JP2016155224A - ナノインプリント用モールドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図5に示すように、回転軸110によって軸周りに回転するロール状のアルミニウム基材112の外周面114に、研磨体116を押し当てて擦りつつ、アルミニウム基材112における軸方向の第1の端部112aから第2の端部112bまでの範囲で研磨体116を軸方向に移動させる方法。
ロール状のアルミニウム基材の外周面に、複数の細孔を有する酸化皮膜が形成されたロール状ナノインプリント用モールドの製造方法であって、
前記アルミニウム基材の軸方向の長さよりも該軸方向に沿った長さが短い研磨体と、前記アルミニウム基材の外周面における前記研磨体との接触部分に、研磨砥粒と研磨液とを含む研磨スラリーを供給し、前記研磨体と前記アルミニウム基材とを軸方向に相対的に移動させながら、前記研磨体と前記アルミニウム基材の外周面とを擦動させ、前記アルミニウム基材の外周面を研磨する工程(I)と、
前記工程(I)の後に連続して、前記アルミニウム基材の外周面に均一に前記研磨スラリーを塗布する工程(II)と、
前記工程(II)の後に、前記アルミニウム基材の外周面を洗浄する工程(III)と、
前記工程(III)の後に、陽極酸化によって前記アルミニウム基材の外周面に前記酸化皮膜を形成する工程(IV)と、を有し、
前記工程(I)〜前記工程(III)において、前記アルミニウム基材の外周面が常に湿潤した状態を維持する、ロール状ナノインプリント用モールドの製造方法。
ロール状のアルミニウム基材の外周面に、複数の細孔を有する酸化皮膜が形成されたロール状ナノインプリント用モールドの製造方法であって、
前記アルミニウム基材の軸方向の長さよりも該軸方向に沿った長さが短い研磨体と、前記アルミニウム基材の外周面における前記研磨体との接触部分に、研磨砥粒と研磨液とを含む研磨スラリーを供給し、前記研磨体と前記アルミニウム基材とを軸方向に相対的に移動させながら、前記研磨体と中心軸を中心に回転する前記アルミニウム基材の外周面とを擦動させ、前記アルミニウム基材の外周面を研磨する工程(I)と、
前記工程(I)の後に連続して、前記アルミニウム基材の外周面に前記研磨スラリーを塗布する工程(II)と、
前記工程(II)の後に、前記アルミニウム基材の外周面を洗浄する工程(III)と、
前記工程(III)の後に、陽極酸化によって前記アルミニウム基材の外周面に前記酸化皮膜を形成する工程(IV)と、を有し、
前記工程(I)〜前記工程(III)において、前記アルミニウム基材の外周面が常に湿潤した状態を維持する、ロール状ナノインプリント用モールドの製造方法。
なお、式中Lは、前記アルミニウム基材の中心軸に沿った方向の長さ、Tはアルミニウム基材の中心軸に沿った方向における前記研磨体の移動速度、Wは前記アルミニウム基材の中心軸に沿った方向における前記研磨体の長さ、Rは前記アルミニウム基材の半径、Sは前記アルミニウム基材の回転速度(周速)を表す。
また、「細孔の間隔」とは、隣接する細孔同士の中心間距離を意味する。
また、「突起」とは、成形体の表面に形成された微細凹凸構造の凸部のことをいう。
また、「微細凹凸構造」とは、凸部または凹部の平均間隔が10〜400nmである構造を意味する。
また、「ロール状」とは、外形が円柱状である形態を意味し、中空円柱形状、円柱状や、円柱状の外径に、一部切欠きや凸部等が設けられている略円柱形状も含む。
(I)図1及び図2に示すように、ロール状のアルミニウム基材10の軸方向の長さLよりも該軸方向に沿った長さWが短い研磨体18と、アルミニウム基材10との間に、研磨砥粒と研磨液とを含む研磨スラリーを供給し、アルミニウム基材10と研磨体18とを軸方向に相対的に移動させながら、研磨体18とアルミニウム基材10とを擦動させ、アルミニウム基材10の外周面12を研磨する。
(II)工程(I)の後に、研磨体18とアルミニウム基材10の外周面12との間に研磨スラリーを供給し、研磨体18とアルミニウム基材10の外周面12とを擦動させながら、工程(I)よりも早い速度で、研磨体18をアルミニウム基材10の軸方向に相対的に移動させ、アルミニウム基材10の外周面12に均一に研磨スラリーを塗布する。
(III)工程(II)の後に、アルミニウム基材10の外周面12を洗浄する。
(IV)工程(III)の後に、陽極酸化によってアルミニウム基材10の外周面12に酸化皮膜24を形成する。
この例の工程(I)では、ロール状のアルミニウム基材10は、中心軸を中心として軸周りに回転するようになっている。
