JP2016157881A - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

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哲弘 田中
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充弘 一條
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俊弥 遠藤
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寛士 藤木
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Abstract

【課題】酸化物半導体を有する半導体装置において、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させる。
【解決手段】第1のゲート電極、チャネル形成領域中の酸化物半導体、酸化物半導体と第1のゲート電極の間のゲート絶縁膜、ソース電極、およびドレイン電極を有するトランジスタを基板上に形成し、トランジスタ上に保護絶縁膜を形成し、保護絶縁膜を通して酸素をトランジスタに添加する半導体装置である。また、上記酸素の添加は、プラズマ処理法によって行う。
【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、トランジスタおよび半導体装置に関する。また本発明の一態様は、これらの作製方法に関する。また本発明の一態様は、記憶装置、プロセッサ、表示装置、発光装置、撮像装置、電子機器、およびこれらの製造方法、駆動方法に関する。なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。
なお、本明細書などにおいて半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。記憶装置、半導体回路および電子機器は、半導体装置を有する場合がある。
近年は、酸化物半導体(代表的にはIn−Ga−Zn酸化物)を用いたトランジスタの開発が活発化している(特許文献1参照)。
酸化物半導体を用いたトランジスタにおいては、酸化物半導体中の酸素欠損を少なくすることが好ましく、そのための技術として、酸化物半導体に酸素を添加する方法がある(特許文献2および3参照。)。
特表平11−505377号公報 特開2012−160744号公報 特開2012−238880号公報
本発明の一態様は、安定した電気特性を有するトランジスタを提供することを課題の一とする。または、ノーマリーオフの電気特性を有するトランジスタを提供することを課題の一とする。または、サブスレッショルドスイング値の小さいトランジスタを提供することを課題の一とする。または、短チャネル効果の小さいトランジスタを提供することを課題の一とする。または、非導通時のリーク電流の小さいトランジスタを提供することを課題の一とする。または、電気特性の優れたトランジスタを提供することを課題の一とする。または、信頼性の高いトランジスタを提供することを課題の一とする。または、高い周波数特性を有するトランジスタを提供することを課題の一とする。
または、該トランジスタを有する半導体装置を提供することを課題の一とする。または、該半導体装置を有するモジュールを提供することを課題の一とする。または、該半導体装置、または該モジュールを有する電子機器を提供することを課題の一とする。または、新規なトランジスタ、新規な半導体装置、新規な記憶装置、新規な表示装置、新規なモジュール、または、新規な電子機器を提供することを課題の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は半導体装置の作製方法であり、当該作製方法は、基板上に下地絶縁膜を形成し、下地絶縁膜上にトランジスタを形成し、トランジスタ上に保護絶縁膜を形成し、保護絶縁膜を介して酸素を下地絶縁膜に添加することを特徴とする。トランジスタは、第1のゲート電極、チャネル形成領域中の酸化物半導体、酸化物半導体と第1のゲート電極の間のゲート絶縁膜、ソース電極、およびドレイン電極を有する。
上記酸素の添加は、プラズマ処理法によって行ってもよい。
上記プラズマ処理法は、互いに対向する2つの電極を有する装置により行ってもよい。基板と対向する電極に電源を印加することによってプラズマを発生させ、基板側電極に13.56MHz以下の周波数の交流電圧を印加することにより酸素を上記下地絶縁膜に添加してもよい。
酸素の添加は、基板を加熱しながら行ってもよい。
上記保護絶縁膜は、アルミニウムの他、少なくとも酸素または窒素のうち1つを含有してもよい。保護絶縁膜は、酸化アルミニウム、酸化窒素アルミニウム、および窒化酸化アルミニウムから選ばれる材料を含有してもよい。
保護絶縁膜は、酸素の他、少なくともインジウム、ガリウム、亜鉛のうち1つを含有してもよい。保護絶縁膜は、酸化インジウム、酸化ガリウム、および酸化亜鉛から選ばれる材料を含有してもよい。
保護絶縁膜は、酸化物半導体の上に位置してもよい。また、下地絶縁膜、第1のゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、およびドレイン電極と接するように形成されてもよい。保護絶縁膜の膜厚は1nm以上20nm以下、または1nm以上5nm以下であってもよい。
第1のゲート電極は酸化物半導体の上に位置してもよい。ソース電極とドレイン電極は酸化物半導体の上に位置してもよい。トランジスタは酸化物半導体の下に第2のゲート電極をさらに有していてもよい。
酸化物半導体は、第1の酸化物膜、第1の酸化物膜上の第2の酸化物膜および第2の酸化物膜上の第3の酸化物膜を有し、かつ、第1の酸化物膜と第2の酸化物膜の組成は互いに異なっていてもよい。
上記半導体装置は、記憶装置、プロセッサ、撮像装置、表示装置および電子機器から選ばれることができる。
本発明の一態様は前記作製方法によって作製された半導体装置である。
本発明の一態様により、安定した電気特性を有するトランジスタを提供することができる。または、ノーマリーオフの電気特性を有するトランジスタを提供することができる。または、サブスレッショルドスイング値の小さいトランジスタを提供することができる。または、短チャネル効果の小さいトランジスタを提供することができる。または、非導通時のリーク電流の小さいトランジスタを提供することができる。または、電気特性の優れたトランジスタを提供することができる。または、信頼性の高いトランジスタを提供することができる。または、高い周波数特性を有するトランジスタを提供することができる。
または、該トランジスタを有する半導体装置を提供することができる。または、該半導体装置を有するモジュールを提供することができる。または、該半導体装置、または該モジュールを有する電子機器を提供することができる。または、新規なトランジスタ、新規な半導体装置、新規な記憶装置、新規な表示装置、新規なモジュール、または、新規な電子機器を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
半導体装置の一態様を示す上面図および断面図。 半導体装置の作製工程の一例を示す上面図および断面図。 半導体装置の作製工程の一例を示す上面図および断面図。 半導体装置の作製工程の一例を示す上面図および断面図。 半導体装置の作製工程の一例を示す上面図および断面図。 半導体装置の作製工程の一例を示す上面図および断面図。 半導体装置の作製工程の一例を示す上面図。 CAAC−OSの断面におけるCs補正高分解能TEM像、およびCAAC−OSの断面模式図。 CAAC−OSの平面におけるCs補正高分解能TEM像。 CAAC−OSおよび単結晶酸化物半導体のXRDによる構造解析を説明する図。 CAAC−OSの電子回折パターンを示す図。 In−Ga−Zn酸化物の電子照射による結晶部の変化を示す図。 プラズマ処理法の概念図。 半導体装置の一態様を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係るバンド構造を説明する図。 半導体装置の一態様を示す上面図および断面図。 半導体装置の作製工程の一例を示す上面図および断面図。 半導体装置の作製工程の一例を示す上面図および断面図。 半導体装置の作製工程の一例を示す上面図および断面図。 半導体装置の作製工程の一例を示す上面図および断面図。 半導体装置の一態様を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す回路図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る記憶装置を示す回路図。 本発明の一態様に係る記憶装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る記憶装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る記憶装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示すブロック図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す回路図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す平面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示すブロック図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す斜視図および断面図。 表示装置を説明するブロック図および回路図。 タッチパネルの一例を示す斜視図。 表示装置の一例を示す断面図。 タッチセンサの一例を示す断面図。 タッチパネルの一例を示す断面図。 電子機器を説明する図。 酸素添加量を説明する図。
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。なお、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、図において、大きさ、膜(層)の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。
なお、本明細書などにおいて、「膜」という表記と、「層」という表記とを互いに入れ替えることが可能である。
また、電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位(GND)またはソース電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧を電位と言い換えることが可能である。一般的に、電位(電圧)は、相対的なものであり、基準の電位からの相対的な大きさによって決定される。したがって、「接地電位」などと記載されている場合であっても、電位が0Vであるとは限らない。例えば、回路で最も低い電位が、「接地電位」となる場合もある。または、回路で中間くらいの電位が、「接地電位」となる場合もある。その場合には、その電位を基準として、正の電位と負の電位が規定される。
なお、第1、第2として付される序数詞は便宜的に用いるものであり、工程順または積層順を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」または「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書などに記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
なお、半導体の不純物とは、例えば、半導体を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、例えば、半導体にDOS(Density of State)が形成されることや、キャリア移動度が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、および酸化物半導体の主成分以外の遷移金属などがあり、特に、例えば、水素(水にも含まれる。)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコン層である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
なお、本明細書などにおいて、Aが濃度Bの領域を有する、と記載する場合、例えば、Aのある領域における深さ方向全体が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の平均値が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の中央値が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の最大値が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の最小値が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の収束値が濃度Bである場合、測定上Aそのものの確からしい値の得られる領域が濃度Bである場合などを含む。
また、本明細書などにおいて、Aが大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bの領域を有する、と記載する場合、例えば、Aのある領域における全体が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合、Aのある領域における平均値が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合、Aのある領域における中央値が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合、Aのある領域における最大値が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合、Aのある領域における最小値が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合、Aのある領域における収束値が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合、測定上Aそのものの確からしい値の得られる領域が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合などを含む。
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
なお、本明細書などにおいて、酸化窒化シリコン膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い膜を指し、窒化酸化シリコン膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い膜を指す。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置およびその作製方法について、図1乃至図12を参照して説明する。
本発明の一態様は、プラズマ処理を用いて、酸化物半導体上に形成された酸素ブロック性を有する保護絶縁膜の上から該保護絶縁膜の下層に酸素を添加し、該酸素を酸化物半導体へ拡散させることによって、酸化物半導体中の酸素欠損を補償させることを技術思想とする。酸素ブロック性を有する保護絶縁膜上から酸素を添加することによって、添加した酸素の外方拡散を抑制することができる。また、酸化物半導体へ直接酸素を添加しないため、酸化物半導体への酸素添加によるダメージ生じない。
<半導体装置の構成例>
図1(A)は、本発明の一態様に係る半導体装置であるトランジスタ100の上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す鎖線X1−X2間における断面図であり、図1(C)は、図1(A)に示す鎖線Y1−Y2間における断面図である。トランジスタ100は、基板101上の絶縁膜103と、絶縁膜103上の酸化物半導体104と、絶縁膜303および酸化物半導体104上の導電膜105a、導電膜105bと、酸化物半導体104、導電膜105aおよび導電膜105b上の絶縁膜106と、絶縁膜106上の導電膜107と、導電膜105a、導電膜105bおよび導電膜107上の絶縁膜108とを有する。
絶縁膜106は、トランジスタのゲート絶縁膜としての機能することができる。トランジスタ100では、ゲート絶縁膜を1層で形成した例を示したが、これに限られない。ゲート絶縁膜を2層以上で形成してもよい。また、ゲート絶縁膜は、酸化物半導体104に酸素を供給する機能を有していてもよい。
絶縁膜108は、大気中の有機物や金属、水蒸気などの混入を防ぐ保護絶縁膜として機能することができる。また後述するように、酸化物半導体104中の酸素欠陥を補填させるために添加した酸素の外部放散を防ぐことができる。トランジスタ100では、保護絶縁膜を1層で形成する例を示すが、これに限られない。保護絶縁膜を2層以上で形成してもよい。また、保護絶縁膜は、酸化物半導体104に酸素を供給する機能を有していてもよい。
安定なトランジスタ特性を得るためには、酸化物半導体中の酸素欠損をできるだけ少なくすることが好ましい。このために、酸化物半導体中に酸素を添加する。酸素の添加方法については後述する。
以下に、本実施の形態の半導体装置に含まれる構成要素について、詳細に説明する。
<基板>
基板101の材質などに大きな制限はない。例えば、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを、基板101として用いてもよい。また、シリコンなどを材料とした単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムや炭化シリコンからなる化合物半導体基板、SOI基板などを適用することも可能であり、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板101として用いてもよい。基板に設けられる半導体素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
<下地膜>
基板101の上に下地膜として機能する絶縁膜103を形成する。絶縁膜103として、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を、単層で、または積層で用いればよい。絶縁膜103は、酸化物半導体104への水素および水などの不純物の拡散を抑制するため、不純物の含有量が少ない方が好ましい。また、絶縁膜103から酸化物半導体104へと酸素が移動することにより酸化物半導体104中の酸素欠損を補填することができるため、絶縁膜103の酸素含有量は化学量論的組成以上であることが好ましい。
<酸化物半導体>
酸化物半導体104は、Inと、Znと、M(Mは、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、Sn、MgまたはHfを表す)と、を有する。代表的には、酸化物半導体104は、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物、In−M−Zn酸化物を用いることができる。特に酸化物半導体104としては、In−M−Zn酸化物を用いると好ましい。
酸化物半導体104としてIn−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M(InはM以上)、Zn≧M(ZnはM以上)を満たすことが好ましい。このような金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1が好ましい。なお、酸化物半導体104の原子数比は用いるスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%までを含む。例えば、スパッタリングターゲットとして、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:4.1を用いる場合、成膜された酸化物半導体104の原子数比は、約In:Ga:Zn=4:2:3となる場合がある。
酸化物半導体104は、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。エネルギーギャップの広い酸化物半導体を用いることで、トランジスタ100のオフ電流を低減することができる。
酸化物半導体104の厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上50nm以下とする。
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧など)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの電気特性を得るために、酸化物半導体104のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度などを適切なものとすることが好ましい。
なお、酸化物半導体104として、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い酸化物半導体を用いることで、優れた電気特性を有するトランジスタを作製することができ好ましい。ここでは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い(酸素欠損の少ない)ことを高純度真性とよぶ。高純度真性である酸化物半導体は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。したがって、該酸化物半導体にチャネル領域が形成されるトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になりにくい。また、高純度真性である酸化物半導体は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。また、高純度真性である酸化物半導体を含むトランジスタはオフ電流が著しく小さく、チャネル幅が1×10μmでチャネル長が10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧ともいう)が1V以上10V以下の範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、即ち1×10−13A以下という特性を得ることができる。
または、酸化物半導体に不純物が含まれるとトラップ準位が形成され、ここに捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞う。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる。
不純物としては、水素、14族元素、窒素、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属などが挙げられる。酸化物半導体104に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になると共に、酸素が脱離した格子に酸素欠損を形成する。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。したがって、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体104は水素ができる限り低減されていることが好ましい。具体的には、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析により得られる水素濃度を、2×1020atoms/cm以下、好ましくは5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1019atoms/cm以下、5×1018atoms/cm以下、好ましくは1×1018atoms/cm以下、より好ましくは5×1017atoms/cm以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm以下とする。
酸化物半導体104に第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸素欠損に起因してn型化してしまう。このため、酸化物半導体104中および表面におけるシリコンや炭素の濃度(SIMS分析により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。
アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、酸化物半導体104のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。具体的には、SIMS分析により得られるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。
