JP2016159602A - 塗膜剥離部材、塗膜剥離キットおよび塗膜剥離方法 - Google Patents

塗膜剥離部材、塗膜剥離キットおよび塗膜剥離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業環境を改善し、作業性に優れ、作業工程を低減し、さらには、剥離性を良好することができる塗膜剥離部材、塗膜剥離キットおよび塗膜剥離方法を提供すること。
【解決手段】塗膜9を剥離するために用いられる塗膜剥離部材1であって、プラスチック基材2と、プラスチック基材2の厚み方向一方側に配置される多孔質基材3とを備え、プラスチック基材2と多孔質基材3との界面において、プラスチック基材2と多孔質基材3とが部分的に接着する接着領域5を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、塗膜剥離部材、塗膜剥離キットおよび塗膜剥離方法に関し、詳しくは、塗膜剥離部材、塗膜剥離部材を備える塗膜剥離キット、および、塗膜剥離部材を用いて塗膜を剥離する方法に関する。
建築物、橋梁、船舶、航空機、自動車などの構造物の表面に塗装された塗膜は、紫外線や湿熱などにより経年劣化が生じる。このような劣化した塗膜は、外観が不良となるだけでなく、構造物を保護する塗膜の役割も低下するため、再塗装がなされる。再塗装を実施する場合、劣化した塗膜の上に上塗りすると、再塗装した再塗膜が劣化塗膜とともに脱落しやすい。そのため、劣化塗膜を剥離(除去)した後に、構造体の表面に再塗装する必要がある。
従来から、塗膜を剥離する方法として、サンドブラストやグラインダーを用いて物理的に砕き取る方法、有機溶剤を主成分とした塗膜剥離剤を用いて塗膜内部に浸透させて塗膜を膨潤し構造物表面から浮かび上がらせて拭き取る方法(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)などが知られている。
しかしながら、サンドブラストなどを用いる方法では、塗膜が粉末状となって飛散するため作業環境が不良となる不具合がある。特に、従来の塗膜には、鉛やポリ塩化ビフェニルなどの環境汚染物質が含有されているものもあり、環境汚染の原因となるおそれがある。
一方、塗膜剥離剤を用いる方法においても、塗膜剥離剤によって塗膜を膨潤するまでに時間を要するため、塗膜剥離剤に含有される有機溶剤(例えば、悪臭成分など)が揮発し、作業環境が不良となる。特に、有機溶剤は粉末よりも周囲に拡散しやすいため、作業環境の周辺(例えば、作業場所近隣の住宅)にまで影響を及ぼすおそれがある。
また、天井や壁面などの塗膜を剥離する場合では、塗膜剥離剤が塗膜の所望範囲から垂れ落ちる場合がある。液垂れが生じると、周辺が汚染されるため、液垂れが生じないように正確に塗布する必要があり、作業性に劣る。さらに、所望量の塗膜剥離剤が塗膜に浸透しないために、剥離性能も低下する場合が生じる。
そこで、例えば、特許文献3では、塗膜剥離剤を塗布した後、その塗布面を通気性のない養生シートなどの乾燥遅延材で被覆することにより、塗膜剥離剤の蒸発・乾燥を防止する方法(養生)が開示されている。
特開2006−63106号公報 特開2012−166143号公報 特開2013−18887号公報
しかしながら、特許文献3においても、塗膜剥離剤を塗膜に塗布してから、塗布面をシートで被覆するまでの時間において、塗布面は露出されているため、有機溶剤は塗布面から揮発する。よって、作業環境のさらなる改善が必要とされている。
また、塗膜剥離剤を刷毛などで塗布して、その塗布面をシートで被覆するが、天井や壁面などの塗布面(濡れた表面)に対してシートを注意深く配置・固定する必要があるため、作業が煩雑となる場合がある。さらには、シートを配置し、一定時間養生した後、シートを取り除く工程、および、スクレーパー(へら)などを用いて塗膜を擦り取る工程が必要であるため、作業工程が増加している。
また、最初に塗膜剥離剤を塗膜に刷毛などで塗布するため、液垂れを完全に防止することはできずに、所望の剥離性能を発揮できない場合が生じる。
本発明の目的は、作業環境を改善し、作業性に優れ、作業工程を低減し、さらには、剥離性を良好することができる塗膜剥離部材、塗膜剥離キットおよび塗膜剥離方法を提供することにある。
本発明の塗膜剥離部材は、塗膜を剥離するために用いられる塗膜剥離部材であって、プラスチック基材と、前記プラスチック基材の厚み方向一方側に配置される多孔質基材とを備え、前記プラスチック基材と前記多孔質基材との界面において、前記プラスチック基材と前記多孔質基材とが部分的に接着する接着領域を有することを特徴としている。
また、本発明の塗膜剥離部材では、前記界面の面積に対する前記接着領域の面積の割合が、1%以上50%以下であることが好適である。
また、本発明の塗膜剥離部材では、前記界面において、前記プラスチック基材と前記多孔質基材とが接着しない非接着領域を有し、前記非接着領域は、前記界面の一端縁から、前記一端縁と対向する他端縁まで、連続して形成されていることが好適である。
また、本発明の塗膜剥離部材では、前記多孔質基材が、不織布であることが好適である。
本発明の塗膜剥離キットは、上記の塗膜剥離部材と、塗膜剥離剤とを備えることを特徴としている。
