JP2016162691A - ガス遮断器 - Google Patents

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吉野 智之
Tomoyuki Yoshino
智之 吉野
周也 真島
Shuya Majima
周也 真島
新海 健
Takeshi Shinkai
健 新海
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Abstract

【課題】電気的及び機械的な強度を保ったまま、熱ガスの排気効率を高めて電流遮断性能を向上させ、また操作機構の操作力の低減及び遮断の高応答性を実現するガス遮断器を提供する。
【解決手段】ガス遮断器は、可動接点部2と接続され、操作機構8の動力を可動接点部2に伝達して可動接点部2を駆動させる絶縁ロッド25を備えている。絶縁ロッド25は、表面を耐熱性の絶縁被覆層25bで包み込んで成る。可動接点部2と対抗接点部1との間に発弧したアーク9に吹き付けられた消弧性ガスの排気路となる可動側ガス流路62には、この絶縁ロッド25の周囲が一部組み入れられる。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電力系統において電流遮断を行うガス遮断器に関する。
電力系統において、事故電流を含む電流開閉のためにガス遮断器が使用されている。図4に示すように、ガス遮断器は、密閉容器105内に可動接点部102と対向接点部101を対向配置し、操作機構108を動力源として可動接点部102を対向接点部101から機械的に切り離す。遮断過程では、可動接点部102と対向接点部101との間にアーク9が発弧する。密閉容器105には、消弧性ガスが充填されており、パッファ室126の容積減少に伴う蓄圧によって消弧性ガスをアーク9に吹き付け、電流零点で消弧する。
可動接点部102は、密閉容器105内に固定された可動側支持部104に嵌め込まれて摺動可能となっている。可動側支持部104は、カバーとベースと絶縁筒を連ねて成る。可動接点部102は、操作ロッド123をコアとして構成され、操作ロッド123を操作機構108によって押し引きすることにより、可動接点部102を追従させて対向接点部101から接離させる。
電流遮断後には、可動接点部102と対向接点部101との間には、電力系統回路の過渡現象により発生する過渡回復電圧が印加される。密閉容器105及び操作機構108は接地電位であるため、可動接点部102と対向接点部101との間には高い電位差が発生する。この電位差に耐えるため、操作ロッド123と操作機構108との間には、絶縁ロッド125が取り付けられ、電気的な絶縁が図られている。そのため、絶縁ロッド125は、繊維強化プラスチック等、機械的強度の高く、軽量な絶縁材で構成されていることが望ましい。
アーク9で熱せられた消弧性ガスやアーク9により発生したガスは、高温の熱ガスとなる。熱ガスは、可動接点部102と対向接点部101の内部に形成されたガス流路162を通って、密閉容器105に拡散する。ガス流路162内に絶縁ロッド125が存在すると、絶縁ロッド125が熱ガスに晒されることになる。絶縁ロッド125が熱により変質し、機械的、電気的な強度が落ちると、ガス遮断器に不具合が生じる虞がある。
そこで、従来は、可動側支持部104からガイド100を可動接点部102の表面に降ろし、ガイド100によってガス流路162と絶縁ロッド125の存在空間を隔離し、ガイド100の手前に可動側支持部104から密閉容器105内へ抜ける貫通口104aを設けるようにしていた(例えば特許文献1参照)。また、操作ロッド123と絶縁ロッド125との間には、連結ロッド124を介在させ、可動接点部102の移動の際には、連結ロッド124の表面とガイド100の先端とが接触するようにしていた。ガイド100と操作ロッド123又は絶縁ロッド125が摺らないようにし、操作ロッド123又は絶縁ロッド125がガイド100により損耗して電気的、機械的に劣化することを防止するためである。すなわち、連結ロッド124の長さは、可動接点部102の移動距離超を必要とする。
