JP2016155667A - 破断診断器付き巻上機システム - Google Patents

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Abstract

【課題】破断診断器を持ち込む必要が無く、ロープの破断診断を遠隔操作によって短時間で容易に行うことができるようにする。
【解決手段】破断診断器付き巻上機10は、巻上機11と、追加シーブ12と、巻上機11または追加シーブ12の少なくとも一方に設けられ主ロープ14の破断を診断する破断診断器20と、巻上機11及び破断診断器20を駆動制御する制御部13とを備える。破断診断器20は、主ロープ14と接触する磁性体21と、磁性体21を磁化する磁化部22と、主ロープ14に生じた磁束の漏洩磁束を検出して主ロープ14の破断を診断するとともに検出信号を制御部13に送る検出部23とを有する。破断診断器20のうち少なくとも磁性体21は駆動シーブ16または追加シーブ12に内蔵されている。
【選択図】図2

Description

本実施の形態は、破断診断器付き巻上機システムに関する。
従来、エレベータ装置における主ロープの破断を診断する装置として、例えば特許文献1に記載の装置が知られている。保守管理をする場合、作業者がこのような装置をエレベータ装置のシーブに取り付ける。このことにより漏洩磁束法を用いてロープの損傷をその場で診断することができる。
特開2010―111456号
しかしながら、特許文献1に記載された装置を使用する場合、作業者が現場に破断診断器を持ち込み、設置しなければならない。このように、作業者が診断器を現場に持ち込む場合、例えば年数回の保守管理のときだけ、ロープの破断状況を診断することになり、ロープの破断の進行が速いとストランド切れを起こす危険性がある。また、破断診断器を持ち込み診断作業している時間が長くなり、その間はエレベータを利用できない。
本実施の形態は、このような点を考慮してなされたものであり、破断診断器を持ち込む必要が無く、ロープの破断診断を遠隔操作によって短時間で容易に行うことができる破断診断器付き巻上機システムを提供することを目的とする。
本実施の形態は、主ロープが掛け渡された駆動シーブを有する巻上機と、
前記主ロープが掛け渡された追加シーブと、
前記駆動シーブまたは前記追加シーブの少なくとも一方に設けられ前記主ロープの破断を診断する破断診断器と、
前記巻上機及び前記破断診断器を駆動制御する制御部と、を備え、
前記破断診断器は、前記主ロープと接触する磁性体と、前記磁性体を磁化する磁化部と、前記主ロープに生じた磁束の漏洩磁束を検出して前記主ロープの破断を診断するとともに検出信号を前記制御部に送る検出部と、を有し、
前記破断診断器のうち少なくとも前記磁性体は前記駆動シーブまたは前記追加シーブに内蔵されている。
図1は、本実施の形態を含んだエレベータ装置の全体図である。 図2は、本実施の形態による破断診断器付き巻上機システムの斜視図である。 図3は、破断診断器が設けられた駆動シーブを図2のA方向から見た図である。 図4は、本実施の形態における破断診断器付き巻上機システムの作用を示すフローチャート図である。
以下、図面を参照して本実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
まず図1により、本発明による破断診断器付き巻上機システム10が組み込まれたエレベータ装置1について述べる。
図1に示すように、エレベータ装置1は、昇降路2内を昇降するかご3と、かご3に巻上機11及び追加シーブ12に掛け渡された主ロープ14を介して連結され、昇降路2内を昇降する釣合おもり4と、を備えている。
このうち、巻上機11は、主ロープ14が掛け渡された駆動シーブ16を有し、巻上機11の駆動シーブ16に主ロープ14の破断を診断する破断診断器20が設けられている。また巻上機11及び破断診断器20は、制御部13により駆動制御される。
これらの構成部材のうち、駆動シーブ16を揺する巻上機11と、破断診断器20と、制御部13とにより本発明による破断診断器付き巻上機システム10が構成されている。
また、制御部13は、ケーブル15によって巻上機11に接続され、制御部13は、エレベータ装置1から離れた管理室(図示せず)から遠隔操作されることができる。
次に、図3により、破断診断器20について説明する。図3に示すように、破断診断器20は、主ロープ14と接触するとともに磁性材料からなる駆動シーブ16と、駆動シーブ16を磁化する磁化部22と、主ロープ14に生じた磁束の漏洩磁束を検出して主ロープ14の破断を診断するとともに検出信号を制御部13に送る検出部23とを有している。
このうち、駆動シーブ16は、上述のように磁性材料、例えば鋼材料からなり、磁化部22により磁化される磁性体21として機能する。このように、駆動シーブ16は、磁性材料からなる磁性体として機能するため、磁性体21は駆動シーブ16全体に内蔵された形となっている。なお、駆動シーブ16の一部を磁性材料から構成して、磁性体21を駆動シーブ16の一部に内蔵させてもよい。
また、磁化部22は駆動シーブ16に組み込まれた複数、例えば4個の永久磁石からなり、各永久磁石22は、駆動シーブ16の円周方向に沿った一定の磁場を形成するように、例えば駆動シーブ16に円周方向に沿って等間隔をおいて、組み込まれている。
上述のように、磁性体21および磁化部22を構成する永久磁石は、いずれも駆動シーブ16内に内蔵され、あるいは組み込まれているが、これに限らず少なくとも磁性体21のみが駆動シーブ16内に組み込まれ、磁化部22を駆動シーブ16外方に配置された電磁石から構成してもよい。
さらにまた、主ロープ14に生じた磁束の漏洩磁束を検出する検出部23は、駆動シーブ16に掛け渡された主ロープ14の外方に配置されているが、これに限られず検出部23が、駆動シーブ16内に組み込まれてもよい。
さらにまた、駆動シーブ16は駆動シーブ16の回転位置を検出する回転位置検出器30が設けられている。回転位置検出器30は、駆動シーブ16の回転位置を検出して、この回転位置信号を制御部13に送る。また、制御部13は回転位置検出器30からの主ロープ14の位置を特定する回転位置信号と、検出部23からの破断検出信号と、により主ロープ14の破断箇所を特定する。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
(ステップS1)
まず、管理室にいる作業者が、遠隔操作によって制御部13を操作する。このとき制御部13は、巻上機11及び破断診断器20に対して、主ロープ14の破断診断開始を指示する。
(ステップS2)
次に、制御部13から破断診断開始が指示されると、巻上機11は、かご3が所定の位置から昇降路2内を1往復するように主ロープ14を巻き上げる駆動を行う。破断診断器20では、磁化部22によって磁化された磁性体21および駆動シーブ16を通過する主ロープ14が磁化されているので、磁化した主ロープ14を低速で走行させると、巻上機11によって湾曲した主ロープ14の漏洩磁束の時間変化に応じた電圧が検出部23に発生し、それにより検出部23が漏洩磁束を検出する。また、回転位置検出器30が起動し、診断している主ロープ14の箇所を特定する回転位置信号を発生させる。
(ステップ3)
検出部23が検出した漏洩磁束の数値データ及び回転位置検出器30の回転位置信号は、ケーブル15を介して制御部13に送られる。遠隔操作している作業者は、この数値データを随時確認することができる。
(ステップS4)
制御部13は、検出部23からケーブル15を介して送られた漏洩磁束の数値データが予め規定された値以下であるか常に判断している。数値データがすべて規定値以下であれば、制御部13は主ロープ14に破断箇所はないと判断して、破断診断は終了する。
(ステップS5)
検出部23から送られた漏洩磁束の数値データが規定値より大きな数値に達すると、制御部13は主ロープ14に破断があると判断し、回転位置検出器30からの回転位置信号からその位置を特定する。この場合、制御部13は内部の保護回路を作動させ、破断診断終了後に、巻上機11の駆動を停止する。また、制御部13は、遠隔操作している作業者に、主ロープ14に破断があること及びその箇所を通知する。
以上のように、本実施の形態において、巻上機11に設けられた破断診断器20及び回転位置検出器30によって、主ロープ14の破断を確実に診断することができる。このような本実施の形態によれば、破断診断器を巻上機の側まで逐一持ち込む必要が無く、巻上機11に設けられた破断診断器20により主ロープ14の破断診断を遠隔操作によって短時間で容易に行うことができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。
例えば、本実施の形態において、磁性体21のみを駆動シーブ16に組み込み、破断診断器20及び回転位置検出器30を、巻上機11に設けた例を示したが、これに限られず、破断診断器20及び回転位置検出器30を、巻上機11ではなく追加シーブ12に設けてもよいし、破断診断器20及び回転位置検出器30を、巻上機11と追加シーブ12に各々設けてもよい。
1 エレベータ装置 2 昇降路 3 かご 4 釣合おもり 10 破断診断器付き巻上機システム 11 巻上機 12 追加シーブ 13 制御部 14 主ロープ 15 ケーブル 16 駆動シーブ 20 破断診断器 21 磁性体 22 磁化部 23 検出部 30 回転位置検出器
さらにまた、駆動シーブ16は駆動シーブ16の回転位置を検出する回転位置検出器30が設けられている。回転位置検出器30は、駆動シーブ16の回転位置を検出して、この回転位置信号を制御部13に送る。また、制御部13は回転位置検出器30からの主ロープ14の位置を特定する回転位置信号と、検出部23からの破断検出信号と、により主ロープ14の破断箇所を特定する。
(ステップ3)
検出部23が検出した漏洩磁束の数値データ及び回転位置検出器30の回転位置信号は、ケーブル15を介して制御部13に送られる。遠隔操作している作業者は、この数値データを随時確認することができる。
1 エレベータ装置 2 昇降路 3 かご 4 釣合おもり 10 破断診断器付き巻上機システム 11 巻上機 12 追加シーブ 13 制御部 14 主ロープ 15 ケーブル 16 駆動シーブ 20 破断診断器 21 磁性体 22 磁化部 23 検出部 30 回転位置検出器

