JP2016048859A - ファイル生成装置、再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】MMT方式で送信されるコンテンツを1つの録画データファイルとして録画し、シーク再生を可能とする。
【解決手段】再同期メッセージ挿入部(15)は、送信された順に並ぶ複数のMMTPパケットの間に、MMTPパケットと区別可能な再同期メッセージパケットを少なくとも1つ挿入して、1つの録画データファイルを生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のコンポーネントから構成されるコンテンツを記録するファイル生成装置、およびファイル生成方法に関する。また、記録されたファイルを再生する再生装置、および再生方法に関する。
デジタル信号処理技術およびネットワーク技術が進歩して、デジタル放送システムでは、多用なコンテンツを多様なネットワークを介して配信できるようになった。デジタル放送システムを利用するユーザは、所望の利用形態に合わせた多種多様な端末で、配信されるコンテンツを視聴するようになってきている。今後、放送ネットワークおよび通信ネットワーク(IPネットワーク)などの異種の伝送路を介してコンテンツを伝送する伝送形態(ハイブリッド伝送)をさらに活用して、より利便性の高いサービスをユーザに提供することができると期待されている。
現行の放送システムで広く用いられているメディアトランスポート方式は、(1)MPEG−2TS(Moving Picture Experts Group−2 Transport System)方式、および(2)RTP(Real−time Transport Protocol)が用いられている。しかし、これらの方式を用いてハイブリッド伝送を行うことには、下記の(イ)〜(ニ)に挙げるような問題点がある。(イ)メディア(映像、音声)を個別に(独立に)伝送できない、(ロ)Pro−MPEG FECの誤り耐性は十分ではない、(ハ)JPEG2000、SVCなどの階層符号化に対応していない、(ニ)TSパケットのサイズが小さく、かつ、固定(188byte)であり、オーバーヘッドが大きい。
そこで、最近では、新しい放送システムに適用することを目指して、MMT(MPEG メディア伝送)の標準化が検討されている(例えば、非特許文献1および2)。MMTは、MPEGで多様なネットワークを利用することを想定した新たなメディアトランスポート方式の1つである。このMMTは、可変長パケット、および複数メディア多重化が可能であり、ハイブリッド伝送、マルチチャンネル配信、およびレイヤード配信に対応している。また、MMTは適用範囲が広く、誤り耐性が十分強いため、誤りの発生しやすいIPネットワークを介した伝送などを含むハイブリッド伝送に適用し得る。
このMMT方式では、複数のコンポーネントが符号化および多重化された多重化データを1つのCI(Composition Information)ドキュメント、および1または複数のアセットを含む、MMTPパケットとして送信する。アセットとは、アセットIDが共通の1または複数のMPU(Media Processing Unit)の集合である。MMTでは、制御情報(Signaling Message)およびMPUは、MMTペイロード(MMT Payload)にカプセル化され、さらに複数のMMTペイロードを多重化してMMTPパケット列を構成する(非特許文献1)。MPUは、MP3などの音声データ、およびJPEGなどの静止画データなどを多重化して格納することが可能なMP4ファイルである。
ところで、MMTPパッケージとして送信されたコンテンツを記録(録画)する際のフォーマット(蓄積フォーマット)として、該コンテンツを構成する映像データおよび音声データなどのメディアコンポーネント(アセット)を構成するMPUが想定されている。現行の放送では、受信したコンテンツをパーシャルTSとして記録する方法が運用(非特許文献2)にて規定されている。このパーシャルTSでは、188バイトのTSパケットの先頭または最後尾に、4バイトのタイムコード(同期バイト)を付加して伝送している。現行の放送システムから新しい放送システムに移行する際においても、また、新しい放送システムに完全に移行した後においても、これと同様の運用が行われる可能性がある。
ISO/IEC 23008−1 Information technology−High efficiency coding and media deliverry in heterogeneous environments−Part 1:MPEG Media Transport(MMT)、2013年11月 「地上デジタルテレビジョン放送運用規定 技術資料」、ARIB TR−B14、4.4版、社団法人電波産業会、平成23年3月
しかしながら、MMTで送信されたコンテンツを、従来のパーシャルTSとして記録する方法と同様の規定によって記録する場合、MMTPパケットを受信して、これを逆多重化し、MMTPパケットに含まれていたMPU(MP4ファイル)をそれぞれ1ファイルとして記録することになる。このような記録方法では、生成されるファイル数(MPU数)が複数になり、ファイルの管理が繁雑になる可能性がある。
そこで、MMTPパケットを逆多重化することなくそのまま記憶する方法が考えられるが、この場合、MMTPパケットには、現行のパーシャルTSのTSパケットのように同期バイトが埋め込まれていないため、MMTPパケット単位で単に記録しても、コンテンツ内の所望の位置から再生を開始するシーク再生などの特殊再生を行うことはできない。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るファイル生成装置は、MMT方式により送信される複数のMMTPパケットを受信して、該受信したMMTPパケットからデータファイルを生成するファイル生成装置であって、上記複数のMMTPパケットを取得する取得手段と、受信した順に上記複数のMMTPパケットを並べ、1つの上記データファイルを生成するファイル生成手段と、を備え、上記ファイル生成手段は、上記データファイルの途中に、再生開始位置の候補となる位置を示す、上記MMTPパケットと区別可能な挿入データを少なくとも1つ挿入する。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る再生装置は、MMT方式により送信される複数のMMTPパケットを含むデータファイルを逆多重化および復号化して再生する再生装置であって、上記データファイルの途中に再生開始位置の候補となる位置を示す、上記MMTPパケットと区別可能な挿入データを少なくとも1つ挿入されて成るデータファイルを取得するファイル取得手段と、取得した上記データファイルに挿入されている、上記挿入データの位置を該データファイルにおいて検索する検索手段と、を備え、上記検索手段が検索した、上記再生開始位置の候補となる位置を示す上記挿入データに対応する上記データファイルのMMTPパケットから再生を開始する。