特開2013−222494号公報
絶縁ロッド125をガイド100によってガス流路162から隔離すると、可動接点部102におけるガス流路162は、操作ロッド123内、操作ロッド123及び連結ロッド124の外周面とピストン支え144との間に画成される空間164に限定される。この限られた空間内では熱ガスを十分に冷却できず、排気効率は低下し電流遮断性能にも悪影響を及ぼす虞がある。
一方、熱ガスを十分に冷却するために、絶縁ロッド125が存在する空間165もガス流路162として開放しようとすると、絶縁ロッド125を繊維強化プラスチック等、機械的強度の高く、軽量な絶縁材で構成すると、絶縁ロッド125が熱により変質し、機械的、電気的に劣化してしまう。絶縁ロッド125を鉄やステンレス等を含む耐熱性に優れる構成とすると、可動部分の大重量化が生じ、操作機構108の操作力が大きくなり、また可動接点部102の応答性が低くなってしまう。
本実施形態に係るガス遮断器は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電気的及び機械的な強度を保ったまま、熱ガスの排気効率を高めて電流遮断性能を向上させ、また操作機構の操作力の低減及び遮断の高応答性を実現するガス遮断器を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本実施形態のガス遮断器は、操作機構を動力源として電流の遮断と投入を機械的に切り替えるガス遮断器であって、消弧性ガスを充填した密閉容器と、前記密閉容器内に対向配置され、導体を含んで成り、相対的に接離可能な第1の接点部及び第2の接点部と、前記第1の接点部と接続され、前記操作機構の動力を前記第1の接点部に伝達して前記第1の接点部を駆動させる絶縁ロッドと、前記第1の接点部と前記第2の接点部の開離によって生じるアーク放電に消弧性ガスを吹き付ける吹き付け手段と、前記絶縁ロッドの周囲を一部経路に含み、アーク放電に吹き付けられた消弧性ガスの排気路となるガス流路と、を備え、前記絶縁ロッドは、少なくとも前記ガス流路を画成する表面に耐熱性の絶縁被覆層を有すること、を特徴とする。
第1の実施形態に係るガス遮断器の全体構成を示す断面図である。 第2の実施形態に係るガス遮断器の可動接点部側の拡大断面図である。 第3の実施形態に係るガス遮断器の絶縁ロッドの拡大断面図である。 従来のガス遮断器の断面図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るガス遮断器について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本実施形態のガス遮断器の全体構成を示す断面図である。
ガス遮断器は、密閉容器5に外部から導体7aと導体7bを引き込み、導体7aと導体7bの間に対向接点部1と可動接点部2を相対させて備える。密閉容器5には、消弧性ガスが充填される。消弧性ガスは、絶縁性能及び消弧性能に優れ、例えば六フッ化硫黄ガス(SFガス)である。密閉容器5内には、対向側支持部3が固定されている。導体7aは対向側支持部3に接続されている。対向接点部1は、導体7aと接続された対向側支持部3に固定される。また、密閉容器5内には、可動側支持部4が固定されている。導体7bは可動側支持部4に接続されている。可動接点部2は、導体7bと接続された可動側支持部4に嵌め込まれ、対向接点部1と接離する方向に摺動可能となっている。
ガス遮断器において、導体7a、対向側支持部3及び対向接点部1が一連に接続されて片側の電路が形成され、導体7b、可動側支持部4及び可動接点部2が一連に接続されて他方の電路が形成される。ガス遮断器は、対向接点部1に対して可動接点部2を接触及び離反させることで導体7a側と導体7b側の電路を開閉し、電流を機械的に導通及び遮断する。可動接点部2は、連結ロッド24を介して絶縁ロッド25と接続されている。絶縁ロッド25はバネ式や油圧式等の動力源である操作機構8に接続されている。可動接点部2は、操作機構8による絶縁ロッド25の押し引きに従動して、連結ロッド24を介して対向接点部1に対して接離する。
