JP2015002142A - ガス遮断器 - Google Patents

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Toshiyuki Uchii
敏之 内井
圭 川崎
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圭 川崎
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Abstract

【課題】良好な遮断性能を有するガス遮断器を提供することを目的とする。
【解決手段】円筒状の絶縁ノズル23の内部に同心状に設けられる絶縁円柱体30を配置し、その絶縁ノズル23と絶縁円柱体30との間に円筒状空間31を形成するようにした。また、アーク放電50の軸方向と同じ方向の磁場成分を有する磁場を円筒状空間31内に作る磁石32a、32bを設けるようにした。円筒状空間31には、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21の先端を対向して挿入し、また蓄圧空間で消弧性ガスを蓄圧して円筒状空間31に放出するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電力系統において電流遮断及び投入を切り換えるガス遮断器に関する。
電力系統において、過大な事故電流、進み小電流、リアクトル遮断等の遅れ負荷電流、又は極めて小さな事故電流等の遮断を要する場合にガス遮断器が利用される。ガス遮断器は、遮断過程で接触子を機械的に切り離し、切り離しの過程で発弧したアーク放電を消弧性ガスの吹き付けによって消弧する。
上記のようなガス遮断器は、パッファ型と呼ばれるタイプが広く普及している(例えば、特許文献1参照)。パッファ型ガス遮断器は、72kV以上の高電圧送電系の保護用開閉器として広く普及しており、消弧性ガスが充填された密閉容器内に、対向アーク接触子及び対向通電接触子と、可動アーク接触子及び可動通電接触子とがそれぞれ対向して配置され、それぞれを機械的な駆動力によって接触又は離反させることで電流を導通し又は遮断する。
このガス遮断器には、接触子の離反に伴って容積が減少し、内部の消弧性ガスが蓄圧される蓄圧空間と、両アーク接触子を取り囲むように配置され、蓄圧空間の消弧性ガスをアーク放電に誘導する絶縁ノズルが設けられている。遮断過程においては、対向アーク接触子と可動アーク接触子が離反することで、両アーク接触子間にアーク放電が発生する。接触子の離反に伴って蓄圧空間で十分蓄圧された消弧性ガスを、絶縁ノズルを介してアーク放電に強力に吹き付けることにより、両アーク接触子の絶縁性能を回復させ、アーク放電を消弧し、電流の遮断を完了させる。
消弧性ガスは、蓄圧空間から絶縁ノズルへ流れ込み、絶縁ノズルの最も流路が狭まったスロート部において一般的に最も流速が速くなる。アーク放電には電流が流れているためジュール発熱により高温の状態となっており、その周囲に低温の消弧性ガスが高速で流れる。
従って、アーク遮断過程におけるスロート部における温度分布は、図10に示すように、アーク放電が発弧する中心領域では温度が高く、スロート部の内壁面に近づくほど温度が低くなっており、その温度勾配は急峻である。このため、アーク放電から周辺の低温かつ高速で流れるガスへと向かう熱の流れが生じ、アーク放電は冷却される。
アーク放電の導電率は温度低下に対して単調に減少する。そのため、アーク放電は冷却に伴い導電性を著しく失い、最終的には絶縁物となるまで冷却され、電流零点に至って消弧され、電流の遮断は完了する。この電流零点において、アーク放電が周囲の低温の消弧性ガスと広い面積で接触し、熱移動が効率的であれば、交流電流は速やかに遮断されることとなる。
そこで、絶縁ノズルのスロート部内径を小さくすることで、ガス流の排気流量を高めることが考えられる。しかしながら、絶縁ノズルの内径を小さくすると、当然ながら、その内部に位置するアーク接触子の径も小さくなる。そうすると、アーク接触子が細くなってしまい、電流遮断に伴いアーク接触子が損耗しやすく、耐久性に劣る傾向にあった。
この問題を解決すべく、絶縁ノズルの内部に両アーク接触子と一直線に並ぶ絶縁円柱体を設け、絶縁ノズルのスロート部の断面形状を筒状に構成することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この構成によれば、アーク接触子間を橋絡するアーク放電は、絶縁円柱体を迂回するように発弧するため、絶縁ノズルと絶縁円柱体の間の円筒状空間に均一に分布する形状となる。すなわち、アーク放電は円筒形状を有することとなる。
円筒形状のアーク放電は、両アーク接触子間にライン状に橋絡していた場合と比べ、格段に広い表面積を有する。そのため、このアーク放電は、周囲の低温の消弧性ガスとの広い接触面積を持ち、冷却性能が飛躍的に向上し、ひいては電流遮断性能が飛躍的に向上する。
さらに、この構成は、従来と同程度の実効スロート面積を維持しつつ、アーク接触子の径を太くできるため、パッファ圧力を十分に高めても,接触子の耐久性を向上する。
特公平7−109744号公報 特開2010−211966号公報