本発明の一態様によれば、MMT方式で配信されたコンテンツを、1つのファイルとして生成し、管理することができる。また、記録したファイルを再生する際に、シーク再生などの特殊再生を行うことができる、という効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る録画再生装置の要部構成例を示すブロック図である。 本実施形態に係る録画再生装置が、受信したMMTPパケットから生成する録画データファイルの構成を概念的に示す図である。 再同期メッセージの構成の一例を示す図である。 録画データファイルを生成する処理の一例を示すフローチャートである。 録画データファイルに含まれる再同期メッセージを検索する処理の概略を、概念的に示す図である。 (a)は、録画データファイルに含まれる再同期メッセージを検索する処理の一例を示すフローチャートであり、(b)は、録画データファイルに含まれる再同期メッセージを検索する処理の、別の例を示すフローチャートである。 シーク再生の処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の別の一実施形態に係る録画再生装置の要部構成例を示すブロック図である。 図8の録画再生装置が、放送されたMMTPパケット列、およびIP通信ネットワークを介して送信されたMMTPパケット列を順次受信し、再同期メッセージパケットを受信したMMTPパケットに追加して、単一の録画データファイルを生成する様子を概念的に示す図である。 本発明の他の一実施形態に係るファイル生成装置および再生装置の要部構成例を示すブロック図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(録画再生装置100の構成)
まず、本実施形態に係るファイル生成装置10および再生装置30を備える録画再生装置100(テレビジョン受像機)の構成を図1に基づいて説明する。図1は、録画再生装置100の要部構成の一例を示すブロック図である。録画再生装置100は、放送波などを用いて多重化ストリームとして配信されるコンテンツを構成する音声データおよび画像データをMMTPパケットとして受信して記録したり、コンテンツを再生したりする装置である。録画再生装置100は、図示のようにファイル生成装置10、蓄積部20、および再生装置30を備えている。
ファイル生成装置10は、MMT方式により送信される複数のMMTPパケットを受信して、該受信したMMTPパケットから録画データファイルを生成する装置であり、チューナ11(取得手段)、および再同期メッセージ挿入部15(ファイル生成手段)を備えている。
再生装置30は、MMT方式により送信される複数のMMTPパケットを含む録画データファイルを逆多重化および復号化して再生する再生装置であり、再同期メッセージ検索部35(検索手段、ファイル取得手段)、逆多重部36、オーディオデコーダ40、およびビデオデコーダ50を備えている。
チューナ11は、アンテナ(図示せず)に接続されており、放送局などから送信された放送波を、該アンテナを用いて受信する。録画再生装置100がこのアンテナを備えてもよいし、録画再生装置100に外付けされたアンテナであってもよい。チューナ11は、受信した受信信号を再同期メッセージ挿入部15に出力する。チューナ11が受信した受信信号には、MMT方式で配信(送信)されたコンテンツの各コンポーネント(音声データ、画像データなど)がMMTPパケットとして含まれている。チューナ11は、受信したMMTPパケットを再同期メッセージ挿入部15に出力する。
再同期メッセージ挿入部15は、受信した順に複数のMMTPパケットを並べ、1つの録画データファイル(データファイル)を生成する際に、録画データファイルの途中に、再生開始位置の候補となる位置を示す、MMTPパケットと区別可能な再同期メッセージパケット(挿入データ)を少なくとも1つ挿入する。言い換えれば、再同期メッセージ挿入部15は、録画データファイルにおいて、受信した順に並ぶ複数のMMTPパケットの間に、少なくとも1つの再同期メッセージパケットを挿入して、複数のMMTPパケットおよび再同期メッセージパケットを含む1つの録画データファイルを生成する。すなわち、再同期メッセージ挿入部15によって生成される録画データファイルの途中に挿入された再同期メッセージパケットは、シーク再生などの特殊再生を行う際の、再生開始位置の候補となる位置を示す。再同期メッセージパケットは、チューナ11が受信するMMTPパケットとは異なり、再同期メッセージ挿入部15が生成するメッセージパケットであり、再同期メッセージ(図2参照)を内包している。なお、再同期メッセージは、再同期メッセージパケットに含まれる、所定のパターンでデータの値が連続する領域である。なお、この再同期メッセージの構成については、後に説明する。
具体的には、再同期メッセージ挿入部15は、チューナ11が受信したコンテンツを構成する各コンポーネントのMMTPパケットを、各MMTPパケットが受信された時刻の順に取得する。再同期メッセージ挿入部15は、所定の時間間隔(例えば0.5秒間隔)で、あるいは、所定数のMMTPパケットを取得する毎に、再同期メッセージパケットRMを定期的に挿入して、1つの録画データファイルを生成する。具体的には、再同期メッセージ挿入部15は、次々と受信されるMMTPパケットにおいて、HEVC(映像コンポーネント)のIDR(Instantaneous Decorder Refresh)ピクチャーが出現する毎に、再同期メッセージパケットRMを挿入してもよい。また、再同期メッセージ挿入部15は、取得したMMTPパケットのうち、最も早い時刻に受信したMMTPパケットの前に再同期メッセージパケットRMを付加してもよい。なお、この再同期メッセージ挿入部15が録画データファイルに挿入する再同期メッセージパケットの構造、および録画データファイルを生成する処理については、後に説明する。
再同期メッセージ挿入部15は、生成中の録画データファイルが更新される度に、該録画データファイルを蓄積部20に格納してもよい。すなわち、蓄積部20の録画データファイルは、再同期メッセージ挿入部15がMMTPパケットを追加したり、再同期メッセージパケットを挿入したりする度に更新してもよい。これにより、リアルタイム再生の途中で、現時点の再生位置より以前に再生した位置を再生開始位置として指定する入力を受け付けた場合においても、該再生開始位置からの再生を開始することができる。このように、録画データファイルは、最後のMMTPパケットが追加されるまで、そのサイズが大きくなる可変長データファイルである。
また、再同期メッセージ挿入部15は、録画データファイルを再同期メッセージ検索部35に出力する。
再同期メッセージ検索部35は、再同期メッセージが挿入された録画データファイルを、再同期メッセージ挿入部15または蓄積部20から取得する。再同期メッセージ検索部35が取得する録画データファイルには、送信された順に並ぶ複数のMMTPパケットの間に、少なくとも1つの再同期メッセージパケットが挿入されている。再同期メッセージ検索部35は、この録画データファイルの任意の開始位置から、該録画データファイルに挿入された再同期メッセージパケット内に含まれる再同期メッセージに含まれる所定のパターンでデータの値が連続する領域(図3のresync_byte)を検索する。なお、再同期メッセージを検索する処理については、後に説明する。
