JP2016161316A - 漏洩検査用シール装置 - Google Patents

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英二 嶽本
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Abstract

【課題】漏洩検査の信頼性向上を図る。
【解決手段】漏洩検査用シール装置Sは、タンク本体71の外面と筒状部材73との取付け箇所における漏洩の有無を検査する際に、筒状部材73の内部を気密に保つものであり、筒状部材73の外周に対し弾性的に密着可能な筒状シール部材10と、筒状シール部材10を、筒状部材73に外嵌させるシール位置と、筒状部材73から先端側へ退避した退避位置との間で移動させる流体圧アクチュエータ20とを備え、流体圧アクチュエータ20は、流体圧によって筒状シール部材10を退避位置からシール位置へ移動させた後、流体圧を解放して筒状部材10による筒状部材73への軸線方向の弾性押圧を解除する。
【選択図】図1

Description

本発明は、漏洩検査用シール装置に関するものである。
燃料タンクとして、金属製のタンク本体の外面に、給油用のホースを接続するための金属製の筒状部材を取り付けたものがある。筒状部材の基端部外周にはフランジ部が形成され、このフランジ部がタンク本体の外面に溶接によって固着されている。この燃料タンクを漏洩検査する際には、タンク本体と筒状部材を水没させて、気泡が発生するか否かを確認する。また、漏洩検査の際には、タンク本体内の空気が、筒状部材の内部を通って外部へ流出することがないようにするための手段として、シール装置が用いられる。筒状部材内の気密を保つシール装置として、特許文献1に記載されているものを用いることができる。このシール装置は、筒状部材の先端縁を弾性的に押圧し、その反力を利用して筒状部材の外周にシール部材を密着させるようになっている。
特開2002−055018号公報
特許文献1のシール装置は、筒状部材の先端縁を軸線方向に押圧するようになっている。そのため、筒状部材のフランジ部とタンク本体の外面との間に僅かな隙間があった場合、シール装置から筒状部材に作用する軸線方向の押圧力によって、その隙間が塞がれてしまう可能性がある。この状態で漏洩検査を行うと、筒状部材とタンク本体との溶接が不良であることが看過されることになる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、漏洩検査の信頼性向上を図ることを目的とする。
本発明の漏洩検査用シール装置は、
中空部材の外面と筒状部材との取付け箇所における漏洩の有無を検査する際に、前記筒状部材の内部を気密に保つための漏洩検査用シール装置であって、
前記筒状部材の外周に対し弾性的に密着可能な筒状シール部材と、
前記筒状シール部材を、前記筒状部材に外嵌させるシール位置と、前記筒状部材から先端側へ退避した退避位置との間で移動させる流体圧アクチュエータとを備え、
前記流体圧アクチュエータは、流体圧によって前記筒状シール部材を前記退避位置から前記シール位置へ移動させた後、流体圧を解放して前記筒状シール部材による前記筒状部材への軸線方向の弾性押圧を解除するようになっているところに特徴を有する。
筒状シール部材を退避位置からシール位置へ移動させる過程では、筒状シール部材の内周と筒状部材の外周との間に摩擦抵抗が生じ、筒状シール部材が筒状部材を軸線方向へ押圧するため、筒状部材は中空部材の外面に押し付けられる。そして、筒状シール部材がシール位置へ到達すると、流体圧アクチュエータの流体圧が解放され、筒状部材に対する筒状シール部材の軸線方向の弾性押圧が解除されるので、筒状部材は中空部材の外面に押し付けられることがない。したがって、中空部材と筒状部材との取付け箇所に隙間が存在している場合には、漏洩検査において、その隙間の存在を確実に検出することができる。
