JP2016160199A - コエンザイムq10含有固形組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、コエンザイムQ10を高濃度で含有しながらも、乳化剤を用いずに、かつ、製造工程が簡易でありながら、コエンザイムQ10の斑点の表出が抑えられた固形組成物を提供することにある。
【解決手段】
上記目的は、コエンザイムQ10及び還元麦芽糖を含有する固形組成物であって、乳化剤を含まないことを特徴とすることや該コエンザイムQ10は、該固形組成物の総質量に対して4.0質量%以上で配合されることを特徴とする前記固形組成物や4.0質量%以上のコエンザイムQ10と還元麦芽糖とを混合することを含む、固形組成物におけるコエンザイムQ10に起因する斑点の表出を低減する方法により解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、コエンザイムQ10を含有する固形組成物に関する。
コエンザイムQ10は、補酵素としての機能だけではなく、酸素利用効率を改善させるように作用するビタミン様作用物質又はフリーラジカル捕捉剤として作用することが知られている。そこで、コエンザイムQ10は、鬱血組織を改善する作用、生体膜に抗酸化機能を与え安定させる作用などを有すると考えられている。また、臨床的には、狭心症、心不全、虚血性心疾患、筋ジストロフィーの症状などの改善といった薬理効果が認められている。さらに高血圧、動脈硬化、心臓病、糖尿病、歯周病といった疾患の予防や治療、制癌剤や向精神薬の副作用の予防などにも有効であることが報告されている。これら以外にも、近年では、コエンザイムQ10がエネルギー代謝効率を高め得ることから、疲労回復や運動機能回復のための栄養補助剤、体重減少のためのいわゆるダイエット用サプリメントにおいて利用されている。このようにコエンザイムQ10は高い生理活性を有しつつ、生体内に存在することから、安全性の高い健康食品用の素材として有用な物質である。
また、コエンザイムQ10は脂溶性の物質であるという特性を活かして、経皮投与用組成物として、種々の化粧品へも適用されている。反面、コエンザイムQ10を錠剤などの固形組成物に含有させようとした場合、コエンザイムQ10の含有量が多いほど、その付着性や凝集性などによって、時間の経過とともに、固形組成物表面にコエンザイムQ10に起因する橙赤色の斑点模様が形成され、固形組成物の外観が損なわれる。
そこで、コエンザイムQ10の斑点が固形組成物表面に表出しないような種々の試みがなされている。例えば、特許文献1及び2には、コエンザイムQ10をショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステルなどの乳化剤と混合させて得られる固形組成物が記載されている。
また、特許文献3及び4には、コエンザイムQ10を予めオクテニルコハク酸澱粉、デキストリン及びグリセリンに分散・乳化させて得られる固形組成物やコエンザイムQ10と同じ脂溶性物質であるテプレノンやトコフェロールを予めケイ酸カルシウムに吸着させて得られる固形組成物が記載されている。
特開平11−152220号公報 特許4480060号公報 特許4842824号公報 特再公表2007−72840号公報
特許文献1及び2に記載の固形組成物のように、乳化剤を用いれば、コエンザイムQ10の斑点を固形組成物表面に表出させないようにすることが可能である。しかし、乳化剤は粘性が高い液状物質であることから、これらの乳化剤を用いた乳化物から固形組成物を得るためには多量の賦形剤を添加しなければならず、結果的にコエンザイムQ10の含有量が制限される。また、乳化剤を用いると、固形組成物とした際にその風味や食感を損なう場合がある。さらに、粉末の乳化剤を用いた場合には、打錠性が悪化してしまうことから好ましくない。
特許文献3及び4に記載の固形組成物は、予めコエンザイムQ10を分散・乳化や吸着させる工程に供して得られるものであり、その工程設計が複雑になるという問題がある。また、特許文献3に記載の固形組成物ではオクテニルコハク酸澱粉、デキストリン及びグリセリンといった数種類の添加物を要する。さらに特許文献4に記載の固形組成物について、脂溶性物質としてコエンザイムQ10を用いた場合でも、他の脂溶性物質を用いた場合と同じように、コエンザイムQ10の斑点が表面に滲み出すことのない固形組成物を得ることができるか定かではない。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、コエンザイムQ10を高濃度で含有しながらも、乳化剤を用いずに、かつ、製造工程が簡易でありながら、コエンザイムQ10の斑点の表出が抑えられた固形組成物を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、驚くべきことに、コエンザイムQ10と還元麦芽糖とを混合することによって、コエンザイムQ10を高濃度で含有させつつ、コエンザイムQ10の斑点の表出が抑えられた固形組成物を製造することに成功した。特に、該固形組成物は、乳化剤を含有させずともよく、かつ、予めコエンザイムQ10を分散・乳化や吸着する工程に供さなくともよい、簡易な製造工程によって得られるものである。本発明は、かかる成功例に基づいて完成された発明である。