絶縁ノズルの内部に絶縁円柱体を設け、絶縁ノズルのスロート部の断面形状を筒状に構成する方式では、確かに、冷却性能の向上が見られた。しかしながら、交流電流において電流瞬時値が大きい期間においては、アーク放電は絶縁ノズルと絶縁円柱体との間の円筒状空間内に略均一に広がるものの、電流零点近傍の遮断電流の瞬時値が小さい位相では、アーク放電は円筒形状にならず、スロート部の一部に偏って点弧してしまうことが分かった。このため、更なる冷却性能の向上余地が期待されるところである。
本実施形態に係るガス遮断器は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、良好な遮断性能を有するガス遮断器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本実施形態のガス遮断器は、電流遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、消弧性ガスが充填された密閉容器と、円筒状の絶縁ノズルと、前記絶縁ノズルの内部に同心状に設けられる絶縁円柱体と、前記絶縁ノズルの内面と前記絶縁円柱体の外面とにより形成される筒状空間と、前記筒状空間に少なくとも両接触子先端が対向して挿入されて、遮断動作に伴って開離し、前記筒状空間内にアーク放電を発生させる第1接触子及び第2接触子と、前記消弧性ガスを蓄圧して前記筒状空間に放出する蓄圧空間と、前記アーク放電の軸方向と同じ方向の磁場成分を有する磁場を前記筒状空間内に作り、前記アーク放電に対して印加する磁場発生手段と、を備えること、を特徴とする。
また、本実施形態のガス遮断器の他の態様は、電流遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、消弧性ガスが充填された密閉容器と、円筒状の絶縁ノズルと、前記絶縁ノズルの内部に同心状に設けられる絶縁円柱体と、前記絶縁ノズルの内面と前記絶縁円柱体の外面とにより形成される筒状空間と、前記筒状空間に少なくとも両接触子先端が対向して挿入されて、遮断動作に伴って開離し、前記筒状空間内にアーク放電を発生させる第1接触子及び第2接触子と、前記消弧性ガスを蓄圧して前記筒状空間に放出する蓄圧空間と、前記アーク放電の軸方向と垂直な方向の磁場成分を有する磁場を前記筒状空間内に作り、前記アーク放電に対して印加する磁場発生手段と、を備えること、を特徴とする。
また、本実施形態のガス遮断器の他の態様は、電流遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、消弧性ガスが充填された密閉容器と、円筒状の絶縁ノズルと、前記絶縁ノズルの内部に同心状に設けられる絶縁円柱体と、前記絶縁ノズルの内面と前記絶縁円柱体の外面とにより形成される筒状空間と、前記筒状空間に少なくとも両接触子先端が対向して挿入されて、遮断動作に伴って開離し、前記筒状空間内にアーク放電を発生させる第1接触子及び第2接触子と、前記消弧性ガスを蓄圧して前記筒状空間に放出する蓄圧空間と、前記筒状空間のガス流を旋回流に整流し、当該旋回流により前記アークに旋回力を与えるガス整流手段と、を備えること、を特徴とする。
第1の実施形態に係るガス遮断器の全体構成を示す断面図である。 第1の実施形態に関し、絶縁円柱体及び磁気発生体付近の上半分の拡大図である。 第1の実施形態に関し、アーク放電の橋絡を示し、(a)は側面図、(b)は遮断電流の瞬時値が大きい位相、(c)は遮断電流の瞬時値が小さい位相を示す。 第1の実施形態に関し、アーク放電近傍の磁力線を示す図である。 第2の実施形態に係るガス遮断器のアーク放電近傍の磁力線を示す図である。 第2の実施形態に関し、アーク放電の橋絡を示し、(a)は側面図、(b)は遮断電流の瞬時値が大きい位相、(c)は遮断電流の瞬時値が小さい位相を示す。 第3の実施形態に係るガス遮断器の可動アーク接触子付近の上半分の拡大図である。 第3の実施形態に関し、アーク放電の橋絡を示し、(a)は側面図、(b)は遮断電流の瞬時値が大きい位相、(c)は遮断電流の瞬時値が小さい位相を示す。 第4の実施形態に係るガス遮断器の構成を示し、(a)は可動アーク接触子付近の上半分の拡大図であり、(b)は可動アーク接触子の縦断面図である。 絶縁ノズルのスロート部内の従来の温度勾配を示す図である。
(第1の実施形態)
以下、図1乃至4を参照しつつ、第1の実施形態に係るガス遮断器を説明する。ガス遮断器は、電路を構成する接触子同士を接離し、電流遮断と投入状態とを切り替える。電流遮断過程では、アーク放電を円筒形状に制御した上で接触子間に橋絡させる。また、電流遮断過程では、消弧性ガスのガス流を生成し、そのガス流をアーク放電に案内して吹き付けることで、アーク放電を冷却し、電流零点で消弧させる。
図1に示すように、このガス遮断器は、消弧性ガスが充填された密閉容器60を有する。密閉容器60は、金属や碍子等からなり、接地されている。消弧性ガスは、六弗化硫黄ガス(SFガス)、空気、二酸化炭素、酸素、窒素、またはそれらの混合ガス、その他の消弧性能及び絶縁性能に優れたガスである。望ましくは、消弧性ガスは、六弗化硫黄ガスよりも地球温暖化係数が低く、かつ分子量が小さく、かつ少なくとも1気圧以上及び摂氏20度以下で気相であるガスの単体若しくは混合ガスである。