実施例1の漏洩検査用シール装置において、筒状シール部材を筒状部材に外嵌した状態をあらわす断面図 筒状シール部材を筒状部材から外した状態をあらわす漏洩検査用シール装置の断面図 漏洩検査用シール装置の正面図 漏洩検査において、筒状シール部材を筒状部材に外嵌する前の状態をあらわす側面図 漏洩検査において、筒状シール部材を筒状部材に外嵌し、中空部材と筒状部材と漏洩検査用シール装置を水没させた状態をあらわす側面図
(a)本発明の漏洩検査用シール装置は、
前記流体圧アクチュエータが、
流体圧により前記筒状部材の軸線と平行に進退するロッドと、
前記筒状シール部材を一体的に支持する支持部材と、
前記支持部材が前記ロッドに対して前記筒状部材の径方向へ相対変位することを許容する調芯機構とを備えていてもよい。
この構成によれば、調芯機構によって、筒状シール部材を筒状部材と同心状に外嵌させることができるので、シール性能の信頼性が高い。
(b)本発明の漏洩検査用シール装置は、
前記筒状シール部材の周囲には、前記筒状シール部材が拡径変形することを許容する撓み空間が確保されていてもよい。
この構成によれば、筒状シール部材が筒状部材に外嵌される過程で、筒状シール部材が拡径変形することができるので、筒状シール部材の内周と筒状部材の外周との間の摺動抵抗が低減される。
(c)本発明の漏洩検査用シール装置は、(b)において、
前記流体圧アクチュエータが、前記筒状シール部材の基端部のみを一体的に支持する支持部材を備え、
前記筒状シール部材が、前記支持部材から前記筒状部材への外嵌方向に向かって片持ち状に延出した形態であり、
前記撓み空間が、前記筒状シール部材の先端部から前記基端部の近傍に亘って設けられていてもよい。
この構成によれば、筒状シール部材は、筒状部材への外嵌を開始した時点で拡径変形できるので、摺動抵抗の低減効果が高い。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図5を参照して説明する。
<燃料タンク70>
漏洩検査装置Lの検査対象である燃料タンク70は、図4,5に示すように、タンク本体71(請求項に記載の中空部材)の外面に、給油用のホース(図示省略)を接続するための筒状部材73を取り付けた形態である。タンク本体71と筒状部材73は、いずれも、金属製である。図1に示すように、タンク本体71の側面には連通孔72が開口している。筒状部材73の基端部には、径方向外方へ張り出した形態のフランジ部74が形成されている。フランジ部74は、タンク本体71の外面のうち連通孔72を包囲する領域に対し溶接によって固着され、これにより、筒状部材73がタンク本体71の外面に取り付けられている。筒状部材73の内部は連通孔72を介してタンク本体71の内部と連通している。また、筒状部材73の先端部外周には、拡径部75が形成されている。
<漏洩検査装置L>
漏洩検査装置Lは、検査用の水Wが貯留された水槽Tと、シール装置S(請求項記載の漏洩検査用シール装置S)とを備えている。上記の燃料タンク70とシール装置Sは、図示しない昇降支持装置により、水槽Tよりも上方の位置と、水槽T内に浸漬される位置との間で昇降するようになっている。漏洩検査では、燃料タンク70を水槽T内に浸漬させることにより、タンク本体71の外面と筒状部材73との溶接箇所に隙間が存在するか否かが検出される。尚、漏洩検査の工程の詳細は、後に詳しく説明する。
<シール装置S>
シール装置Sは、漏洩検査の際に、タンク本体71の内部と筒状部材73の内部を気密に保つための装置である。シール装置Sは、筒状部材73に外嵌されるゴム製の筒状シール部材10と、筒状シール部材10を、筒状部材73に外嵌させるシール位置(図1,5を参照)と、筒状部材73からその先端側(タンク本体71から遠ざかる方向)へ退避した退避位置(図4を参照)との間で移動させる流体圧アクチュエータ20とを備えている。
<筒状シール部材10>
