JP2015121405A - アブソリュートエンコーダおよび装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な位置検出精度を確保できるアブソリュートエンコーダを提供する。【解決手段】エンコーダは、スケール2との相対移動が可能であり、スケール2上の複数の周期パターンのそれぞれに応じた周期を有する複数の周期信号を生成するセンサ7を有する。信号生成手段51は、複数の周期信号を用いて、絶対位置の検出に用いる信号として複数の周期信号の周期よりも長い周期を有する上位信号を生成する。信号処理手段は、周期パターン領域のうち1周期の上位信号を生成するための第1の領域とこれに隣接する第2の領域のそれぞれに対して生成される上位信号を第1および第2の領域の境界において折り返す処理を行う。信号処理手段は、相対移動範囲にて出力される上位信号が折り返し処理による折り返し部分を含む場合に、この上位信号を用いて検出される絶対位置を、折り返し部分を含まない上位信号を用いて得られる位置に補正する補正処理を行う。【選択図】図1
Description
本発明は、対象物(可動部材)の位置や移動量を検出するためのエンコーダに関し、特に対象物の絶対位置を検出するアブソリュートエンコーダに関する。
エンコーダには光学式、磁気式および静電容量式があり、いずれの方式のエンコーダも、可動部材および固定部材(不動部材)のうち一方に取り付けられたセンサと、他方に取り付けられたスケールとにより構成されている。スケールには、光を周期的に透過または反射したり、磁界の強度や静電容量を周期的に変化させたりする周期パターンが設けられている。そして、可動部材が固定部材に対して移動または回転し、センサとスケールとが相対移動すると、センサがスケールの周期パターンを光学的または磁気的に読み取ったり静電容量の変化を検出したりして、該周期パターンに対応した電気信号(周期信号)を生成する。この周期信号を用いた演算を行うことで、可動部材の位置(移動量や回転量)を検出することができる。
また、エンコーダには、スケールとセンサとの相対位置を検出するインクリメンタルエンコーダと、スケール又はセンサの絶対位置を検出するアブソリュートエンコーダとがある。特許文献1,2には、スケールで反射した光量を検知することで、センサ(受光素子)とスケールとの絶対位置を検出する光学式アブソリュートエンコーダが開示されている。また、特許文献2には、バーニア方式と称される位置検出方式が開示されている。このバーニア方式では、互いに周期が異なる周期パターンが形成された複数のトラックを有するスケールが用いられる。そして、それぞれのトラックから検出される互いに周期が異なる複数の周期信号間の位相差を演算することで、元の各周期信号の周期とは異なる周期を有する周期信号(バーニア信号)を得る。特許文献2では、周期が最も長い周期信号である上位信号を、複数のトラックから検出される信号を用いたバーニア演算により算出している。
しかしながら、特許文献1,2にて開示されたアブソリュートエンコーダには、以下のような問題がある。図10(a)には、互いに異なる周期の周期パターンとしての2つのトラック8,11が設けられたスケール2を示し、図10(b)には、該2つのトラック8,11の検出結果から得られる上位信号の1周期を示している。これらの図から分かるように、上位信号の1周期が生成される領域1002は、スケール2においてトラック8,10が設けられているパターン領域1001よりも長くなる。つまり、スケール2の全長に対して上位信号の周期が1つ以内となるよう構成されている。このため、位置に対して高い感度の上位信号を実現することが困難となり、良好な位置検出精度が得られないという問題がある。
この問題について、さらに詳しく説明する。図10(a)に示すように、アブソリュートエンコーダでは、その有効走査領域である駆動範囲(相対移動範囲)1003が、トラック8,10が形成されているパターン領域1001よりも短い長さとなるように構成される。ただし、駆動範囲1003は、スケール2とセンサ(図示せず)との相対位置誤差等、様々な誤差によって位置検出方向であるX方向に大きくずれる場合がある。このため、このような誤差を考慮して、絶対位置が一意に決定できるように上位信号を形成するためのパターンを各トラックに形成する必要があるが、この結果、位置に対して高い感度の上位信号を実現することが困難になる。
そこで、良好な位置検出精度を得る目的で、上位信号の位置に対する感度を高め、上位信号が1周期を超えるようにパターンを設けることが考えられる。この場合、パターン全体のうち1周期の上位信号を生成するための第1の領域とこれに隣接する第2の領域のそれぞれに対して生成される上位信号が所定範囲内の値を持つ必要がある。このため、第1および第2の領域の境界において上位信号の値を所定範囲の最大値および最小値のうち一方から他方に折り返す処理(以下、折り返し処理)を行う。しかしながら、このような折り返し処理を行った場合に、以下のような問題が生じる。
前述した様々な誤差が及ぼす影響として、特に上位信号をバーニア演算により算出する場合には、センサ内に複数のトラックに対応して設けられた複数の受光素子の実装位置のずれにより、上位信号の演算結果がとり得る範囲が位置検出方向に大きくずれることがある。このことについて、図11(a)を用いて説明する。
図11(a)において、スケール2における2つのトラックに形成されているパターン(図示せず)の周期をP[mm]とし、上位信号の周期をL[mm]とする。また、センサ7に上記2つのトラックに対応して設けられた2つの受光部3,12の相対的な実装位置誤差をD[mm]とする。なお、図中の1はセンサ7に設けられた光源である。このとき、上位信号の演算結果がとり得る範囲は、D/(2×P)×Lだけずれる。例えば、P=0.5[mm]、D=0.2[mm]とすると、上位信号の演算結果がとり得る範囲は10[mm]ずれることになる。
