JP2016160272A - 有害発泡ポリスチレン廃棄物処理方法及び有害発泡ポリスチレン廃棄物処理装置 - Google Patents

有害発泡ポリスチレン廃棄物処理方法及び有害発泡ポリスチレン廃棄物処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な工程を要することなく、有害発泡ポリスチレン廃棄物を加熱分解して無害化する有害発泡ポリスチレン廃棄物処理方法及び有害発泡ポリスチレン廃棄物処理装置を提供する。【解決手段】有害発泡ポリスチレン廃棄物を無害化処理する有害発泡ポリスチレン廃棄物処理装置1において、熱分解部52、ガス改質部53及び溶融部54を有するガス化改質溶融炉50と、他の廃棄物を圧縮成形してブロックを成形し、該ブロックをガス化改質溶融炉50の熱分解部へ供給するためのブロック圧縮供給装置20と、有害発泡ポリスチレン廃棄物を溶媒に溶解して生成した溶解液をガス化改質溶融炉50内の熱分解部52に供給するための溶解液供給装置40とを備え、ガス化改質溶融炉50の熱分解部52はブロック及び溶解液を熱分解し、ガス改質部はガス化ガスを改質し、溶融部は熱分解残渣と不燃物を溶融する。【選択図】図1

Description

本発明は、有害発泡ポリスチレン廃棄物を無害化処理する有害発泡ポリスチレン廃棄物処理方法及び有害発泡ポリスチレン廃棄物処理装置に関する。
現在、廃棄物処理場の不足が顕著化しており、産業廃棄物あるいは一般廃棄物の多くは、発生したままの姿で、あるいは何らかの事前処理の上、焼却処理し減容化した後に、埋立などの最終処分が行われる場合が多い。上述した焼却処理の方法として種々の方法が挙げられるが、近年、焼却場における発生ガス中のダイオキシン類など有害物質の管理が問題となっている。例えば、廃棄物を発生したままで処理すると、焼却のための炉内の高温酸化雰囲気にもちこまれることで有害物としてのダイオキシン類が発生してしまう。そこで、炉内の高温雰囲気で上記ダイオキシン類を分解することで炉外へのダイオキシン類の排出を防止する処理方法が求められている。このような高温処理が可能な廃棄物処理方法として、例えば特許文献1に開示された廃棄物処理方法が挙げられる。この特許文献1に開示されているプロセスは、かかる処理を高速で行うために、廃棄物を圧縮成形して圧縮ブロックを形成して減容化した後、この圧縮ブロックを乾燥し、ガス化改質溶融炉に装入して、熱分解、ガス化、ガス改質し、不燃分、灰分を溶融して、燃料ガスおよびスラグ、金属を得る廃棄物処理プロセスである。この廃棄物処理方法は、種々の形態で発生する産業廃棄物、一般廃棄物を圧縮機で回分的に圧縮成形して処理するため、汎用性の高い方法であると考えられる。
ところで、近年、省エネルギーなどの観点から、保温断熱性に優れた発泡ポリスチレン断熱材の使用量が増えており、例えば建築材や畳床材として用いられており、その用途から難燃性の特性が必要とされている。上記発泡ポリスチレン断熱材には、臭素系難燃剤の一種であるヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)が樹脂用難燃剤として含まれていることが多い。該HBCDは、自然界で分解されにくく、生物の体内に蓄積されやすいので、一部の動物に長期毒性を有することが懸念されることから、平成25年4月から5月に開催された残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)第6回締約国会議において、POPs条約の附属書A(廃絶)に追加されることになった。日本では化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)における第一種特定化学物質に指定されている(公布:平成26年3月19日)。そして、HBCDを含む製品に対する規制が行われるようになり、HBCDを含む製品の廃棄物を処理することも規制の対象となっている。
