JP2016161431A - 位置検出装置およびこれを用いた装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学スケールが温度の変化によって伸縮した場合でも、正確な位置検出を行う。
【解決手段】位置検出装置は、可動部材102の移動に伴って光学スケール101と相対移動する際に複数の周期パターンからの光を受光して複数の第1の検出信号を生成する光学式の第1の位置検出手段103と、可動部材の移動に伴って変化する第2の検出信号を生成する非光学式の第2の位置検出手段108と、複数の第1の検出信号を用いて第1の位置信号を生成するとともに、第2の検出信号を用いて第1の位置信号とは分解能が異なる第2の位置信号を生成し、第1の位置信号と第2の位置信号とを結合する演算を行って可動部材の絶対位置を示す絶対位置信号を生成する演算手段106とを有する。補正手段150は、第1の位置信号と第2の位置信号との比率に応じた補正利得を演算し、絶対位置信号を補正利得を用いて補正した補正絶対位置信号を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、可動部材の絶対位置を検出する位置検出装置に関し、特に光学スケールを用いた位置検出装置に関する。
光学式の位置検出装置(以下、光学式エンコーダという)は、可動部材と固定部材のうち一方に取り付けられた受光センサと、他方に取り付けられた光学スケールとにより構成される。光学スケールには光を反射または透過する周期パターンが設けられ、可動部材が移動する際に周期パターンからの光を受光センサにより検出することで、周期パターンの周期に応じた周期で変化する検出信号が得られる。
このような光学式エンコーダとして、光学スケールに互いに位相が異なる2つ(1組)の周期パターンを設け、該2つの周期パターンからの光を受光センサにより検出することで互いに位相が異なる2つの周期信号(1組の2相信号)を得るものがある。そして、これら2相信号を用いた演算を行うことで、可動部材と固定部材の相対位置を検出することができる。
さらに、光学式エンコーダには、特許文献1に開示されているように、光学スケールに互いに周期が異なる長周期と短周期の2つの周期パターンの組を、それら長周期と短周期をわずかずつ異ならせて複数組設けたものがある。この光学式エンコーダでは、複数組の周期パターンからの光を受光センサにより検出することで複数組の2相信号を得て、該複数組の2相信号に対する演算を行うことにより互いに周期が異なる複数の位置信号(長周期の上位信号と短周期の下位信号)を生成する。そして、これら複数の位置信号を結合することで可動部材の絶対位置を検出することができる。
特開2013−234861号公報
しかしながら、上記のような光学式エンコーダには、光学スケールが温度の変化によって伸縮することで、可動部材と光学スケールとの相対位置がずれでしまい、正確な可動部材の位置検出ができなくなる、つまりは位置の誤検出が発生するという問題がある。特に特許文献1にて開示された光学式エンコーダでは、上位信号と下位信号とを結合するために上位信号を逓倍処理するため、光学スケールの伸縮による上位信号の変動の影響が大きい。
本発明は、光学スケールが温度の変化によって伸縮した場合でも、正確な位置検出を行えるようにした位置検出装置を提供する。
本発明の一側面としての位置検出装置は、互いに周期が異なる複数の周期パターンが形成された光学スケールとともに用いられ、可動部材の移動に伴って光学スケールと相対移動する際に複数の周期パターンからの光を受光して該複数の周期パターンの周期に応じた周期でそれぞれ変化する複数の第1の検出信号を生成する光学式の第1の位置検出手段と、可動部材の移動に伴って変化する第2の検出信号を生成する非光学式の第2の位置検出手段と、複数の第1の検出信号を用いて第1の位置信号を生成するとともに、第2の検出信号を用いて第1の位置信号とは分解能が異なる第2の位置信号を生成し、第1の位置信号と第2の位置信号とを結合する演算を行って可動部材の絶対位置を示す絶対位置信号を生成する演算手段と、第1の位置信号と第2の位置信号との比率に応じた補正利得を演算し、絶対位置信号を補正利得を用いて補正した補正絶対位置信号を生成する補正手段とを有することを特徴とする。
なお、上記位置検出装置と、該位置検出装置により絶対位置が検出される可動部材とを有する装置も、本発明の他の一側面を構成する。
本発明では、光学スケールの伸縮による影響を受ける第1の位置信号とその影響を受けない第2の位置信号との比率に応じた補正利得を用いて絶対位置信号を補正する。このため、本発明によれば、光学スケールが温度の変化によって伸縮した場合でも、正確な位置検出を行える位置検出装置を実現することができる。そして、この位置検出装置を用いて可動部材の絶対位置を検出することで、温度変化にかかわらず可動部材の高精度な位置制御や絶対位置の情報を用いた良好な処理等を行うことが可能な各種装置を提供することができる。
本発明の実施例1であるエンコーダの構成を示すブロック図。 実施例1におけるスケールトラックおよびトラックパターンの検出方法を説明する図。 従来の絶対位置演算処理を示すフローチャート。 バーニア演算を説明する図。 従来の絶対位置演算処理における上位、中位、下位および最下位信号を示す図。 従来の絶対位置演算処理における上位信号および中位信号の結合処理を説明する図。 従来の絶対位置演算処理における信号の結合処理に関する課題を説明する図。 実施例1の絶対位置演算処理における上位、中位、下位および最下位信号を示す図。 実施例1におけるポテンショメータの正規化処理を示すフローチャート。 実施例1における絶対位置演算処理を示すフローチャート。 実施例1におけるポテンショメータの回路を示す図。 実施例1におけるスケールの温度変化による伸縮を示す図。 実施例1におけるスケールの伸縮による検出位置の変化を示す図。 実施例1における温度補正処理を示すフローチャート。 実施例1における異なる温度環境下でのポテンショメータからの位置信号と絶対位置演算部からの絶対位置信号とを示す図。 本発明の実施例2である撮像装置の構成を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である位置検出装置としてのエンコーダの構成を示している。101は光学スケール(以下、単にスケールという)であり、固定部材104に対して移動可能な可動部材102に取り付けられている。スケール101には、図2(a)にも示す第1のスケールトラック101−1と第2のスケールトラック101−2とが設けられている。
103は光学式の第1の位置検出手段としての光学センサユニット(以下、単に光学センサという)であり、固定部材104に取り付けられている。光学センサ103には、LEDを光源とする発光部103−1と、第1の受光部103−2および第2の受光部103−3とが設けられている。第1および第2の受光部103−2,103−3にはそれぞれ、複数の受光素子がスケール101(可動部材102)の移動方向、すなわちスケール101と光学センサ103の相対移動方向である位置検出方向に配列されている。
本実施例ではスケール101が可動部材102に取り付けられ、光学センサ103が固定部材104に取り付けられている場合について説明するが、スケール101が固定部材104に取り付けられ、光学センサ103が可動部材102に取り付けられていてもよい。すなわち、可動部材102が固定部材104に対して移動することで、スケール101と光学センサ103とが相対移動すればよい。
