JP2006311508A - データ伝送システムとその送信側装置及び受信側装置 - Google Patents

Abstract

【課題】既存の技術・装置を利用してフレーム／フィールド精度を保証した高速なデータ伝送を可能とする。
【解決手段】送信側装置Ｔは、ＳＤＩデータ挿入処理装置Ｔ３で、ＳＤＩ方式のフレーム構造の映像ストリームデータ格納のための映像格納領域に映像ストリームデータとＭＰＥＧデータを選択的に挿入し、データ種類を示す識別ＩＤをヘッダ情報に含めてＳＤＩデータを生成し、送信インターフェース装置Ｔ４からＳＤＩデータを同軸ケーブルＣに送信する。受信側装置Ｒは、同軸ケーブルＣを介して伝送されるＳＤＩデータを受信インターフェース装置Ｒ１で受信し、ＳＤＩデータ抽出処理装置Ｒ２で受信ＳＤＩデータの映像格納領域から被伝送データを抽出し、当該被伝送データが映像ストリームデータかＭＰＥＧデータかを判別して出力する。このように、既存の技術・装置を利用してフレーム／フィールド精度を保証した高速なＭＰＥＧデータ伝送を可能とする。
【選択図】 図１

Description

本発明は、例えば映像処理システムで、フレーム／フィールド精度のデータ伝送を可能とするデータ伝送システムに関する。

通常、映像ストリームデータを取り扱う映像処理システムでは、フレーム／フィールド精度での動作精度が要求され、ＳＤＩ（Serial Digital Interfaceの略、日本ではＳＭＰＴＥ−２５９Ｍ仕様）方式あるいはＨＤ（High-Definition）−ＳＤＩ（日本ではＳＭＰＴＥ−２９２Ｍ仕様）方式に準拠するようになされている。一方、データ圧縮伝送技術の発達により、映像ストリームデータをＭＰＥＧ（Moving Picture Exports Group）データのようにデータ圧縮された状態で伝送することが多くなってきている。

しかしながら、従来の一般的なデータ通信方法では、時刻を保証した通信は困難であり、また時間精度を保証した通信を実現しようとする際は特別な装置が必要となる。この結果、必要なデータが間に合わなくなる問題や、特別な通信ルートの確保とその通信装置の導入によるコスト増加の問題が生じている。

例えば、ＭＰＥＧデータを送信する際は、ＴＣＰ／ＩＰ方式でデータを送信することが多いが、この方式は通信の時間保証を行えない方式であり、この問題を解決するには受信側にバッファを設けるしかない。結果、時間の遅延が発生し管理が複雑になっていく。

尚、本発明に関連する従来のデータ伝送方法及び装置は、特許文献１，２に記載されている。
特開２００４−１６６０５９号公報 特開２００２−３６９２１９号公報

以上述べたように、一般的なデータ通信方法では、時刻を保証した通信は困難であり、また時間精度を保証した通信を実現しようとする際は特別な装置が必要となるため、フレーム／フィールド精度での動作精度が要求されるデータ伝送システムでは、必要なデータが間に合わなくなる問題や、特別な通信ルートの確保とその通信装置の導入によるコスト増加の問題が生じている。

本発明は、上記の問題を解決し、既存の技術・装置を利用してフレーム／フィールド精度を保証した高速なデータ伝送を可能とするデータ伝送システムとその送信側装置及び受信側装置を提供することを目的とする。

上記の目的を達成するために、本発明は、映像ストリームデータを伝送するためのＳＤＩ方式またはＨＤ−ＳＤＩ方式を採用する装置間で伝送路を介して前記映像ストリームデータ以外に情報データを選択的に伝送するデータ伝送システムであって、送信側装置は、前記ＳＤＩ方式またはＨＤ−ＳＤＩ方式のフレーム構造の映像ストリームデータを格納するための映像格納領域に前記情報データを選択的に挿入してＳＤＩデータを生成するデータ挿入手段と、前記ＳＤＩデータを前記伝送路に送信する送信手段とを備え、受信側装置は、前記伝送路を介して伝送されるＳＤＩデータを受信する受信手段と、前記ＳＤＩデータの映像格納領域から被伝送データを抽出し、当該被伝送データが映像ストリームデータか前記情報データを判別して選択的に切替出力するデータ抽出手段とを備えることを特徴とする。

