JP2016157513A - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 異常発熱が起こったときに熱暴走を止められる高安全のリチウムイオン電池を提供する。また、電池の組立も煩雑にしない。【解決手段】 帯状の集電箔に活物質が塗工された正負極板が、帯状セパレータを介して積層され前記帯状の長手方向に捲回されている電極群23を有する。正負極板には、捲回始め部分に相当する長手方向の端部に、長手方向に対する幅方向の全体に亘って活物質が塗工されず集電箔3a,7aが露出している活物質未塗工部7b,7cが配置されている。電極群23における活物質未塗工部7b,7cは第1セパレータ5Aを介して相対しており、第1セパレータ5Aはその溶融温度t1(℃)が100〜170℃、正負極板の他の部分に当接する第2のセパレータ5Bはその溶融温度t2(℃)が溶融温度t1よりも高く、t2/t1が1.3〜5である。【選択図】図1

Description

本発明は、捲回型電極群を用いたリチウムイオン電池に関するものである。
リチウムイオン電池は、高エネルギー密度という利点を活かし、デジタルカメラやノートパソコン、携帯電話などのポータブル機器の電源として使用されている。また、環境問題に対応すべく、電気自動車用途や電力貯蔵を目的とする大型のリチウムイオン電池の研究開発が活発に行われている。
ところで、リチウムイオン電池には、十分な安全性への配慮が必要である。特に大型のリチウムイオン電池は、大電流で充電と放電がなされるため、高容量になるほど安全性の担保が重要になる。例えば、リチウムイオン電池が過充電された場合は、電池内部の温度が過度に上昇して熱暴走を起こす。熱暴走が起きると、電解液の気化や活物質の熱分解によりガスが発生し、電池容器の破裂や、最悪の場合には発火の恐れがある。
そこで、特許文献1(特開2003−243037号公報)は、次のような安全対策を開示している。
すなわち、帯状の集電箔に活物質が塗工された正極板と同負極板が、帯状セパレータを介して積層され前記帯状の長手方向に捲回されている電極群を有するリチウムイオン電池において、活物質が塗工されていないアルミニウム箔と銅箔の電極対を捲回の中心位置にて前記正極板と負極板のそれぞれに接続し、前記電極対の間には他の箇所に介在させたセパレータよりも溶融温度の低いセパレータを介在させている。
このように構成すると、電池の異常発熱時には、先ず溶融温度の低いセパレータが溶融してアルミニウム箔と銅箔が接触短絡する。そうすると、両者の間に短絡電流が流れることにより、電解液と活物質との化学反応が停止されるので、電池の熱暴走を未然に防止できる。
また、特許文献2(特許4984456号公報)は、次のような安全対策を開示している。
すなわち、捲回された正負極板に、活物質が連続して塗工されていない若しくは散点状に塗工されていない領域を極板の長手方向に帯状に設け、前記領域の正負極板間には他の箇所に介在させたセパレータよりも溶融温度が低いセパレータを介在させている。
このように構成すると、上記と同様に、先ず溶融温度の低いセパレータが溶断や破断して正負極板の活物質が塗工されていない部同士が接触短絡する。
特開2003−243037号公報 特許4984456号公報
特許文献1に開示された電池は、捲回された電極群の中心に溶融温度の低いセパレータが配置されている。この溶融温度の低いセパレータの溶融温度をどのように設定するかについては具体的に開示されていない。
特許文献2に開示された電池は、溶融温度の低いセパレータを捲回方向に帯状に配置している。すなわち、極板の幅方向では、セパレータの溶融温度を変えなければならない。幅方向に溶融温度の異なる部位をもつ帯状のセパレータを準備するのは煩雑であり実用的ではない。
本発明が解決しようとする課題は、電池の異常発熱が起こったときに確実に熱暴走を止めることができる安全性の高いリチウムイオン電池を提供することである。また、電池の組立も煩雑にしないことである。