電流遮断過程では、対向接点部1と可動接点部2との間にアーク9が発弧する。可動接点部2には、対向接点部1からの離反に連動して容積を減少させるパッファ室26が蓄圧手段として設けられている。また、パッファ室26からは、アーク9の発生空間を囲む絶縁ノズル27が延びている。これらパッファ室26及び絶縁ノズル27は、消弧性ガスをアーク9に吹き付ける吹き付け手段となる。すなわち、パッファ室26は、容積減少によって消弧性ガスを蓄圧し、絶縁ノズル27は、パッファ室26から噴出する消弧性ガスをアーク9に向けて整流及び案内し、消弧性ガスをアーク9に吹き付けて電流ゼロ点で消弧させる。
対向接点部1と可動接点部2には、それぞれ内部から密閉容器5内へ連通する対向側ガス流路61と可動側ガス流路62が形成されており、アーク9に吹き付けられて熱せられた消弧性ガスが、この対向側ガス流路61と可動側ガス流路62を通じて対向接点部1と可動接点部2を出て密閉容器5内に拡散する。
このガス遮断器は、円筒を主体とする部材によって組み立てられており、各部材は中心軸を一致させて密閉容器5内に配置されている。以下では、各部材の位置関係及び方向を説明するのに、対向接点部1及び対向側支持部3の各部材において可動接点部2に向かう方向を可動側、その反対を反可動側と呼び、可動接点部2及び可動側支持部4の各部材において対向接点部1に向かう方向を対向側、その反対を反対向側と呼ぶ。
対向接点部1を固定する対向側支持部3は、両端が開口した中空円筒形状の導体である。対向側支持部3の内壁面には、棒状又は板状の部材である支持板31が中心軸に向けて突き出るように固定されている。対向接点部1は、対向通電接触子11及び対向アーク接触子12により構成されている。対向通電接触子11は、円筒形状を有する両端開口の導体であり、対向側支持部3の可動側の端面に立設され、可動側へ筒を延出させている。この対向通電接触子11は、可動側の開口縁が内部に膨出している。対向アーク接触子12は、一端が丸みを帯びた中実の円柱状の導体である。この対向アーク接触子12は、支持板31に接続され、丸みを帯びた一端を可動側へ向けて中心軸上を延びている。
可動接点部2が挿通される可動側支持部4は、対向側から反対向側へ同径のカバー41、ベース42及び絶縁筒43を軸方向に連接して1つの筒になる。導体7bはベース42に接続されている。可動接点部2は、カバー41側から嵌め込まれて、カバー41から対向側へ突出している。カバー41は対向側の端部が内側へ膨出しており、この膨出部分で可動接点部2を支持している。カバー41及びベース42は導体であり、可動接点部2及び導体7bと電気的に接続されている。
可動接点部2は、中心軸上に操作ロッド23が芯として配置される。操作ロッド23の反対向側には、操作ロッド23と同径で短尺の連結ロッド24が同軸上に連接されている。連結ロッド24は、可動接点部2の移動距離よりも短い。連結ロッド24の反対向側には、操作機構8の動力を伝達する長尺の絶縁ロッド25がリンク24bを介して接続されている。絶縁ロッド25は、操作ロッド23と連結ロッド24よりも若干小径で同軸上に配置される。操作ロッド23、連結ロッド24及び絶縁ロッド25は、可動側支持部4の内部に軸に沿って延びている。
可動側接点部4は、操作ロッド23の一回り外周に、バウムクーヘン状の空間であるパッファ室26を備える。操作ロッド23の対向側端面には、可動アーク接触子22を備える。可動アーク接触子22を包囲するように、パッファ室26の対向側端面から対向側に向けて延設された絶縁ノズル27を備える。更に、絶縁ノズル27の一回り外周には、パッファ室26の対向側端面から対向側に向けて延設された可動通電接触子21を備える。