したがって、本発明によれば、コエンザイムQ10及び還元麦芽糖を含有する固形組成物であって、該固形組成物は、乳化剤を含まないことを特徴とする、前記固形組成物が提供される。
好ましくは、前記コエンザイムQ10は、前記固形組成物の総質量に対して4.0質量%以上で配合される。
好ましくは、本発明の固形組成物において、前記還元麦芽糖は、等量の還元パラチノース又はブドウ糖を含有する場合に比べて、コエンザイムQ10に起因する斑点の表出が低減される量の還元麦芽糖である。
好ましくは、本発明の固形組成物は、約48℃以上で72時間以上放置した場合に、表出したコエンザイムQ10に起因する斑点の出現が低減される固形組成物である。
本発明の別の側面によれば、4.0質量%以上のコエンザイムQ10と還元麦芽糖とを混合することを含む、固形組成物におけるコエンザイムQ10に起因する斑点の表出を低減する方法が提供される。
本発明の別の側面によれば、コエンザイムQ10と還元麦芽糖とを混合することを含む、コエンザイムQ10に起因する斑点の表出を低減する方法であって、該還元麦芽糖は、等量の還元パラチノース又はブドウ糖を含有する場合に比べて、固形組成物におけるコエンザイムQ10に起因する斑点の表出が低減される量の還元麦芽糖である、前記方法が提供される。
好ましくは、本発明の方法において、前記還元麦芽糖は、前記固形組成物の総質量に対して85質量%以上の還元麦芽糖である。
本発明によれば、コエンザイムQ10に加えて、還元麦芽糖を含有することによって、比較的高濃度のコエンザイムQ10を含有しつつも、コエンザイムQ10による斑点の固形組成物表面への表出が低減された固形組成物とすることができることから、外観が維持され、さらに利用者に対して品質劣化の誤認を回避することが期待できる固形組成物が提供できる。
また、本発明によれば、乳化剤を用いずに、簡易な工程で製造することができることから、処方設計や嗜好性、打錠性の優れたコエンザイムQ10含有固形組成物を、経済性を高くして工業的規模で製造することが可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の固形組成物は、コエンザイムQ10及び還元麦芽糖を少なくとも含有する。本発明の固形組成物は、通常固形物として用いられる形態であれば特に限定されず、例えば、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、飴状などの形態を採り得る。本発明の固形組成物の好ましい形態は、錠状固形組成物、すなわち錠剤である。そこで、以下では、本発明の固形組成物が錠剤である場合を想定して本発明の詳細を説明することがあるが、本発明が錠剤以外の形態を採る場合でも同様のことがいえる。
コエンザイムQ10(CoQ10と略す場合もある。)は、ユビデカレノン、ユビキノンQ10、ノイキノン、補酵素Q10などともよばれる補酵素Qの1種であり、その分子式、分子量及びCAS登録番号は、それぞれC5990、863.365及び303−98−0である。CoQ10は、ミトコンドリア内膜でエネルギーの源となるATP(アデノシン三リン酸)の生成に関わる内細胞性成分である。この他に、CoQ10は、リソゾーム、ゴルジ体、ミクロソーム、ペルオキシソーム、細胞膜などに局在することが知られており、電子伝達系の構成成分としてATP産生賦活、膜安定化に関与している生体の機能維持に重要な役割を担う物質である。CoQ10は加齢と共に減少することが知られている。CoQ10は、生体内でユビキノールに変換されて、抗酸化能を発揮する。CoQ10は食品原料や化粧品原料として入手することが可能であり、例えば、補助栄養食品として摂取され得る。
CoQ10には、橙色結晶である酸化型CoQ10及び白色結晶である還元型CoQ10があるが、本発明においては、その両方の型のCoQ10が包含されるが、好ましくは酸化型CoQ10である。また、CoQ10は、CoQ10誘導体であってもよい。CoQ10誘導体としては、例えば、CoQ10の水可溶性を向上させたもの、CoQ10のリン酸化合物などが挙げられるが、特に限定されない。