本発明の塗膜剥離方法は、塗膜が表面に設けられた被塗装部材の前記塗膜を剥離する方法であって、上記の塗膜剥離部材の前記多孔質基材を、前記塗膜に接触させる工程、前記塗膜剥離部材の前記界面に塗膜剥離剤を注入する工程、および、前記塗膜剥離部材を前記塗膜とともに、前記被塗装部材から剥離する工程を備えることが好適である。
本発明の塗膜剥離部材を用いる本発明の塗膜剥離方法によれば、プラスチック基材と多孔質基材との界面において多孔質基材がプラスチック基材と部分的に接着する塗膜剥離部材を用いて、その多孔質基材を塗膜に接触させる工程、塗膜剥離部材の界面に塗膜剥離剤を注入する工程、塗膜剥離部材を塗膜とともに、被塗装部材から剥離する工程を備える。
このため、塗膜剥離部材の内部(界面)に注入された塗膜剥離剤は、多孔質基材を通過して、塗膜に移動および浸透する。よって、塗膜剥離剤を塗膜に浸透させる際に、塗膜剥離剤は、プラスチック基材で被覆されており、露出しないため、塗膜剥離剤の揮発および飛散を抑制することができる。したがって、作業環境を良好にすることができる。
また、塗膜剥離部材の多孔質基材を塗膜に接触し、塗膜剥離剤を塗膜剥離部材の界面に注入する。そのため、塗布面(濡れた塗膜表面)に対する作業を必要せずに、塗膜剥離部材によって塗膜剥離剤を被覆して、塗膜を剥離することができる。よって、作業性に優れる。
また、塗膜剥離剤の浸透によって膨潤する塗膜が多孔質基材と密着する。そのため、塗膜剥離部材を被塗装部材から剥離すると、多孔質基材に密着する塗膜も同時に、被塗装部材から剥離される。よって、膨潤した塗膜の擦り取り作業などを省略でき、作業工程を低減することができる。
また、塗膜剥離剤を塗膜剥離部材の内部(界面)に注入することにより、塗膜剥離剤を、多孔質基材を通過して塗膜に移動させることができる。よって、塗膜剥離基材の液垂れおよび揮発を抑制できる。そのため、所望量の塗膜剥離基材を確実に塗膜に浸透させることができ、剥離性能の低下を抑制することができる。
図1A〜図1Bは、本発明の塗膜剥離部材の一実施形態であって、図1Aは、正面図、図1Bは、側断面図、を示す。 図2A〜図2Eは、図1Aの塗膜剥離部材を用いる本発明の塗膜剥離方法の一実施形態の工程図であって、図2Aは、塗膜剥離部材および塗装体を準備する準備工程、図2Bは、塗装剥離部材を塗膜に接触させる接触工程、図2Cは、塗膜剥離剤を塗膜剥離部材の界面に注入する注入工程、図2Dは、塗膜剥離剤を塗膜内部に浸透させる浸透工程、図2Eは、塗膜剥離部材を被塗装部材から剥離する剥離工程を示す。 図3は、図2Bの工程における正面図を示す。 図4A〜図4Hは、本発明の塗膜剥離部材の一実施形態の変形例であって、図4Aは、接着領域が、ドットが千鳥状に配置されるパターンに形成されている図、図4Bは、接着領域が、ドットが整列配置されるパターンに形成されている図、図4Cは、接着領域が、三角形が千鳥状に配置されるパターンに形成されている図、図4Dは、接着領域が、正方形の辺が平行に配置されるパターンに形成されている図、図4Eは、接着領域が、正方形の角が近接するパターンに形成されている図、図4Fは、接着領域が、矩形が千鳥状に配置されるパターンに形成されている図、図4Gは、接着領域が、矩形が整列配置されるパターンに形成されている図、図4Hは、接着領域が、角度が異なる矩形が交互に配置されるパターンに形成されている図を示す。
1.塗膜剥離部材
図1Aにおいて、紙面上下方向が「前後方向」(第1方向)であり、紙面上側を「前側」(第1方向一方側)とし、紙面下側を「後側」(第1方向他方側)とする。紙面左右方向が「左右方向」(第2方向、第1方向に直交する方向)であり、紙面左側を「左側」(第2方向一方側)とし、紙面右側を「右側」(第2方向他方側)とする。紙面紙厚方向が「厚み方向」(第1方向および第2方向に直交する方向)であり、紙厚方向奥側を「厚み方向一方側」(第3方向一方側)とし、紙厚方向手前側を「厚み方向他方側」(第3方向他方側)とする。具体的には、図1Aに記載の方向矢印に準拠する。図1A以外の図面についても、図1Aの方向を基準とする。
本発明の一実施形態に係る塗膜剥離部材1は、図1Aおよび図1Bに示すように、プラスチック基材2と多孔質基材3とを備える。
プラスチック基材2は、正面視略矩形のシート状に形成されている。プラスチック基材2は、塗膜剥離剤(後述)に対して非透過性を有する。すなわち、プラスチック基材2は、塗膜剥離剤を厚み方向に透過せず、具体的には、厚み方向に貫通する貫通孔を備えていない。また、プラスチック基材2は、好ましくは、可撓性を有する。
プラスチック基材2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム、例えば、ポリエチレンフィルム(低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルムなど)、ポリプロピレンフィルム(二軸延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレンフィルムなど)、ポリシクロオレフィンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどの塩素系フィルム、例えば、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルムなどが挙げられる。塗装体に対する曲面追従性、加工性、廃棄処理、コストなどの観点から、好ましくは、ポリオレフィンフィルムが挙げられ、より好ましくは、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが挙げられる。