HBCDを含有する有害廃棄物としては、建築用発泡ポリスチレン断熱材の廃棄物があり、例えば、建設時に発生する端材や建物の解体時に発生する断熱材廃棄物や畳廃材などが挙げられる。このようなHBCDを含有する有害廃棄物の処理方法について、HBCDを高温加熱し、分解して無害化することが検討されている。また、建築用発泡ポリスチレン断熱材の廃棄物は嵩密度が50kg/m以下であり、嵩ばるためその処理効率が低いことが問題となっている。例えば、発泡ポリスチレン材の処理方法の一つとして、特許文献2のような処理方法が知られている。この特許文献2では、ブロック状の発泡スチロール材を粉砕機構で粉砕した後、高沸点触媒を貯留した油化槽へ供給し、該油化槽で加熱ヒータにより発泡スチロール材を加熱溶融して得られた発泡スチロール溶融液を、さらに加熱蒸発させてガス化し、燃料ガスとして回収する処理方法が開示されている。また、加熱溶融過程で発生した余剰ガスは、油化槽に設けられた余剰ガス燃焼器によって燃焼して排気されるようになっている。
特開平6−79252 特開2000−079379
しかし、特許文献2の処理方法により、HBCDを含有する有害発泡ポリスチレン廃棄物を処理してHBCDを分解し無害化処理しようとすると、上述したように、特許文献2では、HBCDを含有する有害発泡ポリスチレン廃棄物を処理してHBCDを分解し無害化する際、発泡スチロール材を粉砕そして加熱溶融して溶融液とする前処理を行う必要があり、工程が複雑となってしまう。そして、この前処理には、粉砕機構、加熱ヒータそして余剰ガス燃焼器等を用意する必要があり、設備コストや運転コストが嵩むという問題もある。
このような事情に鑑み、本発明は、複雑な工程を要することなく、有害発泡ポリスチレン廃棄物を加熱分解して無害化する有害発泡ポリスチレン廃棄物処理方法及び有害発泡ポリスチレン廃棄物処理装置を提供することを課題とする。
本発明によれば、上述の課題は、有害発泡ポリスチレン廃棄物処理方法に関しては、次の第一発明により、そして有害発泡ポリスチレン廃棄物処理装置に関しては次の第二発明によりそれぞれ解決される。
<第一発明>
第一発明では、有害発泡ポリスチレン廃棄物をガス化改質溶融炉により無害化処理する有害発泡ポリスチレン廃棄物処理方法において、有害発泡ポリスチレン廃棄物を溶媒に溶解し溶解液を生成する溶解工程と、他の廃棄物を圧縮成形してブロックを成形する圧縮工程と、ブロックとともに溶解液をガス化改質溶融炉の熱分解部に供給して熱分解、ガス化し、ガス改質部でガス改質し、熱分解残渣と不燃物を溶融し排出するガス化改質溶融工程とを備えることを特徴としている。本発明において、有害発泡ポリスチレン廃棄物に対する他の廃棄物としては、例えば一般廃棄物や産業廃棄物をいう。
第一発明では、有害発泡ポリスチレン廃棄物を溶媒に溶解して生成された溶解液が、上記他の廃棄物を圧縮成形して得られたブロックとともにガス化改質溶融炉の熱分解部に供給され、溶解液に含有される有害物質であるHBCDが上記他の廃棄物とともに上記熱分解部で熱分解される。このようにHBCDは熱分解されることにより無害化処理される。この第一発明では、有害発泡ポリスチレン廃棄物の熱分解そしてガス化に先立って行われる該有害発泡ポリスチレン廃棄物の前処理は、溶解液の生成、すなわち溶媒による該発泡ポリスチレン廃棄物の溶解のみであり、前処理として従来のような複雑な工程を要しない。
第一発明において、溶解工程は、ガス化改質溶融炉の設置場所と異なる場所で行われてもよい。その場合、溶解工程は、有害発泡ポリスチレン廃棄物の発生場所又は該発生場所から有害発泡ポリスチレン廃棄物が輸送された輸送先で行われてもよい。
溶媒は、リモネン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、コークス炉から回収される回収油又は廃油のうちいずれかであってもよい。
<第二発明>
