JP2016160395A - 遮熱塗料組成物 - Google Patents

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Yasuharu Kawamura
康晴 川村
健輔 高崎
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健輔 高崎
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Yuya Hirose
有也 廣瀬
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Abstract

【課題】被塗装物が既存の建築物や構造物の改修における鉄などの金属板である場合には、被塗装物に部分的な錆が発生している場合がある。このような被塗装物に塗装する際に、前工程としてエポキシ系の錆止剤などを塗装しなくても、前記被塗装物に対して防錆性と遮熱性とを付与することが可能な遮熱塗料組成物を提供すること。
【解決手段】遮熱塗料組成物は、アクリルポリオール及び赤外線反射材料を含有する主剤、並びに、ポリイソシアネート及びシランカップリング剤を含有する硬化剤からなる。前記主剤が赤外線反射材料を含有していることにより、遮熱塗料組成物からなる塗膜は、遮熱性を有するものとなる。前記硬化剤がシランカップリング剤を含有していることにより、前記塗膜は、気密なものとなり、鋼板などとの密着性に優れ、被塗装物が空気と触れることを抑制できるため、防錆性に優れるものとなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、遮熱塗料組成物に関する。
一般に、遮熱塗料組成物は、住宅、工場、ビルディングなどの建築物や道路、床板などの構造物に対して、遮熱性を付与させるために用いられる。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、赤外線反射材料や赤外線反射用黒色顔料を含有する樹脂組成物が記載されている。
特許文献3には、金属酸化物製の球状微粒子とルチル形の特定粒子径酸化チタンとが合成樹脂中に分散された遮熱塗料が記載されている。
特開2010−202489号公報 特開2006−249411号公報 特開2013−147571号公報
赤外線反射材料や赤外線反射用黒色顔料を含有する樹脂組成物は、建築物や構造物の被塗装物に塗装することによって、これらに遮熱性を付与することができる。しかし、被塗装物が既存の建築物や構造物の改修における鉄などの金属板である場合には、被塗装物に部分的な錆が発生している場合がある。これに赤外線反射材料や赤外線反射用黒色顔料を含有する樹脂組成物を塗装した際には、被塗装物に対して防錆性を付与することが不十分で、被塗装物である鉄などの金属板の錆の発生部位が拡張する恐れがある。
従って、前記樹脂組成物を部分的な錆が発生している場合がある被塗装物に塗装する際には、前工程としてエポキシ系の錆止剤などを塗装し、その後に、前記樹脂組成物を塗装する工程を行う、2工程にしなければ、防錆性と遮熱性を付与することができないというおそれがあるという問題がある。
そこで、本発明の目的とするところは、遮熱塗料組成物であっても、部分的な錆が発生している場合がある被塗装物に塗装する際に、前工程としてエポキシ系の錆止剤などを塗装しなくても、前記被塗装物に対して防錆性と遮熱性とを付与することが可能な遮熱塗料組成物を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の遮熱塗料組成物は、アクリルポリオール及び赤外線反射材料を含有する主剤、並びに、ポリイソシアネート及びシランカップリング剤を含有する硬化剤、からなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明の遮熱塗料組成物は、請求項1に係る発明において、赤外線反射材料が、酸化チタン、酸化バリウム、鉄元素を含む複合酸化物、チタン元素を含む複合酸化物及び/又はチタン元素を含む複合窒化物から選択される1種または2種以上であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明の金属屋根材の塗装方法は、金属屋根材に、下塗材を塗装することなく、請求項1又は2に記載の遮熱塗料組成物を塗装することを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に記載の発明の遮熱塗料組成物によれば、被塗装物に対して防錆性と遮熱性とに優れるという効果を奏する。