プラスチック基材2の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
多孔質基材3は、プラスチック基材2の厚み方向一方側に設けられている。
多孔質基材3は、正面視略矩形のシート状であって、プラスチック基材2と同一形状となるように形成されている。すなわち、多孔質基材3は、厚み方向に投影したときに、プラスチック基材2と重複するように形成されている。
多孔質基材3は、塗膜剥離剤(後述)に対して透過性を有する。すなわち、多孔質基材3は、塗膜剥離剤を厚み方向に透過し、具体的には、厚み方向に貫通する貫通孔を備えている。また、多孔質基材3は、好ましくは、可撓性を有する。
多孔質基材3としては、例えば、不織布、織布、例えば、和紙などの紙、例えば、連続気泡ポリウレタン、連続気泡ポリオレフィンなどからなる連続気泡体シートなどが挙げられる。塗装体に対する曲面追従性、塗膜剥離剤の注入性、コストなどの観点から、好ましくは、不織布、織布が挙げられ、より好ましくは、不織布が挙げられる。
不織布または織布を構成する繊維としては、好ましくは、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなる樹脂繊維が挙げられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、例えば、ナイロンなどのポリアミド繊維、例えば、セルロース繊維などが挙げられる。これら樹脂繊維は、単独使用または2種以上併用することができる。
繊維径の平均は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.5μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
不織布の製法は、例えば、乾式法、湿式法、スパンボンド法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ステッチボンド法、ニードルパンチ法、メルトブロー法、スパンレース法、スチームジェット法などが挙げられる。
多孔質基材3の秤量は、例えば、1g/m以上、好ましくは、10g/m以上であり、また、例えば、200g/m以下、好ましくは、50g/m以下である。
多孔質基材3の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、150μm以下である。
多孔質基材3の厚みは、好ましくは、プラスチック基材2の厚みよりも大きく、例えば、プラスチック基材2の厚みの1.0倍を超過し、例えば、1.2倍以上であり、また、例えば、10倍以下、好ましくは、3.0倍以下である。これにより、塗膜剥離部材1に適切な可撓性および形状保持性を担保しつつ、塗膜剥離剤が多孔質基材3に対して浸透および保持することができる。
塗膜剥離部材1は、プラスチック基材2と多孔質基材3との界面4に、接着領域5および非接着領域6を有する。
接着領域5は、プラスチック基材2と多孔質基材3とが接着している領域である。接着領域5では、塗膜剥離剤を界面4に注入した際に、プラスチック基材2と多孔質基材3とが互いに離間せずに接触した状態を維持する。
接着領域5は、界面4において、部分的に形成されている。具体的には、接着領域5は、ストライプ状に形成されている。すなわち、接着領域5は、前後方向に互いに間隔を隔てて直線状(筋状)に形成される接着部12(12a、12b)を複数(2つ)備えている。
接着部12は、左端縁(一端縁)から右端縁(一端縁と対向する他端縁)まで連続して左右方向に延びるように形成されている。すなわち、接着部12の左右方向の端縁のそれぞれは、正面視において、界面4の左右方向の端縁のそれぞれと一致している。
接着部12の最大幅(先後方向長さ)は、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.5mm以上であり、また、例えば、15mm以下、好ましくは、10mm以下である。
隣接する接着部12の間隔は、例えば、1mm以上、好ましくは、10mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、25mm以下である。
界面4の面積に対する接着領域5の面積の割合(接着領域5/界面4)は、例えば、1%以上、好ましくは、4%以上、より好ましくは、10%以上であり、また、例えば、50%以下、好ましくは、40%以下、より好ましくは、30%以下である。
接着領域5の割合を上記範囲とすることにより、塗膜剥離剤の界面4への注入性、塗膜の剥離性を良好とすることができ、塗膜剥離剤とともに塗膜を容易に剥離することができる。
界面4の面積は、塗膜剥離部材1を厚み方向に投影したときに、プラスチック基材2と多孔質基材3とが互いに重複している部分の面積である。接着領域5の面積は、塗膜剥離部材1を厚み方向に投影したときにおける接着領域5の面積である。