また、図11(b),(c)に示すようにセンサ7とスケール2の組み付け誤差によるこれらの相対位置関係の位置検出方向および回転方向へのずれによっても、上位信号の演算結果のとり得る範囲がずれる。さらに、図11(d)に示すように温度や湿度といった環境の変化によるスケール2の伸縮によっても、上位信号の演算結果のとり得る範囲がずれる。
このような上位信号の演算結果のとり得る範囲のずれによって、図10(a)に示した駆動範囲1003に上記折り返し処理による上位信号の折り返し部分が含まれる状況になると、上位信号の値が同じとなる位置が駆動範囲1003内に複数生じることとなる。この結果、絶対位置を確定することができなくなる。
このような問題を解決するためには、例えばエンコーダを構成する部品の精度を向上させたり、センサとスケールを可動部材や固定部材に組み付けた際に高精度に位置調整を行ったりすることが考えられるが、コスト等との関係からそれらにも限界がある。また、精度を保証する有効走査領域を短縮することを解決策として採用すると、エンコーダとしての有効ストロークが短くなり、使いにくいエンコーダを提供することになる。
本発明は、様々な誤差や環境変化にかかわらず、良好な位置検出精度を確保できるようにしたアブソリュートエンコーダおよびこれを用いた装置を提供する。
本発明の一側面としてのアブソリュートエンコーダは、互いに異なる周期を有する複数の周期パターンが設けられたスケールと、該スケールとの相対移動が可能であり、複数の周期パターンのそれぞれに応じた周期を有する複数の周期信号を生成するセンサと、複数の周期信号を用いて、絶対位置の検出に用いる信号として複数の周期信号の周期よりも長い周期を有する上位信号を生成する信号処理手段とを有する。各周期パターンが周期を有する位置検出方向において、スケールにおける複数の周期パターンが設けられたパターン領域の全長をSPとし、該パターン領域のうち1周期の上位信号を生成するための部分領域である第1の領域の長さをHSとし、スケールとセンサとの相対移動範囲の長さをESとするとき、ES≦HS<SPなる関係を有する。そして、信号処理手段は、パターン領域のうち第1の領域とこれに隣接する第2の領域のそれぞれに対して生成される上位信号が所定範囲内の値を持つように、第1および第2の領域の境界において上位信号の値を所定範囲の最大値および最小値のうち一方から他方に折り返す折り返し処理を行う。さらに、信号処理手段は、相対移動範囲において出力される上位信号が折り返し処理による折り返し部分を含む場合に、この上位信号を用いて検出される絶対位置を、相対移動範囲において折り返し部分を含まない上位信号を用いて得られる位置に補正する補正処理を行うことを特徴とする。
なお、上記アブソリュートエンコーダと、該エンコーダを用いて絶対位置が検出される可動部材とを有する装置も、本発明の他の一側面を構成する。
また、本発明の他の一側面としての制御プログラムは、互いに異なる周期を有する複数の周期パターンが設けられたスケールと、該スケールとの相対移動が可能であり、複数の周期パターンのそれぞれに応じた周期を有する複数の周期信号を生成するセンサと、複数の周期信号を用いて、絶対位置の検出に用いる信号として複数の周期信号の周期よりも長い周期を有する上位信号を生成するコンピュータとを有し、各周期パターンが周期を有する位置検出方向において、スケールにおける複数の周期パターンが設けられたパターン領域の全長をSPとし、該パターン領域のうち1周期の上位信号を生成するための部分領域である第1の領域の長さをHSとし、スケールとセンサとの相対移動範囲の長さをESとするとき、ES≦HS<SPなる関係を有するアブソリュートエンコーダのコンピュータに、パターン領域のうち第1の領域とこれに隣接する第2の領域のそれぞれに対して生成される上位信号が所定範囲内の値を持つように、第1および第2の領域の境界において上位信号の値を所定範囲の最大値および最小値のうち一方から他方に折り返す折り返し処理と、相対移動範囲において出力される上位信号が折り返し処理による折り返し部分を含む場合に、この上位信号を用いて検出される絶対位置を、相対移動範囲において折り返し部分を含まない上位信号を用いて得られる位置に補正する補正処理とを実行させることを特徴とする。
本発明によれば、様々な誤差や環境変化によって相対移動範囲内に上位信号の折り返し部分が含まれた状況でも、良好な位置検出精度を確保可能なアブソリュートエンコーダを実現することができる。そして、このエンコーダを可動部材を含む装置に組み付ける場合に、スケールとセンサの位置調整を高精度に行う必要をなくすることができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1(a)および図1(b)には、本発明の実施例1であるアブソリュートエンコーダの構成を示している。本実施例のエンコーダは、移動(回転を含む)が可能な可動部材10に取り付けられたスケール2と、不図示の不動の固定部材に取り付けられるセンサとしての検出ヘッド7と、コンピュータである信号処理装置(信号処理装置)51とを含む。また、記憶装置52も含む。
本実施例では、スケール2を可動部材に取り付け、検出ヘッド7を固定部材に取り付ける場合について説明するが、スケール2を固定部材に取り付け、検出ヘッド7を可動部材に取り付けてもよい。すなわち、スケール2と検出ヘッド7は、相対移動(相対回転を含む)すればよい。