接触子は、大別すると対向接触子部10と可動接触子部20に別れ、密閉容器60内に対向配置されている。対向接触子部10と可動接触子部20は、それぞれ、内部中空の円筒又は内部中実の円柱を基本形とする複数の部材で主に構成され、共通の中心軸を有する同心状配置となっており、径を合わせることで関係部材同士が対向して共同的に機能する。
密閉容器60の内壁面には絶縁支持部材14が接合により立設されている。対向接触子部10は、この絶縁支持部材14に支持されて位置固定されている。可動接触子部20は、操作ロッド25を備え、操作ロッド25に連動して、中心軸に沿って対向接触部10から開離及び接触する方向に移動する。
操作ロッド25は、対向接触子部10側に先端を向けて中心軸線上に延びる内部中空の筒である。先端は筒の厚み分を残して開口し、中空部への入り口となっている。後端は駆動装置(不図示)に接続される。この操作ロッド25は、駆動装置によって対向接触子部10側へ押し込まれ、または対向接触子部10とは反対側に引き離される。
可動接触子部20の可動要素は、この操作ロッド25に直接又は間接的に連結し、操作ロッド25の押し引きに応じて対向接触子部10に対して接離する。これにより、可動接触子部20が対向接触子部10に対して接離し、電流の投入と遮断、及びアーク放電50の発弧及び消弧が実現する。
対向接触子部10は、対向アーク接触子11及び対向通電接触子12を有する。可動接触子部20は、可動アーク接触子21及び可動通電接触子22を有する。対向通電接触子12と可動通電接触子22とが対向し、また対向アーク接触子11と可動アーク接触子21とが対向し、これらの接離により電流の投入及び遮断が切り換えられる。また、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21の開離により、その間にアーク放電50が橋絡する。
対向通電接触子12と可動通電接触子22は、それぞれ両端面が開口した円筒形状を有する導体であり、一方の開口を向かい合わせて同一軸上に対向配置されている。対向通電接触子12は、絶縁支持部材14に外周面で接合されることで、密閉容器60内に固定される。可動通電接触子22は、操作ロッド25と連結された後述のシリンダ24の端面に立設することで、操作ロッド25に連動して中心軸方向に移動する。
対向通電接触子12の開口縁は内部に膨出しており、当該開口縁部分の内径と可動通電接触子22の外径は一致している。対向通電接触子12の開口に可動通電接触子22が差し込まれることで、対向通電接触子12の内面と可動通電接触子22の外面とが接触し、電気的に導通できる状態となる。また、対向通電接触子12の開口から可動通電接触子22を引き抜くことで、対向通電接触子12と可動通電接触子22とが開離する。
対向アーク接触子11は概略棒状の導体であり、可動アーク接触子21は両端が開口した内部中空の円筒形状を有する導体であり、同一軸上に対向配置される。対向アーク接触子11は、対向通電接触子12の内周面に立設した固定支え13に接合されて、対向通電接触子12の内部に中心軸に沿って延びるように固定される。可動アーク接触子21は、操作ロッド25と同径で、操作ロッド25の先端から引き続くように操作ロッド25の先端縁に接合され、操作ロッド25と連動して中心軸方向に移動する。
可動アーク接触子21の一方の開口縁は、円周方向に分割され、可撓性を有する指状電極となっている。指状電極の内径は、開口縁が内側へ膨出することで、対向アーク接触子11の外径より若干小さく窄められている。対向アーク接触子11が可動アーク接触子21の指状電極を押し広げるように差し込まれることで、対向アーク接触子11の外面と可動アーク接触子21の内面とが接触し、電気的に導通できる状態となる。また、対向アーク接触子11が可動アーク接触子21から引き抜かれることで、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21とが開離し、その間にアーク放電50が橋絡する。
アーク放電50の形状制御は、絶縁円柱体30により構造的に達成され、また磁石32a、32b等の磁気発生体により電磁気学的に達成される。図2は、絶縁円柱体30及び磁気発生体付近の上半分の拡大図である。絶縁円柱体30は、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21との間に介在し、所定の径を有して中心軸上に延びている。この絶縁円柱体30は中心軸上に存在し、そのため中心軸に沿ったアーク放電50の橋絡を阻止し、絶縁円柱体30の周囲を迂回させてアーク放電50を橋絡させる。そのため、アーク放電50は、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21との間に延び、絶縁円柱体30を覆う円筒形状となる。
磁気発生体は、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21の近傍に位置し、絶縁円柱体30の周囲に、中心軸に沿った方向の磁場成分を有する磁場を発生させる。絶縁円柱体30の周りに円筒形状に拡がったアーク放電50に対して、アーク放電50が延びる軸方向と同じ方向の磁場成分を有する磁場を印加するためである。この磁場成分は、アーク放電50の形状を交流電流の電流零点近傍においても円筒形状に維持する。