光学センサ103は、スケール101に対向するように配置されている。光学センサ103の発光部103−1から発せられた発散光束としての光は、スケール101上の第1のスケールトラック101−1および第2のスケールトラック101−2に照射される。第1のスケールトラック101−1に設けられた複数の周期パターン(図2(a)に示す2つの周期パターン201−1,201−2)で反射した光は、第1の受光部103−2に向かう。これにより、第1のスケールトラック101−1の2つの周期パターン201−1,201−2の光学像(以下、パターン像という)が第1の受光部103−2上に形成される。
また、第2のスケールトラック101−2に設けられた複数の周期パターン(図2(a)に示す2つの周期パターン202−1,202−2)で反射した光は、第2の受光部103−3に向かう。これにより、第2のスケールトラック101−2の2つの周期パターン202−1,202−2の光学像(パターン像)が第2の受光部103−3上に形成される。各周期パターンは、光を反射する反射部と光を反射しない非反射部とが位置検出方向に交互に配置されて構成されている。
第1の受光部103−2は、受光した2つパターン像を光電変換し(すなわち、周期パターン201−1,201−2を読み取り)、該2つのパターン像に対応する2つの検出信号を出力する。同様に、第2の受光部103−3は、受光した2つパターン像を光電変換し(すなわち、周期パターン202−1,202−2を読み取り)、該2つのパターン像に対応する2つの検出信号を出力する。可動部材102とともにスケール101が光学センサ103に対して移動すると、各検出信号はこれに対応する周期パターンの周期に応じた周期で変化する信号(以下、周期信号という)となる。
第1の受光部103−2から出力された各周期信号はAD変換部105−1でデジタル信号に変換されて絶対位置演算部106に入力される。第2の受光部103−3から出力された各周期信号はAD変換部105−2でデジタル信号に変換されて絶対位置演算部106に入力される。
演算手段としての絶対位置演算部106は、AD変換部105−1,105−2から入力された信号を用いて、可動部材102の絶対位置を演算する。
ピッチ切り替え信号出力部107は、第1および第2の受光部103−2,103−3のそれぞれに設けられた複数の受光素子における受光ピッチ(検出ピッチ)を切り替えるためのピッチ切り替え信号を光学センサ103に出力する。光学センサ103は、ピッチ切り替え信号に応じて、受光ピッチを短周期の周期パターン201−1,202−1のピッチに対応した第1の受光ピッチと長周期の周期パターン201−2,202−2のピッチに対応した第2の受光ピッチとに切り替える。これにより、第1および第2の受光部103−2,103−3のそれぞれが2つずつの周期パターンを読み取ることができる。
図2(a)に示す第1および第2のスケールトラック101−1,101−2の周期パターン201−1,201−2,202−1,202−2についてさらに詳しく説明する。なお、図2(a)は各スケールトラックの周期パターンを簡略化して示したものである。実際の各スケールトラックには、スケール101における位置検出方向に直交する方向(以下、スケール幅方向という)において、図2(a)に示した2つの周期パターンよりも多くの数の周期パターンが形成されている。
第1のスケールトラック101−1に設けられた2つの周期パターン201−1,201−2は、互いに異なる周期P1,P2を有する。周期P1は周期P2より長い。以下の説明では、周期パターン201−1を長周期パターンともいい、周期パターン201−2を短周期パターンともいう。実際のスケールでは、長周期パターン201−1と短周期パターン201−2とがスケール幅方向に交互に配置されている。
一方、第2のスケールトラック101−2に設けられた2つの周期パターン202−1,202−2は、互いに異なる周期P1′,P2′を有する。周期P1′は周期P2′より長い。以下の説明では、周期パターン202−1を長周期パターンともいい、周期パターン202−2を短周期パターンともいう。実際のスケールでは、長周期パターン202−1と短周期パターン202−2とがスケール幅方向に交互に配置されている。
長周期パターン201−1の周期P1と長周期パターン202−1の周期P1′とは互いにわずかに異なっており(P1<P1′)、短周期パターン201−2の周期P2と短周期パターン202−2の周期P2′も互いにわずかに異なっている(P2<P2′)。
図2(b)には、長周期パターン201−1,202−1または短周期パターン201−2,202−2を読み取った光学センサ103の第1および第2の受光部103−2,103−3から出力される2つの周期信号を示している。縦軸は各受光部からの周期信号の値(10bitのAD変換値)を示し、横軸は光学センサ103に対するスケール101(可動部材102)の位置を示す。可動部材102の移動に伴って第1および第2の受光部103−2,103−3から互いに位相が異なる2相の周期信号(以下、まとめて2相信号ともいう)203,204が出力される。これら2相信号203,204は互いに位相が90°異なるサイン波とコサイン波に相当する。
図2(c)には、サイン波およびコサイン波としての2相信号203,204を逆正接変換により0から2πにて変化する信号に変換した結果を示している。縦軸は0から2πの角度(ラジアン)であり、横軸は光学センサ103に対するスケール101の位置を示す。
ここまでの構成は、従来の光学式エンコーダの構成と同じである。ここでは、従来の光学式エンコーダにおける絶対位置の演算処理とそれにより生ずる課題について説明する。
図3のフローチャートには、従来の光学式エンコーダにおいて絶対位置演算部106が行う絶対位置演算処理を示している。ここでは例として、スケール101の位置検出方向での長さ(スケール長)を40mmとする。また、スケール101上の周期パターン201−1,201−2,202−1,202−2のパターン数(反射部の数)をそれぞれ75,300,74,290とする。また、以下の説明では、周期パターン201−1,201−2,202−1,202−2に対応する周期信号をそれぞれ、P1,P2,P1′,P2′と称する。
ステップS301においてピッチ切り替え信号出力部107がP2,P2′に対応する受光ピッチを選択していることを検出した絶対位置演算部106は、ステップS302に進む。そして、ステップS302において、AD変換部105−1,105−2でサンプリングされた信号をP2,P2′として検出する。
次に、ステップS303では、絶対位置演算部106は、P2,P2′の逆正接変換処理を行って信号θ2,θ2′を生成する。サイン波とコサイン波としてのP2,P2′をそれぞれ、
[P2]sinθ/[P2]cosθ
[P2′]sinθ/[P2′]
として表すと、P2,P2′の逆正接変換は以下の式(1),(2)で求められる。
θ2=ATAN2([P2]sinθ,[P2]cosθ) (1)
θ2′=ATAN2([P2′]sinθ,[P2′]cosθ) (2)
この逆正接変換処理の後、絶対位置演算部106は、ステップS304にてピッチ切り替え信号出力部107にP1,P1′に対応する受光ピッチの選択命令を出力する。その後、ステップS301に戻る。
ステップS301においてピッチ切り替え信号出力部107がP1,P1′に対応する受光ピッチを選択していることを検出した絶対位置演算部106は、ステップS305に進む。そして、ステップS305において、AD変換部105−1,105−2でサンプリングされた信号をP1,P1′として検出する。
次に、ステップS306では、絶対位置演算部106は、P1,P1′の逆正接変換処理を行って信号θ1,θ1′を生成する。サイン波とコサイン波としてのP1,P1′をそれぞれ、
[P1]sinθ/[P2]cosθ
[P1′]sinθ/[P1′]
として表すと、P1,P1′の逆正接変換は以下の式(3),(4)で求められる。
