JP2016160590A - 衝撃吸収材、衝撃吸収化粧材、床材及び壁材 - Google Patents

衝撃吸収材、衝撃吸収化粧材、床材及び壁材 Download PDF

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Abstract

【課題】衝撃吸収化粧材Aに人の転倒や衝突等によって衝撃が加わってもそれを吸収し、人体が大きな衝撃力を受けるのを緩和できるようにする。
【解決手段】衝撃吸収化粧材Aは、裏面に互いに平行に延びる複数の切欠き凹溝5,5,…が形成された基材層1と、この基材層1の表面に設けられた表面仕上げ層7と、基材層1の裏面に設けられた撓み抑制層10と、この撓み抑制層10の裏面に設けられ、空隙部14,14,…を有する衝撃吸収層12とを備えているものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、衝撃吸収材、衝撃吸収化粧材、床材及び壁材に関するものである。
従来、建物における木質床材の防音性や遮音性を高めて階下への音の伝播を低減するために、木質床材の裏面に緩衝材や制振材を設けることは既に行われており、その緩衝材等に空隙部を形成して遮音性能を向上させることも一般的に行われている。
例えば特許文献1に示されるように、床板の裏面に弾性緩衝材層を一体に設け、床板の裏面には空気通路としての複数の切欠き凹溝を形成し、弾性緩衝材層には切欠き凹溝に連通する複数の貫通孔を均一に分散して形成することにより、床板上を人が歩行する際の衝撃音(歩行する人の足が床材に当たるときの音)を低減させるようにすることが提案されている。
特公平6−35755号公報
ところで、上記特許文献1のものは、歩行時の衝撃音を低減させるように意図されたものであり、人が滑ったり躓いたりして転倒したときに人体に加わる衝撃力を低減させるようには意図されておらず、その転倒時の衝撃力の低減が困難である。
すなわち、近年、マンションや学校、幼稚園、老人ホーム等に施工される木質床材においても、人が歩行時等で転倒したときに人体が受ける衝撃力、特に頭部への衝撃力を効果的に吸収して緩和することが要求されている。例えばJIS A 6519において、一般体育館用の床の硬さは、衝突時に人体が受ける最大加速度(G値)が100以下であることが望ましいとされており、このような要求を引用文献1のものでは満たすことが難しい。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、衝撃吸収建材の構成に工夫を加えることにより、施工時にその建材に人の転倒や衝突等によって衝撃が加わってもそれを吸収し、人体に対しては大きな衝撃力が加わるのを緩和できるようにすることにある。
上記の目的を達成すべく、この発明では、表面に表面仕上げ層(化粧層)を有する撓み変形可能な基材層の裏面に撓み抑制層を介して衝撃吸収層を設け、化粧材が過度に変形するのを撓み抑制層によって抑制するようにした。
具体的には、第1の発明は、建物の内部に施工される衝撃吸収化粧材であって、撓み変形可能な基材層と、この基材層の表面に設けられた表面仕上げ層と、基材層の裏面に設けられた撓み抑制層と、この撓み抑制層の裏面に設けられた衝撃吸収層とを備えていることを特徴とする。
また、第2の発明は、建物の内部に施工される衝撃吸収化粧材であって、裏面に互いに平行に延びる複数の切欠き凹溝が形成された基材層と、この基材層の表面に設けられた表面仕上げ層と、基材層の裏面に設けられた撓み抑制層と、この撓み抑制層の裏面に設けられた衝撃吸収層とを備えていることを特徴とする。
この第1又は第2の発明では、衝撃吸収化粧材に対し表面仕上げ層から例えば人の転倒(床材の場合)や衝突等の大きな衝撃が加わると、基材層が第1の発明にあっては基材層の可撓性により、また第2の発明にあっては基材層裏面の切欠き凹溝によってそれぞれ撓むように変形する。このとき、衝撃吸収化粧材の基材層と衝撃吸収層との間に撓み抑制層が設けられているので、上記のような大きな衝撃が加わって基材層が撓むように変形したとしても、その変形が過度になって下地にまで達する底打ちするようなことは撓み抑制層により抑制される。このことにより、人体が大きな衝撃力を受けることを効果的に抑制することができる。