酸化物半導体104に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。したがって、窒素はできる限り低減されていることが好ましい、例えば、SIMS分析により得られる窒素濃度は、5×1018atoms/cm以下にすることが好ましい。
<酸化物半導体の結晶構造>
以下では、酸化物半導体の結晶構造について説明する。
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体とに分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶酸化物半導体、微結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous like Oxide Semiconductor)、非晶質酸化物半導体などがある。
また別の観点では、酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体と、それ以外の結晶性酸化物半導体とに分けられる。結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体、nc−OSなどがある。
非晶質構造の定義としては、一般に、準安定状態あること、等方的であって不均質構造を持たないことなどが知られている。また、多様な結合角度を取ることができ、短距離秩序性は有するが、長距離秩序性を有さない構造と言い換えることもできる。
逆の見方をすると、本質的に安定な酸化物半導体の場合、完全な非晶質(completely amorphous)酸化物半導体と呼ぶことは難しい。また、等方的でない(例えば、微小な領域において周期構造を有する)酸化物半導体を、完全な非晶質酸化物半導体と呼ぶことは難しい。ただし、a−like OSは、微小な領域において周期構造やボイド(鬆)を有し、不安定な構造である。そのため、物性的には非晶質酸化物半導体に近いといえる。
<CAAC−OS>
CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部(ペレットともいう。)を有する酸化物半導体の一つである。
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OSの明視野像と回折パターンとの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察すると、複数のペレットを確認することができるが、ペレット同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を明確に確認することは難しい。そのため、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
以下では、球面収差補正(Cs補正:Spherical Aberration Corrector)機能を用いた高分解能TEM(Cs補正高分解能TEM)によって観察したCAAC−OSについて説明する。図8(A)に、試料面と略平行な方向から観察したCAAC−OSの断面のCs補正高分解能TEM像を示す。Cs補正高分解能TEM像の観察は、例えば、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fなどによって行うことができる。
図8(A)の領域(1)を拡大したCs補正高分解能TEM像を図8(B)に示す。図8(B)より、CAAC−OSはペレット内において特徴的な原子配列を有しており、金属原子が層状に配列していることが確認できる。金属原子の各層の配列は、CAAC−OSの膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映しており、CAAC−OSの被形成面または上面と平行となる。
図8(C)は原子配列を補助線で示したものである。図8(B)および図8(C)より、ペレット一つの大きさは1nm以上のものや、3nm以上のものがあり、ペレットとペレットとの傾きにより生じる隙間の大きさは0.8nm程度であることがわかる。したがって、ペレットを、ナノ結晶(nc:nanocrystal)と呼ぶこともできる。また、CAAC−OSを、CANC(C−Axis Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
Cs補正高分解能TEM像をもとに、基板5120上のCAAC−OSのペレット5100の配置を模式的に示すと、レンガまたはブロックが積み重なったような構造となる(図8(D)参照。)。図8(C)で観察されたペレットとペレットとの間で傾きが生じている箇所は、図8(D)に示す領域5161に相当する。
また、図9(A)に、試料面と略垂直な方向から観察したCAAC−OSのCs補正高分解能TEM像を示す。図9(A)の領域(1)、領域(2)および領域(3)を拡大したCs補正高分解能TEM像を、それぞれ図9(B)、図9(C)および図9(D)に示す。図9(B)、図9(C)および図9(D)より、ペレットは、金属原子が三角形状、四角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なるペレット間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
次に、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、図10(A)に示すように回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OSの結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。
なお、CAAC−OSのout−of−plane法による構造解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。より好ましいCAAC−OSは、out−of−plane法による構造解析では、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さない。
一方、CAAC−OSに対し、c軸に略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による構造解析を行うと、2θが56°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。CAAC−OSの場合は、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行っても、図10(B)に示すように明瞭なピークは現れない。これに対し、InGaZnOの単結晶酸化物半導体であれば、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合、図10(C)に示すように(110)面となど価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。したがって、XRDを用いた構造解析から、CAAC−OSは、a軸およびb軸の配向が不規則であることが確認できる。
次に、電子回折によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OSに対し、試料面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、図11(A)に示すような回折パターン(制限視野透過電子回折パターンともいう。)が現れる場合がある。この回折パターンには、InGaZnOの結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットがc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させたときの回折パターンを図11(B)に示す。図11(B)より、リング状の回折パターンが確認される。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットのa軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。なお、図11(B)における第1リングは、InGaZnOの結晶の(010)面および(100)面などに起因する。また、図11(B)における第2リングは(110)面などに起因する。
上述したように、CAAC−OSは結晶性の高い酸化物半導体である。酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、逆の見方をするとCAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。
なお、不純物は、酸化物半導体の主成分以外の元素で、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などがある。例えば、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。
酸化物半導体が不純物や欠陥を有する場合、光や熱などによって特性が変動する場合がある。例えば、酸化物半導体に含まれる不純物は、キャリアトラップとなる場合や、キャリア発生源となる場合がある。また、酸化物半導体中の酸素欠損は、キャリアトラップとなる場合や、水素を捕獲することによってキャリア発生源となる場合がある。
<nc−OS>
nc−OSは、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することが難しい領域とを有する。nc−OSに含まれる結晶部は、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の大きさであることが多い。なお、結晶部の大きさが10nmより大きく100nm以下である酸化物半導体を微結晶酸化物半導体と呼ぶことがある。nc−OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認することが難しい場合がある。なお、結晶部は、CAAC−OSにおけるペレットと起源を同じくする可能性がある。そのため、以下ではnc−OSの結晶部をペレットと呼ぶ。
nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OSに対し、ペレットよりも大きい径のX線を用いた場合、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークは検出されない。また、nc−OSに対し、ペレットよりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子回折を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OSに対し、ペレットの大きさと近いかペレットより小さいプローブ径の電子線を用いるナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測される。また、nc−OSに対しナノビーム電子回折を行うと、円を描くように(リング状に)回折パターンが観測される場合がある。さらに、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合がある。
このように、ペレット間では結晶方位が規則性を有さないことから、nc−OSを、RANC(Randomly Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体、またはNANC(Non−Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため、nc−OSは、a−like OSや非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OSは、CAAC−OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
<a−like OS>
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。
a−like OSは、高分解能TEM像においてボイドが観察される場合がある。また、高分解能TEM像において、明確に結晶部を確認することのできる領域と、結晶部を確認することのできない領域とを有する。
ボイドを有するため、a−like OSは、不安定な構造である。これは以下に述べるように、CAAC−OSおよびnc−OSと比べてa−like OSが電子照射によって構造変化を引き起こすことから結論付けられる。
まず、結晶部の大きさを高分解能断面TEM像によって求める。具体的には、In−Ga−Zn酸化物のa−like OS(試料A)、nc−OS(試料B)およびCAAC−OS(試料C)の高分解能断面TEM観察を行い、結晶部を有することを確認する。
その後、結晶部の大きさを以下の手法によって見積もる。InGaZnOの結晶の単位格子は、In−O層を3層、Ga−Zn−O層を6層、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有することが知られている。これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。したがって、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所を、InGaZnOの結晶部と見なす。なお、格子縞は、InGaZnOの結晶のa−b面に対応する。そして、格子縞の長さを結晶部の大きさとして評価する。
図12は、各試料の結晶部(22箇所から45箇所)の平均の大きさを見積もった例である。図12より、a−like OSは、電子の累積照射量に応じて結晶部が大きくなっていくことがわかる。具体的には、図12中に(1)で示すように、TEMによる観察初期においては1.2nm程度の大きさだった結晶部(初期核)が、累積照射量が4.2×10/nmにおいては2.6nm程度の大きさまで成長していることがわかる。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射開始時から電子の累積照射量が4.2×10/nmまでの範囲で、結晶部の大きさに変化が見られないことがわかる。具体的には、図12中の(2)および(3)で示すように、電子の累積照射量によらず、nc−OSおよびCAAC−OSの結晶部の大きさは、それぞれ1.4nm程度および2.1nm程度であることがわかる。
このように、a−like OSは、電子照射によって結晶部の成長が生じる。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射による結晶部の成長がほとんど見られないことがわかる。即ち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、不安定な構造であることがわかる。
<結晶の密度>
単結晶酸化物半導体と比較すると、非単結晶酸化物半導体の密度は低い。また、ボイドを有するため、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて密度の低い構造である。具体的には、a−like OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の78.6%以上92.3%未満となる。また、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の92.3%以上100%未満となる。単結晶の密度の78%未満となる酸化物半導体は、成膜すること自体が困難である。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnOの密度は6.357g/cmとなる。よって、これと同じ組成のa−like OSの密度は5.0g/cm以上5.9g/cm未満、nc−OSおよびCAAC−OSの密度は5.9g/cm以上6.3g/cm未満となる。
このように、非単結晶酸化物半導体の密度は、対応する単結晶酸化物半導体の実測値から予想することができるが、同じ組成の単結晶が存在しない場合、組成の異なる単結晶の密度を用い、求める非単結晶酸化物半導体の組成となるように加重平均することで見積もることができる。ただし、可能な限り少ない種類の単結晶を組み合わせて見積もることが好ましい。
<導電膜>
導電膜105a、導電膜105b、および導電膜107としては、クロム(Cr)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)から選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金や化合物(窒化物など)などを用いてそれぞれ形成することができる。例えば導電膜105a、105b、107には、Cu−X合金膜(Xは、Mn、Ni、Cr、Fe、Co、Mo、TaまたはTi)を適用してもよい。Cu−X合金膜を用いることで、ウエットエッチングプロセスで加工できるため、製造コストを抑制することが可能となる。
導電膜105a、105b、107は、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造などが挙げられる。
<ゲート絶縁膜>
トランジスタ100のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜106としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD:Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法やスパッタリング法などにより形成した酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜および酸化ネオジム膜を一種以上含む絶縁層を用いることができる。なお、絶縁膜106の単層構造とせずに、上述の材料から膜を2層、または3層積層して形成してもよい。
<保護絶縁膜>
上述したように、絶縁膜108は、大気中の有機物や金属、水蒸気などの混入を防ぐという、保護絶縁膜としての機能を有する。絶縁膜108は、酸素を透過することのできる絶縁膜である。
絶縁膜108としては、アルミニウムの他、少なくとも酸素または窒素のうち1つを有する材料、例えば酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどが挙げられる。または、酸素の他、少なくともインジウム、ガリウムまたは亜鉛のうち1つを有する材料、例えば酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛、In−Ga−Zn酸化物などの金属酸化物を用いることができる。絶縁膜108は任意の膜厚を取ることが可能であるが、1nm以上20nm以下、または1nm以上5nm以下が好ましい。なお、絶縁膜108の膜質および材料により、好ましい膜厚が変化する場合がある。
なお、上記記載の、導電膜、絶縁膜、酸化物半導体などの形成方法は後述する。
<半導体装置の作製方法>
次に、本発明の一態様の半導体装置であるトランジスタ100の作製方法について、図2乃至図7を用いて説明する。なお、図2乃至図7は、半導体装置の作製方法を説明する上面図および断面図である。
まず、基板101上に絶縁膜103を形成する。
次に、絶縁膜103上に酸化物半導体を形成し、該酸化物半導体上にリソグラフィ工程によりマスクを形成し、該酸化物半導体を所望の形状に加工することで島状の酸化物半導体104を形成する(図2参照)。
本実施の形態では、In−Ga−Zn金属酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=1:1:1.2(原子数比))を用いて、スパッタリング法により酸化物半導体104を成膜する。なお、酸化物半導体104の成膜法はスパッタリング法に限定されず、CVD法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、塗布法、印刷法などとしてもよい。
スパッタリング法で酸化物半導体を形成する場合、成膜前に、スパッタリング装置のチャンバーを、酸化物半導体104にとって不純物となる水などを除去するための吸着式の真空排気ポンプ(クライオポンプなど)を用いて、高真空排気(5×10−7Pa乃至1×10−4Pa程度まで)することが好ましい。または、ターボ分子ポンプとコールドトラップを組み合わせて排気系からチャンバー内に気体、特に炭素または水素を含む気体が逆流しないようにしておくことが好ましい。
スパッタリングガスには、希ガス(代表的にはアルゴン)、酸素、または希ガスおよび酸素の混合ガスが適宜用いられる。なお、混合ガスの場合、希ガスに対して酸素のガス比が高いことが好ましい。また、スパッタリングガスを高純度化することが好ましい。例えば、スパッタリングガスとして用いる酸素ガスやアルゴンガスは、露点が−60℃以下、好ましくは−100℃以下にまで高純度化したガスを用いることで酸化物半導体104に水分などが取り込まれることを効果的に防ぐことができる。
成膜後、150℃以上基板の歪み点未満、好ましくは200℃以上450℃以下、さらに好ましくは300℃以上450℃以下の加熱処理(第1の加熱)を行ってもよい。ここでの加熱処理は、酸化物半導体の高純度化処理の一つであり、酸化物半導体104に含まれる水素、水などを低減することができる。
酸化物半導体104への加熱処理は、ガスベーク炉、電気炉、RTA(Rapid Thermal Annealing)装置などを用いることができる。RTA装置を用いることで、短時間に基板の歪み点以上の温度で熱処理を行うことができる。そのため、加熱時間を短縮することが可能となる。
酸化物半導体104への加熱処理は、窒素ガス、酸素ガス、超乾燥空気(Clean Dry Air:CDAともいう。CDAとは、水の含有量が20ppm以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気である。)、または希ガス(アルゴン、ヘリウムなど)の雰囲気下で行えばよい。なお、上記窒素ガス、酸素ガス、CDA、または希ガスに水素、水などが含まれないことが好ましい。
例えば、上記窒素ガス、酸素ガス、CDAまたは希ガスの純度を高めると好ましい。具体的には、窒素ガス、酸素ガス、CDAまたは希ガスの純度を、6N(99.9999%)、好ましくは7N(99.99999%)とすればよい。また、窒素ガス、酸素ガス、CDAまたは希ガスの露点が−60℃以下、好ましくは−100℃以下にまで高純度化したガスを用いることで酸化物半導体104に水分などが取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。
また、酸化物半導体104を窒素または希ガス雰囲気で加熱処理した後、酸素ガスを有する雰囲気、例えば窒素ガスと酸素ガスとの混合ガス、酸素ガス、またはCDAで加熱(第2の加熱)してもよい。この結果、酸化物半導体104中に含まれる水素、水などを脱離させると共に、酸化物半導体104中に酸素を供給することができる。この結果、酸化物半導体104中に含まれる酸素欠損量を低減することができる。
また、必要に応じて、第2の加熱時間を第1の加熱時間よりも長く、例えば、1時間以上10時間以下としてもよい。これにより、酸化物半導体104に形成された酸素欠損を好適に補填することが可能となる。
次に、酸化物半導体104上にソース電極およびドレイン電極として機能する導電膜105a、105bを形成する(図3参照)。
本実施の形態では、導電膜105a、105bとして、例えば厚さ150nmのタングステン膜をスパッタリング法により成膜し、該タングステン膜上にリソグラフィ工程によりマスクを形成し、該タングステン膜を所望の形状に加工することで、導電膜105a、105bを形成する。なお、導電膜105a、105bの成膜法はスパッタリング法に限定されず、CVD法、ALD法、真空蒸着法、PLD法、塗布法、印刷法などとしてもよい。なお、本実施の形態においては、導電膜105a、105bをタングステン単層としたが、これに限定されない。例えば、導電膜105a、105bとして、厚さ150nmのチタン膜と、厚さ400nmのアルミニウム膜の2層構造としてもよいし、3層以上としてもよい。
また、導電膜105a、105bを形成後に、酸化物半導体104の表面を洗浄してもよい。該洗浄方法としては、例えば、リン酸溶液などを用いた洗浄が挙げられる。これにより、酸化物半導体104の表面に付着した不純物(例えば、導電膜105a、105bに含まれる元素など。)を除去することができる。
なお、導電膜105a、105bの形成工程、および/または上記洗浄工程において、酸化物半導体104の一部に凹部が形成される場合がある。
次に、酸化物半導体104および導電膜105a、105b上に絶縁膜を形成し、該絶縁膜上に導電膜を形成し、該導電膜をリソグラフィおよびエッチング工程を行い加工して、ゲート電極として機能する導電膜107を形成する。そして、導電膜107の下に位置する絶縁膜をリソグラフィおよびエッチング工程により加工して、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜106を形成する(図4参照)。
次に、導電膜105a、導電膜105b、および導電膜107上に、保護絶縁膜として機能する絶縁膜108を形成する(図5参照)。