請求項2に記載の発明の遮熱塗料組成物によれば、漆黒性及び耐候性に優れるという効果を奏する。
請求項3に記載の発明の金属屋根材の塗装方法によれば、被塗装物に対して防錆性と遮熱性とに優れるという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明は、アクリルポリオール及び赤外線反射材料を含有する主剤、並びに、ポリイソシアネート及びシランカップリング剤を含有する硬化剤、からなる遮熱塗料組成物であることを特徴とするものである。
塗料組成物とは、本明細書において、被塗装物の表面に塗装して被膜を形成し、被塗装物を保護等する流動性を有する物質を組成するものをいい、被膜を形成するために、主として合成樹脂を含有する。一般に、塗料組成物に流動性を付与するために、塗料組成物は溶媒を含有し、溶媒の種類により、塗料組成物は、水性塗料組成物と有機溶剤塗料組成物とに大別することができるものである。また、塗料組成物は、硬化剤の有無により2液型と1液型とにも大別することができる。1液型のものである場合には、塗料組成物は、塗膜を形成する主として合成樹脂を含有する主剤から構成される。一方、2液型のものである場合には、塗料組成物は、前記の主剤と、前記主剤に混合して硬化を促進させる物質を含有する硬化剤と、から構成されるものである。
塗料混合物とは、本明細書において、被塗装物に塗装する直前のものをいい、1液型の塗料組成物にあっては塗料組成物及び希釈材であるシンナー又は水との混合物であり、2液型の塗料組成物にあっては塗料組成物、硬化剤及び希釈材であるシンナー又は水との混合物をいう。
塗装とは、被塗装物の表面に塗料混合物を塗ったり吹き付けたりすることをいう。塗装するのに用いる道具として、刷毛、ローラー、左官鏝、スプレーガン又はモルタルガンなどがある。
塗膜とは、本明細書において、被塗装物に塗装された塗料混合物が、希釈材などの揮発成分を揮発して、形成する被膜のことをいう。
不揮発分とは、原材料、主剤、硬化剤又は塗料混合物について、希釈材などの揮発成分が揮発した後に、残った不揮発成分(Non Volatile)のことをいう。本明細書において、不揮発分をNVと表記することや、原材料等中の不揮発分質量百分率について、例えば、不揮発分20%をNV20%と表記することがある。
(アクリルポリオール及び赤外線反射材料を含有する主剤)
本発明の主剤は、アクリルポリオール及び赤外線反射材料を含有するものである。
アクリルポリオールとは、水酸基を有する不飽和モノマーを含むモノマー成分を重合して得られ、かつ(メタ)アクリル単位を構成要素として有するアクリル系樹脂である。なお、(メタ)アクリル基とは、メタクリル基とアクリル基との総称である。
水酸基を有する不飽和モノマーとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどから選ばれる水酸基を有するアクリルモノマーやアリルアルコール、ケイヒアルコール、クロトニルアルコール等の水酸基含有不飽和モノマー。あるいは例えばエチレングリコール、プロプレングリコール、フェニルグリシジルエーテル等の2価アルコールまたはエポキシ化合物と、例えばアクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸等との反応で得られる水酸基含有不飽和モノマー等が挙げることができる。(メタ)アクリル単位を含むように上記水酸基含有不飽和モノマー等から少なくとも1つ以上を選択し重合させアクリルポリオールを製造することができる。
またメチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのアクリルモノマー、およびスチレン、アクリロニトリルなどから選ばれる1種類または2種類以上のエチレン性不飽和モノマーを上記水酸基含有不飽和モノマーと重合してアクリルポリオールを製造することができる。
本発明ではアクリルポリオールとして、三井化学株式会社製のオレスターQ185、オレスターQ193。DIC株式会社製のアクリディックA−870、アクリディック56−719、アクリディックAU−1042、アクリディックWDU−938、アクリディックA−817、アクリディックA−823、アクリディックA−829などを使用することができる。
赤外線反射材料とは、予め定められた波長領域内の赤外線を照射された場合に赤外線を反射する性質を有した材料のことである。
前記主剤が赤外線反射材料を含有していることにより、前記主剤と硬化剤とを混合してなる遮熱塗料組成物からなる塗膜は、太陽光のうち赤外線を好適に反射することができ、前記塗膜とこれが塗装された被塗装物は、太陽光による熱の侵入を防ぐことができる。すなわち、被塗装物は遮熱性を有するものとなる。