図中において、X方向はスケール2と検出ヘッド7とが相対移動することで位置検出が行われる方向に相当し、以下の説明では位置検出方向ともいう。また、X方向に直交するY方向は、スケール2に位置検出方向に延びるように設けられた後述するスケールトラックの幅方向に相当し、以下の説明ではスケール幅方向ともいう。さらに、X方向およびY方向に直交するZ方向は、スケール2と検出ヘッド7がと対向する方向、すなわち検出ヘッド7がスケール2上のスケールトラックを読み取る(検出する)方向に相当し、以下の説明ではスケール読取り方向ともいう。図1(a)には、位置検出方向から見たエンコーダ全体の構成を、図1(b)には、スケール読取り方向から見た検出ヘッド7の構成を示している。
スケール2には、それぞれ図中のX方向に延びる複数(ここでは2つ)の周期パターンとしての第1のスケールトラック8および第2のスケールトラック11が設けられている。第1および第2のスケールトラック8,11はそれぞれ、X方向にて交互に配置された反射部と非反射部とを含む。第1および第2のスケールトラック8,11のX方向での反射部の周期、すなわち第1および第2のスケールトラック8,11の周期は互いに異なる。
検出ヘッド7は、光源1と、第1の受光部3と、第2の受光部12と、I−V変換等の信号処理部を含むフォトICチップ(図示せず)と、これらを実装したプリント基板4が同一パッケージ内に設けられた受発光一体型の検出ヘッドである。光源1はLEDにより構成されている。第1の受光部3および第2の受光部12はそれぞれ、第1のスケールトラック8および第2のスケールトラック11を光学的に読み取る(検出する)ための第1の受光素子アレイ9および第2の受光素子アレイ13を有する。本実施例では、第1および第2の受光部3,12が一体的に1つの検出ヘッド7に設けられた場合について説明するが、これら受光部に相当する別々の受光デバイスを用いてもよい。
検出ヘッド7は、光源1と第1および第2の受光部3,12(第1および第2の受光素子アレイ9,13)がスケール読取り方向にてスケール2と対向するように配置されている。検出ヘッド7の光源1から出射した発散光束は、スケール2の第1および第2のスケールトラック8,11に照射される。第1のスケールトラック8で反射した光束は、検出ヘッド7の第1の受光素子アレイ9に向かい、第1の受光素子アレイ9上に、スケールトラック8の反射部と非反射部により形成される反射率分布を含む像を形成する。同様に、第2のスケールトラック11で反射した光束は、検出ヘッド7の第2の受光素子アレイ13に向かい、第2の受光素子アレイ13上に、スケールトラック11の反射部と非反射部により形成される反射率分布を含む周期パターン像を形成する。第1および第2の受光素子アレイ9,13はそれぞれ、受光した周期パターン像を電気信号に変換する(つまりは各周期パターンを検出する)。これらの電気信号は、フォトICチップの信号処理部にて処理された後、各周期パターンに対応する周期信号として、信号処理装置51に送られる。
信号処理装置51は、検出ヘッド7からの信号に対する演算処理や、記憶装置52に対する信号の書き込みと読み出しや、スケール2(可動部材10)の絶対位置を示す位置信号の出力等を行う。
本実施例では、上述したように構成される反射型光学式アブソリュートエンコーダについて説明するが、以下に説明する構成や位置検出のための方法を、透過型光学式アブソリュートエンコーダに適用することもできる。また、本実施例と同様の構成を、光学式に限らず、磁気式や静電容量式等の物理的作用を利用する他の方式のアブソリュートエンコーダに適用することもできる。
図2にはスケール読取り方向から見たスケール2を示すとともに、その一部を拡大して示している。スケール2は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂やSUS等の金属により形成された基材を有する。該基材の表面に、アルミニウムやクロム等の金属による反射膜(反射部)が互いに異なる周期で形成された2つの周期パターンが、第1および第2のスケールトラック8,11である。
位置検出方向において、第1のスケールトラック8は、第1の周期P1を有する周期パターンとして構成されており、第2のスケールトラック11は、第1の周期P1と僅かに異なる第2の周期P2(P1<P2)を有する周期パターンとして構成されている。このため、第1および第2のスケールトラック8,11を検出ヘッド7により読み取ることで信号処理装置51にて生成されるエンコーダ信号も、第1および第2の周期P1,P2に対応した互いに異なる周期(変調周期)を有する。これら2つのエンコーダ信号間の位相差を演算するバーニア演算を行うことにより、これら元のエンコーダ信号の周期とは異なる周期(バーニア周期)を有する信号(バーニア信号)を得る。例えば、第1および第2の周期P1,P2から得られるバーニア周期は、P1とP2の最小公倍数となる。このため、所望のバーニア周期が得られるように、第1および第2の周期P1,P2が決定される。
本実施例では、2つのスケールトラックから得られる情報(つまりは2つのエンコーダ信号)を用いて、絶対位置の検出(算出)に用いる信号のうち周期が最も長い上位信号を生成する場合について説明する。しかし、スケールに3つ以上の複数の周期パターンを設け、これら周期パターンの検出により生成された3つ以上の複数の周期信号を用いて、絶対位置の検出に用いる信号のうち周期が最も長い上位信号を生成してもよい。また、本実施例における上位信号は、絶対位置の検出に用いる信号のうち最も長い周期を有するが、上位信号は、複数の周期パターンの検出により生成される複数の周期信号の周期よりも長い周期を有すればよい。さらに、本実施例では上位信号を生成するためにバーニア演算を行うが、別の演算方式を用いて上位信号を生成してもよい。