上記課題を解決するために、本発明にかかるリチウムイオン電池は、帯状の集電箔に活物質が塗工された正極板と同負極板が、帯状セパレータを介して積層され前記帯状の長手方向に捲回されている電極群を有する。前記正極板と負極板には、捲回始め部分に相当する長手方向の端部又は長手方向の中間部に、長手方向に対する幅方向の全体に亘って活物質が塗工されず集電箔が露出している活物質未塗工部が配置されている。前記電極群における正極活物質未塗工部と負極活物質未塗工部とはセパレータを介して相対しており、正極板および負極板の前記活物質未塗工部に当接する第1セパレータはその溶融温度t1(℃)が100℃以上170℃以下であり、正極板および負極板の他の部分に当接する第2セパレータはその溶融温度t2(℃)が溶融温度t1よりも高く、t2/t1が1.3以上5以下であることを特徴とする。
セパレータが溶融する温度を上記のように設定すると、電池の異常発熱時に、第1セパレータの溶融開始が徒に遅れることがなく、第2セパレータが予期せぬ溶融をすることもない。先ず、第1セパレータが溶融して正負極板の活物質未塗工部同士が接触短絡し、電池の熱暴走を未然に防ぐことができる。電池の組立は、捲回の長手方向で第1セパレータと第2セパレータの使用を切り替えることにより対応可能である。
上記のように、本発明は、第1セパレータと第2セパレータの溶融温度を適切に設定して、電池の異常発熱時に電池反応を安全に停止、熱暴走を回避することができる。電池の組立は、捲回の途中で第1セパレータと第2セパレータを切り替えることによって容易に実現可能である。
本発明の実施形態のリチウムイオン電池の断面図である。 本発明の実施形態にかかるリチウムイオン電池の捲回前の正負極板の説明図である。 図2のY−Y’線に沿う断面図(積層された正極板、負極板、セパレータの厚さ方向の位置関係を示す図)である。 本発明の実施形態にかかるリチウムイオン電池の径方向の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面等を参照して説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。
図1は、本発明の一実施の形態に係るリチウムイオン電池の断面図である。
リチウムイオン電池1は、帯状の集電箔に活物質が塗工された正極板と同負極板が、帯状セパレータを介して積層され前記帯状の長手方向に捲回されている電極群23を用いている。電極群23は電池缶9に収容され、併せて電解液が電池缶9に収容されている。正極端子11aに正極集電タブ11bが接続され、負極端子13aには負極集電タブ13bがされ、電池缶9を密閉する蓋17には安全弁19が装着されている。
電池缶9は、電解液による腐食やリチウムイオンとの合金化による材料の変質が起こらないように材料の選定を行う。アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼製等の材料から選択される。
電池の組立は、電池缶9に電極群23を収納し、電池蓋17に正極集電タブ11bを電気的に接続し、電池缶9に負極集電タブ13bを電気的に接続する。そして、電池の密閉の前に、電解液を電池缶9に注入する。
電解液の注入は、電池蓋17を電池缶9に装着する前の解放した状態にて電池缶9に直接注入する方法がある。その後、電池缶9を、ガスケット15を介して電池蓋17にカシメ固定し、電池缶9を密閉する。また、電池缶9を電池蓋17にカシメ固定した後に、電池蓋17に設置した注入口から電解液を注入する方法がある。その後、注入口を密封する。電池を密閉する方法には、溶接、カシメ等公知の技術を用いることができる。
電極群23は、主に、正極板3、第1セパレータ5A、第2セパレータ5B、負極板7から構成されている。正極板3は、長尺の正極集電箔3aに正極活物質未塗工部3bと正極活物質塗工部3cを設けている。負極板7も同様にして、長尺の負極集電箔7aに負極活物質未塗工部7bと負極活物質塗工部7cを設けている。正極活物質未塗工部3bと負極活物質未塗工部7bは、正極集電箔3a、負極集電箔7aそれぞれの幅方向全体に亘っている。当然のことながら、正極集電タブ11bおよび負極集電タブ13bには活物質が未塗工となっている。
第1セパレータ5Aは、正極活物質未塗工部3bと負極活物質未塗工部7bの間に、これらと対向して配置されている。
第2セパレータ5Bは、正極活物質塗工部3cと負極活物質塗工部7cの間に対向して配置されている。第1セパレータ5Aと第2セパレータ5Bの捲回方向の端縁同士は、突合せてつなぎ合わせてもよいし、重ねあわせるようにして配置してもよい。
正極活物質未塗工部3bと負極活物質未塗工部7bは、電極群の捲回始め又は捲回始めから捲回終わりまでの長さのうち、捲回始めから1/2以内の長さ位置に配置すればよい。好ましくは、捲回始めから1/5周以内の位置から始まり、かつ、1周以上捲回される長さである。最も好ましくは、正極活物質未塗工部3bと負極活物質未塗工部7bは、電極群23の捲回開始部分に位置し、かつ、1〜3周捲回される長さである。