本発明で赤外線反射材料としては、白色系材料と黒色系材料がある。白色系材料としては、酸化チタン、酸化バリウムなどの無機顔料を使用することができる。黒色系材料としては、クロム元素を含む複合酸化物、鉄元素を含む複合酸化物、チタン元素を含む複合酸化物などの無機顔料を使用することができる。より具体的に、Cr、Cu−Cr複合酸化物、Fe−Cr複合酸化物、Co−Fe−Cr複合酸化物、Cu−Cr−Mn複合酸化物、Ca−Ti−Mn複合酸化物を使用することができる。これらの中でも、色彩的に補色の必要性が少ないCr、Cu−Cr複合酸化物、Cu−Cr−Mn複合酸化物、Ca−Ti−Mn複合酸化物が好ましい。
本発明では赤外線反射材料として、テイカ株式会社製のJR−603(白色系酸化チタン)、赤穂化成株式会社製のティラックD(黒色系酸化チタン)、三菱マテリアル株式会社製のチタンブラック13M−T(黒色系窒化チタン)、チタン工業株式会社製のTAROX BL−100(黒色系酸化鉄)などを使用することができる。
アクリルポリオール及び赤外線反射材料を含有する主剤中における赤外線反射材料の含有量は、アクリルポリオール不揮発分100質量部に対して、好ましくは30〜50体積部である。30を下回ると塗料混合物からなる塗膜の色としての明度が高くなるおそれがある。一方、50質量部を上回ると塗料混合物からなる塗膜の顔料容積濃度が高くなり、耐候性が劣るおそれがある。より好ましくは35〜45質量部であり、最も好ましくは38〜42質量部である。
アクリルポリオール及び赤外線反射材料を含有する主剤は、必要に応じて、希釈剤、消泡剤、防腐剤などを含有しても良い。
希釈剤とは、塗装の際の作業性を調整するために、主剤の粘度や樹脂分を低下させるために転嫁する液体のことで、シンナー(thinner)ともいう。希釈剤として、有機溶媒や水が使用されるが、本発明においては有機溶媒が使用される。
希釈剤に用いる有機溶媒として、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、工業用ガソリン(JIS K 2201−1991)4号に規定されるミネラルスピリットなどを使用することができる。
(ポリイソシアネート及びシランカップリング剤を含有する硬化剤)
本発明の硬化剤は、ポリイソシアネート及びシランカップリング剤を含有するものである。
硬化剤とは、本発明の塗料組成物に加えることによって硬化を促進するものである。具体的には、イソシアネート及びシランカップリング剤を含有するものであり、必要に応じて有機溶媒(芳香族系溶媒及び/又は脂肪族系溶媒)、防腐剤、消泡剤などを添加することができる。
イソシアネートとは、イソシアネート基を持つ化合物である。イソシアネートのイソシアネート基と前記アクリルポリオールの水酸基とはウレタン結合を形成する。ウレタン結合を形成することにより塗料組成物から生じる塗膜の耐水性を向上させることができる。
イソシアネートは、分子中に有するイソシアネート基の数によって、1官能型、2官能型及び3官能型がある。これらの中でも、塗膜中の重合体を立体網目構造とすることができ、塗膜の耐水性に勝る3官能型のイソシアネートが好ましい。3官能型のイソシアネートには、イソシアヌレート、ビウレット及びアダクトがある。これらの中でもより塗膜の密着性に勝るイソシアヌレートがより好ましい。
本発明ではイソシアネートとして、旭化成ケミカルズ株式会社製のデュラネートMHG−80B(イソシアヌレート)、デュラネートMFA−75B(イソシアヌレート)及びデュラネートAE700−100(アダクト)、DIC株式会社製のバーノックDN−992(イソシアヌレート)及びバーノックDN−950(アダクト)などを使用することができる。
シランカップリング剤とは、ビニル重合性基、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソシアネート基等の有機物と反応性を有する官能基が分子内に存在する、加水分解性珪素化合物である。なお、(メタ)アクリル基とは、メタクリル基とアクリル基との総称である。
ポリイソシアネート及びシランカップリング剤を含有する硬化剤は、シランカップリング剤を含有することにより、被塗装物に塗装された塗料混合物からなる塗膜が気密なものとなり、被塗装物が空気と触れることを抑制できるため被塗装物の防錆性に優れるものとなると考えられる。
ビニル重合性基含有シランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシランなどを用いることができる。
