JP2016152784A - かん水無添加中華麺及びかん水無添加中華麺の製造方法 - Google Patents

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【課題】かん水添加の中華麺に対して遜色のない麺のコシを持つと共にかん水添加の中華麺に近い食感を有すると言えるかん水無添加中華麺及びその製造方法を提供する。【解決手段】かん水無添加中華麺の製造方法は、とろろ昆布を予備乾燥後、粉砕するとろろ昆布粉砕工程と、とろろ昆布粉砕工程で得られたとろろ昆布粉末を乾燥後、再度粉砕するとろろ昆布粉末乾燥工程と、とろろ昆布粉末乾燥工程で得られたとろろ昆布乾燥粉末0.5重量%以上、1.8重量%以下を水と共に中華麺原材料に練り込む中華麺調製工程と、を備える。かんすい無添加中華麺は、塩及びかん水無添加の小麦粉でなる中華麺原材料にとろろ昆布乾燥粉末が0.5重量%以上、1.8重量%以下添加され、水を加えながら練り込まれた生地から製麺されている。【選択図】なし

Description

本発明は、かん水無添加中華麺及びかん水無添加中華麺の製造方法に係り、より詳細には、かん水添加の中華麺における麺のコシに引けを取ることのないコシを持つと共にかん水添加の中華麺に近い「ツルッ」、「モチッ」とした食感を持ち、さらに風味が増したかん水無添加中華麺及びかん水無添加中華麺の製造方法に関する。
中華麺は、一般的には強力粉を含む小麦粉にかん水を添加して塩水を加えながら練り込み団子状に形成し、これを圧延した生地を製麺することによって、手打ち或いは製麺機を用いて製造されている。かん水としては、主に炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの他、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、リン酸三カリウム等のアルカリ性金属塩が用いられる。このようなかん水を添加することよって麺にコシ(弾力性)や粘性、黄色みなどを付与している。かん水添加中華麺は、茹でる際や、喫食時に、かん水に由来する特異な臭いが感じられ、このかん水臭を好ましく感じる人も多い一方でかん水添加中華麺の調理や喫食ができない程不快と感じる妊婦などもまた多い。かん水無添加の中華麺としては、小麦粉100重量部と、牛乳3〜20重量部と、生玉子3〜20重量部と、昆布エキス3〜20重量部と、アルコール1〜5重量部と、ふのり0.2〜10重量部とを混練してなる生ラーメン(特許文献1参照)の提案がある。また、昆布、あらめ、ヒジキ等の海藻類を粉砕し160メッシュの篩にかけた微粉末とし、これを小麦粉、食塩、水等の麺材料100部に対して1.5〜3.0部混合し、混ねつした後製麺する工程を備えた海藻入り麺の製造方法(特許文献2参照)の提案がある。しかしながら、特許文献1による生ラーメンや、特許文献2による海藻入り麺では、麺のコシは多少得られても、「ツルッ」、「モチッ」とした食感は得られず、かん水を添加した一般的な中華麺とはかなり異なる食感、風味のものとなってしまう。
特開平7−177855号公報 特公昭61−48899号公報