図2および図5(a),(b),(c)を用いて、本実施例における第1および第2のスケールトラック8,11の読み取りによる絶対位置検出の原理について説明する。
図2および図5に示すように、本実施例におけるスケール2は、位置検出方向において、第1および第2のスケールトラック8,11が設けられた全領域101の長さが、1周期の上位信号を生成するのに必要な領域102の長さよりも長くなるように構成されている。つまり、スケール2には、1周期以上の上位信号が得られる第1および第2のスケールトラック8,11が設けられている。以下、第1および第2のスケールトラック8,11が設けられた全領域101をスケールトラック領域(パターン領域)といい、1周期の上位信号を生成するのに必要な領域102を第1の領域という。また、スケールトラック領域101のうち第1の領域102に隣接する領域を第2の領域104という。
また、本実施例のエンコーダの有効走査領域(スケール2と検出ヘッド7の相対移動範囲)である駆動範囲103は、スケールトラック領域101の長さ以下の長さを有する。ここで、第1の領域102の長さが駆動範囲103の長さに近いまたは同じである方が、位置に対して高い感度の上位信号を生成することができる。
上記領域101,102,103の長さの関係をまとめると以下のようになる。各スケールトラック(各周期パターン)が周期を有する位置検出方向において、スケール2におけるスケールトラック領域101の全長をSPとし、該スケールトラック領域のうちの部分領域である第1の領域102の長さをHSとする。また、駆動範囲103の長さをESとする。このとき、上記領域101,102,103は、
ES≦HS<SP
なる関係を有する。
ES≦HS<SP
なる関係を有する。
ここでは、第1のスケールトラック8の周期(第1の周期)P1が100μmで、第2のスケールトラック11の周期(第2の周期)P2が100×(400/399)μmであり、両周期P1,P2の比が整数倍からわずかにずれている場合を例として説明する。また、上位信号の1周期を、例として、40000μmとする。周期P1,P2および上位信号の1周期は、他の値であってもよい。
まず、図3および図4を用いて、第1の受光部3(第1の受光素子アレイ9)による第1のスケールトラック8からの位相情報の取得について説明する。図3には、第1の受光素子アレイ9の受光面の配置を示している。また、図4は、ICチップ内の信号処理部の構成を示している。
第1の受光素子アレイ9では、受光素子が位置検出方向(X方向)に50μmの周期で32個並んでいる。1つの受光素子のX方向幅X_pdは50μmであり、第1の受光素子アレイ9の全幅X_totalは1600μmである。各受光素子のY方向幅Y_pdは600μmである。本実施例では、第1のスケールトラック8は2倍に拡大されて第1の受光素子アレイ9に投影される。このため、第1のスケールトラック8の周期P1は、受光素子のX方向幅X_pdの2倍に設定されている。また、第1のスケールトラック8上でX方向における第1の受光素子アレイ9による読み取り範囲(検出範囲)は長さ800μmの範囲となる。32個の受光素子において、出力信号としてA+,B+,A−,B−を出力する受光素子が図3の左側からこの順で循環的に配置されている。
図4において、第1の受光素子アレイ9の32個の受光素子からの出力信号A+,B+,A−,B−はそれぞれ、I−V変換アンプにより構成される4つの初段増幅器34,35,36,37に入力される。これら4つの初段増幅器34,35,36,37は、4相の正弦波信号S(A+),S(B+),S(A−),S(B−)を生成する。4相の正弦波信号の相対位相は、第1の受光素子アレイ9の検出周期(50μm×4=200μm)を360度とし、S(A+)を基準(0度)とすると、S(A+)に対して、S(B+)は約+90度の関係にある。また、S(A−)は約+180度、S(B−)は約+270度の関係にある。信号処理部は、これらの4相正弦波信号S(A+),S(B+),S(A−),S(B−)に対して、A相用差動アンプ39およびB相用差動アンプ40を介して以下の差動演算を行う。
S(A)=S(A+)−S(A−) ・・・(1)
S(B)=S(B+)−S(B−) ・・・(2)
この差動演算により、直流分が除去され、第1のスケールトラック8に応じた周期を有する周期信号としての2相の正弦波状の信号(以下、2相正弦波信号という)S(A),S(B)が生成される。
S(A)=S(A+)−S(A−) ・・・(1)
S(B)=S(B+)−S(B−) ・・・(2)
この差動演算により、直流分が除去され、第1のスケールトラック8に応じた周期を有する周期信号としての2相の正弦波状の信号(以下、2相正弦波信号という)S(A),S(B)が生成される。
ここで、各差動アンプのオフセットやゲインばらつき等に起因する2相正弦波信号S(A),S(B)に含まれるオフセット誤差やゲイン比を補正しておくのが望ましい。例えば、第1のスケールトラック8の全域(または一部の領域)にて生成されたS(A),S(B)それぞれの(最大値−最小値)/2から振幅比を検出し、振幅を等しくするように補正を行う。同様に、(最大値+最小値)/2から、オフセット誤差の量を検出し、そのオフセット誤差の補正を行う。いずれも、補正値を記憶装置52に記憶しておき、位置検出時にその補正値を読み出して補正を行う。
