JP2016157310A - プラント制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非線形項を含む評価関数を用いた修正目標値探索において、微分不可能な点に起因する異常値の発生を抑制し、最適値への収束計算を速める。【解決手段】式(3)に示す評価関数J(w)は、右辺第1項の目的関数と、右辺第2項および第3項のペナルティ関数とに分離できる。目的関数を評価関数J1(w)とし、ペナルティ関数を評価関数J2(w)とすると、両者は図7に示す形状となる。微分不可能な点は、評価関数J1(w)と評価関数J2(w)を重ね合わせたときの交点に相当する。傾斜∇Δ1(wcand),∇Δ2(wcand)の計算の際に、当該交点の集合として特定される楕円の円弧の外側に評価関数J(wcand+Δ1),J(wcand−Δ1),J(wcand+Δ2),J(wcand−Δ2)の4点のうちの何れかが位置する場合には、その外側に位置する評価関数値を、楕円上の値に補正する。【選択図】図7

Description

本発明は、プラント制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、プラントの制御量の出力値を目標値に近づけるようにフィードバック制御によって当該プラントの制御入力を決定するフィードバックコントローラと、当該プラントと当該フィードバックコントローラとを含む閉ループシステムの予測モデルを用いて当該プラントの特定状態量の将来予測値を計算し、当該将来予測値、当該特定状態量に課せられた制約、オリジナルの目標値および修正目標値の候補に基づいて当該フィードバックコントローラに与えられる目標値を修正するリファレンスガバナと、を備えるプラント制御装置が開示されている。
このプラント制御装置のリファレンスガバナは、具体的に、勾配法によって、次式(1)を基本とする評価関数J(w)を最小化する修正目標値候補wcandを探索する。
Figure 2016157310
但し、rはオリジナルの目標値であり、wは修正目標値であり、ρ,・・・,ρは重み定数であり、y1,i,・・・,yn,iはn個の特定状態量の時刻kにおけるiステップ先の予測値(将来予測値)であり、y ,・・・,y はn個の特定状態量の各制約であり、Nは予測ホライズンである。
ここで、式(1)に示す評価関数J(w)の右辺第1項は、修正目標値候補wcandを変数とする目的関数である。この目標関数は、オリジナルの目標値rと修正目標値候補wcandの距離が小さいほど小さな値を取るように構成されている。また、右辺第2項〜第n+1項はペナルティ関数である。ペナルティ関数は、n個の特定状態量の将来予測値y1,i,・・・,yn,iが各制約y ,・・・,y に抵触する場合に、目的関数にペナルティを加えるように構成されている。
また、リファレンスガバナは、式(1)に示す評価関数J(w)を最小化する修正目標値候補wcandを、制御量の最終的な修正目標値wとして決定する。具体的に、リファレンスガバナは、オリジナルの目標値rに基づいて、修正目標値候補wcandを複数用意する。続いて、修正目標値候補wcandから特定状態量のn次元の座標軸方向に対してそれぞれ微小摂動Δ,・・・,Δだけ離れた近傍値wcand±Δ,・・・,wcand±Δに基づいて、2n個の評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ),・・・,J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)を求めて座標軸毎の傾斜∇Δ1(wcand),・・・,∇Δn(wcand)を求める。最終的な修正目標値wは、求めた傾斜∇Δ1(wcand),・・・,∇Δn(wcand)の合成ベクトルとしての勾配∇(wcand)を最小化する修正目標値候補wcandとして決定され、これによりオリジナルの目標値rが修正され、フィードバックコントローラに入力される。
特開2014−127083号公報
ところで、2n個の評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ),・・・,J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)を計算しているのは式(1)の評価関数が非線形項(具体的には式(1)の右辺第2項〜第n+1項)を含むのと、閉ループシステムの予測モデルが複雑になるためである。しかし、この計算手法は式(1)の非線形性が故に微分不可能な点がある場合に勾配∇(wcand)の値が一意に定まらず、異常値が発生し易くなるという難点がある。異常値が発生した場合には、修正目標値候補wcandの探索が振動的になるので、最適な修正目標値候補wcandへの収束計算が遅くなる可能性がある。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものである。即ち、非線形項を含む評価関数を用いた修正目標値探索において、微分不可能な点に起因する異常値の発生を抑制し、最適値への収束計算を速めることを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、プラント制御装置であって、
プラントの制御量の出力値をその目標値に近づけるようにフィードバック制御によって前記プラントの制御入力を決定するフィードバックコントローラと、