詳細には、絶縁円柱体30に関し、まず、対向アーク接触子11は先端の中央部が陥没している。換言すると、対向アーク接触子11の先端縁、すなわち陥没部の円縁周りは、可動アーク接触子21に向けて土手を形成するように盛り上がっている。絶縁円柱体30は、その先端縁に囲まれる陥没部に嵌まり込んで、対向アーク接触子11に接合されており、対向アーク接触子11の先端から可動アーク接触子21の開口に向かって延設されている。
尚、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21の接触は、対向アーク接触子11の先端縁が可動アーク接触子21の指状電極の押し拡げるように差し込まれることで達成されるようにする。すなわち、対向アーク接触子11の外径φF、可動アーク接触子21の内径φM、絶縁円柱体30の外径φIは、φF>φM>φIの関係に立つ。
磁気発生体に関しては、耐熱プラスチックで覆われる二つの磁石32a、32bを異なる極性が向き合うように中心軸上に配置する。二つの磁石32a、32bが作る磁力線が絶縁円柱体30の周囲で中心軸方向に向くように磁場を形成するためである。
具体的には、一方の磁石32aを対向アーク接触子11の先端に埋め込む。すなわち、一方の磁石32aは、絶縁円柱体30と並んで其の後端に配置される。他方の磁石32bは、一方の磁石32aの対向面の磁極と反対の磁極を対向面とし、可動アーク接触子21の開口内に配置される。操作ロッド25の開口縁には、中心軸と直交するように延びたステイ34aを接合し、ステイ34aから中心軸に沿って円柱状のホルダ34bを対向アーク接触子11に向けて延ばし、そのホルダ34bの先端に他方の磁石32bが埋め込まれる。
尚、絶縁円柱体30には、ホルダ34bと同径の刳り貫きが先端から中心軸に沿って形成され、ホルダ34bと絶縁円柱体30の正面衝突を回避している。ホルダ34bは、操作ロッド25の移動に連動して刳り貫き内を摺動する。
図1に戻り、アーク放電50に吹き付けるガス流は、機械パッファ室26により生成される。機械パッファ室26は、可動接触子部20に備えられ、操作ロッド25の胴回りに設けられたトーラス形状の蓄圧空間を有する。この機械パッファ室26は、操作ロッド25に連結したシリンダ24と密閉容器60内に固定されたピストン27により構成されて、操作ロッド25と連動したシリンダ24のピストン27に対する相対的な移動により容積可変となっており、機械的圧縮作用を利用して消弧性ガスを蓄圧し、その消弧性ガスを室外へ放出する。
シリンダ24は、一端が有底で他端が開口したコップ状の導体である。シリンダ24の有底部内縁が操作ロッド25の外周と接合され、操作ロッド25と共に移動する。このシリンダ24は、操作ロッド25の外径よりも内径が大きく、操作ロッド25と共通の中心軸を有する。有底部は、円盤状であり、操作ロッド25の先端外周縁からフランジ状に拡がり、側周壁は、対向接触子部10と反対方向に延びる。
ピストン27は、ドーナツ状の平板であり、開口に操作ロッド25が摺動可能に貫通し、外径がシリンダ24の内径と一致し、シリンダ24に嵌め込まれる。このピストン27は、ピストン支え28によって密閉容器60内で位置固定されている。ピストン支え28は、ピストン27と一体的に形成され、対向接触子部10とは反対の方向に延びている。
この機械パッファ室26は、操作ロッド25の移動に連動したシリンダ24の移動により、シリンダ24とピストン27とにより画成される空間容積を減少させ、内部の消弧性ガスを蓄圧する。シリンダ24の有底部には、可動アーク接触子21の一回り外側に連通孔24aが貫設されており、この連通孔24aを通じて消弧性ガスのガス流を機械パッファ室26外へ放出する。
機械パッファ室26から放出されたガス流は、絶縁ノズル23によりアーク放電50へ案内される。絶縁ノズル23は、両端に開口を有し、ポリテトラフルオロエチレン等の耐熱性の絶縁物からなり、シリンダ24の有底部に立設され、機械パッファ室26の連通孔と絶縁円柱体30とを包み込むように延びている。
より詳細には、絶縁ノズル23は、機械パッファ室26の連通孔24aを包囲するように立設され、可動アーク接触子21を所定間隔隔てて包み込みながら対向アーク接触子11側へ中心軸に沿って延び、絶縁円柱体30を所定間隔隔てて包み込みながら更に対向アーク接触子11側へ中心軸に沿って延び、可動アーク接触子21の先端縁を通過後、内径が対向アーク接触子11の外径よりも若干大きい程度まで窄み、最小内径部分となるスロート部分に至ったところで先端に向けて直線的に拡がる形状となっている。
スロート部分の内径φSとすると、スロート部分の内径φS、対向アーク接触子11の外径φF、可動アーク接触子11の内径φM、絶縁円柱体30の外径φIは、φS>φF>φM>φIの関係に立つ。
すなわち、絶縁ノズル23と絶縁円柱体30との間には、円筒状空間31が画成され、その円筒状空間31に対向アーク接触子11の先端縁と可動アーク接触子21の先端が差し込まれるように存在し、アーク放電50が発弧し、また機械パッファ室26から放出されたガス流が案内される。