こうして生成された2相正弦波信号S(A),S(B)は、信号処理装置51に入力される。信号処理装置51は、これらの2相正弦波信号S(A),S(B)(複数の周期信号のうち少なくとも一部の周期信号)を用いて、以下の演算を行い、別の周期信号としてのエンコーダ信号Φ1を生成する
Φ1=ATAN2[S(A),S(B)] ・・・(3)
ただし、ATAN2[Y,X]は、象限を判別して、0〜2πの位相に変換する逆正接演算関数である。以下、Φ1を下位信号という。
Φ1=ATAN2[S(A),S(B)] ・・・(3)
ただし、ATAN2[Y,X]は、象限を判別して、0〜2πの位相に変換する逆正接演算関数である。以下、Φ1を下位信号という。
この下位信号は、上位信号よりも精度が良い相対的な位置を示す周期信号である。上位信号と下位信号の同期をとることによって、スケール2の位置情報を得ることができる。したがって、上位信号と下位信号との同期精度を確保することで、良好な位置検出精度が得られる。
次に、第2の受光素子アレイ13による第2のスケールトラック11からの位相情報の取得について説明する。第2の受光素子アレイ13の構成は図3に示した第1の受光素子アレイ9の構成と同じである。また、信号処理装置51における第2の受光素子アレイ13からの出力信号を処理する部分の構成は、図4に示した第2の受光素子アレイ13からの出力信号を処理する部分の構成と同じである。
第2のスケールトラック11から得られる信号は、該第2のスケールトラック11の周期(第2の周期)P2の2倍である100μm×(400/399)×2が、第2の受光素子アレイ13の検出周期(200μm)に対して僅かにずれている。このため、2相正弦波信号S(A)′,S(B)′間の相対位相差誤差を以下の方法により補正することが望ましい。信号処理装置51は、以下の相対位相差誤差の補正処理を行う。
相対位相差誤差eを含む2相正弦波信号S(A)′,S(B)′は、位相をθとして、式(4),(5)により表される。
S(A)′=cos(θ+e/2) ・・・(4)
S(B)′=sin(θ−e/2) ・・・(5)
そして、これら2相正弦波信号S(A)’,S(B)’の和と差を計算すると、式(6),(7)に示すように、相対位相差誤差eを分離することができる。
S(A)′+S(B)′=2×cos(θ−π/4)sin(e/2−π/4)
・・・(6)
−S(A)′+S(B)′=2×sin(θ−π/4)cos(e/2−π/4)
・・・(7)
相対位相差誤差eは、設計値より、e=(1−399/400)×πと表せる。そこで、式(6),(7)のそれぞれに、振幅成分2×sin(e/2−π/4),2×cos(e/2−π/4)の逆数を乗じる。これにより、式(8),(9)に示すように相対位相差誤差が補正され、第2のスケールトラック11に応じた周期を有する周期信号としての2相正弦波信号(補正2相正弦波信号)S(A),S(B)が得られる。
S(A)=(S(A)′+S(B)′)/(2×sin(e/2−π/4))
=cosφ ・・・(8)
S(B)=(−S(A)′+S(B)′)/(2×cos(e/2−π/4))
=sinφ ・・・(9)
ただし、φ=θ−π/4である。
S(A)′=cos(θ+e/2) ・・・(4)
S(B)′=sin(θ−e/2) ・・・(5)
そして、これら2相正弦波信号S(A)’,S(B)’の和と差を計算すると、式(6),(7)に示すように、相対位相差誤差eを分離することができる。
S(A)′+S(B)′=2×cos(θ−π/4)sin(e/2−π/4)
・・・(6)
−S(A)′+S(B)′=2×sin(θ−π/4)cos(e/2−π/4)
・・・(7)
相対位相差誤差eは、設計値より、e=(1−399/400)×πと表せる。そこで、式(6),(7)のそれぞれに、振幅成分2×sin(e/2−π/4),2×cos(e/2−π/4)の逆数を乗じる。これにより、式(8),(9)に示すように相対位相差誤差が補正され、第2のスケールトラック11に応じた周期を有する周期信号としての2相正弦波信号(補正2相正弦波信号)S(A),S(B)が得られる。
S(A)=(S(A)′+S(B)′)/(2×sin(e/2−π/4))
=cosφ ・・・(8)
S(B)=(−S(A)′+S(B)′)/(2×cos(e/2−π/4))
=sinφ ・・・(9)
ただし、φ=θ−π/4である。
なお、相対位相差誤差eについては、初期化動作によって記憶してもよい。例えば、所定のX方向範囲におけるS(A)′+S(B)′の(最大値−最小値)/2から、振幅成分2×sin(e/2−π/4)を取得する。また、−S(A)′+S(B)′の(最大値−最小値)/2から、振幅成分2×cos(e/2−π/4)を取得する。そして、これらの振幅成分を記憶装置52に記憶する。この場合、光源1と第2の受光素子アレイ13との実装高さずれやスケール2と検出ヘッド7との相対傾きによる像倍率の誤差の影響を含めて補正することが可能である。なお、第1の受光素子アレイ9を用いる場合と同様に、各差動アンプのオフセットやゲインばらつき等に起因してS(A),S(B)に含まれるオフセット誤差やゲイン比を補正しておくことが望ましい。
信号処理装置51は、以上のようにして得られた補正2相正弦波信号S(A),S(B)を用いて、以下の演算により別の周期信号としてのエンコーダ信号Φ2を生成する。
Φ2=ATAN2[S(A),S(B)] ・・・(10)
さらに、信号処理装置51は、バーニア信号Sv12を、式(3),(10)により表されるエンコーダ信号Φ1,Φ2を用いて、
Sv12=Φ1−Φ2 ・・・(11)
により演算する。このようにして求めたバーニア信号Sv12が上位信号に相当し、この上位信号Sv12を絶対的な位置を示す信号として扱う。
Φ2=ATAN2[S(A),S(B)] ・・・(10)
