JP2016160580A - 建設機械 - Google Patents

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Daisuke Yamamoto
大介 山本
川本 純也
Junya Kawamoto
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Abstract

【課題】機体の安定性を向上すると共に、エンジンを含む機器類の整備性を向上できる建設機械を提供する。
【解決手段】旋回フレーム6の後端部に設けられたカウンタウエイト11と、エンジン8の左側に配設された左後側面カバー12bと、前記エンジンの右側に配設された右後側面カバー12cと、前記旋回フレームの後端部に立設された脚部材20bと、前記脚部材によって前記カウンタウエイトの上方に支持された梁部材20aと、前記梁部材の後側に配設された上部側面カバー12aと、前記カウンタウエイトと前記左後側面カバーと前記右後側面カバーと前記上部側面カバーとに囲まれて形成された点検口3cを閉塞するように配設されたエンジンカバー16と、前記梁部材と前記エンジンカバーとの間に設けられ、前記エンジンカバーの上下方向の平行移動を可能とするリンク機構19とを備える。
【選択図】 図7

Description

本発明は、油圧ショベル等の建設機械に関し、特に、機体に搭載されたエンジン等を開閉可能に覆うエンジンカバーを備えた建設機械に関する。
一般に油圧ショベル等の建設機械は、自走可能な下部走行体と、この下部走行体の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体と、この上部旋回体の前部に俯仰可能に設けられたフロント作業装置とを備えてている。そして、上部旋回体の支持構造体をなす旋回フレーム上には、動力源としてのエンジン、このエンジンによって駆動される油圧ポンプ、エンジン等を冷却する熱交換器等の機器類が搭載され、これら機器類は上部旋回体に設けられた外装カバーによって覆われている。
ここで、油圧ショベルの上部旋回体に設けられた外装カバーには、通常、エンジンを含む機器類を点検するための点検口が設けられ、この点検口は、エンジンカバーによって開閉可能に覆われている。従来技術によるエンジンカバーとしては、回動式のエンジンカバーが知られている。回動式のエンジンカバーは、上端部がヒンジ構造によって回動可能に支持される固定端となり、下端側が上下方向に回動する自由端となっている。そして、回動式のエンジンカバーは、その自由端側に設けられた把手等を作業者が把持して上方に持ち上げることにより、固定端を中心として上方向に回動し、点検口を開放するものである。このため、エンジンカバーを開位置とするためには、作業者はエンジンカバーの自由端側を上方に大きく持上げる必要があり、このエンジンカバーを開く作業が煩わしいという問題がある。また、エンジンカバーが開位置にあるときは、通常、自由端が外装カバーの表面から斜め上向きに突出するため、例えばエンジンカバーを開位置に保持したまま上部旋回体を旋回させた場合には、この上部旋回体の周囲に存在する立木等の障害物にエンジンカバーが衝突してしまい、当該エンジンカバーが破損してしまうおそれがある。
上述した回動式エンジンカバーの課題を解決する手段として、平行リンク式エンジンカバーが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の油圧ショベル1では、カウンタウエイト11の中央部位に矩形な点検口11Cが設けられ、この点検口11Cは、リンク機構19を介して上下方向に平行移動可能に取り付けられたエンジンカバー16によって開閉される。
特許第4246663号