アーク放電50に案内されたガス流は、円筒状空間31から対向接触子部10側と可動接触子部20側に分流され、密閉容器60に放散する。対向接触子部10側には、対向通電接触子12の可動接触子部20とは反対側の縁に延設された排気筒15が設けられる。また、可動接触子部20側は、操作ロッド25の中程に中空部とロッド外部とを繋ぐ連通孔25bが貫設されている。連通孔25bはピストン27の背後に形成される。連通孔25bよりも後端側には、操作ロッド25の先端側へ尖ったテーパ面25aが立ちはだかるように設けられ、連通孔25bへガス流を案内する。
(作用)
通電状態では、対向通電接触子12と可動通電接触子21が電気的に接続されており、これらの部材が電路の一つとなる。特に図示しないが、密閉容器60には2本の導体がそれぞれスペーサによって対向接触子部10側と可動接触子部20側とに固定されている。スペーサは密閉容器60と導体とを絶縁するとともに、導体を支持するものである。通電状態において電流は、ブッシング(図示しない)を介してガス遮断器に流れ込み、対向接触子部10側の導体から上記電路となる部材、及び可動接触子部20側の導体とブッシング(図示しない)を介してガス遮断器外部へ流れ出す。
過大な事故電流、進み小電流、リアクトル遮断等の遅れ負荷電流、又は極めて小さな事故電流の遮断を要する場合、操作ロッド25は、駆動装置の操作力を受けて、対向接触子部10とは反対の方向に中心軸に沿って移動する。そうすると、可動接触子部20が対向接触子部10に対し離れるように中心軸に沿って移動し、対向通電接触子12に対して可動通電接触子22が開離する。
また、可動接触子部20の移動によって、操作ロッド25に連結しているシリンダ24は、その有底部が位置固定のピストン27に対して接近するように移動するため、機械パッファ室26の容積減少が発生し、ボイルの法則に従い機械パッファ室26内の消弧性ガスが蓄圧される。遮断動作が更に進行し、対向アーク接触子11に対して可動アーク接触子21が開離すると、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21との間にアーク放電50が橋絡する。
図3は、アーク放電50の橋絡を示し、(a)は側面図、(b)は遮断電流の瞬時値が大きい位相、(c)は遮断電流の瞬時値が小さい位相を示す。また、図4は、アーク放電50近傍の磁力線を示す図である。
図3の(a)(b)に示すように、アーク放電50は、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21との間にはアーク放電50が橋絡するが、中心軸上及びその一定半径範囲は、絶縁物である絶縁円柱体30が存在するため、絶縁円柱体30を覆うように形成される。すなわち、アーク放電50は、円筒状空間31に均一に分布して延び、その形状は円筒形状となる。
ここで、図4に示すように、二つの磁石32a、32bは、絶縁円柱体30の周囲に中心軸に沿った方向の磁場成分を有する磁場を発生させる。換言すると、二つの磁石32a、32bにより、円筒状空間31を中心軸に沿って通り抜ける磁力線55が分布する。すなわち、一方の磁石32aの対向極から出た磁力線55は円筒状空間31内を中心軸上を沿って他方の磁石32bの対向極に向かう。尚、アーク放電50は非常に高温であるが、磁石32a、32bは耐熱プラスチックにカバーされているため、その磁力が劣化することはない。
電流の方向と同じ方向の磁場成分を有する磁場をアーク放電50に印加した場合、電流の担い手である電子は磁力線55の周りに巻き付くように流れるため、電流の方向は変化しにくくなる。そうすると、図3の(a)(c)に示すように、円筒形状を形成したアーク放電50は、二つの磁石32a、32bの磁場により電流の方向が変化し難くなり、遮断電流の瞬時値が大から小へ位相が変化しても、偏りが生じずに均一な分布を維持し、円筒形状を保つようになる。
そのため、更に遮断動作が進行し、機械パッファ室26が十分蓄圧されて、機械パッファ室26内の消弧性ガスが連通孔24aを通って絶縁ノズル23と絶縁円柱体30との間の円筒状空間31に噴出すると、そのガス流は、薄く円筒状に延びたアーク放電50の外表面及び内表面に全周にわたって接触することとなる。アーク放電50の冷却は、アーク放電50の高温部と、その周囲を流れる低温のガス流との接触面積が大きいほど顕著に行われるが、薄く円筒状に延びたアーク放電50は広い接触面積を有し、その分だけ多くの熱交換を行い、冷却性能が高まる。
更に、このアーク放電50の円筒形状は、遮断電流の瞬時値が大から小へ変化し、電流零点に向かう段階でも磁場により維持されることとなり、多くの熱交換は続き、冷却性能は持続する。そして、電流零点を迎えると、アーク放電50は強力な消弧性ガスの吹き付けと相俟って消弧に至り、電流遮断が完了する。
尚、噴出した消弧性ガスは、対向接触子部10側に関しては、対向アーク接触子11と対向通電接触子21との間を通り、排気筒15から抜ける。また、噴出した消弧性ガスは、両端開口の筒状の可動アーク接触子21、可動アーク接触子21が立設する端面が開口した操作ロッド25の中空内部を通り、途中に設けられたテーパ面25aで操作ロッド25の側壁に連通孔25bに案内されながら、密閉容器60へ抜ける。
(効果)
以上のように、本実施形態のガス遮断器は、円筒形状に広げたアーク放電50の形状を遮断電流の瞬時値が大であろうと小であろうと、その形状を維持するよう制御するものである。そのために、電流の方向に変化が生じ難い措置を採ったものであり、その措置とはアーク放電50と同方向の磁場の発生としたものである。