本実施の形態においては、絶縁膜108として、例えばターゲットに酸化アルミニウムを用いてスパッタリング法にて例えば3nmの酸化アルミニウム膜を成膜する。なお、絶縁膜108の膜厚は3nmに限定されないが、絶縁膜108は薄すぎると酸素が大気中に脱離し、厚すぎると絶縁膜108に添加した酸素の、酸化物半導体104中への移動が困難となるため、膜厚は1nm以上20nm以下、または1nm以上5nm以下が好ましい。なお、絶縁膜108の膜質および材料により、好ましい膜厚が変化する場合がある。
絶縁膜108の成膜条件として、アルゴンガスの他酸素ガスを処理チャンバー内に供給することで、絶縁膜108中における酸素含有量が化学量論的組成よりも多くすることができ好ましい。また、処理チャンバー内に供給するアルゴンガスと酸素ガスの流量を変えることで絶縁膜108中における酸素含有量を変化させることができる。
なお、絶縁膜108の成膜法はスパッタリング法に限定されず、ALD法としてもよい。他にも、CVD法、真空蒸着法、PLD法、塗布法、印刷法などとしてもよい。
導電膜、絶縁膜、酸化物半導体などの形成方法の1つである熱CVD法およびALD法について以下に詳述する。
熱CVD法は、原料ガスと酸化剤を同時にチャンバー内に送り、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、基板近傍で原料ガスと酸化剤を反応させて成膜を行う方法である。
熱CVD法は、プラズマを使わない成膜方法のため、プラズマダメージにより欠陥が生成されないという利点を有する。熱CVD法の例として有機金属気相堆積法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法が挙げられる。
ALD法は、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、反応のための原料ガスを順次にチャンバーに導入して反応させ、これを繰り返すことで成膜を行う。例えば、スイッチングバルブ(高速バルブとも呼ぶ)を用い、これを切り替えて2種類以上の原料ガスを順番にチャンバーに供給してもよい。不活性ガス(アルゴン、或いは窒素など)をキャリアガスとして原料ガスと同時にチャンバーに供給してもよい。なお複数種の原料ガスが混ざらないように、第1の原料ガスの導入後に不活性ガスを導入し、第2の原料ガスを導入してもよい。また、不活性ガスを導入する代わりに真空排気によって第1の原料ガスを排出した後、第2の原料ガスを導入してもよい。第1の原料ガスが基板の表面に吸着・反応して第1の層を成膜し、後から導入される第2の原料ガスが第1の層上に吸着・反応して、第2の層が第1の層上に積層されて薄膜が形成される。このガス導入順序を制御しつつ所望の厚さになるまで複数回繰り返すことで、段差被覆性に優れた薄膜を形成することができる。薄膜の厚さは、ガス導入を繰り返す回数によって調節することができるため、精密な膜厚調節が可能であり、微細なFETを作製する場合に適している。
ALD法またはMOCVD法は、上記の導電膜、絶縁膜、酸化物半導体などの形成に用いることができる。例えば、In−Ga−Zn−O膜を成膜する場合には、トリメチルインジウム(In(CH)、トリメチルガリウム(Ga(CH)およびジメチル亜鉛(Zn(CH)を用いることができる。また、これらの組み合わせに限定されず、トリメチルガリウムに代えてトリエチルガリウムGa(C)を用いることもでき、ジメチル亜鉛に代えてジエチル亜鉛(Zn(C)を用いることもできる。
例えば、ALD成膜装置により酸化ハフニウム膜を形成する場合には、溶媒とハフニウム前駆体(ハフニウムアルコキシドや、テトラキスジメチルアミドハフニウム(Hf[N(CH、TDMAH)やテトラキス(エチルメチルアミド)ハフニウムなどのハフニウムアミド)を含む液体を気化させた原料ガスと、酸化剤としてオゾン(O)の2種類のガスを用いる。
ALD成膜装置により酸化アルミニウム膜を形成する場合には、溶媒とアルミニウム前駆体(トリメチルアルミニウム(TMA、Al(CH)など)を含む液体を気化させた原料ガスと、酸化剤としてHOの2種類のガスを用いる。他のアルミニウム前駆体としては、トリス(ジメチルアミド)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、アルミニウムトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)などがある。
ALD成膜装置により酸化シリコン膜を形成する場合には、ヘキサクロロジシランを被成膜面に吸着させ、酸化性ガス(O、一酸化二窒素など)のラジカルを供給して吸着物と反応させる。
ALD成膜装置によりタングステン膜を成膜する場合には、WFガスとBガスを順次導入する。なお、Bガスに代えてSiHガスを用いてもよい。
ALD成膜装置により酸化物半導体膜、例えばIn−Ga−Zn−O膜を成膜する場合には、In(CHガスとOガスを順次導入してIn−O層を形成し、その後、Ga(CHガスとOガスを順次導入してGaO層を形成し、更にその後Zn(CHとOガスを順次導入してZnO層を形成する。なお、これらの層の順番はこの例に限らない。また、これらの材料ガスを混ぜてIn−Ga−O層やIn−Zn−O層、Ga−Zn−O層などの混合化合物層を形成してもよい。なお、Oガスに変えてArなどの不活性ガスで水をバブリングして得られたHOガスを用いてもよいが、Hを含まないOガスを用いる方が好ましい。
絶縁膜108の成膜後、絶縁膜108を通して酸素109を添加する(図6参照)。酸素の添加方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマ処理法などを用いることができる。例えば、プラズマ存在下で絶縁膜108を、加速エネルギーを加えた酸素で処理することによって酸素109を添加する。前述のプラズマ処理法としては、酸素ガスを高周波電力によってプラズマ化させる装置を用いると好適である。
絶縁膜108の成膜後に酸素の添加を行うと、酸素を添加する際は加速エネルギーを加えているため酸素が絶縁膜108を透過するが、添加後は絶縁膜108を透過しない。したがって、添加した酸素の大気中への脱離を抑制することができる。また、導電膜105a、105bおよび107の酸化および絶縁膜106へのダメージを抑制することができる。
また、酸素の添加を、例えばプラズマ処理法の場合、基板温度を200℃以上400℃以下、好ましくは300℃以上370℃以下として酸素を添加すると、絶縁膜108への酸素添加と同時に絶縁膜103に酸素109を移動させ、その後、絶縁膜103から酸化物半導体104へ酸素109を移動させることができる(図7参照)。それにより、酸素添加後に加熱処理を行わずとも酸素を酸化物半導体中に移動させることができる。
図13を用いてプラズマ処理法について説明する。基板110と対向する電極111aと、基板110側の電極111bの間に酸素ガスを流し、電極111aに交流電圧112aを印加すると電極111aと電極111bの間の酸素分子がイオン化され、電子が放出されることによりプラズマ113が発生する。電極111aのみに電源を印加すると、電極111a表面に電子がたまることにより酸素イオンが電極111a表面付近に集中し、基板に向かって移動しない。そこで、基板側の電極111bに交流電圧112bを印加することにより、酸素イオンが基板側に向かって引きつけられ、交流電圧112bを印加しない場合より基板へのイオンの添加量を増加させることができる。
交流電圧112bの周波数は任意の値を取ることが可能であるが、周波数が低すぎると基板へのダメージが大きく、高すぎると酸素イオンを基板へ引きつける力が弱くなり酸素添加量が少なくなるので、100kHz以上13.56MHz以下とするのが好ましく、300kHz以上500kHz以下とするのがより好ましい。
なお、昇温脱離ガス分析法(TDS:Thermal Desorption Spectroscopy)を用いて絶縁膜を測定することで、酸素の放出量を測定することができる。例えば、絶縁膜103をTDSにおいて測定した場合、酸素分子の放出量が8.0×1014個/cm以上であることが好ましい。なお、TDSにおける被測定物の表面温度は、100℃以上700℃以下、好ましくは100℃以上500℃以下である。
以上に示した方法などによって、図1に示すトランジスタ100を作製することができる。この方法により、本実施の形態におけるトランジスタ100の酸化物半導体104の酸素欠損を補填することができるため、トランジスタの電気特性を向上させることができる。
なお、本実施の形態におけるトランジスタは、酸化物半導体の上面と、ソース電極およびドレイン電極と、が接する構造(トップコンタクト型ともいう。)について示したが、これに限られない。例えば、酸化物半導体の下面と、ソース電極およびドレイン電極と、が接する構造(ボトムコンタクト型ともいう。)のトランジスタとしてもよい。
また、本実施の形態におけるトランジスタは、ゲート電極と、ソース電極およびドレイン電極と、が一部重畳する構造を示したが、これに限らない。例えば、ゲート電極と、ソース電極およびドレイン電極と、が重畳しない構造としてもよい。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。つまり、本実施の形態および他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様として、トランジスタのチャネル形成領域、ソースドレイン領域などが、酸化物半導体を有する場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様における様々なトランジスタ、トランジスタのチャネル形成領域、または、トランジスタのソースドレイン領域などは、様々な半導体を有していてもよい。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様における様々なトランジスタ、トランジスタのチャネル形成領域、または、トランジスタのソースドレイン領域などは、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム、または、有機半導体などの少なくとも一つを有していてもよい。または例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様における様々なトランジスタ、トランジスタのチャネル形成領域、または、トランジスタのソースドレイン領域などは、酸化物半導体を有していなくてもよい。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置およびその作製方法について、図14乃至図20を参照して説明する。本実施の形態における半導体装置は、実施の形態1の半導体装置と、酸化物半導体204bの下部に絶縁膜204aを、酸化物半導体204bの上部に絶縁膜204cを形成している点で異なる。
<半導体装置の構成例>
図14(A)は、本発明の一態様に係る半導体装置であるトランジスタ200の上面図であり、図14(B)は、図14(A)に示す鎖線X1−X2間における断面図であり、図14(C)は、図14(A)に示す鎖線Y1−Y2間における断面図である。トランジスタ200は、基板201上の絶縁膜203と、絶縁膜203上の絶縁膜204aと、絶縁膜204a上の酸化物半導体204bと、絶縁膜203および酸化物半導体204b上の、それぞれソース電極、ドレイン電極として機能する導電膜205a、205bと、酸化物半導体204b、導電膜205aおよび導電膜205b上の絶縁膜204cと、絶縁膜204c上の、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜206と、絶縁膜206上の、ゲート電極として機能する導電膜207と、導電膜205a、導電膜205bおよび導電膜207上の絶縁膜208と、を有する。
以下に、絶縁膜204a、酸化物半導体204bおよび絶縁膜204cについて詳細に説明する。なお、絶縁膜204a、酸化物半導体204bおよび絶縁膜204c以外の構成要素は実施の形態1と同一とする。なお、絶縁膜204aおよび絶縁膜204cの絶縁膜は、酸化物半導体と読み替えることができる場合がある。
<酸化物半導体>
酸化物半導体204bの上下に絶縁膜204aおよび絶縁膜204cを配置することで、トランジスタの電気特性を向上させることができる場合がある。
酸化物半導体204bは、例えば、インジウムを含む酸化物半導体である。酸化物半導体204bは、例えば、インジウムを含むと、キャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、酸化物半導体204bは、元素Mを含むと好ましい。元素Mは、好ましくは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、マグネシウム、タングステンなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。元素Mは、例えば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。例えば、酸素との結合エネルギーがインジウムよりも高い元素である。または、元素Mは、例えば、酸化物半導体のエネルギーギャップを大きくする機能を有する元素である。また、酸化物半導体204bは、亜鉛を含むと好ましい。酸化物半導体は、亜鉛を含むと結晶化しやすくなる場合がある。
ただし、酸化物半導体204bは、インジウムを含む酸化物半導体に限定されない。酸化物半導体204bは、例えば、亜鉛スズ酸化物、ガリウムスズ酸化物などの、インジウムを含まず、亜鉛を含む酸化物半導体、ガリウムを含む酸化物半導体、スズを含む酸化物半導体などであっても構わない。
酸化物半導体204bは、例えば、エネルギーギャップが大きい酸化物を用いる。酸化物半導体204bのエネルギーギャップは、例えば、2.5eV以上4.2eV以下、好ましくは2.8eV以上3.8eV以下、さらに好ましくは3eV以上3.5eV以下とする。
例えば、絶縁膜204aおよび絶縁膜204cは、酸化物半導体204bを構成する酸素以外の元素一種以上、または二種以上から構成される酸化物半導体である。酸化物半導体204bを構成する酸素以外の元素一種以上、または二種以上から絶縁膜204aおよび絶縁膜204cが構成されるため、絶縁膜204aと酸化物半導体204bとの界面、酸化物半導体204bと絶縁膜204cとの界面において、欠陥準位が形成されにくい。
絶縁膜204a、酸化物半導体204bおよび絶縁膜204cは、少なくともインジウムを含むと好ましい。なお、絶縁膜204cは、絶縁膜204aと同種の酸化物を用いても構わない。ただし、絶縁膜204aまたは/および絶縁膜204cがインジウムを含まなくても構わない場合がある。例えば、絶縁膜204aまたは/および絶縁膜204cが酸化ガリウムであっても構わない。なお、絶縁膜204a、酸化物半導体204bおよび絶縁膜204cに含まれる各元素の原子数が、簡単な整数比にならなくても構わない。
酸化物半導体204bは、絶縁膜204aおよび絶縁膜204cよりも電子親和力の大きい酸化物を用いる。例えば、酸化物半導体204bとして、絶縁膜204aおよび絶縁膜204cより電子親和力が0.07eV以上1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上0.7eV以下、さらに好ましくは0.15eV以上0.4eV以下大きい酸化物を用いる。なお、電子親和力は、真空準位と伝導帯下端とのエネルギー差である。
なお、インジウムガリウム酸化物は、小さい電子親和力と、高い酸素ブロック性を有する。そのため、絶縁膜204cがインジウムガリウム酸化物を含むと好ましい。ガリウム原子割合[Ga/(In+Ga)]は、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上とする。
このように、酸化物半導体204bの上下に絶縁膜204aおよび絶縁膜204cを配置したトランジスタにおいて、ゲート電圧を印加すると、絶縁膜204a、酸化物半導体204b、絶縁膜204cのうち、電子親和力の大きい酸化物半導体204bにチャネルが形成される。
ここで、絶縁膜204aと酸化物半導体204bとの間には、絶縁膜204aと酸化物半導体204bとの混合領域を有する場合がある。また、酸化物半導体204bと絶縁膜204cとの間には、酸化物半導体204bと絶縁膜204cとの混合領域を有する場合がある。混合領域は、欠陥準位密度が低くなる。そのため、絶縁膜204a、酸化物半導体204bおよび絶縁膜204cの積層体は、それぞれの界面近傍において、エネルギーが連続的に変化する(連続接合ともいう。)バンド図となる(図15参照。)。なお、絶縁膜204a、酸化物半導体204bおよび絶縁膜204cは、それぞれの界面を明確に判別することが難しい場合がある。
このとき、電子は絶縁膜204a中および絶縁膜204c中ではなく、酸化物半導体204b中を主として移動する。上述したように、絶縁膜204aと酸化物半導体204bとの界面における欠陥準位密度、および酸化物半導体204bと絶縁膜204cとの界面における欠陥準位密度を低くすることによって、酸化物半導体204b中で電子の移動が阻害されることが少なく、トランジスタのオン電流を高くすることができる。
トランジスタのオン電流は、電子の移動を阻害する要因を低減するほど、高くすることができる。例えば、電子の移動を阻害する要因のない場合、効率よく電子が移動すると推定される。電子の移動は、例えば、チャネル形成領域の物理的な凹凸が大きい場合にも阻害される。
トランジスタのオン電流を高くするためには、例えば、酸化物半導体204bの上面または下面(被形成面、ここでは絶縁膜204a)の、1μm×1μmの範囲における二乗平均平方根(RMS:Root Mean Square)粗さが1nm未満、好ましくは0.6nm未満、さらに好ましくは0.5nm未満、より好ましくは0.4nm未満とすればよい。また、1μm×1μmの範囲における平均面粗さ(Raともいう。)が1nm未満、好ましくは0.6nm未満、さらに好ましくは0.5nm未満、より好ましくは0.4nm未満とすればよい。また、1μm×1μmの範囲における最大高低差(P−Vともいう。)が10nm未満、好ましくは9nm未満、さらに好ましくは8nm未満、より好ましくは7nm未満とすればよい。RMS粗さ、RaおよびP−Vは、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製走査型プローブ顕微鏡システムSPA−500などを用いて測定することができる。
また、トランジスタのオン電流を高くするためには、絶縁膜204cの厚さは小さいほど好ましい。例えば、10nm未満、好ましくは5nm以下、さらに好ましくは3nm以下の領域を有する絶縁膜204cとすればよい。一方、絶縁膜204cは、チャネルの形成される酸化物半導体204bへ、絶縁膜206などの隣接する絶縁膜を構成する酸素以外の元素(水素、シリコンなど)が入り込まないようブロックする機能を有する。そのため、絶縁膜204cは、ある程度の厚さを有することが好ましい。例えば、0.3nm以上、好ましくは1nm以上、さらに好ましくは2nm以上の厚さの領域を有する絶縁膜204cとすればよい。また、絶縁膜204cは、絶縁膜203などから放出される酸素の外方拡散を抑制するために、酸素をブロックする性質を有すると好ましい。
また、信頼性を高くするためには、絶縁膜204aは厚く、絶縁膜204cは薄いことが好ましい。例えば、10nm以上、好ましくは20nm以上、さらに好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上の厚さの領域を有する絶縁膜204aとすればよい。絶縁膜204aの厚さを厚くすることで、隣接する絶縁膜203と絶縁膜204aとの界面から、チャネルの形成される酸化物半導体204bまでの距離を離すことができる。ただし、半導体装置の生産性が低下する場合があるため、例えば200nm以下、好ましくは120nm以下、さらに好ましくは80nm以下の厚さの領域を有する絶縁膜204aとすればよい。
酸化物半導体204bと絶縁膜204aとの間に、例えば、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)において、1×1016atoms/cm以上1×1019atoms/cm以下、好ましくは1×1016atoms/cm以上5×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm以上2×1018atoms/cm以下のシリコン濃度となる領域を有する。また、酸化物半導体204bと絶縁膜204cとの間に、SIMSにおいて、1×1016atoms/cm以上1×1019atoms/cm以下、好ましくは1×1016atoms/cm以上5×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm以上2×1018atoms/cm以下のシリコン濃度となる領域を有する。
また、酸化物半導体204bの水素濃度を低減するために、絶縁膜204aおよび絶縁膜204cの水素濃度を低減すると好ましい。絶縁膜204aおよび絶縁膜204cは、SIMSにおいて、1×1016atoms/cm以上2×1020atoms/cm以下、好ましくは1×1016atoms/cm以上5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1016atoms/cm以上1×1019atoms/cm以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm以上5×1018atoms/cm以下の水素濃度となる領域を有する。また、酸化物半導体204bの窒素濃度を低減するために、絶縁膜204aおよび絶縁膜204cの窒素濃度を低減すると好ましい。絶縁膜204aおよび絶縁膜204cは、SIMSにおいて、1×1015atoms/cm以上5×1019atoms/cm以下、好ましくは1×1015atoms/cm以上5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1015atoms/cm以上1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは1×1015atoms/cm以上5×1017atoms/cm以下の窒素濃度となる領域を有する。
上述の絶縁膜204a、酸化物半導体204bおよび絶縁膜204cの3層構造は一例である。例えば、絶縁膜204aまたは絶縁膜204cのない2層構造としても構わない。または、絶縁膜204aの上もしくは下、または絶縁膜204cの上もしくは下に、絶縁膜204a、酸化物半導体204bおよび絶縁膜204cとして例示した半導体のいずれか一を有する4層構造としても構わない。または、絶縁膜204aの上または下、絶縁膜204cの上または下のいずれか二箇所以上に、絶縁膜204a、酸化物半導体204bおよび絶縁膜204cとして例示した半導体のいずれか一を有するn層構造(nは5以上の整数)としても構わない。
また、図16に示すように、導電膜205aおよび205bを、絶縁膜204aの側面および酸化物半導体204bの側面に接触させない構造とすることもできる。この場合、酸化物半導体204bと導電膜207の接触面積が増加するので、スイッチング特性を向上させることができる。
<半導体装置の作製方法>
次に、本発明の一態様の半導体装置であるトランジスタ200の作製方法について、図17乃至図20を用いて説明する。
図17(A)、図18(A)、図19(A)および図20(A)は、本発明の一態様に係るトランジスタ100の作製方法を説明する上面図である。図17(B)、図18(B)、図19(B)および図20(B)は、それぞれ図17(A)、図18(A)、図19(A)および図20(A)に示す鎖線X1−X2間における断面図である。図17(C)、図18(C)、図19(C)および図20(C)は、それぞれ図17(A)、図18(A)、図19(A)および図20(A)に示す鎖線Y1−Y2間における断面図である。
まず、実施の形態1と同様に、下地膜として機能する絶縁膜203を形成する。
次に、絶縁膜204aとなる絶縁膜を、例えばスパッタリング法により成膜する。その後、酸化物半導体204bとなる酸化物半導体を、前述の通り例えばスパッタリング法により成膜する。なお、前述の酸化物半導体の成膜法はスパッタリング法に限定されず、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などでもよい。
なお、絶縁膜204aとなる絶縁膜の成膜と、酸化物半導体204bとなる酸化物半導体の成膜とを大気に暴露することなく連続で行うことで、膜中および界面への不純物の混入を低減することができる。
次に、加熱処理を行うことが好ましい。加熱処理を行うことで、絶縁膜204aとなる絶縁膜および酸化物半導体204bとなる酸化物半導体の水素濃度および酸素欠損を低減させることができる。加熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは450℃以上600℃以下、さらに好ましくは520℃以上570℃以下で行えばよい。加熱処理は、不活性ガス雰囲気、または酸素ガスを10ppm以上、1%以上もしくは10%以上含む雰囲気で行う。加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸素ガスを10ppm以上、1%以上または10%以上含む雰囲気で加熱処理を行ってもよい。加熱処理によって、絶縁膜204aとなる酸化物半導体および酸化物半導体204bとなる酸化物半導体の結晶性を高めることや、水素や水などの不純物を除去することなどができる。