θ1=ATAN2([P1]sinθ,[P1]cosθ) (3)
θ1′=ATAN2([P1′]sinθ,[P1′]cosθ) (4)
この逆正接変換処理の後、絶対位置演算部106は、ステップS307にてピッチ切り替え信号出力部107にP2,P2′に対応する受光ピッチの選択命令を出力する。その後、ステップS308に進む。
ステップS308では、絶対位置演算部106は、信号θ1,θ1′に対するバーニア演算処理(以下、単にバーニア演算という)を行って絶対位置を求めるために用いる上位信号を生成する。また、絶対位置演算部106は、信号θ2,θ2′に対するバーニア演算を行って絶対位置を求めるために用いる中位信号を生成する。この後、ステップS309に進む。
図4には、信号θ1,θ1′に対するバーニア演算を示している。401,402は信号θ1,θ1′を示す。信号θ1,θ1′に対するバーニア演算によって生成される上位信号としてのバーニア信号をθ1−1′とすると、θ1−1′は以下の式(5)より算出される。
θ1−1′=INT(θ1−θ1′) (5)
図4中の403はバーニア信号θ1−1′を示している。
同様に、信号θ2,θ2′に対するバーニア演算によって生成される中位信号としてのバーニア信号をθ2−2′とすると、θ2−2′は以下の式(6)より算出される。
θ2−2′=INT(θ2−θ2′) (6)
バーニア信号の0〜2πにおける折り返しの位置は、バーニア演算の対象となった2つの信号の折り返しが一致する位相(つまりは2つの信号に対応する周期パターンのパターン数の最小公倍数)となる。このため、0〜2πにおいてθ1−1′の折り返しは1回、θ2−2′の折り返しは10回となる。
θ1−1′の折り返しの位置は、P1とP1′に対応する周期パターン201−1,202−1における下記の位置となる。
(P1:P1′)=(75,74)
θ2−2′の折り返しの位置は、P2とP2′に対応する周期パターン201−2,202−2における下記の位置となる。
(P2:P2′)=(30,29),(60,58),(90,87),
(120,116),(150,145),(180,174),(210,203),(240,232),(270,261),(300,290)
以上説明したステップS301からステップS308の処理によって、絶対位置を算出するための上位信号θ1−1′と、中位信号θ2−2′と、下位信号としての信号θ1と、最下位信号としての信号θ2の4種類の信号が算出される。中位信号θ2−2′、下位信号θ1および最下位信号θ2が第1の位置信号に相当する。
図5には、演算処理によって得られる絶対位置を示している。図5において、(a)はバーニア信号θ1−1′に相当する上位信号を示している。この上位信号はスケール101上で1回の折り返しのみ有する。(b)はバーニア信号θ2−2′に相当する中位信号を示している。この中位信号は、スケール101上で10回の折り返しを有する。中位信号では、上位信号のレベルから何番目の折り返し信号かを求めることができる。つまり、10回の折り返しのうち1つの折り返しを特定可能である。(c)は信号θ1に相当する下位信号を示している。この下位信号は、スケール101上で75回の折り返しを有する。下位信号では、中位信号のレベルから何番目の折り返し信号かを求めることができる。(d)は信号θ2に相当する最下位信号を示している。この最下位信号は、スケール101上で300回の折り返しを有する。最下位信号では、下位信号のレベルから何番目の折り返し信号かを検出することができる。したがって、これら上位、中位、下位および最下位信号を結合することで、絶対位置を得ることができる。
次に上位、中位、下位および最下位信号の結合処理について説明する。まず結合処理の例として、上位信号と中位信号の結合処理を図6を用いて説明する。
図6において、(a)は上位信号θ1−1′を、(b)は中位信号θ2−2′をそれぞれ示している。まず、上位信号と中位信号を結合するためにゾーン信号を生成する。ゾーン信号とは、中位信号が何番目の折り返し信号かを特定するために生成される信号である。上述したように、上位信号はスケール101上で1回の折り返しを有し、中位信号はスケール101上で10回の折り返しを有するので、上位信号を10倍(逓倍)すると(c)に示すように中位信号の傾きと一致する傾きを有する信号が得られる。
上位信号を10倍して得られた信号と中位信号との差分をとることで、(d)に示すゾーン信号が得られる。ただし、ゾーン信号はノイズを含む信号であるため、ゾーン信号を離散化処理することでノイズを除去する。(e)は離散化処理されたゾーン信号を示している。
最後に、離散化されたゾーン信号に対して中位信号を足し合わせると、(f)に示すようにこれらが結合された信号(以下、結合信号という)を得ることができる。結合信号は、中位信号と同じ分解能と上位信号と同じスケールレンジとを併せ持つ信号である。
ステップS309では、絶対位置演算部106は、図6を用いて説明した結合処理と同様の結合処理により、最下位信号と下位信号とを結合する。次に、ステップS310において、同様に下位信号と中位信号を結合する。続いて、ステップS311において、図6に示した結合処理により中位信号と上位信号を結合する。こうして、最終的に最下位信号、下位信号、中位信号および上位信号が結合されて1つの絶対位置信号が生成される。
以下、ステップS309〜ステップS311での結合処理を数式を用いて説明する。
[下位信号と最下位信号の結合処理(ステップS309)]
最下位信号がスケール101上で300回の折り返しを有し、下位信号がスケール101上で75回の折り返しを有するので、下位信号を4(=300/75)倍すると最下位信号と傾きが一致する。絶対位置演算部106は、以下の式(7)に示すように、下位信号θ1を4倍することで得られた信号と最下位信号θ2との差分をとることでゾーン信号Zone(θ1)を得る。
Zone(θ1)=(θ1)×4−(θ2) (7)
さらに、以下の式(8)によりゾーン信号の離散化処理を行ってノイズを除去する。
ZoneN(θ1)=INT((Zone(θ1)+180)/360) (8)
次に、離散化されたゾーン信号ZoneN(θ1)と最下位信号θ2を以下の式(9)のように足し合わせることで、下位信号と最下位信号とを結合した下位結合信号Abs−θ1を算出する。
Abs−θ1=ZoneN(θ1)+θ2 (9)
[中位信号と下位信号の結合処理(ステップS310)]
下位信号がスケール101上で75回の折り返しを有し、中位信号がスケール101上で10回の折り返しを有するので、中位信号を7.5(=75/10)倍すると下位信号との傾きが一致する。絶対位置演算部106は、以下の式(10)に示すように、中位信号θ2−2′を7.5倍することで得られた信号と下位信号θ1との差分をとってゾーン信号Zone(θ2−2′)を得る。
Zone(θ2−2′)=(θ2−2′)×7.5−(θ1) (10)
さらに、以下の式(11)によりゾーン信号の離散化処理を行ってノイズを除去する。
ZoneN(θ2−2′)=INT((Zone(θ2−2′)+180)/360)
(11)
次に、離散化されたゾーン信号ZoneN(θ2−2′)と下位結合信号abs−θ1を以下の式(12)のように足し合わせることで、中位信号と下位信号とを結合した中位結合信号Abs−(θ2−2′)を算出する。
Abs−(θ2−2′)=ZoneN(θ2−2′)+(abs−θ1) (12)
ここで、下位結合信号abs−θ1は下位信号と最下位信号とが結合された信号であるので、中位結合信号Abs−(θ2−2′)は中位信号、下位信号および最下位信号が結合された信号に相当する。
「上位信号と中位信号の結合処理(ステップS311)」