すなわち、円筒状の絶縁ノズル23の内部に同心状に設けられる絶縁円柱体30を配置し、その絶縁ノズル23と絶縁円柱体30との間に円筒状空間31を形成するようにした。また、アーク放電50の軸方向と同じ方向の磁場成分を有する磁場を円筒状空間31内に作る磁石32a、32bを設けるようにした。円筒状空間31には、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21の先端を対向して挿入し、また蓄圧空間で消弧性ガスを蓄圧して円筒状空間31に放出するようにした。
これにより、遮断電流の瞬時値の小さい位相であっても、アーク放電50は円筒状を維持し、消弧性ガスのガス流に触れる表面積が広くなるので、アーク放電50を冷却する性能が向上し、以ってガス遮断器の遮断性能を向上させることができる。尚、このガス遮断器では、電流が小さい場合でも円筒形状のアーク放電50を維持させることができるので、進み小電流等の小さな電流を遮断するガス遮断器においても好適である。
(第2の実施形態)
次に、図5及び6を参照しつつ、第2の実施形態に係るガス遮断器を説明する。このガス遮断器は、磁石32a、32bの配置が第1の実施形態と異なり、その余は同一構成につき、同一構成の説明は省略する。
(構成)
第2の実施形態に係るガス遮断器では、電流遮断過程において、アーク放電50の円筒状空間31内での移動を制御し、アーク放電50の熱に直接曝されていない比較的低温なガス流に絶えず触れさせるようにした上で接触子間に橋絡させる。
図5に示すように、このガス遮断器では、第1の実施形態と同じく電磁気学的にアーク放電50を制御するものであるが、二つの磁石32a、32bは同じ磁極を対向させて設置されている。二つの磁石32a、32bが作り出す磁場は互いに反発しあい、磁力線55は絶縁円柱体30の中程で中心軸から半径方向に離れるように延びて分布し、円筒状空間31を垂直に横切る磁場成分を有する磁場が発生する。換言すると、筒状のアーク放電50が延びる方向と直交する磁場成分を有する磁場が発生する。
(作用)
このガス遮断器では、電流の方向と垂直な磁場成分を有する磁場内にアーク放電50を発弧させ、電流の担い手である電子に対し、円筒状空間31内で周方向のローレンツ力を与える。電流の方向を維持する力は生じないため、遮断電流の瞬時値が小さくなると、円筒状空間31に偏って分布するアーク放電50に変化するが、そのアーク放電50はローレンツ力と交流電流の位相変化を受けて円筒状空間31内を揺動する別の力が生じることとなる。
そうすると、アーク放電50は、遮断時に流れる電流である遮断電流の瞬時値が小さい位相で表面積こそ広くはならないが、図6に示すように、交流電流の位相変化に応じたローレンツ力の向き変化により円筒状空間31内で揺動するため、アーク放電50の熱に直に曝されてはいない比較的低温のガス流に絶えず触れるため、絶えず活発な熱交換が生じる。
つまり、遮断電流の瞬時値が大きい位相では、アーク放電50を円筒状にすることで表面積が広くなり、遮断電流の瞬時値が小さい位相では、アーク放電50を円筒状空間31内で揺動させて、熱交換対象のガス流が絶えず交替する。
(効果)
以上のように、本実施形態のガス遮断器は、アーク放電50の熱に直に曝されてはいない比較的低温のガス流と絶えず熱交換させるように、アーク放電50を移動させるものである。そのために、アーク放電50を円筒状空間31内で揺動させる措置を採ったものであり、その措置とはアーク放電50と垂直方向の磁場成分を有する磁場を発生させて周回方向のローレンツ力を発生させたものである。
すなわち、本実施形態のガス遮断器は、円筒状の絶縁ノズル23の内部に同心状に設けられる絶縁円柱体30を配置し、その絶縁ノズル23と絶縁円柱体30との間に円筒状空間31を形成するようにした。また、アーク放電50の軸方向と垂直方向の磁場成分を有する磁場を円筒状空間31内に作る磁石32a、32bを設けるようにした。円筒状空間31には、対向アーク接触子11と可動アーク接触子21の先端を対向して挿入し、また蓄圧空間で消弧性ガスを蓄圧して円筒状空間31に放出するようにした。
これにより、遮断電流の瞬時値の小さい位相では、アーク放電50を揺動させることにより、熱交換対象のガス流をアーク放電50の熱に直接曝されていないガス流に絶えず交替させることができ、アーク放電50を冷却する性能が向上し、以ってガス遮断器の遮断性能を向上させることができる。尚、このガス遮断器では、進み小電流等の小さな電流を遮断するガス遮断器においても好適である。
(第3の実施形態)
一般的に、ガス遮断器の製品寿命は数十年程度が要求されている。磁石32a、32bは、数十年の期間において、度重なる温度変化および電流が作る交流磁場が連続的に印加されるため、その磁力の経時的な劣化はある程度避けられない。そこで、磁気発生体としては、永久磁石の代わりにコイルとすることもできる。すなわち、磁石32a、32bが配置されていた位置にコイルを配置する。
(構成)
また、図7に示すように、磁石32a、32bの代わりにコイル33を配置するガス遮断器は、そのコイル33に流す電流として遮断電流を利用することができる。このガス遮断器では、筒状の可動アーク接触子21の中程から後端までをコイル形状に形成する。このコイル33には、電流遮断過程において可動アーク接触子21を通じて遮断電流が流れ、磁場が形成される。