可動接点部2の芯である操作ロッド23は、対向側が開口した中空の筒である。操作ロッド23の反対向側端部は中実の連結ロッド24によって塞がれている。操作ロッド23の周面には、操作ロッド23の内部と外部とを連通する貫通口23aが形成されている。貫通口23aは、操作ロッド23と連結ロッド24の境界に形成されている。連結ロッド24の対向側端部は、対向側にテーパ面24aが形成されており、操作ロッド23の内部に突き出ている。
絶縁ロッド25は、芯材25aの表面を耐熱性の絶縁被覆層25bで包んで成る。芯材25aは機械的強度の高く、軽量の絶縁材で成り、例えば繊維強化プラスチックである。耐熱性の絶縁被覆層25bは、例えばテフロン(登録商標)とも略されるポリテトラフルオロエチレンであり、カバーとして形成されて芯材25aに被さり、又は芯材25aに塗布若しくは蒸着等の方法により膜を形成してコーティングされる。
操作ロッド23の対向側端部から続く可動アーク接触子22は、両端が開口した円筒形状を有する導体である。可動アーク接触子22の対向側開口縁は内部に膨出し、その膨出位置の内径は対向アーク接触子12の外径と一致する。可動アーク接触子22は、操作ロッド23の中心軸に沿った対向側への移動により、対向アーク接触子12に向けて移動し、対向アーク接触子12が可動アーク接触子22の開口に差し込まれることで互いに接触し、導通できる状態となる。また、可動アーク接触子22は、操作ロッド23の中心軸に沿った反対向側への移動により、対向アーク接触子12から離れる方向に移動し、対向アーク接触子12が可動アーク接触子22から引き抜かれることで互いに開離する。開離によってアーク9が発弧する。
なお、可動アーク接触子22の先端は円周方向に分割され、指状電極となっている場合もある。その場合、可動アーク接触子22は可撓性を有し、可動アーク接触子22の開口縁の内径は、対向アーク接触子12の外径より若干小さくされてすぼめられている。対向アーク接触子12が可動アーク接触子22の開口に差し込まれることで互いに接触し、導通できる状態となる。
操作ロッド23の周りに位置するパッファ室26は、操作ロッド23と連動するシリンダ26aと位置不動のピストン26bから構成されている。シリンダ26aは、孔あき有底のコップ形状を有する導体であり、有底端面を対向側に向けて、側面が操作ロッド23を取り囲むように中心軸に沿って反対向側に延びている。シリンダ26aは、孔と操作ロッド23を同軸にし、操作ロッド23の対向側端面と面一にして連結される。シリンダ26aの有底端面に有する孔は、操作ロッド23よりも一回り大きい。すなわち、操作ロッド23の周りにシリンダ26a内外を繋ぐ連通口26cが形成されている。
ピストン26bは、中心が開口したドーナツ形状の円盤である。可動側支持部4の内面からは、ピストン支え44が延びており、ピストン26bは、このピストン支え44によって位置が固定されている。ピストン26bは、シリンダ26aの有底端面と反対向側へ離れて対面設置される。開口を操作ロッド23が挿通することで、中心軸と直交平面を有する。ピストン26bの外径はシリンダ26aの内径と略一致し、ピストン26bはシリンダ26aに嵌め込まれる。このピストン26bは、操作ロッド23が最も対向側に移動した際の貫通口23aの位置よりも対向側に固定される。
ピストン支え44は、操作ロッド23、連結ロッド24及び絶縁ロッド25よりも大径であり、シリンダ26aよりも小径の筒である。ピストン支え44は、反対向側に反対向側開口44aを有し、反対向側開口44aから筒外方に拡がる裾44bを有する。ピストン支え44は、操作ロッド23、連結ロッド24及び絶縁ロッド25の外表面と距離を隔てて、反対向側へ延び、裾44bでベース42に固定されている。
パッファ室26は、操作ロッド23の外周面、シリンダ26aの内周面及びピストン26bで画成される。シリンダ26aは、操作ロッド23の反対向側へ向けた移動に連動して有底端面をピストン26bに近づけるように移動し、パッファ室26の容積を減少させる。パッファ室26内は蓄圧され、やがて連通口26cから消弧性ガスをアーク9に向けて噴出させる。