筒状シール部材10は、円筒状をなす。図1,2に示すように、筒状シール部材10の外径寸法は全長に亘って一定である。また、筒状シール部材10のうち先端部10F(図1,2における右側の端部)を除いた大部分の領域の内径は、一定であり、筒状部材73の外径寸法よりも少し小さい寸法に設定されている。また、筒状シール部材10の先端部10F(前端部)の内周は、内径が先端側に向かって次第に大きくなるようなテーパ面11となっている。このテーパ面11の最大内径(つまり、テーパ面11の最先端の内径)は、筒状部材73の拡径部75の外径より少し大きい寸法とされている。
<流体圧アクチュエータ20>
流体圧アクチュエータ20は、筒状シール部材10を筒状部材73と同軸状に支持する支持部材21と、支持部材21を筒状部材73の軸線と平行に進退移動させるエアシリンダ40と、調芯機構50と、ガイド兼姿勢安定機構62とを備えている。支持部材21は、可動支持体22と、締付具26と、カバー30とを備えて構成されている。
<可動支持体22>
可動支持体22は、金属製の単一部品であり、筒状部材73の軸線と直角で且つ筒状部材73と同軸状の円盤形をなす本体部23を有する。図1,2に示すように、本体部23の前面(筒状部材73と対向する面)には、本体部23と同軸状に突出し且つ本体部23よりも小径の円形をなす位置決め突部24が、一体に形成されている。また、位置決め突部24の前面には、本体部23及び位置決め突部24と同軸状に突出し且つ位置決め突部24よりも小径の円形をなす支持突部25が、一体に形成されている。
支持突部25の外径は筒状シール部材10の内径よりも大きい寸法に設定されている。支持突部25の先端部外周には、同軸状に外径寸法を拡大した抜止め突部が、全周に亘って連続して一体に形成されている。支持突部25には、筒状シール部材10の基端部10R(後端部)が外嵌されて締付具26により固定されている。
<締付具26>
締付具26は、金属製のバンド27と、操作部材28とを備えている。バンド27は、帯板状をなし、筒状シール部材10の基端部10Rの外周を包囲している。バンド27の一端は操作部に固定され、バンド27の他端は、操作部材28に設けた回転部材(図示省略)に噛み合わされている。回転部材を操作して回転させると、バンド27が、縮径変形させられて筒状シール部材10の基端部10Rの外周を締め付ける。これにより、筒状シール部材10の基端部10Rは、支持突部25に対する軸線方向の相対移動及び軸線回りの相対変位を規制された状態に固着されている。
支持突部25に取り付けられた筒状シール部材10は、その内周に抜止め突部が食い込んでいるので、支持突部25から先端部10F側へ離脱する虞はない。また、筒状シール部材10は、支持突部25から先端部10F側(筒状部材73に外嵌されるときの移動方向)へ片持ち状に延出した形態となっている。つまり、筒状シール部材10は、その基端部10Rのみにおいて支持突部25(支持部材21)に支持されており、基端部10Rよりも先端側の領域は、他の部材によって支持されてはいない。
<カバー30>
カバー30は、合成樹脂製であり、全体として円筒状をなす。カバー30の基端縁部に形成された取付部31は、可動支持体22の本体部23に当接されるとともに、位置決め突部24の外周に外嵌されている。これにより、カバー30は、可動支持体22及び筒状シール部材10に対し、軸線方向及び軸線と直交する方向において位置決めされている。位置決めされたカバー30は、ボルト32により可動支持体22に固定されている。可動支持体22に固定されたカバー30の周壁部33は、筒状シール部材10の全領域を同軸状に包囲する。
周壁部33の内周と筒状シール部材10の外周との間には、筒状シール部材10が弾性的に拡径変形することを許容する撓み空間34が確保されている。カバー30の先端部には、径方向内向きに突出した円環状の誘導部35が形成されている。誘導部35の先端面は、軸線に対して傾斜した誘導面36となっている。この誘導部35には、筒状シール部材10の先端面が当接又は接近して対向している。周壁部33の側面部と底面部には、カバー30の内部と外部を連通させる水抜き用の切欠部37が形成されている。周壁部33の上面部には、締付具26の操作部材28との干渉を回避するための逃がし孔38が形成されている。