しかしながら、特許文献1に記載の建設機械では、回動式のエンジンカバーに比べ、カウンタウエイトが上方向に延出することにより機体の重心位置が高くなるため、機体の安定性が低下するおそれがある。また、カウンタウエイトの中央部位に点検口が開口しているため、点検口の幅が狭く、エンジンを含む機器類の整備性が低下するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、機体の安定性を向上すると共に、エンジンを含む機器類の整備性を向上することができる建設機械を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、自走可能な下部走行体と、前記下部走行体の上部に旋回可能に搭載された上部走行体とを有する建設機械において、前記上部旋回体の支持構造体をなす旋回フレームと、前記旋回フレームの後部に配置されたエンジンと、前記旋回フレームの後端部に設けられたカウンタウエイトと、前記エンジンの左側に配設された左後側面カバーと、前記エンジンの右側に配設された右後側面カバーと、前記旋回フレームの後端部に立設された脚部材と、前記脚部材によって前記カウンタウエイトの上方に支持された梁部材と、前記梁部材の後側に配設された上部側面カバーと、前記カウンタウエイトと前記左後側面カバーと前記右後側面カバーと前記上部側面カバーとに囲まれて形成された点検口を閉塞するように配設されたエンジンカバーと、前記梁部材と前記エンジンカバーとの間に設けられ、前記エンジンカバーの上下方向の平行移動を可能とするリンク機構とを備えるものとする。
このように構成した本発明においては、カウンタウエイトの高さを小さくし、エンジンカバーを取り付けるリンク機構をカウンタウエイトの上方に支持された梁部材に設けたことにより、機体の重心位置を低く抑えると共に、エンジンを含む機器類の点検口の幅を拡張することができる。
本発明によれば、油圧ショベル等の建設機械において、機体の安定性を向上すると共に、エンジンを含む機器類の整備性を向上することができる。
本発明の実施の形態による小型油圧ショベルの左側面図及び背面図である。 本発明の第1の実施の形態による上部旋回体の支持構造体を後方右上から見た斜視図である。 本発明の第1の実施の形態によるカウンタウエイト及びエンジンカバーを取り付けた支持構造体を、エンジンカバーが閉位置にある状態で後方左上から見た斜視図である。 本発明の第1の実施の形態によるカウンタウエイト及びエンジンカバーを取り付けた支持構造体を、エンジンカバーが開位置にある状態で前方右上及び後方左下から見た斜視図である。 本発明の第1の実施の形態によるエンジンカバーを取り付けた支持構造体を、エンジンカバーが開位置にある状態で示す左側面図、背面図及び右側面図である。 本発明の第1の実施の形態によるカウンタウエイト及びエンジンカバーを取り付けた支持構造体を、エンジンカバーが閉位置にある状態で脚部材より左側部分を切除して左側前方及び左側後方から示す断面斜視図である。 本発明の第1の実施の形態による上部旋回体をエンジンカバーが閉位置及び閉位置にある状態で示す背面図である。 図7のA−A線及びB−B線における断面模式図である。 従来技術による上部旋回体をエンジンカバーが開位置にある状態で示す背面図、及び、本発明の第1の実施の形態による上部旋回体をエンジンカバーが開位置にある状態で示す背面図である。 本発明の第2の実施の形態によるエンジンカバーを取り付けた支持構造体を、エンジンカバーが開位置にある状態で示す左側面図及び背面図である。
本発明の実施の形態による建設機械を、後方小旋回式の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図面を用いて説明する。なお、各図中、同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。なお、以下の説明において、上下、前後、左右の方向は、運転席に着席したオペレータから見た方向をいう。
<第1の実施の形態>
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態による油圧ショベルの左側面図であり、図1(b)は同じく背面図である。油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、下部走行体2の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、上部旋回体3の前部に俯仰可能に設けられたフロント作業装置4とを備えている。
下部走行体2は、トラックフレーム2aと、トラックフレーム2aの左右に配設された左右のクローラ式走行装置2b、2cとを備えている。左右のクローラ走行装置2b,2cは、それぞれ左右の走行モータ2d(左側のみ図示)によって駆動される。トラックフレーム2aの前側には排土用のブレード5が上下動可能に支持されている。ブレード5は、図示しないブレードシリンダによって上下に駆動される。
