JP2016153627A - エンジンオイルのレベル検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明エンジンオイルのレベル検出装置は、エンジンオイルをエンジンとの間で循環可能に貯留するオイル貯留槽におけるエンジンオイルの油面位置を検出するものであって、エンジンオイルの油面位置が所定レベルに達したことに応じてオンされるオイルレベルスイッチと、エンジンが停止された時点を基準とした基準時点からオイルレベルスイッチがオンするまでの時間を計測し、計測した時間に基づきエンジンオイルの油面位置を推定するオイルレベル推定部とを備える。
【選択図】図3
Description
上記のような時間と油面位置との対応関係を表す時間・油面位置対応情報を用いることで、エンジンオイル油面位置の推定を比較的簡易に行うことが可能である。
これにより、エンジンオイル油面位置の推定は、上記のテーブル情報から計測時間に対応するエンジンオイルの油面位置情報を取得するのみで実現される。
エンジンの停止までの作動時間、エンジンの停止直前における回転数、オイル貯留槽が設けられた車両に作用している加速度、又はエンジンオイルの温度は、基準時点からオイルレベルスイッチがオンするまでの時間とエンジンオイル油面位置との対応関係を変化させる要素であり、これらの要素が想定値を逸脱している場合に油面位置の推定を行わないことで、エンジンオイル油面位置の検出精度の低下防止が図られる。
これにより、基準時点からオイルレベルスイッチがオンするまでの時間に基づくエンジンオイル油面位置の推定が、当該基準時点からオイルレベルスイッチがオンするまでの時間とエンジンオイル油面位置との対応関係を変化させる要素を加味した形で行われる。
図1は、本発明に係る実施の形態としてのエンジンオイルのレベル検出装置を備えた車両制御装置1の構成概要を示したブロック図である。なお、図1では、車両制御装置1の構成のうち主に本発明に係る要部の構成のみを抽出して示している。
エンジンオイルのレベル検出装置は、図1に示す構成要素のうち、少なくともエンジン制御部3とオイルレベルスイッチ10dとを備えるものである。
また、図示は省略したが、センサ・操作子類10は、他のセンサとして、例えばエンジンへの吸入空気量を検出する吸入空気量センサ、吸気通路に介装されてエンジンの各気筒に供給する吸入空気量を調整するスロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ、車外の気温を検出する外気温センサ等も有する。
また、操作子としては、エンジンの始動/停止を指示するためのイグニッションスイッチや、自動変速機における自動変速モード/手動変速モードの選択や手動変速モード時におけるシフトアップ/ダウンの指示を行うためのセレクトレバーや、後述する表示部11に設けられたMFD(Multi Function Display)における表示情報の切り換えを行うための表示切換スイッチなどがある。
オイルレベルスイッチ10dは、エンジンブロック100の下方に配置されたオイルパン101に対して設けられている。オイルパン101は、エンジンオイルEoをエンジンとの間で循環可能に貯留するオイル貯留槽である。
オイルパン101内には、上下方向(高さ方向)に延在する棒状ガイド101aと、輪状の外形を有し、中央の空洞部において棒状ガイド101aが挿通されたフロート101bとが設けられている。フロート101bは、エンジンオイルEoに対して浮力を有しており、オイルパン101内に貯留されたエンジンオイルEoの油面Seoが上下方向に変位することに応じて、棒状ガイド101aによりガイドされつつ上下方向に変位する。
オイルレベルスイッチ10dは、フロート101bが近接することに応じてオンされるスイッチである。すなわち、オイルレベルスイッチ10dは、エンジンオイルEoのレベル(油面Seoの高さ)が所定レベル(所定高さ)に達したことに応じてオンされる。
表示制御部2、エンジン制御部3、トランスミッション制御部4、及びブレーキ制御部5は、それぞれ、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータで構成され、互いがバス11を介してデータ通信可能に接続されている。表示部6、エンジン関連アクチュエータ7、トランスミッション関連アクチュエータ8、ブレーキ関連アクチュエータ9は、これら制御部の制御対象として設けられている。
例えば、エンジン制御部3は、前述したイグニッションスイッチの操作に応じてエンジンの始動/停止制御を行う。また、エンジン制御部3は、エンジン回転数センサ10bやアクセル開度センサ10c等の所定のセンサからの検出信号に基づき、燃料噴射タイミング、燃料噴射パルス幅、スロットル開度等の制御も行う。