上位信号がスケール101上で1回の折り返しを有し、中位信号がスケール101上で10回の折り返しを有するので、上位信号を10(=10/1)倍すると中位信号と傾きが一致する。絶対位置演算部106は、以下の式(13)に示すように、上位信号θ1−1′を10倍することで得られた信号と中位信号θ2−θ2′との差分をとってゾーン信号を得る。
Zone(θ1−1′)=(θ1−1′)×10−(θ2−θ2′) (13)
さらに、以下の式(14)によりゾーン信号の離散化処理を行ってノイズを除去する。
ZoneN(θ1−1′)=INT((Zone(θ1−1′)+180)/360)
(14)
次に、離散化されたゾーン信号ZoneN(θ1−1′)と中位結合信号Abs−(θ2−2′)を以下の式(15)のように足し合わせることで、上位信号と中位信号とを結合した上位結合信号Abs−(θ1−1′)を算出する。
Abs−(θ1−1′)=ZoneN(θ1−1′)+(Abs−(θ2−2′))
(15)
ここで、中位結合信号Abs−(θ2−2′)は中位信号、下位信号および最下位信号を結合した信号であるので、上位結合信号Abs−(θ2−2′)は上位信号、中位信号、下位信号および最下位信号が全て結合された信号に相当する。したがって、上位結合信号Abs−(θ1−1′)は、最下位信号と同じ分解能と上位信号と同じスケールレンジとを併せ持った信号となる。
以上説明したステップS300からステップS311の処理によって、絶対位置を示す信号である絶対位置信号Abs−(θ1−1′)が生成される。
次に、上述した従来の絶対位置演算処理により生ずる課題について説明する。上述したように構成される光学式エンコーダでは、スケール101上の複数の周期パターンを光学センサ103で読み取ることで生成された互いに周期(折り返し数)が異なる上位、中位、下位および最下位信号を結合することで、高い精度で絶対位置を得る。しかし、スケール101に付いた汚れ(傷を含む)や塵埃の影響を受けやすいことが問題である。特に、ゾーン信号の分割数が多くなる上位信号と中位信号を結合する場合にその影響が顕著に表れる。その原因について説明する。
図7には、結合される上位信号と中位信号を示している。これらの結合処理については図6を用いて説明した通りである。図7において、(a)は上位信号θ1−1′を、(b)は中位信号θ2−2′を示している。ステップS311の説明で述べたように、上位信号を10倍すると(c)に示すように中位信号の傾きと一致した傾きを有する信号が得られ、この上位信号を10倍した信号と中位信号との差分をとることで(d)に示すゾーン信号が得られる。
ただし、(a)に示す上位信号がスケール101に付いた汚れや塵埃に起因するノイズを含むと、この上位信号を10倍することで、(c)に示すようにノイズ701までも増幅される。ステップS309,S310で説明した下位信号と最下位信号の結合および中位信号と下位信号の結合に際してのゾーン信号生成時における下位信号および中位信号に対する倍率は、前者が4倍で、後者が7.5倍である。これらに比べて、上位信号と中位信号の結合においては上位信号を10倍するため、ノイズの増幅が顕著である。
増幅されたノイズ701を含む(c)に示す信号から(d)に示すゾーン信号を生成すると、ゾーン信号にもノイズ702が残り、このゾーン信号を離散化処理すると、(e)に示すようにゾーンを誤らせるような信号成分703が生じる。この結果、正しい絶対位置を演算することができなくなる。
発明者の実験によれば、スケール101に50μm以上の大きさ汚れや塵埃が付くことによって上位信号のノイズレベルが±130°程度にまで達し、十分な位置検出精度が得られなくなる。一方、中位信号および下位信号においては、スケール101に50μm以上の大きさ汚れや塵埃が付いた場合でも、ノイズレベルは±90°以下に収まっており、位置検出精度には大きな影響はない。
以下、本実施例に特有の構成について、再び図1を用いて説明する。108は非光学式の第2の位置検出手段としてのポテンショメータ(可変抵抗器)であり、固定部材104と一体に形成された又は一体的に接続された固定部材109に取り付けられている。108−1はポテンショメータ108のスケール部(抵抗器)であり、108−2は接点ブラシを介してスケール部108−1に接触しながらスライド可能なスライダ部である。スライダ部108−2は可動部材102と一体に形成された又は一体的に接続された可動部材110に取り付けられており、これにより可動部材110(可動部材102)の移動に伴ってスケール部108−1に対してスライドする。
なお、本実施例では、スケール部108−1を固定部材109に取り付け、スライダ部108−2を可動部材110に取り付けているが、スライダ部108−2を固定部材109に取り付けてもよい。
図11はポテンショメータ108の回路を示している。スケール部108−1を構成する抵抗器1100の両端子はそれぞれ、電源(Vcc)1101とグランド(GND)1102とに接続されている。可動部材110に取り付けられたスライダ部108−2の接点ブラシは、可動部材110の移動に伴って抵抗器1100に対して接触しながらスライドする。
ポテンショメータ108の電気抵抗値はスケール部108−1(抵抗器1100)に対するスライダ部108−2の接触位置、つまりは可動部材110の位置に応じて変化する。ポテンショメータ108は、その電気抵抗値に応じて電源電圧Vccを分圧した電圧信号を分圧端子1103から出力するので、該電圧信号は可動部材110の位置を示す信号となる。
図1に示すように、ポテンショメータ108からの信号はAD変換部111によってデジタル変換されて絶対位置演算部106に入力される。本実施例では、絶対位置演算部106は、ポテンショメータ108から得られた信号(AD変換部111からの信号)を、先に説明した光学式エンコーダにて得られた上位信号θ1−1′に代わる上位信号(第2の位置信号)として絶対位置の演算に用いる。
なお、本実施例では、上位信号をポテンショメータ108により生成する場合について説明するが、他の位置信号(中位信号等)をポテンショメータ108により生成してもよい。絶対位置の演算に用いる位置信号のうちゾーン信号を生成する際にスケール101に付いた汚れや塵埃の影響を受ける位置信号をポテンショメータにより生成すればよい。
ポテンショメータは、一般に64分割程度の分解能しか有さず、精度的にはあまり高くないが、抵抗器であるので、汚れや塵埃の影響をほとんど受けない。しかも、抵抗分圧で電圧変換された信号を出力するので、温度や湿度による抵抗変化の影響が少ない。
ここで、ポテンショメータ108からの出力信号を上位信号として用いることの妥当性に関して検証する。先に述べたように、上位信号と中位信号を結合するのに必要な精度は±180°である。中位信号は0から360°を単位として10回の折り返しを有する信号であるので、スケール全長(可動部材102の全移動範囲)を360°×10=3600°の累積角度で表すことができる。ポテンショメータ108はこのスケール全長をおよそ64分割以上の分解能で分割可能であるので、1つのゾーン当たりで3600°/64≒56°となり、要求される±180°以内の精度を十分に満たすことができる。つまり、ポテンショメータ108からの出力信号として上位信号は、中位信号における複数(10回)の折り返しのうち1つを特定可能な分解能を有する信号である。
図8には、ポテンショメータ108の出力信号である上位信号と、光学センサ103からの出力信号により生成された中位信号、下位信号および最下位信号との関係を示している。(a)は上位信号であり、図5の(a)に示した上位信号θ1-1′に代えて用いられる。(b)に示す中位信号、(c)に示す下位信号および(d)に示す最下位信号は図5の(b),(c),(d)に示したものと同じである。