さらに、信号処理装置51は、バーニア信号Sv12を、式(3),(10)により表されるエンコーダ信号Φ1,Φ2を用いて、
Sv12=Φ1−Φ2 ・・・(11)
により演算する。このようにして求めたバーニア信号Sv12が上位信号に相当し、この上位信号Sv12を絶対的な位置を示す信号として扱う。
本実施例では、信号処理装置51は、スケールトラック領域101内での読み取り位置(つまりは第1の領域102か第2の領域104か)にかかわらず上位信号Sv12に0〜2πという所定範囲内の値を持たせるために、上位信号の折り返し処理を行う。折り返し処理は、第1および第2の領域101,102の境界において上位信号の値を所定範囲の最大値(2π)と最小値(0)のうち一方から他方に折り返す処理である。具体的には、Sv12<0のときはSv12=Sv12+2πの演算を行い、Sv12>2πのときはSv12=Sv12−2πの演算を行って、0〜2πの範囲外のSv12を0〜2πの範囲内の値に変換する。
このようにして得られたバーニア信号Sv12とスケール2の位置(以下、スケール位置ともいう)との関係は、図5(b)に示すようになる。折り返し処理を行った結果、図5(a)に示したスケールトラック領域101に対して、1周期の上位信号Sv12が出力されるとともに、その位置検出方向の両側においては1周期未満の上位信号Sv12′が折り返し部分を経て出力される。
通常は、駆動範囲内では上位信号に折り返し部分が現れないように設計するので、設計上は図6(a)に示すように駆動範囲内で連続して一様に変化する上位信号が得られる。しかし、前述した検出ヘッド7内の第1および第2の受光部3,12の実装位置ずれによって、図6(b)に示すように、設計上とは異なり、駆動範囲内に上位信号の折り返し部分が現れることがある。組み付け誤差によるセンサ7とスケール2との相対位置のずれや環境(温度や湿度)の変化によるスケール2の伸縮によっても、同様のことが生じる。このように駆動範囲内での上位信号に折り返し部が含まれると、上位信号の値が同じとなる位置が駆動範囲内に複数生じるため、絶対位置を確定することができない。
このため、本実施例では、検出ヘッド7とスケール2を固定部材と可動部材10に組み付ける際に、駆動範囲内の任意のスケール位置(例えば駆動範囲の端位置:以下、測定スケール位置という)を取得する。また、該測定スケール位置での上位信号の値(第1の値)である第1の上位信号値も取得する。特定スケール位置は、駆動範囲内で上位信号の折り返し部分に対応しないスケール位置である。次に、測定スケール位置を第1の上位信号値と対応付けて記憶装置52に記憶させる。そして、記憶された位置情報としての測定スケール位置を用いて、信号処理装置51により、駆動範囲内で折り返し部分を含む上位信号を用いて得られるスケール位置に対して補正処理を行うことで、折り返し部分の影響を受けずに正確なスケール位置を求める。本実施例では、先に補正用データを取得する処理を行い、その後に補正処理を行う。まず、補正用データを取得する処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。コンピュータである信号処理装置51は、この処理および後述する補正処理、さらには前述したエンコーダ信号およびバーニア信号を生成するための各演算処理を、コンピュータプログラムである信号処理プログラムに従って実行する。
ステップ70では、信号処理装置51は、記憶装置52に格納された位置情報(測定スケール位置)を読み込み、MEASURE_POSIとして不図示のRAM領域に格納する。また、信号処理装置51は、MEASURE_POSIに対応する第1の上位信号値も読み込んでRAM領域に格納する。
次に、ステップ71では、信号処理装置51は、駆動範囲内において上位信号の折り返し部分が存在する(折り返し部分に対応する)最大のスケール位置(図6(b)参照)を読み込み、MAX_POSIとしてRAM領域に格納する。
次に、ステップ72では、信号処理装置51は、MEASURE_POSIの設計値、すなわち測定スケール位置に対応する第1の上位信号値が折り返し部分を含まない上位信号(図6(b)中の一点鎖線)の値である場合に得られる真のスケール位置を読み込む。そして、この真のスケール位置をTYP_POSIとしてRAM領域に格納する。
次に、ステップ73では、信号処理装置51は、最大スケール位置MAX_POSIと真のスケール位置TYP_POSIと測定スケール位置MESURE_POSIとを用いて以下の演算を行う。
MAX_POSI−TYP_POSI+MESURE_POSI
そして、その演算の結果を、ADJUST_POSIとしてRAM領域に格納し、次に説明する補正処理にて補正用データとして使用する。
そして、その演算の結果を、ADJUST_POSIとしてRAM領域に格納し、次に説明する補正処理にて補正用データとして使用する。
次に、図8のフローチャートを用いて、補正処理について説明する。ステップ80では、信号処理装置51は、折り返し部分を含む上位信号の検出値(第2の値)である第2の上位信号値を取得し、該第2の上位信号値に対応するスケール位置(以下、検出スケール位置という)をHIGH_POSIとして不図示のRAM領域に格納する。
次に、ステップ81では、信号処理装置51は、事前に求めてRAM領域に記憶した補正用データADJUST_POSIを読み込む。
次に、ステップ82では、信号処理装置51は、検出スケール位置HIGH_POSIに補正用データADJUST_POSIを加算し、加算した結果を、ADD_POSIとしてRAM領域に格納する。