可動アーク接触子21の後端側に位置するコイル33が発生させる磁場は、コイル33から中心軸に沿って出て、絶縁円柱体30の中程で円筒状空間31を垂直に横切る磁力線55のように分布する。換言すると、筒状のアーク放電50が延びる方向と直交する磁場成分を有する磁場が発生する。
(作用)
この磁場成分は、図8に示すように、コイル33に供給される遮断電流が交流であるため、交流電流の位相、すなわちアーク放電50の電流の向きと連動して、中心軸から外側へ向かって円筒状空間31を垂直に横切る磁力線55と、外側から中心軸に向かって円筒状空間31を垂直に横切る磁力線55とに変化する。そのため、電流の担い手である電子は一方向のローレンツ力を受け、アーク放電50は円筒状空間31を周回するようになる。そのため、アーク放電50の周回速度は加速されていく。
(効果)
以上により、第3の実施形態に係るガス遮断器では、磁石32a、32bに代えてコイル33を磁気発生手段とした。コイル33は何れに設置することも可能であり、設置箇所に応じてアーク放電50に対して同方向の磁場成分を発生させたり、垂直方向の磁場成分を発生させることもできる。そして、コイル33の磁力は、永久磁石と異なり経時的な劣化が少ないので、高い遮断性能とともに、製品寿命が長いガス遮断器を提供することができる。
更に、コイル33には遮断電流を流すようにすることで、アーク放電50は円筒状空間31を一方向に周回するようになり、その周回速度は加速されていくため、アーク放電50の冷却性能は更に高まる。この冷却性能は、アーク放電50の点弧時間が長くなるほど、周回速度が高くなるので、更に高まる。尚、このガス遮断器では、電流が小さい場合でも円筒形状のアーク放電50を維持させることができるので、進み小電流等の小さな電流を遮断するガス遮断器においても好適である。
(第4の実施形態)
更に、第4の実施形態に係るガス遮断器について詳細に説明する。図9の(a)は、第4の実施形態に係るガス遮断器の軸方向に沿った側断面図、(b)は、シリンダ24の連通孔24近傍の絶縁ノズル23内部を軸との直交方向で切った縦断面図である。
(構成)
図9に示すように、このガス遮断器では、ガス流により円筒状空間31内のアーク放電50に対して周方向の力を与える。すなわち、シリンダ24の連通孔24近傍の絶縁ノズル23内部には、ガス流を旋回流に変化させるガイド板40が多数配置される。ガイド板40は、絶縁ノズル23と可動アーク接触子21とを繋ぐように立設し、可動アーク接触子21の周りに所定間隔空けて、円周等配位置で配列する。また、各ガイド板40は、中心軸が延びる方向に対して斜交するように設置される。
(作用)
円周等配位置に配置されたガイド板40は、ガス流を旋回流に変化させる整流手段の一例である。機械パッファ室26から放出されたガス流は、ガイド板40の斜交面から円筒状空間31の周方向への抗力が与えられ、旋回流に変化する。消弧ガスの旋回流は、アーク放電50にも円筒状空間31の周方向への旋回力を与え、アーク放電50を円筒状空間31内で周回させる。そのため、アーク放電50は、アーク放電50の熱に直に曝されてはいない比較的低温のガス流に絶えず触れ、絶えず活発な熱交換が生じる。
(効果)
以上のように、このガス遮断器では、円筒状の絶縁ノズルの内部に同心状に設けられる絶縁円柱体30を設け、絶縁ノズルの内面と絶縁円柱体30の外面とにより形成される円筒状空間31にアーク放電50を発生させる。そして、円筒状空間31のガス流を旋回流に整流し、当該旋回流によりアーク放電50に旋回力を与えるガイド板40等のガス整流手段を備えるようにした。
これにより、例え磁力線55が無い、もしくは弱くても、強力なガス流の旋回流れにより、円筒状空間31内でアーク放電50を揺動又は周回させることができる。従って、アーク放電50の熱に直に曝されてはいない比較的低温のガス流に絶えず触れ、絶えず活発な熱交換が生じ、冷却性能を高め、以って遮断性能の向上を図ることができる。尚、このガイド板40は、第1乃至3の実施形態における電磁気学的なアーク放電50の形状制御又は移動制御と併用することも可能である。
(その他の実施形態)
本明細書においては、本発明に係る各実施形態を説明したが、これら実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。これら実施形態で開示の構成の全て又はいずれかを組み合わせたものも包含される。以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、本実施形態や変形例のガス遮断器は、対向接触子部10を固定して、可動接触子部20のみ軸方向に移動させるよう構成したが、対向接触子部10に対して可動接触子部20が相対的に移動するように、対向接触子部10も軸方向に移動させ、相対的開極速度を向上させようとするいわゆるデュアルモーション機構にしても良い。
また、アークの熱エネルギーを取り込んで蓄圧する蓄圧空間を有するいわゆる自力効果を用いたタイプのガス遮断器や、機械的作用の蓄圧空間と熱エネルギー作用による蓄圧空間を併用するガス遮断器に対しても適用可能である。