逆多重部36は、多重化されたコンポーネントを逆多重化して、ビデオコンポーネントやオーディオコンポーネント等を得る。また、逆多重部36は、MMTパッケージ(MP)テーブルの解釈などの処理を行う。MPテーブルは、アセットのリストおよびそのネットワーク上の位置などパッケージの構成に関する情報を与える。逆多重部36において逆多重化された各コンポーネントのうち、音声データはオーディオデコーダ40に出力し、画像データはビデオデコーダ50に出力する。
オーディオデコーダ40は、逆多重部36から出力された音声データのMPUをデコードし、音声データをスピーカなどの出力装置(図示せず)に出力する。なお、スピーカなどの出力装置は、録画再生装置100に外付け可能な外部のスピーカであってもよいし、録画再生装置100が備える専用のスピーカであってもよい。
ビデオデコーダ50は、逆多重部36から出力された映像データのMPUをデコードし、映像データをディスプレイなどの表示装置(図示せず)に出力する。なお、ディスプレイは、録画再生装置100に外付けされた外部のディスプレイであってもよいし、録画再生装置100が備える専用のディスプレイであってもよい。
(録画データファイルの構成)
次に、再同期メッセージ挿入部15が、受信したMMTPパケット列に含まれるMMTPパケットから生成する録画データファイルの構成について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る録画再生装置が、受信したMMTPパケットから生成する録画データファイルの構成を概念的に示す図である。
放送されるコンテンツを構成する画像データ、および音声データがMMT方式によって送信される場合、図2に示すように、これらのデータがパケット化された、MMTP1、MMTP2、MMTP3、MMTPパケット4、MMTPパケット5・・・がMMTPパケット列として順次送信される。チューナ11は、これらのMMTPパケットを順次、受信する。
再同期メッセージ挿入部15は、受信した順にMMTPパケットを並べて、単一の録画データファイルを生成する。この単一の録画データファイルには、該録画データファイルの先頭、および、所定数のMMTPパケットが連続する毎に、再同期メッセージパケットRMが付加および挿入される。例えば、図2では、MMTPパケットが3つ連続する毎に再同期メッセージパケットRMが挿入される場合について図示している。この場合、生成される録画データファイルは、先頭から再同期メッセージパケットRM、MMTP1、MMTP2、MMTP3、再同期メッセージパケットRM、MMTP4、MMTP5、・・・という構成となる。なお、生成される録画データファイルにおいて、再同期メッセージパケットが挿入される間隔を、各MMTPパケットが送信あるいは受信された時刻に基づいて決定してもよい。
なお、録画データファイルに再同期メッセージパケットを挿入する間隔は任意に設定され得る。例えば、録画データファイル中に挿入されている再同期メッセージパケットの検索により、所望の位置から再生を開始することができるように、適切な間隔を選択すればよい。
(再同期メッセージパケットの構成情報)
続いて、再同期メッセージについて、図3を用いて説明する。図3は、再同期メッセージの構成の一例を示す図である。
再同期メッセージは、このメッセージが再同期メッセージであることを示すmessage_id;ReSync(再同期)メッセージのバージョン番号を書き込む領域であるversion;このフィールドより後に続くデータバイト数を書き込む領域であるlength;再同期メッセージの検索用の領域となるresync_byteRB(例えば、0xF0が連続して出現するなど、データの値が所定のパターンで連続する領域);resync_byteRBと他のデータとの境界を示すgurad_byteGB1およびGB2(例えば、0x00);この再同期メッセージの再同期メッセージパケットを挿入したときの時刻、または直後に続くMMTPパケットの先頭の表示時刻を示すタイムスタンプ(timestamp)を含んでいる。
このように、再同期メッセージは、同一の値(例えば、0xF0)のデータが連続するresync_byteRBを含んでいる。通常、MMTPパケットに多重化されているデータは、0x00〜0xFFまでの256種類の値を取り得るため、同一の値が連続して出現するような領域が存在する確率は低い。したがって、録画データファイル中に存在するresync_byteRBを、その連続する値を用いて検索することができる。なお、resync_byteRBとして利用可能な所定のパターンとしては、同一の値(例えば、0xF0)のデータが連続することに限定されず、MMTPパケットのデータと区別可能な如何なるパターンも利用することができる。
なお、ここで例示した再同期メッセージパケットは、タイムスタンプ(timestamp)を含んでいるが、timestampは再同期メッセージの必須の構成ではない。再同期メッセージにタイムスタンプが含まれていない場合、例えばMPUタイムスタンプ記述子を代用することが可能である。なお、MPUタイムスタンプは、MPUの先頭サンプルの提示時刻を提示するタイムスタンプである。MPUタイムスタンプ記述子は、MPUタイムスタンプ記述子を示すdiscriptor_tag(例えば、記述子タグ値0x0001);以後に続くデータバイト数を書き込む領域であるdescriptor_length;タイムスタンプを記述するMPUのシーケンス番号を示すmpu_sequence number;および、MPUの提示時刻を64ビットNTPタイムスタンプ形式で示すmpu_presentation_timeなどを含んでいる。
(再同期メッセージ挿入部15の処理)
次に、再同期メッセージ挿入部15が、録画データファイルを生成する処理の流れを、図2を参照しながら、図4を用いて説明する。図4は、録画データファイルを生成する処理の一例を示すフローチャートである。
チューナ11は、放送波を受信し、MMT方式によって送信されるMMTPパケット列の受信を開始する(S1:取得ステップ)。なお、ここでは、図2に示すように、このMMTPパケット列には、送信された時刻の順に、MMTP1、MMTP2、MMTP3、MMTP4、およびMMTP5が含まれている場合を例に挙げて説明する。
再同期メッセージ挿入部15は、最初に受信したMMTPパケット(MMTP1)の前(録画データファイルの先頭)に、再同期メッセージパケットRMを付加して録画データファイルを生成する(S2)。この際、先頭に付加される再同期メッセージパケットRMは、この再同期メッセージパケットRMを挿入したときの時刻、または直後に続くMMTPパケット(MMTP1)の先頭の表示時刻を示すタイムスタンプを含んでいる。
再同期メッセージ挿入部15は、再同期メッセージパケットRMとMMTP1とを含む録画データファイルに、MMTPパケット(MMTP2およびMMTP3)を、これらが受信された時刻順に追加する(S3)。再同期メッセージ挿入部15は、MMTPパケットの送信元を示す情報(IP/UDPヘッダ)を含む該MMTPパケットを、該情報を含む状態で並べ、1つの録画データファイルを生成してもよい。
次に、再同期メッセージ挿入部15は、再同期メッセージパケットを挿入するタイミングとなったか判定する。具体的には、再同期メッセージ挿入部15は、所定数(例えば、3つ)のMMTPパケットを連続して録画データファイルに追加したか判定する(S4)。ここで、追加していないと判定した場合(S4においてNO)、S3に戻り、受信したMMTPパケットを録画データファイルに追加する。一方、所定数(例えば、3つ)のMMTPパケットを連続して録画データファイルに追加したと判定した場合(S4においてYES)、S5に進む。