エポキシ基含有シランカップリング剤として、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどを用いることができる。
アミノ基含有シランカップリング剤として、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。
(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤として、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。
メルカプト基含有シランカップリング剤として、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどを用いることができる。
イソシアネート基含有シランカップリング剤として、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。
シランカップリング剤としては、本発明の効果を損なわないものである限り特に制限されるものではないが、塗料混合物の下地に対する密着性に優れることから、エポキシ基含有シランカップリング剤が好ましく、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランがより好ましい。
ポリイソシアネート及びシランカップリング剤を含有する硬化剤中におけるシランカップリング剤の含有量は、ポリイソシアネート不揮発分100質量部に対して、好ましくは1〜14質量部である。1質量部を下回ると塗料混合物の下地に対する密着性が不十分となり下地に対する防錆性が劣るおそれがある。一方、14質量部を上回ると塗料混合物の下地に対する密着性が不十分となるおそれがあることに加え、塗膜の耐候性が劣るおそれがある。より好ましくは2〜12質量部であり、最も好ましくは5〜10質量部である。
ポリイソシアネート及びシランカップリング剤を含有する硬化剤は、必要に応じて、硬化促進剤、希釈剤、消泡剤、防腐剤などを含有しても良い。
(主剤と硬化剤の作成方法等)
前記アクリルポリオール及び赤外線反射材料を含有する主剤、並びに、ポリイソシアネート及びシランカップリング剤を含有する硬化剤は、それぞれに配合する成分を撹拌・混合等することにより得ることができる。本発明の遮熱塗料組成物は、それぞれ別体で得られた前記主剤と硬化剤とを、塗装する直前に撹拌・混合等することにより得ることができる。
撹拌・混合の際には、ペイントシェーカー、ハイスピードディスパー、サンドグラインドミル、バスケットミル、ボールミル、三本ロールミル、ロスミキサー、プラネタリーミキサー等の、従来公知の混合・撹拌装置を用いればよい。
(作用)
次に、上記のように構成された2液型下塗り塗料組成物の作用について説明する。
前記硬化剤がシランカップリング剤を含有していることにより、前記主剤と硬化剤とを混合してなる遮熱塗料組成物からなる塗膜は気密なものとなり、鋼板などとの密着性に優れ、被塗装物が空気と触れることを抑制できるため被塗装物の防錆性に優れるものとなる。
前記主剤が赤外線反射材料を含有していることにより、前記主剤と硬化剤とを混合してなる遮熱塗料組成物からなる塗膜は、太陽光のうち赤外線を好適に反射することができ、前記塗膜とこれが塗装された被塗装物は、太陽光による熱の侵入を防ぐことができる。すなわち、被塗装物は遮熱性を有するものとなる。
以下に、実験例を挙げて、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されない。なお、実験1〜3、6〜23及び25〜30は実施例であり、実験例4、5及び24は比較例である。
(主剤及び硬化剤の調製等)
アクリルポリオール及び赤外線反射材料を含有する主剤は、表1から表2に記載の配合量で主剤1から15として作成した。また、ポリイソシアネート及びシランカップリング剤を含有する硬化剤は、表3から表4に記載の配合量で硬化剤1から16として作成した。各々の撹拌・混合には、ハイスピードディスパーを用いた。前記主剤1から15と硬化剤1から16とを組み合わせて種々の塗料混合物を作成及び評価をして実験例とした。
Figure 2016160395
Figure 2016160395
Figure 2016160395
Figure 2016160395