非接着領域6は、プラスチック基材2と多孔質基材3とが接着していない領域であって、後述する塗膜剥離剤を界面4に注入した際に、互いにプラスチック基材2と多孔質基材3とが一時的に離間する領域である。非接着領域6において、塗膜剥離剤の注入前では、プラスチック基材2の表面は、多孔質基材3の表面と接触している。
非接着領域6は、界面4において、部分的に形成されている。具体的には、非接着領域6は、ストライプ状に形成されている、すなわち、非接着領域6は、前後方向に互いに間隔を隔てて直線状(筋状)に形成される非接着部13(13a〜13c)を複数(3つ)備えている。
非接着部13は、界面4の左端縁(一端縁)から右端縁(一端縁と対向する他端縁)まで、連続して形成されている。すなわち、非接着部13の左右方向の端縁のそれぞれは、正面視において、界面4の左右方向の端縁のそれぞれと一致している。
非接着部13の最大幅(先後方向長さ)は、接着部12の間隔に対応し、例えば、1mm以上、好ましくは、10mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、25mm以下である。
界面4の面積に対する非接着領域6の面積の割合(非接着領域6/界面4)は、例えば、50%以上、好ましくは、60%以上、より好ましくは、70%以上であり、また、例えば、99%以下、好ましくは、96%以下、より好ましくは、90%以下である。
非接着領域6の面積は、塗膜剥離部材1を厚み方向に投影したときに、プラスチック基材2と多孔質基材3とが互いに重複している部分における、接着領域5を除いた部分の面積である。
塗膜剥離部材1は、例えば、プラスチック基材2の厚み方向一方側の表面を多孔質基材3の厚み方向他方面と接触させ、次いで、プラスチック基材2と多孔質基材3との界面4を部分的に接着することにより製造される。
接着方法としては、例えば、プラスチック基材2の接着領域5に対応する部分をプラスチック基材2の厚み方向他方面から熱圧着する方法、プラスチック基材2の厚み方向一方側の表面に、接着領域5に対応する部分に接着剤を塗布する方法などが挙げられる。好ましくは、塗膜剥離液に対する耐性および生産性の観点から、熱圧着方法が挙げられる。
熱圧着の温度は、プラスチック基材2が溶融する温度であればよく、例えば、100℃以上、好ましくは、120℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下である。
2.塗膜剥離剤
塗膜剥離剤としては、公知または市販のものが挙げられ、例えば、特許3343425号公報、特許第3985966号公報、特許第4663835号公報、特開2012−1599号公報に記載されている。
本発明に用いる塗膜剥離剤は、好ましくは、有機酸および溶媒を含有する。
有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸などのモノカルボン酸、例えば、クエン酸などの多価カルボン酸が挙げられる。好ましくは、モノカルボン酸、より好ましくは、ギ酸、乳酸が挙げられる。
有機酸の含有割合は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上であり、また、例えば、20質量%以下、好ましくは、10質量%以下である。
溶媒としては、例えば、水、例えば、ベンゼン、トルエン、クレゾール、キシレン、トルエン、ベンズアルデヒド、ベンジルアルコールなどの芳香族系溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、γ―ブチロラクトンなどのケトン系溶媒などが挙げられる。好ましくは、芳香族系溶媒およびアミド系溶媒のうち少なくとも1種を含有し、より好ましくは、少なくとも芳香族系溶媒およびアミド系溶媒を併用する。
芳香族系溶媒としては、好ましくは、ベンジルアルコールが挙げられる。
アミド系溶媒としては、好ましくは、1−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。
溶媒の含有割合は、他の成分の残部であり、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
芳香族系溶媒およびアミド系溶媒を併用する場合は、これらの質量割合は、例えば、10:90〜90:10であり、好ましくは、30:70〜70:30である。
塗膜剥離剤は、好ましくは、界面活性剤を含有する。
界面活性剤としては、例えば、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、好ましくは、ノニオン系界面活性剤が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンセンスルホン酸ナトリウム、アルキルベンセンスルホン酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム塩などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンオキブロック共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタインなどが挙げられる。
界面活性剤の含有割合は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上であり、また、例えば、5質量%以下、好ましくは、3質量%以下である。
