には、選択条件登録部110と、パケット特定部120と、パケット変換部130と、が含まれる。
選択条件登録部110には、送信機10に設けられた図示しない記憶領域に縮小対象とするパケットの選択条件が格納されている。選択条件登録部110に格納された登録済の選択条件は、パケット特定部120から参照される。選択条件としては、音声を含まない映像情報、映像情報を含まない音声情報のいずれかが少なくとも含まれるデータ種類の指定(後述するPID)が含まれ、選択条件登録部110は、選択条件を受け付けて、格納することで登録を行う。また、選択条件には、放送の制御を行う放送制御情報が含まれていてもよい。
パケット特定部120は、選択条件登録部110に格納された選択条件に対応して、入力されるMPEG−2 TSパケット180から縮小等の加工をせずにデータを保持したまま伝送するパケットのID(以下、PIDという。)を特定する。パケット特定部120は、MPEG−2 TSに含まれるPSI(放送の構成情報)を読み出して、対象となるPIDを抽出し、PIDテーブルとして保持する。なお、PIDは、放送制御情報に関連し、放送規格、サービスまたはサービスの一部の少なくともいずれかの指定を含む。
パケット変換部130は、伝送路から送信機10が送信する対象として入力されるMPEG−2 TSパケット180に対して、パケット特定部120により参照されたPIDに該当しないパケットを特定するとともに、そのデータを減らすよう加工処理を行い、縮小パケット181へと変換する。また、パケット変換部130は、加工された縮小パケット181と、加工されていないMPEG−2 TSパケット180を送信部140に送出する。すなわち、パケット変換部130は、伝送する対象の情報のうち、受け付けた選択条件を満たさない情報を特定し、特定した情報を、より少ないデータ量を有する縮小情報に置換して第二の伝送情報へと変換する伝送情報変換部であるともいえる。また、当該伝送情報変換部は、伝送する対象の情報に含まれる識別子により選択条件を満たすか否かを判定するものであるともいえる。
パケット変換部130により生成された縮小パケット181は、MPEG−2 TSパケット180に対して、先頭の1バイト目を47h(パケット先頭固定値)から任意のフラグ情報(例えば、77h)に書き換えて、4バイト目以降の184バイトのペイロードを削除したデータを有する。
送信部140には、送信タイムスタンプカウンタ部160と、タイムスタンプ付加部150と、が含まれる。タイムスタンプ付加部150と、送信タイムスタンプカウンタ部160とは、送信タイムスタンプ生成部であるともいえる。送信タイムスタンプカウンタ部160は、送信するMPEG−2 TSパケット180および縮小パケット181に付加するタイムスタンプを、システムクロックCLK(S)170を用いて生成する。なお、27MHzのシステムクロックCLK(S)170と、後述するCLK(R)250とは、同期されていることを前提としている。ここでは、システムクロックの同期方法は指定しないが、既にGPS(Global Positioning System)電波から取り出されたクロックを用いる方法がある。
タイムスタンプ付加部150は、送信タイムスタンプカウンタ部160から取得したタイムスタンプを、タイムスタンプとしてMPEG−2 TSパケット180および縮小パケット181の所定の位置に付加する。タイムスタンプ付加部150は、タイムスタンプ182を付加したMPEG−2 TSパケット180および縮小パケット181を、MPEG−2 TTSパケットおよびタイムスタンプ付縮小パケットとして、伝送路に送出する。すなわち、送信部140は、伝送情報変換部により変換されなかった伝送する対象の情報と、伝送情報変換部により変換された第二の伝送情報とを、他の装置へ送信するものであるともいえる。
図2は、本発明の第一の実施形態における受信機20のブロック図である。本実施形態において想定する受信機20においては、ジッタの発生の可能性のある伝送路を介して送信機10からMPEG−2 TTSパケットおよびタイムスタンプ付縮小パケットを受信する受信部200と、受信したタイムスタンプ付縮小パケットから取り出した縮小パケット181をダミーパケット183へと変換するダミーパケット変換部260と、が含まれる。
受信部200には、二重化バッファ210と、受信バッファ制御部220と、が含まれる。伝送路を経由して受信部200に入力されたMPEG−2 TTSパケットおよびタイムスタンプ付縮小パケットは、二重化バッファ210に格納される。なお、二重化バッファ210は、二重の格納エリア(受信バッファ)を備えることで、受信バッファへの書き込み、読み出し制御にてPCR(プログラム・クロック・リファレンス:時刻同期情報)によるジッタを抑制して、安定したパケットの送受信を実現することが可能となる。