しかも、上記基材層の撓み変形の抑制により衝撃吸収化粧材の下地に対する沈み込みをも防止され、その沈み込みによる違和感を解消することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、衝撃吸収層は、空隙部を有することを特徴とする。
この第3の発明では、衝撃吸収層に空隙部が設けられているので、この空隙部により衝撃吸収層の内部に衝撃による圧力を逃がす空間が形成される。そのため、空隙部がない場合と比較して衝撃吸収性能を高めることができるようになり、衝撃吸収層の厚さを増大させることなく、衝突時の加速度としてのG値が100以下となるように衝撃吸収力を保つことができる。
第4の発明は、第1又は第2の発明において、衝撃吸収層は、空隙部を形成可能でかつ該空隙部の占有割合である空隙率が変更可能な衝撃吸収材からなることを特徴とする。
この第4の発明では、衝撃吸収層は空隙部を形成可能な衝撃吸収材からなり、その衝撃吸収材は空隙部の空隙率が変更可能であるので、衝撃吸収層を形成するための1つの衝撃吸収材を用い、その空隙率を変えることによって、衝撃吸収層の衝撃吸収性能を変えることができる。そのため、衝撃吸収性能の要求に応じて空隙率の異なる複数の衝撃吸収材を個別に用意せずとも済み、同じ種類の衝撃吸収材を用意してその空隙率を変化させるだけでよく、必要な衝撃吸収材を数種類として製造時の部品点数を低減することができる。
第5の発明は衝撃吸収材に係るものであり、この衝撃吸収材は、表裏面に沿って互いに直交するx方向及びy方向が設定された発泡材からなる板材に、該板材を表裏面間で貫通する複数の独立した第1及び第2スリットが形成され、これら第1及び第2スリットは、x方向に延びる基部と、該基部の両端から傾斜して延びる1対の傾斜部とを有する亀甲括弧形状に形成されている。複数の第1スリットは、基部がx方向に沿って延びかつ隣接する1対の第1スリットの傾斜部の先端部間に間隔が空けられた状態でx方向に直列に並べられている一方、複数の第2スリットは、基部がx方向に沿って延びかつ隣接する1対の第2スリットの傾斜部の先端部間に間隔が空けられた状態でx方向に直列に並べられ、上記第1スリットと第2スリットとは、隣接する1対の第1スリットの傾斜部の先端部間に第2スリットの基部が位置するように互いに逆向きに配置されてy方向に交互に並んでおり、第1及び第2スリットの両傾斜部の先端部には、相対するスリットの基部に向かってy方向に延びかつ板材を表裏面間で貫通する第3スリットが傾斜部の先端部に連続して形成されている。そして、板材がy方向に引っ張られたときに、該板材において、y方向に対向する第1及び第2スリットの基部の一部、傾斜部及び第3スリットで囲まれる部分がアーム部となり、かつ第3スリットと基部との間の部分が該アーム部両端の軸部となって、該アーム部が軸部回りに板材の表裏面に沿う方向に思案点を超えて回動することで、各スリットがy方向に開いて空隙部となるように構成されていることを特徴とする。
この第5の発明では、衝撃吸収材の板材がy方向に引っ張られず、或いは引っ張られても、その第1〜第3スリットにより区画形成される各アーム部に対し軸部回りに思案点を超えて回動する力が作用しないときには、各アーム部に思案点から離れようとする戻り力が働くので、この戻り力に付勢されて各アーム部は回動しない。この状態では、各スリットがy方向に開かず、空隙部は形成されない(その空隙率は0となる)。
これに対し、板材がy方向に引っ張られて、各アーム部に対し軸部回りに思案点を超えて回動する力が作用したときには、各アームが軸部回りに回動して思案点を超える。その後は各アーム部に思案点から離れようとする促進力が働き、この促進力は戻り力と逆向きであるので、この促進力に付勢されて各アーム部は大きく回動し、このことで、各スリットが促進力によってy方向に開いたままに保たれて空隙部が形成される。そして、このような空隙部を板材の必要な箇所に形成することで、衝撃吸収材の空隙部の空隙率が変更され、よって空隙率を容易に変更することができる。