上位信号はポテンショメータ108の出力信号をAD変換部111でデジタル変換した信号であり、10bit長のデータとして0〜1024の出力レンジを有する。これに対して、光学センサ103からの出力信号により生成された中位信号、下位信号および最下位信号は、0〜360°の角度信号であるので、上位信号とは出力レンジの単位が異なる。したがって、上位信号の出力レンジの単位を中位信号、下位信号および最下位信号の出力レンジの単位(0〜360°)に合わせる出力レンジの正規化が必要である。
さらに、ポテンショメータ108と光学センサ103とは互いに独立した位置検出器であり、ポテンショメータ108のスケール部108−1のスケール長と光学センサ103に対して用いられるスケール101のスケール長とが異なる。前述したように、上位信号と中位信号とを結合するためには、上位信号の傾きと中位信号の傾きとを一致させてゾーン信号を生成する必要がある。そして、傾きを一致させるためには、上位信号のスケールレンジを中位信号のスケールレンジに合わせるスケールレンジの正規化が必要となる。
ポテンショメータ108から得られた上位信号の出力レンジおよびスケールレンジの正規化の処理は、絶対位置の演算に先立って行っておく必要がある。ここでは、図9のフローチャートを用いて、絶対位置演算部106が行うポテンショメータ108から得られた上位信号の出力レンジおよびスケールレンジの正規化処理について説明する。絶対位置演算部106は、コンピュータプログラムに従って本処理を実行する。
ステップS901では、絶対位置演算部106は、ピッチ切り替え信号出力部107を通じて光学センサ103の第1および第2の受光部103−2,103−3からそれぞれ信号P2,P2′を出力させる。
次に、ステップS902では、可動部材102をその一方の移動端(a)まで移動させる。この可動部材102の移動は、本実施例のエンコーダが搭載された装置においてアクチュエータの駆動または人のマニュアル操作によって行われる。後のステップS905でも同じである。
次に、ステップS903にて可動部材102が移動端(a)に到達したことを検出した絶対位置演算部106は、ステップS904にて、移動端(a)でのポテンショメータ108の出力(AD変換部111によるデジタル変換後の出力)AD(a)を記憶する。
次に、ステップS905では、可動部材102を移動端(a)とは反対側の移動端(b)に移動させる。絶対位置演算部106は、可動部材102の移動中にステップS906で信号P2,P2′をサンプリングする。そして、ステップS907でこれら信号P2,P2′の逆正接変換を行い、ステップS908で中位信号θ2−2′を得るためのバーニア演算を行いながら、ステップS909で中位信号θ2−2′により得られる累積角度を計数する。絶対位置演算部106は、これらステップS906〜S909の処理をステップS910にて可動部材110の移動端(b)への到達を検出するまで繰り返す。
ステップS910で移動端(b)への到達を検出した絶対位置演算部106は、ステップS911に進み、移動端(b)でのポテンショメータ108の出力AD(b)を記憶する。
次に、ステップS912では、絶対位置演算部106は、記憶したポテンショメータ108の出力AD(a),AD(b)を用いてポテンショメータ108の出力レンジの正規化を行うための補正係数Wを算出する。補正係数Wは、以下の式(16)により算出できる。
W=1024/(AD(b)−AD(a)) (16)
次に、ステップS911では、絶対位置演算部106は、中位信号θ2−2′により得られた累積角度を用いて、ポテンショメータ108のスケールレンジを正規化するための補正係数Hを求める。補正係数Hは、以下の式(17)により算出できる。
H=累積角度/360 (17)
このようにして、ポテンショメータ108の出力レンジおよびスケールレンジの正規化処理が完了する。
次に、ポテンショメータ108からの出力信号を上位信号として用いた場合に絶対位置演算部106が行う絶対位置の演算処理について図10のフローチャートを用いて説明する。絶対位置演算部106は、コンピュータプログラムに従って本処理を実行する。
ステップS301からステップS306までの処理は、図3に示したステップS301からステップS306で説明した処理と同じである。すなわち、絶対位置演算部106は、信号P1,P1′,P2,P2′をサンプリングして逆正接変換したθ1,θ1′,θ2,θ2′を生成する。
ステップS306の後、ステップS1008では、絶対位置演算部106は、AD変換部111を通じてポテンショメータ108からの信号AD(x)をサンプリングする。そして、ステップS1009において、サンプリングした信号AD(x)の出力レンジの正規化を行う。出力レンジの正規化は、図9のフローチャートで説明した正規化処理で得られたポテンショメータ108からの出力AD(a)と補正係数Wとを用いて以下の式(18),(19)により行われる。
AD(x)′=AD(x)−AD(a) (18)
AD(x)″=W×AD(x)′ (19)
AD(x)″がポテンショメータ108の正規化された出力レンジにおける出力である。
次に、ステップS1009において、絶対位置演算部106は、ポテンショメータ108のスケールレンジの正規化を行う。スケールレンジの正規化は、図9のフローチャートで説明した正規化処理で得られた補正係数Hを用いて以下の式(20)により行われる。
Pot=H×AD(x)″ (20)
Potがポテンショメータ108の正規化されたスケールレンジ(および正規化された出力レンジ)における出力である。
以上のステップS1008からステップS1010までの処理がポテンショメータ108から正規化された上位信号Potを生成するための処理である。
次に、ステップS1011では、絶対位置演算部106は、上述した式(6)を用いて、中位信号を生成するためのバーニア演算を行う。
次に、ステップS1012〜ステップS1014では、絶対位置演算部106は、上位信号、中位信号、下位信号および最下位信号の結合処理を行う。ステップS1012の処理は、下位信号と最下位信号との結合処理であり、図9中のステップS309と同じである。また、ステップS1013の処理は、中位信号と下位信号との結合処理であり、図9中のステップS310と同じである。
ステップS1014の処理は、ポテンショメータ108からの正規化された上位信号と光学センサ103からの中位信号との結合処理であり、以下、これについて説明する。
[上位信号と中位信号との結合処理(ステップS1014)]
正規化された上位信号はスケール101上で1回の折り返しを有する信号に相当し、中位信号はスケール101上で10回の折り返しを有するので、上位信号を10(=10/1)倍すると下位信号と傾きが一致する。絶対位置演算部106は、以下の式(21)に示すように、上位信号Potを10倍した信号と中位信号θ2−θ2′との差分をとってゾーン信号を得る。
Zone(Pot)=(Pot)×10−(θ2−θ2′) (21)
さらに、以下の式(22)によりゾーン信号の離散化処理を行ってノイズを除去する。
ZoneN(Pot)=INT((Zone(Pot)+180)/360) (22)
次に、絶対位置演算部106は、離散化されたゾーン信号ZoneN(Pot)とステップS1013で生成された中位結合信号Abs−(θ2−2′)を以下の式(23)のように足し合わせる。これにより、上位信号と中位信号とを結合した上位結合信号Abs−(Pot)を算出する。
Abs−(Pot)=ZoneN(Pot)+(Abs−(θ2−2′)) (23)
ここで、中位結合信号Abs−(θ2−2′)は中位信号、下位信号および最下位信号を結合した信号であるので、上位結合信号Abs−(Pot)は上位信号、中位信号、下位信号および最下位信号の全てが結合された信号に相当する。したがって、上位結像信号Abs−(Pot)は、最下位信号と同じ分解能と上位信号と同じスケールレンジとを併せ持った信号となる。このようにして、可動部材102(110)の絶対位置を示す信号である絶対位置信号Abs−(Pot)が生成される。