上部旋回体3は、支持構造体をなす旋回フレーム6を有する。旋回フレーム6は、トラックフレーム2aの上部に旋回輪7を介して旋回可能に取り付けられ、図示しない旋回モータによって駆動される。
旋回フレーム6の後端部には、機体前方に設けられたフロント作業装置4との重量バランスをとるカウンタウエイト11が配設されている。旋回フレーム6の前部左側には、キャブ3aが配設され、キャブ3a内には、オペレータが着座する運転席(図示せず)、オペレータによって操作される各種の操作機器(図示せず)等が配置されている。旋回フレーム6の前部右側には、図示しない燃料タンク、作動油タンク等が配置されている。旋回フレーム6の後部には、原動機としてのエンジン8(図3参照)が左右方向に延びる横置き状態に配置されている。エンジン8に左側には油圧ポンプ(図示せず)が配設され、エンジン8の右側にはラジエータ、オイルクーラ等により構成された熱交換器(図示せず)が配設されている。旋回フレーム6の前端部分には、支持ブラケット6dが設けられており、支持ブラケット6dには、スイングポスト4bが左右方向に揺動可能に取り付けられている。スイングポスト4bは、図示しないスイングシリンダによって左右に駆動される。
上部旋回体3の外周部分は、外装カバー12で覆われている。外装カバー12は、前方左右側に配設された左右のスカートカバー12d(左側のみ図示)と、キャブ3aの右側に配設され、燃料タンク、作動油タンク等を覆うタンクカバー(図示せず)と、左側後方に配設され、エンジン8を含む機器類の左側を覆う左後側面カバー12b及び左後下部側面カバー12eと、右側後方に配設され、エンジン8を含む機器類の右側を覆う右後側面カバー12cと、カウンタウエイト11の上端部に沿って左後側面カバー12bと右後側面カバー12cとの間に配設され、エンジン8を含む機器類の後側を覆うエンジンカバー16と、エンジンカバー16の上端部に沿って左後側面カバー12bと右後側面カバー12cとの間に配設され、エンジン8を含む機器類の後側上部を覆う上部側面カバー12aとにより構成されている。
フロント作業装置4は、スイングポスト4bに上下方向に回動可能に連結されたブーム4aと、ブーム4aの先端部に前後方向に回動可能に連結されたアーム(図示せず)と、アームの先端部に前後方向に回動可能に取り付けられたバケット(図示せず)とを有する。ブーム4a、アーム、及びバケットは、それぞれ図示しないブームシリンダ、アームシリンダ、及びバケットシリンダによって駆動される。
図2は、上部旋回体3の支持構造体を後方右上から見た斜視図である。支持構造体3bは、下部走行体2上に旋回可能に取り付けられる旋回フレーム6と、旋回フレーム6の右側後方部(エンジン8の右側)に立設された枠部材21と、旋回フレーム6の後端部(エンジン8後側)に立設されたサポート部材20とを有する。枠部材21は、ラジエータ、オイルクーラ等からなる熱交換器の外枠を構成する。サポート部材20は、キャブ3aの後端部を支持する。
旋回フレーム6は、厚肉な平板からなる円形状の底板6aと、底板6aの上面前側に左右に離間して略V字状に立設された左前縦板6b及び右前縦板6cと、これら左右の前縦板6b,6cの前端部に設けられ、フロント作業装置4(スイングポスト4b)を左右方向に揺動可能に支持する支持ブラケット6dと、底板6aの前端位置に左右の前縦板6b,6cを挟んで左右側に延びて設けられ、キャブ3aのフロアが取り付けられる左右のフロア取付け部材6e,6fと、左右の前縦板6b,6cの後端位置に左右方向に延びて立設された仕切板6gと、仕切板6gを挟んで左前縦板6bの後側に連続するように立設された左後縦板6hと、仕切板6gを挟んで右前縦板6cの後側に連続するように立設された右後縦板6kと、仕切板6gの後側に位置して左右の後縦板6h,6kの間に設けられた複数のエンジンブラケット6mと、右後縦板6kの上側に前後方向に延びて設けられた熱交換器取付台6nと、左右の後縦板6h,6kの後端位置に左右方向に延びて立設された後端縦板6pとにより構成されている。底板6aの後端縦板6pの後側部分にはカウンタウエイト11(図3参照)が載置され、後端縦板6pにボルト等で固定される。