第6の発明は、第4の発明において、衝撃吸収層は上記第5の発明の衝撃吸収材からなることを特徴とする。
この第6の発明では、空隙部を形成可能でかつ該空隙部の占有割合である空隙率が変更可能な衝撃吸収材が容易に得られる。
第7の発明は、第1〜第4及び第6の発明のいずれか1つにおいて、衝撃吸収層の裏面に裏打ち層が形成されていることを特徴とする。
この第7の発明では、衝撃吸収層の裏面に裏打ち層が形成されているので、衝撃吸収化粧材を下地に接着剤によって施工したときに、その接着剤が衝撃吸収層に進入するのを防止することができる。
第8の発明は床材に係るものであり、この床材は、第1〜第4、第6及び第7の発明のいずれか1つの衝撃吸収化粧材からなることを特徴とする。
第9の発明は壁材に係るものであり、この壁材は、第1〜第4、第6及び第7の発明のいずれか1つの衝撃吸収化粧材からなることを特徴とする。
この第8又は第9の発明では、人体が大きな衝撃力を受けるのを効果的に抑制できるとともに、下地に対する沈み込みによる違和感を解消できる床材又は壁材が容易に得られる。
以上説明したように、本発明によると、衝撃吸収化粧材として、撓み変形可能な可撓性を有する基材層の表面に表面仕上げ層を、また裏面に撓み抑制層をそれぞれ設け、撓み抑制層の裏面に衝撃吸収層を設けたことにより、衝撃吸収化粧材に対し表面仕上げ層から人の衝突によって大きな衝撃が加わって、基材層が撓むように変形したとしても、その変形が下地にまで達するようなことを撓み抑制層により抑制して、人体が大きな衝撃力を受けることを効果的に抑制することができるとともに、衝撃吸収化粧材の下地に対する沈み込みをも防止して違和感を解消することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る衝撃吸収化粧材の断面図である。 図2は、衝撃吸収化粧材の基材層、撓み抑制層、衝撃吸収層及び裏打ち層を分解して示す斜視図である。 図3は、衝撃吸収化粧材における基材層を裏側から見た図である。 図4は、非展開状態の衝撃吸収材を示す平面図である。 図5は、展開状態の衝撃吸収材を示す平面図である。 図6は、衝撃吸収材の第1〜第3スリットを拡大して示す平面図である。 図7は、実施例の測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図1及び図2は本発明の実施形態に係る衝撃吸収化粧材Aを示し、この衝撃吸収化粧材Aは、建物である例えばマンションや学校、幼稚園、老人ホーム、体育館等の床材として、床下地(図示せず)上に施工される。衝撃吸収化粧材Aは例えば細長い板状であり、基材層1、表面仕上げ層7、撓み抑制層10、衝撃吸収層12及び裏打ち層26を備え、これらが積層されて一体化されている。尚、図2では表面仕上げ層7を示していない。
(基材層)
上記基材層1は板状の化粧材Aの骨格をなすものであり、例えば無垢材、合板、MDF、LVL、パーティクルボード等の木質板、これらの木質板の表面に薄いMDFを積層接着した木質複合板、これらの木質板や木質複合板の表面に、例えばメラミン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、イソシアネート系樹脂等の樹脂層を設けて強化し、或いは樹脂を板材表層に含浸させて硬化させることで強化した木質基板、無機質繊維板や火山性ガラス質複層板等の無機質板、合成樹脂板等が挙げられる。基板層1は、単一材で構成されていてもよく、また、複数の板材の積層体で構成されていてもよい。また、基材層1には、熱処理や蒸気処理、その他樹脂注入処理等が施されていてもよい。
この基材層1の厚さは、例えば3〜20mmである。
基材層1の幅方向に対向する側面には雌実2又は雄実3が形成されている(長さ方向に対向する側面にも同様の雌実又は雄実が形成されていてもよい)。すなわち、基材1の幅方向に対向する側面の一方に雌実2が、また他方に雌実2に嵌合可能な雄実3がそれぞれ形成されている。上記雌実2は、基材層1の厚さ方向の中間部を凹溝状に切り欠くことで、基材層1の厚さ方向中間部に位置する凹部2aを有する。一方、上記雄実3は、基材層1の厚さ方向の表裏両側部をそれぞれ断面矩形状に切り欠くことで、基材層1の厚さ方向中間部に位置する凸部3aを有しており、雌実2の凹部2aに、隣接する化粧材A(基材層1)の雄実3の凸部3aを嵌合することで、両化粧材A,Aが並べられて施工されるようになっている。