アルミニウム基材10の外周面12は、アルミニウム基材10の軸方向に移動する研磨手段14によって研磨されるようになっている。研磨手段14は、帯状の研磨体18と、研磨体18をアルミニウム基材10に押圧しつつ、研磨体18を搬送する研磨ロール20と、研磨液を供給する研磨スラリー供給部22と、を有している。
研磨体18は、アルミニウム基材の表面を所望の状態まで研磨できるものであればよく、例えば、不織布タイプ、スウェードタイプの研磨パッド等が挙げられる。
この例では、アルミニウム基材10の外周面12と研磨体18とが接触する部分において、アルミニウム基材10の回転方向と、研磨体18が搬送される方向とが逆方向となるように、研磨体18が研磨ロール20によって搬送されるようになっている。
化学機械研磨用の研磨スラリーとしては、例えば、SiC、Al2O3、SiO2、ZrO2等の研磨材(研磨砥粒)が、アルミニウムを腐食させる効果を有する酸性又はアルカリ性の溶液(研磨液)に分散された研磨スラリー等が挙げられる。アルミニウム基材の機械加工面の粗い表面状態には酸性の研磨スラリー、鏡面に仕上げるにはアルカリ性の研磨スラリーを用いると研磨効率が良い。
アルミニウムにマグネシウムを添加する場合、マグネシウムの添加量は、アルミニウム基材10の総質量に対して0.1〜3質量%が好ましい。
前述の工程(I)において、アルミニウム基材10の外周面12を研磨する際に、アルミニウム基材10の周速と研磨体18との移動速度に応じて、アルミニウム基材10の外周面12に図4(a)および(b)に示されるような、研磨スラリーが縞模様のムラとなって残ってしまう。この縞模様のムラは、研磨スラリーが厚い部分と、薄い部分とにより形成されている。研磨スラリーには、例えばSiC、Al2O3、SiO2、ZrO2等の研磨砥粒が分散されているが、研磨スラリーが乾燥してしまうと、これらの研磨砥粒をアルミニウム基材10の外周面12から除去することが著しく困難になる。研磨砥粒が表面に残った状態で後述する陽極酸化工程を行うと、所望の細孔を形成できなかったり、研磨材のムラが成形体に転写され、光学性能が低下する場合がある。そのため、研磨スラリーを研磨終了後に洗浄除去する必要がある。しかしながら、図4(a)や(b)のように研磨スラリーが厚く塗布された部分と、薄く塗布された部分とが発生すると、研磨スラリーが薄く塗布された部分がすぐに乾燥してしまい、外周面12に筋状の研磨液乾燥ムラが残ってしまう、ということを本願発明者らは見出した。
・・・(式1)
・・・(式2)
工程(II)においてアルミニウム基材10の外周面12に均一に塗布された研磨スラリーが乾燥する前に、アルミニウム基材10の外周面12から研磨スラリーを洗浄除去する。なお、前述の工程(II)後において、研磨スラリーの塗布ムラが確認される場合、2分以上が経過すると研磨スラリーが薄く塗布された部分の乾燥が始まってしまうため、工程(III)は、工程(II)の終了後2分以内に開始することが好ましく、1分以内に洗浄を開始することがより好ましい。前述の工程(II)後において、研磨スラリーが均一に塗布され塗布ムラが確認されない場合は、2分以内に洗浄工程を開始する必要はないが、いずれの場合にせよ研磨スラリーの乾燥が始まる前に工程(III)を実施し、研磨スラリーを洗浄除去する必要がある。研磨スラリーを洗浄除去する方法としては、アルミニウム基材12を洗浄槽に保持された洗浄液に浸漬する方法や、アルミニウム基材12を回転させながら、外周面12に洗浄液を供給する方法等が挙げられる。しかしながら、アルミニウム基材10を洗浄液に浸漬するような方法では、アルミニウム基材10を洗浄槽に搬送する間に研磨スラリーが乾燥してしまう恐れがある。そのため、工程(I)および工程(II)と同様に、アルミニウム基材10を研磨装置に取り付けた状態で、アルミニウム基材10を回転させながら、アルミニウム基材10の外周面12に洗浄液を供給し、研磨スラリーを洗浄除去する方法が好ましい。
(1)アルミニウム基材10を水平方向から見たとき(図5正面図参照)、アルミニウム基材10の中心軸と、洗浄ノズルの先端中心とを結ぶ線と、が成す鋭角(ノズル迎え角α)が5度以上(90度)未満である。
(2)アルミニウム基材10を重力方向上方から見たとき(図5平面図参照)、洗浄ノズルの先端中心と直交する直線と、アルミニウム基材10の中心軸と、が成す鋭角(ノズル振り角β)が、が10度以上90度未満である。