受信バッファ制御部220は、受信タイムスタンプカウンタ部240と、タイムスタンプ値比較部230と、を含む。
受信タイムスタンプカウンタ部240は、受信したMPEG−2 TTSパケットおよびタイムスタンプ付縮小パケットを二重化バッファ210から読み出すタイミングを特定するタイムスタンプ値を、システムクロックCLK(R)250を用いて生成する。
タイムスタンプ値比較部230は、二重化バッファ210に格納されているパケットのそれぞれが有するタイムスタンプ182の値と、受信タイムスタンプカウンタ部240が出力するタイムスタンプ値とを比較する。
受信バッファ制御部220は、タイムスタンプ値比較部230による比較の結果、両者のタイムスタンプ値が対応する(例えば、一致する)MPEG−2 TTSパケットおよびタイムスタンプ付縮小パケットを特定し、それぞれからタイムスタンプ182を除去して、それぞれMPEG−2 TSパケット180および縮小パケット181として読み出す。受信バッファ制御部220は、読み出されたMPEG−2 TSパケット180および縮小パケット181を、ダミーパケット変換部260へ送出する。
ダミーパケット変換部260は、MPEG−2 TSパケット180および縮小パケット181の入力を受け付け、縮小パケット181に所定のフラグ情報が含まれる(パケット先頭が「77h」で始まる)場合に、縮小パケット181をダミーパケット183へ変換する。具体的には、ダミーパケット変換部260は、縮小パケット181をMPEG−2 TSパケット180と同じデータ構造の所定のダミーパケット183(ヌルパケット)に変換し、ダミーパケット183とMPEG−2 TSパケット180とを、伝送路へ送出する。すなわち、ダミーパケット変換部260は、縮小パケットを受け付けると、縮小パケットを、所定の空情報に置換する受信情報変換部であるともいえる。
図3は、本実施形態における送信処理の処理フローを示す図である。送信処理は、送信機10が起動した後、送信対象となるMPEG−2 TSパケット180を受け付けると、開始される。
まず、パケット選択部100は、パケット選択処理を行う(ステップS101)。具体的には、パケット選択部100は、受け付けた一又は複数のMPEG−2 TSパケット180に対して、選択条件を満たさないパケットを縮小パケット181に変換する。例えば、パケット選択部100は、予め定められた選択された種類の(すなわち、映像、音声、制御のいずれかの種類)に関するMPEG−2 TSパケット180に対しては、変換を行わないが、それ以外のMPEG−2 TSパケット180に対しては、縮小パケット181へ変換を行い、変換の有無に関わらずタイムスタンプ付加部150へ送出する。
タイムスタンプ付加部150は、送信カウンタ制御を行う(ステップS102)。具体的には、タイムスタンプ付加部150は、受け付けた一又は複数のMPEG−2 TSパケット180および縮小パケット181に対して、送信タイムスタンプカウンタ部160が生成するカウンタの値に応じて、MPEG−2 TSパケット180および縮小パケット181ごとの送信タイミングを特定する。
そして、タイムスタンプ付加部150は、送信タイムスタンプ(送信TTS)の生成が完了したか否かを判定する(ステップS103)。具体的には、タイムスタンプ付加部150は、送信タイムスタンプカウンタ部160が生成するタイムスタンプが生成されたか否かを判定し、生成されていない場合にはステップS102に制御を戻す。
送信タイムスタンプが生成された場合(ステップS103にて「完了」の場合)には、タイムスタンプ付加部150は、送信タイムスタンプを付加する(ステップS104)。具体的には、タイムスタンプ付加部150は、送信するMPEG−2 TSパケット180および縮小パケット181に対して、タイムスタンプ182を付加する。
そして、タイムスタンプ付加部150は、パケット制御信号が生成されるまで待機し(ステップS105)、パケット制御信号が生成されると、パケットを送出する(ステップS106)。
以上が、送信処理の処理フローである。送信処理によると、映像、音声、制御の各種類のパケットのうち選択された種類の送信するMPEG−2 TSパケット180に対して、再生順方向にタイムスタンプを付加して送信することができる。また、送信処理によると、映像、音声、制御の各種類のパケットのうち選択された種類以外のパケットに対して、再生順方向にタイムスタンプを付加して、サイズのより小さい縮小パケット181に置き換えて送信することができる。