上記構成のシステムによれば、映像ストリームデータを伝送するためのＳＤＩ方式またはＨＤ−ＳＤＩ方式を採用する既存の装置間を伝送路を介して接続し、送信側装置でＳＤＩ方式またはＨＤ−ＳＤＩ方式のフレーム構造の映像ストリームデータを格納するためのデータ格納領域に情報データを選択的に挿入してＳＤＩデータを生成し、受信側装置でＳＤＩデータを受け取ってデータ格納領域中から被伝送データを抽出し、その種別を判別するようにしている。

したがって、本発明によれば、既存の技術・装置を利用してフレーム／フィールド精度を保証した高速なデータ伝送を可能とするデータ伝送システムとその送信側装置及び受信側装置を提供することができる。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。

前述のように、通常、映像データを取り扱う映像処理システムでは、フレーム／フィールド精度での動作精度が要求されるため、ＳＤＩ方式あるいはＨＤ−ＳＤＩ方式（以下、ＳＤＩ方式と称する）を採用している。このような既存の映像処理システム間で、例えばＭＰＥＧデータをフレーム／フィールド精度で伝送する要求があった場合、従来では、ＭＰＥＧデータをいったんデコードし、ストリームの状態でＳＤＩ方式の伝送フォーマットに乗せて伝送するか、ＴＣＰ／ＩＰによる別の通信回線を用意し、双方で遅延時間を確保してデータを伝送する手法をとっている。前者は伝送時にデコード処理が入るため、画像劣化が生じる問題があり、後者は別の通信回線を確保するため、コスト的に問題がある。そこで、本発明は、ＳＤＩ方式の伝送フレームを規定するフォーマット構造に着目し、伝送データを画像ストリームデータに見せかけて伝送することを特徴とする。

図１は、本発明に係るＳＤＩ方式を採用するデータ伝送システムの構成を示すブロック図である。送信側装置Ｔは、映像ストリームデータ（以下、映像データと称する）を入力する映像データ入力装置Ｔ１とＭＰＥＧデータ等の情報データ（以下、ＭＰＥＧデータで総称する）を入力するＭＰＥＧデータ入力装置Ｔ２を備える。それぞれの入力装置Ｔ１，Ｔ２の入力データはＳＤＩデータ挿入処理装置Ｔ３に送られてＳＤＩ伝送フレームに映像／ＭＰＥＧ識別情報と共に挿入される。このようにして得られたＳＤＩデータは、Ｄ／Ａ変換を含む送信インターフェース（Ｉ／Ｆ）装置Ｔ４でアナログ信号に変換されて、同軸ケーブルＣを通じて伝送される。

一方、受信側装置Ｒでは、Ａ／Ｄ変換を含む受信インターフェース装置Ｒ１により、同軸ケーブルＣからアナログ信号によるＳＤＩデータを取り込んでデジタル信号に変換し、ＳＤＩデータ抽出処理装置Ｒ２に入力する。このＳＤＩデータ抽出処理装置Ｒ２は、入力ＳＤＩデータの伝送フレームから映像／ＭＰＥＧ識別情報及び伝送データを抽出し、識別情報が映像の場合には抽出データを映像データ出力装置Ｒ３に出力し、ＭＰＥＧデータの場合には抽出データをＭＰＥＧデータ出力装置Ｒ４に出力する。