(3)アルミニウム基材10の中心軸に沿った方向、かつ洗浄ノズルの後方から見たとき(図5側面図参照)、洗浄ノズル30がアルミニウム基材10の中心軸上方に配置され、かつ洗浄ノズルから洗浄液を供給する供給方向が、アルミニウム基材10の回転方向に対向する。
条件(1)は、図5(a)の正面図に示すように、アルミニウム基材10を水平方向から見たとき、アルミニウム基材10の中心軸と、洗浄ノズルの先端中心とを結ぶ線と、が成す鋭角(ノズル迎え角)が5度以上90度未満の範囲内にされる。
ノズル迎え角が上記範囲内であれば、アルミニウム基材10の周面に洗浄液を十分に吹き掛けることができると共に、周面に研磨スラリーを洗浄ノズルの移動方向前方へと送ることができる。従って、洗浄除去された研磨スラリーが、洗浄ノズルの移動方向後方に回り込んでしまい、洗浄後のアルミニウム基材10の表面を汚染してしまうことを抑制することができる。
ノズル迎え角が5度以下であると、回転するアルミニウム基材10の同伴流の影響を受けて洗浄液と研磨スラリーとが洗浄ノズル30の移動方向後方に回り込んでしまい、アルミニウム基材10から研磨スラリーを十分に洗浄除去できない場合がある。一方、ノズル迎え角が90度以上になると、回転するアルミニウム基材10の外周面12に十分に洗浄液が掛からず、洗浄に長時間が必要となる傾向にある。ノズル迎え角は8度以上60度以下であることが好ましく、10度以上45度以下であることがより好ましい。
条件(2)は、図5(b)の上面図に示すように、アルミニウム基材10を重力方向上方から見たとき、洗浄ノズルの先端中心と直交する直線と、アルミニウム基材10の中心軸と、が成す鋭角(ノズル振り角)が、10度以上90度未満の範囲内にされる。
ノズル振り角が90°未満であれば、アルミニウム基材10の周面に付着した研磨スラリーが、洗浄ノズル30の移動方向後方に回り込むことを抑制しつつ、効率よくアルミニウム基材10の外周面12を洗浄することができる。ノズル振り角は15度以上60度以下であることが好ましく、20度以上45度以下であることがより好ましい。
条件(3)は、図5(c)の側面図に示すように、アルミニウム基材10の中心軸に沿った方向、かつ洗浄ノズルの後方から見たとき、洗浄ノズル30がアルミニウム基材10の中心軸上方に配置され、かつ洗浄ノズルから洗浄液を供給する供給方向が、アルミニウム基材10の回転方向に対向するように、洗浄ノズル30が配置される。
上記のように洗浄ノズルを配置することにより、回転するアルミニウム基材10の同伴流の影響を受けて洗浄液と研磨スラリーとが洗浄ノズル30の移動方向後方に回り込んでしまい、アルミニウム基材10から研磨スラリーを十分に洗浄除去できなくなることを抑制することができる。
また、洗浄ノズル30は、アルミニウム基材10の外周面12から洗浄ノズル30までの最短水平距離が50〜200mmとなるように配置されるのが好ましい。
工程(III)の後に、陽極酸化によってアルミニウム基材10の外周面12に、複数の細孔を有する酸化皮膜(陽極酸化ポーラスアルミナ)を形成する。前記酸化皮膜を形成する方法としては、例えば、下記工程(a)〜(f)を有する方法が挙げられる。
(a)アルミニウム基材10を電解液中において定電圧下で陽極酸化して、図3に示すように、アルミニウム基材10の外周面12に酸化皮膜34を形成する。
(b)酸化皮膜34の一部または全てを除去し、アルミニウム基材10の外周面12に陽極酸化の細孔発生点36を形成する。
(c)アルミニウム基材10を電解液中で再度陽極酸化し、細孔発生点36に細孔38を有する酸化皮膜34を形成する。
(d)酸化皮膜34の一部を除去し、細孔38の径を拡大させる。
(e)工程(d)の後、アルミニウム基材10を電解液中で再度陽極酸化する。
(f)工程(d)と工程(e)を繰り返し行い、外周面12に複数の細孔38を有する酸化皮膜34が形成されたロール状ナノインプリント用モールド1(以下、「モールド1」という。)を得る。
アルミニウム基材10を電解液中で、定電圧下で陽極酸化すると、外周面12に、細孔38を有する酸化皮膜34が形成される。
電解液としては、硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等が挙げられる。
また、この場合、印加電圧は、30〜60Vが好ましい。印加電圧が前記範囲内であれば、規則性の高い細孔38を形成しやすい。
また、電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃以下であれば、いわゆる「ヤケ」といわれる現象が起こることを抑制しやすくなるため、規則性の高い細孔38を形成しやすい。