ここで、本実施形態におけるパケット選択部100のパケットの選択動作を、実施例を設けて以下に詳細に説明する。パケットを選択する処理は、送信機10が起動した後、開始される。
選択条件登録部110は、機器内の選択条件の登録情報が格納された領域から、登録されている選択条件の読み込みを開始する。選択条件は、パケット特定部120に参照され利用される。ここでは、実施例として、地上波デジタル放送においてメインとなる映像と音声(動画再生機器がデータ受信時に、初めに再生する映像と音声:以下、メイン映像音声と称呼)を伝送する設定が登録されているものとする。
パケット特定部120は、選択条件登録部110から受け渡された運用規格(本例においては地上波デジタル放送)と、選択対象の伝達情報(本例においてはメイン映像音声)から、条件を満たす情報(PSI:選択されている伝達情報と再生に必要な情報)を決定する。パケット特定部120は、当該決定した情報に相当するか否かを特定するため、実際に送信機10に入力されるMPEG−2 TSパケット180から、PIDを取得する処理を開始する。
PIDを取得する処理は、パケット特定部120により実行され、入力される放送TSのPMT(Program Map Table)パケットを抽出し、映像と音声情報に関連するPIDを取得するものである。具体的には、PMTパケットには、サービスを構成するもの(映像、音声、時刻同期情報(PCR)、複数映像音声がある場合の優先順位、等)のPIDの一覧が記載されており、その中から前記決定した情報に相当するPIDを取得する。取得したPIDは、パケット特定部120に内包あるいはその外部に設けられるPIDテーブルに格納され、パケット変換部130に参照されることとなる。本実施例では、メイン映像音声のデータとPCRのPIDが取得され、格納される。
PIDを取得する処理は、電源投入中は継続して繰り返し実施されるため、たとえ入力されるMPEG−2 TSに含まれるサービスが変わっても、都度、PIDが取得されPIDテーブルに、即時に反映されることとなる。
パケット変換部130は、パケット特定部120が内包するあるいは外部に設けたPIDテーブルを参照し、選択対象以外のMPEG−2 TSパケット180をPIDの一致により発見し、縮小パケット181に変換する。より具体的には、パケット変換部130は、入力されたMPEG−2 TSパケット180のそれぞれからPIDを抽出し、パケット特定部120のPIDテーブルから読み出した一または複数のPIDと比較する。比較結果が該当しない(例えば、一致しない)PIDのMPEG−2 TSパケット180であれば、パケット変換部130は、当該MPEG−2 TSパケット180のヘッダ同期信号を変更(例えば、「77h」に変更)し、ヘッダ以降のペイロード部分の情報を削除する。また、パケット変換部130は、必要がある場合に限り、ダミーバイトについても変更する。本実施例では、パケット変換部130は、後述する受信機20側のダミーパケット変換部260により、ペイロードの内容が変化することがあり、そのため、パケット変換部130は、適応したダミーバイト(リードソロモン符号と階層情報を含む)に変更する。このとき、パケット変換部130は、変換処理の有無により、パケットの送出する順番を変えないよう制御する。
第一の実施形態における送信処理の実施例において送信機10が地上波デジタル放送におけるメイン映像音声を選択的に伝送する場合を説明したが、本発明は本実施例に限定されることはない。例えば、選択条件の設定は適時変更が可能であり、柔軟に設定しうる。例えば、地上波デジタル放送におけるワンセグ放送のように、所定の通信規格によりPIDの特定が可能な場合であれば、パケット変換部130は、特定したPIDに基づき選択を行う。
図4は、本実施形態における受信処理の処理フローを示す図である。受信処理は、受信機20が起動すると、開始される。
まず、受信バッファ制御部220は、パケットを受信したか否かを判定する(ステップS201)。具体的には、受信バッファ制御部220は、伝送路を経由してMPEG−2 TTSパケットまたはタイムスタンプ付縮小パケットを受信したか否かを判定する。未受信であれば、受信バッファ制御部220は、制御をステップS201に戻す。
パケットを受信した場合(ステップS201にて「受信」の場合)には、受信バッファ制御部220は、パケットの受信カウンタ制御を行う(ステップS202)。具体的には、受信バッファ制御部220は、受信したMPEG−2 TTSパケットまたはタイムスタンプ付縮小パケットを、タイムスタンプ182の値の順になるよう整列させる。