<エアシリンダ40>
エアシリンダ40は、可動支持体22の後方(筒状部材73とは反対側)に配されていて、金属製のシリンダ本体41と、金属製のロッド42とを備えている。シリンダ本体41には、コンプレッサ43が接続されている。ロッド42は、シリンダ本体41から筒状部材73の軸線と平行に且つ筒状部材73に向かって突出している。コンプレッサ43からシリンダ本体41に加圧エアが供給されると、加圧エアの流体圧によりロッド42が進退動作を行うようなっている。また、コンプレッサ43からシリンダ本体41への加圧エアの供給を停止して、シリンダ本体41内の流体圧を解放する(つまり、シリンダ本体41内を大気中に開放する)と、ロッド42は外力によって進退し得るようになっている。
<調芯機構50>
調芯機構50は、ロッド42の先端部に一体に移動するように固着した金属製の保持体51と、可動支持体22に一体形成した環状突部54と、金属製の挟持板56と、金属製の4つの固定具57と、金属製の4つの調芯バネ61と、上記したカバー30の誘導面36とを備えて構成されている。
<保持体51>
保持体51は、可動支持体22の後方に配されていて、ロッド42と同軸状をなす円盤形のベース部52を有している。ベース部52には、ベース部52の外周面に開口した袋小路状をなす4つのバネ収容孔53が形成されている。4つのバネ収容孔53は、周方向に90°の等角度ピッチで配置されていて、各バネ収容孔53は、ベース部52の径方向に沿って細長く形成されている。また、ベース部52の前面(ロッド42とは反対側の面)は、ロッド42の進退方向と直角な平坦面となっている。
<環状突部54>
環状突部54は、可動支持体22の本体部23の外周縁部から全周に亘って後方へ突出し、且つ本体部23と同軸状の円環形をなしている。環状突部54の内径は保持体51のベース部52の外径よりも大きい寸法である。そして、可動支持体22の本体部23の後面は、ベース部52の前面に面当たり状態で接触し、環状突部54は、ベース部52を全周に亘り間隔を空けて包囲している。環状突部54には、4つのバネ収容孔53と同軸状に貫通した形態の4つのバネ貫通孔55が形成されている。
<挟持板56>
挟持板56は、本体部23及びベース部52と同軸の円環形をなしている。挟持板56の外径は、本体部23の外径と同じ寸法であり、挟持板56の内径は、ベース部52の外径よりも小さい寸法である。挟持板56の外周縁部は、環状突部54の後面に対し密着した状態で固定されている。ベース部52の内周側領域は、ベース部52の後面に対して摺接可能に面当たりしている。可動支持体22と挟持板56は、ベース部52の外周縁部を前後方向(軸線方向)に挟むことにより、ロッド42と一体となって前後方向へ進退移動するようになっている。
<固定具57>
4つの固定具57は、バネ収容孔53及びバネ貫通孔55と対応するように周方向に等角度間隔を空けた4箇所に配置されている。各固定具57は、固定部58と、固定部58の外周端から前方へ突出する受け部59とから構成されている。固定部58は、挟持板56の後面外周縁部に当接され、ボルト61により挟持板56と共に環状突部54に固着されている。固定具57を可動支持体22に固定した状態では、受け部59が、環状突部54の外周面に対し径方向外方から対向するように位置する。この受け部59には、バネ収容孔53及びバネ貫通孔55と同軸状に配されたバネ受け孔60が形成されいる。バネ受け孔60は、袋小路状なし、受け部59における環状突部54との対向面に開口している。
<調芯バネ61>
4つの調芯バネ61は、夫々、圧縮コイルバネからなり、その軸線を可動支持体22及び保持体51の径方向に沿うように向けた状態で配されている。各調芯バネ61は、弾縮され、且つバネ貫通孔55を貫通した状態で、ベース部52と受け部59との間に装着されている。即ち、調芯バネ61の内周側の端部はバネ収容孔53内に収容され、調芯バネ61の外周側の端部はバネ受け孔60内に収容されている。このように周方向に等角度間隔を空け、且つ軸線を径方向に向けて装着された4つの調芯バネ61により、可動支持体22と筒状シール部材10は、筒状部材73に対しほぼ同軸状の位置に保持されている。また、可動支持体22と筒状シール部材10は、ロッド42及び保持体51に対し、筒状部材73に対する接近・離間方向と直角な二次元方向(つまり、上下方向及び左右方向)へ相対変位し得るようになっている。