次に、酸化物半導体204bとなる酸化物半導体上にレジストなどを形成し、該レジストを用いて加工し、絶縁膜204aおよび酸化物半導体204bを形成する(図17(A)、(B)および(C)参照。)。
次に、例えばスパッタリング法により導電膜を成膜する。その後、導電膜上にレジストなどを形成し、該レジストを用いて加工し、ソース電極およびドレイン電極となる導電膜205aおよび205bを形成する(図18(A)、(B)および(C)参照。)。なお、前述の導電膜の成膜法はスパッタリング法に限定されず、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などでもよい。
次に、絶縁膜204cとなる絶縁膜を、例えばスパッタリング法などにより成膜する。なお、前述の酸化物半導体の成膜法はスパッタリング法に限定されず、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などでもよい。絶縁膜204cとなる絶縁膜の成膜の前に、酸化物半導体204b、導電膜205aおよび導電膜205bの表面をエッチングしてもよい。例えば、希ガスを含むプラズマを用いてエッチングすることができる。その後、大気に暴露することなく連続で酸化物半導体を成膜することにより、絶縁膜204aおよび酸化物半導体204b、導電膜205aおよび205bと、絶縁膜204cとの界面への不純物の混入を低減することができる。膜と膜との界面などに存在する不純物は、膜中の不純物よりも拡散しやすい場合がある。そのため、該不純物の混入を低減することにより、トランジスタに安定した電気特性を付与することができる。
次に、絶縁膜および導電膜を例えばCVD法により成膜し、該導電膜をリソグラフィおよびエッチング工程を行い加工して、ゲート電極として機能する導電膜207を形成する。そして、導電膜207の下に位置する絶縁膜2層をリソグラフィおよびエッチング工程により加工して、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜206と、絶縁膜206の下に位置する絶縁膜204cを形成する(図19(A)、(B)および(C)参照。)。なお、前述の絶縁膜および導電膜の成膜法はCVD法に限定されず、スパッタリング法、MBE法またはPLD法、ALD法などでもよい。
次に、実施の形態1と同様に、ゲート電極として機能する導電膜207および保護絶縁膜として機能する絶縁膜208を形成し、絶縁膜208を通して酸素209を添加する(図20(A)、(B)および(C)参照。)。
以上に示した方法などによって、図14に示すトランジスタ200を作製することができる。この方法により、トランジスタ100の場合と同様に、トランジスタ200の絶縁膜204a、酸化物半導体204bおよび絶縁膜204cの酸素欠損を補填することができるため、トランジスタの電気特性を向上させることができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置およびその作製方法について、図21を参照して説明する。本実施の形態における半導体装置は、基板上にバックゲート電極として機能する導電膜を形成後、下地膜である絶縁膜を形成することにより、後述するs−channel(surrounded channel)構造をとる点が実施の形態1と異なる。
図21(A)は、本発明の一態様に係る半導体装置であるトランジスタ300の上面図であり、図21(B)は、図21(A)に示す鎖線X1−X2間における断面図であり、図21(C)は、図21(A)に示す鎖線Y1−Y2間における断面図である。トランジスタ300は、基板301上の導電膜302と、基板301および導電膜302上の絶縁膜303と、絶縁膜303上の酸化物半導体304と、絶縁膜303および酸化物半導体304上の、それぞれソース電極、ドレイン電極として機能する導電膜305a、導電膜305bと、酸化物半導体304、導電膜305aおよび導電膜305b上の、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜306と、絶縁膜306上のゲート電極として機能する導電膜307と、導電膜305a、導電膜305bおよび導電膜307上の絶縁膜308とを有する。
本実施の形態では、第2のゲート電極(バックゲート電極ともいう)として機能する導電膜302を形成後、絶縁膜303を形成する。絶縁膜303は実施の形態1で述べたような下地膜としての機能の他、導電膜302のゲート絶縁膜としての機能も有する。絶縁膜303形成後の工程は実施の形態1と同様である。
導電膜302としては、導電膜305a、導電膜305b、および導電膜307と同様に、クロム(Cr)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)から選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金や化合物(窒化物など)などを用いてそれぞれ形成することができる。
また、導電膜302は、導電膜305a、導電膜305b、および導電膜307と同様に、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造などが挙げられる。
酸化物半導体304は、第1のゲート電極(フロントゲート電極ともいう)として機能する導電膜307と、第2のゲート電極として機能する導電膜302のそれぞれと対向するように位置し、2つのゲート電極として機能する導電膜に挟まれている。第2のゲート電極として機能する導電膜302のチャネル長方向の長さおよびチャネル幅方向の長さは、酸化物半導体304のチャネル長方向およびチャネル幅方向の長さよりもそれぞれ長く、酸化物半導体304の全体は、絶縁膜303を介して導電膜302に覆われている。
このような構成とすることで、トランジスタ300に含まれる酸化物半導体304を、第1のゲート電極として機能する導電膜307および第2のゲート電極として機能する導電膜302の電界によって電気的に囲むことができる。トランジスタ300のように、第1のゲート電極および第2のゲート電極の電界によって、チャネル領域が形成される酸化物半導体を電気的に囲むトランジスタのデバイス構造をs−channel構造と呼ぶことができる。
トランジスタ300は、s−channel構造を有するため、第1のゲート電極として機能する導電膜307によってチャネルを誘起させるための電界を効果的に酸化物半導体304に印加することができるため、トランジスタ300の電流駆動能力が向上し、高いオン電流特性を得ることが可能となる。
トランジスタがs−channel構造を有する場合、酸化物半導体304の側面にもチャネルが形成される。したがって、酸化物半導体304が厚いほどチャネル形成領域は大きくなる。即ち、トランジスタのオン電流を高くすることができる。また、キャリアの制御性の高い領域の割合が増えるため、サブスレッショルドスイング値を小さくすることができる。
また、オン電流を高くすることが可能であるため、トランジスタ300を微細化することが可能となる。したがって、該トランジスタを有する半導体装置は、集積度の高い、高密度化された半導体装置とすることが可能となる。例えば、トランジスタは、チャネル長が好ましくは40nm以下、さらに好ましくは30nm以下、より好ましくは20nm以下の領域を有し、かつ、トランジスタは、チャネル幅が好ましくは40nm以下、さらに好ましくは30nm以下、より好ましくは20nm以下の領域を有する。
また、トランジスタ300は、第1のゲート電極として機能する導電膜307および第2のゲート電極として機能する導電膜302によって囲まれた構造を有するため、該トランジスタの機械的強度を高めることができる。
なお、本実施の形態におけるトランジスタ300はトップゲート型のトランジスタを示しているが、ボトムゲート構造としてもよい。その場合、導電膜302はフロントゲートとして、導電膜307はバックゲートとして機能する。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。例えば、実施の形態2と本実施の形態を組み合わせ、酸化物半導体を3層構造としてバックゲートを有するトランジスタを作成することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様に係るトランジスタなどを利用した半導体装置の回路の一例について説明する。
<CMOSインバータ>
図22(A)に示す回路図は、pチャネル型のトランジスタ1200とnチャネル型のトランジスタ1100を直列に接続し、かつそれぞれのゲートを接続した、いわゆるCMOSインバータの構成を示している。nチャネル型のトランジスタ1100には、酸化物半導体を有するトランジスタを用いることが好ましい。それによって、CMOSインバータ回路における消費電力を低減させることができる。
<CMOSアナログスイッチ>
また図22(B)に示す回路図は、トランジスタ1100とトランジスタ1200のそれぞれのソースとドレインを接続した構成を示している。このような構成とすることで、いわゆるCMOSアナログスイッチとして機能させることができる。nチャネル型のトランジスタ1100には、酸化物半導体を有するトランジスタを用いることが好ましい。
<半導体装置の構造1>
図23は、図22(A)に対応する半導体装置の断面図である。図23に示す半導体装置は、トランジスタ1200と、トランジスタ1100とを有する。また、トランジスタ1100は、トランジスタ1200の上方に配置する。なお、トランジスタ1100として、図1に示したトランジスタを用いた例を示しているが、本発明の一態様に係る半導体装置は、これに限定されるものではない。例えば、図14または図21に示したトランジスタなどを、トランジスタ1100として用いても構わない。よって、トランジスタ1100については、適宜上述したトランジスタについての記載を参酌する。
図23に示すトランジスタ1200は、半導体基板410を用いたトランジスタである。トランジスタ1200は、半導体基板400中の領域411aおよび411bと、絶縁膜412と、導電膜413とを有する。
トランジスタ1200において、領域411aおよび411bは、ソース領域およびドレイン領域としての機能を有する。また、絶縁膜412は、ゲート絶縁膜としての機能を有する。また、導電膜413は、ゲート電極としての機能を有する。したがって、導電膜413に印加する電位によって、チャネル形成領域の抵抗を制御することができる。即ち、導電膜413に印加する電位によって、領域411aと411bとのの導通・非導通を制御することができる。
半導体基板410としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などを用いればよい。好ましくは、半導体基板410として単結晶シリコン基板を用いる。
半導体基板410は、n型の導電型を付与する不純物を有する半導体基板を用いる。ただし、半導体基板410として、p型の導電型を付与する不純物を有する半導体基板を用いても構わない。その場合、トランジスタ1200となる領域には、n型の導電型を付与する不純物を有するウェルを配置すればよい。または、半導体基板410がi型であっても構わない。
半導体基板410の上面は、(110)面を有することが好ましい。こうすることで、トランジスタ1200のオン特性を向上させることができる。
領域411aおよび領域411bは、p型の導電型を付与する不純物を有する領域である。このようにして、トランジスタ1200はpチャネル型トランジスタを構成する。
なお、トランジスタ1200は、領域414などによって隣接するトランジスタと分離される。領域414は、絶縁性を有する領域である。
図23に示す半導体装置は、絶縁膜415、416、417、424、425,426と、導電膜418a、418b、418c、419a、419b、419c、420a、420b、421a、421b、421c、422a、422b、422c、422d、423a、423b、423cとを有する。
絶縁膜415は、トランジスタ1200上に配置する。また、絶縁膜416は、絶縁膜415上に配置する。また、絶縁膜417は、絶縁膜416上に配置する。また、絶縁膜424は、絶縁膜417上に配置する。また、トランジスタ1100は、絶縁膜424上に配置する。また、絶縁膜425は、トランジスタ1100上に配置する。また、絶縁膜426は、絶縁膜425上に配置する。
絶縁膜415は、領域411aに達する開口部と、領域411bに達する開口部と、導電膜413に達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜418a、418bまたは418cが埋め込まれている。
また、絶縁膜416は、導電膜418aに達する開口部と、導電膜418bに達する開口部と、導電膜418cに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜419a、419bまたは419cが埋め込まれている。
また、絶縁膜417は、導電膜419bに達する開口部と、導電膜419cに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜420aまたは420bが埋め込まれている。
また、絶縁膜424は、トランジスタ1100のチャネル形成領域と重なる開口部と、導電膜420aに達する開口部と、導電膜420bに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜421a、421bまたは421cが埋め込まれている。
導電膜421aは、トランジスタ1100のゲート電極としての機能を有しても構わない。または、例えば、導電膜421aに一定の電位を印加することで、トランジスタ1100のしきい値電圧などの電気特性を制御しても構わない。
また、絶縁膜425は、トランジスタ1100のソース電極またはドレイン電極の一方である導電膜405bを通って、導電膜421bに達する開口部と、トランジスタ1100のソース電極またはドレイン電極の他方である導電膜405aに達する開口部と、トランジスタ1100のゲート電極である導電膜407に達する開口部と、導電膜421cに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜422a、422b、422cまたは422dが埋め込まれている。ただし、それぞれの開口部は、さらにトランジスタ1100などの構成要素のいずれかが有する開口部を介する場合がある。
また、絶縁膜426は、導電膜422aに達する開口部と、導電膜422bおよび導電膜422dに達する開口部と、導電膜422cに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜423a、423bまたは423cが埋め込まれている。
絶縁膜415、416、417、424、425および426としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁膜を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタルを用いればよい。
絶縁膜415、416、417、424、425および426の一以上は、水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁膜を有することが好ましい。トランジスタ1100の近傍に、水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁膜を配置することによって、トランジスタ1100の電気特性を安定にすることができる。
水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁膜としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁膜を、単層で、または積層で用いればよい。
導電膜418a、導電膜418b、導電膜418c、導電膜419a、導電膜419b、導電膜419c、導電膜420a、導電膜420b、導電膜421a、導電膜421b、導電膜421c、導電膜422a、導電膜422b、導電膜422c、導電膜422d、導電膜423a、導電膜423bおよび導電膜423cとしては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタル、白金、ストロンチウム、イリジウムおよびタングステンを一種以上含む導電膜を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、合金や化合物であってもよく、アルミニウムを含む導電膜、銅およびチタンを含む導電膜、銅およびマンガンを含む導電膜、インジウム、スズおよび酸素を含む導電膜、チタンおよび窒素を含む導電膜などを用いてもよい。
なお、図24に示す半導体装置は、図23に示した半導体装置のトランジスタ1200の構造が異なるのみである。よって、図24に示す半導体装置については、図23に示した半導体装置の記載を参酌する。具体的には、図24に示す半導体装置は、トランジスタ1200が、Fin型である場合を示している。トランジスタ1200をFin型とすることにより、実効的なチャネル幅が増大し、それによりトランジスタ1200のオン特性を向上させることができる。また、ゲート電極の電界の寄与を高くすることができるため、トランジスタ1200のオフ特性を向上させることができる。
また、図25に示す半導体装置は、図23に示した半導体装置のトランジスタ1200の構造が異なるのみである。よって、図25に示す半導体装置については、図23に示した半導体装置の記載を参酌する。具体的には、図25に示す半導体装置は、トランジスタ1200がSOI基板である半導体基板410に設けられた場合を示している。図25には、絶縁膜431によって領域435が半導体基板410と分離されている構造を示す。半導体基板410としてSOI基板を用いることによって、パンチスルー現象などを抑制することができるためトランジスタ1200のオフ特性を向上させることができる。なお、絶縁膜431は、半導体基板410を絶縁膜化させることによって形成することができる。例えば、絶縁膜431としては、酸化シリコンを用いることができる。
図23乃至図25に示した半導体装置は、半導体基板を用いてpチャネル型トランジスタを作製し、その上方にnチャネル型トランジスタを作製するため、素子の占有面積を縮小することができる。即ち、半導体装置の集積度を高くすることができる。また、nチャネル型トランジスタと、pチャネル型トランジスタとを同一の半導体基板を用いて作製した場合と比べて、工程を簡略化することができるため、半導体装置の生産性を高くすることができる。また、半導体装置の歩留まりを高くすることができる。また、pチャネル型トランジスタは、LDD(Lightly Doped Drain)領域、シャロートレンチ構造、歪み設計などの複雑な工程を省略できる場合がある。そのため、nチャネル型トランジスタを、半導体基板を用いて作製する場合と比べて、生産性および歩留まりを高くすることができる場合がある。
<記憶装置1>
本発明の一態様に係るトランジスタを用いた、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置(記憶装置)の一例を図26に示す。
図26に示す半導体装置は、第1、第2、第3の半導体を用いたトランジスタ2200、2300および2400と、容量素子2500および2600を有している。なお、トランジスタ2300および2400としては、上述したトランジスタを用いることができる。
トランジスタ2300および2400は、オフ電流の小さいトランジスタが好ましい。トランジスタ2300および2400は、例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタを用いることができる。トランジスタ2300および2400のオフ電流が小さいことにより、半導体装置の特定のノードに長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、またはリフレッシュ動作の頻度が極めて少なくすることが可能となるため、消費電力の低い半導体装置となる。
図26において、第1の配線2001はトランジスタ2200のソースと接続され、第2の配線2002はトランジスタ2200のドレインと接続される。第3の配線2003はトランジスタ2300の、第4の配線2004はトランジスタ2400のソースまたはドレインの一方と接続される。また、第5の配線3005はトランジスタ2400のゲートと接続されている。そして、トランジスタ2200と2300のゲート、およびトランジスタ2300と2400のソース、ドレインの他方は、容量素子2500および2600の電極の一方と接続されている。また、第6の配線2006は容量素子2500の、第7の配線2007は容量素子2600の電極の他方と接続されている。
図26に示す半導体装置は、トランジスタ2200のゲートの電位が保持可能という特性を有することで、以下に示すように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第5の配線2005の電位を、トランジスタ2400が導通状態となる電位にして、トランジスタ2400を導通状態とする。これにより、第4の配線2004の電位が、トランジスタ2300のゲート、および容量素子2500の電極の一方と接続するノードFG1に与えられる。即ち、トランジスタ2300のゲートには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。これにより、トランジスタ2300も導通状態となり、第3の配線2003の電位が、トランジスタ2200のゲート、および容量素子2600の電極の一方と接続するノードFG2に与えられる。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という。)のどちらかが与えられるものとする。その後、第5の配線2005の電位を、トランジスタ2400が非導通状態となる電位にして、トランジスタ2400を非導通状態とすることにより、ノードFG1に電荷が保持される(保持)。これにより、トランジスタ2300も非導通状態となり、ノードFG2にも電荷が保持される。
トランジスタ2300および2400のオフ電流が小さいため、ノードFG1およびFG2の電荷は長期間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線2001に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第6の配線2006および第7の配線2007に適切な電位(読み出し電位)を与えると、第2の配線2002は、ノードFG1およびFG2に保持された電荷量に応じた電位をとる。これは、トランジスタ2200をnチャネル型とすると、トランジスタ2200のゲートにHighレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Hは、Lowレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけ上のしきい値電圧とは、トランジスタ2200を「導通状態」とするために必要な第7の配線2007の電位および、トランジスタ2300を「導通状態」とするために必要な第6の配線2006の電位をいうものとする。したがって、第6の配線2006および第7の配線2007の電位をVth_HとVth_Lの間の電位Vとすることにより、ノードFG1およびFG2に与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、ノードFG1およびFG2にHighレベル電荷が与えられていた場合には、第6の配線2006および第7の配線2007の電位がV(>Vth_H)となれば、トランジスタ2300および2200は「導通状態」となる。一方、ノードFGにLowレベル電荷が与えられていた場合には、第6の配線2006および第7の配線2007の電位がV(<Vth_L)となっても、トランジスタ2300および2200は「非導通状態」のままである。このため、第2の配線3002の電位を判別することで、ノードFG1およびFG2に保持されている情報を読み出すことができる。
なお、トランジスタを3個、容量素子を2個用いた記憶素子について説明したが、これに限られない。トランジスタ2個および容量素子1個による構成でも良く、また、さらに多くのトランジスタおよび容量素子を用いた構成としてもよい。トランジスタおよび容量素子の個数が多いほど記憶容量が増加する。
なお、メモリセルをアレイ状に配置する場合、読み出し時には、所望のメモリセルの情報を読み出さなくてはならない。ほかのメモリセルの情報を読み出さないためには、ノードFG1およびFG2に与えられた電荷によらずトランジスタ2200が「非導通状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより低い電位を第6の配線2006および第7の配線2007に与えればよい。または、ノードFG1およびFG2に与えられた電荷によらずトランジスタ2200が「導通状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより高い電位を第6の配線2006および第7の配線2007に与えればよい。