可動アーク接触子22を覆う絶縁ノズル27は、シリンダ26aの連通口26cの外周りから筒を対向側へ延ばすように立設される。この絶縁ノズル27は、U字とV字の互いの屈曲部を重ね合わせた内部空間を有し、コンバージェントノズルとダイバージェントノズルとを組み合わせたラバールノズルとなっている。すなわち、絶縁ノズル27は、途中に内側へ膨出した最小内径部分であるスロート部分を有する。
絶縁ノズル27の一回り外周の可動通電接触子21は、端面が開口した円筒形状の導体である。可動通電接触子21は、シリンダ26aの有底端面から対向側に向けて立設される。この可動通電接触子21は、対向通電接触子11と向かい合わせにされる。可動通電接触子21の外径は、対向通電接触子11の内部に膨出した開口縁部分の内径と一致している。対向通電接触子11の開口に可動通電接触子21が差し込まれることで、対向通電接触子11の内面と可動通電接触子21の外面とが接触し、電気的に導通状態となる。対向通電接触子11の開口から可動通電接触子21が引き抜かれることで、対向通電接触子11と可動通電接触子21が開離する。
尚、対向通電接触子11と可動通電接触子21よりも、対向アーク接触子12と可動アーク接触子22の方が深く差し込まれ、対向通電接触子11と可動通電接触子21が先に開離することで、対向アーク接触子12と可動アーク接触子22との間にアーク9の発弧が引き受けられ、消弧性ガスの吹き付けにより、電流零点で消弧に至り、電流遮断となる。
(作用)
このガス遮断器の動作及び作用は次の通りである。まず、通電状態では、対向通電接触子11と可動通電接触子21、対向アーク接触子12と可動アーク接触子22とがそれぞれ接触していることにより、導体7a、対向側支持部3及び対向接点部1で形成される電路と、可動側接点部2、可動側支持部4及び導体7bで形成される電路とが接続されている。
線路の地絡故障や線間短絡故障が生じ、ガス遮断器に対して開極指令が入力されると、ガス遮断器は、対向接点部1と可動接点部2を開離させ、電流を遮断する。具体的には、絶縁ロッド25は、操作機構8の駆動により、中心軸に沿って反対向側へ引かれる。
このとき、絶縁ロッド25は、機械的強度が高く、軽量の繊維強化プラスチック等であるため、操作機構8が必要とする操作力は、鉄やステンレス等で構成される場合と比べて小さく、絶縁ロッド25の移動は高応答である。また、このガス遮断器では、絶縁ロッド25への熱ガスの移動を妨げる従来のガイド100が必要なく、従って連結ロッド24も排除乃至は短くでき、操作機構8の操作力低減と移動の高応答性がもたらされている。
可動接点部2の操作ロッド23は、連結ロッド24を介して絶縁ロッド25の引き込みに追従して対向接点部1から引き離される。操作ロッド23をコアとする可動接点部2も連動して、対向接点部1から引き離され、対向通電接触子11と可動通電接触子21とが開離する。このとき、操作ロッド23に連結しているシリンダ26aは、その有底部が位置固定のピストン26bに対して接近する。そのため、パッファ室26の容積は減少し、パッファ室26内の消弧性ガスは蓄圧される。
遮断動作が更に進行し、対向アーク接触子12と可動アーク接触子22とが開離すると、対向アーク接触子12と可動アーク接触子22との間にはアーク9が発弧する。更に遮断動作が進行し、対向アーク接触子12と可動アーク接触子22間の距離が十分開き、かつパッファ室26が十分蓄圧すると、パッファ室26内の消弧性ガスが連通口26cを通って絶縁ノズル27内に噴出する。
噴流となった消弧性ガスは、絶縁ノズル27と可動アーク接触子22との間をガス供給路として、アーク9に向けて案内され、アーク9に強力に吹き付けられる。そして、アーク放電は、電流零点を迎えたときに、強力な消弧性ガスの吹き付けと相俟って消弧に至る。これによりガス遮断器の電流遮断は完了する。