次に、S5では、録画データファイルに追加すべきMMTPパケットをさらに受信したか判定する。ここで、録画データファイルに追加すべきMMTPパケットをさらに受信していなければ(S5においてNO)、録画データファイルの生成を終了する。一方、録画データファイルに追加すべきMMTPパケットをさらに受信していれば(S5においてYES)、録画データファイルに次に追加するMMTPパケット(MMTP4)の前に、再同期メッセージパケットRMを挿入し(S6)、S3に戻り、MMTPパケット(MMTP4)を録画データファイルに追加する。
このように再同期メッセージ挿入部15は、受信したMMTPパケットに再同期メッセージパケットを挿入して、単一の録画データファイルを生成する(S2〜S6:ファイル生成ステップ)。この際、MMTPパケットは逆多重化されることなく、パケットのままで連結された録画データファイルが生成される。
MMTPパケットを逆多重化せずに、MMTPパケットのまま用いて1つの録画データファイルを生成することにより、従来のTSパケットで運用されているように、1つのコンテンツに対して1つの録画データファイルとして管理することができる。
(再同期メッセージの検索)
以下では、録画データファイルの任意の位置から再同期メッセージを検索する方法について、図5および図6の(a)を用いて説明する。図5は、録画データファイルに含まれる再同期メッセージを検索する処理の概略を、概念的に示す図であり、図6の(a)は、録画データファイルに含まれる再同期メッセージを検索する処理の一例を示すフローチャートである。
再同期メッセージの検索は、録画再生装置100がシーク再生などの特殊再生を行う際に、再同期メッセージ検索部35が行う処理である。録画再生装置100がシーク再生を行う場合には、再同期メッセージ検索部35が、再生を開始する位置(時刻)に最も近い再同期メッセージを検索し、当該再同期メッセージを含む再同期メッセージパケットの次に続くMMTPパケットから再生を開始する。なお、録画データファイルを通常再生する場合、録画データファイルに含まれるMMTPパケットを順に読み出して再生すればよく、挿入された再同期メッセージパケットはこの通常再生には影響しない。
図5は、再同期メッセージに含まれるresync_byteRBの値は0xF0であり、そのデータの長さ(先頭位置Yと終端位置Zの間のデータの長さ)はNバイトである場合を図示している。またデータの値0xF0が連続する領域を網掛けで表現している。すなわち、検索開始位置P1のデータの値は0xF0ではなく、検索開始位置P2のデータの値は0xF0である。
まず、再同期メッセージ検索部35は、録画データファイルを取得して、検索開始位置を決定する(S11:ファイル取得ステップ)。検索開始位置とは、録画データファイルの先頭であってもよいし、現在の再生位置であってもよい。なお、再生開始位置を受け付けた(ユーザによるシーク再生の指示が入力された)ときなどに、検索開始位置が決定される。
次に、再同期メッセージ検索部35は、検索開始位置のデータが、再同期メッセージに含まれるデータと同じ値M(例えば、0xF0)であるか否かを判定する(S12)。図5の検索開始位置P1のように、検索開始位置のデータの値がM(例えば、0xF0)ではない場合(S12においてNO)、検索開始位置(検索開始位置P1)から、再同期メッセージのデータの長さ(Nバイト)だけ後方へ移動し、そこを検索開始位置(検索開始位置P11)として(S18)、S12に戻る。
一方、図5の検索開始位置P2のように、検索開始位置のデータの値がM(例えば、0xF0)である場合(S12においてYES)、検索開始位置(検索開始位置P2)のデータを再同期メッセージ候補とする(S13)。
S13において再同期メッセージ候補とされたデータから後方に、値がMであるデータが連続する長さL1を求め(S14)、再同期メッセージ候補とされたデータから前方に、値がMであるデータが連続する長さL2(再同期メッセージ候補のデータを含む)を求める(S15)。なお、このS14およびS15は同時に実行してもよいし、S15を先に実行してもよい。
図5の検索開始位置P2(再同期メッセージ候補)のように、長さL1と長さL2との合計がNバイトではない場合(S16においてNO)、検索開始位置(検索開始位置P2)から、再同期メッセージのデータの長さ(Nバイト)だけ後方へ移動し、そこを検索開始位置(検索開始位置P21)として(S18)、S12に戻る。
以上のように、S12〜S16およびS18の処理を繰り返すことにより、長さL1と長さL2との合計がNバイトとなる位置を探索する。そして、検索開始位置P21のように、長さL1と長さL2との合計(すなわち位置Yと位置Zとの間のデータの長さ)がNバイトとなったときに(S16においてYES)、その再同期メッセージ候補が再同期メッセージに属すると特定することができる。よって、このときの検索開始位置(再同期メッセージ候補)を再同期メッセージとして決定する(S17)。
このように、録画データファイルの任意の位置を検索開始位置として検索を行い(S12〜S18:検索ステップ)、該録画データファイルに含まれている再同期メッセージを検索して、その位置を特定することができる。
(シーク再生)
再同期メッセージは、定期的に録画データファイル中に挿入されているため、所望の位置を再生開始位置として指定される場合(例えば、シーク再生)においても、任意の検索開始位置から、該指定された再生開始位置に隣接するMMTPパケットを特定することができる。
次に、録画データファイル中に挿入されている再同期メッセージの検索を利用して、シーク再生を行う処理について、図7を用いて説明する。図7は、シーク再生の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、再生開始時刻の受付を行い、ユーザが録画データファイルのどの時刻(位置)からの再生を所望しているか、に関する指示を受け付ける(S21)。
再同期メッセージ検索部35は、受け付けた再生開始時刻と現在の再生時刻との差分、録画データファイル内の現在の再生位置、およびコンテンツを伝送するビットレートに基づいて、録画データファイルにおける移動量を推定する(S22)。コンテンツを伝送するビットレートを用いれば、受け付けた再生開始時刻と現在の再生時刻との差分から、録画データファイル内において何ビット分の移動(移動量)が必要か、を概算することができる。
次に、再同期メッセージ検索部35は、現在の再生位置から、S22で推定した移動量だけ移動した位置を、再同期メッセージの検索開始位置として、再同期メッセージを検索する(S23)。
ここで、S23における検索によって検出された再同期メッセージを含む再同期メッセージパケットに記載されたタイムスタンプと、S21において受け付けた再生開始時刻との差分が、所定の値(例えば、1秒)より大きい場合(S24においてNO)、現在の再生時刻、および録画データファイル内の再生位置を、再同期メッセージに記載されたタイムスタンプに合わせて更新し(S26)、S22に戻る。