ここで、上記ＳＤＩ伝送フレームの伝送フォーマット構造について図２を参照して簡単に説明する。図２はＨＤ−ＳＤＩ方式による伝送フレームの伝送フォーマットの構造を示している（但し、Ｙデータ系列のみ）。このＨＤ−ＳＤＩ伝送フォーマットでは、７４ＭＨｚで１０bit×２の情報が送られるものとし、第９ラインから第２０ライン、第５７１ラインから第５８３ラインの０から１９１９ワードまでの補助データ領域と、第２１ラインから第５６０ライン、第５８４ラインから第１１２３ラインの０から１９１９ワードまでの有効映像領域（ペイロード）を備える。通常、有効映像領域には映像データが乗せられるが、ここではこの領域に８bit×２のＭＰＥＧデータをのせて、ＭＰＥＧデータを映像データとして取り扱うこととする。このように、伝送しようとするＭＰＥＧデータを映像データとして取り扱うことにより、映像の同期管理システムを利用した１Ｇｂｐｓを超える高速なデータ伝送を実現することができる。

ここで、ＭＰＥＧデータを伝送するための第１の具体例としては、補助データ領域に、有効映像領域にＭＰＥＧデータがのせられていることを示す識別ＩＤを含めたパケットを挿入し、有効映像領域にＭＰＥＧデータをのせる。第２の具体例としては、補助データ領域には何も入れず、有効映像領域の先頭部分に、ＭＰＥＧデータであることを示す識別ＩＤを含めたパケットをヘッダとして挿入し、それ以降の有効映像領域にＭＰＥＧデータをのせる。いずれの具体例による方法でも、受信側装置では識別ＩＤパケットによって有効映像領域には映像データではなくＭＰＥＧデータがのせられていることをＭＰＥＧデータの受信前に判別することができるので、以後の処理をデータの種別に応じて容易に切り替えることができる。

尚、従来のＳＤＩ映像データ伝送に影響を与えないために、各上位の２bitは“０１”で固定とする（映像データでの禁止ワードを回避するため）。また、回線状況が劣悪な場合を想定し、リードソロモン訂正符号などを使用してデータの信頼性の向上を図る。

図３は上記ＳＤＩ伝送フォーマットを利用した、ＳＤＩデータ挿入処理装置Ｔ３の具体的な処理の流れを示すフローチャートである。まず、データ入力の有無を監視して（ステップＳＴ１）、データ入力があった場合には、映像・ＭＰＥＧのどちらかを判別し、その判別結果に基づいて識別ＩＤを発行し、伝送データのヘッダに挿入する（ステップＳＴ２）。次に、ヘッダを画像データ伝送用のペイロード（有効映像領域）先頭に挿入し、続いて入力された伝送データを順に挿入する（ステップＳＴ４）。最後に、誤り訂正符号を付加してＳＤＩデータとして出力する（ステップＳＴ５）。

図４は図３に示したＳＤＩデータ挿入処理装置Ｔ３に対応するＳＤＩデータ抽出処理装置Ｒ２の具体的な処理の流れを示すフローチャートである。まず、ＳＤＩデータの入力を監視して（ステップＳＲ１）、データ入力があった場合には、誤り訂正復号化処理を行い（ステップＳＲ２）、ＳＤＩフォーマットの画像データ伝送用のペイロード（有効映像領域）の先頭に位置するヘッダから識別ＩＤを読み出し参照して後に続くデータが映像データかＭＰＥＧデータかを判別し（ステップＳＲ３）、映像データの場合には映像データ出力装置Ｒ３に、ＭＰＥＧデータの場合にはＭＰＥＧデータ出力装置Ｒ４にそれぞれ類別して出力する（ステップＳＲ４）。

以上の構成によれば、映像データの高速伝送を可能とするＳＤＩ方式を採用して、ＳＤＩ伝送フレームの伝送フォーマットの映像データ伝送用ペイロードにて、伝送データが映像データかＭＰＥＧデータかを識別ＩＤで通知しつつ、映像データとＭＰＥＧデータとを選択的に伝送することができる。