アクリル樹脂は以下のものを用い、表中では記号を用いた。以下にアクリル樹脂の記号:原材料名(製造会社)種類を記載する。AP−A:オレスターQ185(三井化学株式会社)アクリルポリオール(不揮発分:50%、水酸基価23(ワニス換算))、AP−B:オレスターQ193(三井化学株式会社)アクリルポリオール(不揮発分:50%、水酸基価20(ワニス換算))、AP−C:アクリディックA−870(DIC株式会社)アクリルポリオール(不揮発分:55%、水酸基価25(ワニス換算))、AP−D:オレスターRA1500(三井化学株式会社)アクリル樹脂(不揮発分:60%)、AP−E:アクリディックA−1300(DIC株式会社)アクリル樹脂(不揮発分:60%)。
赤外線反射材料は以下のものを用い、表中では記号を用いた。以下に赤外線反射材料の記号:原材料名(製造会社)種類を記載する。PG−F:JR−603(テイカ株式会社)白色系酸化チタン、PG−K:ティラックD(赤穂化成株式会社)黒色系酸化チタン、PG−L:チタンブラック13M−T(三菱マテリアル株式会社)黒色系窒化チタン、PG−M:TAROX BL−100(チタン工業株式会社)黒色系酸化鉄、PG−N:カーボンブラック(三菱化学株式会社)カーボンブラック、PG−O:CHROMOFINE BLACK(大日精化株式会社)黒色系有機顔料。
イソシアネートは以下のものを用い、表中では記号を用いた。以下にイソシアネートの記号:原材料名(製造会社)種類を記載する。NCO−P:デュラネートMHG−80B(旭化成ケミカルズ株式会社)イソシアヌレート(不揮発分:80%、NOC:15.1%(ワニス換算))、NCO−Q:デュラネートMFA−75B(旭化成ケミカルズ株式会社)イソシアヌレート(不揮発分:75%、NOC:13.7%(ワニス換算))、NCO−R:バーノックDN−992(DIC株式会社)イソシアヌレート(不揮発分:75%、NOC:10.0%(ワニス換算))、NCO−S:デュラネートAE700−100(旭化成ケミカルズ株式会社)アダクト(不揮発分:100%、NOC:11.9%(ワニス換算))、NCO−T:バーノックDN−950(DIC株式会社)アダクト(不揮発分:75%、NOC:12.5%(ワニス換算))。
シランカップリング剤は以下のものを用い、表中では記号を用いた。以下にシランカップリング剤の記号:組成を記載する。SC−U:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(不揮発分:98%)、SC−V:3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(不揮発分:98%)、SC−W:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(不揮発分:98%)、SC−X:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(不揮発分:98%)、SC−Y:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(不揮発分:98%)。
その他添加剤は以下のものを用い、表中では記号を用いた。以下にその他添加剤の記号:組成を記載する。消泡剤A:シリコン系消泡剤。分散剤A:高分子系分散剤。増粘剤A:ポリオレフィン系増粘剤。
(主剤と硬化剤との混合方法)
アクリルポリオール及び赤外線反射材料を含有する主剤とポリイソシアネート及びシランカップリング剤を含有する硬化剤とは、アクリルポリオールの水酸基とイソシアネートのイソシアネート基とから反応基数がおよそ同じになる比率の質量の配合量で、塗料用ミキサーを用いて混合し、塗料混合物とした。
具体的には、アクリルポリオール及び赤外線反射材料を含有する主剤100質量部に対して、ポリイソシアネート及びシランカップリング剤を含有する硬化剤の質量部を以下の式1から求めた。
(式1)
硬化剤の質量部=7.5×主剤の水酸基価/(NOC(%)×100)
実験例1では、硬化剤の質量部=7.5×12/8、となり、およそ11質量部となる。
(塗装方法等)
塗料混合物は、試験体や被塗装物にスプレー等で塗装、乾燥することによって、塗膜である塗装物を得た。そして、塗膜の性能について、密着性、防錆性、耐候性、漆黒性及び遮熱性を下記の方法に従って測定した。また、硬化剤安定性を下記の方法に従って測定した。なお、試験体は、JIS G 3101(2010)に規定するSS400の150×70mmの厚さ3.2mmの鋼板に塗料を乾燥膜厚でおよそ80μmとなるように塗装し乾燥させ試験体とした。
(評価)
密着性:JIS K 5658(2010)建築用耐候性上塗り塗料7.11付着性(クロスカット法)で評価した。そして、試験結果は、JIS K 5600−5−6(1999)付着性(クロスカット法)の分類にて、分類0又は1を◎、分類2を○、分類3を△、分類4又は5を×として評価した。