塗膜剥離剤は、好ましくは、樹脂などの添加剤を含有する。
樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられ、好ましくは、ポリエステル樹脂が挙げられる。樹脂の数平均分子量(Mn)は、例えば、10,000〜100,000である。
樹脂の含有割合は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上であり、また、例えば、5質量%以下、好ましくは、3質量%以下である。
塗膜剥離剤は、上記成分を上記配合割合で混合することにより調製される。
塗膜剥離剤の粘度(25℃)は、例えば、30mPa・s以上、好ましくは、50mPa・s以上であり、また、例えば、1000mPa・s以下、好ましくは、500mPa・s以下である。粘度は、B型粘度計などによって測定することができる。
これにより、多孔質基材3に対する通過性に優れ、液垂れを抑制し、塗膜内部への浸透性が良好となる。
なお、本発明の塗膜剥離キットの一実施形態は、塗膜剥離部材1および上記塗布剥離剤を備え、好ましくは、塗膜剥離部材1および上記塗布剥離剤からなる。
3.剥離方法
塗装体10の塗膜9を剥離する剥離方法の一実施形態は、図2A〜図2Eに示すように、塗膜剥離部材1および塗装体10を準備する準備工程、塗膜剥離部材1を塗膜9に接触させる接触工程、塗膜剥離剤7を塗膜剥離部材1の界面4に注入する注入工程、塗膜剥離剤7を塗膜9内部に浸透させる浸透工程、塗膜剥離部材1を被塗装部材8から剥離する剥離工程を備える。
まず、図2Aに示すように、塗膜剥離部材1および塗装体10を準備する(準備工程)。
塗膜剥離部材1は、上述した通りである。
塗装体10は、被塗装部材8と、その被塗装部材8の表面に設けられる塗膜9とを備える。
被塗装部材8は、塗装がなされる対象となるものであればよく、例えば、建築物、橋梁、船舶、航空機、自動車などの構造物を構成する部材(筐体、壁、天井など)が挙げられる。被塗装部材8としては、具体的には、例えば、鉄板、鋼板、銅板、アルミニウム板などの金属板、例えば、ポリオレフィン板などのプラスチック板、例えば、陶板、セメント板などの窯業系板、例えば、木材などから構成されている。
塗膜9は、公知または市販のものが挙げられ、油性および水性のいずれも挙げられる。なお、塗膜9は、二度塗りなどによって多層化されていてもよい。
塗装体10は、図2Aに示すように、必要に応じて、被塗装部材8と塗膜9との間に、公知または市販のプライマー層14を備える。すなわち、塗装体10は、被塗装部材8の表面にプライマー層14を形成して、そのプライマー層14の表面に塗膜9を形成することにより、形成されている。
このような塗装体10は、経年変化により、その塗膜9が劣化している。そこで、塗装体10に対して、塗膜剥離部材1を準備して、次工程において、塗装体10の塗膜9を剥離する。
次いで、図2Bに示すように、塗膜剥離部材1を塗膜9に接触させる(接触工程)。
具体的には、多孔質基材3の厚み方向一方側の表面が、塗膜9の表面(厚み方向他方面側の表面)と接触するように、塗膜剥離部材1を塗装体10に接触させる。
接触工程では、塗膜剥離部材1の端部(左端、右端、前端、後端)を固定部材11によって固定する。
具体的には、塗膜剥離部材1の各端縁を被覆するように、各固定部材11をプラスチック基材2および塗膜9の表面に配置する。これにより、塗膜剥離剤7が端縁から漏出することを防止できる。また、塗膜剥離剤7を塗膜剥離部材1の界面4に注入する際の作業性に優れる。
固定部材11としては、例えば、片面テープ、両面テープなどの粘着テープ、例えば、マグネットシート、マグネットバーなどの磁石などが挙げられる。
次いで、図2Cに示すように、塗膜剥離部材1の界面4に塗膜剥離剤7を注入する(注入工程)。
具体的には、シリンジなどの注入部材(図示せず)を用いて、その注入部材の先端を塗膜剥離部材1の端縁から界面4の非接着領域6に配置し、注入部材を介して塗膜剥離剤7を界面4の非接着領域6に送液(注入)する。特に、非接着領域6が複数(3つ)の非接着部13(13a〜13c)を備える場合、各非接着部13のそれぞれに注入部材を配置し、塗膜剥離剤7を送液する。
塗膜剥離剤7を界面4に注入すると、塗膜剥離剤7により、界面4は厚み方向他方側に広がるとともに、プラスチック基材2は、一時的に厚み方向他方側に押圧され、膨張する。
次いで、図2Dに示すように、塗膜剥離剤7を塗膜9内部に浸透させる(浸透工程)。
具体的には、注入工程後、一定時間、塗膜剥離剤7が注入された塗膜剥離部材1を放置する。
これにより、界面4に注入された塗膜剥離剤7は、多孔質基材3を通過し、塗膜9表面に移動し、徐々に塗膜9内部に浸透する。その後、塗膜9が塗膜剥離剤7の浸透により膨潤し、塗膜9が被塗装部材8の表面(プライマー層14が形成されている場合は、プライマー層14の表面)から浮き上がる。浮き上がった塗膜9の少なくとも一部は、多孔質基材3の表面に付着またはその内部に侵入し、塗膜9は多孔質基材3と密着し、一体化する。
放置時間は、塗膜剥離剤7および塗膜9に応じて適宜決定されるが、例えば、1時間以上、好ましくは、2時間以上であり、また、例えば、48時間以下、好ましくは、24時間以下である。