この電流遮断動作の過程において、アーク9に吹き付けられた消弧性ガス及びアーク9から発生したガスは、高温の熱ガスとして可動接点部2側と対向接点部1側に分流して排出される。対向接点部1側の排気において、絶縁ノズル27から出た熱ガスは、対向側支持部3内で十分に冷却された後、密閉容器5に拡散する。
可動接点部2側では、操作ロッド内流路63、貫通口23a、ピストン支え44の内周面と操作ロッド23の外周面とで囲まれるピストン支え内流路64、及びピストン支え44の開口から出て、ベース42及び絶縁筒43の内周面と絶縁ロッド25の外周面とで囲まれる絶縁ロッド外流路65が一連の可動側ガス流路62として機能する。熱ガスは、アーク9の発生空間から当該可動側ガス流路62を流れて、冷却されつつ可動接点部2外に排出され、密閉容器5に放散される。
すなわち、アーク9で発生した熱ガスは、対向側端部から可動アーク接触子22の内部に入り、操作ロッド内流路63へ抜けていく。操作ロッド内流路63を流れる熱ガスは、絶縁ロッド25のテーパ面24aにガイドされて、貫通口23aからピストン支え内流路64に入る。ピストン支え内流路64を流れる熱ガスは、ピストン支え44の反対向側にある反対向側開口44aから抜けて、ベース42及び絶縁筒43の内周面と絶縁ロッド25の外周面とで囲まれる絶縁ロッド外流路65に入る。この絶縁ロッド外流路65で熱ガスは十分に冷却される。
絶縁ロッド外流路65では、絶縁ロッド25が熱ガスに晒されることになる。絶縁ロッド25は、繊維強化プラスチック等の芯材25aをポリテトラフルオロエチレン等の耐熱性の絶縁被覆層25bで包んで成るため、芯材25aが熱ガスに直接晒されることなく、絶縁ロッド25の変質が抑制され、機械的強度を保つ。
電流遮断動作が終了すると、電力系統回路の過渡現象により、対向接点部1と可動接点部2との間に過渡回復電圧が印加される。密閉容器5と操作機構8は接地電位となり、操作機構8と可動接点部2との間に高い電位差が生じる。絶縁ロッド25は、芯材25aが繊維強化プラスチック等の絶縁性能の高い素材で構成され、この芯材25aが耐熱性の絶縁被覆層25bで保護されて変質することもない。また耐熱性の絶縁被覆層25b自体もポリテトラフルオロエチレン等の絶縁性能の高い素材で構成される。そのため、絶縁ロッド25の電気的な強度も保たれる。
(効果)
以上のように、第1の実施形態に係るガス遮断器では、消弧性ガスを充填した密閉容器5内に対向接点部1と可動接点部2を対向配置している。対向接点部1と可動接点部2は、導体を含んで成り、相対的に接離可能なっている。すなわち、ガス遮断器は、可動接点部2と接続され、操作機構8の動力を可動接点部2に伝達して可動接点部2を駆動させる絶縁ロッド25を備えている。また、ガス遮断器は、対向接点部1と可動接点部2の開離によって生じるアーク9に消弧性ガスを吹き付ける吹き付け手段を有する。このガス遮断器において、絶縁ロッド25の表面を耐熱性の絶縁被覆層25bで包み込んだ上で、アーク9に吹き付けられた消弧性ガスの排気路となるガス流路に絶縁ロッド25の周囲を一部組み入れるようにした。
これにより、このガス遮断器は、電気的及び機械的な強度を保ったまま、熱ガスの排気効率を高めて電流遮断性能を向上させ、また操作機構8の操作力の低減及び遮断の高応答性を実現する。すなわち、このガス遮断器は、装置の信頼性と装置性能向上の両立を図ることができる。
尚、耐熱性の絶縁被覆層25bは、熱ガスから絶縁ロッド25の芯材25aを保護するものであるから、高温の消弧性ガスに晒される箇所を覆うことが必須である。一方、絶縁ロッド25の表面のうち、冷却された消弧性ガスが流れる箇所について耐熱性の絶縁被覆層25bによる被覆は任意でよい。吹き付け手段としては、機械的作用による蓄圧空間を有するパッファ室26を例示したが、このガス遮断器は、熱エネルギー作用による蓄圧空間を有するようにしてもよく、また併用するようにしてもよい。