また、この場合、印加電圧は、25〜30Vが好ましい。印加電圧が前記範囲内であれば、規則性の高い細孔38を形成しやすい。
また、電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましい。電解液の温度が30℃以下であれば、いわゆる「ヤケ」といわれる現象が起こることを抑制しやすくなるため、規則性の高い細孔38を形成しやすい。
酸化皮膜34の一部または全てを一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点36にする。これにより、細孔の規則性を高めることができる。また、工程(b´)で示されたように、酸化皮膜34の全てを除去せずに一部を残した状態としても、酸化皮膜34の残存した部分において規則性が充分に高くなっていれば、酸化皮膜除去による効果が得られる。
酸化皮膜を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、酸化皮膜を選択的に溶解する溶液に溶解させて除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸とリン酸の混合液等が挙げられる。
酸化皮膜34の少なくとも一部を除去したアルミニウム基材10を再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔38を有する酸化皮膜34が形成される。
陽極酸化は、工程(a)と同様の条件で行えばよい。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔38を形成できる。工程(b)の効果が失われない範囲であれば、工程(c)での陽極酸化の電圧、電解液の種類、温度等は適宜調整できる。
細孔38の径を拡大させる処理(以下、「細孔径拡大処理」という。)を行う。
細孔径拡大処理は、酸化皮膜を溶解する溶液に、酸化皮膜を浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。酸化皮膜を溶解する溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。
細孔径拡大処理の時間を長くするほど、細孔径は大きくなる。
工程(d)の後に、アルミニウム基材10を、再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔38の底部から下に延びる、直径の小さい円柱状の細孔38がさらに形成される。
陽極酸化は、工程(a)と同様の条件で行えばよい。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔38を形成できる。
工程(d)の細孔径拡大処理と、工程(e)の陽極酸化を繰り返すと、アルミニウム基材10の外周面12に、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔38を有する酸化皮膜34が形成されたモールド1が得られる。
最後は工程(d)で終わることが好ましい。
細孔38間の平均間隔は、電子顕微鏡観察によって隣接する細孔38間の間隔(細孔38の中心から隣接する細孔38の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
細孔38の深さは、電子顕微鏡観察によって倍率30000倍で観察したときにおける、細孔38の最底部と、細孔38間に存在する凸部の最頂部との間の距離を測定した値である。
細孔38のアスペクト比(細孔の深さ/細孔間の平均間隔)は、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0が特に好ましい。
ロール状のアルミニウム基材の外周面を、該アルミニウム基材よりも軸方向の長さが短い研磨体により、該研磨体を軸方向に移動させつつ研磨する場合、アルミニウム基材の外周面に研磨スラリーが厚く残った部分と、薄く残った部分とが筋状のムラとなって残ってしまう場合がある。特に、研磨スラリーが薄く残った部分は、研磨スラリーが自然乾燥しやすい。研磨スラリーが自然乾燥してしまうと、研磨スラリーに含まれる研磨材がアルミニウム基材の外周面に固着してしまい、洗浄除去することが著しく困難になる。
また、研磨材が表面に固着した状態では、陽極酸化工程で所望の細孔を得ることが難かしい場合があり、微細凹凸構造を有する物品の光学性能が損なわれる場合がある。