前記プラントと前記フィードバックコントローラとを含む閉ループシステムの予測モデルを用いて前記プラントのn個の特定状態量の将来予測値yを計算すると共に、計算した前記将来予測値yに基づいて式(1)に示される評価関数J(w)を最小にする修正目標値wを勾配法によって探索し、探索した前記修正目標値wを用いて前記フィードバックコントローラに与えられる前記目標値を修正するリファレンスガバナと、を備え、
前記リファレンスガバナは、オリジナルの目標値rに基づいて修正目標値候補wcandを複数用意し、用意した前記修正目標値候補wcandから前記特定状態量のn次元の座標軸方向に対してそれぞれ微小摂動Δ,・・・,Δだけ離れた近傍値wcand±Δ,・・・,wcand±Δに基づいて、2n個の評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ),・・・,J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)を求めて座標軸毎の傾斜∇Δ1(wcand),・・・,∇Δn(wcand)を求めると共に、求めた前記傾斜∇Δ1(wcand),・・・,∇Δn(wcand)の合成ベクトルとしての勾配∇(wcand)を最小化する修正目標値候補wcandを探索するように構成され、
前記リファレンスガバナは、前記評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ),・・・,J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)のうち、座標軸毎の組み合わせに係る評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)が(但し、mは1≦m≦nを満たす)、前記評価関数J(w)の微分不可能な点であって、式(1)の右辺第1項に示す目的関数と式(1)の右辺第2項〜第n+1項に示すペナルティ関数との交点の集合として表される楕円の円弧の内側および外側に位置する場合、前記評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)のうち前記円弧の外側に位置するものを、前記評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)を結ぶ直線と前記円弧との交点に相当する評価関数値に置き換えて傾斜∇Δm(wcand)を求めるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、2n個の評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ),・・・,J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)について、座標軸毎の組み合わせに係る評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)が、式(1)に示す評価関数J(w)の微分不可能な点を跨ぐように位置する場合、当該評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)のうち、当該微分不可能な点の集合として表される楕円の円弧の外側に位置するものを、当該評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)を結ぶ直線と当該楕円との交点に相当する値に置き換えてから傾斜∇Δm(wcand)を求めることができる。従って、微分不可能な点を跨ぐことで勾配∇m,i(wcand)に異常値が発生するのを抑制して、最適な修正目標値候補wcandへの収束計算を速めることができる。
実施の形態に係る制御装置が適用されるシステムの構成を示す図である。 実施の形態に係る制御装置が有する目標値追従制御構造を示す図である。 図2に示す目標値追従制御構造を等価変形して得られたフィードフォワード構造である。 勾配∇(wcand)を説明するための図である。 実施の形態に係るリファレンスガバナアルゴリズムを示す図である。 一般的なmax関数を説明するための図である。 式(3)に示す評価関数J(w)の右辺第1項の目的関数(評価関数J(w))と、右辺第2項および第3項のペナルティ関数(評価関数J(w))とに分離した場合の、各関数の形状を説明するための図である。 評価関数J(w)と評価関数J(w)を重ね合わせた場合の交点を説明するための図である。 図8を上方から見た図である。 評価関数J(wcand−Δ)と評価関数J(wcand−Δ)の両者が楕円の円弧の外側に位置する場合を説明するための図である。 評価関数J(wcand−Δ),(wcand−Δ)の補正手法を説明するための図である。 図2に示す目標値追従制御構造を適用可能なディーゼルエンジンの入出力の例を示す図である。
本発明の実施の形態のプラント制御装置は、車両動力プラントであるディーゼルエンジンの制御装置である。図1は、本実施の形態に係る制御装置が適用されるシステムの構成を示す図である。図1に示すように、ディーゼルエンジンの本体2には4つの気筒が直列に備えられ、気筒ごとにインジェクタ8が設けられている。エンジン本体2には吸気マニホールド4と排気マニホールド6が取り付けられている。
吸気マニホールド4にはエアクリーナ20から取り込まれた新気が流れる吸気通路10が接続されている。吸気通路10にはターボ過給機14のコンプレッサが取り付けられている。このコンプレッサの下流にはインタークーラ22が備えられ、インタークーラ22の下流にはディーゼルスロットル24が設けられている。排気マニホールド6にはエンジン本体2からの排気を大気中に放出するための排気通路12が接続されている。排気通路12にはターボ過給機14のタービンが取り付けられている。ターボ過給機14は可変容量型であって、タービンには可変ノズル16が備えられている。