そして、受信バッファ制御部220は、受信バッファへ書き込む(ステップS203)。具体的には、受信バッファ制御部220は、整列させた順にMPEG−2 TTSパケットまたはタイムスタンプ付縮小パケットを二重化バッファ210へ書き込む。
そして、タイムスタンプ値比較部230は、受信タイムスタンプを抽出する(ステップS204)。具体的には、タイムスタンプ値比較部230は、二重化バッファ210に格納されたMPEG−2 TTSパケットおよびタイムスタンプ付縮小パケットから、タイムスタンプ182の値を順に取得する。
そして、タイムスタンプ値比較部230は、タイムスタンプ値と受信カウンタ値を比較する(ステップS205)。具体的には、タイムスタンプ値比較部230は、ステップS204にて取得したタイムスタンプの値と、受信タイムスタンプカウンタ部240が生成する受信タイムスタンプカウンタの値を順に比較する。
次に、受信バッファ制御部220は、受信バッファの読出しを行い、MPEG−2 TSパケット180を取り出す(ステップS206)。受信バッファ制御部220は、ステップS205において比較した結果、タイムスタンプ値が、受信タイムスタンプカウンタ部240が生成する受信タイムスタンプカウンタの値と一致した場合にMPEG−2 TTSパケットのMPEG−2 TSパケット180および縮小パケット181を読み出し、ダミーパケット変換部260へ受け渡す。
そして、ダミーパケット変換部260は、MPEG−2 TSパケット180あるいは縮小パケット181に所定のフラグ情報が含まれているか否かを判定し(ステップS207)、含まれている場合(ステップS207で「Yes」の場合)には、MPEG−2 TSパケット180と同じデータ構造のヌルパケット(ダミーパケット183)に変換する(ステップS208)。具体的には、ダミーパケット変換部260は、受信部200から受け渡されたパケット内の先頭の1バイト目がフラグ(「77h」)であるパケットを、「47h」(MPEG−2 TSパケットの先頭固定値)へと書き替え、続いて、エラー・フラグに「0b」、データ開始フラグに「0b」、優先フラグに「0b」、PIDに「1FFFh」、スクランブル制御に「0b」、連続性指標に「Fh」、拡張ヘッダ制御に「00b」を付加し、MPEG−2 TSパケット180のヘッダとダミーバイト間に設けられるペイロードには、すべての情報が「1b」で構成されるバイト列を挿入する。また、ダミーパケット変換部260は、MPEG−2 TSパケット180あるいは縮小パケット181に所定のフラグ情報がない場合(ステップS207にて「No」の場合)には、MPEG−2 TSパケット180には、ダミーパケット183への変換処理を行わずそのまま伝送路へ送信する対象とする。
次に、ダミーパケット変換部260は、MPEG−2 TSパケット180とダミーパケット183を伝送路へ送信する(ステップS209)。このときダミーパケット変換部260が送出するパケットの順番は、ダミーパケットへの変換処理をした場合であっても、ダミーパケット変換部260部に入力された際のパケットの順番から変えない。
以上が、受信処理の処理フローである。受信処理によれば、受信機20は、送信機10から送信された縮小パケットを検出し、縮小パケットを対応する所定のヌルパケットに戻すことができる。すなわち、放送TSとして必要な情報の欠落を押さえつつ、映像、音声、制御等のいずれかまたはその組み合わせを、伝送に必要な帯域を減らしながら再生可能に送出することができる。
図5は、MPEG−2 TSパケット180のデータ構造を示す図である。放送TSにおけるMPEG−2 TSパケット180は、ヘッダ410(4バイト長)およびペイロード420(184バイト長)の合計188バイト長のデータ列の後端に16バイト長のダミーバイト430と呼ばれる情報が付加された204バイトのデータ構造400を有する。また、ヘッダ410は、先頭から順に、同期信号411(8ビット)、エラー・フラグ412(1ビット)、データ開始フラグ413(1ビット)、優先フラグ414(1ビット)、PID415(13ビット)、スクランブル制御416(2ビット)、拡張ヘッダ制御417(2ビット)、連続性指標418(4ビット)、を含む。
図6は、縮小パケット181のデータ構造を示す図である。縮小パケット181は、先頭の1バイト長のフラグ510に16バイト長のダミーバイト520が付加された17バイト長のデータ構造500を有する。すなわち、縮小パケット181は、所定の定型情報であるともいえる。なお、ダミーバイト520は、必ずしも16バイト長に限られず、8バイト長であってもよい。