なお、オイルレベル検出手法については後述する。
例えば、トランスミッション制御部4は、前述したセレクトレバーによって自動変速モードが選択されている際には、所定の変速パターンに従い変速信号を上記のアクチュエータに出力して変速制御を行う。また、トランスミッション制御部4は、手動変速モードの設定時には、セレクトレバーによるシフトアップ/ダウン指示に従った変速信号を上記のアクチュエータに出力して変速制御を行う。
図3は、実施の形態のオイルレベル検出手法についての説明図であり、エンジン停止前後における経過時間と油面Seoの高さとの関係を例示している。具体的に、図3では、エンジン停止前(つまりエンジン作動中)における油面Seoの高さがSb1、Sb2、Sb3、Sb4、Sb5であったそれぞれの場合ごとに、エンジン停止後の経過時間に応じた油面Seoの高さの推移を示している。なお、エンジン停止前の油面Seoの高さSbは、Sb1>Sb2>Sb3>Sb4>Sb5である。
エンジンオイルEoのレベル検出において、検出対象とするレベルは、このようにエンジン停止後に一定時間が経過して油面Seoの高さが安定した状態でのレベルである。本例では、エンジンオイルEoのレベルを多値検出する例として、図のように「Full」「Mid+α」「Mid」「Low+α」「Low」の5値の検出を行う場合を例示する。
その上で、本例の検出手法では、エンジンの停止時点を基準としてオイルレベルスイッチ10dがオンするまでの時間を計測し、計測時間が上記把握された時間のうち何れに該当するかによって「Full」「Mid+α」「Mid」「Low+α」又は「Low」の何れかによるオイルレベル検出結果を得る。
時間・レベル対応情報I1は、例えば、エンジン制御部3が備える前述したROM等、エンジン制御部3が読み出し可能な記憶装置に対して記憶されている。
以下、上記により概要を説明した実施の形態としてのオイルレベル検出手法を実現するための具体的な処理の手順を図5のフローチャートを参照して説明する。
なお、図5に示す処理は、エンジン制御部3におけるCPUが前述したROM等の所定の記憶装置に記憶されたプログラムに基づき実行するものである。
エンジン停止までのエンジン作動時間が例えば10秒等の極短時間である場合には、該エンジン作動中よりも前に十分な時間エンジンが作動していたか否かや、油温の状態等の影響により、エンジン停止時点での油面Seoの高さがまちまちとなる。すなわち、該エンジン作動中よりも前の状況(以下「前状況」と表記)に左右されて油面Seoの高さが安定しない。このため、上記の前状況に関わらず油面Seoの高さが安定するまでの時間を把握し、エンジン停止までのエンジン作動時間が該把握した時間以下である場合は、上記のように時間計測を停止して、オイルレベル検出処理を行わない。これにより、オイルレベル検出の精度が低下してしまうことの防止を図っている。
なお、エンジン作動時間は、エンジン制御部3がエンジンの始動から停止までの時間として計測しているものである。
エンジン停止直前のエンジン回転数が高いほど、油面Seoの高さは低くなる(オイルパン101側からエンジン側にエンジンオイルEoを供給するためのオイルポンプによるオイル持ち出し量が大きくなるため)。すなわち、エンジン停止時点からオイルレベルスイッチ10dがオンするまでの時間が長くなる。また、エンジンの種類によっては、エンジン回転数が高いほどオイルエアレーション率が高まり、エンジン停止時点からオイルレベルスイッチ10dがオンするまでの時間が短くなる虞もある。
このようにエンジン停止直前のエンジン回転数が高いか否かは、オイルレベル検出の精度に影響を与える要素となる。このため、上記のようにエンジン停止直前のエンジン回転数が一定範囲外であったか否か(例えば、所定の回転数以上であったか否か)を判定し、肯定結果が得られた場合は時間計測を停止してオイルレベル検出処理を行わない。これにより、オイルレベル検出の精度低下の防止を図っている。
例えば、エンジン停止されたときに自車両が停止している路面の状況(例えば勾配等)等によっては油面Seoが水平状態から傾く。すなわち、水平状態でのオイルレベルがレベルxより低いレベルであるにも関わらずオイルレベルスイッチ10dがオンしたり、逆に水平状態でのオイルレベルがレベルxより高いレベルであるにも関わらずオイルレベルスイッチ10dがオンしない等、オイルレベル検出の精度の低下を招く。
このため、上記のように加速度が一定範囲外であるか否か(例えば、前後、左右の加速度が共に±0.1m/s2であるか否か)を判定し、肯定結果が得られた場合は時間計測を停止してオイルレベル検出処理を行わない。これにより、オイルレベル検出の精度低下の防止を図っている。