軸芯21は、電極群23を支持できるものであれば、公知の任意のものを用いることができる。軸芯21がなくとも、電極群の形状保持が可能であれば、軸芯21用いなくてもよい。
電極群23は、図1に示した円筒形状の他に扁平形状等、捲回した形状であれば適用することができる。電池缶9の形状は、電極群23の形状に合わせ、円筒形、偏平長円形状、扁平楕円形状等の形状を選択してもよい。
正極板は、正極活物質、導電剤、バインダおよび集電箔から構成される。正極活物質を例示すると、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、Fe(MoO4)3、FeF3、LiFePO4、およびLiMnPO4等である。ただし、本発明では、これらの活物質に限定らず他の正極活物質も用いることができる。
正極活物質の粒径は、正極活物質、導電剤およびバインダにより正極集電箔3a上に形成される合剤層の厚さ以下になるように通常は規定される。正極活物質の粉末中に前記合剤層厚さ以上のサイズを有する粗粒がある場合、予めふるい分級や風流分級等により粗粒を除去し、合剤層厚さ以下の粒子に選別することが好ましい。
また、正極活物質は、一般に酸化物系であるために電気抵抗が高い。そこで、電気伝導性を補うために、正極活物質には炭素粉末からなる導電剤を添加する。正極活物質および導電剤はともに通常は粉末であるので、粉末にバインダを混合して、粉末同士を結合させると同時にこれを塗工した集電箔へ接着させることができる。
正極集電箔3aには、厚さ10〜100μmのアルミニウム箔、厚さ10〜100μmで孔径0.1〜10mmのアルミニウム穿孔箔、エキスパンドメタル、又は発泡金属板等が用いられる。アルミニウムの他に、ステンレスやチタン等の材質も適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法等に制限されることなく、任意の集電箔を使用することができる。
負極板は、負極活物質、バインダおよび集電箔から構成される。必要に応じて、導電補助材が用いられる。負極活物質には炭素系材料が一般に用いられるが、酸化系材料であるチタン酸リチウム、SiやGeを含む材料等も用いることが出来る。
バインダとしては、特に限定はないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、主骨格がポリアクリロニトリルであるバインダを用いるとよい。後述する熱処理における熱処理温度を低くすることができ、得られる電極の柔軟性が優れることから好ましい選択である。
集電箔の材質および形状については特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等を、箔、穿孔箔、帯状のメッシュ等の形態で用いればよい。また、多孔性材料、例えば、ポーラスメタル(発泡メタル)やカーボンペーパーなども使用可能である。
本発明における正極活物質未塗工部3bと負極活物質未塗工部7bは導体そのものであり、酸化や劣化から保護する目的で、表面に酸化防止剤や防食剤などの薄層を形成してもよい。
電解液は、電解質、非水溶媒および添加剤から構成される。電解質の代表例としては、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(SOF)、LiN(CSOがあり、特に、LiPF、LiBFまたはLiN(CFSO、LiN(SOF)、が好ましい。これらの電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
非水溶媒としては、鎖状および環状カーボネート、鎖状および環状カルボン酸エステル、鎖状および環状エーテル、含リン有機溶媒、含硫黄有機溶媒、含ホウ素有機溶媒等が挙げられる。本発明のリチウムイオン電池で用いる非水系電解液は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、各種の添加剤を含有していてもよい。
上記添加剤は、従来公知のものを任意に用いることができる。添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。添加剤としては、過充電防止剤や、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤、電解液に難燃性を付与する難燃剤等が挙げられる。