以上が、本発明に係る第一の実施形態を適用した通信装置である送信機10および受信機20である。第一の実施形態によれば、通信装置としての送信機10においては、データの種類を特定する選択されたPIDを有しないパケットについては、ダミーパケットに置き換えてデータ量を減らして送信することができる。また、受信機20においては、ダミーバイトを受け取った場合には所定のヌルパケットに変換するため、ダミーパケットに変換したことにより通信が途絶することもなく、突発的にあるいは恒常的に帯域が大きく不足する環境下において放送を伝達する通信技術を提供することができる。つまり、例えば激甚災害等により伝送路が十分な帯域を確保できない場合であっても、例えば比較的データ量の少ない音声情報のみを放送することが可能となる。
本発明は、上記の第一の実施形態およびその変形例に制限されない。上記の第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、第一の実施形態においては、送信機10と受信機20とは互いに異なる装置を想定しているが、これに限られず、同じ装置で実現されていてもよい。
図7は、本発明の第一の実施形態の変形例に係る送受信機30のブロック図である。送受信機30は、送信機10に含まれるパケット選択部100および送信部140と、受信機20に含まれる受信部200とダミーパケット変換部260と、を備える。
以上が、第一の実施形態に係る変形例である。このような送受信機30とすることで、送受信機30同士が送受信を相互に行うことができるため、有線放送局等、容易に災害等の状況においても動画を配信する通信施設を設立することができる。
また例えば、上記の第一の実施形態においては、送信機10と受信機20とは、伝送路で接続されている想定であるが、これに限られず、多重化された伝送路で接続されるようにしてもよい。
図8は、このような第二の実施形態に係る送信機10´のブロック図である。なお、第二の実施形態は、上述の第一の実施形態と基本的に同様であることから、差異のある構成を中心に説明する。また、符号が同じ構成は基本的に第一の実施形態と同様の構成であるため、説明は省略する。
送信機10´は、パケット選択部100´と、送信部140´と、を備える。パケット選択部100´は、基本的には、第一の実施形態についてのパケット選択部100と同様であるが、一部において異なる。パケット選択部100´は、受信した送信対象のMPEG−2 TSパケット180を受け付けると、第一の実施形態のパケット選択部100と同様にパケット特定部120に受け渡す。さらに、本実施形態におけるパケット選択部100´は、変換を行わないで送信部140´に並行してMPEG−2 TSパケット180を受け渡す。
送信部140´は、第一の実施形態についての送信部140と基本的に同様であるが、一部において異なる。第二の実施形態に係る送信部140´は、タイムスタンプ付加部150´を備えており、タイムスタンプ付加部150´は受け付けたMPEG−2 TSパケット180および縮小パケット181に対して、送信タイムスタンプカウンタ部160が生成したタイムスタンプを付加する。その際、タイムスタンプ付加部150´は、同一のMPEG−2 TSパケット180については、同一のタイムスタンプを付加する。
そして、送信部140´は、多重化した伝送路のうち、一つ以上の伝送路(望ましくは、最も帯域の小さい伝送路)へMPEG−2 TTSパケットとタイムスタンプ付縮小パケットとを欠落なく送出し、一つ以上の他の伝送路へはMPEG−2 TTSパケットを送出する。すなわち、送信機10´は、第一の実施形態における送信部140と異なる第二の送信部を備え、第二の送信部は、タイムスタンプ付縮小パケットを含む第二の伝送情報のうち選択条件を満たす情報に関して、送信部140と並列に同一の送信先へ送信するものであってもよいといえる。
図9は、このような第二の実施形態に係る受信機20´のブロック図である。受信機20´は、受信部200´と、ダミーパケット変換部260´と、パケット統合部270と、を備える。受信部200´は、基本的には、第一の実施形態についての受信部200と同様であるが、一部において異なる。受信部200´は、二重化バッファ210´を備えている。二重化バッファ210´は、多重の伝送路のそれぞれから、タイムスタンプ付縮小パケットおよびMPEG−2 TTSパケットを受信すると、二重バッファに格納する。そして、二重化バッファ210´は、縮小パケット181を含まない放送TSの伝送路からのパケットについては、パケット統合部270にそのまま受け渡し、縮小パケット181が含まれる放送TSの伝送路からのパケットについては、第一の実施形態と同様にダミーパケット変換部260´へ受け渡す。