図1に示すシステムは、排気系から吸気系へ排気を再循環させるEGR装置を備えている。EGR装置は、吸気通路10におけるディーゼルスロットル24の下流と排気マニホールド6とをEGR通路30によって接続する高圧ループEGR装置である。EGR通路30にはEGR弁32が設けられている。但し、EGR装置は、吸気通路10におけるコンプレッサの上流と、排気通路12におけるタービンの下流とを、EGR通路30とは別のEGR通路によって接続する低圧ループEGR装置であってもよい。
図1に示すECU(Electronic Control Unit)40が本実施の形態に係る制御装置に相当する。ECU40は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、CPU(マイクロプロセッサ)等を備えている。ECU40は、各種センサの信号を取り込み処理する。各種センサには、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ42や、アクセルペダルの開度に応じた信号を出力するアクセルペダル開度センサ44などが含まれている。ECU40は、取り込んだ各センサの信号を処理して所定の制御プログラムに従ってアクチュエータを操作する。ECU40によって操作されるアクチュエータには、可変ノズル16、ディーゼルスロットル24、EGR弁32などが含まれている。
本実施の形態において、ECU40は、ディーゼルエンジンの過給圧・EGR率制御を実行する。過給圧・EGR率制御における制御入力(操作量)は可変ノズル開度、EGR弁開度およびディーゼルスロットル開度であり、制御出力(特定状態量)は過給圧とEGR率である。ここで、過給圧とEGR率にはハード上或いは制御上の制約が課せられている。ECU40は、過給圧とEGR率がそれぞれの制約を満たし、尚且つ、それぞれの目標値に追従させるように制御入力を決定する。
図2は本実施の形態に係る制御装置が有する目標値追従制御構造を示す図である。なお、図2に示す目的値追従制御構造は、ECU40のROMに格納された制御プログラムに従いCPUが動作することで仮想的に実現される構成である。この目標値追従制御構造は、目標値マップ(MAP)、リファレンスガバナ(RG)およびフィードバックコントローラ(FBC)を備えている。
目標値マップは、ディーゼルエンジン(DE)の運転条件を示す外生入力d=[エンジン回転速度;燃料噴射量]が与えられると、ディーゼルエンジンの制御量の目標値r=[EGR率目標値;過給圧目標値]を出力する。
リファレンスガバナは、目標値rが与えられると、制御出力(特定状態量)y=[EGR率;過給圧]に関する制約が満たされるように目標値rを修正し、修正目標値w=[EGR率修正目標値;過給圧修正目標値]を出力する。リファレンスガバナの詳細については後述する。
フィードバックコントローラは、リファレンスガバナから修正目標値wが与えられると、ディーゼルエンジンの状態量x=[EGR率;過給圧]を修正目標値wに近づけるように、フィードバック制御によってディーゼルエンジンの制御入力u=[ディーゼルスロットル開度;EGR弁開度;可変ノズル開度]を決定する。フィードバックコントローラの仕様に限定はなく、公知のフィードバックコントローラを用いることができる。
図3は図2に示す目標値追従制御構造を等価変形して得られたフィードフォワード構造である。図2において破線で囲まれた閉ループシステムは既に設計済みであるとして、図3に示すフィードフォワード構造では1つのモデル(P)とされている。閉ループシステムのモデルは次のモデル式(2)で表される。式(2)において、f,hはモデル式の関数である。また、kは離散時間ステップを表している。
Figure 2016157310
リファレンスガバナは、式(2)に示した予測モデルを用いて制御対象の制御出力yの時刻kにおけるiステップ先の予測値(将来予測値)yを計算する。本実施の形態における制御出力yは過給圧(y)とEGR率(y)であり、制御出力y,yには制約が課せられている。制御出力y,yが上限値y ,y 以下であることが制御出力y,yに課せられた制約である。過給圧とEGR率の将来予測値y1,i,y2,iの計算には、状態量xおよび外生入力dに加えて修正目標値wが用いられる。リファレンスガバナは、将来予測値y1,i,y2,iと上限値y ,y とに基づき、次式(3)で表される評価関数J(w)を用いて修正目標値wを計算する。なお、式(3)は既に説明した式(1)においてn=2の場合に相当する。
Figure 2016157310
また、リファレンスガバナは、勾配法(具体的には最急降下法)を用いて式(3)の評価関数J(w)を最小化する修正目標値候補wcandを探索し、最終的な修正目標値wとして決定する。具体的に、リファレンスガバナは、オリジナルの目標値rに基づいて、修正目標値候補wcandを複数用意する。続いて、修正目標値候補wcandから過給圧軸方向に微小摂動Δだけ離れた2つの近傍値wcand+Δ,wcand−Δに対する4つの将来予測値y1,i(wcand+Δ),y1,i(wcand−Δ),y2,i(wcand+Δ),y2,i(wcand−Δ)を式(2)に示した予測モデルによって計算し、計算した4つの将来予測値と式(3)に基づいて評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)を計算する。