次に、ステップ83では、信号処理装置51は、上位信号の折り返し部分が存在する最大のスケール位置であるMAX_POSIを読み込む。
次に、ステップ84では、信号処理装置51は、ADD_POSIとMAX_POSIの値を比較する。ADD_POSIがMAX_POSI以上であればステップ85に進み、そうでなければステップ86に進む。
ステップ85では、信号処理装置51は、ADD_POSIからMAX_POSIの値を差し引き、その結果をADD_POSIとして格納し直す。
ステップ86では、信号処理装置51は、ADD_POSIをPOSITION_DATAとしてRAM領域にコピーして、補正後のスケール位置として使用する。
このようにして、本実施例では、設計上得られるスケール位置TYP_POSIと実際に得られたスケール位置MEASURE_POSIとを用いて、駆動範囲内で折り返し部分を含む上位信号を用いて得られるスケール位置(絶対位置)に対する補正処理を行う。これにより、駆動範囲内で折り返し部分を含まない上位信号を用いて得られるスケール位置と同じ補正スケール位置を求めることができる。
以上説明したように、本実施例のアブソリュートエンコーダでは、検出ヘッド7とスケール2をそれぞれ固定部材と可動部材10に組み付ける際に、測定スケール位置と第1の上位信号値とを対応付けて記憶装置52に記憶させる。そして、記憶された測定スケール位置とその設計値(真のスケール位置)と折り返し部分に対応するスケール位置とを用いて求めた補正用データを用いて、第2の上位信号値に対して得られる検出スケール位置に対する補正処理を行う。
これにより、2つの受光部3,12の実装位置ずれによって上位信号の演算結果のとり得る範囲が位置検出方向に大きくずれ、駆動範囲内で生成される上位信号が折り返し部分を含んでも、正確なスケール位置(絶対位置)を求めることができる。このことは、組み付け誤差によるセンサ7とスケール2との相対位置のずれや環境(温度や湿度)の変化によるスケール2の伸縮によって上位信号の演算結果のとり得る範囲が位置検出方向に大きくずれた場合も同様である。そして、このような補正処理を行うことで、上位信号の1周期を駆動範囲の長さ以上の任意の長さに設定することができるため、良好な位置検出精度を確保することができる。
このように各種誤差や環境変化に対して良好な位置検出精度を確保することができるので、高精度の部品を使用したり、組み立て時に高精度な位置調整を行ったりする必要がなくなる。したがって、低コストで高い位置検出精度を有するアブソリュートエンコーダを実現することができる。
なお、本実施例では、上位信号から求めたスケール位置に対する補正処理を行う場合について説明した。しかし、上位信号の値を用いて特定した下位信号が示すスケール位置に対して補正処理を行ってもよい。
また、本実施例では、補正用データの取得時における測定スケール位置を駆動範囲の端位置とする例を挙げたが、測定スケール位置は他のスケール位置であってもよい。
図9には、上述した実施例1のアブソリュートエンコーダを搭載した装置の一例として、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置(光学機器)を示している。この撮像装置では、エンコーダをレンズ鏡筒内での可動レンズの絶対位置を検出するために用いている。
図9において、スケール2は、レンズ鏡筒内において光軸回りで回転する円筒形状のカム環(可動部材)30の内周面に取り付けられている。カム環30は、不図示のアクチュエータによって回転駆動される。また、検出ヘッド7は、不図示のレンズ鏡筒本体(固定筒)に取り付けられている。
レンズ鏡筒内には、撮影光学系21が収容されている。撮影光学系21は、カム環30が回転することで、該カム環30に形成されたカムによって光軸方向に移動可能な可動レンズ(例えば、変倍レンズやフォーカスレンズ)22を含む。
24はこの撮像装置のシステム全体を制御するCPUである。25は撮影光学系21により形成された被写体像を光電変換するイメージセンサ(撮像素子)であり、CCDセンサやCMOSセンサ等の光電変換素子により構成されている。
可動レンズ22を移動させるためにカム環30が回転すると、エンコーダによりカム環30の絶対回転位置(つまりは可動レンズ22の光軸方向での絶対位置)が検出され、その情報がCPU55に出力される。
CPU55は、その絶対位置情報に基づいてカム環30を回転させるアクチュエータの駆動を制御し、可動レンズ22を目標とする位置に移動させる。
検出ヘッド7における2つの受光部の実装位置誤差、スケール2と検出ヘッド7をレンズ鏡筒(カム環30および固定筒)に組み付ける際の組み付け誤差により、上位信号は、位置検出方向の最適な位置からずれることが多い。しかし、実施例1で説明したエンコーダを本実施例のように撮像装置のレンズ鏡筒に搭載することにより、良好な可動レンズ22の位置検出精度を確保することができる。
本発明のアブソリュートエンコーダは、上述した撮像装置に限らず、他の光学機器等の装置にも用いることができる。例えば、プリンタ(光学機器)における可動部材としての印字ヘッドや給紙ローラの位置検出、複写機(光学機器)における可動部材としての感光ドラムの回転位置検出にも用いることができる。また、本発明のアブソリュートエンコーダは、ロボットアームと組み立て対象物を搬送する可動部材としての搬送体とにより構成される組立て装置における搬送体の位置を検出するために用いることもできる。その他、様々な装置における可動部材の絶対位置検出に用いることができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
良好な検出精度で絶対位置を検出可能なアブソリュートエンコーダを提供することができる。