一方、S23における検索によって決定された再同期メッセージを含む再同期メッセージパケットに記載されたタイムスタンプと、S21において受け付けた再生開始時刻との差分が、上記所定の値以下である場合(S24においてYES)、その再同期メッセージを含む再同期メッセージパケットの次に続くMMTPパケットから再生を開始する(S25:再生ステップ)。
(再同期メッセージの検索の高速化)
図7に示すシーク再生などの特殊再生を円滑に行うために、図6の(a)に示す再同期メッセージの検索に要する時間は、できるだけ短縮することが望ましい。ここでは、再同期メッセージの検索処理を高速化するために有効な手段について、具体例(1)〜(3)を挙げて説明する。なお、以下の(1)および(2)は、図6の(a)のS11およびS12の処理に対応する変形例であり、(3)は図6の(a)のS13以降の処理に対応する変形例である。下記の(1)〜(3)を適宜組み合わせて、再同期メッセージを検索することもできる。
(1)例えば、100Mbpsのコンテンツに0.5秒間隔で再同期メッセージを挿入した場合について考える。再同期メッセージのサイズをN=64バイトとすれば、すべての再同期メッセージを検索するためには、図6の(a)のS12の処理を約98000(100000000×0.5/(8×64))回繰り返すことが要求される。しかし、再同期メッセージのサイズを、再同期メッセージパケットのサイズがMMTPパケットの最大長と同じとなるまで大きくした場合、図6の(a)のS12の処理を約98(100000000×0.5/(8×64000))回行えば、このコンテンツ中のすべての再同期メッセージの検索が完了する。
このように、再同期メッセージのサイズNを、MMTPパケットとして許容可能な最大長に等しい長さまで、できるだけ大きくすることにより、必要な検索回数を少なくすることができる。なお、100Mbpsのコンテンツに対して、0.5秒間隔で、Nが約64000バイトの再同期メッセージを挿入した場合におけるオーバーヘッドは、約1%((8×64000/0.5)/100000000)と見積もることができる。
なお、図3に示すように、再同期メッセージパケットには、再同期メッセージ以外の構成が含まれているため、Nは64000バイトより少し小さい値となるが、上記の計算ではN=64000と近似した。
(2)例えば、MMTで伝送されるデータのほとんどは、HEVCで可変長符号化されたデータで占められ、各データの値は0x00(16進数の0)〜0xFF(16進数の255)のいずれかであり、これらの値の発生確率はほぼ均等と考えられる。
例えば、図6の(a)のS13の処理では、検索開始位置の1バイトのデータの値が0xF0であるか否かを検索する。この場合、誤検出が発生する確率は約1/256である。一方、図6の(a)のS13の処理を、検索開始位置の4バイトを纏めて検索する(すなわち、0xF0F0F0F0か否かを検索対象とする)場合、誤検出が発生する確率は(1/256)まで低減する。このように複数バイトを纏めて検索することにより、図6の(a)のS13の再同期メッセージ候補の誤検出、およびそれに伴う不要な、図6の(a)のS13〜S16の処理の実行回数を低減させることができる。
(3)例えば、0xF0がNバイト連続することを確認する(図6の(a)のS13〜S15)代わりに、データを離散的に検索してもよい。このような検索方法について、図6の(b)を用いて説明する。図6の(b)は、録画データファイルに含まれる再同期メッセージを検索する処理の、別の例を示すフローチャートである。なお、説明の便宜上、図6の(a)にて説明した工程と同様の工程については、同じ符号を付記し、その説明を適宜省略する。
S12において、再同期メッセージ検索部35は、検索開始位置のデータを含む連続するデータが、再同期メッセージと同じ値M(例えば、0xF0)であるか否かを判定する。検索開始位置のデータを含む連続するデータの値がMではない場合(S12においてNO)、S18に進む。
S13において、検索開始位置のデータを含む連続するデータの値がMである場合、該検索開始位置のデータを再同期メッセージ候補とする。
S14aにおいて、再同期メッセージ候補から、(N/2)バイト(再同期メッセージのサイズの半分)を初期ステップ幅とする2分探索法を用いて、終端位置を特定する。
S15aにおいて、特定された終端位置に対応する先頭位置として推定される位置(S14aで求めた終端位置から(N−1)バイト前方)のデータの値がMか否かを判定する。
先頭位置として推定されたデータの値がM以外の場合(S15aにおいてNO)は、当該領域は再同期メッセージではないと判定する。そして、S14aで特定した終端位置から、再同期メッセージのデータの長さ(Nバイト)だけ後方へ移動した位置を、検索開始位置として(S18a)、S12以降の処理を繰り返す。
一方、先頭位置として推定されたデータの値がMの場合(S15aにおいてYES)、先頭位置として推定されたデータから後ろに連続する所定数Cのデータの値がMであれば(S16aにおいてYES)、先頭位置と終端位置とにはさまれた当該領域は再同期メッセージであると決定する(S17)。先頭位置として推定されたデータから後ろに連続する、値Mのデータが、所定数Cより少ない場合は(S16aにおいてNO)、S18aに進む。
なお、所定数Cは検索速度と検索エラーの低減とを考慮して適宜設定すればよい。例えば、上記(2)に上記(3)を組み合わせる場合、S12において決定される再同期メッセージ候補として、例えば4バイトのデータの値がMであることが確認されている。したがって、S16aにおいて、先頭位置として推定されたデータ以後の4バイトのデータに値が連続してMであることが確認された場合(所定数C=4)、再同期メッセージ候補のデータと合わせて8バイト分のデータの値がMであることになる。このように、再同期メッセージ全体にわたって検索するよりも少ない検索回数で再生開始位置の候補となる位置と決定することができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図8および図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(録画再生装置150の構成)
まず、本実施形態に係るファイル生成装置10aおよび再生装置30aを備える録画再生装置150(テレビジョン受像機)の構成を図8に基づいて説明する。図8は、本発明の別の一実施形態に係る録画再生装置150の要部構成例を示すブロック図である。
録画再生装置150は、放送波とIP通信ネットワークとの双方を用いて多重化ストリームとして配信されるコンテンツを構成する音声データおよび画像データをMMTPパケットとして受信して記録したり、コンテンツを再生したりする装置である。録画再生装置150は、図示のようにファイル生成装置10a、蓄積部20、および再生装置30aを備えている。ファイル生成装置10aは、チューナ11(取得手段)、受信部12(取得手段)、および再同期メッセージ挿入部15(ファイル生成手段)を備え、再生装置30は、再同期メッセージ検索部35(検索手段、ファイル取得手段)、逆多重部36、オーディオデコーダ40、およびビデオデコーダ50を備えている。
受信部12は、IP通信ネットワークなどを介して送信されるMMTPパケットを受信する。受信したMMTPパケットは、再同期メッセージ挿入部15に出力する。