温度は、塗装体10の設置場所における外気温であって、例えば、0〜40℃である。
次いで、塗膜剥離部材1を被塗装部材8から剥離する(剥離工程)。
具体的には、固定部材11を除去し、塗膜剥離部材1を厚み方向他方側に引っ張る。
これにより、図2Eに示すように、塗膜剥離部材1とともに、塗膜9が被塗装部材8から剥離される。
そして、このような塗膜剥離部材1および塗膜剥離キットを用いた塗膜剥離方法では、塗膜剥離部材1の内部(界面4)に注入された塗膜剥離剤7が、多孔質基材3を通過して、塗膜9に移動および浸透する。よって、塗膜剥離剤7を塗膜9に浸透させる際に、塗膜剥離剤7は、プラスチック基材2で被覆されており、露出しないため、塗膜剥離剤7の揮発および飛散を抑制することができる。したがって、作業環境を良好にすることができる。
また、塗膜剥離部材1の多孔質基材3を塗膜9(乾燥した塗膜表面)に接触・配置し、塗膜剥離剤7を塗膜剥離部材1の界面4に注入する。そのため、この塗膜剥離方法では、塗布面(濡れた塗膜表面)に対して直接的な作業が必要ない。より具体的には、この塗膜剥離方法では、乾燥した塗膜9に対する作業によって、養生(すなわち、塗膜剥離部材1による塗膜剥離剤7の被覆・放置)を実施することができる。よって、養生作業などの作業性に優れている。
また、塗膜剥離剤7によって被塗装部材8から浮かび上がった塗膜9が、多孔質基材3の表面に付着またはその内部に侵入するため、塗膜9と多孔質基材3とが一体化する。そのため、塗膜剥離部材1を塗装体10から剥離しようとすると、多孔質基材3に付着する塗膜9も同時に、被塗装部材8から剥離される。よって、膨潤した塗膜9の擦り取り作業などを省略でき、作業工程を低減することができるため、剥離作業が簡便となる。
また、塗膜剥離剤7を塗膜剥離部材1の界面4に注入することにより、塗膜剥離剤7を、多孔質基材3を通過して塗膜9に移動させることができる。よって、塗膜剥離剤7の液垂れおよび揮発を抑制できる。そのため、所望量の塗膜剥離剤7を確実に塗膜9に浸透させることができ、剥離性能の低下を抑制することができる。また、所望量の塗膜剥離剤7を確実に塗膜9に浸透させることができるため、短時間での剥離も可能となる。
4.変形例
上記した図1Aの実施形態では、多孔質基材3は、正面視において、プラスチック基材2と同一形状となるように形成されているが、例えば、図示しないが、多孔質基材3は、プラスチック基材2と異なる形状となるように形成することもできる。この場合、多孔質基材3が、プラスチック基材2よりも大きい形状となっていてもよく、また、プラスチック基材2よりも小さい形状となっていてもよい。
上記した図1Aの実施形態では、塗膜剥離部材1は、正面視略矩形状に形成されているが、例えば、図示しないが、正面視多角形状、正面視円形状などに形成することもできる。
上記した図1Aの実施形態では、非接着領域6において、プラスチック基材2の表面は、多孔質基材3の表面と接触しているが、例えば、図示しないが、プラスチック基材2の非接着領域6における表面は、多孔質基材3の表面と離間していてもよい。すなわち、非接着領域6において、空隙が生じていてもよい。
上記した図1の実施形態では、接着領域5が、2つの直線状の接着部12を備えているが、例えば、図示しないが、1の直線状または曲線状の接着部12、あるいは、3以上の直線状または曲線状の接着部12を備えることもできる。
上記した図1の実施形態では、接着領域5は、ストライプ状のパターンに形成されているが、例えば、図4A〜4Hに示すパターンに形成することもできる。
図4Aでは、接着領域5は、ドット(中実の円)が千鳥状に配置されるパターンに形成されている。
図4Bでは、接着領域5は、ドット(中実の円)が先後方向および左右方向に整列配置されるパターンに形成されている。
図4Cでは、接着領域5は、三角形状が千鳥状に配置されるパターンに形成されている。
図4Dでは、接着領域5は、正方形が先後方向および左右方向に整列配置されるパターンであって、隣接する正方形の辺が平行となるパターンに形成されている。
図4Eでは、接着領域5は、正方形が先後方向および左右方向に整列配置されるパターンであって、隣接する正方形の角が最接近するパターンに形成されている。
図4Fでは、接着領域5は、先後方向に延びる矩形が千鳥状に配置されるパターンに形成されている。
図4Gでは、接着領域5は、先後方向に延びる矩形が先後方向および左右方向に整列配置されるパターンに形成されている。
図4Hでは、接着領域5は、斜め方向に延びる矩形が配置されるパターンに形成されている。図4Hでは、第1斜め方向に延びる矩形が左右方向に間隔を隔てて配置される第1斜方パターン列と、第1斜め方向と直交する第2斜め方向に延びる矩形が左右方向に間隔を隔てて配置される第2斜方パターン列とが、先後方向に交互に間隔を隔てて形成されている。
これらの図4A〜図4Hの実施形態も図1Aの実施形態と同様の作用効果を奏する。また、これらの図4A〜図4Hの実施形態では、非接着領域6の全ての端縁(左端縁、右端縁、上端縁、下端縁)は、連続して形成されている。すなわち、非接着領域6の全てが厚み方向と直交する面方向(先後方向および左右方向)に連続している。したがって、塗膜剥離剤7を非接着領域6の端縁の一か所から注入することにより、塗膜剥離剤7を非接着領域6全域に送り込むことができ、作業性に優れる。また、剥離性にも優れる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