本実施例によれば、光学スケールに付いた汚れや塵埃の影響を最も受けやすい上位信号を汚れや塵埃の影響をほとんど受けないポテンショメータ108からの出力信号により上位信号を生成し、他の中位信号等を光学センサ103からの信号により生成する。これにより、汚れや塵埃の影響を受けにくい信頼性の高いエンコーダを実現することができる。
(温度補正処理)
次に、温度環境の変化に伴ってスケール101が伸縮することによる位置の誤検出の発生とその補正について説明する。
図11に示したポテンショメータ108は、温度変化によって抵抗器1100の全抵抗値は変化するが、分圧端子1103からの出力電圧は分圧比に応じた電圧であり、温度によってほとんど変化しない。
図12には、温度変化によるスケール101の伸縮を示している。スケール101は、その固定端(第1の位置)で可動部材102に固定されている。スケール101の固定端とは反対側の端(伸縮端)は、スケール101の伸縮を許容するために可動部材102に固定されておらず、可動部材102に対して板ばね等の付勢力で押さえられている。図12(a),(b),(c)はそれぞれ、低温、常温および高温環境下でのスケール101の固定端から伸縮端までの長さ(スケール長)を示している。スケール長は、常温時(b)に比べて低温時(a)は短くなり、高温時(c)は長くなる。すなわち、伸縮端が、常温時に比べて低温時は固定端1202に近づき、高温時は遠ざかる。このスケール101の伸縮により、図13に示すように、光学センサ103からの出力信号を用いて絶対位置演算部106により生成された絶対位置信号により示される可動部材102の絶対位置が変化する。
なお、本実施例ではスケール101をその一端(固定端)で可動部材102に固定しているが、スケール101の可動部材102への固定位置は位置検出方向での中間位置(第1の位置)でもよい。
図13において、横軸は可動部材102の位置Xであり、縦軸は絶対位置演算部106で得られる絶対位置信号により示される絶対位置(以下、演算絶対位置ともいう)Yである。グラフ1301,1302,1303はそれぞれ、図12に示した(a)低温、(b)常温および(c)高温でのスケール長における可動部材102の位置Xと演算絶対位置Yとの関係を表している。
可動部材102の位置X0に対する演算絶対位置Yは、低温、常温および高温環境下でそれぞれY0″,Y0,Y0′(Y0″>Y0>Y0′)となる。つまり、可動部材102の位置が同じであっても、演算絶対位置Yは常温時に比べて低温時と高温時とで反対側にずれる。このように、温度環境によって演算絶対位置の変化(誤差)、すなわち位置の誤検出が発生する。
以下では、このような温度環境の変化に伴う演算絶対位置の誤差を補正する処理(温度補正処理)について説明する。
図1において、150は温度補正部(補正手段)であり、絶対位置演算部106に内蔵されている。温度補正部150は、絶対位置演算部106で得られた演算絶対位置(絶対位置信号)に対する温度補正処理を行う。なお、温度補正部150を、絶対位置演算部106とは別に設けてもよい。また、160は温度センサ(温度検出手段)であり、エンコーダの周辺の環境温度を検出し、該環境温度に対応する電気信号を出力する。
温度補正部150が行う温度補正処理について図14のフローチャートを用いて説明する。この処理は、温度補正部150がコンピュータプログラムに従って実行する。ここでは、本実施例のエンコーダを、後述する実施例2に示すような撮像装置の可動レンズの位置検出に用いる場合を想定して説明する。この可動レンズと一体に又は連動して可動部材102(110)が移動するものとする。
ステップS1401において、温度補正部150は、ポテンショメータ108からの位置信号(第2の位置信号)Potの値Q1を取り込む。位置信号Potは、前述した正規化された上位信号に相当する信号である。
次に、ステップS1402において、温度補正部150は、絶対位置演算部106で生成された演算絶対位置を示す信号、すなわち絶対位置信号Abs−(Pot)の値Q2を取り込む。
次に、ステップS1403において、温度補正部150は、温度センサ160からの出力(検出温度)Thermを取得する。
次に、ステップS1404において、温度補正部150は、現在の処理が、撮像装置の電源の投入(Power On)後、最初(1回目)の処理か否かを判定する。電源投入後の最初の処理である場合はステップS1414に進み、そうでない場合はステップS1405に進む。
ステップS1414において、温度補正部150は、温度補正ゲイン(補正利得)αを演算する。ここで、温度補正ゲインαの演算方法について、図15を用いて説明する。図15は、ある温度Tにおける可動部材102(110)の実際の位置(以下、実位置という)とポテンショメータ108からの位置信号の値Q1と絶対位置演算部106で得られる絶対位置信号の値Q2との関係を示す。
図15の縦軸(Y軸)はQ1,Q2を示し、横軸(X軸)は可動部材102(110)の実位置を示している。グラフ1501は、Q1と可動部材102(110)の実位置Xとの関係を示している。この関係は直線的であり、前述したように温度による変化がほとんどないため、Q1=Yとすると、概ね以下の式(24)の関係が成り立つ。
Y=X (24)
図中のグラフ1502は、Q2と可動部材102の実位置Xとの関係を示している。この関係は直線的ではあるが、温度によって直線の傾き(比例定数)が変化する。このグラフ(直線)1502における温度Tにおける傾きをαとし、Q2=Yとするとき、概ね以下の式(25)の関係が成り立つ。
Y=αX (25)
ここで、可動部材102のある位置X0での比例定数αについて説明する。可動部材102の位置X0では、式(24)および式(25)より、ポテンショメータ108からの位置信号の値Q1および絶対位置演算部106で得られる絶対位置信号の値Q2はそれぞれ、X0およびαX0となる。この関係から、ある温度でのQ1,Q2には、以下の式(26)の関係が成り立つ。
Q1/Q2=α (26)
αはQ1とQ2の比率である。
このことから、絶対位置演算部106で得られる絶対位置信号の値Q2をα倍すれば、ポテンショメータ108からの位置信号の値Q1が得られることが分かる。ポテンショメータ108からの位置信号の値Q1は式(24)に示すように可動部材102の実位置そのものであるので、絶対位置演算部106で得られる絶対位置信号の値Q2をα倍すれば、可動部材102の実位置に変換することができる。
式(26)の右辺はXの項を含まないため、可動部材102がどの位置にあっても式(26)の関係が成り立つ。つまり、可動部材102の位置にかかわらず、絶対位置演算部106で得られる絶対位置信号の値Q2をα倍することで、温度Tにおける可動部材102の実位置αQ2を得ることができる。このαが温度補正ゲインである。
ステップS1414にて式(26)により温度補正ゲインαを演算した温度補正部150は、ステップS1415において、温度補正ゲインαを更新したときのポテンショメータ108からの位置信号の値Q1のバックアップ値としてQ1bkを保存する。
次に、ステップS1416において、温度補正部150は、温度センサ160からの出力Thermをバックアップ値Thermbkとして保存する。
次に、ステップS1417において、温度補正部150は、タイマカウンタTimerの値をクリアする。
ステップS1404にて現在の処理がPower On後の2回目以降の処理であると判定した温度補正部150は、ステップS1405において、ステップS1402で取り込んだ絶対位置演算部106で得られた絶対値信号の値Q2に対する温度補正を行う。温度補正は、以下の式(27)により行う。