枠部材21は、下側に位置して前後方向に延び、旋回フレーム6の熱交換器取付台6nに取り付けられる下枠21aと、下枠21aの長さ方向(前後方向)の両端から上側に延びた一対の前側枠21b及び後側枠21cと、これら各側枠21b,21cの上端部に亘って前後方向に延びた上枠21dとにより角枠状に形成されている。枠部材21の左側(エンジン8側)には冷却ファン9(図5(c)参照)のシュラウド(図示せず)が取り付けられ、枠部材21の右側(エンジン8と反対側)にはオイルクーラとラジエータとが前後方向に並ぶように取り付けられる。
サポート部材20は、旋回フレーム6の後端上方に左右方向に延びて設けられキャブ3aの後端部が載置される梁部材20aと、旋回フレーム6の後端部に立設され梁部材20aを支持する脚部材20bとで構成されている。梁部材20aには、エンジンカバー16(図3参照)を上下方向に平行移動可能に支持するリンク機構19が取り付けられている。梁部材20aは、キャブ3aの後端部を支持するための強度を備えるために、左右方向に長尺で上下方向に扁平なボックス体を形成している。脚部材20bの上端部は、梁部材20aの後側面の中央左寄りの位置に溶接等で固定され、下端部は、旋回フレーム6の後端縦板6pの後側面の中央左寄りの位置に溶接等で固定された取付けブラケット20cにボルト等で固定されている。梁部材20aの右側端部は、枠部材21の上枠21dの後端部に載置され、ボルト等で固定されている。即ち、熱交換器の外枠を構成する枠部材21は、脚部材20bと共に梁部材20aを支持する機能を果たしている。
図3は、カウンタウエイト11及びエンジンカバー16を取り付けた支持構造体3bを、エンジンカバー16が閉位置にある状態で後方左上から見た斜視図である。
カウンタウエイト11は、鋳造手段によって一体形成された重量物であり、左右方向に円弧状に延びる凸湾曲形状をなす。カウンタウエイト11は、旋回フレーム6の後端部に取り付けられ、旋回フレーム6の前側に取り付けられたフロント作業装置4との重量バランスをとる。
エンジンカバー16は、例えば樹脂材料等を用いて一体形成され、上下方向の寸法に比較して左右方向の寸法が大きく、カウンタウエイト11の上端部11a(図4(b)参照)の外側面形状に対応した凸湾曲形状をなす。エンジンカバー16の外側面の下側中央部には、把持部16aが設けられている。エンジンカバー16は、図示閉位置において、その下端部がカウンタウエイト11の上端部11aを覆うように、リンク機構19(図2参照)を介して梁部材20aに取り付けられている。
図4(a)は、カウンタウエイト11及びエンジンカバー16を取り付けた支持構造体3bを、エンジンカバー16が開位置にある状態で前方右上から見た斜視図であり、図4(b)は、同じく後方左下から見た斜視図である。
リンク機構19は、左右の平行リンク部材19a,19bと、左右の平行リンク部材19a,19bにそれぞれ設けられた左右の引張りばね19c(左側のみ図示)と、左右の平行リンク部材19a,19bを連結する連結部材19dとにより構成されている。左右の平行リンク部材19a,19bのそれぞれの固定端部は、梁部材20aの下側にボルト等で固定され、それぞれの自由端部は、エンジンカバー16の内側面にボルト等で固定されている。これにより、作業者は、把持部16aを介して、エンジンカバー16を図3に示す閉位置と図4に示す開位置との間で上下方向に平行に移動させることが可能となる。また、引張りばね19cがエンジンカバー16をその自重に抗して開位置へと付勢することにより、エンジンカバー16を容易に開位置へと移動させることができ、かつ、エンジンカバー16を開位置で保持することができる。
図5(a),(b),(c)は、それぞれ、エンジンカバー16を取り付けた支持構造体3bを、エンジンカバー16が開位置にある状態で示す左側面図、背面図及び右側面図である。
旋回フレーム6の後方部には、エンジン8が左右方向に延在する横置き状態に配置されている。エンジン8の左側には、エンジン8によって駆動される油圧ポンプ(図示せず)が配置され、エンジン8の右側には枠部材21に保持されたラジエータ及びオイルクーラ(熱交換器)が配置されている。これらエンジン8、油圧ポンプ、熱交換器等の機器類は、左後側面カバー12b、左後下部側面カバー12e、上部側面カバー12a、エンジンカバー16、カウンタウエイト11、及び右後側面カバー12cによって覆われる。