評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)同様、リファレンスガバナは、修正目標値候補wcandからEGR率軸方向に微小摂動Δだけ離れた2つの近傍値wcand+Δ,wcand−Δに対する4つの将来予測値y1,i(wcand+Δ),y1,i(wcand−Δ),y2,i(wcand+Δ),y2,i(wcand−Δ)を計算し、評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)を計算する。そして、過給圧軸方向の傾斜∇Δ1(wcand)(={J(wcand+Δ)−J(wcand−Δ)}/2Δ)と、EGR率軸方向の傾斜∇Δ2(wcand)(={J(wcand+Δ)−J(wcand−Δ)}/2Δ)との合成ベクトルである勾配∇(wcand)を計算する。
図4は、勾配∇(wcand)を説明するための図である。図4に示す等高線は評価関数J(w)を表している。図4に示すように、修正目標値候補wcandから過給圧軸方向に微小摂動Δだけ離れた2つの近傍値に対応する評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)に基づいて、過給圧軸方向(南北方向)の傾斜∇Δ1(wcand)が計算される。また、修正目標値候補wcandに基づいて、EGR率軸方向に微小摂動Δだけ離れた2つの近傍値に対応する評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)からEGR率方向(東西方向)の傾斜∇Δ2(wcand)が計算される。勾配∇(wcand)は、過給圧軸方向の傾斜∇Δ1(wcand)とEGR率軸方向の傾斜∇Δ2(wcand)との合成ベクトルとして表される。
図5は、本実施の形態に係るリファレンスガバナアルゴリズムを示す図である。図5に示すように、本実施の形態では、修正目標値候補wcandに対して、現在のディーゼルエンジンの運転条件に基づく閉ループシステムの将来予測と、この予測結果を用いた評価関数J(wcand)の計算(つまり、上述した勾配∇(wcand)の計算)が有限回(予め設定した回数)反復される。そして、計算した評価関数J(wcand)を最小化する修正目標値候補wcandが選択され、選択された修正目標値候補wcandが最終的な修正目標値wとして決定される。
ところで、上述した式(1)同様、式(3)に示す評価関数J(w)には非線形項(具体的には式(3)の右辺第2項,第3項)が含まれる。これに加えて式(2)の予測モデルが複雑となることから、本実施の形態では、修正目標値候補wcandから直接的に評価関数J(wcand)を求めることをせず、4つの評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ),J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)を計算し、更に傾斜∇Δ1(wcand),∇Δ2(wcand)を計算することで、評価関数J(wcand)を近似的に求めている。
ところがこの手法では、式(3)に示す評価関数J(w)に非線形項が含まれるために、微分不可能な点の近傍では勾配∇(wcand)の計算が不安定になってしまい、勾配∇(wcand)の値が一意に定まらず、異常値が発生し易くなるという問題がある。図6は、一般的なmax関数を説明するための図である。図6に示すように、x=xでは微分不可能となるため、max関数f(x)の傾きが算出できない。
そこで、本実施の形態では、式(3)に示す評価関数J(w)の特性に基づいて、微分不可能な点を事前に特定しておき、微分不可能な点の近傍で傾斜∇Δ1(wcand),∇Δ2(wcand)の計算が行われる場合には、その予測に係る傾斜∇を上述した手法ではなく、以下に説明する手法に従い計算することとしている。
先ず、微分不可能な点の特定手法について説明する。式(3)に示す評価関数J(w)は、右辺第1項の目的関数と、右辺第2項および第3項のペナルティ関数とに分離することができる。目的関数を評価関数J(w)とし、ペナルティ関数を評価関数J(w)とすると両者は図7に示す形状となる。図7に示すように、評価関数J(w)は楕円放物面の様な形状となり、評価関数J(w)は、予測モデルが線形である場合には平面の下部が打ち切られた様な形状となる。微分不可能な点は、評価関数J(w)と評価関数J(w)を重ね合わせたときの交点に相当する。図8乃至図9はこの交点を説明する図であり、図8を上方から見た図9から分かるように、評価関数J(w),J(w)の交点の集合は楕円として特定できる。
本実施の形態ではこの楕円を表す2次式をECU40の制御プログラムに組み込んでおく。その上で、傾斜∇Δ1(wcand),∇Δ2(wcand)の計算の際に、この楕円の円弧の外側に評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ),J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)の4点のうちの何れかが位置する場合には、勾配∇(wcand)の計算が不安定となると判断して当該円弧の外側に位置する評価関数値を、楕円上の値に補正する。図10は、評価関数J(wcand−Δ)と評価関数J(wcand−Δ)の両者が楕円の円弧の外側に位置する場合を示している。この場合は、図11に示すように、評価関数J(wcand−Δ),(wcand−Δ)の両者の値を楕円上の値に補正し、この補正後の2点と、評価関数J(wcand+Δ),(wcand+Δ)とから傾斜∇Δ1(wcand),∇Δ2(wcand)を計算し、勾配∇(wcand)を算出する。なお、これらの楕円上の値は、評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)を結ぶ直線、または、評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)を結ぶ直線と、楕円との交点の値に相当する。