CoQ10は、天然に存在するCoQ10及びその誘導体を当業者が通常用いる方法によって分離及び精製することや必要に応じて修飾加工を行うことによって得ることができる。また、当業者によって通常知られる方法によって化学合成によって製造してもよい。CoQ10は市販されているものでもよく、例えば、食品、化粧品、医薬品などの原料として市販されているものが用いられ得る。例えば、製品名「フィトQ」として市販されている純度98〜101%のCoQ10のように、高純度のCoQ10であることが好ましい。
CoQ10の含有量は、固形組成物の総質量に対して4.0質量%以上であることが好ましい。CoQ10の含有量の具体例は、固形組成物の総質量に対して4.0〜30質量%であり、好ましくは4.0〜20質量%であり、より好ましくは4.0〜10質量%である。CoQ10の含有量が30質量%を超える場合、還元麦芽糖の存在にかかわらず、CoQ10に起因する斑点(橙赤色)が固形組成物の表面に表出し易くなる。
還元麦芽糖は、マルチトールともよばれ、その分子式、分子量及びCAS登録番号は、それぞれC12H24O11、344.313及び585−88−6である。還元麦芽糖は、主として澱粉から作られる水溶性の糖アルコールである。還元麦芽糖を入手する手段は特に限定されず、澱粉などから製造してもよいし、市販のものを用いてもよい。
CoQ10を還元麦芽糖と組み合わせて配合することにより得られる固形組成物は、CoQ10による橙赤色の斑点の表出が低減されたものである。そこで、還元麦芽糖の含有量は、本発明の課題を解決し得る有効量であれば特に限定されない。後述する実施例に記載があるとおり、等量の還元パラチノースやブドウ糖を含有させた場合に比べて、還元麦芽糖を含有させた方が、固形組成物を所定の条件に置いた場合におけるCoQ10による橙赤色の斑点の表出が低減される。そこで、好ましい還元麦芽糖の含有量は、等量の還元パラチノース又はブドウ糖を含有する場合に比べて、固形組成物における橙赤色の斑点の表出が低減される量である。
還元麦芽糖の具体的な含有量は、例えば、固形組成物の総質量に対して30質量%以上であり、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上である。還元麦芽糖の含有量が30質量%未満である場合、固形組成物におけるCoQ10による橙赤色の斑点の表出を低減する作用が得られない場合がある。
CoQ10と還元麦芽糖との質量比は特に限定されないが、例えば、1:0.1〜100であり、好ましくは1:1〜50であり、より好ましくは1:5〜30であり、さらに好ましくは1:10〜20である。ただし、還元麦芽糖の含有量がいかなる量であっても、CoQ10の含有量は、本発明の固形組成物の総量に対して、4.0質量%以上であることが好ましい。
本発明の固形組成物は、CoQ10及び還元麦芽糖に加えて、種々の他の物質を含有することができ、そのような他の物質としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、凝集防止剤、滑沢剤、結合剤、色素、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤、酸化防止剤、薬理作用物質などを挙げることができるが、これらに限定されない。また、これら他の物質を含まずに、CoQ10及び還元麦芽糖のみを含有するものでもよい。
賦形剤は特に限定されないが、例えば、結晶セルロース、スクロース、ラクトース、グルコース、デンプン、デキストリン、マンニトール、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、二酸化ケイ素などを挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
崩壊剤は特に限定されないが、例えば、結晶セルロース、デンプン、寒天、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、トラガント、アルギン酸などを挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
凝集防止剤は特に限定されないが、例えば、ステアリン酸、タルク、二酸化ケイ素などを挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
滑沢剤は特に限定されないが、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、二酸化ケイ素などを挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