基材層1の裏面には、基材層1の幅方向に沿って互いに平行に延びる複数のスリット状の切欠き凹溝5,5,…が基材層1の長さ方向に等間隔を空けて形成されている。この各切欠き凹溝5は、基材層1の裏面を表面に向かって一定深さまで切り欠くことによって形成され、その底面は、上記雌実2の凹部2a及び雄実3の凸部3aの厚さ方向中央部に位置しており、この切欠き凹溝5,5,…により、基材層1(化粧材A)に表面側から衝撃が加わったときに、基材層1(化粧材A)が長さ方向の中間部を下向きに湾曲させた下凸状に撓むようになっている。
(表面仕上げ層)
表面仕上げ層7は、上記基材層1の表面に設けられている。この表面仕上げ層7は、例えば化粧単板やWPC処理単板、化粧シート等が用いられ、それらの材料を基材層1の表面に積層一体化することによって設けられている。
(撓み抑制層)
撓み抑制層10は、上記基材層1の裏面に設けられ、基材層1の過度の撓み変形を抑制するシート状又は薄パネル状のものである。撓み抑制層10は、例えば紙、織布、不織布等が用いられ、それらの材料が基材層1の裏面に積層一体化されて形成される。この撓み抑制層10の厚さは例えば0.02〜0.5mm程度が好ましい。
(衝撃吸収層)
衝撃吸収層12は、上記撓み抑制層10の裏面に形成されて、化粧材Aに表面から加わった衝撃荷重を吸収するもので、所定厚さの板形状を有する。この衝撃吸収層12は、例えば合成樹発泡体、ゴム発泡体、インシュレーションボード、グラスウールマット、フェルト等が用いられる。この衝撃吸収層12の厚さは例えば4〜8mm程度が好ましく、その硬度は例えばアスカーC型硬度19〜39程度が好ましい。
衝撃吸収層12には多数の空隙部14,14,…が形成されている。これらの空隙部14,14,…は、衝撃吸収層12を部分的に表裏面間に亘って貫通する貫通孔からなり、この空隙部14,14,…によって衝撃吸収層12の内部に衝撃による圧力を逃がす空間を形成して、衝撃吸収性能を高めるようにしている。
衝撃吸収層12は、上記空隙部14,14,…を形成可能でかつ該空隙部14,14,…の占有割合である空隙率が変更可能な衝撃吸収材13からなるものとすることができる。
図4〜図6は上記空隙部14,14,…の空隙率が変更可能な衝撃吸収材13を例示している。この衝撃吸収材13は、例えばポリエチレンの発泡体からなる板材からなる。この板材において、表裏面に沿って互いに直交するx方向(例えば板材の幅方向)及びy方向(同長さ方向)が設定されていると仮定したとき、板材には、該板材を表裏面間で貫通する複数の独立した有限長さの第1スリット16,16,…及び第2スリット17,17,…が形成されている。
上記第1及び第2スリット16,17は、互いに向きが異なるだけでいずれも同じ形状であり、x方向に延びる基部18と、この基部18の両端から傾斜して延びる1対の傾斜部19,19とを有する亀甲括弧形状、つまり「 〔 」の形状又は「 〕 」の形状に形成されている。
複数の第1スリット16,16,…は、各々の基部18がx方向に沿って延びかつ隣接する1対の第1スリット16,16の傾斜部19,19の先端部間に間隔が空けられた状態でx方向に直列に並べられている。一方、複数の第2スリット17,17,…も同様に、各々の基部18がx方向に沿って延びかつ隣接する1対の第2スリット17,17の傾斜部19,19の先端部間に間隔が空けられた状態でx方向に直列に並べられている。但し、これら第1スリット16,16,…と第2スリット17,17,…とは、隣接する1対の第1スリット16,16の傾斜部19,19の先端部間に第2スリット17の基部18が位置するように互いに逆向きに配置されてy方向に交互に並んでいる。
さらに、第1及び第2スリット16,17の両傾斜部19,19の先端部には、相対するスリット17,16の基部18に向かってy方向に延びかつ板材を表裏面間で貫通する1対の第3スリット20,20がそれぞれ傾斜部19,19の先端部に連続して形成されている。