第二発明では、有害発泡ポリスチレン廃棄物を無害化処理する有害発泡ポリスチレン廃棄物処理装置において、熱分解部、ガス改質部及び溶融部を有するガス化改質溶融炉と、他の廃棄物を圧縮成形してブロックを成形し、該ブロックをガス化改質溶融炉の熱分解部へ供給するためのブロック圧縮供給装置と、有害発泡ポリスチレン廃棄物を溶媒に溶解して生成した溶解液をガス化改質溶融炉の熱分解部に供給するための溶解液供給装置とを備え、ガス化改質溶融炉の熱分解部はブロック及び溶解液を熱分解し、ガス改質部はガス化ガスを改質し、溶融部は熱分解残渣と不燃物を溶融することを特徴としている。
本発明では、有害発泡ポリスチレン廃棄物を溶媒に溶解して生成された溶解液が、他の廃棄物を圧縮成形して得られたブロックとともにガス化改質溶融炉の熱分解部に供給され、溶解液に含有される有害物質であるHBCDが上記他の廃棄物とともに上記熱分解部で熱分解される。したがって、有害発泡ポリスチレン廃棄物の熱分解そしてガス化に先立って行われる該有害発泡ポリスチレン廃棄物の前処理は、溶解液の生成、すなわち溶媒による該発泡ポリスチレン廃棄物の溶解のみであり、前処理として従来のような複雑な工程を要することがないので、設備コストや運転コストの増大を抑制することができる。また、有害発泡ポリスチレン廃棄物を溶媒に溶解して生成された溶解液をガス化改質溶融炉へ供給するので、嵩高い有害発泡ポリスチレン廃棄物を効率よく無害化処理することができる。
本発明の実施形態に係る有害発泡ポリスチレン廃棄物処理装置(以下、単に「処理装置」という)の構成を示す図である。
図1は、本実施形態に係る有害発泡ポリスチレン廃棄物処理装置の構成を示す図である。該処理装置の具体的な構成を説明する前に、まず、該処理装置による有害発泡ポリスチレン廃棄物の処理の概略を説明する。
処理装置は、有害発泡ポリスチレン廃棄物を無害化するための装置である。該処理装置は、有害発泡ポリスチレン廃棄物を溶媒で溶解して溶解液を生成し、その一方で、他の廃棄物をブロック圧縮供給装置で回分的(バッチ的)に圧縮して圧縮ブロックとする。他の廃棄物には、固定炭素(加熱しても揮発しない炭素)が含まれている。そして、上記圧縮ブロックとともに上記溶解液をガス化改質溶融炉の熱分解部に供給する。該熱分解部では、酸素含有ガスが導入され、圧縮ブロックと上記溶解液とが熱分解され一酸化炭素、水素等にガス化される。
また、上記ガス化改質溶融炉のガス改質部にて、酸素含有ガスが導入され、上記熱分解部で発生したガスをガス改質し、ガス精製装置で改質ガスを洗浄、精製し燃料ガスとして回収する。また、溶融部にて、圧縮ブロックと上記溶解液の不燃物と灰分を溶融し、溶融スラグ、溶融金属として排出する。
以下、図1にもとづいて処理装置1の構成について説明する。
図1に示されているように、処理装置1には、後述のブロック圧縮供給装置20(以下、単に「圧縮供給装置20」という)内に上方から固定炭素を含む他の廃棄物を投入する廃棄物投入装置10が設けられている。該廃棄物投入装置10は、他の廃棄物を外部から受け入れて貯留するホッパ11と、該ホッパ11の底部をなし開閉自在な蓋部12とを有している。該廃棄物投入装置10は、蓋部12が開位置にあるときに、他の廃棄物を圧縮供給装置20内に投入する。
上記廃棄物投入装置10の下方には、上記他の廃棄物を圧縮して圧縮ブロックを成形する圧縮供給装置20が設けられている。該圧縮供給装置20は、ホッパ11の下方位置で水平方向に延びる筒状部21と、該筒状部21内を前後方向(図1にて左右方向)で往復動する圧縮ヘッド22と、該ホッパ11よりも下流位置(図1にて右方側)で上下方向に往復動して筒状部21の下流側開口を開閉する板状の圧縮支持盤23とを有している。上記筒状部21は、その内壁断面が、後述する加熱炉30の内壁断面と同形かつ同一寸法で形成されている。
上記圧縮供給装置20は、圧縮支持盤23が下降位置にて筒状部21の下流側開口を塞いだ状態で、圧縮ヘッド22が圧縮支持盤23へ向けて前方(右方)へ移動することにより、該圧縮ヘッド22と圧縮支持盤23とでホッパ11から投入された他の廃棄物を前後方向ではさんで圧縮し、該他の廃棄物の圧縮ブロックPを成形する。該圧縮ブロックPの成形は、回分的(バッチ的)に行われる。また、圧縮供給装置20が、圧縮ブロックPを順次成形することにより、該圧縮ブロックPが前方へ押し出されて加熱炉30を経てガス化改質溶融炉50の熱分解部へ供給される。