結合剤は特に限定されないが、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、トラガント、シェラック、ゼラチン、プルラン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ソルビトールなどを挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
吸収促進剤は特に限定されないが、例えば、高級アルコール類などを挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
溶解補助剤は特に限定されないが、例えば、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸といった有機酸などを挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
安定化剤は特に限定されないが、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エチル、ミツロウ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースなどを挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
酸化防止剤は特に限定されないが、例えば、アスコルビン酸類、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、クエン酸類などを挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。また、アスコルビン酸類やクエン酸類については、アスコルビン酸類やクエン酸類を含有したレモン、オレンジ、グレープフルーツなどの果汁濃縮物(エキス、パウダーなど)をその代わりに使用してもよい。
本発明の固形組成物が錠剤である場合は、他の物質として好ましいのは賦形剤、崩壊剤、凝集防止剤及び滑沢剤であり、より好ましいのは結晶セルロース、ステアリン酸カルシウム及び二酸化ケイ素である。
ただし、他の物質としては、乳化剤を含まないことが好ましい。乳化剤は、含有せしめる固形組成物の製剤設計や嗜好性を損なわせ、さらに合成化合物である場合は使用者に倦厭される契機となるからである。本発明の固形組成物において含有しない乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンエステル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である。
本発明の固形組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、固形組成物が錠剤である場合は、粉末状のCoQ10及び還元麦芽糖並びに任意に他の物質を、室温や加温下で秤量及び混合した後、通常錠剤を製造するために使われる打錠機を用いて、通常の条件にて打錠することを含む方法が挙げられる。
本発明の固形組成物は、例えば、固形組成物の総質量に対して4.0質量%以上という、比較的高濃度のCoQ10を含有しながらも、CoQ10による橙赤色の斑点の表出が抑えられたものである。本発明の固形組成物におけるCoQ10による橙赤色の斑点の表出の程度は、本発明の固形組成物を、48℃以上で72時間以上放置した場合に、表出したCoQ10による橙赤色の斑点の出現が低減される程度が好ましく、10個以下である程度であることがより好ましい。この場合の、表出した橙赤色の斑点とは、固形組成物の表面に表出した直径が0.5mm以上の橙赤色の着色部である。個々の斑点の識別が難しい場合は、例えば、表出した橙赤色の斑点の総面積が固形組成物の表面積の10%以下であるか否かにより判断してもよい。
本発明の固形組成物の具体的な態様は、例えば、固形組成物の総質量が100質量%になるように、CoQ10を4.0〜30質量%、還元麦芽糖を96〜70質量%、他の物質を0〜26質量%を含有する固形組成物である。
本発明の固形組成物の具体的な態様は、例えば、固形組成物の総質量が100質量%になるように、CoQ10を4.0〜20質量%、還元麦芽糖を96〜80質量%、他の物質を0〜16質量%を含有する固形組成物である。
本発明の固形組成物の具体的な態様は、例えば、固形組成物の総質量が100質量%になるように、CoQ10を4.0〜10質量%、還元麦芽糖を96〜85質量%、他の物質を0〜11質量%を含有する固形組成物である。