ダミーパケット変換部260´は、第一の実施形態におけるダミーパケット変換部260と基本的に同様であるが、一部において異なる。第二の実施形態に係るダミーパケット変換部260´は、MPEG−2 TSパケット180および縮小パケット181の入力を受け付け、縮小パケット181に所定のフラグ情報が含まれる(パケット先頭が「77h」で始まる)場合に、縮小パケット181をダミーパケット183へ変換すると、ダミーパケット183とMPEG−2 TSパケット180とを、パケット統合部270へ送出する。
パケット統合部270は、二重化バッファ210´からMPEG−2 TSパケット180を受け付けるとともに、ダミーパケット変換部260´からMPEG−2 TSパケット180およびダミーパケット183を受け付ける。また、パケット統合部270は、送出タイミングが重複するMPEG−2 TSパケット180については、いずれか一つを採用してダミーパケット183とともに伝送路へ送出する。
ここで、パケット統合部270は、いずれか一つのMPEG−2 TSパケット180を選択的に採用するが、その際には、縮小パケット181が含まれる放送TSの伝送路からのパケットを基本的に採用し、欠落や欠損が有る場合には、縮小パケット181を含まない放送TSの伝送路からのパケットを採用するようにしてもよい。このようにすることで、多重化された伝送路のうち主となる伝送路からの情報を優先的に用いることが可能となる。ただし、これに限られるものではなく、優先して採用する順序は上述の逆であってもよい。
図10は、第二の実施形態に係る受信処理の処理フローを示す図である。第二の実施形態における受信処理は、受信機20´が起動すると、開始される。また、第二の実施形態における受信処理は、第一の実施形態における受信処理と基本的に同様である。そのため、共通する構成については説明を省略し、差異のある構成を中心に説明する。
第二の実施形態における受信処理においては、第一の実施形態における受信処理のステップS209の処理前に、パケット統合部270がパケットの統合により欠落補間を行う(ステップS310)。具体的には、上述のとおり、パケット統合部270は、二重化バッファ210´からMPEG−2 TSパケット180を受け付けるとともに、ダミーパケット変換部260´からMPEG−2 TSパケット180およびダミーパケット183を受け付ける。そして、パケット統合部270は、送出タイミングが重複するMPEG−2 TSパケット180について、いずれか一つを採用することで、欠落を補間する。
以上が、第二の実施形態に係る通信装置である。このような送信機10´および受信機20´とすることで、送信機10´と受信機20´間の回線を二重化させることが可能となる。
また、第二の実施形態についても、上述の第一の実施形態の変形例と同様に、送信機10´と受信機20´を備える送受信機により実現することも可能である。
また、第一の実施形態およびその変形例あるいは第二の実施形態およびその変形例のうちいずれにおいても、パケット変換部130は、縮小パケットへの変換処理を行うか否かの指示を外部から受け付けるようにしてもよい。その場合において、パケット選択部100は、稼働開始時には、縮小パケットへの変換処理を行わないようパケット変換部130へ指示を与える。そして、パケット選択部100は、送信したパケットに欠落があった旨の通知を稼働開始後に受信機から伝送路を介して受け付けると、パケット変換部130に縮小パケットへの変換処理を行う指示を与えて変換処理を開始させる。このようにすることで、パケット変換部130は、例えば、映像・音声・制御情報等の放送の目的となる対象の伝送パケット量を減らすことを即時かつ人手を介さずに行うことができる。そのため、突発的にあるいは恒常的に帯域が大きく不足する環境下において放送を伝達する際に、状況に応じて効果的に行うことができる。
また、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品のような複数の部分に分けられて適用されるようにしてもよい。
以上、本発明について、第一の実施形態および第二の実施形態を中心に説明した。
10・・・送信機、20・・・受信機、30・・・送受信機、100・・・パケット選択部、110・・・選択条件登録部、120・・・パケット特定部、130・・・パケット変換部、140・・・送信部、150・・・タイムスタンプ付加部、160・・・送信タイムスタンプカウンタ部、170・・・CLK(S)、180・・・MPEG−2 TSパケット、181・・・縮小パケット、182・・・タイムスタンプ、183・・・ダミーパケット、200・・・受信部、210・・・二重化バッファ、220・・・受信バッファ制御部、230・・・タイムスタンプ値比較部、240・・・受信タイムスタンプカウンタ部、250・・・CLK(R)、260・・・ダミーパケット変換部、270・・・パケット統合部