(塗膜剥離剤の調製)
(1)塗膜剥離剤A
塗膜剥離剤Aを以下の配合で調製した。
・ベンジルアルコール 50質量部
・1−メチル−2−ピロリドン 43質量部
・ギ酸 3質量部
・ポリエステル樹脂 3質量部
・プルロニック型界面活性剤 1質量部
(2)塗膜剥離剤B
塗膜剥離剤Bを以下の配合で調製した。
・ベンジルアルコール 35質量部
・1−メチル−2−ピロリドン 35質量部
・メチルイソブチルケトン 23質量部
・ギ酸 3質量部
・ポリエステル樹脂 3質量部
・プルロニック型界面活性剤 1質量部
なお、ポリエステル樹脂は、東洋紡社製の商品名「バイロン300」(Mn:23×10)を使用した。プルロニック型界面活性剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体)は、三洋化成社製の商品名「ニューポールPE−61」を使用した。
塗膜剥離剤Aの粘度は、25℃で、120mPa・sであり、塗膜剥離剤Bの粘度は、25℃で、100mPa・sであった。
(塗装体の作製)
被塗装部材として、イソプロピルアルコールで脱脂した鉄板(左右方向50mm、先後方向150mm、厚み方向2mm)の表面に、プライマー層(関西ペイント社製、ビニルブチラール樹脂系長ばく形エッチングプライマー、メタクラフトH15)を刷毛塗りした後、自然乾燥して、プライマー層を形成した。
次いで、プライマー層の表面に下塗り塗料(ロックペイント社製、さび止めペイント、油性、「H59−4530」)を刷毛塗りした後、自然乾燥して、下塗り塗膜(厚み40μm)を形成した。次いで、この下塗り塗膜の表面に、上塗り塗膜(ロックペイント社製、アルキド塗料、油性、「H59−5901」)を刷毛塗りした後、自然乾燥して、上塗り塗膜(厚み40μm)を形成した。その後、塗膜が形成された鉄板を70℃で7日間乾燥させて、塗装体を作製した。
(塗膜剥離部材の作製)
作製例1
プラスチック基材として、先後方向長さ50mm、左右方向長さ100mm、厚み60μmの低密度ポリエチレンフィルムを用意した。次いで、多孔質基材として、先後方向長さ50mm、左右方向長さ100mm、厚み80μmのポリエステル不織布(秤量14g)を用意した。これらを厚み方向に積層した後、この積層体に24mm間隔で1mm幅(上下方向長さ)のストライプ状のパターン(図1A参照)にて150℃でポリエチレンフィルム表面を熱圧着して、塗膜剥離部材を作製した。
界面の面積に対する熱接着領域の面積の割合は、4%であった。
作製例2
積層体に対して、21mm間隔で4mm幅のストライプ状のパターンにてポリエチレンフィルム表面を熱圧着した以外は、作製例1と同様にして、塗膜剥離部材を作製した。
界面の面積に対する熱接着領域の面積の割合は、16%であった。
作製例3
積層体に対して、15mm間隔で10mm幅のストライプ状のパターンにてポリエチレンフィルム表面を熱圧着した以外は、作製例1と同様にして、塗膜剥離部材を作製した。
界面の面積に対する熱接着領域の面積の割合は、40%であった。
作製例4
積層体に対して、複数のドットが千鳥状(六角格子状)に配置されるパターン(中心間距離25mm、ドット半径2mm、図4A参照)にてポリエチレンフィルム表面を熱圧着した以外は、作製例1と同様にして、塗膜剥離部材を作製した。
界面の面積に対する熱接着領域の面積の割合は、2%であった。
作製例5
積層体に対して、複数のドットが千鳥状に配置されるパターン(中心間距離25mm、ドット半径5mm)にてポリエチレンフィルム表面を熱圧着した以外は、作製例1と同様にして、塗膜剥離部材を作製した。
界面の面積に対する熱接着領域の面積の割合は、15%であった。
作製例6
積層体に対して、複数のドットが千鳥状に配置されるパターン(中心間距離25mm、ドット半径10mm)にてポリエチレンフィルム表面を熱圧着した以外は、作製例1と同様にして、塗膜剥離部材を作製した。
界面の面積に対する熱接着領域の面積の割合は、37%であった。
作製例7
ポリエチレンフィルムを二軸延伸ポリプロピレンフィルムに変更した以外は、作製例1と同様にして、塗膜剥離部材を作製した。
作製例8
積層体に対して、5mm間隔で、20mm幅のストライプ状のパターンにてポリエチレンフィルム表面を熱圧着した以外は、作製例1と同様にして、塗膜剥離部材を作製した。
界面の面積に対する熱接着領域の面積の割合は、80%であった。
参考作製例1
積層体に対して、ポリエチレンフィルム表面の全面を熱圧着した以外は、作製例1と同様にして、塗膜剥離部材を作製した。
界面の面積に対する熱接着領域の面積の割合は、100%であった。
(塗膜剥離方法)
実施例1
上記で作製した塗装体を先側が鉛直上方となるように垂直となるように設置し、作製例1の塗膜剥離部材を、多孔質基材が塗膜に接触するように、塗装体の略中央部に配置した。
次いで、塗膜剥離部材の先端縁および後端縁のそれぞれを被覆するように、マスキングテープ(100mm×10mm)を塗膜剥離部材の先端縁および後端縁ならびに塗装体に貼着し、一方、塗膜剥離部材の左端縁および右端縁のそれぞれを被覆するように、マグネットシート(10mm×50mm)を塗膜剥離部材の左端縁および右端縁ならびに塗装体に貼着した。これにより、塗膜剥離部材を塗装体に固定した(図2B、図3参照)。