再同期メッセージ挿入部15は、チューナ11から取得したMMTPパケットと、受信部12から取得したMMTPパケットを取得し、これらのMMTPパケットから1つの録画データファイルを生成する。この際、再同期メッセージ挿入部15は、所定の時間間隔で、あるいは、所定数のMMTPパケットを取得する毎に、再同期メッセージパケットRMを定期的に挿入して、1つの録画データファイルを生成する。
(録画データファイルの構成)
次に、録画再生装置150の再同期メッセージ挿入部15が生成する録画データファイルの構成について、図9を用いて説明する。図9は、図8の録画再生装置150が、放送されたMMTPパケット列1、およびIP通信ネットワークを介して送信されたMMTPパケット列2を受信し、再同期メッセージパケットを、受信したMMTPパケットに追加して、単一の録画データファイルを生成する様子を概念的に示す図である。
放送されるコンテンツを構成する画像データおよび音声データが放送波によって送信される場合、図9に示すように、MMTP1−1、MMTP1−2、MMTP1−3、MMTPパケット1−4、MMTPパケット1−5・・・がMMTPパケット列1として順次送信される。チューナ11は、これらのMMTPパケットを順次、受信する。
一方、コンテンツを構成するデータが、IP通信ネットワークを介して送信される場合、MMTP2−1、MMTP2−2、MMTP2−3、MMTPパケット2−4、MMTPパケット2−5・・・がMMTPパケット列2として順次送信される。受信部12は、これらのMMTPパケットを順次、受信する。
各MMTPパケットには送信時刻の情報が付与されている。再同期メッセージ挿入部15は、送信された順にMMTPパケットを並べて、単一の録画データファイルを生成する。この単一の録画データファイルには、該録画データファイルの先頭、および、所定数のMMTPパケットが連続する毎に、再同期メッセージパケットRMが付加および挿入される。
例えば、図9では、MMTPパケットが4つ連続する毎に再同期メッセージパケットRMが挿入される場合について図示している。この場合、生成される録画データファイルは、先頭から再同期メッセージパケットRM、MMTP1−1、MMTP2−1、MMTP1−2、MMTP2−2、再同期メッセージパケットRM、MMTP1−3、MMTP2−3、・・・という構成となる。なお、生成される録画データファイルにおいて、再同期メッセージパケットが挿入される間隔を、各MMTPパケットが送信された時刻に基づいて決定してもよい。
(IPマルチキャストにより送信されるMMTPパケットからの録画データファイルの生成および再生)
録画再生装置150のファイル生成装置10aは、MMTPパケット列1およびMMTPパケット列2を送信時刻順に、順次チューナ11および受信部12(通信I/F)にて受信し、図9に示すように、単一の録画データファイルを生成する。MMTPパケットの送信に用いられたすべてのIPフローがIPマルチキャストで配信される場合、ファイル生成装置10aは、各MMTPパケットのIP/UDPヘッダを全て記録する。このヘッダには、MMTPパケットの送信元を示す情報(アドレスなど)が含まれている。なお、再同期メッセージ挿入部15が、定期的に挿入する再同期メッセージパケットのIP/UDPヘッダは、メインIPフローのものを利用する。
これにより、録画データファイルを再生する場合、再生装置30aは、各MMTPパケットに記録されたIP/UDPヘッダを参照して、各パケットの送信に用いられたIPフローを特定して、再生処理を行うことができる。なお、再生装置30aが、録画データファイルにおいてシーク再生を行う動作は、前述の実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
ファイル生成装置10aが、単一の録画データファイルを生成する際に、複数の送信元からMMTPパケットおよび該MMTPパケットで構成されるコンテンツを再生するために参照されるPAメッセージ(制御メッセージ)を取得することが可能であり、再同期メッセージ挿入部15aは、データファイルを構成する各MMTPパケットを再生することができるように、このPAメッセージを書き換えてもよい。例えば、PA(Package Access)メッセージは、すべてのテーブルを含むことが可能なメッセージであり、MMT制御メッセージのエントリーポイントとなる。PAメッセージには、MPテーブルの中のアセットの情報、アセットの送信元を示す情報が書かれている。
PAメッセージの書き換えを行うことにより、すべてのアセットが単一のIPフローを用いて送信された場合と同様に扱うことができるため、MMTPパケットの送信に用いられたすべてのIPフローがIPマルチキャストで配信される場合に限定されることなく適用することができる。なお、再生装置30aが、録画データファイルにおいてシーク再生を行う動作は、前述の実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
〔実施形態3〕
本発明のファイル生成装置10または10aと、再生装置30または30aとの両方を備える録画再生装置100および150について説明したが、例えば、録画再生装置100を、ファイル生成装置と再生装置とが独立した装置として構成されていてもよい。そして、ファイル生成装置と再生装置とは、無線によって通信可能に接続されていてもよいし、有線によって通信可能に接続されてもよい。
以下では、互いに独立したファイル生成装置200と再生装置300とが、無線通信ネットワーク400によって通信可能に接続されている実施形態について、図10に基づいて説明する。図10は、本発明の他の一実施形態に係るファイル生成装置200および再生装置300の要部構成例を示すブロック図である。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
ファイル生成装置200は、チューナ11a(取得手段)、受信部12a(取得手段)、再同期メッセージ挿入部15(ファイル生成手段)、および送信部18aを備えている。再生装置300は、受信部31a(ファイル取得手段)、再同期メッセージ検索部35a(検索手段、ファイル取得手段)、逆多重部36a、オーディオデコーダ40a、およびビデオデコーダ50aを備えている。
送信部18aは、再同期メッセージ挿入部15aが生成した録画データファイルを取得して、無線通信ネットワーク400を介して再生装置300へと送信する通信I/Fである。
受信部31aは、無線通信ネットワーク400を介して送信される録画データファイルを受信する通信I/Fであり、受信部31aが受信した録画データファイルは再同期メッセージ検索部35aへと出力される。
なお、無線通信ネットワーク400は、例えば、宅内ネットワークであってもよく、この場合、ファイル生成装置200は、受信したMMTPパケットから生成した録画データファイルを宅内の再生装置300に転送することができる。
一般に、Ethernet(登録商標)/WiFi(登録商標)などで用いられるMTU(Maximum Transmission Unit)は1500バイトである。このMTUは、伝送可能なパケットの最大サイズを表す。4K・8K放送などの超高精細度テレビジョン放送による高画質サービス、多機能、および多様で柔軟なサービスを実現するためには、このMTU=1500バイトを超えるサイズ(長さ)のパケットが伝送可能なMMTの運用が望ましい、と考えられている。パケットサイズを大きくすることにより、オーバーヘッドも低減される。すなわち、MMTPパケットは、1500バイトよりも大きい、例えば、最大64KBでの運用が検討されている。