<ガイド兼姿勢安定機構62>
図4,5に示すように、ガイド兼姿勢安定機構62は、シリンダ本体41に固定したブラケット63と、ブラケット63からロッド42の進退方向と平行に前方へ延出させたガイドバー64と、保持体51に固定されてガイドバー64に摺動可能に嵌合されたアーム65とを備えて構成されている。流体圧アクチュエータ20が作動してロッド42が進退する際には、ガイドバー64によってカバー30の姿勢が一定に保たれる。これにより、水抜き用の切欠部37の位置が安定する。
<漏洩検査工程>
次に、漏洩検査について説明する。検査を行う際には、流体圧アクチュエータ20と燃料タンク70が水槽Tの上方にある状態(図4を参照)で、作業者が、操作盤(図示省略)の起動ボタンを押す。すると、ワーク押さえ部材(図示省略)が燃料タンク70をクランプする。その後、流体圧アクチュエータ20が作動して、エアシリンダ40に加圧エアが供給され、加圧エアの流体圧により、退避位置の筒状シール部材10が、シール位置に向けて前進する。
このとき、筒状シール部材10の軸線が筒状部材73の軸線に対して芯ずれしていると、カバー30の誘導面36が、筒状部材73の拡径部75に当接する。この状態で更に筒状シール部材10を前進させると、機構の誘導面36の傾斜により、筒状シール部材10、カバー30及び可動支持体22が一体となって上下左右方向へ変位する。このとき、少なくとも2つの調芯バネ61が弾性変形する。このように、調芯機構50により、筒状シール部材10の位置が、筒状部材73に対して同軸状となるように矯正される。
誘導面36が筒状部材73の拡径部75を通過すると、筒状シール部材10が筒状部材73への外嵌を開始する。拡径部75の外径は筒状シール部材10の内径より僅かに小さいのであるが、筒状シール部材10の先端部内周には、テーパ面11が形成されているので、筒状シール部材10が座屈等の不正な変形を生じることはない。筒状シール部材10が筒状部材73への外嵌を開始すると、外嵌の開始時点から、筒状シール部材10の内径と筒状部材73の外径との寸法差により、筒状シール部材10の内周部は径方向外方へ弾性的に押し広げられる。しかし、筒状シール部材10の周囲には筒状シール部材10の拡径変形を許容する撓み空間34が確保されているので、筒状シール部材10の内周と筒状部材73の外周との間の摩擦抵抗が低減される。
そして、図1に示すように、筒状シール部材10が筒状部材73に対し正規の外嵌状態となるシール位置に到達すると、エアシリンダ40に対する加圧エアの供給が停止する。筒状シール部材10を筒状部材73に外嵌しながら前進する過程では、筒状シール部材10が筒状部材73との間の摩擦抵抗によって弾性変形するため、この筒状シール部材10の弾性復元力が、筒状部材73に対し軸線方向の弾性的な押圧力として作用する。筒状部材73は、この弾性押圧力によってタンク本体71の外面に押し付けられるため、タンク本体71と筒状部材73との溶接箇所に隙間が存在していた場合に、その隙間が塞がれてしまうことが懸念される。
しかし、本実施例では、筒状シール部材10がシール位置に到達すると、エアシリンダ40への加圧エアの供給を停止するだけでなく、シリンダ本体41の内部を大気中に開放し、ロッド42に作用していた流体圧を解放する。すると、筒状シール部材10が、その弾性復元力により筒状部材73から遠ざかるように後方へ変位する。このとき、筒状シール部材10と一体となって可動支持体22、保持体51、及びロッド42も後方へ変位する。この筒状シール部材10の後方変位により、筒状部材73は、筒状シール部材10による軸線方向の押圧作用から解放されるので、タンク本体71の外面に押し付けられることがなくなる。したがって、筒状部材73とタンク本体71の外面との間に隙間が存在している場合には、その隙間がそのまま塞がれずに存在する。