温度補正後の絶対位置信号(補正絶対位置信号)の値=αQ2 (27)
温度補正ゲインαの演算方法は、前述したステップS1414での処理と同じである。
次にステップS1406において、温度補正部150は、以下の式(28)を計算する。すなわち、ステップS1401にて得られたポテンショメータ108からの位置信号の値Q1とステップS1405で求めた温度補正後の絶対位置信号の値αQ2との差分の絶対値である位置差分Diffを求める。
Diff=|Q1−αQ2| (28)
次に、ステップS1407において、温度補正部150は、タイマカウンタTimerをカウントアップする。タイマカウンタTimerの撮像装置の電源投入時の初期値は0である。
続くステップS1408〜S1411では、温度補正部150は、温度補正ゲインαを更新するか否かを判定する。まず、ステップS1408において、温度補正部150は、ステップS1406で求めた位置差分Diffが所定値d_THより大きいか否かを判定する。この判定でポテンショメータ108から得られた位置信号の値Q1と温度補正後の絶対位置信号の値αQ2との差分Diffが所定値d_THより大きいと判定された場合は補正結果が適切ではないため、ステップS1414に戻って温度補正ゲインαを再度演算する。一方、位置差分Diffが所定値d_THより小さいと判定された場合には、温度補正部150は、ステップS1409に進む。
ステップS1409において、温度補正部150は、タイマカウンタTimerが所定時間t_THに達したか否かを判定する。所定時間t_THに達したと判定した場合はステップS1414に進み、温度補正ゲインαを再設定する。そうでない場合はステップS1410に進む。すなわち、温度補正部150は、所定時間t_THごとに温度補正ゲインαを演算する。
ステップS1410では、温度補正部150は、温度補正ゲインαを更新したときのポテンショメータ108からの位置信号のバックアップ値Q1bk(ステップS1415で保存)と今回取得したポテンショメータ108の位置信号の値Q1との大小関係を調べる。ここでの処理は、スケール101の固定端からQ1とQ1bkのうちどちらが遠い位置にある(Q1>Q1bk)かを確認する処理である。Q1がQ1bkより固定端から遠い位置にあるときにはステップS1414に進み、逆にQ1がQ1bkより固定端に近い位置にあるときにはステップS1411に進む。
ステップS1411では、温度補正部150は、ステップS1403で取得した温度センサ160からの検出温度Thermと前回の検出温度のバックアップ値Thermbkとの差の絶対値が所定温度th_THより高いか否かを判定する。該差の絶対値が所定温度th_THより高い場合はステップS1414に進み、そうでない場合はステップS1412に進む。すなわち、温度補正部150は、温度センサ160による検出温度の変化量が所定変化量(th_TH)より大きい場合に温度補正ゲインαを演算する。
ステップS1408,S1409,S1410およびS1411からステップS1414に進んだ温度補正部150は、ステップS1405において絶対位置演算部106で得た絶対位置信号の値Q2を用いて式(26)により温度補正ゲインαを演算して更新する。
続くステップS1412では、温度補正部150は、可動部材102の絶対位置Zposを、以下の式(29)のように絶対位置演算部106で得られた絶対位置信号の値Q2を温度補正ゲインαを用いて補正した、
Zpos=αP2 (29)
として算出する。こうして、絶対位置演算部106で得られる絶対位置信号の温度補正部150による温度補正処理が終了する。
次に、ステップS1413において、温度補正部150は、撮像装置に搭載されたカメラマイクロコンピュータに、ステップS1412で算出した温度補正後の可動部材102の位置Zposを出力する。カメラマイクロコンピュータは、この位置Zposを用いて各種レンズ制御を行う。レンズ制御には、可動レンズが変倍レンズである場合のフォーカスレンズのズームトラッキング制御や、可動レンズがフォーカスレンズである場合のオートフォーカスでの該フォーカスレンズの位置の制御等を含む。
なお、上記実施例では、絶対位置を演算するために上位信号、中位信号、下位信号および最下位信号の4種類の信号を用いる場合について説明したが、本発明の他の実施例は、1種類の信号を用いる場合や5種類以上の信号を用いる場合も含む。
また、上記実施例では、第2のセンサとしてポテンショメータを用いる場合について説明したが、本発明の他の実施例は、第2のセンサとして、磁気式センサや静電容量式センサ等、光学式センサ以外の各種センサを用いる場合も含む。
図16には、上述した実施例1で説明したエンコーダを搭載した装置の一例として、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置(光学機器)を示している。この撮像装置では、エンコーダをレンズ鏡筒内での可動レンズの絶対位置を検出するために用いている。
図16において、301は実施例1で説明した光学スケール101であり、302は実施例1で説明したポテンショメータ108のスライダ部108−2である。また、303は実施例1で説明した光学センサ103とポテンショメータ108のスケール部108−1を含むブロックを示す。340は実施例1で説明したAD変換部105−1,105−2,111、ピッチ切り替え信号出力部107および絶対位置演算部106を含むブロックを示す。これらにより、実施例1のエンコーダが構成される。
光学スケール301とスライダ部302は、レンズ鏡筒内において光軸回りで回転する円筒形状のカム環350の内周面に取り付けられている。カム環350は、不図示のアクチュエータによって回転駆動される。
レンズ鏡筒内には、撮影光学系351が収容されている。撮影光学系351は、カム環350が回転することで、該カム環350に形成されたカムによって光軸方向に移動可能な可動レンズ(例えば、変倍レンズやフォーカスレンズ)352を含む。
355は撮像装置のシステム全体を制御するカメラマイクロコンピュータとしてのCPUである。356は撮影光学系351により形成された被写体像を光電変換するイメージセンサ(撮像素子)であり、CCDセンサやCMOSセンサ等の光電変換素子により構成されている。
可動レンズ352を移動させるためにカム環350が回転すると、エンコーダによりカム環350の絶対回転位置(つまりは可動レンズ352の光軸方向での絶対位置)が検出され、その情報がCPU355に出力される。
CPU355は、その絶対回転位置の情報に基づいてカム環350を回転させるアクチュエータを駆動し、可動レンズ352を目標とする位置に移動させる。
実施例1で説明したエンコーダは、上述した撮像装置に限らず、プリンタ(光学機器)における印字ヘッドや給紙ローラの位置検出、複写機(光学機器)の感光ドラムの回転位置検出をはじめ、ロボットアームの位置検出等、様々な装置に適用することができる。そして、これらの装置において実施例1のエンコーダにより可動部材の絶対位置を検出することで、可動部材の高精度な位置制御や絶対位置の情報を用いた良好な処理等を行うことが可能である。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
101 光学スケール
102,110 可動部材
103 光学センサ
106 絶対位置演算部
108 ポテンショメータ
150 温度補正部
次に、ステップS912では、絶対位置演算部106は、記憶したポテンショメータ108の出力AD(a),AD(b)を用いてポテンショメータ108の出力レンジの正規化を行うための補正係数Wを算出する。補正係数Wは、以下の式(16)により算出できる。