更に、従来、消弧性ガスとして広く用いられているSFガスは、非常に地球温暖化への影響が高い人工ガスと認識されており、昨今その使用量の削減が望まれている。SFガスの代わりに環境への負荷が少ない自然由来のガス,例えばNガスやCOガスなどを使用することが検討されている。
しかしながら、これらのガスを使用した場合、ガスの物理化学的性質の違いからSFガスに比べアークの冷却効果が大幅に低下し、遮断性能が大きく劣ることが問題となっていた。このため、たとえNガスやCOガスを使用した場合においても、十分な遮断性能が得られるように、構造的にアークの冷却性を高める工夫をする必要があった。
各実施例で提案した構成をとると、たとえNガスやCOガスなどを消弧性ガスとして用いても、その遮断性能を大幅に向上させることができる。特に、NガスやCOガスなどは,SFガスよりも分子量が小さいため,絶縁ノズル23のスロート部でのアーク放電50の絶縁円柱体30周りの回転速度がSFガス中よりも速くなる。
すなわち、磁場の印加によってアーク放電50を回転させた場合の遮断性能の向上効果は、SFガスの場合よりもより顕著に得られる。これにより、遮断性能が高く、かつ製品寿命が長いガス遮断器を提供することができ、尚かつ、温暖化ガスの使用量を低減もしくは削減した、環境にやさしいガス遮断器を提供することができる。
10 対向接触子部
11 対向アーク接触子
12 対向通電接触子
13 固定支え
14 絶縁支持部材
15 排気筒
20 可動接触子部
21 可動アーク接触子
22 可動通電接触子
23 絶縁ノズル
24 シリンダ
24a 連通孔
25 操作ロッド
25a テーパ面
25b 連通孔
26 機械パッファ室
27 ピストン
28 ピストン支え
30 絶縁円柱体
31 円筒状空間
32a 磁石
32b 磁石
33 コイル
34a ステイ
34b ホルダ
40 ガイド板
50 アーク放電
55 磁力線
60 密閉容器

Claims (7)

  1. 電流遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、
    消弧性ガスが充填された密閉容器と、
    円筒状の絶縁ノズルと、
    前記絶縁ノズルの内部に同心状に設けられる絶縁円柱体と、
    前記絶縁ノズルの内面と前記絶縁円柱体の外面とにより形成される筒状空間と、
    前記筒状空間に少なくとも両接触子先端が対向して挿入されて、遮断動作に伴って開離し、前記筒状空間内にアーク放電を発生させる第1接触子及び第2接触子と、
    前記消弧性ガスを蓄圧して前記筒状空間に放出する蓄圧空間と、
    前記アーク放電の軸方向と同じ方向の磁場成分を有する磁場を前記筒状空間内に作り、前記アーク放電に対して印加する磁場発生手段と、
    を備えること、
    を特徴とするガス遮断器。
  2. 電流遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、
    消弧性ガスが充填された密閉容器と、
    円筒状の絶縁ノズルと、
    前記絶縁ノズルの内部に同心状に設けられる絶縁円柱体と、
    前記絶縁ノズルの内面と前記絶縁円柱体の外面とにより形成される筒状空間と、
    前記筒状空間に少なくとも両接触子先端が対向して挿入されて、遮断動作に伴って開離し、前記筒状空間内にアーク放電を発生させる第1接触子及び第2接触子と、
    前記消弧性ガスを蓄圧して前記筒状空間に放出する蓄圧空間と、
    前記アーク放電の軸方向と垂直な方向の磁場成分を有する磁場を前記筒状空間内に作り、前記アーク放電に対して印加する磁場発生手段と、
    を備えること、
    を特徴とするガス遮断器。
  3. 前記磁場発生手段は、磁石であること、
    を特徴とする請求項1又は2記載のガス遮断器。
  4. 前記磁場発生手段は、コイルであること、
    を特徴とする請求項1又は2記載のガス遮断器。
  5. 前記コイルは、前記第1接触子又は第2接触子に電気的に接続して設けられ、遮断電流が流れること、
    を特徴とする請求項4記載のガス遮断器。
  6. 電流遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、
    消弧性ガスが充填された密閉容器と、
    円筒状の絶縁ノズルと、
    前記絶縁ノズルの内部に同心状に設けられる絶縁円柱体と、
    前記絶縁ノズルの内面と前記絶縁円柱体の外面とにより形成される筒状空間と、
    前記筒状空間に少なくとも両接触子先端が対向して挿入されて、遮断動作に伴って開離し、前記筒状空間内にアーク放電を発生させる第1接触子及び第2接触子と、
    前記消弧性ガスを蓄圧して前記筒状空間に放出する蓄圧空間と、
    前記筒状空間のガス流を旋回流に整流し、当該旋回流により前記アークに旋回力を与えるガス整流手段と、
    を備えること、
    を特徴とするガス遮断器。
  7. 前記消弧性ガスは、六弗化硫黄ガスよりも地球温暖化係数が低く、かつ分子量が小さく、かつ少なくとも1気圧以上及び摂氏20度以下で気相であるガスの単体若しくは混合ガスであること、
    を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のガス遮断器。
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