本発明は、かん水添加の中華麺に対して、風味が増しており、また、遜色のない麺のコシを持つと共にかん水添加の中華麺に近い食感を有すると言えるかん水無添加中華麺及びかん水無添加中華麺の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明によるかん水無添加中華麺(生麺)の製造方法は、とろろ昆布を予備乾燥後、粉砕するとろろ昆布粉砕工程と、前記とろろ昆布粉砕工程で得られたとろろ昆布粉末を乾燥後、再度粉砕するとろろ昆布粉末乾燥工程と、前記とろろ昆布粉末乾燥工程で得られたとろろ昆布乾燥粉末0.5重量%以上、1.8重量%以下を水と共に中華麺原材料に練り込む中華麺調製工程と、を備えることを特徴とする。このような、かん水無添加中華麺の製造方法において、前記とろろ昆布が、糸状であることが好ましく、また、前記とろろ昆布乾燥粉末が、32μm以下の粒子サイズであることが好適である。そして、前記とろろ昆布乾燥粉末が、とろろ昆布粉末を50℃以上、100℃以下の温度で乾燥されていることが好ましく、また、この乾燥により前記とろろ昆布乾燥粉末の水分含量が1.5重量%以下となっていることが好適であり、さらには、前記中華麺調製工程におけるとろろ昆布乾燥粉末を水と共に中華麺原材料に練り込む量が、0.7重量%以上、1.3重量%以下であることがより好ましい。
また、上記目的を達成するための本発明によるかん水無添加中華麺(生麺)は、塩及びかん水無添加の小麦粉でなる中華麺原材料にとろろ昆布乾燥粉末が0.5重量%以上、1.8重量%以下添加され、水を加えながら練り込まれた生地から製麺されていることを特徴とする。このようなかん水無添加中華麺において、前記中華麺原材料に、粒子サイズが32μm以下の前記とろろ昆布乾燥粉末が0.7重量%以上、1.3重量%以下添加されていることが好ましい。
本発明のかん水無添加中華麺及びかん水無添加中華麺の製造方法によれば、かん水添加中華麺に比して遜色のない麺のコシを有し、かん水添加中華麺に近い食感、千切れにくさ、保存性を備えており、とろろ昆布に由来する酢臭及び酢味が除かれているかん水無添加中華麺が得られる。また、本発明によるかん水無添加中華麺は、茹で時間も2分半程度と短時間で良く、茹でる際や茹で上がった中華麺を食するときのかん水臭は当然感じられない。また、茹で上がった麺はかん水添加麺より旨みが増している。
以下、本発明によるかん水無添加中華麺及びかん水無添加中華麺の製造方法の好ましい実施形態について詳細に説明する。本実施形態によるかん水無添加中華麺の製造方法は、とろろ昆布を予備乾燥後、粉砕するとろろ昆布粉砕工程(S10)と、このとろろ昆布粉砕工程で得られたとろろ昆布粉末を乾燥後、再度粉砕するとろろ昆布粉末乾燥工程(S20)と、このとろろ昆布粉末乾燥工程で得られたとろろ昆布乾燥粉末0.5重量%以上、1.8重量%以下を水と共に中華麺原材料に練り込む中華麺調製工程(S30)と、を備えている。この実施形態によるかん水無添加中華麺の製造方法において、とろろ昆布は、例えば、真昆布、がごめ昆布、利尻昆布、羅臼昆布(えながおに昆布)などから選ばれる昆布を素干しした昆布原材料を用いて一般的なとろろ昆布の製法により製造された糸状或いは薄片状(おぼろ昆布とも呼ばれる)のとろろ昆布を用いることが出来る。とろろ昆布粉砕工程又はとろろ昆布粉末乾燥工程において、好ましい粒子サイズのとろろ昆布粉末又はとろろ昆布乾燥粉末を効率良く得易いことがある点では、太さ5μm以上、30μm以下の糸状のとろろ昆布を用いることがより好ましい。また、このようなとろろ昆布は、水分含量が18乃至28重量%、塩分(NaCl含量)が2乃至5重量%であることが好ましい。