この後、燃料タンク70内(タンク本体71及び筒状部材73内)の空気圧を上昇させる。空気圧が0.1MPaまで上昇すると、燃料タンク70とシール装置Sが下降して水槽T内に浸漬される(図5を参照)。この後、更に、燃料タンク70内の空気圧を上昇させる。空気圧が0.3MPaまで上昇した後、作業者は、操作盤の検査開始確認ボタン(図示省略)を押し操作し、目視により水槽T内における気泡の発生の有無を確認する。気泡の有無を確認した後、作業者は、検査終了確認ボタン(図示省略)を押し操作する。すると、燃料タンク70内の圧力が大気圧まで下降するとともに、燃料タンク70とシール装置Sが水槽Tの上方へ引き上げられる。このとき、筒状シール部材10の外周とカバー30の内周との間の撓み空間34内に入り込んでいた水Wは、水抜き用の切欠部37からカバー30の外部へ排出される。
燃料タンク70とシール装置Sが引き上げられた後、エアシリンダ40に加圧エアが供給され、ロッド42がシリンダ本体41内に引き込まれ、筒状シール部材10が筒状部材73から抜き取られる。筒状シール部材10が退避位置に復帰した後、燃料タンク70をクランプしていたワーク押さえ部材が、燃料タンク70を解放する。以上により、漏洩検査が終了する。
<実施例の作用及び効果>
上述のように本実施例1のシール装置Sは、タンク本体71の外面と筒状部材73との取付け箇所(溶接箇所)における漏洩の有無を検査する際に、筒状部材73の内部を気密に保つための装置である。このシール装置Sは、漏洩検査の信頼性向上を図るために、筒状部材73の外周に対し弾性的に密着可能な筒状シール部材10と、筒状シール部材10を、筒状部材73に外嵌させるシール位置と、筒状部材73から先端側へ退避した退避位置との間で移動させる流体圧アクチュエータ20とを備えている。そして、流体圧アクチュエータ20は、流体圧によって筒状シール部材10を退避位置からシール位置へ移動させた後、流体圧を解放する。これにより、筒状シール部材10による筒状部材73への軸線方向の弾性押圧を解除するようになっている。
筒状シール部材10を退避位置からシール位置へ移動させる過程では、筒状シール部材10の内周と筒状部材73の外周との間に摩擦抵抗が生じ、筒状シール部材10が筒状部材73を軸線方向へ押圧するため、筒状部材73は中空部材の外面に押し付けられる。そして、筒状シール部材10がシール位置へ到達すると、流体圧アクチュエータ20の流体圧が解放され、筒状部材73に対する筒状シール部材10の軸線方向の弾性押圧が解除されるので、筒状部材73は中空部材の外面に押し付けられることがない。したがって、中空部材と筒状部材73との取付け箇所に隙間が存在している場合には、漏洩検査において、その隙間の存在を確実に検出することができる。
また、流体圧アクチュエータ20は、流体圧により筒状部材73の軸線と平行に進退するロッド42と、筒状シール部材10を一体的に支持する支持部材21と、支持部材21がロッド42に対して筒状部材73の径方向へ相対変位することを許容する調芯機構50とを備えている。この構成によれば、調芯機構50によって、筒状シール部材10を筒状部材73と同心状に外嵌させることができるので、シール性能の信頼性が高い。
また、筒状シール部材10の周囲には、筒状シール部材10が拡径変形することを許容する撓み空間34が確保されている。この構成によれば、筒状シール部材10が筒状部材73に外嵌される過程で、筒状シール部材10が拡径変形することができるので、筒状シール部材10の内周と筒状部材73の外周との間の摺動抵抗が低減される。