上記圧縮供給装置20の下流側には、該圧縮供給装置20の筒状部21に接続されトンネル式加熱炉30(以下、「加熱炉30」という)が水平方向に延びて設けられている。該加熱炉30は外部から加熱されており、上記圧縮供給装置20から供給された圧縮ブロックPが該加熱炉30内で乾燥されるようになっている。該加熱炉30の下流側端部は、ガス化改質溶融炉50の装入口51と接続されており、圧縮ブロックPを該装入口51からガス化改質溶融炉50内へ供給可能となっている。
また、処理装置1は、有害発泡ポリスチレン廃棄物を溶媒に溶解して生成された、HBCDを含有する溶解液をガス化改質溶融炉50内に供給するための溶解液供給装置40が設けられている。該溶解液供給装置40は、上記溶解液を貯留するタンク41と、該タンク41から溶解液を送液するポンプ42とを有している。本実施形態では、該溶解液は該ポンプ42によってガス化改質溶融炉50の装入口51の手前の位置に送液されるようになっている。後述するように、送液された溶解液は圧縮ブロックPとともにガス化改質溶融炉50内に供給される。
上記溶解液の生成工程、すなわち有害発泡ポリスチレン廃棄物の溶解工程で使用される溶媒としては、例えば、リモネン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、コークス炉から回収される回収油又は廃油等が挙げられる。上記溶解工程は、処理装置1の設置場所(敷地)と同じ場所で行われていてもよく、また、該設置場所とは異なる場所で行われてもよい。該設置場所とは異なる場所で上記溶解工程が行われる場合、該溶解工程は、例えば、有害発泡ポリスチレン廃棄物の発生場所又は該発生場所から有害発泡ポリスチレン廃棄物が輸送された輸送先で行われていてもよい。
ガス化改質溶融炉50は、上下方向に延びる鉛直部分と、該鉛直部分の下部から水平方向に延びる水平部分とを有している。上記上下方向に延びる部分は、その略下半部が熱分解部52として形成されており、略上半部がガス改質部53として形成されている。また、上記水平部分は溶融部54として形成されている。
上記熱分解部52では、圧縮ブロックPが堆積して廃棄物堆積層Qが形成され、該廃棄物堆積層Qの廃棄物と上記溶解液が熱分解によりガス化されるとともに不燃分と灰分が溶融されるようになっている。ガス化改質溶融炉50の側壁の下部には、上記廃棄物堆積層Q内に酸素含有ガスを供給する第一酸素含有ガス供給口55が設けられている。
上記ガス改質部53では、後述するように、上記熱分解部52で廃棄物堆積層Qから発生したガスが改質されて改質ガスが生成される。ガス化改質溶融炉50の側壁の上部側には、ガス改質部53内に酸素含有ガスを供給する複数の第二酸素含有ガス供給口56が設けられている。
上記溶融部54では、上記熱分解部52で生成された溶融物が加熱されて該溶融物に含まれる炭素等がガス化されて除去される。ガス化改質溶融炉50の水平部分の上壁には、上記溶融部54に燃料ガスを供給し燃焼熱により溶融物を加熱する燃料ガス供給口57が設けられている。また、該溶融部54には、上記溶融物を外部へ排出するための溶融物排出口58が下方へ延びて設けられている。
ガス化改質溶融炉50の頂部には、該頂部に形成された改質ガス排出口59から延びガス改質部53で生成された改質ガスを炉外へ排出するためのガスダクト60が設けられている。ガスダクト60の下流側には、上記処理装置1とは別装置として形成された、上記改質ガスを冷却するとともに酸洗浄そしてアルカリ洗浄する冷却洗浄装置(図示せず)、冷却そして洗浄された改質ガスに脱硫処理を施す脱硫処理装置(図示せず)、そして改質ガスの除湿等を行うガス精製装置(図示せず)が設けられている。かくして、改質ガスは洗浄、脱硫、精製されて、燃料ガスとして利用可能とされる。
以下、処理装置1による有害発泡ポリスチレン廃棄物の処理について説明する。