なお、本実施形態のとろろ昆布は、次のような調製方法により作製することもできる。即ち、浸漬後の厚さが浸漬する前の厚さよりも2%以上増加するように素干し昆布原材料を酢酸含有液に浸漬する酢漬け昆布調製工程(S01)と、この酢漬け昆布調製工程(S01)で得られた酢漬け昆布の表面を水又はアルコール含有水溶液で洗浄する酢漬け昆布洗浄工程(S02)と、この酢漬け昆布洗浄工程(S02)で得られた洗浄済昆布から糸状又は薄片状のとろろ昆布を調製するとろろ昆布調製工程(S03)とにより作製することができる。この実施形態によるこのとろろ昆布調製方法において、素干し昆布原材料は、例えば、真昆布、がごめ昆布、利尻昆布、羅臼昆布(えながおに昆布)などから選ばれる昆布を素干しした昆布原材料を用いることが出来る。素干し昆布原材料は、10乃至30cmの長さに裁断することができ、また、5乃至20cmの幅に裁断して矩形又は方形とすることもできる。このような裁断により、酢漬け昆布調製工程(S01)において酢酸含有液に素干し昆布原材料を浸漬した際に得られる酢漬け昆布が充分に軟化、膨潤され易くなることがあり、好ましい。このような素干し昆布原材料の水分含量は、7乃至15重量%となっており、塩分(NaCl含量)は6乃至8重量%となっている。酢漬け昆布調製工程(S01)における酢酸含有液は、酢酸を4重量%乃至5重量%含有する酢酸含有液が好適に使用でき、例えば、米酢のような穀物醸造酢、氷酢酸を水で希釈した酢酸含有液を使用することが出来る。米酢のような穀物醸造酢が好ましい。ブドウ酢やリンゴ酢のような果実酢であっても良い。このような酢酸含有液に素干し昆布原材料を浸漬して、浸漬後の厚さが浸漬する前の厚さよりも2%以上増加するように軟化、膨潤させる。浸漬後の厚さの増加が2%未満では、昆布の繊維結束を十分に緩められずに後段のとろろ昆布粉末乾燥工程(S20)において、好ましい粒子サイズに粉砕乾燥することが困難、或いは、好ましい粒子サイズとする歩留りが低下してしまうことがある。浸漬後の厚さが浸漬する前の厚さよりも5%以上増加するように軟化、膨潤させることがより好ましい。一般的なとろろ昆布の調製では、酢酸含有液に数分浸漬の後、不透水性の袋に入れて数時間から数日程度放置するが、本実施形態の酢漬け昆布調製工程(S01)では、酢酸含有液に長期間浸漬して、充分に素干し昆布原材料を軟化、膨潤させる。
酢漬け昆布洗浄工程(S02)では、酢漬け昆布調製工程(S01)で得られた酢漬け昆布の表面を水又はアルコール含有水溶液で洗浄する。水で洗浄することが好ましく、アルコール含有水溶液で洗浄する場合においては、アルコール含有量の低い、例えば、10〜20重量%のアルコール含有水溶液を用いることが好ましい。アルコール含有量の高いアルコール含有水溶液を用いて酢漬け昆布の表面を洗浄した場合には、後段の中華麺調製工程(S30)で得られる中華麺に酢味、酢臭が残るものとなってしまうことがあり、好ましくない。酢漬け昆布の表面に付着する砂、異物などが目視で確認されなくなるまで充分に洗浄する。また、この酢漬け昆布洗浄工程(S02)において酢漬け昆布の表皮が一部或いは殆ど全部除去されるようにブラシを用いて強く洗浄しても良い。
とろろ昆布調製工程(S03)では、酢漬け昆布洗浄工程(S02)で得られた洗浄済昆布から糸状又は薄片状のとろろ昆布を調製する。このとろろ昆布調製工程(S03)は、洗浄済昆布を型枠に投入してプレス機により75乃至200トン/mの加圧力でプレスするプレス成型工程(S032)と、このプレス成型工程(S032)で得られた昆布成型体から糸状又は薄片状に削り出しとろろ昆布を得る切削工程(S034)とを備えることができる。プレス成型工程(S032)におけるプレス時間は、プレス機の加圧力との関係で調整することができ限定されないが、通常1日乃至数日間である。切削工程(S034)では、手削り或いは切削器を用いて削ることができ、太さ5μm以上、30μm以下)の糸状、又は厚さ5μm以上、30μm以下の薄片状のとろろ昆布とすることが好ましい。後段の、とろろ昆布粉砕工程(S10)又はとろろ昆布粉末乾燥工程(S20)において、好ましい粒子サイズのとろろ昆布粉末又はとろろ昆布乾燥粉末を効率良く得易いことがある点では、太さ5μm以上、30μm以下の糸状のとろろ昆布とすることがより好ましい。このようなとろろ昆布は、水分含量が18乃至28重量%、塩分(NaCl含量)が2乃至5重量%となっている。