図５は、本発明の運用例として、入力２回線、出力２回線を選択的に切替制御するシステム構成を示すブロック図である。図５において、ＴＡ，ＴＢはそれぞれ図１に示した送信側装置Ｔに相当するものであり、ＲＡ，ＲＢはそれぞれ図１に示した受信側装置Ｒに相当するものである。ＳＷは、送信側装置ＴＡ，ＴＢの出力系統を受信側装置ＲＡ，ＲＢの入力系統に選択的に切替接続する回線マトリクス装置である。

このシステム構成では、送信側装置ＴＡ，ＴＢのＳＤＩデータ挿入装置、受信側装置ＲＡ，ＲＢのＳＤＩデータ抽出装置以外は一般的な映像を取り扱うシステムで用いられている機器であり、回線マトリクス装置ＳＷの切替制御によって自由な経路でのデータ伝送を実現させている。

以上、説明したように本実施形態によれば、映像を取り扱うシステムを始めとし、フィールド精度が要求するシステムやＳＤＩ方式を利用したシステムにおいて、既存のＳＤＩシステムをそのまま流用した、特殊な通信システムや、通信維持のためのバッファの無い、容易かつ高速なデータ伝送を実現することができる。

尚、上記実施形態では、ＭＰＥＧデータを伝送する場合を説明したが、本発明はデータの種類に限定されるものではない。また、本発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。

本発明に係るＳＤＩ方式を採用するデータ伝送システムの構成を示すブロック図。 ＨＤ−ＳＤＩ方式による伝送フレームの伝送フォーマット構造を示す図。 上記ＳＤＩ伝送フォーマットを利用した、ＳＤＩデータ挿入処理装置の具体的な処理の流れを示すフローチャート。 上記ＳＤＩ伝送フォーマットを利用した、ＳＤＩデータ抽出処理装置の具体的な処理の流れを示すフローチャート。 本発明の運用例として、入力２回線、出力２回線を選択的に切替制御するシステム構成を示すブロック図。

符号の説明

Ｔ…送信側装置、
Ｔ１…映像データ入力装置、
Ｔ２…ＭＰＥＧデータ入力装置、
Ｔ３…ＳＤＩデータ挿入処理装置、
Ｔ４…送信インターフェース装置、
Ｃ…同軸ケーブル、
Ｒ…受信側装置、
Ｒ１…受信インターフェース装置、
Ｒ２…ＳＤＩデータ抽出処理装置、
Ｒ３…映像データ出力装置、
Ｒ４…ＭＰＥＧデータ出力装置、
ＴＡ，ＴＢ…送信側装置、
ＲＡ，ＲＢ…受信側装置、
ＳＷ…回線マトリクス装置。

Claims (10)