次いで、界面の非接着領域(3か所の非接着部)に左端からそれぞれシリンジを挿入し、上記の塗膜剥離剤Aを注入した(図2C参照)。
次いで、塗膜剥離部材を4時間放置した(図2D参照)。
次いで、塗膜剥離部材を塗装体から引っ張り、塗膜剥離部材とともに塗膜を被塗装部材から剥離した(図2E参照)。
実施例2〜8
作製例1を作製例2〜8に変更した以外は、実施例1と同様にして、塗膜の剥離を実施した。なお、作製例4〜6を用いた場合は、シリンジは、界面の非接着領域の左端1か所に挿入し、塗膜剥離剤Aを注入した。
比較例1
作製例1を参考作製例1に変更した以外は、実施例1と同様にして、塗膜の剥離を実施した。
実施例9
塗膜剥離液Aを塗膜剥離液Bに変更した以外は、実施例1と同様にして、塗膜の剥離を実施した。
実施例10〜11
作製例1を作製例2〜3に変更した以外は、実施例9と同様にして、塗膜の剥離を実施した。
比較例2
作製例1を参考作製例1に変更した以外は、実施例9と同様にして、塗膜の剥離を実施した。
(評価)
各実施例および各比較例の塗膜剥離方法を実施したときにおいて、塗膜剥離部材の前後方向25mmの範囲での注入性、塗膜の剥離性、剥離の簡便性を下記の観点で評価した。結果を表1に示す。
(1)塗膜剥離液の注入性
◎:塗膜剥離液を塗膜剥離部材内部に短時間で均一に容易に注入できた。
○:塗膜剥離液を塗膜剥離部材内部に短時間で均一に注入できた。
△:塗膜剥離液の注入が容易ではなかったが、均一に注入できた。
×:塗膜剥離液の注入が困難であり、均一に注入できなかった。
(2)上塗り塗膜の剥離性
◎:上塗り塗膜をほぼ完全に剥離できた(剥離面積率95%以上)。
○:上塗り塗膜を十分に剥離できた(剥離面積率90%以上95%未満)。
△:上塗り塗装の一部が剥離できなかった(剥離面積率50%以上90%未満)。
×:上塗り塗装が十分に剥離できなかった(剥離面積率50%未満)。
(3)下塗り塗膜の剥離性
◎:下塗り塗膜をほぼ完全に剥離できた(剥離面積率90%以上)。
○:下塗り塗膜を十分に剥離できた(剥離面積率80%以上90%未満)。
△:下塗り塗装の一部が剥離できなかった(剥離面積率40%以上80%未満)。
×:下塗り塗装が十分に剥離できなかった(剥離面積率40%未満)。
(4)剥離の簡便性
◎:塗膜剥離部材および塗膜を一体化してほぼ完全に剥離できた(剥離面積率90%以上)。
○:塗膜剥離部材および塗膜を一体化して十分に剥離できた(剥離面積率80%以上90%未満)。
△:塗膜剥離部材および塗膜を部分的に一体化して剥離できた(剥離面積率40%以上80%未満)。
×:塗膜は塗膜剥離部材とほとんど一体化せずに剥離できなかった(剥離面積率40%未満)。
Figure 2016159602
1 塗膜剥離部材
2 プラスチック基材
3 多孔質基材
4 界面
5 接着領域
6 非接着領域
7 塗膜剥離剤
8 被塗装部材
9 塗膜

Claims (6)

  1. 塗膜を剥離するために用いられる塗膜剥離部材であって、
    プラスチック基材と、
    前記プラスチック基材の厚み方向一方側に配置される多孔質基材と
    を備え、
    前記プラスチック基材と前記多孔質基材との界面において、前記プラスチック基材と前記多孔質基材とが部分的に接着する接着領域を有する
    ことを特徴とする、塗膜剥離部材。
  2. 前記界面の面積に対する前記接着領域の面積の割合が、1%以上50%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の塗膜剥離部材。
  3. 前記塗膜剥離部材は、前記界面において、前記プラスチック基材と前記多孔質基材とが接着しない非接着領域を有し、
    前記非接着領域は、前記界面の一端縁から、前記一端縁と対向する他端縁まで、連続して形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の塗膜剥離部材。
  4. 前記多孔質基材が、不織布であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗膜剥離部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗膜剥離部材と、塗膜剥離剤とを備えることを特徴とする、塗膜剥離キット。
  6. 塗膜が表面に設けられた被塗装部材の前記塗膜を剥離する方法であって、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗膜剥離部材の前記多孔質基材を、前記塗膜に接触させる工程、
    前記塗膜剥離部材の前記界面に塗膜剥離剤を注入する工程、および、
    前記塗膜剥離部材を前記塗膜とともに、前記被塗装部材から剥離する工程
    を備えることを特徴とする、塗膜剥離方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6442101B1 (ja) * 2017-08-31 2018-12-19 酒井工業株式会社 塗膜除去工法および被覆部材

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