本発明の固形組成物は、CoQ10、還元麦芽糖及び任意にその他の物質を混合し、所望の形状に成形することにより得られる。そこで、本発明の別の態様は、4.0質量%以上のCoQ10と還元麦芽糖とを混合することを含む、固形組成物におけるCoQ10による橙赤色の斑点の表出を低減する方法である。本方法によれば、本発明の固形組成物のような、CoQ10による橙赤色の斑点の表出が低減された固形組成物を得ることができる。
本発明の固形組成物や本発明の方法を使用して得られる固形組成物は、高濃度のCoQ10を含み、かつ、外観が良好なものであることから、CoQ10が有する生理活性作用を期待して、継続的に摂取することができるものであり、摂取者に対する健康の維持又は増強に資するものである。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限又は限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
下記表1及び表2に記載の処方例に従って粉末状の各成分を秤量及び混合した後、打錠機を用いて打圧0.5kgfで打錠し、1錠当たり315mgであり、かつ、直径が8mmである実施例1〜2、比較例1〜4、及び参考例1の錠剤を製造した。なお、使用したコエンザイムQ10は酸化型CoQ10であり、黄色を呈するものであった。
製造した錠剤は、それぞれ3錠ずつアルミパウチ容器に入れて2群に分けて、一方の1群は室温の条件下にて4日間大気中で放置し、他方の1群は60℃の条件下にて4日間放置した。放置後の各錠剤の外観を示す写真図を表1及び表2に示す。
錠剤表面の斑点とは、目視にて、直径が0.5mm以上の橙赤色の着色部とした。
表1に示されるとおり、コエンザイムQ10含有量が等しい実施例1と比較例1〜4の比較から、室温放置条件及び60℃放置条件のいずれにおいても、実施例1の錠剤は、比較例1〜4の錠剤と比べて、錠剤表面の斑点の数が少なく、錠剤の着色性が低いものであった。これらの結果から、コエンザイムQ10とともに還元麦芽糖を含有する錠剤は、還元パラチノースやブドウ糖を含有する錠剤と比べて、コエンザイムQ10の表出が抑えられたものであることがわかった。
また、表2に示されるとおり、実施例1及び2の比較から、還元麦芽糖を含有する場合、コエンザイムQ10量が増加しても室温放置条件ではコエンザイムQ10の表出にほとんど変化がなく、60℃放置条件においてもその差異は微小であった。この結果から、コエンザイムQ10及び還元麦芽糖を含有する錠剤は、コエンザイムQ10の含有量にかかわらずコエンザイムQ10の表出の影響が抑えられたものであることがわかった。
さらに、実施例2及び参考例1の比較から、室温放置条件及び60℃放置条件のいずれにおいても、実施例2の錠剤は、参考例1の錠剤と比べて、錠剤表面の斑点の数が少なく、錠剤の着色性が低いものであった。この結果は、コエンザイムQ10及び還元麦芽糖を含有する錠剤は、ショ糖脂肪酸エステルなどの乳化剤を含有させない方がむしろ、コエンザイムQ10の表出が抑えられることを示す。
本発明の固形組成物や本発明の方法を使用して得られる固形組成物は、CoQ10が有する生理活性作用によって、例えば、狭心症、心不全、虚血性心疾患、筋ジストロフィーの症状、高血圧、動脈硬化、心臓病、糖尿病、歯周病といった疾患や制癌剤や向精神薬の副作用に対して改善、緩和、予防又は治療することが期待できることから、これらの罹患者にとって有用なものであり、このような罹患者の健康及び福祉に資するものである。

Claims (5)

  1. コエンザイムQ10及び還元麦芽糖を含有する固形組成物であって、
    該固形組成物は、乳化剤を含まないことを特徴とする、前記固形組成物。
  2. 前記コエンザイムQ10は、前記固形組成物の総質量に対して4.0質量%以上で配合される、請求項1に記載の固形組成物。
  3. 前記還元麦芽糖は、等量の還元パラチノース又はブドウ糖を含有する場合に比べて、コエンザイムQ10に起因する斑点の表出が低減される量の還元麦芽糖である、請求項1又は2に記載の固形組成物。
  4. 前記固形組成物は、48℃以上で72時間以上放置した場合に、表出したコエンザイムQ10に起因する斑点の出現が低減される固形組成物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形組成物。
  5. 4.0質量%以上のコエンザイムQ10と還元麦芽糖とを混合することを含む、固形組成物におけるコエンザイムQ10に起因する斑点の表出を低減する方法。

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