そして、図6に拡大して示すように、板材がy方向に引っ張られたときに、該板材において、y方向に対向する第1及び第2スリット16,17の基部18,18の一部、傾斜部19,19及び第3スリット20,20で囲まれる部分がアーム部22となり、かつ第3スリット20,20と基部18との間の部分が該アーム部22両端の軸部23,23となって、該アーム部22が軸部23,23回りに板材の表裏面に沿う方向に思案点を超えて回動することで、各スリット16,17,20がy方向に開いて空隙部14,14,…となるように構成されている。
この衝撃吸収材13においては、板材がy方向に引っ張られないとき、或いは引っ張られても、その第1〜第3スリット16,17,20により区画形成される各アーム部22に対し軸部23,23回りに思案点を超えて回動する力が作用しないときには、各アーム部22に思案点から離れようとする戻り力が働くので、この戻り力に付勢されて各アーム部22は回動しない。この状態では、図4に示すように、各スリット16,17,20がy方向に開かず、空隙部14,14,…は形成されず、その空隙率は0となる。
これに対し、板材がy方向に引っ張られて、各アーム部22に対し軸部23,23回りに思案点を超えて回動する力が作用したときには、各アーム部22が軸部23,23回りに回動して思案点を超える。その後は各アーム部22に思案点から離れようとする促進力が働き、この促進力は戻り力と逆向きであるので、この促進力に付勢されて各アーム部22は大きく回動する。このことで、図5に示すように、各スリット16,17,20が促進力によりy方向に開いたままに保持されて空隙部14,14,…が形成される。
衝撃吸収層12が、このような衝撃吸収材13からなっていると、衝撃吸収材13を撓み抑制層10に一体化する前に、衝撃吸収材13を用い、図5に示すように、その板材をy方向に引き延ばして展開することにより、空隙部14,14,…の空隙率を変更することができるようになる。図5に示す例では、衝撃吸収材13の全体を引き延ばして展開したものであり、例えば55%の空隙率になる。
また、衝撃吸収材13の一部のみを引き延ばして部分的に展開させ、残りの他の部分に空隙部14,14,…を形成しないことにより、空隙率を部分的に変えるようにすることもできる。
こうして、空隙部14,14,…を板材の必要な箇所に形成することで、衝撃吸収材13の空隙部14,14,…の空隙率が変更され、よって空隙率を容易に変更することができる。
(裏打ち層)
裏打ち層26は上記衝撃吸収層12の裏面に形成されている。この裏打ち層26は、上記撓み抑制層10と同様の材料を使用することができる。
したがって、上記実施形態においては、衝撃吸収化粧材Aの基材層1と衝撃吸収層12との間に撓み抑制層10が設けられているので、衝撃吸収化粧材Aに対し表面仕上げ層7から例えば人の転倒時の衝撃等の大きな衝撃が加わって、基材層1が裏面の切欠き凹溝5,5,…によって撓むように変形したとしても、その変形が過度になって下地にまで達する底打ちするようなことが撓み抑制層10により抑制される。こうした衝撃の吸収緩和効果により、人体が大きな衝撃力を受けることを効果的に抑制することができる。
また、衝撃吸収層12に空隙部14,14,…が設けられているので、この空隙部14,14,…により衝撃吸収層12の内部に衝撃による圧力を逃がす空間が形成される。そのため、空隙部14がない場合と比較して衝撃吸収性能を高めることができるようになる。例えば空隙率が約50%であると、衝撃吸収性能が15〜20%向上し、衝撃吸収層12の厚さを増大させることなく、衝突時の加速度としてのG値が100以下となるように衝撃吸収力を保つことができる。
そして、衝撃吸収層12は空隙部14,14,…を形成可能な衝撃吸収材13からなり、衝撃吸収材13はその空隙部14,14,…の空隙率が変更可能であるので、衝撃吸収層12を形成するための同じ種類の衝撃吸収材13を用い、その空隙率を変えることによって、衝撃吸収層12の衝撃吸収性能を変えることができる。そのため、衝撃吸収性能の要求に応じて空隙率の異なる複数の衝撃吸収材を個別に用意せずとも済み、図4〜図6に示す例ではスリット16,17,20の大きさを異ならせる等、数種類の衝撃吸収材13を用意してその空隙率を変化させるだけでよく、衝撃吸収材13を数種類として製造時の部品点数を低減することができる。