とろろ昆布粉砕工程(S10)では、糸状又は薄片状のとろろ昆布を予備乾燥後、粉砕してとろろ昆布粉末を得る。予備乾燥の温度は、50℃以上、85℃以下が好ましく、55℃以上、80℃以下がより好ましく、70℃以上、80℃以下がさらに好ましい。また、この予備乾燥は、上記温度範囲の熱風をとろろ昆布に当てることにより行うことができ、例えば、1m乃至3mのトンネル内に送風機にて上記温度の熱風を送りながら、とろろ昆布をトンネル通過させることにより行うことができる。トンネルを通過させる時間は、3秒乃至15秒が好ましく、3秒乃至7秒がより好ましい。予備乾燥温度が50℃未満では、とろろ昆布粉末の殺菌が充分できないことがあり、また、沸点が110℃を超え水と共沸されない酢酸が抜けきらずに多くが残ることがあり、85℃を超えると長時間の予備乾燥により、とろろ昆布粉末が着色したり、焦げ臭が発生してしまうことがあり、好ましくない。とろろ昆布粉砕工程(S10)で得られるとろろ昆布粉末の水分含量が3重量%乃至7重量%となるように予備乾燥することが好ましい。とろろ昆布粉末の水分含量が7重量%を超える場合、次のとろろ昆布粉末乾燥工程(S20)で好ましい水分含量のとろろ昆布乾燥粉末が得られないことがある。また、このとろろ昆布粉砕工程(S10)における粉砕によって得られるとろろ昆布粉末の粒子サイズは、67μm以下であり、その50%以上が45μm以下であることが好ましい。この好ましい粒子サイズとなっていることは、JIS Z8801−1982の330メッシュ標準ふるい(目開き基準45μm、目開き最大許容差±22μm)をとろろ昆布乾燥粉末が全て通過することで確認できる。
とろろ昆布粉末乾燥工程(S20)では、とろろ昆布粉砕工程(S10)で得られたとろろ昆布粉末をさらに乾燥後、必要に応じて再度粉砕してとろろ昆布乾燥粉末を得る。このとろろ昆布粉末乾燥工程(S20)における乾燥温度は、50℃以上、100℃以下とすることができる。酢酸残量をより低減でき、再粉砕によって好ましい粒子サイズのとろろ昆布乾燥粉末を得易いことがあり、とろろ昆布乾燥粉末の殺菌ができる点で、80℃以上、がより好ましく、95℃以上がさらに好ましい。焦げ目や焦げ臭を生じにくい点では、とろろ昆布粉末を投入した乾燥容器を直火やヒーターで直接加熱することなく水蒸気を乾燥容器に接触させることにより乾燥(乾煎り)することが好ましい。この場合、当然水蒸気がとろろ昆布粉末に直接接触しない状態で乾燥を行う必要であり、乾燥時間は、15秒乃至45秒とすることができ、25秒乃至35秒がより好ましい。なお、この乾燥によってとろろ昆布乾燥粉末の水分含量を1.5重量%以下とすることが好ましい。また、このとろろ昆布粉砕乾燥工程(S20)における再粉砕によって得られるとろろ昆布乾燥粉末の粒子サイズは、32μm以下であり、その50%以上が22μm以下であることが好ましい。この好ましい粒子サイズとなっていることは、JIS Z8801−1982の580メッシュ標準ふるい(目開き基準22μm、目開き最大許容差±10μm)をとろろ昆布乾燥粉末が全て通過することで確認できる。このようなとろろ昆布乾燥粉末の塩分(NaCl含量)は3乃至7重量%となっている。なお、前段のとろろ昆布粉砕工程(S10)により得られたとろろ昆布粉末の粒子サイズが、32μm以下であり、その50%以上が22μm以下であった場合には、再粉砕を省略することができる。