まず、固定炭素を含む他の廃棄物を廃棄物投入装置10のホッパ11に貯留する。そして、該ホッパ11に設けられた蓋部12が開放されることにより所定量の他の廃棄物が圧縮供給装置20へ投入される。該圧縮供給装置20は、圧縮支持盤23を下降位置にもたらした状態で圧縮ヘッド22を前方へ移動させることにより、上記廃棄物を圧縮して緻密な圧縮ブロックPを形成する。該圧縮ブロックPの成形は、回分的(バッチ的)に行われる。該圧縮ブロックPが順次成形されることにより、該圧縮ブロックPが前方へ押し出されて加熱炉30へ供給される。
上記圧縮ブロックPの断面形状は、加熱炉30の入口の内壁断面と同形、同一寸法であり、圧縮ブロックPは加熱炉30の内壁と接触状態を保ったまま押し込まれるため、加熱炉30の入口で加熱炉内雰囲気をシールできる。圧縮ブロックPは、順次新しい圧縮ブロックが押し込まれる毎に、加熱炉30内を滑りながらガス化改質溶融炉50の装入口51へ向けて移動する。
既述したように、加熱炉30は外部から加熱されており、内部は昇温され、圧縮ブロックPの移動、昇温過程において、圧縮ブロックP中の水分が蒸発され乾燥される。また、HBCDを含有する溶解液を貯留するタンク41からポンプ42によって上記溶解液がガス化改質溶融炉50の装入口51の手前の位置に送液される。そして、乾燥された圧縮ブロックPおよび上記溶解液は、ガス化改質溶融炉50の装入口51から該ガス化改質溶融炉50の熱分解部52内へ装入そして供給される。
上記熱分解部52内へ供給された圧縮ブロックPは、廃棄物堆積層Qを形成する。該廃棄物堆積層Qでは、熱分解部52の下部に設けられた第一酸素含有ガス供給口55から該廃棄物堆積層Q中へ酸素含有ガスが供給される。この結果、他の廃棄物中の固定炭素などの可燃物が燃焼して、その熱エネルギーで廃棄物と上記溶解液が熱分解される。この熱分解により、一酸化炭素、水素、炭化水素、二酸化炭素等へのガス化が行われ、さらにガス改質されると共に、他の廃棄物および上記溶解液中の不燃分(金属など)、灰分が溶融して溶融物が生成される。改質されたガスは洗浄、脱硫、精製されて、燃料ガスとして利用可能とされる。溶解液に含まれている有害発泡ポリスチレン廃棄物のポリスチレン成分と溶媒成分とが熱分解されて発生するガス成分も改質されて、燃料ガスの一部として利用可能とされる。
また、熱分解部52の下部に接続された溶融部54では、燃料ガス供給口57から供給される燃料ガスが燃焼して生成する高温燃焼ガスで上記溶融物が加熱され、該溶融物に含まれる微量の炭素などがガス化して除去され、該溶融物は溶融物排出口58から溶融スラグ、溶融金属として排出される。
ガス化改質溶融炉50のガス改質部53では、第二酸素含有ガス供給口56から酸素含有ガスが供給されており、廃棄物堆積層Qからの発生ガスの一部が燃焼されて温度雰囲気を1000℃以上にされた領域で該発生ガスが滞留され、以下のガス改質がなされる。
熱分解部52の廃棄物堆積層Qにおいて、圧縮ブロックPと上記溶解液とが熱分解して生成された上記発生ガスに含まれる炭化水素(メタン等)と一酸化炭素は、ガス改質部53にて、該発生ガスに含まれる水蒸気と下記(1)、(2)の反応により反応し、燃料ガスとして有用な一酸化炭素と水素を多く含むように改質される。
CH+HO→CO+3H (1)
CO+ HO→H+CO (2)
また、廃棄物堆積層Qからの発生ガスは、ガス改質部53にて、ガス温度を1000℃以上にした領域で滞留されて、該発生ガスに含まれるタール分のクラッキングが行われる。タール分のクラッキングとは、タール分の高分子量成分が低分子量の炭化水素や一酸化炭素に熱分解されることをいい、タール分を除去することにより改質ガスを燃料ガスとして利用する際にタールによるトラブルを回避することができる。また、クラッキングにより生成した炭化水素は、さらに水蒸気と反応して燃料ガスとして有用な一酸化炭素と水素に改質される。