特に、上記第1〜第3スリット16,17,20を有する衝撃吸収材13を用いることにより、空隙部14,14,…を形成可能でかつ該空隙部14,14,…の占有割合である空隙率が変更可能な衝撃吸収材13が容易に得られる。
しかも、上記基材層1の撓み変形の抑制により衝撃吸収化粧材Aの下地に対する沈み込みをも防止され、その沈み込みによる違和感を解消することができる。
また、衝撃吸収層12の裏面に裏打ち層26が形成されているので、衝撃吸収化粧材Aを床下地に接着剤による接着によって施工したときに、その接着剤が衝撃吸収層12に進入するのを防止することができる。
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態では、基材層1の裏面に切欠き凹溝5,5,…を形成することによって、基材層1に表面側から衝撃が加わったときに基材層1が撓むようにしているが、基材層1は撓み変形するものであれば切欠き凹溝5以外の手段を用いてもよく、例えば基材層1を金属や木質材料等で構成した上で、その裏面に複数の孔や格子の加工等を施すことにより、基材層1に弾性を持たせて撓み変形可能としてもよい。また、その他、基材層1自体の材料を可撓性を有する材料、例えば合成樹脂材料やゴム状材料等の弾性を有するものとすること等により撓み変形可能としてもよい。
また、上記実施形態では、衝撃吸収材13(衝撃吸収層12)における空隙部14,14,…の空隙率を変更可能としているが、本発明では、空隙部14,14,…の空隙率が一定の衝撃吸収材13を用いて衝撃吸収層12を形成することもできる。しかし、衝撃吸収層12の衝撃吸収性能を変えることができる点では空隙部14,14,…の空隙率を変更可能とするのが好ましい。
また、衝撃吸収層12は空隙部14,14,…がないものであってもよい。しかし、衝撃吸収層12の厚さを増大させることなく、衝撃吸収性能を高めることができる点では、衝撃吸収層12に空隙部14,14,…を設けることが好ましい。
さらに、裏打ち層26は必須ではないが、接着剤の衝撃吸収層12への進入を防止できる点では裏打ち層26を設けるのがよい。
また、上記実施形態は、衝撃吸収化粧材Aを床材に適用した場合であるが、同様の衝撃吸収化粧材Aを壁材に適用することもできる。その場合においても、人体が壁にぶつかって大きな衝撃を受けることを効果的に抑制できるとともに、壁下地に対する沈み込みによる違和感を解消することができる。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。上記実施形態の構造の衝撃吸収化粧材(図1〜図6参照)を床材とし、その表面仕上げ層はWPC処理単板、基材層として、表面(表面仕上げ層との間)に高硬度の樹脂強化層を有する厚さ12mmの合板、撓み抑制層及び裏打ち層は、重さ24gのポリエチレンのスパンボンド不織布、衝撃吸収層(衝撃吸収材)は、14倍の発泡倍率を有するポリエチレン発泡体を用いた。
そして、衝撃吸収層の厚さ、そのアスカーC型硬度、撓み抑制層の有無、その空隙部の有無、空隙部の形状を変更して例1〜例10のサンプルを作製した。
これらのサンプルに対し、JIS A 6519(床の硬さ試験)に準拠した、転倒衝突時の床の硬さ測定装置を用いて最大加速度(G値)を測定し、併せて、歩行感として硬さ感及び沈み込み感を評価した。その結果を図7に示す。
この図7について考察する。例1〜例10のいずれもG値が100以下となり、衝撃吸収効果があることが判る。
そして、例1、例3及び例7を比較すると、衝撃吸収層の厚さが厚いほどG値が小さくなる一方、歩行感の硬度感が上がり沈み込み感が生じていることが判る。
また、例2と例3、例6と例7をそれぞれ比較すると、衝撃吸収層のアスカーC型硬度が大きくなって硬くなるほどG値が小さくなり、歩行感の硬度感及び沈み込み感も上がっていることが判る。
例4と例5、例8と例9をそれぞれ比較すると、衝撃吸収層に空隙部が形成されていれば、ない場合に比べてG値が小さくなり、歩行感の硬度感及び沈み込み感も上がっていることが判る。