図6(a),(b)は、それぞれ、カウンタウエイト11及びエンジンカバー16を取り付けた支持構造体3bを、エンジンカバー16が閉位置にある状態で脚部材20bより左側部分を切除して左側前方から示す断面斜視図であり、図6(b)は同じく左側後方から示す断面斜視図である。
カウンタウエイト11及びサポート部材20は、ともに旋回フレーム6の底板6aの上面を基準面として配設されている。これにより、サポート部材20に取り付けられたエンジンカバー16の下端部とカウンタウエイト11の上端部11aとの位置合わせが容易となり、組立性を向上することができる。
図7(a)は、上部旋回体3をエンジンカバー16が閉位置にある状態で示す背面図であり、図7(b)は、上部旋回体3をエンジンカバー16が開位置にある状態で示す背面図である。
作業者が把持部16aを介してエンジンカバー16を上方向に平行移動させると、エンジンカバー16はリンク機構19の左右の引張りばね19c(図4(b)参照)によって開位置で保持され、上部側面カバー12aの下端部、左後側面カバー12bの右端部、カウンタウエイト11の上端部11a、右後側面カバー12cの左端部によって四方を囲まれた点検口3cが開口する。作業者は、点検口3cを通じてエンジン8、油圧ポンプ、熱交換器等の機器類の保守、点検作業を行うことができる。
図8(a),(b)は、それぞれ、図7のA−A線及びB−B線における断面模式図である。左後側面カバー12bの右端部12b1、右後側面カバー12cの左端部12c1、及び上部側面カバー12aの下端部12a1は、それぞれ機体内部に向かって湾曲しており、また、カウンタウエイト11の上端部11aは、外側に段差が形成されるように薄肉に形成されている。エンジンカバー16が開位置にあるときは、端部12b1,12c1,12a1,11aによって形成された点検口3cは外側に開放され、エンジンカバー16が開位置にあるときは、点検口3cは外部から遮蔽されるとともに、各端部12b1,12c1,12a1,11aはエンジンカバー16の外周部分によって覆われる。これにより、点検口3cから機器室への水分や塵埃の侵入を抑制することができる。
以上のように構成した油圧ショベル1によって得られる効果を、従来技術による油圧ショベルと比較して説明する。
図9(a)は、従来技術による上部旋回体をエンジンカバー16が開位置にある状態で示す背面図であり、図9(b)は、本実施の形態による上部旋回体3をエンジンカバー16が開位置にある状態で示す背面図である。
従来技術による上部旋回体3では、図9(a)に示すように、カウンタウエイト11がエンジン8よりも上方に延出して形成され、その中央部に略長方形状の点検口3cが開口し、エンジンカバー16を取り付けるリンク機構19の固定端部が点検口3cの左右の内周縁部分にボルト等で固定されている。そのため、カウンタウエイト11の高さHaが大きくなることで機体の重心位置が高くなり、機体の安定性が低下するおそれがある。また、点検口3cの幅Waが小さくなることで、エンジン8を含む機器類の整備性を損なうおそれがある。
これに対して、本実施の形態による上部旋回体3では、図9(b)に示すように、カウンタウエイト11の高さHbを小さくし、エンジンカバー16を取り付ける左右の平行リンク部材19a,19bの固定端部をカウンタウエイト11の上方に支持された梁部材20a(図3参照)にボルト等で固定している。これにより、点検口3cの幅Wbを左後側面カバー12bの右端から右後側面カバー12cの左端まで拡張することが可能となり、エンジン8を含む機器類の整備性を向上することができる。さらに、カウンタウエイト11の高さHbを小さくすることで、機体の重心位置が低く抑えられ、機体の安定性を向上することができる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態について、図10を用いて説明する。図10(a),(b)は、それぞれ、エンジンカバー16を取り付けた支持構造体3bを、エンジンカバー16が開位置にある状態で示す背面図及び右側面図である。