防錆性:JIS K 5551(2008)構造物用さび止めペイント7.16サイクル腐食性で評価した。そして、試験結果は、さびの発生及び膨れの発生がない場合を◎、切込み部のみにさびの発生があり、膨れの発生がない場合を○、さびの発生がある場合を△、さびの発生及び膨れの発生がある場合を×として評価した。
耐候性:JIS K 5658(2010)建築用耐候性上塗り塗料7.16促進耐候性に従い、評価した。そして、同試験の判定が、1級であるものを◎、2級であるものを○、3級であるものを△、3級に満たないものを×として評価した。
漆黒性:漆黒性として明度(L*)の測定により評価した。測定には光沢計(日本電色工業株式会社製VG7000)を用いた。そして、明度(L*)が、40未満であるものを◎、45未満であるものを○、50未満であるものを△、50以上であるものを×として評価した。
遮熱性:塗料が塗装された試験体の赤外線(波長:1500nm)の分光透過率の測定により評価した。測定には分光光度計(株式会社島津製作所製UV−3600Plus)を用いた。そして、赤外線の透過率が、20%未満であるものを◎、30%未満であるものを○、40%未満であるものを△、40%以上であるものを×として評価した。
硬化剤安定性:JIS K 5600−2−7(1999)、7.加温安定性で評価した。試料としての硬化剤を容器に入れて密封し、温度35℃で3か月間保存した後、室温に戻し容器の中の状態を確認した。そして、粘度測定値が試験開始前と比較して±20%以内であり、樹脂の沈降がない場合を◎、粘度測定値が試験開始前と比較して±20%を超えるが樹脂の沈降がない場合を○、樹脂の沈降があり撹拌することにより一様になる場合を△、樹脂の沈降があり撹拌しても一様にならない場合を×として評価した。
(実験例1〜9)
実験例1〜9は、表5に示すように、塗料混合物は主剤1から9について硬化剤1を用いたものである。
主剤にアクリルポリオールを用いた実験例1から3は、すべての試験項目について良好な結果となった。なお、実験例1が最良の実験例である。
主剤にアクリル樹脂を用いた実験例4及び5では密着性と防錆性がやや劣る結果になった。
主剤の顔料に、カーボンブラックを用いた実験例8及び黒色系有機顔料を用いた実験例9は、遮熱性が劣る結果になった。また、主剤の顔料に黒色系酸化鉄顔料を用いた実験例7は、やや赤みの強い色調となった。
Figure 2016160395
(実験例1及び10〜15)
実験例1及び10〜15は、表6に示すように、塗料混合物は主剤10から15について硬化剤1を用いたものである。顔料の黒色系窒化チタンの含有量が少ない実験例10では漆黒性がやや劣る結果になった。また、顔料の黒色系窒化チタンの含有量が多い実験例15では耐候性がやや劣る結果になった。
Figure 2016160395
(実験例1及び16〜23)
実験例1及び16〜23は、表7に示すように、塗料混合物は主剤1について硬化剤1〜9を用いたものである。
硬化剤のイソシアネートにイソシアヌレートを用いた実験例1、16及び17は、すべての試験項目について良好な結果となった。
硬化剤のイソシアネートにアダクトを用いた実験例18及び19では密着性がやや劣る結果になった。
硬化剤のシランカップリング剤にメタクリル基含有シランカップリング剤を用いた実験例22とアミノ基含有シランカップリング剤を用いた実験例23は密着性と防錆性がやや劣る結果になった。
Figure 2016160395
(実験例1及び24〜30)
実験例1及び24〜30は、表8に示すように、塗料混合物は主剤1について硬化剤10から16を用いたものである。硬化剤のシランカップリング剤を含有していない実験例24では密着性と防錆性が劣る結果になった。また、硬化剤にシランカップリング剤を多く含有している実験例30は密着性がやや劣る結果になった。
Figure 2016160395

Claims (3)

  1. アクリルポリオール及び赤外線反射材料を含有する主剤、並びに、ポリイソシアネート及びシランカップリング剤を含有する硬化剤、からなることを特徴とする遮熱塗料組成物。
  2. 赤外線反射材料が、酸化チタン、酸化バリウム、鉄元素を含む複合酸化物、チタン元素を含む複合酸化物及び/又はチタン元素を含む複合窒化物から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の遮熱塗料組成物。
  3. 金属屋根材に、下塗材を塗装することなく、請求項1又は2に記載の遮熱塗料組成物を塗装することを特徴とする金属屋根材の塗装方法。
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