各例におけるアルミニウム基材の外周面において、株式会社東京精密製の表面粗さ形状測定機SURFCOM1500DXにてJIS B 0601:1994の規格に基づき、算術平均粗さRaを測定した。
図1および図2に示したように、ロール状のアルミニウム基材10の第1の端部10aから第2の端部10bまで研磨体18を軸方向に移動させ、アルミニウム基材10の外周面12全体を、算術平均粗さRaが20nmになるまで粗研磨した。
アルミニウム基材10としては、アルミニウムの純度が99.99%で、軸方向の長さLが600mm、半径Rが100mmのロール状のアルミニウム基材を用いた。また、研磨体18としては、アルミニウム基材10の軸方向に沿った長さWが100mmのポリエステル製不織布研磨パッドを用いた。そして、研磨スラリーとして、平均粒径1μmのアルミナ粒子を含む、pH2〜6の酸性のスラリーを用い、粗研磨を行った。粗研磨の際には、研磨体18の軸方向に沿った移動速度を20mm/分としてアルミニウム基材10全体を研磨できるように繰り返し往復移動させ、アルミニウム基材10の回転速度(周速)は75m/分とした。
その後、研磨スラリーとして、平均粒径0.1μmのSiO2粒子を含むpH8〜14のスラリーを用い、研磨体18の軸方向に沿った移動速度を400mm/分とした以外は、前記と同様にして研磨を行い、算術平均粗さRaが5nmの鏡面となるまで仕上げ研磨を行った。
[実施例2]
塗布工程における研磨体18の移動速度を400mm/分とした以外は実施例1と同様の工程を実施した。塗布工程中および塗布工程後に外観を目視で確認したところ、塗布工程中にはアルミニウム基材10の外周面に縞模様の研磨スラリーの塗布ムラが確認されたが、研磨体18の移動後すぐに塗布ムラが消失した。また、洗浄後にアルミニウム基材10の外観を目視で検査したが、研磨スラリーの乾燥による筋状のムラは確認されなかった。
塗布工程における研磨体18の移動速度を800mm/分とした以外は実施例1と同様の工程を実施した。塗布工程中および塗布工程後に外観を目視で確認したところ、塗布工程中にはアルミニウム基材10の外周面に縞模様の研磨スラリーの塗布ムラが確認されたが、研磨体18の移動後すぐに塗布ムラが消失した。また、洗浄後にアルミニウム基材10の外観を目視で検査したが、研磨スラリーの乾燥による筋状のムラは確認されなかった。
塗布工程における研磨体18の移動速度を1200mm/分とした以外は実施例1と同様の工程を実施した。塗布工程中および塗布工程後に外観を目視で確認したところ、塗布工程中にはアルミニウム基材10の外周面に縞模様の研磨スラリーの塗布ムラが薄く確認されたが、研磨スラリーが乾燥しだす前に洗浄工程を実施できたため、洗浄後のアルミニウム基材10の表面に磨スラリーの乾燥による筋状のムラは確認されなかった。
塗布工程におけるアルミニウム基材10の回転速度を周速19m/分とした以外は、実施例1と同様の工程を実施した。塗布工程中および塗布工程後に外観を目視で確認したところ、塗布工程中および塗布工程後も研磨スラリーの塗布ムラは確認されなかった。また、洗浄後にアルミニウム基材10の外観を目視で検査したが、研磨スラリーの乾燥による筋状のムラは確認されなかった。
塗布工程におけるアルミニウム基材10の回転速度を周速113m/分とした以外は、実施例1と同様の工程を実施した。塗布工程中および塗布工程後に外観を目視で確認したところ、塗布工程中にはアルミニウム基材10の外周面に、強い縞模様の研磨スラリーの塗布ムラが確認され、塗布工程終了後も縞模様は消失しなかった。実施例1と同様に洗浄を開始したが、洗浄終了後に研磨スラリーの乾燥による縞状のムラが確認された。
塗布工程におけるアルミニウム基材10の回転速度を周速113m/分とし、研磨体18の移動速度を300mm/分とした以外は実施例1と同様の工程を実施した。塗布工程中および塗布工程後に外観を目視で確認したところ、塗布工程中にはアルミニウム基材10の外周面に、強い縞模様の研磨スラリーの塗布ムラが確認された。さらに、塗布工程が終了する前に、一部の研磨スラリーが乾燥してしまった。その後、実施例1と同様に洗浄を開始したが、洗浄終了後に研磨スラリーの乾燥による縞状のムラが確認された。
洗浄に水温60℃の水を用いた以外は、実施例1と同様の工程を実施した。塗布工程における研磨スラリー塗布ムラは確認されず、洗浄により研磨スラリーは除去されていたが、アルミニウム基材の表面が白濁していた。
12 外周面
14 研磨手段
18 研磨体
20 研磨ロール
22 研磨スラリー供給手段
24 接触部分
26 押圧部材
28 テンションロール
30 洗浄ノズル
34 酸化皮膜
36 細孔発生点