更に、このガス遮断器は、対向接点部1を固定して、可動接点部2のみ軸方向に移動させるよう構成したが、対向接点部1に対して可動接点部2が相対的に移動するように、対向接点部1も軸方向に移動させ、相対的開極速度を向上させようとするいわゆるデュアルモーション機構にしても良い。そして、対向接点部1に対して機械的強度を有し、軽量な絶縁材を芯材とし、耐熱性の絶縁被覆層で包んだ絶縁ロッド25を可動接点部2と同じく接続するようにしてもよい。
また、このガス遮断器は、絶縁ロッド25を熱ガスから隔離する必要がないため、従来のように、絶縁ロッド25の存在空間への熱ガスの流入を防止するガイドを設ける必要がない。そのため、従来ガイドとの摺動対象であった連結ロッド24を短くすることができる。すなわち、このガス遮断器では、可動接点部2の移動距離よりも連結ロッド24を短くするようにした。これにより、ガス遮断器の可動部分が軽量化され、操作機構8の操作力を更に低減することができるとともに、可動接点部2の応答性が更に向上する。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るガス遮断器について図面を参照しつつ詳細に説明する。図2は、本実施形態のガス遮断器の全体構成を示す断面図である。この絶縁ロッド25は、外表面に凹凸部25dが形成されている。この凹凸部25dは、絶縁ロッド25が熱に晒される絶縁ロッド外流路65において熱ガスを撹乱する。すなわち、凹凸部25dは、絶縁ロッド外流路65の入り口付近、絶縁ロッド25の対向側、絶縁ロッド25の芯材25aを保護する耐熱性の絶縁被覆層25bに設けられている。
このガス遮断器によれば、絶縁ロッド25の表面によって画成される絶縁ロッド外流路65に流入した熱ガスは、凹凸部25dにより散乱し、絶縁ロッド外流路65内に乱流を発生させる。この乱流による作用により、熱ガスは絶縁ロッド外流路65内で冷却され易くなる。従って、このガス遮断器では、凹凸部25dによる冷却効果が加わった分、絶縁ロッド外流路65の空間容積による冷却効果を下げることができる。すなわち、絶縁ロッド外流路65の経路長を短くでき、ガス遮断器がコンパクトになり、操作機構8の操作力を更に低減させることができる。
この凹凸部25dは、熱ガスに乱流作用を生じさせることができれば形状は限定されない。凹凸部25dは、軸と直交する多数のリングを軸に沿って配置するようにしてもよいし、溝部分の長さは非一様でよいし、スパイラル状に連続してもよい。また、絶縁ロッド25を周回する形状のほか、複数の突起によって凹凸部25dを形成するようにしてもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るガス遮断器について図面を参照しつつ詳細に説明する。図3は、本実施形態の絶縁ロッド25の拡大断面図である。図3に示すように、絶縁ロッド25は、繊維強化プラスチック等の機械的強度の高く、軽量の絶縁材を芯材25aとし、ポリテトラフルオロエチレン等の耐熱性の絶縁被覆層25bを最外殻とする。芯材25aと耐熱性の絶縁被覆層25bの間には、熱伝導率の低い中間層25cが挿入されている。
このガス遮断器によれば、耐熱性に優れた層と断熱性に優れた層が絶縁ロッド25に別々に設けられていることになり、耐熱性の絶縁被覆層25bが帯びた熱が熱伝導率の低い中間層25cにより断熱されて、絶縁ロッド25の芯材25aに伝わりにくくなる。そのため、耐熱性の絶縁被覆層25bが薄くとも、絶縁ロッド25の芯材25aを十分に熱から保護することができ、絶縁ロッド25の軽量化及び小型化を実現できる。
(その他の実施形態)
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。具体的には、第1乃至第3の実施形態を全て又はいずれかを組み合わせたものも包含される。以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 対向接点部
11 対向通電接触子
12 対向アーク接触子
2 可動接点部
21 可動通電接触子
22 可動アーク接触子
23 操作ロッド
23a 貫通口
24 連結ロッド
24a テーパ面
24b リンク
25 絶縁ロッド
25a 芯材