中華麺調製工程(S30)は、とろろ昆布粉末乾燥工程(S20)で得られたとろろ昆布乾燥粉末0.5重量%以上、1.8重量%以下を水と共に中華麺原材料に練り込む工程を含んでなり、かん水無添加中華麺(生麺)を得る。中華麺原材料に練り込むとろろ昆布乾燥粉末は0.7重量%以上、1.3重量%以下とすることがより好ましい。この実施形態の中華麺調製工程(S30)は、かん水及び又は塩(食塩)を用いた一般的なかん水添加中華麺の調製工程とは、かん水及び又は塩の代替として、とろろ昆布粉末乾燥工程(S20)で得られたとろろ昆布乾燥粉末を用いること、また、とろろ昆布乾燥粉末を中華麺原材料に練り込む時間を長くする点(12分間乃至18分間)が異なり、他の調製方法の部分は同等であることから、かん水添加中華麺の調製方法と同等の部分については詳細な説明を省略する。また、一般的なかん水添加中華麺の製造方法の概略は、〔背景技術〕において説明したとおりである。
本実施形態の中華麺調製工程(S30)において、中華麺原材料は、小麦粉として中力粉を含んでいれば良く限定されない。また、塩(NaCl)を添加することなく、とろろ昆布粉末乾燥工程(S20)で得られたとろろ昆布乾燥粉末を中華麺原材料に対して0.5重量%以上、1.8重量%以下を水と共に中華麺原材料に練り込む。したがって、ここで得られるかん水無添加中華麺中の塩分は、とろろ昆布乾燥粉末が含有する塩分のみであり、かん水無添加中華麺中の水分が30重量%であった場合に塩分は0.015乃至0.08重量%と極めて微量で、麺のコシに影響を与えることはないと言える。とろろ昆布乾燥粉末を中華麺原材料に対して0.5重量%未満用いた場合には、麺のコシが充分とはならず、また、とろろ昆布乾燥粉末を中華麺原材料に対して1.8重量%を超えて使用した場合には、かん水添加中華麺とは異なる食味のものとなってしまったり、また、僅かに酢味が残ってしまうことがあり、好ましくない。とろろ昆布粉末乾燥工程(S20)で得られたとろろ昆布乾燥粉末を中華麺原材料に対して0.7重量%以上、1.3重量%以下の量添加し、水と共に中華麺原材料に練り込むことがより好ましい。
本実施形態によるかん水無添加中華麺は、以上説明した、かん水無添加中華麺の製造方法によって製造され、塩及びかん水無添加の小麦粉でなる中華麺原材料にとろろ昆布乾燥粉末が0.5重量%以上、1.8重量%以下添加され、水を加えながら練り込まれた生地から製麺されている。すなわち中華麺原材料は、小麦粉のみでなり、小麦粉は、中力粉を含んでいれば良い。とろろ昆布乾燥粉末は、上述のかん水無添加中華麺の製造方法のうち、真昆布、がごめ昆布、利尻昆布、羅臼昆布などから選ばれる素干し昆布原材料から調製されたとろろ昆布を用い、とろろ昆布粉砕工程(S10)、とろろ昆布粉末乾燥工程(S20)を経て製造されている。このようなとろろ昆布乾燥粉末が中華麺原材料に0.5重量%以上、1.8重量%以下添加され、水を加えながら練り込まれた生地から製麺されていることから、本実施形態によるかん水無添加中華麺は、塩及び/又はかん水添加の中華麺に比して遜色のない麺のコシを有している。また、一般的なかん水添加の中華麺に近い食感、千切れにくさ、保存性を有しており、とろろ昆布に由来する酢臭及び酢味が除かれている。さらに、この実施形態によるかん水無添加中華麺は、茹で時間も2分半程度と短時間で茹で上がり、茹で上がった麺はかん水添加中華麺より風味が増している。とろろ昆布乾燥粉末は、32μm以下で、その50%以上が22μm以下とした粒子サイズのものが用いられている場合、一本の麺で麺のコシや麺の色味に偏りがより少なく、均一でより千切れにくいものとなっている。