38 細孔
Claims (7)
- ロール状のアルミニウム基材の外周面に、複数の細孔を有する酸化皮膜が形成されたロール状ナノインプリント用モールドの製造方法であって、
前記アルミニウム基材の軸方向の長さよりも該軸方向に沿った長さが短い研磨体と、前記アルミニウム基材の外周面における前記研磨体との接触部分に、研磨砥粒と研磨液とを含む研磨スラリーを供給し、前記研磨体と前記アルミニウム基材とを軸方向に相対的に移動させながら、前記研磨体と中心軸を中心に回転する前記アルミニウム基材の外周面とを擦動させ、前記アルミニウム基材の外周面を研磨する工程(I)と、
前記工程(I)の後に連続して、前記アルミニウム基材の外周面に均一に前記研磨スラリーを塗布する工程(II)と、
前記工程(II)の後に、前記アルミニウム基材の外周面を洗浄する工程(III)と、
前記工程(III)の後に、陽極酸化によって前記アルミニウム基材の外周面に前記酸化皮膜を形成する工程(IV)と、を有し、
前記工程(I)〜前記工程(III)において、前記アルミニウム基材の外周面が常に湿潤した状態を維持する、ロール状ナノインプリント用モールドの製造方法。 - 前記工程(II)において、前記金型基材の回転速度を周速65m/分以下とする、請求項1記載のロール状ナノインプリント用モールドの製造方法。
- 前記工程(I)において、前記金型基材の回転速度が周速65m/分以下である、請求項2に記載のロール状ナノインプリント用モールドの製造方法。
- ロール状のアルミニウム基材の外周面に、複数の細孔を有する酸化皮膜が形成されたロール状ナノインプリント用モールドの製造方法であって、
前記アルミニウム基材の軸方向の長さよりも該軸方向に沿った長さが短い研磨体と、前記アルミニウム基材の外周面における前記研磨体との接触部分に、研磨砥粒と研磨液とを含む研磨スラリーを供給し、前記研磨体と前記アルミニウム基材とを軸方向に相対的に移動させながら、前記研磨体と中心軸を中心に回転する前記アルミニウム基材の外周面とを擦動させ、前記アルミニウム基材の外周面を研磨する工程(I)と、
前記工程(I)の後に連続して、前記アルミニウム基材の外周面に前記研磨スラリーを塗布する工程(II)と、
前記工程(II)の後に、前記アルミニウム基材の外周面を洗浄する工程(III)と、
前記工程(III)の後に、陽極酸化によって前記アルミニウム基材の外周面に前記酸化皮膜を形成する工程(IV)と、を有し、
前記工程(I)〜前記工程(III)において、前記アルミニウム基材の外周面が常に湿潤した状態を維持する、ロール状ナノインプリント用モールドの製造方法。 - 前記工程(II)において、前記研磨体と前記アルミニウム基材の外周面における前記研磨体との接触部分に、前記研磨スラリーを供給し、前記研磨体と前記アルミニウム基材の外周面とを擦動させながら、前記工程(I)よりも早い速度で、前記研磨体を前記アルミニウム基材の軸方向に相対的に移動させることを特徴とする、請求項4に記載のロール状ナノインプリント用モールドの製造方法。
- 前記工程(II)において、前記研磨体の移動速度が下記式を満たすことを特徴とする、請求項4または5に記載のロール状ナノインプリント用モールドの製造方法。
なお、式中Lは、前記アルミニウム基材の中心軸に沿った方向の長さ、Tはアルミニウム基材の中心軸に沿った方向における前記研磨体の移動速度、Wは前記アルミニウム基材の中心軸に沿った方向における前記研磨体の長さ、Rは前記アルミニウム基材の半径、Sは前記アルミニウム基材の回転速度(周速)を表す。 - 前記(III)工程は、洗浄液を前記アルミニウム基材の外周面に供給して、前記研磨スラリーを除去する工程であり、前記洗浄液の温度が50℃以下であることを特徴とする、請求項1〜6に記載のロール状ナノインプリント用モールドの製造方法。
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JP2015032456A JP6507706B2 (ja) | 2015-02-23 | 2015-02-23 | ナノインプリント用モールドの製造方法 |
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JPH0866853A (ja) * | 1994-08-25 | 1996-03-12 | Nippon Paper Ind Co Ltd | 製紙用カレンダーロールの表面研磨方法 |
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