エンジンオイルEoは熱膨張するため、油温が高いほど油面Seoは高くなり、オイルレベルスイッチ10dがオンするまでの時間は短くなる。また、油温が低い場合はエンジンオイルEoの動粘度が高く、エンジン内の各部に供給されたエンジンオイルEoがオイルパン101側に戻る速度が遅くなり、オイルレベルスイッチ10dがオンするまでの時間は長くなる傾向とされる。
油温が過剰に高い場合及び過剰に低い場合まで検出対象に含めようとすると、検出したい「Full」〜「Low」の各レベルごとに設定すべき時間(オイルレベルスイッチ10dがオンするまでの時間)の範囲が広範となり、正確な検出が不能となる虞がある。このため、上記のように油温の値が一定範囲外であるか否かを判定し、肯定結果が得られた場合は時間計測を停止してオイルレベル検出処理を行わない。これにより、オイルレベル検出の精度低下の防止を図っている。
そして、オイルレベルスイッチ10dがオンとなった場合は、ステップS108で時間計測を停止してステップS109に進み、時間・レベル対応情報I1に基づき、計測時間に応じたオイルレベルを取得する。具体的には、計測時間が「〜a秒」に該当すれば「Full」レベルを、「a+1〜b秒」に該当すれば「Mid+α」レベルを、「b+1〜c秒」に該当すれば「Mid」レベルを、「c+1〜d秒」に該当すれば「Low+α」レベルを、「d+1秒〜」に該当すれば「Low」レベルをそれぞれ取得する。
これは、計測時間に基づき、該当するオイルレベル(油面位置)を推定し、推定したオイルレベルを検出結果として得ていると換言できる。
上記では、「検出除外条件」を満たす場合には、オイルレベル検出を行わない例を挙げた。以下では、検出手法の別例として、「検出除外条件」を満たすケースにおいてもオイルレベル検出を可能とする手法について説明する。
以下では一例として、油温が「検出除外条件」を満たすケースにおいてもオイルレベル検出を可能とする手法について説明する。
図のように時間・レベル対応情報I2は、検出結果として得たい「Full」「Mid+α」「Mid」「Low+α」「Low」の各レベルと、エンジン停止時点からオイルレベルスイッチ10dがオンするまでの時間の情報との対応関係を、油温ごとに定義した情報とされている。このような時間・レベル対応情報I2は、先の図4に示した時間・レベル対応情報I1を油温ごとに用意した情報であるとも捉えることができる。時間・レベル対応情報I2の作成にあたっては、油温ごとの各レベルと時間との対応関係を予め実験等により把握しておく。
図6では、各レベルと時間との対応関係を20℃ごとに定義した例を示している。この場合、時間・レベル対応情報I2に定義されてない油温時のオイルレベルは、時間・レベル対応情報I2に定義された情報を用いて推定してもよい。一例として、時間・レベル対応情報I2に非定義の油温=15℃時のオイルレベルを検出する際には、時間・レベル対応情報I2に定義された油温=20℃時のオイルレベルごとの時間の情報を15℃と20℃の温度差に応じてそれぞれ補正し、該補正した時間の情報を基に、計測時間に該当するオイルレベルの情報を取得する。
なお、勿論、時間・レベル対応情報I2としては油温の1℃ごとに時間とレベルとの対応関係情報を用意してもよく、その場合には上記のような定義情報からの推定は不要とできる。
この場合は、ステップS106の処理は省略され、エンジン制御部3はステップS108で時間計測を停止したことに応じて、ステップS201の油温取得処理として、油温センサ10eにより検出されている油温の情報を取得する処理を行う。
その上で、エンジン制御部3はステップS202で、油温に応じて選択した時間・レベル対応情報I1に基づき、計測時間に応じたオイルレベルを取得する。
このような関数としての時間・レベル対応情報を用いることで、オイルレベルの検出値は上記した「Full」〜「Low」などの段階的な値ではなく、リニアな値として求めることができる。
このような「検出手法の別例」で用いる関数(及び時間・レベル対応情報I2として例示したようなテーブル情報)は、以下のような情報であると表現することができる。すなわち、エンジン停止時点からオイルレベルスイッチ10dがオンするまでの時間と、エンジン停止までのエンジン作動時間、エンジン停止直前のエンジン回転数、加速度、又は油温の少なくとも何れかとの組み合わせに対するエンジンオイルEoのオイルレベルの対応関係を表した情報、である。
上記のように実施の形態のエンジンオイルのレベル検出装置は、エンジンオイル(Eo)をエンジンとの間で循環可能に貯留するオイル貯留槽(オイルパン101)におけるエンジンオイルの油面位置を検出するエンジンオイルのレベル検出装置であって、油面位置が所定レベル(レベルx)に達したことに応じてオンされるオイルレベルスイッチ(10d)と、エンジンが停止された時点を基準とした基準時点からオイルレベルスイッチがオンするまでの時間を計測し、計測した時間に基づき油面位置を推定するオイルレベル推定部(エンジン制御部3)とを備えている。