図10において、第1の実施の形態による支持構造体3b(図5参照)との相違点は、後端縦板6pに取り付けられた取付けブラケット20cの所定の高さ位置に、機体後方に突出するストッパ部材20dが溶接等で固定されており、梁部材20aを支持する脚部材20bの下端がストッパ部材20dの上面に載置されると共に取付けブラケット20cにボルト等で固定されている点である。即ち、本実施の形態における脚部材20bは、第1の実施の形態における脚部材20bよりも、ストッパ部材20dの取付け高さに応じた分だけ短くなっている。
以上のように構成した油圧ショベル1によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られると共に、ストッパ部材20dの取付高さに応じて脚部材20bの長さを変更することができ、機体前後の重量バランスを調整することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態では、キャブ仕様の油圧ショベルを例に説明したが、キャノピ仕様の油圧ショベルにも適用可能であり、また、クレーンなど他の建設機械にも適用可能である。また、上記した実施の形態は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、あるいは、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…油圧ショベル、2…下部走行体、2a…トラックフレーム、2b…左クローラ式走行装置、2c…右クローラ式走行装置、2d…左走行モータ、3…上部旋回体、3a…キャブ、3b…支持構造体、3c…点検口、4…フロント作業装置、4a…ブーム、4b…スイングポスト、5…ブレード、6…旋回フレーム、6a…底板、6b…左前縦板、6c…右前縦板、6d…支持ブラケット、6e…左フロア取付け部材、6f…右フロア取付け部材、6g…仕切板、6h…左後縦板、6k…右後縦板、6m…エンジンブラケット、6n…熱交換器取付台、6p…後端縦板、7…旋回輪、8…エンジン、9…冷却ファン、11…カウンタウエイト、11a…上端部、12…外装カバー、12a…上部側面カバー、12b…左後側面カバー、12c…右後側面カバー、12d…左スカートカバー、12e…左後下部側面カバー、16…エンジンカバー、16a…把持部、19…リンク機構、19a…左平行リンク部材、19b…右平行リンク部材、19c…引張りばね、19d…連結部材、20…サポート部材、20a…梁部、20b…脚部、20c…取付けブラケット、20d…ストッパ部材、21…枠部材、21a…下枠、21b…前側枠、21c…後側枠、21d…上枠

Claims (2)

  1. 自走可能な下部走行体と、前記下部走行体の上部に旋回可能に搭載された上部走行体とを有する建設機械において、
    前記上部旋回体の支持構造体をなす旋回フレームと、
    前記旋回フレームの後部に配置されたエンジンと、
    前記旋回フレームの後端部に設けられたカウンタウエイトと、
    前記エンジンの左側に配設された左後側面カバーと、
    前記エンジンの右側に配設された右後側面カバーと、
    前記旋回フレームの後端部に立設された脚部材と、
    前記脚部材によって前記カウンタウエイトの上方に支持された梁部材と、
    前記梁部材の後側に配設された上部側面カバーと、
    前記カウンタウエイトと前記左後側面カバーと前記右後側面カバーと前記上部側面カバーとに囲まれて形成された点検口を閉塞するように配設されたエンジンカバーと、
    前記梁部材と前記エンジンカバーとの間に設けられ、前記エンジンカバーの上下方向の平行移動を可能とするリンク機構と
    を備えたことを特徴とする建設機械。
  2. 請求項1に記載の建設機械において、
    前記旋回フレームの後端位置に立設された後端縦板と、
    前記後端縦板の側面に固定された取付けブラケットと、
    前記ブラケットに前記旋回フレームの上面から離間して固定されたストッパ部材とを備え、
    前記脚部材の下端部が前記ストッパ部材の上面に載置された状態で前記取付けブラケットに固定されたことを特徴とする建設機械。
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