25b 耐熱性の絶縁被覆層
25c 熱伝導性の低い中間層
25d 凹凸部
26 パッファ室
26a シリンダ
26b ピストン
26c 連通口
27 絶縁ノズル
3 対向側支持部
31 支持板
4 可動側支持部
41 カバー
42 ベース
43 絶縁筒
44 ピストン支え
44a 反対向側開口
44b 裾
5 密閉容器
61 対向側ガス流路
62 可動側ガス流路
63 操作ロッド内流路
64 ピストン支え内流路
65 絶縁ロッド外流路
7a 導体
7b 導体
8 操作機構
9 アーク

Claims (10)

  1. 操作機構を動力源として電流の遮断と投入を機械的に切り替えるガス遮断器であって、
    消弧性ガスを充填した密閉容器と、
    前記密閉容器内に対向配置され、導体を含んで成り、相対的に接離可能な第1の接点部及び第2の接点部と、
    前記第1の接点部と接続され、前記操作機構の動力を前記第1の接点部に伝達して前記第1の接点部を駆動させる絶縁ロッドと、
    前記第1の接点部と前記第2の接点部の開離によって生じるアーク放電に消弧性ガスを吹き付ける吹き付け手段と、
    前記絶縁ロッドの周囲を一部経路に含み、アーク放電に吹き付けられた消弧性ガスの排気路となるガス流路と、
    を備え、
    前記絶縁ロッドは、
    少なくとも前記ガス流路を画成する表面に耐熱性の絶縁被覆層を有すること、
    を特徴とするガス遮断器。
  2. 前記絶縁ロッドは、
    前記耐熱性の絶縁被覆層の一部表面又は全体表面に形成された凹凸部を有すること、
    を特徴とする請求項1記載のガス遮断器。
  3. 前記絶縁ロッドの芯は、前記耐熱性の絶縁被覆層とは異なる部材で構成されること、
    を特徴とする請求項1又は2記載のガス遮断器。
  4. 前記絶縁ロッドの芯は、強化プラスチックで構成され、
    前記耐熱性の絶縁被覆層は、ポリテトラフルオロエチレンで構成されること、
    を特徴とする請求項3記載のガス遮断器。
  5. 前記絶縁ロッドは、
    前記絶縁ロッドの芯と前記耐熱性の絶縁被覆層との間に、前記耐熱性の絶縁被覆層と比べて熱伝導率の低い層を有すること、
    を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のガス遮断器。
  6. 前記耐熱性の絶縁被覆層は、前記絶縁ロッドの芯に被せられるカバーであること、
    を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のガス遮断器。
  7. 前記耐熱性の絶縁被覆層は、前記絶縁ロッドの芯にコーティングされてなること、
    を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のガス遮断器。
  8. 前記第1の接点部と前記絶縁ロッドとの間を繋ぐ連結ロッドを備え、
    前記連結ロッドは、前記第1の接点部の移動距離よりも短い長さを有すること、
    を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のガス遮断器。
  9. 前記吹き付け手段は、
    前記消弧性ガスの蓄圧手段と、
    前記蓄圧手段から放出される前記消弧性ガスを整流して、前記アーク放電に案内する絶縁ノズルと、
    を含むこと、
    を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のガス遮断器。
  10. 前記第2の接点部と接続され、前記操作機構の動力を前記第2の接点部に伝達して前記第2の接点部を駆動させる第2の前記絶縁ロッドを備えること、
    を特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のガス遮断器。
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