従って、オイル貯留槽におけるエンジンオイルの油面位置を多値検出するエンジンオイルのレベル検出装置について、コスト削減を図ることができる。
上記のような時間と油面位置との対応関係を表す時間・油面位置対応情報を用いることで、エンジンオイル油面位置の推定を比較的簡易に行うことが可能である。具体的に、例えば時間・油面位置対応情報として前述のようなテーブル情報を用いれば、油面位置の推定にあたり計算処理を不要とすることが可能であり、また、前述した関数を用いる場合には該関数に計測時間を代入することで油面位置を簡易に推定可能である。
従って、エンジンオイルの油面位置検出に要する処理負担の軽減を図ることができる。
これにより、エンジンオイル油面位置の推定は、上記のテーブル情報から計測時間に対応するエンジンオイルの油面位置情報を取得するのみで実現される。
従って、エンジンオイルの油面位置検出に要する処理負担の軽減を図ることができる。
エンジンの停止までの作動時間、エンジンの停止直前における回転数、オイル貯留槽が設けられた車両に作用している加速度、又はエンジンオイルの温度は、基準時点からオイルレベルスイッチがオンするまでの時間とエンジンオイル油面位置との対応関係を変化させる要素であり、これらの要素が想定値を逸脱している場合に油面位置の推定を行わないことで、エンジンオイル油面位置の検出精度の低下防止を図ることができる。
これにより、基準時点からオイルレベルスイッチがオンするまでの時間に基づくエンジンオイル油面位置の推定が、当該基準時点からオイルレベルスイッチがオンするまでの時間とエンジンオイル油面位置との対応関係を変化させる要素を加味した形で行われる。
従って、エンジンオイル油面位置の検出精度の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記で説明した具体例に限定されず、多様な変形例が考えられる。
例えば、上記では、本発明に係る処理の実行主体がエンジン制御部3とされた場合を例示したが、本発明に係る処理のうち少なくとも一部をエンジン制御部3以外の他の制御部(ECU:Electronic Control Unit)が担うなど、処理の実行主体は上記の例に限定されない。
Claims (5)
- エンジンオイルをエンジンとの間で循環可能に貯留するオイル貯留槽における前記エンジンオイルの油面位置を検出するエンジンオイルのレベル検出装置であって、
前記油面位置が所定レベルに達したことに応じてオンされるオイルレベルスイッチと、
前記エンジンが停止された時点を基準とした基準時点から前記オイルレベルスイッチがオンするまでの時間を計測し、計測した前記時間に基づき前記油面位置を推定するオイルレベル推定部と、を備える
エンジンオイルのレベル検出装置。 - 前記オイルレベル推定部は、
前記基準時点からオイルレベルスイッチがオンするまでの時間と前記油面位置との対応関係を表す時間・油面位置対応情報に基づき前記油面位置を推定する
請求項1に記載のエンジンオイルのレベル検出装置。 - 前記オイルレベル推定部は、
前記基準時点から前記オイルレベルスイッチがオンするまでの時間として想定される各時間ごとに前記油面位置の情報が対応づけられたテーブル情報としての前記時間・油面位置対応情報に基づき前記油面位置を推定する
請求項2に記載のエンジンオイルのレベル検出装置。 - 前記オイルレベル推定部は、
前記エンジンの前記停止までの作動時間、前記エンジンの前記停止の直前における回転数、前記オイル貯留槽が設けられた車両に作用している加速度、又は前記エンジンオイルの温度の少なくとも何れかが予め定められた想定値を逸脱しているか否かを判定し、前記想定値を逸脱している場合は前記油面位置の推定を行わない
請求項1乃至請求項3何れかに記載のエンジンオイルのレベル検出装置。 - 前記オイルレベル推定部は、
前記基準時点から前記オイルレベルスイッチがオンするまでの時間と、前記エンジンの前記停止までの作動時間、前記エンジンの前記停止の直前における回転数、前記オイル貯留槽が設けられた車両に作用している加速度、又は前記エンジンオイルの温度の少なくとも何れかとの組み合わせに対する前記油面位置の対応関係を表した前記時間・油面位置対応情報に基づき、前記油面位置を推定する
請求項1乃至請求項3何れかに記載のエンジンオイルのレベル検出装置。
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