これらの中でも、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤として、不飽和結合およびハロゲン原子のうち少なくとも一方を有するカーボネートを加えることが好ましい。
セパレータは、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンなどよりなるオレフィン系樹脂の多孔質膜、ポリテトラフルオロエチレンなどからなるフッ素系樹脂の多孔質膜、セルロース製多孔質膜、アラミド製多孔質膜であり、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造としてもよく、或いはこれらの多孔質膜の表面にセラミック、バインダの混合物やアクリル系粘着剤などを塗布しても良い。
多孔質膜を積層した構造で好ましいのは、二層或いは三層構造であり、二層構造で好ましい組み合わせは、オレフィン系樹脂の多孔質膜の表面にセラミックやセルロース、アラミドなどの溶融層を塗布したものであり、より溶融層の中で好ましくはセラミックである。このような組合せとすることで、電池の異常高温によって溶融するセパレータのシャットダウン機能を維持しつつ、高温まで形状保持機能を有することができる。
また、三層構造のセパレータにおいて好ましい組み合わせは、溶融温度の異なる多孔質膜を積層したものであり、さらに好ましくはオレフィン系樹脂を含む多孔質膜の組み合わせであり、より好ましくは、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの順で積層されたものである。上記組み合わせにすることで、シャットダウン機能を持ち、かつ電気化学的安定性にも優れているため好ましい。
オレフィン系樹脂の多孔質膜の表面に形成するセラミック層に好ましい材料は、BaTiO、HfO、SrTiO、TiO、SiO、Al、ZrO、SnO、CeO、MgO、CaO、Y、水酸化アルミニウム、アルミナシリケート、またはこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。入手の容易性と電気化学的安定性の観点から、具体的にはSiO、Al、水酸化アルミニウム、アルミナシリケート、TiOが好ましい。セラミックの粒子径としては0.1〜50μmであり、さらに好ましくは0.15〜30μmであり、最も好ましくは、電池用セパレータとしての厚さとオレフィン系樹脂の多孔質膜の多孔を閉塞させない観点から、0.2〜10μmである。
セパレータの膜厚としては、膜強度またはイオン透過性の観点から、1〜300μmであることが好ましく、より好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜70μmである。
多孔質膜は、一般に、気孔率が20〜90%であれば、リチウムイオン電池に使用可能であり、好ましくは25〜80%であり、さらに好ましい範囲は30〜70%である。気孔率が上記範囲内にあると、ハイレート放電時のリチウムイオンの移動を妨げず、膜強度および自己放電抑制の観点からも好ましい。また、セパレータが100℃の環境下に1時間曝されたときの熱収縮率は、20%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、15%以下であり、より好ましくは10%以下である。電池の使用環境温度を考慮すると、こうした観点の配慮もなされ必要がある。
セパレータの引張強度は、製造時の延伸方向(MD)とこれに対する幅方向(TD)の両方向においてそれぞれ50kg/cm以上であり、70kg/cm以上であることがより好ましい。MD、TD両方向の引張強度を50kg/cm以上とすることは、セパレータにスリットを入れる時や極板捲回時に破断が起こりにくくなる観点、また、電池内の異物などによる短絡が生じにくくなる観点から好ましい。また、ハイレート放電時などにおける電極の膨張収縮に対して、セパレータの多孔が元の孔構造を維持しやすくなり、特性の低下を軽減し得る観点からも好ましい。