<半導体装置の構造2>
図27は、図26に対応する半導体装置の断面図である。図27に示す半導体装置は、トランジスタ2200、2300、2400と、容量素子2500および2600を有する。また、トランジスタ2300および容量素子2600はトランジスタ2200の上方に、トランジスタ2400および容量素子2500はトランジスタ2300および容量素子2600の上方にそれぞれ配置する。なお、トランジスタ2300および2400としては、上述したトランジスタ1100についての記載を参照する。また、トランジスタ2200としては、図23に示したトランジスタ1200についての記載を参照する。なお、図23では、トランジスタ1200がpチャネル型トランジスタである場合について説明したが、トランジスタ2200がnチャネル型トランジスタであっても構わない。
図27に示すトランジスタ2200は、半導体基板410を用いたトランジスタである。トランジスタ1200は、半導体基板400中の領域411aおよび411bと、絶縁膜412と、導電膜413とを有する。
図27に示す半導体装置は、絶縁膜415、416、417、424、425、426、431、432、433、434と、導電膜418a、418b、418c、419a、419b、419c、420a、420b、421a、421b、421c、422a、422b、422c、422d、423a、423b、423c、423d、427a、427b、428a、428b、429a、429b、429c、429d、430a、430b、430c、430dとを有する。
絶縁膜415は、トランジスタ2200上に配置する。また、絶縁膜416は、絶縁膜415上に配置する。また、絶縁膜417は、絶縁膜416上に配置する。また、絶縁膜424は、絶縁膜417上に配置する。また、トランジスタ2300および容量素子2600は、絶縁膜424上に配置する。また、絶縁膜425は、トランジスタ2300および容量素子2600上に配置する。また、絶縁膜426は、絶縁膜425上に配置する。また、絶縁膜431は、絶縁膜426上に配置する。また、絶縁膜432は、絶縁膜431上に配置する。また、トランジスタ2400および容量素子2500は、絶縁膜432上に配置する。また、絶縁膜433は、トランジスタ2400および容量素子2500上に配置する。また、絶縁膜434は絶縁膜433上に配置する。
絶縁膜415は、領域411aに達する開口部と、領域411bに達する開口部と、導電膜413に達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜418a、418bまたは418cが埋め込まれている。
また、絶縁膜416は、導電膜418aに達する開口部と、導電膜418bに達する開口部と、導電膜418cに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜419a、419bまたは419cが埋め込まれている。
また、絶縁膜417は、導電膜419bに達する開口部と、導電膜419cに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜420aまたは420bが埋め込まれている。
また、絶縁膜424は、導電膜420aに達する開口部と、トランジスタ2300のチャネル形成領域と重なる開口部と、導電膜420bに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜421a、421bまたは421cが埋め込まれている。
また、絶縁膜425は、トランジスタ2300のソース電極またはドレイン電極の一方である導電膜405aと絶縁膜506aを介して重なる導電膜507aに達する開口部と、トランジスタ2300のゲート電極である導電膜407aに達する開口部と、トランジスタ2300のソース電極またはドレイン電極の他方である導電膜405bを通って、導電膜421bに達する開口部と、導電膜405aを通って、導電膜421cに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜423a、導電膜423b、導電膜423cまたは導電膜423dが埋め込まれている。ただし、それぞれの開口部は、さらにトランジスタ2300などの構成要素のいずれかが有する開口部を介する場合がある。
また、絶縁膜426は、導電膜422aに達する開口部と、導電膜422bに達する開口部と、導電膜422cに達する開口部と、導電膜422dに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜423a、導電膜423b、導電膜423cまたは導電膜423dが埋め込まれている。
また、絶縁膜431は、導電膜423bに達する開口部と、導電膜423cに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜427aまたは427bが埋め込まれている。
また、絶縁膜432は、トランジスタ2400のチャネル形成領域と重なる開口部と、導電膜427aに達する開口部と、導電膜427bに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜428a、428bまたは428cが埋め込まれている。
また、絶縁膜433は、トランジスタ2400のソース電極またはドレイン電極の一方である導電膜405cと絶縁膜506bを介して重なる導電膜507bに達する開口部と、導電膜405cを通って、導電膜428aに達する開口部と、トランジスタ2400のゲート電極である導電膜407bに達する開口部と、トランジスタ2400のソース電極またはドレイン電極の他方である導電膜405dを通って、導電膜428cに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜423a、導電膜423b、導電膜423cまたは導電膜423dが埋め込まれている。ただし、それぞれの開口部は、さらにトランジスタ2300などの構成要素のいずれかが有する開口部を介する場合がある。
また、絶縁膜434は、導電膜429aに達する開口部と、導電膜429bに達する開口部と、導電膜429cに達する開口部と、導電膜429dに達する開口部とを有する。また、開口部には、それぞれ導電膜430a、導電膜430b、導電膜430cまたは導電膜430dが埋め込まれている。
絶縁膜415、416、417、424、425、426、431、432、433、434の一以上は、水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁膜を有することが好ましい。トランジスタ2300および2400の近傍に、水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁膜を配置することによって、トランジスタ2300および2400の電気特性を安定にすることができる。
導電膜421aおよび428bは、トランジスタ2300および2400のボトムゲート電極としての機能を有しても構わない。または、例えば、導電膜421aおよび428bに一定の電位を印加することで、トランジスタ2300および2400のしきい値電圧などの電気特性を制御しても構わない。または、例えば、導電膜421aとトランジスタ2300のトップゲート電極である導電膜407aと、導電膜428bとトランジスタ2400のトップゲート電極である導電膜407bとを接続しても構わない。こうすることで、トランジスタ2300および2400のオン電流を大きくすることができる。また、パンチスルー現象を抑制することができるため、トランジスタ2300および2400の飽和領域における電気特性を安定にすることができる。
導電膜430a、430b、430c、430dとしては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタル、白金、ストロンチウム、イリジウムおよびタングステンを一種以上含む導電膜を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、合金や化合物であってもよく、アルミニウムを含む導電膜、銅およびチタンを含む導電膜、銅およびマンガンを含む導電膜、インジウム、スズおよび酸素を含む導電膜、チタンおよび窒素を含む導電膜などを用いてもよい。
トランジスタ2200のソースまたはドレインは、導電膜418b、419b、420a、421bおよび422cを介してトランジスタ2300のソース電極またはドレイン電極の一方である導電膜405bと接続する。また、トランジスタ2200のゲート電極である導電膜413は、導電膜418c、419c、420b、421cおよび422dを介してトランジスタ2300のソース電極またはドレイン電極の他方である導電膜405aと接続する。
トランジスタ2300のソースまたはドレインは、導電膜422c、423b、427b、428cおよび429dを介してトランジスタ2400のソース電極またはドレイン電極の一方である導電膜405dと接続する。また、トランジスタ2300のゲート電極である導電膜407aは、導電膜422b、423b、427a、428a、429bおよび430bを介してトランジスタ2400のソース電極またはドレイン電極の他方である導電膜405cと接続する。
容量素子2600は、トランジスタ2300のソース電極またはドレイン電極の他方と接続する電極と、導電膜507aと、絶縁膜506aとを有する。なお、絶縁膜506aは、トランジスタ2300のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜406aと同一工程を経て形成できるため、生産性を高めることができて好ましい場合がある。また、導電膜507aとして、トランジスタ2300のゲート電極として機能する導電膜407aと同一工程を経て形成した層を用いると、生産性を高めることができて好ましい場合がある。
容量素子2500は、トランジスタ2400のソース電極またはドレイン電極の他方と接続する電極と、導電膜507bと、絶縁膜506bとを有する。なお、絶縁膜506bは、トランジスタ2400のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜406bと同一工程を経て形成できるため、生産性を高めることができて好ましい場合がある。また、導電膜507bとして、トランジスタ2300のゲート電極として機能する導電膜407bと同一工程を経て形成した層を用いると、生産性を高めることができて好ましい場合がある。
そのほかの構造については、適宜図23などについての記載を参酌することができる。
なお、図28に示す半導体装置は、図27に示した半導体装置のトランジスタ2200の構造が異なるのみである。よって、図28に示す半導体装置については、図27に示した半導体装置の記載を参酌する。具体的には、図28に示す半導体装置は、トランジスタ2200がFin型である場合を示している。Fin型であるトランジスタ2200については、図24に示したトランジスタ2200の記載を参照する。なお、図24では、トランジスタ1200がpチャネル型トランジスタである場合について説明したが、トランジスタ2200がnチャネル型トランジスタであっても構わない。
また、図29に示す半導体装置は、図27に示した半導体装置のトランジスタ2200の構造が異なるのみである。よって、図29に示す半導体装置については、図27に示した半導体装置の記載を参酌する。具体的には、図29に示す半導体装置は、トランジスタ2200がSOI基板である半導体基板410に設けられた場合を示している。SOI基板である半導体基板410に設けられたトランジスタ2200については、図25に示したトランジスタ1200の記載を参照する。なお、図25では、トランジスタ1200がpチャネル型トランジスタである場合について説明したが、トランジスタ2200がnチャネル型トランジスタであっても構わない。
なお、トランジスタ2200、2300および2400の3層積層構造としたが、トランジスタ2400の上部にさらにトランジスタを積層させ、4層以上としても構わない。また、トランジスタ2200および2300の2層積層構造としても構わない。
<CPU>
以下では、上述したトランジスタや上述した記憶装置などの半導体装置を含むCPUについて説明する。
図30は、上述したトランジスタを一部に用いたCPUの一例の構成を示すブロック図である。
図30に示すCPUは、基板3190上に、ALU3191(ALU:Arithmetic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ3192、インストラクションデコーダ3193、インタラプトコントローラ3194、タイミングコントローラ3195、レジスタ3196、レジスタコントローラ3197、バスインターフェース3198、書き換え可能なROM3199、およびROMインターフェース3189を有している。基板3190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM3199およびROMインターフェース3189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図30に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図30に示すCPUまたは演算回路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作するような構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路やデータバスで扱えるビット数は、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
バスインターフェース3198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ3193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ3192、インタラプトコントローラ3194、レジスタコントローラ3197、タイミングコントローラ3195に入力される。
ALUコントローラ3192、インタラプトコントローラ3194、レジスタコントローラ3197、タイミングコントローラ3195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALUコントローラ3192は、ALU3191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ3194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ3197は、レジスタ3196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ3196の読み出しや書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ3195は、ALU3191、ALUコントローラ3192、インストラクションデコーダ3193、インタラプトコントローラ3194、およびレジスタコントローラ3197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ3195は、基準クロック信号を元に、内部クロック信号を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号を上記各種回路に供給する。
図30に示すCPUでは、レジスタ3196に、メモリセルが設けられている。レジスタ3196のメモリセルとして、上述したトランジスタや記憶装置などを用いることができる。
図30に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ3197は、ALU3191からの指示に従い、レジスタ3196における保持動作の選択を行う。即ち、レジスタ3196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ3196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ3196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
図31は、レジスタ3196として用いることのできる記憶素子3200の回路図の一例である。記憶素子3200は、電源遮断で記憶データが揮発する回路3201と、電源遮断で記憶データが揮発しない回路3202と、スイッチ3203と、スイッチ3204と、論理素子3206と、容量素子3207と、選択機能を有する回路3220とを有する。回路3202は、容量素子3208と、トランジスタ3209と、トランジスタ3210と、容量素子3216と、トランジスタ3217を有する。なお、記憶素子3200は、必要に応じて、ダイオード、抵抗素子、インダクタなどのその他の素子をさらに有していてもよい。
ここで、回路3202には、上述した記憶装置を用いることができる。記憶素子3200への電源電圧の供給が停止した際、回路3202のトランジスタ3209のゲートにはGND(0V)、またはトランジスタ3209がオフする電位が入力され続ける構成とする。例えば、トランジスタ3209のゲートが抵抗などの負荷を介して接地される構成とする。
スイッチ3203は、一導電型(例えば、nチャネル型)のトランジスタ3213を用いて構成され、スイッチ3204は、一導電型とは逆の導電型(例えば、pチャネル型)のトランジスタ3214を用いて構成した例を示す。ここで、スイッチ3203の第1の端子はトランジスタ3213のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ1203の第2の端子はトランジスタ3213のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ3203はトランジスタ3213のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ3213の導通状態または非導通状態)が選択される。スイッチ3204の第1の端子はトランジスタ1214のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ3204の第2の端子はトランジスタ3214のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ3204はトランジスタ3214のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ3214の導通状態または非導通状態)が選択される。
トランジスタ3209のソースとドレインの一方は、容量素子3208の一対の電極のうちの一方、およびトランジスタ3210のゲートと接続される。ここで、接続部分をノードM2とする。また、トランジスタ3210のソースとドレインの一方は、容量素子3216の一対の電極のうちの一方、およびトランジスタ3217のゲートと接続される。ここで、接続部分をノードM3とする。また、トランジスタ3217のソースとドレインの一方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)に電気的に接続され、他方は、スイッチ3203の第1の端子(トランジスタ3213のソースとドレインの一方)と接続される。スイッチ3203の第2の端子(トランジスタ3213のソースとドレインの他方)はスイッチ3204の第1の端子(トランジスタ3214のソースとドレインの一方)と接続される。スイッチ3204の第2の端子(トランジスタ3214のソースとドレインの他方)は電源電位VDDを供給することのできる配線と接続される。スイッチ3203の第2の端子(トランジスタ3213のソースとドレインの他方)と、スイッチ3204の第1の端子(トランジスタ3214のソースとドレインの一方)と、論理素子3206の入力端子と、容量素子3207の一対の電極のうちの一方とは互いに接続される。ここで、接続部分をノードM1とする。容量素子3207の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GNDなど)または高電源電位(VDDなど)が入力される構成とすることができる。容量素子3207の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)と接続される。容量素子3208および3216の一対の電極のうちの一方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)と接続される。
なお、容量素子3207、3208および3216は、トランジスタや配線の寄生容量などを積極的に利用することによって省略することも可能である。
トランジスタ3209のゲートには、制御信号WEが入力される。スイッチ3203およびスイッチ3204は、制御信号WEとは異なる制御信号RDによって第1の端子と第2の端子の間の導通状態または非導通状態を選択され、一方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間が導通状態のとき他方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間は非導通状態となる。
トランジスタ3209のソースとドレインの他方には、回路3201に保持されたデータに対応する信号が入力される。図31では、回路3201から出力された信号が、トランジスタ3209のソースとドレインの他方に入力される例を示した。スイッチ3203の第2の端子(トランジスタ3213のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子3206によってその論理値が反転された反転信号となり、回路3220を介して回路3201に入力される。
なお、図31では、スイッチ3203の第2の端子(トランジスタ3213のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子3206および回路3220を介して回路3201に入力する例を示したがこれに限定されない。スイッチ3203の第2の端子(トランジスタ3213のソースとドレインの他方)から出力される信号が、論理値を反転させられることなく、回路3201に入力されてもよい。例えば、回路3201内に、入力端子から入力された信号の論理値が反転した信号が保持されるノードが存在する場合に、スイッチ3203の第2の端子(トランジスタ3213のソースとドレインの他方)から出力される信号を当該ノードに入力することができる。
また、図31において、記憶素子3200に用いられるトランジスタのうち、トランジスタ3209以外のトランジスタは、酸化物半導体以外の半導体でなる膜または基板3190にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。例えば、シリコン膜またはシリコン基板にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。また、記憶素子3200に用いられるトランジスタ全てを、チャネルが酸化物半導体で形成されるトランジスタとすることもできる。または、記憶素子3200は、トランジスタ3209以外にも、チャネルが酸化物半導体で形成されるトランジスタを含んでいてもよく、残りのトランジスタは酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板3190にチャネルが形成されるトランジスタとすることもできる。
図31における回路3201には、例えばフリップフロップ回路を用いることができる。また、論理素子3206としては、例えばインバータやクロックドインバータなどを用いることができる。
本発明の一態様に係る半導体装置では、記憶素子3200に電源電圧が供給されない間は、回路3201に記憶されていたデータを、回路3202に設けられた容量素子3208および3216によって保持することができる。
また、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタはオフ電流が極めて小さい。例えば、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流は、結晶性を有するシリコンにチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流に比べて著しく低い。そのため、当該トランジスタをトランジスタ3209および3210として用いることによって、記憶素子3200に電源電圧が供給されない間も容量素子3208および3216にそれぞれ保持された信号は長期間にわたり保たれる。こうして、記憶素子3200は電源電圧の供給が停止した間も記憶内容(データ)を保持することが可能である。
また、スイッチ3203およびスイッチ3204を設けることによって、プリチャージ動作を行うことを特徴とする記憶素子であるため、電源電圧供給再開後に、回路3201が元のデータを保持しなおすまでの時間を短くすることができる。