Claims (9)

  1. 音声を含まない映像情報、映像情報を含まない音声情報のいずれかが少なくとも含まれるデータ種類の指定を選択条件として受け付ける選択条件受付部と、
    伝送する対象の情報のうち、受け付けた前記選択条件を満たさない情報を特定し、特定した前記情報を、より少ないデータ量を有する縮小情報に置換して第二の伝送情報へと変換する伝送情報変換部と、
    前記伝送情報変換部により変換されなかった前記伝送する対象の情報と、前記伝送情報変換部により変換された前記第二の伝送情報とを、他の装置へ送信する送信部と、
    を備えることを特徴とする伝送装置。
  2. 請求項1に記載の伝送装置であって、
    前記伝送情報変換部は、前記伝送する対象の情報に含まれる識別子により前記選択条件を満たすか否かを判定する、
    ことを特徴とする伝送装置。
  3. 請求項1または2に記載の伝送装置であって、
    前記伝送情報変換部は、前記縮小情報として、所定の定型情報を用いる、
    ことを特徴とする伝送装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の伝送装置であって、
    前記データ種類として放送制御情報が含まれ、
    前記選択条件受付部は、前記放送制御情報に関して、放送規格、サービスまたはサービスの一部の少なくともいずれかの指定を選択条件として受け付ける、
    ことを特徴とする伝送装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の伝送装置であって、
    前記第二の伝送情報を受け付けると、前記縮小情報を、所定の空情報に置換する受信情報変換部、
    を備えることを特徴とする伝送装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の伝送装置であって、
    前記送信部と異なる第二の送信部を備え、
    前記第二の送信部は、前記第二の伝送情報のうち、前記選択条件を満たす情報に関して前記送信部と並列に同一の送信先へ送信する、
    ことを特徴とする伝送装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の伝送装置であって、
    前記伝送情報変換部は、前記他の装置から前記伝送する対象の情報または前記第二の伝送情報の欠落情報を受信すると前記変換を開始する、
    ことを特徴とする伝送装置。
  8. コンピューターを伝送装置として機能させる伝送プログラムであって、
    前記コンピューターを、制御手段として動作させ、
    前記制御手段に対して、
    音声を含まない映像情報、映像情報を含まない音声情報のいずれかが少なくとも含まれるデータ種類の指定を選択条件として受け付ける選択条件受付ステップと、
    伝送する対象の情報のうち、受け付けた前記選択条件を満たさない情報を特定し、特定した前記情報を、より少ないデータ量を有する縮小情報に置換して第二の伝送情報へと変換する伝送情報変換ステップと、
    前記伝送情報変換ステップにおいて変換されなかった前記伝送する対象の情報と、前記伝送情報変換ステップにおいて変換された前記第二の伝送情報とを、他の装置へ送信する送信ステップと、
    を実行させることを特徴とする伝送プログラム。
  9. コンピューターを用いた伝送方法であって、
    前記コンピューターは、
    音声を含まない映像情報、映像情報を含まない音声情報のいずれかが少なくとも含まれるデータ種類の指定を選択条件として受け付ける選択条件受付ステップと、
    伝送する対象の情報のうち、受け付けた前記選択条件を満たさない情報を特定し、特定した前記情報を、より少ないデータ量を有する縮小情報に置換して第二の伝送情報へと変換する伝送情報変換ステップと、
    前記伝送情報変換ステップにおいて変換されなかった前記伝送する対象の情報と、前記伝送情報変換ステップにおいて変換された前記第二の伝送情報とを、他の装置へ送信する送信ステップと、
    を実施することを特徴とする伝送方法。
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