次に本発明によるかん水無添加中華麺及びかん水無添加中華麺の製造方法について、実施例、比較例を示して具体的に説明する。
〔実施例1〕
本実施例1によるかん水無添加中華麺及びかん水無添加中華麺の製造方法は、上述の好ましい実施形態に準じたものであり、素干しした真昆布を素干し昆布原材として調製された太さ5μm乃至20μmの糸状のとろろ昆布を用いた。このとろろ昆布は、水分含量が22乃至24重量%、塩分が2.5乃至3.5重量%であった。
とろろ昆布粉砕工程(S10)では、75℃±2℃の熱風を2mのトンネル内に送風しながら、上述のとろろ昆布についてトンネル内を5秒間で通過させることによって予備乾燥して水分含量を3重量%乃至5重量%とした後、粉砕して、JIS Z8801−1982の330メッシュ標準ふるいを通過するものであり、粒子サイズが67μm以下で、その50%以上が45μm以下のとろろ昆布粉末を得た。とろろ昆布粉末乾燥工程(S20)では、とろろ昆布粉砕工程(S10)で得られたとろろ昆布粉末を乾燥容器に投入し、水蒸気がとろろ昆布粉末に直接当たらない状態で乾燥容器に水蒸気を接触させることによって乾燥した。乾燥時間は25秒乃至35秒で水分含量を1.5重量%以下とした後、再度粉砕してJIS Z8801−1982の580メッシュ標準ふるいを通過するものであり、粒子サイズが32μm以下で、その50%以上が22μm以下のとろろ昆布乾燥粉末を得た。得られたとろろ昆布乾燥粉末の塩分(NaCl含量)は3乃至5重量%となっていた。
中華麺調製工程(S30)では、中華麺原材料としては、塩(NaCl)、かん水を添加することなく小麦粉のみとし、小麦粉は中力粉を用いた。とろろ昆布粉末乾燥工程(S20)で得られたとろろ昆布乾燥粉末を中華麺原材料に対して0.9乃至1.1重量%添加し、水と共に中華麺原材料に15分間練り込み、圧延した生地から製麺機を用いて製麺しかん水無添加中華麺を得た。得られたかん水無添加中華麺を(2.5分間)茹で上げた麺は、塩及び/又はかん水添加の中華麺に比して遜色のない麺のコシを有していた。また、昆布の風味(旨み)が僅かに感じられ、一般的なかん水添加の中華麺に近い「ツルッ」、「モチッ」とした食感、千切れにくさ、保存性を有していた。表面は均一な淡緑色となっていた。
〔実施例2〕
とろろ昆布粉砕工程(S10)における粉砕後、JIS Z8801−1982の200メッシュ標準ふるいを通過するものであり、粒子サイズが104μm以下で、その50%以上が75μm以下のとろろ昆布粉末を得た。また、とろろ昆布粉末乾燥工程(S20)における再粉砕後、JIS Z8801−1982の330メッシュ標準ふるいを通過するものであり、粒子サイズが67μm以下で、その50%以上が45μm以下のとろろ昆布乾燥粉末を得た。また、得られたとろろ昆布乾燥粉末を中華麺調製工程(S30)において、中華麺原材料に対して1.7乃至1.8重量%添加した以外は、実施例1と同様にしてかん水無添加中華麺を得た。得られたかん水無添加中華麺を茹で上げた麺は、実施例1の麺に比較してわずかに表面の色の均一性が劣るものの実施例1の麺と略同等の麺のコシ、食感、風味、千切れにくさ、保存性を有していた。
〔実施例3〕
中華麺調製工程(S30)において、とろろ昆布乾燥粉末を中華麺原材料に対して0.5乃至0.7重量%添加した以外は、実施例1と同様にしてかん水無添加中華麺を得た。得られたかん水無添加中華麺を茹で上げた麺は、実施例1の麺に比較して「ツルッ」、「モチッ」とした食感が極僅かに劣るものの実施例1の麺と略同等の麺のコシ、風味、千切れにくさ、保存性を有していた。
〔比較例1〕