ガス改質部53で生成された改質ガスは、ガス化改質溶融炉50の炉頂部の改質ガス排出口59からガスダクト60に排出され、冷却洗浄装置(図示せず)で冷却されるとともに酸洗浄そしてアルカリ洗浄され、脱硫処理装置(図示せず)で脱硫処理され、ガス精製装置(図示せず)で除湿等が行われ、燃料ガスとして利用可能とされる。
固定炭素を含む他の廃棄物は、廃棄物中の固定炭素の重量比が3重量%以上のものを用いることが好ましい。熱分解部52において他の廃棄物中の固定炭素が酸素含有ガスにより燃焼して生じる熱エネルギー量が上記溶解液を熱分解するのに十分な量とすることができるからである。また、他の廃棄物中の固定炭素の重量比が5重量%以上のものを用いることにより、上記溶解液を熱分解するとともに他の廃棄物を熱分解するのに十分な熱エネルギー量を得ることができるので、より好ましい。
熱分解部52、ガス改質部53に供給する酸素含有ガスは、酸素以外の窒素などの成分が多いと、その窒素量がそのまま燃料ガスに含まれ燃料ガスとしての性状を低くすることになるので、供給する酸素含有ガスは酸素濃度が80体積%以上の高濃度とすることが好ましい。
以上のように、本実施形態では、上記溶解液が他の廃棄物を圧縮成形して得られた圧縮ブロックPとともにガス化改質溶融炉50の熱分解部52に供給され、上記溶解液に含有される有害物質であるHBCDが上記他の廃棄物とともに熱分解部52で熱分解され無害化される。したがって、有害発泡ポリスチレン廃棄物の熱分解そしてガス化に先立って行われる該有害発泡ポリスチレン廃棄物の前処理は、溶解液の生成、すなわち溶媒による該発泡ポリスチレン廃棄物の溶解のみであり、前処理として従来のような複雑な工程を要することがないので、設備コストや運転コストの増大を抑制することができる。
1 処理装置
20 ブロック圧縮供給装置
40 溶解液供給装置
50 ガス化改質溶融炉
52 熱分解部
54 溶融部

Claims (5)

  1. 有害発泡ポリスチレン廃棄物をガス化改質溶融炉により無害化処理する有害発泡ポリスチレン廃棄物処理方法において、
    有害発泡ポリスチレン廃棄物を溶媒に溶解し溶解液を生成する溶解工程と、
    他の廃棄物を圧縮成形してブロックを成形する圧縮工程と、
    ブロックとともに溶解液をガス化改質溶融炉の熱分解部に供給して熱分解、ガス化し、ガス改質部でガス改質し、熱分解残渣と不燃物を溶融し排出するガス化改質溶融工程とを備えることを特徴とする有害発泡ポリスチレン廃棄物処理方法。
  2. 溶解工程は、ガス化改質溶融炉の設置場所と異なる場所で行われることとする請求項1に記載の有害発泡ポリスチレン廃棄物処理方法。
  3. 溶解工程は、有害発泡ポリスチレン廃棄物の発生場所又は該発生場所から有害発泡ポリスチレン廃棄物が輸送された輸送先で行われることとする請求項2に記載の有害発泡ポリスチレン廃棄物処理方法。
  4. 溶媒は、リモネン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、コークス炉から回収される回収油又は廃油のうちいずれかであることとする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の有害発泡ポリスチレン廃棄物処理方法。
  5. 有害発泡ポリスチレン廃棄物を無害化処理する有害発泡ポリスチレン廃棄物処理装置において、
    熱分解部、ガス改質部及び溶融部を有するガス化改質溶融炉と、
    他の廃棄物を圧縮成形してブロックを成形し、該ブロックをガス化改質溶融炉の熱分解部へ供給するためのブロック圧縮供給装置と、
    有害発泡ポリスチレン廃棄物を溶媒に溶解して生成した溶解液をガス化改質溶融炉の熱分解部に供給するための溶解液供給装置とを備え、
    ガス化改質溶融炉の熱分解部はブロック及び溶解液を熱分解し、ガス改質部はガス化ガスを改質し、溶融部は熱分解残渣と不燃物を溶融することを特徴とする有害発泡ポリスチレン廃棄物処理装置。
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