ここで、上述のように、一般の宅内での通信に利用されているEthernet(登録商標)/WiFi(登録商標)などで用いられるMTUは1500バイトであるため、MMTPパケットをそのまま転送できない。そのため、MMTPパケットを構築して送信する必要がある。しかし、特有の方式で暗号化されたMMTPパケットの再構築は容易ではない。
そこで、本実施形態では、録画データファイルを、送信可能なサイズ(例えば、1500バイト)に切り分けて転送する。転送される録画データファイルには一定間隔(例えば、0.5秒間隔)で再同期メッセージが挿入されているので、仮に転送の際に送信エラーが生じて、データに欠失が生じた場合においても、再同期メッセージの検索を用いて、該欠失したデータの位置を的確に決定し、当該欠失したデータを補完する処理を行うことが可能である、という効果も奏する。
〔変形例〕
無線通信ネットワーク400上に、ファイル生成装置200が生成した録画データファイルを格納して管理するサーバ(図示せず)を備えてもよい。この場合、ファイル生成装置200の再同期メッセージ挿入部15は、生成中の録画データファイルが更新される度に、該録画データファイルをこのサーバに格納する。
また、再生装置300は、過去に生成された所望の録画データファイルを指定して該サーバに要求することにより、該サーバから録画データファイルを随時ダウンロードして再生することができる。なお、録画データファイルを格納する蓄積部(図示せず)を、再生装置300が備える構成でもよい。
〔集積回路・ソフトウェアによる実現例〕
録画再生装置100、ファイル生成装置200、および再生装置300の制御ブロック(特に再同期メッセージ挿入部15および15a、再同期メッセージ検索部35および35a、および逆多重部36および36a)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、録画再生装置100、ファイル生成装置200、および再生装置300は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るファイル生成装置(10、10a、200)は、MMT方式により送信される複数のMMTPパケットを受信して、該受信したMMTPパケットからデータファイルを生成するファイル生成装置であって、上記複数のMMTPパケットを取得する取得手段(チューナ11、11a、受信部12、12a)と、受信した順に上記複数のMMTPパケットを並べ、1つの上記データファイルを生成するファイル生成手段(再同期メッセージ挿入部15、15a)と、を備え、上記ファイル生成手段は、上記データファイルの途中に、再生開始位置の候補となる位置を示す、上記MMTPパケットと区別可能な挿入データを少なくとも1つ挿入する。
上記の構成によれば、MMT方式により送信されるMMTPパケットを受信して、送信された順に複数のMMTPパケットを並べ、データファイルの途中に再生開始位置の候補となる位置を示す、上記MMTPパケットと区別可能な挿入データを少なくとも1つ挿入して、1つのデータファイルを生成する。このように、受信したMMTPパケットを逆多重化せずに、MMTPパケットのまま用いて、1つのデータファイルを生成することにより、1つのコンテンツを1つのデータファイルとして管理することができる。
また、上記のように生成されたデータファイルには、再生開始位置の候補となる位置を示す、上記MMTPパケットと区別可能な少なくとも1つの挿入データが挿入されており、この挿入データの位置を検索できるようになっている。これにより、データファイルの先頭とは異なる位置からの再生を、再生装置に行わせることが可能となる。
さらに、データファイルに挿入する挿入データの数を増やすことにより、データファイルの所望の位置から再生を開始するシーク再生などの特殊再生を、再生装置に行わせることが可能となる。
本発明の態様2に係るファイル生成装置は、上記態様1において、上記ファイル生成手段は、データの値が所定のパターンで連続する領域を含む上記挿入データを、上記データファイルに挿入してもよい。
上記の構成によれば、データの値が所定のパターンで連続する領域を含む挿入データをデータファイルに挿入する。これにより、再生開始位置の候補となる位置を示す挿入データは、受信したMMTPパケットと容易に区別可能となる。すなわち、所定のパターンを手掛かりとして利用することにより、データファイルに挿入されている挿入データの位置を容易に検出することができる。
本発明の態様3に係るファイル生成装置は、上記態様1または2において、上記ファイル生成手段は、上記MMTPパケットの送信元を示す情報を含む当該MMTPパケットを、該情報を含む状態で並べ、1つの上記データファイルを生成してもよい。
上記の構成によれば、データファイルには、MMTPパケットの送信元を示す情報が含まれる。これにより、データファイルに含まれるMMTPパケットの送信元を含む取得し、送信元を示す情報を含む当該MMTPパケットが該情報を含む状態で記録した場合に、当該MMTPパケットをその送信元に応じて適切に再生することが可能になる。
本発明の態様4に係るファイル生成装置は、上記態様1または2において、上記取得手段は、複数の送信元から上記MMTPパケットおよび該MMTPパケットで構成されるコンテンツを再生するために参照される制御メッセージを取得することが可能であり、上記ファイル生成手段は、上記制御メッセージを、上記データファイルを構成する各MMTPパケットを再生することができるように書き換えてもよい。
このように、制御メッセージの書き換えを行うことにより、複数の送信元から受信したMMTPパケットを、同じ送信元から送信されたものとして扱うことができる。よって、送信元が異なるMMTPパケットを含むデータファイルを、適切に再生させることができる。
本発明の態様5に係るファイル生成装置は、上記態様1から4において、上記ファイル生成手段は、上記MMTPパケットとして許容可能な最大長に等しい長さの挿入データを、上記データファイルの途中に挿入してもよい。
このように、挿入データの長さを最大長に等しい長さにすることにより、挿入データの検索に必要な検索回数を少なくすることができる。
本発明の態様6に係る再生装置(30、30a、300)は、MMT方式により送信される複数のMMTPパケットを含むデータファイルを逆多重化および復号化して再生する再生装置であって、上記データファイルの途中に再生開始位置の候補となる位置を示す、上記MMTPパケットと区別可能な挿入データを少なくとも1つ挿入されて成るデータファイルを取得するファイル取得手段(再同期メッセージ検索部35、受信部31a)と、取得した上記データファイルに挿入されている、上記挿入データの位置を該データファイルにおいて検索する検索手段(再同期メッセージ検索部35、35a)と、を備え、上記検索手段が検索した、上記再生開始位置の候補となる位置を示す上記挿入データに対応する上記データファイルのMMTPパケットから再生する。
上記の構成によれば、少なくとも1つの挿入データが挿入されているデータファイルを取得して、挿入データを検索し、再生開始位置の候補となる位置を示す挿入データに対応するMMTPパケットから再生する。これにより、データファイルの先頭とは異なる位置からの再生を行うことができる。