本発明において用いる溶融温度の異なる2種類セパレータは、上記条件を満たしていれば良く、例えば、同じ材質で密度や膜圧を変化させたものであっても良い。第1セパレータの溶融温度は100℃以上170℃以下である。より好ましくは、130℃以上170℃以下であるとよい。第2セパレータの溶融温度は120度以上600度以下であるとよい。より好ましくは、170℃以上500℃以下であるとよい。
また、第1セパレータの配置箇所ではリチウムイオンの移動が行われないため、リチウムイオンの透過性を持たない材料で第1セパレータを構成しても良い。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
試験に用いた実施例1のリチウムイオン電池を下記のように製造した。
平均粒子径10μmの負極活物質(ハードカーボン クレハ製)に導電材(HS−100 電気化学工業製)、バインダ(PVdF クレハ製)を固体質量比で85:5:10になるように配合し、プラネタリミキサ(PRIMIX;ハイビスミックス)にて混合し、粘度調整のためNMPを適宜添加してスラリを調製した。このスラリを塗工機にて厚さ10μmの圧延銅箔(リチウム電池グレード)の両面に実質的に均等かつ均質になるよう塗工した。塗工量は、80g/mとした。乾燥後、電極密度が1.0g/ccになるようにプレスして負極板7を作製し、捲回される負極板7の寸法を幅55mm、長さ505mmとした。
平均粒子径12μmの正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)に導電材(HS−100 電気化学工業製)、バインダ(PVdF クレハ製)を固体質量比で85:5:10になるように配合し、プラネタリミキサ(PRIMIX;ハイビスミックス)にて混合し、粘度調整のためNMPを適宜添加してスラリを調製した。このスラリを塗工機にて厚さ20μmのアルミニウム箔(リチウム電池グレード)の両面に実質的に均等かつ均質になるよう塗布した。乾燥後、電極密度を2.5g/ccになるようにプレスして正極板3を作製し、捲回される正極板3の寸法を幅53mm、長さ505mmとした。
上記で作製した、負極板7、正極板3にセパレータ5(リチウムイオン電池グレード)を介して積層し、捲回機にて捲回し電極群23を作製した。
質量比でエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=30:70に1質量%のビニレンカーボネート(VC)を配合した溶媒に1.0mol/L(1.0Mと称する)のLiPFを添加した電解液を準備し、前記の電解液を、上記電極群23を用いて組み立てたリチウムイオン電池に所定量注液した。全ての工程をドライルーム内(露点温度:−60℃以下)で行い、正極と負極の充電容量比率を負極/正極=1.1、電池の放電容量を900mAhとなるように設計した。以上のようにして実施形態のリチウムイオン電池を作製した。
(実施例1)
上記実施形態の電極群23において、捲回始めから2周分の正極板3および負極板5は、幅方向全体に亘って活物質を塗工しない活物質未塗工部(3b、7b)とし、集電箔が露出している状態とした。
また、正極板3および負極板7の活物質未塗工部(3b、7b)の間に位置する第1セパレータ5A(以下、実施例では「S1」という)として、15μm厚のポリエチレン製単層セパレータ(以下、「PE単層」という)を採用し、他の部分に位置する第2セパレータ5B(以下、実施例では「S2」という)として、30μm厚のポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン三層セパレータ(以下、「三層」という)を採用した。
(実施例2)
S2を、表面にアルミナセラミック層を形成した30μm厚のポリプロピレンセパレータ(以下、実施例では「セラミック」という)に変更した以外は実施例1と同様である。
(実施例3)
S2を、30μm厚のセルロースセパレータ(以下、実施例では「セルロース」という)に変更した以外は実施例1と同様である。
(実施例4)
S2を、30μm厚のアラミドセパレータ(以下、実施例では「アラミド」という)に変更した以外は実施例1と同様である。
(実施例5)
S1を三層に、S2をセラミックに変更した以外は実施例1と同様である。
(実施例6)
S1を三層に、S2をセルロースに変更した以外は実施例1と同様である。
(実施例7)
S1を三層に、S2をアラミドに変更した以外は実施例1と同様である。