例8及び例10を比較すると、空隙部の形状が大きいほどG値がやや小さくなり、歩行感の硬度感及び沈み込み感も下がっていることが判る。
さらに、例3と例4、例7と例8をそれぞれ比較したとき、撓み抑制層があれば、ない場合に比べてG値が下がっており、歩行感の硬度感及び沈み込み感も上がっていることが判る。
本発明は、衝撃吸収化粧材を施工したときに、人体が衝突しても大きな衝撃力を受けることを効果的に抑制できるとともに、衝撃吸収化粧材の沈み込みも防止して違和感を解消できるので、極めて有用である。
A 衝撃吸収化粧材
1 基材層
5 切欠き凹溝
7 表面仕上げ層
10 撓み抑制層
12 衝撃吸収層
13 衝撃吸収材
14 空隙部
16 第1スリット
17 第2スリット
18 基部
19 傾斜部19,19
20 第3スリット
22 アーム部
23 軸部
26 裏打ち層

Claims (9)

  1. 建物の内部に施工される衝撃吸収化粧材であって、
    撓み変形可能な基材層と、
    上記基材層の表面に設けられた表面仕上げ層と、
    上記基材層の裏面に設けられた撓み抑制層と、
    上記撓み抑制層の裏面に設けられた衝撃吸収層とを備えていることを特徴とする衝撃吸収化粧材。
  2. 建物の内部に施工される衝撃吸収化粧材であって、
    裏面に互いに平行に延びる複数の切欠き凹溝が形成された基材層と、
    上記基材層の表面に設けられた表面仕上げ層と、
    上記基材層の裏面に設けられた撓み抑制層と、
    上記撓み抑制層の裏面に設けられた衝撃吸収層とを備えていることを特徴とする衝撃吸収化粧材。
  3. 請求項1又は2において、
    衝撃吸収層は、空隙部を有することを特徴とする衝撃吸収化粧材。
  4. 請求項1又は2において、
    衝撃吸収層は、空隙部を形成可能でかつ該空隙部の占有割合である空隙率が変更可能な衝撃吸収材からなることを特徴とする衝撃吸収化粧材。
  5. 表裏面に沿って互いに直交するx方向及びy方向が設定された発泡材からなる板材に、該板材を表裏面間で貫通する複数の独立した第1及び第2スリットが形成され、
    上記第1及び第2スリットは、x方向に延びる基部と、該基部の両端から傾斜して延びる1対の傾斜部とを有する亀甲括弧形状に形成され、
    複数の第1スリットは、基部がx方向に沿って延びかつ隣接する1対の第1スリットの傾斜部の先端部間に間隔が空けられた状態でx方向に直列に並べられている一方、
    複数の第2スリットは、基部がx方向に沿って延びかつ隣接する1対の第2スリットの傾斜部の先端部間に間隔が空けられた状態でx方向に直列に並べられ、
    上記第1スリットと第2スリットとは、隣接する1対の第1スリットの傾斜部の先端部間に第2スリットの基部が位置するように互いに逆向きに配置されてy方向に交互に並んでおり、
    第1及び第2スリットの両傾斜部の先端部には、相対するスリットの基部に向かってy方向に延びかつ板材を表裏面間で貫通する第3スリットが傾斜部の先端部に連続して形成されており、
    板材がy方向に引っ張られたときに、該板材において、y方向に対向する第1及び第2スリットの基部の一部、傾斜部及び第3スリットで囲まれる部分がアーム部となり、かつ第3スリットと基部との間の部分が該アーム部両端の軸部となって、該アーム部が軸部回りに板材の表裏面に沿う方向に思案点を超えて回動することで、各スリットがy方向に開いて空隙部となるように構成されていることを特徴とする衝撃吸収材。
  6. 請求項4において、
    衝撃吸収層は、請求項5の衝撃吸収材からなることを特徴とする衝撃吸収化粧材。
  7. 請求項1〜4及び6のいずれか1つにおいて、
    衝撃吸収層の裏面に裏打ち層が形成されていることを特徴とする衝撃吸収化粧材。
  8. 請求項1〜4、6及び7のいずれか1つの衝撃吸収化粧材からなることを特徴とする床材。
  9. 請求項1〜4、6及び7のいずれか1つの衝撃吸収化粧材からなることを特徴とする壁材。
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