また、回路3202において、容量素子3208および3216によって保持された信号はトランジスタ3210および3217のゲートに入力される。そのため、記憶素子3200への電源電圧の供給が再開された後、容量素子3208および3216によって保持された信号を、トランジスタ3210および3217の状態(導通状態、または非導通状態)にそれぞれ変換して、回路3202から読み出すことができる。それ故、容量素子3208および3216に保持された信号に対応する電位が多少変動していても、元の信号を正確に読み出すことが可能である。
このような記憶素子3200を、プロセッサが有するレジスタやキャッシュメモリなどの記憶装置に用いることで、電源電圧の供給停止による記憶装置内のデータの消失を防ぐことができる。また、電源電圧の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。よって、プロセッサ全体、もしくはプロセッサを構成する一つ、または複数の論理回路において、短い時間でも電源停止を行うことができるため、消費電力を抑えることができる。
記憶素子3200をCPUに用いる例として説明したが、記憶素子3200は、DSP(Digital Signal Processor)、カスタムLSI、PLD(Programmable Logic Device)などのLSI、RF(Radio Frequency)デバイスにも応用可能である。
<撮像装置>
以下では、本発明の一態様に係る撮像装置について説明する。
図32(A)は、本発明の一態様に係る撮像装置600の例を示す平面図である。撮像装置600は、画素部610と、画素部610を駆動するための周辺回路660と、周辺回路670、周辺回路680と、周辺回路690とを有する。画素部610は、p行q列(pおよびqは2以上の整数)のマトリクス状に配置された複数の画素611を有する。周辺回路660、周辺回路670、周辺回路680および周辺回路690は、それぞれ複数の画素611に接続し、複数の画素611を駆動するための信号を供給する機能を有する。なお、本明細書等において、周辺回路660、周辺回路670、周辺回路680および周辺回路690などの全てを指して「周辺回路」または「駆動回路」と呼ぶ場合がある。例えば、周辺回路660は周辺回路の一部といえる。
また、撮像装置600は、光源691を有することが好ましい。光源691は、検出光P1を放射することができる。
また、周辺回路は、少なくとも、論理回路、スイッチ、バッファ、増幅回路、または変換回路の1つを有する。また、周辺回路は、画素部610を形成する基板上に配置してもよい。また、周辺回路は、その一部または全部をIC等の半導体装置で実装してもよい。なお、周辺回路は、周辺回路660、周辺回路670、周辺回路680および周辺回路690のいずれか一以上を省略してもよい。
また、図32(B)に示すように、撮像装置600が有する画素部610において、画素611を傾けて配置してもよい。画素611を傾けて配置することにより、行方向および列方向の画素間隔(ピッチ)を短くすることができる。これにより、撮像装置600における撮像の品質をより高めることができる。
<画素の構成例1>
撮像装置600が有する1つの画素611を複数の副画素612で構成し、それぞれの副画素612に特定の波長帯域の光を透過するフィルタ(カラーフィルタ)を組み合わせることで、カラー画像表示を実現するための情報を取得することができる。
図33(A)は、カラー画像を取得するための画素611の一例を示す平面図である。図33(A)に示す画素611は、赤(R)の波長帯域を透過するカラーフィルタが設けられた副画素612(以下、「副画素612R」ともいう)、緑(G)の波長帯域を透過するカラーフィルタが設けられた副画素612(以下、「副画素612G」ともいう)および青(B)の波長帯域を透過するカラーフィルタが設けられた副画素612(以下、「副画素612B」ともいう)を有する。副画素612は、フォトセンサとして機能させることができる。
副画素612(副画素612R、副画素612G、および副画素612B)は、配線631、647、配線648、配線649、配線650と電気的に接続される。また、副画素612R、副画素612G、および副画素612Bは、それぞれが独立した配線653に接続している。また、本明細書等において、例えばn行目の画素611に接続された配線648および配線649を、それぞれ配線648[n]および配線649[n]と記載する。また、例えばm列目の画素611に接続された配線653を、配線653[m]と記載する。なお、図33(A)において、m列目の画素611が有する副画素612Rに接続する配線653を配線653[m]R、副画素612Gに接続する配線653を配線653[m]G、および副画素612Bに接続する配線653を配線653[m]Bと記載している。副画素612は、上記配線を介して周辺回路と電気的に接続される。
また、撮像装置600は、隣接する画素611の、同じ波長帯域を透過するカラーフィルタが設けられた副画素612同士がスイッチを介して電気的に接続する構成を有する。図33(B)に、n行(nは1以上p以下の整数)m列(mは1以上q以下の整数)に配置された画素611が有する副画素612と、該画素611に隣接するn+1行m列に配置された画素611が有する副画素612の接続例を示す。図33(B)において、n行m列に配置された副画素612Rと、n+1行m列に配置された副画素612Rがスイッチ601を介して接続されている。また、n行m列に配置された副画素612Gと、n+1行m列に配置された副画素612Gがスイッチ602を介して接続されている。また、n行m列に配置された副画素612Bと、n+1行m列に配置された副画素612Bがスイッチ603を介して接続されている。
なお、副画素612に用いるカラーフィルタは、赤(R)、緑(G)、青(B)に限定されず、それぞれシアン(C)、黄(Y)およびマゼンダ(M)の光を透過するカラーフィルタを用いてもよい。1つの画素611に3種類の異なる波長帯域の光を検出する副画素612を設けることで、フルカラー画像を取得することができる。
または、それぞれ赤(R)、緑(G)および青(B)の光を透過するカラーフィルタが設けられた副画素612に加えて、黄(Y)の光を透過するカラーフィルタが設けられた副画素612を有する画素611を用いてもよい。または、それぞれシアン(C)、黄(Y)およびマゼンダ(M)の光を透過するカラーフィルタが設けられた副画素612に加えて、青(B)の光を透過するカラーフィルタが設けられた副画素612を有する画素611を用いてもよい。1つの画素611に4種類の異なる波長帯域の光を検出する副画素612を設けることで、取得した画像の色の再現性をさらに高めることができる。
また、例えば、図33(A)において、赤の波長帯域を検出する副画素612、緑の波長帯域を検出する副画素612、および青の波長帯域を検出する副画素612の画素数比(または受光面積比)は、1:1:1でなくても構わない。例えば、画素数比(受光面積比)を赤:緑:青=1:2:1とするBayer配列としてもよい。または、画素数比(受光面積比)を赤:緑:青=1:6:1としてもよい。
なお、画素611に設ける副画素612は1つでもよいが、2つ以上が好ましい。例えば、同じ波長帯域を検出する副画素612を2つ以上設けることで、冗長性を高め、撮像装置600の信頼性を高めることができる。
また、可視光を吸収または反射して、赤外光を透過するIR(IR:Infrared)フィルタを用いることで、赤外光を検出する撮像装置600を実現することができる。
また、ND(ND:Neutral Density)フィルタ(減光フィルタ)を用いることで、光電変換素子(受光素子)に大光量光が入射した時に生じる出力飽和することを防ぐことができる。減光量の異なるNDフィルタを組み合わせて用いることで、撮像装置のダイナミックレンジを大きくすることができる。
また、前述したフィルタ以外に、画素611にレンズを設けてもよい。ここで、図34の断面図を用いて、画素611、フィルタ654、レンズ655の配置例を説明する。レンズ655を設けることで、光電変換素子が入射光を効率よく受光することができる。具体的には、図34(A)に示すように、画素611に形成したレンズ655、フィルタ654(フィルタ654R、フィルタ654Gおよびフィルタ654B)、および画素回路630等を通して光656を光電変換素子620に入射させる構造とすることができる。
ただし、鎖線で囲んだ領域に示すように、矢印で示す光656の一部が配線657の一部によって遮光されてしまうことがある。したがって、図34(B)に示すように光電変換素子620側にレンズ655およびフィルタ654を配置して、光電変換素子620が光656を効率良く受光させる構造が好ましい。光電変換素子620側から光656を光電変換素子620に入射させることで、検出感度の高い撮像装置600を提供することができる。
図34に示す光電変換素子620として、pn型接合またはpin型の接合が形成された光電変換素子を用いてもよい。
また、光電変換素子620を、放射線を吸収して電荷を発生させる機能を有する物質を用いて形成してもよい。放射線を吸収して電荷を発生させる機能を有する物質としては、セレン、ヨウ化鉛、ヨウ化水銀、ヒ化ガリウム、テルル化カドミウム、カドミウム亜鉛合金等がある。
例えば、光電変換素子620にセレンを用いると、可視光や、紫外光、赤外光に加えて、X線や、ガンマ線といった幅広い波長帯域にわたって光吸収係数を有する光電変換素子620を実現できる。
ここで、撮像装置600が有する1つの画素611は、図33に示す副画素612に加えて、第1のフィルタを有する副画素612を有してもよい。
<画素の構成例2>
以下では、シリコンを用いたトランジスタと、酸化物半導体を用いたトランジスタと、を用いて画素を構成する一例について説明する。
図35(A)、図35(B)は、撮像装置を構成する素子の断面図である。図35(A)に示す撮像装置は、シリコン基板700に設けられたシリコンを用いたトランジスタ751、トランジスタ751上に積層して配置された酸化物半導体を用いたトランジスタ752およびトランジスタ753、ならびにシリコン基板700に設けられたフォトダイオード760を含む。各トランジスタおよびフォトダイオード760は、種々のプラグ770および配線771と電気的な接続を有する。また、フォトダイオード760のアノード761は、低抵抗領域763を介してプラグ770と電気的に接続を有する。
また撮像装置は、シリコン基板700に設けられたトランジスタ751およびフォトダイオード760を有する層710と、層710と接して設けられ、配線771を有する層720と、層720と接して設けられ、トランジスタ752およびトランジスタ753を有する層730と、層730と接して設けられ、配線772および配線773を有する層740を備えている。
なお図35(A)の断面図の一例では、シリコン基板700において、トランジスタ751が形成された面とは逆側の面にフォトダイオード760の受光面を有する構成とする。該構成とすることで、各種トランジスタや配線などの影響を受けずに光路を確保することができる。そのため、高開口率の画素を形成することができる。なお、フォトダイオード760の受光面をトランジスタ751が形成された面と同じとすることもできる。
なお、トランジスタを用いて画素を構成する場合には、層710を、トランジスタを有する層とすればよい。または層710を省略し、トランジスタのみで画素を構成してもよい。
なおトランジスタを用いて画素を構成する場合には、層730を省略すればよい。層730を省略した断面図の一例を図35(B)に示す。
なお、シリコン基板700は、SOI基板であってもよい。また、シリコン基板700に替えて、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ヒ化ガリウム、ヒ化アルミニウムガリウム、リン化インジウム、窒化ガリウムまたは有機半導体を有する基板を用いることもできる。
ここで、トランジスタ751およびフォトダイオード760を有する層710と、トランジスタ752およびトランジスタ753を有する層730との間には絶縁膜780が設けられる。ただし、絶縁膜780の位置は限定されない。
トランジスタ751のチャネル形成領域近傍に設けられる絶縁膜中の水素はシリコンのダングリングボンドを終端し、トランジスタ751の信頼性を向上させる効果がある。一方、トランジスタ752およびトランジスタ753などの近傍に設けられる絶縁膜中の水素は、酸化物半導体中にキャリアを生成する要因の一つとなる。そのため、トランジスタ752およびトランジスタ753などの信頼性を低下させる要因となる場合がある。したがって、シリコン系半導体を用いたトランジスタの上層に酸化物半導体を用いたトランジスタを積層して設ける場合、これらの間に水素をブロックする機能を有する絶縁膜780を設けることが好ましい。絶縁膜780より下層に水素を閉じ込めることで、トランジスタ751の信頼性が向上させることができる。さらに、絶縁膜780より下層から、絶縁膜780より上層に水素が拡散することを抑制できるため、トランジスタ752およびトランジスタ753などの信頼性を向上させることができる。
絶縁膜780としては、例えば、酸素または水素をブロックする機能を有する絶縁膜を用いる。
また、図35(A)の断面図において、層710に設けるフォトダイオード760と、層730に設けるトランジスタとを重なるように形成することができる。そうすると、画素の集積度を高めることができる。すなわち、撮像装置の解像度を高めることができる。
また、図36(A1)および図36(B1)に示すように、撮像装置の一部または全部を湾曲させてもよい。図36(A1)は、撮像装置を同図中の鎖線X1−X2の方向に湾曲させた状態を示している。図36(A2)は、図36(A1)中の鎖線X1−X2で示した部位の断面図である。図36(A3)は、図36(A1)中の鎖線Y1−Y2で示した部位の断面図である。
図36(B1)は、撮像装置を同図中の鎖線X3−X4の方向に湾曲させ、かつ、同図中の鎖線Y3−Y4の方向に湾曲させた状態を示している。図36(B2)は、図36(B1)中の鎖線X3−X4で示した部位の断面図である。図36(B3)は、図36(B1)中の鎖線Y3−Y4で示した部位の断面図である。
撮像装置を湾曲させることで、像面湾曲や非点収差を低減することができる。よって、撮像装置と組み合わせて用いるレンズなどの光学設計を容易とすることができる。例えば、収差補正のためのレンズ枚数を低減できるため、撮像装置を用いた電子機器などの小型化や軽量化を実現することができる。また、撮像された画像の品質を向上させる事ができる。
<表示装置>
図37(A)に示す表示装置は、表示素子の画素を有する領域(以下、画素部1802という)と、画素部1802の外側に配置され、画素を駆動するための回路を有する回路部(以下、駆動回路部1804という)と、素子の保護機能を有する回路(以下、保護回路806という)と、端子部807とを有する。なお、保護回路806を設けない構成としてもよい。
駆動回路部1804の一部、または全部は、画素部1802と同一基板上に形成されていることが望ましい。これにより、部品数や端子数を減らすことが出来る。駆動回路部1804の一部、または全部が、画素部1802と同一基板上に形成されていない場合には、駆動回路部1804の一部、または全部は、COGやTAB(Tape Automated Bonding)によって、実装することができる。
画素部1802は、X行(Xは2以上の自然数)Y列(Yは2以上の自然数)に配置された複数の表示素子を駆動するための回路(以下、画素回路801という)を有し、駆動回路部1804は、画素を選択する信号(走査信号)を出力する回路(以下、ゲートドライバ1804aという)、画素の表示素子を駆動するための信号(データ信号)を供給するための回路(以下、ソースドライバ1804b)などの駆動回路を有する。
ゲートドライバ1804aは、シフトレジスタ等を有する。ゲートドライバ1804aは、端子部807を介して、シフトレジスタを駆動するための信号が入力され、信号を出力する。例えば、ゲートドライバ1804aは、スタートパルス信号、クロック信号等が入力され、パルス信号を出力する。ゲートドライバ1804aは、走査信号が与えられる配線(以下、走査線GL_1乃至GL_Xという)の電位を制御する機能を有する。なお、ゲートドライバ1804aを複数設け、複数のゲートドライバ1804aにより、走査線GL_1乃至GL_Xを分割して制御してもよい。または、ゲートドライバ1804aは、初期化信号を供給することができる機能を有する。ただし、これに限定されず、ゲートドライバ1804aは、別の信号を供給することも可能である。
ソースドライバ1804bは、シフトレジスタ等を有する。ソースドライバ1804bは、端子部807を介して、シフトレジスタを駆動するための信号の他、データ信号の元となる信号(画像信号)が入力される。ソースドライバ1804bは、画像信号を元に画素回路801に書き込むデータ信号を生成する機能を有する。また、ソースドライバ1804bは、スタートパルス、クロック信号等が入力されて得られるパルス信号に従って、データ信号の出力を制御する機能を有する。また、ソースドライバ1804bは、データ信号が与えられる配線(以下、データ線DL_1乃至DL_Yという)の電位を制御する機能を有する。または、ソースドライバ1804bは、初期化信号を供給することができる機能を有する。ただし、これに限定されず、ソースドライバ1804bは、別の信号を供給することも可能である。
ソースドライバ1804bは、例えば複数のアナログスイッチなどを用いて構成される。ソースドライバ1804bは、複数のアナログスイッチを順次オン状態にすることにより、画像信号を時分割した信号をデータ信号として出力できる。また、シフトレジスタなどを用いてソースドライバ1804bを構成してもよい。
複数の画素回路801のそれぞれは、走査信号が与えられる複数の走査線GLの一つを介してパルス信号が入力され、データ信号が与えられる複数のデータ線DLの一つを介してデータ信号が入力される。また。複数の画素回路801のそれぞれは、ゲートドライバ1804aによりデータ信号のデータの書き込みおよび保持が制御される。例えば、m行n列目の画素回路801は、走査線GL_m(mはX以下の自然数)を介してゲートドライバ1804aからパルス信号が入力され、走査線GL_mの電位に応じてデータ線DL_n(nはY以下の自然数)を介してソースドライバ1804bからデータ信号が入力される。
図37(A)に示す保護回路806は、例えば、ゲートドライバ1804aと画素回路801の間の配線である走査線GLに接続される。または、保護回路806は、ソースドライバ1804bと画素回路801の間の配線であるデータ線DLに接続される。または、保護回路806は、ゲートドライバ1804aと端子部807との間の配線に接続することができる。または、保護回路806は、ソースドライバ1804bと端子部807との間の配線に接続することができる。なお、端子部807は、外部の回路から表示装置に電源および制御信号、および画像信号を入力するための端子が設けられた部分をいう。
保護回路806は、自身が接続する配線に一定の範囲外の電位が与えられたときに、該配線と別の配線とを導通状態にする回路である。
図37(A)に示すように、画素部1802と駆動回路部1804にそれぞれ保護回路806を設けることにより、ESD(Electro Static Discharge:静電気放電)などにより発生する過電流に対する表示装置の耐性を高めることができる。ただし、保護回路806の構成はこれに限定されず、例えば、ゲートドライバ1804aに保護回路806を接続した構成、またはソースドライバ1804bに保護回路806を接続した構成とすることもできる。または、端子部807に保護回路806を接続した構成とすることもできる。
また、図37(A)においては、ゲートドライバ1804aとソースドライバ1804bによって駆動回路部1804を形成している例を示しているが、この構成に限定されない。例えば、ゲートドライバ1804aのみを形成し、別途用意されたソースドライバ回路が形成された基板(例えば、単結晶半導体膜、多結晶半導体膜で形成された駆動回路基板)を実装する構成としてもよい。
また、図37(A)に示す複数の画素回路801は、例えば、図37(B)に示す構成とすることができる。
図37(B)に示す画素回路801は、液晶素子870と、トランジスタ850と、容量素子860と、を有する。トランジスタ850に先の実施の形態に示すトランジスタを適用することができる。
液晶素子870の一対の電極の一方の電位は、画素回路801の仕様に応じて適宜設定される。液晶素子870は、書き込まれるデータにより配向状態が設定される。なお、複数の画素回路801のそれぞれが有する液晶素子870の一対の電極の一方に共通の電位(コモン電位)を与えてもよい。また、各行の画素回路801の液晶素子870の一対の電極の一方に異なる電位を与えてもよい。
例えば、液晶素子870を有する表示装置の駆動方法としては、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super−Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric Aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、またはTBA(Transverse Bend Alignment)モードなどを用いてもよい。
また、表示装置の駆動方法としては、上述した駆動方法の他、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)モード、ゲストホストモードなどがある。ただし、これに限定されず、液晶素子およびその駆動方式として様々なものを用いることができる。
m行n列目の画素回路801において、トランジスタ850のソース電極またはドレイン電極の一方は、データ線DL_nに電気的に接続され、他方は液晶素子870の一対の電極の他方に電気的に接続される。また、トランジスタ850のゲート電極は、走査線GL_mに電気的に接続される。トランジスタ850は、オン状態またはオフ状態になることにより、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
容量素子860の一対の電極の一方は、電位が供給される配線(以下、電位供給線VL)に電気的に接続され、他方は、液晶素子870の一対の電極の他方に電気的に接続される。なお、電位供給線VLの電位の値は、画素回路801の仕様に応じて適宜設定される。容量素子860は、書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
例えば、図37(B)の画素回路801を有する表示装置では、例えば、図37(A)に示すゲートドライバ1804aにより各行の画素回路801を順次選択し、トランジスタ850をオン状態にしてデータ信号のデータを書き込む。
データが書き込まれた画素回路801は、トランジスタ850がオフ状態になることで保持状態になる。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
また、図37(A)に示す複数の画素回路801は、例えば、図37(C)に示す構成とすることができる。
図37(C)に示す画素回路801は、トランジスタ852、854と、容量素子862と、発光素子872とを有する。トランジスタ852およびトランジスタ854のいずれか一方または双方に先の実施の形態に示すトランジスタを適用することができる。
トランジスタ852のソース電極およびドレイン電極の一方は、データ信号が与えられる配線(以下、信号線DL_nという)に電気的に接続される。さらに、トランジスタ852のゲート電極は、ゲート信号が与えられる配線(以下、走査線GL_mという)に電気的に接続される。
トランジスタ852は、オン状態またはオフ状態になることにより、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
容量素子862の一対の電極の一方は、電位が与えられる配線(以下、電位供給線VL_aという)に電気的に接続され、他方は、トランジスタ852のソース電極およびドレイン電極の他方に電気的に接続される。
容量素子862は、書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
トランジスタ854のソース電極およびドレイン電極の一方は、電位供給線VL_aに電気的に接続される。さらに、トランジスタ854のゲート電極は、トランジスタ852のソース電極およびドレイン電極の他方に電気的に接続される。
発光素子872のアノードおよびカソードの一方は、電位供給線VL_bに電気的に接続され、他方は、トランジスタ854のソース電極およびドレイン電極の他方に電気的に接続される。
発光素子872としては、例えば有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子ともいう)などを用いることができる。ただし、発光素子872としては、これに限定されず、無機材料からなる無機EL素子を用いてもよい。
なお、電位供給線VL_aおよび電位供給線VL_bの一方には、高電源電位VDDが与えられ、他方には、低電源電位VSSが与えられる。