Claims (4)

  1. 主ロープが掛け渡された駆動シーブを有する巻上機と、
    前記主ロープが掛け渡された追加シーブと、
    前記駆動シーブまたは前記追加シーブの少なくとも一方に設けられ前記主ロープの破断を診断する破断診断器と、
    前記巻上機及び前記破断診断器を駆動制御する制御部と、を備え、
    前記破断診断器は、前記主ロープと接触する磁性体と、前記磁性体を磁化する磁化部と、前記主ロープに生じた磁束の漏洩磁束を検出して前記主ロープの破断を診断するとともに検出信号を前記制御部に送る検出部と、を有し、
    前記破断診断器のうち少なくとも前記磁性体は前記駆動シーブまたは前記追加シーブに内蔵されている、破断診断器付き巻上機システム。
  2. 前記駆動シーブまたは追加シーブに回転位置検出器が設けられ、前記制御部は回転位置検出器からの回転位置信号と、前記検出部からの検出信号と、により前記主ロープの破断箇所を特定する、請求項1に記載の破断診断器付き巻上機システム。
  3. 前記制御部は、前記検出部からの検出信号が所定値以上となった場合、前記巻上機の駆動を停止する、請求項1または2に記載の破断診断器付き巻上機システム。
  4. 前記制御部は遠隔操作することができる、請求項1乃至3に記載の破断診断器付き巻上機システム。
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