W=1024/(AD(b)−AD(a)) (16)
次に、ステップS91では、絶対位置演算部106は、中位信号θ2−2′により得られた累積角度を用いて、ポテンショメータ108のスケールレンジを正規化するための補正係数Hを求める。補正係数Hは、以下の式(17)により算出できる。
H=累積角度/360 (17)
このようにして、ポテンショメータ108の出力レンジおよびスケールレンジの正規化処理が完了する。
次に、ステップS1010において、絶対位置演算部106は、ポテンショメータ108のスケールレンジの正規化を行う。スケールレンジの正規化は、図9のフローチャートで説明した正規化処理で得られた補正係数Hを用いて以下の式(20)により行われる。
ステップS1014の処理は、ポテンショメータ108からの正規化された上位信号と光学センサ103からの中位信号との結合処理であり、以下、これについて説明する。
[上位信号と中位信号との結合処理(ステップS1014)]
正規化された上位信号はスケール101上で1回の折り返しを有する信号を10倍した信号に相当し、下位信号と傾きが一致する。絶対位置演算部106は、以下の式(21)に示すように、上位信号Potと中位信号θ2−θ2′との差分をとってゾーン信号を得る。
Zone(Pot)=(Pot)−(θ2−θ2′) (21)
さらに、以下の式(22)によりゾーン信号の離散化処理を行ってノイズを除去する。
ZoneN(Pot)=INT((Zone(Pot)+180)/360) (22)
次に、絶対位置演算部106は、離散化されたゾーン信号ZoneN(Pot)とステップS1013で生成された中位結合信号Abs−(θ2−2′)を以下の式(23)のように足し合わせる。これにより、上位信号と中位信号とを結合した上位結合信号Abs−(Pot)を算出する。
Abs−(Pot)=ZoneN(Pot)+(Abs−(θ2−2′)) (23)
ここで、中位結合信号Abs−(θ2−2′)は中位信号、下位信号および最下位信号を結合した信号であるので、上位結合信号Abs−(Pot)は上位信号、中位信号、下位信号および最下位信号の全てが結合された信号に相当する。したがって、上位結像信号Abs−(Pot)は、最下位信号と同じ分解能と上位信号と同じスケールレンジとを併せ持った信号となる。このようにして、可動部材102(110)の絶対位置を示す信号である絶対位置信号Abs−(Pot)が生成される。

Claims (13)

  1. 互いに周期が異なる複数の周期パターンが形成された光学スケールとともに用いられ、可動部材の移動に伴って前記光学スケールと相対移動する際に前記複数の周期パターンからの光を受光して該複数の周期パターンの周期に応じた周期でそれぞれ変化する複数の第1の検出信号を生成する光学式の第1の位置検出手段と、
    前記可動部材の移動に伴って変化する第2の検出信号を生成する非光学式の第2の位置検出手段と、
    前記複数の第1の検出信号を用いて第1の位置信号を生成するとともに、前記第2の検出信号を用いて前記第1の位置信号とは分解能が異なる第2の位置信号を生成し、前記第1の位置信号と前記第2の位置信号とを結合する演算を行って前記可動部材の絶対位置を示す絶対位置信号を生成する演算手段と、
    前記第1の位置信号と前記第2の位置信号との比率に応じた補正利得を演算し、前記絶対位置信号を前記補正利得を用いて補正した補正絶対位置信号を生成する補正手段とを有することを特徴とする位置検出装置。
  2. 前記光学スケールは、該光学スケールと前記第1の位置検出手段との相対移動方向における第1の位置において、該光学スケールが取り付けられる部材に対して固定されており、
    前記補正手段は、前記相対移動方向における前記第1の位置とは異なる第2の位置で得られる前記第1の位置信号と前記第2の位置信号との比率に応じた前記補正利得を演算することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
  3. 前記補正手段は、前記第1の位置信号と前記補正絶対位置信号と差が所定値より大きい場合に再度、前記補正利得を演算することを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出装置。
  4. 前記補正手段は、所定時間ごとに前記補正利得を演算することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  5. 温度を検出する温度検出手段を有し、
    前記補正手段は、前記温度検出手段による検出温度の変化量が所定変化量より大きい場合に前記補正利得を演算することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  6. 前記第2の位置信号は、前記第1の位置信号よりも分解能が低いことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  7. 前記第1の位置信号は、複数の折り返しを有する信号であり、
    前記第2の位置信号は、前記第1の位置信号における前記複数の折り返しのうち1つを特定可能な分解能を有する信号であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  8. 前記第2の位置検出手段は、前記可動部材の移動に伴って電気抵抗値が変化する可変抵抗器であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  9. 前記演算手段は、前記第2の位置信号の出力レンジおよびスケールレンジをそれぞれ前記第1の位置信号の出力レンジおよびスケールレンジに対して正規化する処理を行ってから、前記第1の位置信号と前記第2の位置信号とを結合する演算を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  10. 前記複数の第1の検出信号は、互いに位相が90°異なる2相の信号であり、
    前記第1の位置信号は前記2相の信号を逆正接変換して0から360°の角度に変換した出力レンジを有しており、
    前記演算手段は、前記第2の位置信号の出力レンジを、前記第1の位置信号の0から360°の角度に対応するように正規化することを特徴とする請求項9に記載の位置検出装置。
  11. 前記演算手段は、前記第2の位置信号のスケールレンジを、前記可動部材がその全移動範囲を移動したときの前記第1の位置信号における累積角度で正規化することを特徴とする請求項9または10に記載の位置検出装置。
  12. 請求項1記載の位置検出装置であって、
    前記第1の位置信号は、互いに異なる周期P1,P1′で変化する2つの信号の逆正接変換により得られた信号θ1,θ1′と、それぞれ前記周期P1,P1′より短い周期であって互いに異なる周期P2,P2′で変化する2つの信号の逆正接変換により得られた信号θ2,θ2′とを含み、
    前記演算手段は、
    前記信号θ2,θ2′に対してバーニア演算を行って中位信号を生成し、
    前記信号θ1から下位信号を生成し、
    前記信号θ2から最下位信号を生成し、
    上位信号としての前記第2の位置信号と前記中位信号と前記下位信号と前記最下位信号とを結合する演算を行って前記絶対位置を示す信号を生成することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の位置検出装置と、
    該位置検出装置により絶対位置が検出される可動部材とを有することを特徴とする装置。
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