図37(C)の画素回路801を有する表示装置では、例えば、図37(A)に示すゲートドライバ1804aにより各行の画素回路801を順次選択し、トランジスタ852をオン状態にしてデータ信号のデータを書き込む。
データが書き込まれた画素回路801は、トランジスタ852がオフ状態になることで保持状態になる。さらに、書き込まれたデータ信号の電位に応じてトランジスタ854のソース電極とドレイン電極の間に流れる電流量が制御され、発光素子872は、流れる電流量に応じた輝度で発光する。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
また、本実施の形態においては、表示装置の表示素子として、液晶素子870および発光素子872を有する構成について例示したが、これに限定されず、表示装置は様々な素子を有していてもよい。
上記素子の一例としては、液晶素子、EL素子(有機物および無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LED(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、電子インク、電気泳動素子、グレーティングライトバルブ(GLV)、プラズマディスプレイ(PDP)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイクロ・シャッター)、MIRASOL(登録商標)、IMOD(インターフェアレンス・モジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子、エレクトロウェッティング素子、圧電セラミックディスプレイ、カーボンナノチューブ、など、電気的または磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を有するものがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)またはSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Display)などがある。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インクまたは電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。
また、本実施の形態の表示装置の表示方式としては、プログレッシブ方式やインターレース方式等を用いることができる。また、カラー表示する際に画素で制御する色要素としては、RGB(Rは赤、Gは緑、Bは青を表す)の三色に限定されない。例えば、Rの画素とGの画素とBの画素とW(白)の画素の四画素から構成されてもよい。または、ペンタイル配列のように、RGBのうちの2色分で一つの色要素を構成し、色要素よって、異なる2色を選択して構成してもよい。またはRGBに、イエロー、シアン、マゼンタ等を一色以上追加してもよい。なお、色要素のドット毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい。ただし、開示する発明はカラー表示の表示装置に限定されるものではなく、モノクロ表示の表示装置に適用することもできる。
また、表示装置にバックライト(有機EL素子、無機EL素子、LED、蛍光灯など)に白色光(W)を設けてもよい。また、表示装置に着色層(カラーフィルタともいう。)を設けてもよい。着色層としては、例えば、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、イエロー(Y)などを適宜組み合わせて用いることができる。着色層を用いることで、着色層を用いない場合と比べて色の再現性を高くすることができる。このとき、着色層を有する領域と、着色層を有さない領域と、を配置することによって、着色層を有さない領域における白色光を直接表示に利用しても構わない。一部に着色層を有さない領域を配置することで、明るい表示の際に、着色層による輝度の低下を少なくでき、消費電力を2割から3割程度低減できる場合がある。ただし、有機EL素子や無機EL素子などの自発光素子を用いてフルカラー表示する場合、R、G、B、Y、ホワイト(W)を、それぞれの発光色を有する素子から発光させても構わない。自発光素子を用いることで、着色層を用いた場合よりも、さらに消費電力を低減できる場合がある。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
<タッチパネルに関する説明>
電子機器の一例として、表示装置と、入力装置とを合わせたタッチパネル4000について説明する。また、入力装置の一例として、タッチセンサを用いる場合について説明する。
図38(A)(B)は、タッチパネル4000の斜視図である。なお、図38(A)(B)において、明瞭化のため、タッチパネル4000の代表的な構成要素を示す。
タッチパネル4000は、表示装置4501とタッチセンサ4595とを有する(図38(B)参照)。また、タッチパネル4000は、基板4510、基板4570、および基板4590を有する。
表示装置4501は、基板4510上に複数の画素および該画素に信号を供給することができる複数の配線4511を有する。複数の配線4511は、基板4510の外周部にまで引き回され、その一部が端子4519を構成している。端子4519はFPC4509(1)と電気的に接続する。
基板4590は、タッチセンサ4595と、タッチセンサ4595と電気的に接続する複数の配線4598とを有する。複数の配線4598は、基板4590の外周部に引き回され、その一部は端子を構成する。そして、該端子はFPC4509(2)と電気的に接続される。なお、図38(B)では明瞭化のため、基板4590の裏面側(基板4510と対向する面側)に設けられるタッチセンサ4595の電極や配線等を実線で示している。
タッチセンサ4595として、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。
投影型静電容量方式としては、主に駆動方式の違いから自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
なお、図38(B)に示すタッチセンサ4595は、投影型静電容量方式のタッチセンサを適用した構成である。
なお、タッチセンサ4595には、指等の検知対象の近接または接触を検知することができる、様々なセンサを適用することができる。
投影型静電容量方式のタッチセンサ4595は、電極4591と電極4592とを有する。電極4591は、複数の配線4598のいずれかと電気的に接続し、電極4592は複数の配線4598の他のいずれかと電気的に接続する。
電極4592は、図38(A)(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数の四辺形が角部で接続される形状を有する。
電極4591は四辺形であり、電極4592が延在する方向と交差する方向に繰り返し配置されている。
配線4594は、電極4592を挟む二つの電極4591と電気的に接続する。このとき、電極4592と配線4594の交差部の面積ができるだけ小さくなる形状が好ましい。これにより、電極が設けられていない領域の面積を低減でき、透過率のバラツキを低減できる。その結果、タッチセンサ4595を透過する光の輝度のバラツキを低減することができる。
なお、電極4591および電極4592の形状はこれに限定されず、様々な形状を取りうる。例えば、複数の電極4591をできるだけ隙間が生じないように配置し、絶縁層を介して電極4592を、電極4591と重ならない領域ができるように離間して複数設ける構成としてもよい。このとき、隣接する2つの電極4592の間に、これらとは電気的に絶縁されたダミー電極を設けると、透過率の異なる領域の面積を低減できるため好ましい。
なお、電極4591、電極4592、配線4598などの導電膜、つまり、タッチパネルを構成する配線や電極に用いることのできる材料として、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛等を有する透明導電膜(例えば、ITOなど)が挙げられる。また、タッチパネルを構成する配線や電極に用いることのできる材料として、例えば、抵抗値が低い方が好ましい。一例として、銀、銅、アルミニウム、カーボンナノチューブ、グラフェン、ハロゲン化金属(ハロゲン化銀など)などを用いてもよい。さらに、非常に細くした(例えば、直径が数ナノメール)複数の導電体を用いて構成されるような金属ナノワイヤを用いてもよい。または、導電体を網目状にした金属メッシュを用いてもよい。一例としては、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、Alナノワイヤ、Agメッシュ、Cuメッシュ、Alメッシュなどを用いてもよい。例えば、タッチパネルを構成する配線や電極にAgナノワイヤを用いる場合、可視光において透過率を89%以上、シート抵抗値を40Ω/cm以上100Ω/cm以下とすることができる。また、上述したタッチパネルを構成する配線や電極に用いることのできる材料の一例である、金属ナノワイヤ、金属メッシュ、カーボンナノチューブ、グラフェンなどは、可視光において透過率が高いため、表示素子に用いる電極(例えば、画素電極または共通電極など)として用いてもよい。
<表示装置に関する説明>
次に、図39(A)(B)を用いて、表示装置4501の詳細について説明する。図39(A)(B)は、図38(B)に示す一点鎖線X1−X2間の断面図に相当する。
表示装置4501は、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。該画素は表示素子と、該表示素子を駆動する画素回路とを有する。
<表示素子としてEL素子を用いる構成>
まず、表示素子としてEL素子を用いる構成について、図39(A)を用いて以下説明を行う。なお、以下の説明においては、白色の光を射出するEL素子を適用する場合について説明するが、EL素子はこれに限定されない。例えば、隣接する画素毎に射出する光の色が異なるように、発光色が異なるEL素子を適用してもよい。
基板4510および基板4570としては、例えば、水蒸気の透過率が10−5g/(m・day)以下、好ましくは10−6g/(m・day)以下である可撓性を有する材料を好適に用いることができる。または、基板4510の熱膨張率と、基板4570の熱膨張率とが、およそ等しい材料を用いると好適である。例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、好ましくは5×10−5/K以下、より好ましくは1×10−5/K以下である材料を好適に用いることができる。
なお、基板4510は、EL素子への不純物の拡散を防ぐ絶縁層4510aと、基板4510bと、絶縁層4510aおよび基板4510bを貼り合わせる接着層4510cとを有する積層体である。また、基板4570は、EL素子への不純物の拡散を防ぐ絶縁層4570aと、基板4570bと、絶縁層4570aおよび基板4570bを貼り合わせる接着層4570cとを有する積層体である。
接着層4510cおよび接着層4570cとしては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル、ウレタン、エポキシもしくはシロキサン結合を有する樹脂含む材料を用いることができる。
また、基板4510と基板4570との間に封止層4560を有する。封止層4560は、空気より大きい屈折率を有すると好ましい。また、図39(A)に示すように、封止層4560側に光を取り出す場合は、封止層4560は光学素子を兼ねることができる。
また、封止層4560の外周部にシール材を形成してもよい。当該シール材を用いることにより、基板4510、基板4570、封止層4560、およびシール材で囲まれた領域にEL素子4550を有する構成とすることができる。なお、封止層4560として、不活性気体(窒素やアルゴン等)を充填してもよい。また、当該不活性気体内に、乾燥材を設けて、水分等を吸着させる構成としてもよい。また、上述のシール材としては、例えば、エポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、シール材に用いる材料としては、水分や酸素を透過しない材料を用いると好適である。
また、図39(A)に示す表示装置4501は、画素4505を有する。また、画素4505は、発光モジュール4580と、EL素子4550と、EL素子4550に電力を供給することができるトランジスタ4502tとを有する。なお、トランジスタ4502tは、画素回路の一部として機能する。
また、発光モジュール4580は、EL素子4550と、着色層4567とを有する。また、EL素子4550は、下部電極と、上部電極と、下部電極と上部電極との間にEL層とを有する。
また、封止層4560が光を取り出す側に設けられている場合、封止層4560は、EL素子4550と着色層4567に接する。
着色層4567は、EL素子4550と重なる位置にある。これにより、EL素子4550が発する光の一部は着色層4567を透過して、図中に示す矢印の方向の発光モジュール4580の外部に射出される。
また、表示装置4501には、光を射出する方向に遮光層4568が設けられる。遮光層4568は、着色層4567を囲むように設けられている。
着色層4567としては、特定の波長帯域の光を透過する機能を有していればよく、例えば、赤色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタ、緑色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタ、青色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタ、黄色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。各カラーフィルタは、様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィ技術を用いたエッチング方法などで形成することができる。
また、表示装置4501には、絶縁層4521が設けられる。絶縁層4521はトランジスタ4502t等を覆う。なお、絶縁層4521は、画素回路に起因する凹凸を平坦化するための機能を有する。また、絶縁層4521に不純物の拡散を抑制できる機能を付与してもよい。これにより、不純物の拡散によるトランジスタ4502t等の信頼性の低下を抑制できる。
また、EL素子4550は、絶縁層4521の上方に形成される。また、EL素子4550が有する下部電極には、該下部電極の端部に重なる隔壁4528が設けられる。なお、基板4510と、基板4570との間隔を制御するスペーサを、隔壁4528上に形成してもよい。
また、走査線駆動回路4504は、トランジスタ4503tと、容量素子4503cとを有する。なお、駆動回路を画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。
また、基板4510上には、信号を供給することができる配線4511が設けられる。また、配線4511上には、端子4519が設けられる。また、端子4519には、FPC4509(1)が電気的に接続される。また、FPC4509(1)は、ビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を供給する機能を有する。なお、FPC4509(1)にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていてもよい。
なお、トランジスタ4502tおよびトランジスタ4503tのいずれか一方または双方に先の実施の形態に示すトランジスタを適用すればよい。本実施の形態で用いるトランジスタは、高純度化し、酸素欠損の形成を抑制した酸化物半導体を有する。該トランジスタは、オフ状態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって、画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。また、本実施の形態で用いるトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。例えば、このような高速駆動が可能なトランジスタを表示装置4501に用いることで、画素回路のスイッチングトランジスタと、駆動回路に使用するドライバトランジスタを同一基板上に形成することができる。すなわち、別途駆動回路として、シリコンウェハ等により形成された半導体装置を用いる必要がないため、半導体装置の部品点数を削減することができる。また、画素回路においても、高速駆動が可能なトランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。
<表示素子として液晶素子を用いる構成>
次に、表示素子として、液晶素子を用いる構成について、図39(B)を用いて以下説明を行う。なお、以下の説明においては、外光を反射して表示する反射型の液晶表示装置について説明するが、液晶表示装置はこれに限定されない。例えば、光源(バックライト、サイドライト等)を設けて、透過型の液晶表示装置、または反射型と透過型の両方の機能を備える液晶表示装置としてもよい。
図39(B)に示す表示装置4501は、図39(A)に示す表示装置4501と以下の点が異なる。それ以外の構成については、図39(A)に示す表示装置4501と同様である。
図39(B)に示す表示装置4501の画素4505は、液晶素子4551と、液晶素子4551に電力を供給することができるトランジスタ4502tと、を有する。
また、液晶素子4551は、下部電極(画素電極ともいう)と、上部電極と、下部電極と上部電極との間に液晶層4529とを有する。液晶素子4551は、下部電極と上部電極との間に印加される電圧によって、液晶層4529の配向状態を変えることができる。また、液晶層4529中には、スペーサ4530aと、スペーサ4530bとが設けられる。また、図39(B)において図示しないが、上部電極および下部電極の液晶層4529と接する側に、それぞれ配向膜を設ける構成としてもよい。
液晶層4529としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。また、液晶表示装置として、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相を示す液晶を用いる場合、配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理が不要となる。ラビング処理が不要となることで、ラビング処理時に引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
スペーサ4530a、4530bは、絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる。スペーサ4530a、4530bとしては、基板4510と基板4570との間の距離(セルギャップ)を制御するために設けられる。なお、スペーサ4530a、4530bは、それぞれ大きさを異ならせてもよく、柱状または球状で設けると好ましい。また、図39(B)においては、スペーサ4530a、4530bを、基板4570側に設ける構成について例示したが、これに限定されず、基板4510側に設けてもよい。
また、液晶素子4551の上部電極は、基板4570側に設けられる。また、該上部電極と、着色層4567および遮光層4568との間には絶縁層4531が設けられる。絶縁層4531は、着色層4567および遮光層4568に起因する凹凸を平坦化する機能を有する。絶縁層4531としては、例えば、有機樹脂膜を用いればよい。また、液晶素子4551の下部電極は、反射電極としての機能を有する。図39(B)に示す表示装置4501は、外光を利用して下部電極で光を反射して着色層4567を介して表示する、反射型の液晶表示装置である。なお、透過型の液晶表示装置とする場合、下部電極に透明電極としての機能を付与すればよい。
また、図39(B)に示す表示装置4501は、絶縁層4522を有する。絶縁層4522は、トランジスタ4502t等を覆う。なお、絶縁層4522は、画素回路に起因する凹凸を平坦化するための機能と、液晶素子の下部電極に凹凸を形成する機能と、を有する。これにより、下部電極の表面に凹凸を形成することが可能となる。したがって、外光が下部電極に入射した場合において、下部電極の表面で光を乱反射することが可能となり、視認性を向上させることができる。なお、透過型の液晶表示装置の場合、上記凹凸を設けない構成としてもよい。
<タッチセンサに関する説明>
次に、図40を用いて、タッチセンサ4595の詳細について説明する。図40は、図38(B)に示す一点鎖線X3−X4間の断面図に相当する。
タッチセンサ4595は、基板4590上に千鳥状に配置された電極4591および電極4592と、電極4591および電極4592を覆う絶縁層4593と、隣り合う電極4591を電気的に接続する配線4594とを有する。
電極4591および電極4592は、透光性を有する導電材料を用いて形成する。透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法等を挙げることができる。
例えば、透光性を有する導電性材料を基板4590上にスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィ法等の様々なパターニング技術により、不要な部分を除去して、電極4591および電極4592を形成することができる。
また、絶縁層4593に用いる材料としては、例えば、アクリル、エポキシなどの樹脂、シロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることもできる。
また、電極4591に達する開口が絶縁層4593に設けられ、配線4594が隣接する電極4591と電気的に接続する。透光性の導電性材料は、タッチパネルの開口率を高めることができるため、配線4594に好適に用いることができる。また、電極4591および電極4592より導電性の高い材料は、電気抵抗を低減できるため配線4594に好適に用いることができる。
電極4592は、一方向に延在し、複数の電極4592がストライプ状に設けられている。また、配線4594は電極4592と交差して設けられている。
一対の電極4591が1つの電極4592を挟んで設けられる。また、配線4594は一対の電極4591を電気的に接続している。
なお、複数の電極4591は、1つの電極4592と必ずしも直交する方向に配置される必要はなく、0度を超えて90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
また、配線4598は、電極4591または電極4592と電気的に接続される。また、配線4598の一部は、端子として機能する。配線4598としては、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、チタン、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、またはパラジウム等の金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。
なお、絶縁層4593および配線4594を覆う絶縁層を設けて、タッチセンサ4595を保護してもよい。
また、接続層4599は、配線4598とFPC4509(2)を電気的に接続させる。
接続層4599としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
<タッチパネルに関する説明>
次に、図41(A)を用いて、タッチパネル4000の詳細について説明する。図41(A)は、図38(A)に示す一点鎖線X5−X6間の断面図に相当する。
図41(A)に示すタッチパネル4000は、図38(A)で説明した表示装置4501と、図40で説明したタッチセンサ4595とを貼り合わせた構成である。
また、図41(A)に示すタッチパネル4000は、図39(A)で説明した構成の他、接着層4597と、反射防止層4569と、を有する。
接着層4597は、配線4594と接して設けられる。なお、接着層4597は、タッチセンサ4595が表示装置4501に重なるように、基板4590を基板4570に貼り合わせている。また、接着層4597は、透光性を有すると好ましい。また、接着層4597としては、熱硬化性樹脂、または紫外線硬化樹脂を用いることができる。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、またはシロキサン系樹脂を用いることができる。
反射防止層4569は、画素に重なる位置に設けられる。反射防止層4569として、例えば円偏光板を用いることができる。
次に、図41(A)に示す構成と異なる構成のタッチパネルについて、図41(B)を用いて説明する。
図41(B)は、タッチパネル4001の断面図である。図41(B)に示すタッチパネル4001は、図41(A)に示すタッチパネル4000と、表示装置4501に対するタッチセンサ4595の位置が異なる。ここでは異なる構成について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分は、タッチパネル4000の説明を援用する。