上記各実施例は、活物質未塗工部(3b、7b)を、正負極板の幅方向全体に亘って活物質を塗工しないものとしている。以下の実施例8、9は、活物質未塗工部(3b、7b)に一定面積範囲内で活物質塗工領域を配置することを妨げない例である。
(実施例8)
上記実施形態の電極群23において、正負極板の活物質未塗工部(3b、7b)の領域に、その領域面積の10%を占める円形の活物質塗工領域を設けた(以下、実施例では「塗工領域10%」という)。当該塗工領域は、軸芯巻き取り開始位置から長手方向に15mmの位置で幅方向の中央に配置した。それ以外は実施例1と同様である。
(実施例9)
上記実施例8において、正負極板の活物質未塗工部(3b、7b)の領域に、その領域面積の15%を占める活物質塗工領域を設け(以下、実施例では「塗工領域15%」という)、S1を三層に、S2をセラミックに変更した以外は実施例8と同様である。
(比較例1)
S2をPE単層に変更した以外は実施例1と同様である。
(比較例2)
S1を三層に、S2をPE単層に変更した以外は実施例1と同様である。
(比較例3)
S1をセルロースに、S2をアラミドに変更した以外は実施例1と同様である。
(比較例4)
S1をセラミックに、S2をセルロースに変更した以外は実施例1と同様である。
(比較例5)
上記実施形態の電極群23において、正負極板の活物質未塗工部(3b、7b)を捲回終わりの2周分とした以外は実施例1と同様である。
(比較例6)
比較例5において、S2をアラミドに変更した以外は比較例5と同様である。
(比較例7)
比較例5において、S1を三層に、S2をセラミックに変更した以外は比較例5と同様である。
(比較例8)
比較例5において、S1をセラミックに、S2をセルロースに変更した以外は比較例5と同様である。
(比較例9)
上記実施形態において、正極板および負極板に活物質未塗工部を設けない従来の捲回電極群とした。S2にはPE単層を用いた。
(比較例10)
上記実施形態において、正極板および負極板に活物質未塗工部を設けない従来の捲回電極群とした。S2にはアラミドを用いた。
(比較例11)
上記実施形態において、正負極板の活物質未塗工部(3b、7b)をそれぞれの極板の幅方向中央に、10mm幅で極板の長手方向一様に形成した(以下、「長手方向一様」という)。S1をPE単層、S2を三層とした。
(比較例12)
上記実施例8において、正負極板の活物質未塗工部(3b、7b)における活物質塗工領域を20%に変更した(以下、「塗工領域20%」という)以外は実施例8と同様とした。
(比較例13)
上記比較例12において、S1を三層、S2をセラミックに変更した以外は比較例112と同様である。
(比較例14)
上記実施例1において、活物質未塗工部を捲回巻き始めから捲回巻き終わりまでの長さのうち巻き始めから2/3の位置に2周分配置した(以下、「2/3」という)以外は実施例1と同様とした。
(過充電試験)
上記の各実施例、各比較例の電池において、0.2時間率(0.2CA)の定電流で、2.7Vまで放電する。その後、雰囲気温度25±5℃下において、3CAの電流値にて、電池に異常現象が生じるまで充電し、電池の現象を観察した。
(衝突試験)
上記の各実施例、各比較例の電池において、電池の径方向を横切るように、直径15.8mmの丸棒を電池の中央に配置し、50±2.5cmの高さから質量500gの重りをその棒の上へ落下させて衝撃を加え、その後の電圧変化を観察した。
表に過充電試験と衝撃試験の評価結果を示す。
過充電試験において、試験数(n=5)の全てが熱暴走(発火又は破裂)に至らなかった場合を「○」(良)、一部が熱暴走に至った場合を「△」(問題有)、全てが熱暴走に至った場合を「×」(不良)と評価している。
また、衝撃試験において、試験後の電池の電圧値が1時間で0.01V以上電圧低下した場合を内部短絡が起きたとし、試験数(n=3)の全てが内部短絡を起こさなかった場合を「○」(良)、一部が内部短絡を起こした場合を「△」(問題有)、全てが内部短絡を起こした場合を「×」(不良)と評価している。
Figure 2016157513
Figure 2016157513
表1に示すように、各実施例においては、過充電試験、衝撃試験ともに評価「○」であった。
表2に示すように、比較例9、10は、活物質未塗工部を持たないので過充電試験において熱暴走を防ぐことが出来ていない。比較例1、2は、活物質未塗工部が電極群の内側にあっても、S1とS2の溶融温度比t2/t1が1.3未満であるので、S1とS2がほとんど同時に溶融、破断又は収縮して、正負極板間の絶縁を保持できなくなるため熱暴走を防ぐことが出来ていない。