以上、本実施の形態によれば、評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ),J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)のうちの何れかが事前に特定した楕円の円弧の内側と外側を跨ぐように位置する場合に、当該円弧の外側に位置する評価関数を、楕円上の値に置き換えてから傾斜∇Δ1(wcand),∇Δ2(wcand)を計算することができる。従って、微分不可能な点を跨ぐことで勾配∇(wcand)に異常値が発生するのを抑制して、最適な修正目標値候補wcandへの収束計算を速めることができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、図2に示した目標値追従制御構造は、ディーゼルエンジンが低圧ループEGR装置と高圧ループEGR装置とを備える場合には、図12の(a)〜(d)に示すような制御入力と制御出力との組み合わせにも適用することができる。図12の(a)および(b)では、可変ノズル開度(VN開度)やディーゼルスロットル開度(Dスロ開度)の他に、低圧ループEGR装置のEGR弁開度(LPL−EGR弁開度)と高圧ループEGR装置のEGR弁開度(HPL−EGR弁開度)とが制御入力に含まれている。図12の(c)および(d)では、EGR率の代わりに、低圧ループEGR装置のEGR量(LP−EGR量)と高圧ループEGR装置のEGR量(HP−EGR量)とが制御出力に含まれている。このように、制御出力(特定状態量)はn個以上(n≧2)とすることができる。
2 エンジン本体
16 可変ノズル
24 ディーゼルスロットル
32 EGR弁
40 ECU

Claims (1)

  1. プラントの制御量の出力値をその目標値に近づけるようにフィードバック制御によって前記プラントの制御入力を決定するフィードバックコントローラと、
    前記プラントと前記フィードバックコントローラとを含む閉ループシステムの予測モデルを用いて前記プラントのn個の特定状態量の将来予測値yを計算すると共に、計算した前記将来予測値yに基づいて式(1)に示される評価関数J(w)を最小にする修正目標値wを勾配法によって探索し、探索した前記修正目標値wを用いて前記フィードバックコントローラに与えられる前記目標値を修正するリファレンスガバナと、を備え、
    前記リファレンスガバナは、オリジナルの目標値rに基づいて修正目標値候補wcandを複数用意し、用意した前記修正目標値候補wcandから前記特定状態量のn次元の座標軸方向に対してそれぞれ微小摂動Δ,・・・,Δだけ離れた近傍値wcand±Δ,・・・,wcand±Δに基づいて、2n個の評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ),・・・,J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)を求めて座標軸毎の傾斜∇Δ1(wcand),・・・,∇Δn(wcand)を求めると共に、求めた前記傾斜∇Δ1(wcand),・・・,∇Δn(wcand)の合成ベクトルとしての勾配∇(wcand)を最小化する修正目標値候補wcandを探索するように構成され、
    前記リファレンスガバナは、前記評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ),・・・,J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)のうち、座標軸毎の組み合わせに係る評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)が(但し、mは1≦m≦nを満たす)、前記評価関数J(w)の微分不可能な点であって、式(1)の右辺第1項に示す目的関数と式(1)の右辺第2項〜第n+1項に示すペナルティ関数との交点の集合として表される楕円の円弧の内側および外側に位置する場合、前記評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)のうち前記円弧の外側に位置するものを、前記評価関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)を結ぶ直線と前記円弧との交点に相当する評価関数値に置き換えて傾斜∇Δm(wcand)を求めるように構成されていることを特徴とするプラント制御装置。
    Figure 2016157310
    但し、rはオリジナルの目標値であり、wは修正目標値であり、ρ,・・・,ρは重み定数であり、y1,i,・・・,yn,iはn個の特定状態量の時刻kにおけるiステップ先の予測値であり、y ,・・・,y はn個の特定状態量の各制約であり、Nは予測ホライズンである。
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