さらに、データファイルに挿入された挿入データの数が多い場合には、データファイルの所望の位置から再生を開始するシーク再生などの特殊再生を行うことが可能である。
本発明の態様7に係る再生装置は、上記態様6において、上記データファイルに挿入された上記挿入データは、データの値が所定のパターンで連続する領域を含み、上記検索手段は、上記データファイルの複数のデータを纏めて検索対象とし、該複数のデータの値が上記所定のパターンと一致する場合に、該複数のデータを含む挿入データを、上記再生開始位置の候補となる位置と決定してもよい。
上記の構成によれば、複数のデータを纏めて検索して、所定のパターンで連続する領域と一致する場合に、再生開始位置の候補となる位置を決定する。これにより、必要な検索回数を少なくすることができる。
本発明の態様8に係る再生装置は、上記態様6または7において、上記データファイルに挿入された上記挿入データは、データの値が所定のパターンで連続する領域を含み、上記検索手段は、上記再生開始位置の候補となる位置を示す上記挿入データに含まれる所定数以上のデータの値が、上記所定のパターンと一致する場合に、該複数のデータを含む挿入データを、上記再生開始位置の候補となる位置と決定してもよい。
上記の構成によれば、挿入データに含まれる所定数以上のデータの値が、所定のパターンと一致する場合に、該複数のデータを含む挿入データを、再生開始位置の候補となる位置と決定する。これにより、挿入データ全体にわたって検索するよりも少ない検索回数で再生開始位置の候補となる位置と決定することができる。
本発明の態様9に係るテレビジョン受像機は、上記態様1から5のいずれかに記載のファイル生成装置を備えてもよい。
本発明の態様10に係るファイル生成装置の制御方法は、MMT方式により送信される複数のMMTPパケットを受信して、該受信したMMTPパケットからデータファイルを生成するファイル生成装置の制御方法であって、上記複数のMMTPパケットを取得する取得ステップと、受信した順に上記複数のMMTPパケットを並べ、上記データファイルの途中に再生開始位置の候補となる位置を示す、上記MMTPパケットと区別可能な挿入データを少なくとも1つ挿入して、1つの上記データファイルを生成するファイル生成ステップと、を含む。
上記の構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
本発明の態様11に係る再生装置の制御方法は、MMT方式により送信される複数のMMTPパケットを含むデータファイルを逆多重化および復号化して再生する再生装置の制御方法であって、上記データファイルの途中に再生開始位置の候補となる位置を示す、上記MMTPパケットと区別可能な挿入データを少なくとも1つ挿入されて成るデータファイルを取得するファイル取得ステップと、取得した上記データファイルに挿入されている、上記挿入データの位置を該データファイルにおいて検索する検索ステップと、上記検索ステップにおいて検索した、上記再生開始位置の候補となる位置を示す上記挿入データに対応する上記データファイルのMMTPパケットから再生を開始する再生ステップと、を含む。
上記の構成によれば、態様6と同様の効果を奏する。
本発明の各態様に係るファイル生成装置、再生装置、および録画再生装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記ファイル生成装置、上記再生装置、および上記録画再生装置が備える各手段として動作させることにより上記ファイル生成装置、上記再生装置、および上記録画再生装置をコンピュータにて実現させる上記ファイル生成装置、上記再生装置、および上記録画再生装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、ハイブリッド伝送されるコンテンツの記録、および再生に好適に利用することができる。
10、10a、200 ファイル生成装置
11、11a チューナ(取得手段)
12、12a 受信部(取得手段)
15、15a 再同期メッセージ挿入部(ファイル生成手段)
30、30a、300 再生装置
35、35a 再同期メッセージ検索部(検索手段、ファイル取得手段)
31a 受信部(ファイル取得手段)
100 録画再生装置(ファイル生成装置、再生装置、テレビジョン受像機)
150 録画再生装置(ファイル生成装置、再生装置、テレビジョン受像機)
S1 取得ステップ
S2〜S6 ファイル生成ステップ
S11 ファイル取得ステップ
S12〜S18 検索ステップ
S25 再生ステップ

Claims (5)

  1. MMT方式により送信される複数のMMTPパケットを受信して、該受信したMMTPパケットからデータファイルを生成するファイル生成装置であって、
    上記複数のMMTPパケットを取得する取得手段と、
    受信した順に上記複数のMMTPパケットを並べ、1つの上記データファイルを生成するファイル生成手段と、を備え、
    上記ファイル生成手段は、上記データファイルの途中に、再生開始位置の候補となる位置を示す、上記MMTPパケットと区別可能な挿入データを少なくとも1つ挿入する
    ことを特徴とするファイル生成装置。
  2. 上記ファイル生成手段は、データの値が所定のパターンで連続する領域を含む上記挿入データを、上記データファイルに挿入する
    ことを特徴とする請求項1に記載のファイル生成装置。
  3. 上記取得手段は、複数の送信元から上記MMTPパケットを取得することが可能であり、
    上記ファイル生成手段は、上記MMTPパケットの送信元を示す情報を含む当該MMTPパケットを、該情報を含む状態で並べ、1つの上記データファイルを生成する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のファイル生成装置。
  4. 上記取得手段は、複数の送信元から上記MMTPパケットおよび該MMTPパケットで構成されるコンテンツを再生するために参照される制御メッセージを取得することが可能であり、
    上記ファイル生成手段は、上記制御メッセージを、上記データファイルを構成する各MMTPパケットを再生することができるように書き換える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のファイル生成装置。
  5. MMT方式により送信される複数のMMTPパケットを含むデータファイルを逆多重化および復号化して再生する再生装置であって、
    上記データファイルの途中に再生開始位置の候補となる位置を示す、上記MMTPパケットと区別可能な挿入データを少なくとも1つ挿入されて成るデータファイルを取得するファイル取得手段と、
    取得した上記データファイルに挿入されている、上記挿入データの位置を該データファイルにおいて検索する検索手段と、
    を備え、
    上記検索手段が検索した、上記再生開始位置の候補となる位置を示す上記挿入データに対応する上記データファイルのMMTPパケットから再生する
    ことを特徴とする再生装置。
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