さらに、比較例3、4は、活物質未塗工部が電極群23の内側にあっても、S1の溶融温度が170℃を越える高いものであるので、活物質未塗工部でS1の溶融による短絡が起こらず、正負極板間の微小短絡などによって連鎖的な発熱が発生し、熱暴走が起きていると考えられる。殊に、比較例4は、溶融温度比t2/t1が1.3以上であるにも拘わらず、熱暴走が起きている。比較例14は、活物質未塗工部が、電極群の捲回始めから捲回終わりまでの長さのうち、捲回始めから1/2を越えた長さ位置に配置されている。すなわち、捲回始め部分に相当する長手方向の中間部に活物質未塗工部が配置されていないので、熱暴走が起きている。
また、比較例5〜8は、活物質未塗工部が電極群23の外側にあるので、衝撃試験では内部短絡を生じさせる場合がある。実使用環境においても予期せぬ短絡を発生させて、電池機能を失う可能性があることを示している。
実施例8、9と比較例12との対比より、活物質未塗工部が極板の幅方向の全体に亘っていなくても、活物質塗工領域を一定の面積範囲(15%以下)に制限しておくことにより、熱暴走を防ぐことは出来ることが分かる。
1 リチウムイオン電池
3 正極板
3a 正極集電箔
3b 正極活物質未塗工部
3c 正極活物質塗工部
5A 第1セパレータ
5B 第2セパレータ
7 負極板
7a 負極集電箔
7b 負極活物質未塗工部
7c 負極活物質塗工部
9 電池缶
11a 正極端子
11b 正極集電タブ
13a 負極端子
13b 負極集電タブ
15 ガスケット
17 電池蓋
19 安全弁
21 軸芯
23 電極群

Claims (4)

  1. 帯状の集電箔に活物質が塗工された正極板と同負極板が、帯状セパレータを介して積層され前記帯状の長手方向に捲回されている電極群を有するリチウムイオン電池であって、
    前記正極板と負極板には、捲回始め部分に相当する長手方向の端部又は長手方向の中間部に、長手方向に対する幅方向の全体に亘って活物質が塗工されず集電箔が露出している活物質未塗工部が配置され、前記電極群における正極活物質未塗工部と負極活物質未塗工部とはセパレータを介して相対しており、
    正極板および負極板の前記活物質未塗工部に当接する第1セパレータはその溶融温度t1が100℃以上170℃以下であり、正極板および負極板の他の部分に当接する第2のセパレータはその溶融温度t2(℃)が溶融温度t1よりも高く、t2/t1が1.3以上5以下であることを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 活物質未塗工部が、電極群の捲回始めから捲回終わりまでの長さのうち、捲回始めから1/2以内の長さ位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン電池。
  3. t1が130℃以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のリチウムイオン電池。
  4. 帯状の集電箔に活物質が塗工された正極板と同負極板が、帯状セパレータを介して積層され前記帯状の長手方向に捲回されている電極群を有するリチウムイオン電池であって、
    前記正極板と負極板には、捲回始め部分に相当する長手方向の端部に、長手方向に対する幅方向に亘って活物質が塗工されず集電箔が露出している活物質未塗工部が配置され、前記活物質未塗工部には15%以下の面積で活物質塗工領域を有し、前記電極群における正極活物質未塗工部と負極活物質未塗工部とはセパレータを介して相対しており、
    正極板および負極板の前記活物質未塗工部に当接する第1セパレータはその溶融温度t1が100℃以上170℃以下であり、正極板および負極板の他の部分に当接する第2のセパレータはその溶融温度t2(℃)が溶融温度t1よりも高く、t2/t1が1.3以上5以下であることを特徴とするリチウムイオン電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7567101B2 (ja) 2021-10-20 2024-10-16 香港時代新能源科技有限公司 電極アセンブリ、電池、電池モジュール、電池パック及び電力消費装置

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