また、流体圧アクチュエータ20は、筒状シール部材10の基端部10Rのみを一体的に支持する支持部材21を備えており、筒状シール部材10が、支持部材21から筒状部材73への外嵌方向に向かって片持ち状に延出した形態である。そして、撓み空間34は、筒状シール部材10の先端部10Fから基端部10Rの近傍に亘って設けられている。この構成によれば、筒状シール部材10は、筒状部材73への外嵌を開始した時点で拡径変形できるので、摺動抵抗の低減効果が高い。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、流体圧アクチュエータが筒状部材の先端側を塞ぐようになっているが、流体圧アクチュエータが、筒状部材へ漏洩検査用の空気を供給するための流路を有していてもよい。
(2)上記実施例では、筒状部材の先端部外周に拡径部が形成されているが、本発明は、筒状部材の先端部に外周に拡径部が形成されていない場合にも適用することができる。
(3)上記実施例では、流体圧アクチュエータが調芯機構を備えているが、流体圧アクチュエータは調芯機構を備えていなくてもよい。
(4)上記実施例では、筒状シール部材の周囲に、筒状シール部材が拡径変形することを許容する撓み空間を確保したが、筒状シール部材の周囲に撓み空間を確保しない形態としてもよい。
(5)上記実施例では、中空部材が燃料タンクのタンク本体であったが、本発明は、中空部材がタンク本体以外のものである場合にも適用できる。
(6)上記実施例では、筒状部材が溶接によって中空部材に取り付けられているが、本発明は、筒状部材が溶接等の溶接以外の方法で中空部材に取り付けられている場合にも適用できる。
(7)上記実施例では、中空部材と筒状部材が金属製であったが、中空部材と筒状部材のうち少なくとも一方が金属以外の材料(例えば、合成樹脂)である場合にも適用できる。
S…シール装置(漏洩検査用シール装置)
10…筒状シール部材
10F…筒状シール部材の先端部
10R…筒状シール部材の基端部
20…流体圧アクチュエータ
21…支持部材
34…撓み空間
42…ロッド
50…調芯機構
71…タンク本体(中空部材)
73…筒状部材

Claims (4)

  1. 中空部材の外面と筒状部材との取付け箇所における漏洩の有無を検査する際に、前記筒状部材の内部を気密に保つための漏洩検査用シール装置であって、
    前記筒状部材の外周に対し弾性的に密着可能な筒状シール部材と、
    前記筒状シール部材を、前記筒状部材に外嵌させるシール位置と、前記筒状部材から先端側へ退避した退避位置との間で移動させる流体圧アクチュエータとを備え、
    前記流体圧アクチュエータは、流体圧によって前記筒状シール部材を前記退避位置から前記シール位置へ移動させた後、流体圧を解放して前記筒状シール部材による前記筒状部材への軸線方向の弾性押圧を解除するようになっていることを特徴とする漏洩検査用シール装置。
  2. 前記流体圧アクチュエータが、
    流体圧により前記筒状部材の軸線と平行に進退するロッドと、
    前記筒状シール部材を一体的に支持する支持部材と、
    前記支持部材が前記ロッドに対して前記筒状部材の径方向へ相対変位することを許容する調芯機構とを備えていることを特徴とする請求項1記載の漏洩検査用シール装置。
  3. 前記筒状シール部材の周囲には、前記筒状シール部材が拡径変形することを許容する撓み空間が確保されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の漏洩検査用シール装置。
  4. 前記流体圧アクチュエータが、前記筒状シール部材の基端部のみを一体的に支持する支持部材を備え、
    前記筒状シール部材が、前記支持部材から前記筒状部材への外嵌方向に向かって片持ち状に延出した形態であり、
    前記撓み空間が、前記筒状シール部材の先端部から前記基端部の近傍に亘って設けられていることを特徴とする請求項3記載の漏洩検査用シール装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101909444B1 (ko) * 2017-05-30 2018-10-19 (주)화신 연료탱크 실험용 연료공급장치

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