1. 映像ストリームデータを伝送するためのＳＤＩ（Serial Digital Interface）方式またはＨＤ（High-Definition）−ＳＤＩ方式を採用する装置間で伝送路を介して前記映像ストリームデータ以外に情報データを選択的に伝送するデータ伝送システムであって、
   送信側装置は、前記ＳＤＩ方式またはＨＤ−ＳＤＩ方式のフレーム構造の映像ストリームデータを格納するための映像格納領域に前記情報データを選択的に挿入してＳＤＩデータを生成するデータ挿入手段と、前記ＳＤＩデータを前記伝送路に送信する送信手段とを備え、
   受信側装置は、前記伝送路を介して伝送されるＳＤＩデータを受信する受信手段と、前記ＳＤＩデータの映像格納領域から被伝送データを抽出し、当該被伝送データが映像ストリームデータか前記情報データを判別し選択的に切替出力するデータ抽出手段とを備えるデータ伝送システム。
2. 前記データ挿入手段は、被伝送データが前記映像ストリームデータかそれ以外の情報データかを示す識別情報を生成し、被伝送データを前記映像格納領域に格納する際に前記識別情報を前記被伝送データのヘッダに付加し、
   前記データ抽出手段は、前記ＳＤＩデータの前記映像格納領域からデータ抽出を行う際に、前記ヘッダ中の識別情報から被伝送データの種類を判別する請求項１記載のデータ伝送システム。
3. 前記データ挿入手段は、被伝送データが前記映像ストリームデータかそれ以外の情報データかを示す識別情報を生成し、前記被伝送データを前記映像格納領域に格納する際に前記識別情報を前記映像格納領域とは別に用意される補助データ領域に格納し、
   前記データ抽出手段は、前記ＳＤＩデータの前記映像格納領域からデータ抽出を行う際に、前記補助データ領域中の識別情報から被伝送データの種類を判別する請求項１記載のデータ伝送システム。
4. 映像ストリームデータを伝送するためのＳＤＩ（Serial Digital Interface）方式またはＨＤ（High-Definition）−ＳＤＩ方式を採用する装置間で伝送路を介して前記映像ストリームデータ以外に情報データを選択的に伝送するデータ伝送システムの送信側装置であって、
   前記ＳＤＩ方式またはＨＤ−ＳＤＩ方式のフレーム構造の映像ストリームデータを格納するための映像格納領域に前記情報データを選択的に挿入してＳＤＩデータを生成するデータ挿入手段と、
   前記ＳＤＩデータを前記伝送路に送信する送信手段と
   を具備するデータ伝送システムの送信側装置。
5. 前記データ挿入手段は、被伝送データが前記映像ストリームデータかそれ以外の情報データかを示す識別情報を生成し、被伝送データを前記映像格納領域に格納する際に前記識別情報を前記被伝送データのヘッダに付加する請求項４記載のデータ伝送システムの送信側装置。
6. 前記データ挿入手段は、被伝送データが前記映像ストリームデータかそれ以外の情報データかを示す識別情報を生成し、前記被伝送データを前記映像格納領域に格納する際に前記識別情報を前記映像格納領域とは別に用意される補助データ領域に格納する請求項４記載のデータ伝送システムの送信側装置。
7. 映像ストリームデータを伝送するためのＳＤＩ（Serial Digital Interface）方式またはＨＤ（High-Definition）−ＳＤＩ方式を採用する装置間で伝送路を介して前記映像ストリームデータ以外に情報データを選択的に伝送するデータ伝送システムの受信側装置であって、送信側装置から、前記ＳＤＩ方式またはＨＤ−ＳＤＩ方式のフレーム構造の映像ストリームデータを格納するための映像格納領域に前記情報データを選択的に挿入して生成されたＳＤＩデータが前記伝送路に送信されるとき、
   前記伝送路を介して伝送されるＳＤＩデータを受信する受信手段と、
   前記ＳＤＩデータの映像格納領域から被伝送データを抽出し、当該被伝送データが映像ストリームデータか前記情報データを判別して選択的に切替出力するデータ抽出手段と
   を具備するデータ伝送システムの受信側装置。
8. 前記送信側装置で、被伝送データが前記映像ストリームデータかそれ以外の情報データかを示す識別情報を生成し、被伝送データを前記映像格納領域に格納する際に前記識別情報を前記被伝送データのヘッダに付加しているとき、
   前記データ抽出手段は、前記ＳＤＩデータの前記映像格納領域からデータ抽出を行う際に、前記ヘッダ中の識別情報から被伝送データの種類を判別する請求項７記載のデータ伝送システムの受信側装置。
9. 前記送信側装置で、被伝送データが前記映像ストリームデータかそれ以外の情報データかを示す識別情報を生成し、前記被伝送データを前記映像格納領域に格納する際に前記識別情報を前記映像格納領域とは別に用意される補助データ領域に格納しているとき、
   前記データ抽出手段は、前記ＳＤＩデータの前記映像格納領域からデータ抽出を行う際に、前記補助データ領域中の識別情報から被伝送データの種類を判別する請求項７記載のデータ伝送システムの受信側装置。
10. 前記送信側装置、前記受信側装置の少なくともいずれかが複数個あるとき、前記伝送路に配置され、送信側装置と受信側装置を任意に選択接続する回線マトリクス装置を備える請求項１記載のデータ伝送システム。

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