2 スケール
7 検出ヘッド
8,11 スケールトラック
51 信号処理回路
7 検出ヘッド
8,11 スケールトラック
51 信号処理回路
Claims (6)
- 互いに異なる周期を有する複数の周期パターンが設けられたスケールと、
該スケールとの相対移動が可能であり、前記複数の周期パターンのそれぞれに応じた周期を有する複数の周期信号を生成するセンサと、
前記複数の周期信号を用いて、絶対位置の検出に用いる信号として前記複数の周期信号の周期よりも長い周期を有する上位信号を生成する信号処理手段とを有するアブソリュートエンコーダであって、
前記各周期パターンが周期を有する位置検出方向において、前記スケールにおける前記複数の周期パターンが設けられたパターン領域の全長をSPとし、該パターン領域のうち1周期の前記上位信号を生成するための部分領域である第1の領域の長さをHSとし、前記スケールと前記センサとの相対移動範囲の長さをESとするとき、
ES≦HS<SP
なる関係を有し、
前記信号処理手段は、
前記パターン領域のうち前記第1の領域とこれに隣接する第2の領域のそれぞれに対して生成される前記上位信号が所定範囲内の値を持つように、前記第1および第2の領域の境界において前記上位信号の値を前記所定範囲の最大値および最小値のうち一方から他方に折り返す折り返し処理を行うとともに、
前記相対移動範囲において出力される前記上位信号が前記折り返し処理による折り返し部分を含む場合に、この上位信号を用いて検出される絶対位置を、前記相対移動範囲において前記折り返し部分を含まない前記上位信号を用いて得られる位置に補正する補正処理を行うことを特徴とするアブソリュートエンコーダ。 - 前記信号処理手段は、
前記相対移動範囲において、前記折り返し部分を含む前記上位信号の第1の値と対応付けて記憶手段に記憶した前記スケールの位置MEASURE_POSIと、前記折り返し部分を含まない前記上位信号における前記第1の値に対応する前記スケールの位置TYP_POSIと、前記上位信号の前記折り返し部分に対応する前記スケールの位置MAX_POSIとを用いて、
MAX_POSI−TYP_POSI+MESURE_POSI
なる演算を行うことで補正用データを取得し、
前記補正処理として、前記折り返し部分を含む前記上位信号の第2の値に対応する前記スケールの位置に前記補正用データを加算することを特徴とする請求項1に記載のアブソリュートエンコーダ。 - 前記信号処理手段は、
前記複数の周期信号のうち少なくとも一部の周期信号を用いて、前記上位信号よりも短い周期を有する下位信号を生成し、
前記上位信号の値を用いて特定した前記下位信号が示す前記絶対位置に対して前記補正処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のアブソリュートエンコーダ。 - 前記信号処理手段は、前記上位信号を、前記複数の周期信号を用いたバーニア演算により生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載のアブソリュートエンコーダと、
該アブソリュートエンコーダを用いて絶対位置が検出される可動部材とを有することを特徴とする装置。 - 互いに異なる周期を有する複数の周期パターンが設けられたスケールと、該スケールとの相対移動が可能であり、前記複数の周期パターンのそれぞれに応じた周期を有する複数の周期信号を生成するセンサと、前記複数の周期信号を用いて、絶対位置の検出に用いる信号として前記複数の周期信号の周期よりも長い周期を有する上位信号を生成するコンピュータとを有し、
前記各周期パターンが周期を有する位置検出方向において、前記スケールにおける前記複数の周期パターンが設けられたパターン領域の全長をSPとし、該パターン領域のうち1周期の前記上位信号を生成するための部分領域である第1の領域の長さをHSとし、前記スケールと前記センサとの相対移動範囲の長さをESとするとき、
ES≦HS<SP
なる関係を有するアブソリュートエンコーダの前記コンピュータに、
前記パターン領域のうち前記第1の領域とこれに隣接する第2の領域のそれぞれに対して生成される前記上位信号が所定範囲内の値を持つように、前記第1および第2の領域の境界において前記上位信号の値を前記所定範囲の最大値および最小値のうち一方から他方に折り返す折り返し処理と、
前記相対移動範囲において出力される前記上位信号が前記折り返し処理による折り返し部分を含む場合に、この上位信号を用いて検出される絶対位置を、前記相対移動範囲において前記折り返し部分を含まない前記上位信号を用いて得られる位置に補正する補正処理とを実行させることを特徴とするアブソリュートエンコーダの信号処理プログラム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013263703A JP2015121405A (ja) | 2013-12-20 | 2013-12-20 | アブソリュートエンコーダおよび装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2021025973A (ja) * | 2019-08-08 | 2021-02-22 | キヤノン株式会社 | エンコーダ装置、駆動装置、ロボット装置、位置検出方法、物品の製造方法、プログラム、及び記録媒体 |
-
2013
- 2013-12-20 JP JP2013263703A patent/JP2015121405A/ja active Pending
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