着色層4567は、EL素子4550の下方に位置する。また、図41(B)に示すEL素子4550は、トランジスタ4502tが設けられている側に光を射出する。これにより、EL素子4550が発する光の一部は、着色層4567を透過して、図中に示す矢印の方向の発光モジュール4580の外部に射出される。
また、タッチセンサ4595は、表示装置4501の基板4510側に設けられている。
接着層4597は、基板4510と基板4590の間にあり、表示装置4501とタッチセンサ4595を貼り合わせる。
図41(A)(B)に示すように、発光素子から射出される光は、基板の上面および下面のいずれか一方または双方に射出されればよい。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、先の実施の形態で説明した半導体装置を搭載した電子機器の例について図42を用いて説明する。先の実施の形態で説明した半導体装置は、スイッチング特性の良い酸化物半導体を用いたトランジスタを有するので、各電子機器の消費電力を低減することができる。また、酸化物半導体の特性を利用した新たな半導体装置(例えば、メモリ素子またはメモリセルなどの記憶装置など)が提供されるため、新たな構成の電子機器を提供することが可能である。なお、先の実施の形態で説明した半導体装置は、単体、または集積化されて回路基板などに実装され、各電子機器の内部に搭載される。
先の実施の形態で説明した半導体装置が組み込まれ集積化された集積回路は、先の実施の形態で説明した半導体装置の構成以外に、抵抗、コンデンサ、コイルなどの各種回路素子を組み込んで構成されることが多い。集積回路の例としては、演算回路、変換回路、増幅回路、メモリ回路、これらの組み合わせに係る回路などを高度に集積化したものがある。
また、上記半導体装置を、テレビまたはモニタなどの表示装置のスイッチング素子などに用いることも可能である。この場合、同一の基板上に、駆動回路を併せて設けるのが好適である。もちろん、表示装置の駆動回路のみに対して上記半導体装置を用いることもできる。
具体的には、電子機器としては、テレビまたはモニタなどの表示装置、照明装置、デスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、ブルーレイディスクおよびDVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記憶された静止画または動画を再生する画像再生装置、ポータブルCDプレーヤ、ラジオ、テープレコーダ、ヘッドホンステレオ、ステレオ、コードレス電話子機、トランシーバ、携帯電話、自動車電話、携帯型ゲーム機、電卓、携帯情報端末、電子手帳、電子書籍端末、電子翻訳機、音声入力機器、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電気シェーバ、電子レンジなどの高周波加熱装置、電気炊飯器、電気洗濯機、電気掃除機、エアコンディショナーなどの空調設備、食器洗い器、食器乾燥器、衣類乾燥器、布団乾燥器、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気冷凍冷蔵庫、DNA保存用冷凍庫、煙感知器、放射線測定器、透析装置などの医療機器、などが挙げられる。さらに、誘導灯、信号機、ベルトコンベア、エレベータ、エスカレータ、産業用ロボット、電力貯蔵システムなどの産業機器も挙げられる。また、石油を用いたエンジンや、非水系二次電池からの電力を用いて電動機により推進する移動体なども、電子機器の範疇に含まれるものとする。上記移動体として、例えば、電気自動車(EV)、内燃機関と電動機を併せ持ったハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、これらのタイヤ車輪を無限軌道に変えた装軌車両、電動アシスト自転車を含む原動機付自転車、自動二輪車、電動車椅子、ゴルフ用カート、小型または大型船舶、潜水艦、ヘリコプター、航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機や惑星探査機、宇宙船が挙げられる。これらの電子機器の具体例を図42に示す。
図42(A)において、テレビジョン装置8000は、筐体8001に表示部8002が組み込まれており、表示部8002により映像を表示し、スピーカ部8003から音声を出力することが可能である。
表示部8002は、液晶表示装置、有機EL素子などの発光素子を各画素に備えた発光装置、電気泳動表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)などの半導体表示装置を用いることができる。
テレビジョン装置8000は、受信機やモデムなどを備えていてもよい。テレビジョン装置8000は、受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、または受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
また、テレビジョン装置8000は、情報通信を行うためのCPUや、メモリを備えていてもよい。テレビジョン装置8000は、先の実施の形態で説明したメモリやCPUを用いることが可能である。
図42(A)において、室内機8200および室外機8204を有するエアコンディショナーは、先の実施の形態のCPUを用いた電子機器の一例である。具体的に、室内機8200は、筐体8201、送風口8202、CPU8203などを有する。図42(A)において、CPU8203が、室内機8200に設けられている場合を例示しているが、CPU8203は室外機8204に設けられていてもよい。或いは、室内機8200と室外機8204の両方に、CPU8203が設けられていてもよい。先の実施の形態で説明したCPUをエアコンディショナーのCPUに用いることによって省電力化が図れる。
図42(A)において、電気冷凍冷蔵庫8300は、先の実施の形態で説明したCPUを備える電子機器の一例である。具体的に、電気冷凍冷蔵庫8300は、筐体8301、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303、CPU8304などを有する。図42(A)では、CPU8304が、筐体8301の内部に設けられている。先の実施の形態で説明したCPUを電気冷凍冷蔵庫8300のCPU8304に用いることによって省電力化が図れる。
図42(B)において、電子機器の一例である電気自動車の例を示す。電気自動車9700には、二次電池9701が搭載されている。二次電池9701の電力は、制御回路9702により出力が調整されて、駆動装置9703に供給される。制御回路9702は、ROM、RAM、CPU(図示せず)などを有する処理装置9704によって制御される。先の実施の形態で説明したCPUを電気自動車9700のCPUに用いることによって省電力化が図れる。
駆動装置9703は、直流電動機若しくは交流電動機単体、または電動機と内燃機関とを組み合わせて構成される。処理装置9704は、電気自動車9700の運転者の操作情報(加速、減速、停止など)や走行時の情報(上り坂や下り坂などの情報、駆動輪にかかる負荷情報など)の入力情報に基づき、制御回路9702に制御信号を出力する。制御回路9702は、処理装置9704の制御信号により、二次電池9701から供給される電気エネルギーを調整して駆動装置9703の出力を制御する。交流電動機を搭載している場合は、図示していないが、直流を交流に変換するインバータも内蔵される。
なお、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態および実施例に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、絶縁膜上に酸化アルミニウムを成膜後に酸素プラズマ処理を行うことによって、絶縁膜に酸素が添加されるか調査した結果について説明する。
試料1は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成して作製した。
試料2は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、さらに厚さが1nmの酸化アルミニウムをスパッタリング法により形成して作製した。
試料3は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、さらに厚さが1nmの酸化アルミニウムをALD法により形成して作製した。
試料4は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、さらに厚さが3nmの酸化アルミニウムをスパッタリング法により形成して作製した。
試料5は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、さらに厚さが3nmの酸化アルミニウムをALD法により形成して作製した。
試料6は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、さらに厚さが5nmの酸化アルミニウムをスパッタリング法により形成して作製した。
試料7は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、さらに厚さが5nmの酸化アルミニウムをALD法により形成して作製した。
試料8は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、その後酸素流量を60sccm、圧力を24Pa、電極間距離を20mm、基板と対向する電極に印加する電力および周波数をそれぞれ100Wおよび13.56MHz、基板側電極に印加する電力および周波数をそれぞれ500Wおよび400kHz、基板温度を350℃、処理時間を120sec.として酸素プラズマ処理を行って作製した。
試料9は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、さらに厚さが1nmの酸化アルミニウムをスパッタリング法により形成し、その後酸素流量を60sccm、圧力を24Pa、電極間距離を20mm、基板と対向する電極に印加する電力および周波数をそれぞれ100Wおよび13.56MHz、基板側電極に印加する電力および周波数をそれぞれ500Wおよび400kHz、基板温度を350℃、処理時間を120sec.として酸素プラズマ処理を行って作製した。
試料10は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、さらに厚さが1nmの酸化アルミニウムをALD法により形成し、その後酸素流量を60sccm、圧力を24Pa、電極間距離を20mm、基板と対向する電極に印加する電力および周波数をそれぞれ100Wおよび13.56MHz、基板側電極に印加する電力および周波数をそれぞれ500Wおよび400kHz、基板温度を350℃、処理時間を120sec.として酸素プラズマ処理を行って作製した。
試料11は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、さらに厚さが3nmの酸化アルミニウムをスパッタリング法により形成し、その後酸素流量を60sccm、圧力を24Pa、電極間距離を20mm、基板と対向する電極に印加する電力および周波数をそれぞれ100Wおよび13.56MHz、基板側電極に印加する電力および周波数をそれぞれ500Wおよび400kHz、基板温度を350℃、処理時間を120sec.として酸素プラズマ処理を行って作製した。
試料12は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、さらに厚さが3nmの酸化アルミニウムをALD法により形成し、その後酸素流量を60sccm、圧力を24Pa、電極間距離を20mm、基板と対向する電極に印加する電力および周波数をそれぞれ100Wおよび13.56MHz、基板側電極に印加する電力および周波数をそれぞれ500Wおよび400kHz、基板温度を350℃、処理時間を120sec.として酸素プラズマ処理を行って作製した。
試料13は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、さらに厚さが5nmの酸化アルミニウムをスパッタリング法により形成し、その後酸素流量を60sccm、圧力を24Pa、電極間距離を20mm、基板と対向する電極に印加する電力および周波数をそれぞれ100Wおよび13.56MHz、基板側電極に印加する電力および周波数をそれぞれ500Wおよび400kHz、基板温度を350℃、処理時間を120sec.として酸素プラズマ処理を行って作製した。
試料14は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、さらに厚さが5nmの酸化アルミニウムをALD法により形成し、その後酸素流量を60sccm、圧力を24Pa、電極間距離を20mm、基板と対向する電極に印加する電力および周波数をそれぞれ100Wおよび13.56MHz、基板側電極に印加する電力および周波数をそれぞれ500Wおよび400kHz、基板温度を350℃、処理時間を120sec.として酸素プラズマ処理を行って作製した。
試料15は、シリコン基板に厚さが100nmの酸化シリコンを熱酸化法によって形成後、厚さが100nmの酸化窒化シリコンをPECVD法により形成し、さらに厚さが5nmのIn−Ga−Zn酸化物(In:Ga:Zn=1:3:4(原子数比))をスパッタリング法により形成し、その後酸素流量を200sccm、圧力を40Pa、電極間距離を30mm、基板と対向する電極に印加する電力および周波数をそれぞれ100Wおよび13.56MHz、基板側電極に印加する電力および周波数をそれぞれ500Wおよび400kHz、基板温度を350℃、処理時間を120sec.として酸素プラズマ処理を行って作製した。
試料1乃至試料15は混酸アルミ液(2.0重量%の硝酸と、9.8重量%の酢酸と、72.3重量%のリン酸とを含有する水溶液)に浸漬させて酸化アルミニウムまたはIn−Ga−Zn酸化物を除去した後、TDSにより酸化窒化シリコン膜からの酸素放出量を測定した。結果を図43に示す。なお、試料1および8には酸化アルミニウムを成膜していないが、処理履歴を他の試料と合わせるため、酸化窒化シリコンを成膜した後に前述した混酸アルミ液に浸漬させた。
以上のTDSの結果より、酸化アルミニウムまたはIn−Ga−Zn酸化物を成膜せずに酸素プラズマ処理を行った場合は酸化窒化シリコンからの酸素放出量が8.0×1014個/cm未満であり、酸化物半導体中の酸素欠陥を補填するのに十分な量の酸素を添加できないことが分かった。一方、保護膜として酸化アルミニウムまたはIn−Ga−Zn酸化物を成膜後に酸素プラズマ処理を行った場合、保護膜の種類、膜厚および成膜法によらず、酸化窒化シリコンからの酸素放出量が8.0×1014個/cm以上であり、酸化物半導体中の酸素欠陥を補填するのに十分な量の酸素を添加できることがわかった。
100 トランジスタ
101 基板
103 絶縁膜
104 酸化物半導体
105a 導電膜
105b 導電膜
106 絶縁膜
107 導電膜
108 絶縁膜
109 酸素
110 基板
111a 電極
111b 電極
112a 交流電圧
112b 交流電圧
113 プラズマ
200 トランジスタ
201 基板
203 絶縁膜
204a 絶縁膜
204b 酸化物半導体
204c 絶縁膜
205a 導電膜
205b 導電膜
206 絶縁膜
207 導電膜
208 絶縁膜
209 酸素
300 トランジスタ
301 基板
302 導電膜
303 絶縁膜
304 酸化物半導体
305a 導電膜
305b 導電膜
306 絶縁膜
307 導電膜
308 絶縁膜
400 半導体基板
405a 導電膜
405b 導電膜
405c 導電膜
405d 導電膜
406a 絶縁膜
406b 絶縁膜
407 導電膜
407a 導電膜
407b 導電膜
410 半導体基板
411a 領域
411b 領域
412 絶縁膜
413 導電膜
414 領域
415 絶縁膜
416 絶縁膜
417 絶縁膜
418a 導電膜
418b 導電膜
418c 導電膜
419a 導電膜
419b 導電膜
419c 導電膜
420a 導電膜
420b 導電膜
421a 導電膜
421b 導電膜
421c 導電膜
422a 導電膜
422b 導電膜
422c 導電膜
422d 導電膜
423a 導電膜
423b 導電膜
423c 導電膜
423d 導電膜
424 絶縁膜
425 絶縁膜
426 絶縁膜
427a 導電膜
427b 導電膜
428a 導電膜
428b 導電膜
428c 導電膜
429a 導電膜
429b 導電膜
429c 導電膜
429d 導電膜
430a 導電膜
430b 導電膜
430c 導電膜
430d 導電膜
431 絶縁膜
432 絶縁膜
433 絶縁膜
434 絶縁膜
435 領域
506a 絶縁膜
506b 絶縁膜
507a 導電膜
507b 導電膜
600 撮像装置
601 スイッチ
602 スイッチ
603 スイッチ
610 画素部
611 画素
612 副画素
612B 副画素
612G 副画素
612R 副画素
620 光電変換素子
630 画素回路
631 配線
647 配線
648 配線
649 配線
650 配線
653 配線
654 フィルタ
654B フィルタ
654G フィルタ
654R フィルタ
655 レンズ
656 光
657 配線
660 周辺回路
670 周辺回路
680 周辺回路
690 周辺回路
691 光源
700 シリコン基板
710 層
720 層
730 層
740 層
751 トランジスタ
752 トランジスタ
753 トランジスタ
760 フォトダイオード
761 アノード
763 低抵抗領域
770 プラグ
771 配線
772 配線
773 配線
780 絶縁膜
801 画素回路
806 保護回路
807 端子部
850 トランジスタ
852 トランジスタ
854 トランジスタ
860 容量素子
862 容量素子
870 液晶素子
872 発光素子
1100 トランジスタ
1200 トランジスタ
1203 スイッチ
1214 トランジスタ
1802 画素部
1804 駆動回路部
1804a ゲートドライバ
1804b ソースドライバ
2001 配線
2002 配線
2003 配線
2004 配線
2005 配線
2006 配線
2007 配線
2200 トランジスタ
2300 トランジスタ
2400 トランジスタ
2500 容量素子
2600 容量素子
3002 配線
3005 配線
3189 ROMインターフェース
3190 基板
3191 ALU
3192 ALUコントローラ
3193 インストラクションデコーダ
3194 インタラプトコントローラ
3195 タイミングコントローラ
3196 レジスタ
3197 レジスタコントローラ
3198 バスインターフェース
3199 ROM
3200 記憶素子
3201 回路
3202 回路
3203 スイッチ
3204 スイッチ
3206 論理素子
3207 容量素子
3208 容量素子
3209 トランジスタ
3210 トランジスタ
3213 トランジスタ
3214 トランジスタ
3216 容量素子
3217 トランジスタ
3220 回路
4000 タッチパネル
4001 タッチパネル
4501 表示装置
4502t トランジスタ
4503c 容量素子
4503t トランジスタ
4504 走査線駆動回路
4505 画素
4509 FPC
4510 基板
4510a 絶縁層
4510b 基板
4510c 接着層
4511 配線
4519 端子
4521 絶縁層
4522 絶縁層
4528 隔壁
4529 液晶層
4530a スペーサ
4530b スペーサ
4531 絶縁層
4550 EL素子
4551 液晶素子
4560 封止層
4567 着色層
4568 遮光層
4569 反射防止層
4570 基板
4570a 絶縁層
4570b 基板
4570c 接着層
4580 発光モジュール
4590 基板
4591 電極
4592 電極
4593 絶縁層
4594 配線
4595 タッチセンサ
4597 接着層
4598 配線
4599 接続層
5100 ペレット
5120 基板
5161 領域
8000 テレビジョン装置
8001 筐体
8002 表示部
8003 スピーカ部
8200 室内機
8201 筐体
8202 送風口
8203 CPU
8204 室外機
8300 電気冷凍冷蔵庫
8301 筐体
8302 冷蔵室用扉
8303 冷凍室用扉
8304 CPU
9700 電気自動車
9701 二次電池
9702 制御回路
9703 駆動装置
9704 処理装置

Claims (17)

  1. 基板上の第1の絶縁膜上に、第1のゲート電極、チャネル形成領域中の酸化物半導体、前記酸化物半導体と前記第1のゲート電極の間の第2の絶縁膜、ソース電極、およびドレイン電極を有するトランジスタを形成し、
    前記トランジスタ上に第3の絶縁膜を形成し、
    前記第3の絶縁膜を通して酸素を前記第1の絶縁膜に添加することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 前記酸素の添加は、プラズマ処理法によって行うことを特徴とする請求項1に記載の作製方法。
  3. 前記プラズマ処理法は、第1の電極および第2の電極を有する装置により行い、
    前記第1の電極と前記第2の電極の間に前記基板が設置され、
    前記第1の電極は前記第2の電極より前記基板から離れており、
    前記第1の電極に交流電圧を印加することによりプラズマを発生させ、
    前記第2の電極に、13.56MHz以下の周波数の交流電圧を印加することにより酸素を前記第1の絶縁膜に添加することを特徴とする請求項2に記載の作製方法。
  4. 前記酸素の添加は、前記基板を加熱しながら行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の作製方法。
  5. 前記第3の絶縁膜は、アルミニウムと、少なくとも酸素と窒素のうち一つを含有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の作製方法。
  6. 前記第3の絶縁膜は、酸化アルミニウム、酸化窒素アルミニウム、および窒化酸化アルミニウムから選ばれる材料を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の作製方法。
  7. 前記第3の絶縁膜は、酸素と、少なくともインジウム、ガリウム、および亜鉛のうち一つを含有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の作製方法。
  8. 前記第3の絶縁膜は、酸化インジウム、酸化ガリウム、および酸化亜鉛から選ばれる材料を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の作製方法。
  9. 前記第3の絶縁膜は、前記酸化物半導体の上に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の作製方法。
  10. 前記第3の絶縁膜は、前記第1の絶縁膜、前記第1のゲート電極、前記第2の絶縁膜、前記ソース電極および前記ドレイン電極と接するように形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の作製方法。
  11. 前記第3の絶縁膜の膜厚は1nm以上20nm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の作製方法。
  12. 前記第1のゲート電極は前記酸化物半導体の上に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の作製方法。
  13. 前記ソース電極と前記ドレイン電極は前記酸化物半導体の上に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の作製方法。
  14. 前記酸化物半導体は、
    第1の酸化物膜、前記第1の酸化物膜上の第2の酸化物膜および前記第2の酸化物膜上の第3の酸化物膜、を有し、
    前記第1の酸化物膜と前記第2の酸化物膜の組成は互いに異なることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の作製方法。
  15. 前記第1のゲート電極は前記酸化物半導体の上に位置し、
    前記トランジスタは前記酸化物半導体の下に第2のゲート電極をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の作製方法。
  16. 前記半導体装置は、記憶装置、プロセッサ、撮像装置、表示装置および電子機器から選ばれることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の作製方法。
  17. 請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載の作製方法によって作製された半導体装置。
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