中華麺調製工程(S30)において、とろろ昆布乾燥粉末を中華麺原材料に対して0.3乃至0.4重量%添加した以外は、実施例1と同様にしてかん水無添加中華麺を得た。得られたかん水無添加中華麺を茹で上げた麺は、麺のコシ、「ツルッ」、「モチッ」とした食感が殆どなく、実施例1の麺に比較して風味、千切れにくさについても劣るものとなっていた。
〔比較例2〕
特許文献2の海藻入り麺の製造方法に準じ、海藻として日干しの真昆布を用いて添加中華麺を調製した。すなわち、日干し真昆布を食塩水にて充分に洗浄し、不純物を取り除き、これを水切りした後、噴霧器にて少量の食塩水を加え、昆布中の成分が流出しないように長時間かけて生の状態に戻したのち、味が落ちないように晴天時5時間かけて日光乾燥させた。これを10cm程度に切断し、粗粉砕した後、更に高速回転にて再粉砕し、160メッシュの篩にかけて微粉末とした。得られた昆布微粉末を小麦粉(中力粉)に対し2重量%加えて均一に混合し、この混合物に食塩水を徐々に添加混ねつし、その後麺帯に成形し麺延機にてシート状の生地とし切出し機にかけて製麺し、乾燥させて中華麺を得た。得られた中華麺を茹で上げた麺は、麺のコシは多少あるものの実施例1の麺と比較するとコシが弱く、また、「ツルッ」、「モチッ」とした食感が殆どなく、実施例1の麺に比較して千切れにくさについても劣るものであった。
〔比較例3〕
比較例2の昆布微粉末の調製における粉砕、再粉砕の時間を長くし、160メッシュの篩の代わりに、実施例1における再粉砕の場合に用いた580メッシュの篩にかけたことを除いて比較例2と同様にして中華麺を得た。得られた中華麺を茹で上げた麺は、麺のコシは比較例2の麺より多少強いものの実施例1の麺と比較するとコシが弱く、また、「ツルッ」、「モチッ」とした食感は殆どなく、実施例1の麺に比較して千切れにくさについても劣るものであった。

Claims (7)

  1. かん水無添加中華麺の製造方法であって、
    とろろ昆布を予備乾燥後、粉砕するとろろ昆布粉砕工程と、
    前記とろろ昆布粉砕工程で得られたとろろ昆布粉末を乾燥後、再度粉砕するとろろ昆布粉末乾燥工程と、
    前記とろろ昆布粉末乾燥工程で得られたとろろ昆布乾燥粉末0.5重量%以上、1.8重量%以下を水と共に中華麺原材料に練り込む中華麺調製工程と、を備えることを特徴とするかん水無添加中華麺の製造方法。
  2. 前記とろろ昆布が、糸状であることを特徴とする請求項1に記載のかん水無添加中華麺の製造方法。
  3. 前記とろろ昆布乾燥粉末が、32μm以下の粒子サイズであることを特徴とする請求項1又は2に記載のかん水無添加中華麺の製造方法。
  4. 前記とろろ昆布乾燥粉末が、とろろ昆布粉末を50℃以上、100℃以下の温度で乾燥されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のかん水無添加中華麺の製造方法。
  5. 前記とろろ昆布乾燥粉末の水分含量が1.5重量%以下となっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のかん水無添加中華麺の製造方法。
  6. 塩及びかん水無添加の小麦粉でなる中華麺原材料にとろろ昆布乾燥粉末が0.5重量%以上、1.8重量%以下添加され、水を加えながら練り込まれた生地から製麺されていることを特徴とするかん水無添加中華麺。
  7. 前記中華麺原材料に、粒子サイズが32μm以下の前記とろろ昆布乾燥粉末が添加されていることを特徴とする請求項6に記載のかん水無添加中華麺。
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