JP2016150686A - 軌道変位測定装置 - Google Patents

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向秀 杉崎
Koshu Sugizaki
向秀 杉崎
隆太郎 平尾
Ryutaro Hirao
隆太郎 平尾
健泰 佐野
Takeyasu Sano
健泰 佐野
英記 近藤
Hideki Kondo
英記 近藤
岩崎 正樹
Masaki Iwasaki
正樹 岩崎
辻 博之
Hiroyuki Tsuji
博之 辻
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Abstract

【課題】軌道変位を容易に測定することができる軌道変位測定装置を実現する。【解決手段】軌道変位測定装置100は装置本体100aに取り付けられた第1転動輪1と第2転動輪2を備えており、その第1転動輪1と第2転動輪2によって装置本体100aの姿勢を安定させてレールR上を移動させることができるので、装置本体100aがレールR上を移動した際の軌跡をより正確に取得することが可能になり、取得した装置本体100aの移動の軌跡に基づいて軌道の変位を測定することができる。特に、この軌道変位測定装置100は、軌道に敷設された2本の平行レールのうち、一方のレールRに沿って移動可能なサイズを有しており、一人の作業者でも取り扱い易いので、比較的短期間で行われる小規模な工事における軌道変位測定に軌道変位測定装置100を好適に用いることが可能であり、その軌道変位測定を容易に行うことができる。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道の軌道変位の測定に用いる軌道変位測定装置に関する。
従来、軌道の近接箇所で工事を行う場合に列車走行の安全を確保するため、その施工前と施工後に軌道検測を行い、施工後の軌道に変状が生じていないか確認する作業を実施している。
例えば、軌道周囲の複数箇所に設置した基準点の位置(座標)と、軌道近傍の計測点の位置(座標)をトータルステーションから測定し、軌道の変状を監視する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このトータルステーションを利用する技術は、長期間に亘る大規模な工事に採用されている。
また、軌道工(作業員)による軌道検測の手法として、糸を用いた10m弦正矢法が知られている。
特開2000−88575号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術は、精度よく軌道変位を測定することが可能であるものの、複数の基準点やトータルステーションを設置する作業に要する時間や費用が掛かるために、比較的短期間での小規模な工事には不向きな技術であった。
また、10m弦正矢法による軌道検測は、専門の軌道工が行う熟練を要する作業であるため、より正確な軌道変位を容易に測定できる技術が望まれている。
本発明の目的は、軌道変位を容易に測定することができる軌道変位測定装置を提供することである。
上記目的を達成するため、この発明は、
軌道に敷設された2本の平行レールのうち、一方のレールに沿って移動可能な複数の転動輪が設けられた装置本体と、
前記装置本体がレール上を移動した際の軌跡を取得する軌跡計測手段と、
を備えている軌道変位測定装置であって、
前記転動輪は、前記レールの頭部上面に当接して回転する第1転動輪と、対を成して前記レールを挟んで回転する第2転動輪を有しているようにした。
ここで軌跡計測手段は、装置本体の所定点の軌跡(装置本体に定められた基準点の軌跡)を取得するようになっている。例えば、軌跡計測手段は、装置本体の重心の軌跡を取得してもよく、また装置本体に定められた任意の一点(例えば装置本体におけるジャイロセンサの基点)の軌跡を取得してもよい。
かかる構成の軌道変位測定装置であれば、第1転動輪と第2転動輪によってレール上を移動する装置本体の姿勢を安定させることができる。具体的には、第1転動輪がレールの頭部上面に当接して回転するので、レール上を移動する装置本体が上下方向にがたつくことを抑えることができる。また、対を成す第2転動輪がレールを挟んで回転するので、レール上を移動する装置本体が左右方向にがたつくことを抑えることができる。
このように、第1転動輪と第2転動輪によって装置本体の姿勢を安定させてレール上を移動させることができるので、装置本体がレール上を移動した際の軌跡をより正確に取得することが可能になり、取得した装置本体の移動の軌跡に基づいて軌道の変位を測定することができる。
特に、この軌道変位測定装置は、軌道に敷設された2本の平行レールのうち、一方のレールに沿って移動可能なサイズを有しているので、一人の作業者でも取り扱い易くなっている。そのため、比較的短期間で行われる小規模な工事における軌道変位測定に、この軌道変位測定装置を好適に用いることが可能であり、その軌道変位測定を容易に行うことができる。
また、望ましくは、
前記軌跡計測手段は、
前記装置本体に配設され、その装置本体が前記レール上を移動した距離を計測する移動量計測部と、
前記装置本体に配設され、その装置本体が前記レール上を移動した位置毎の慣性を計測する慣性計測部と、
を備えているようにした。
軌跡計測手段は、装置本体に配設された移動量計測部と慣性計測部を備えているので、移動量計測部(例えばエンコーダー)によって計測された装置本体がレール上を移動した距離と、慣性計測部(例えばジャイロセンサ)によって計測された装置本体がレール上を移動した位置毎の慣性とを対応付けることができ、レールに沿って移動した装置本体の位置毎に検出した慣性に基づいて、装置本体がレール上を移動した際の軌跡を好適に取得することができる。
また、望ましくは、
前記第1転動輪は、前記装置本体の中央を挟んで移動方向の前方と後方の2箇所に設けられており、
前記第2転動輪は、前記装置本体の中央を挟んで移動方向の前方と後方にそれぞれ一対設けられているようにした。
第1転動輪と第2転動輪がそれぞれ、装置本体の中央を挟んで移動方向の前方と後方に設けられているので、レール上を移動する装置本体の姿勢をより安定させることができる。
また、望ましくは、
前記第2転動輪は、前記レールの頭部上面と頭部側面との間の肩部に接して回転するようにした。
レールの肩部に接して回転する第2転動輪は、その第2転動輪の一部がレールの上面と側面の双方に接して回転している状態であるので、レール上を移動する装置本体の姿勢をより安定させることができる。
また、望ましくは、
前記軌跡計測手段によって取得された前記軌跡を表示する表示部を備えるようにした。
装置本体がレール上を移動した際の軌跡が表示部に表示されれば、軌跡計測手段によって取得された装置本体の移動の軌跡に基づく軌道の変位を確認しやすくなる。
また、望ましくは、
前記軌跡計測手段によって取得された前記軌跡のデータを累積して記憶する記憶部と、
当該軌道変位測定装置によって前記レールの計測を行う度に、新たな計測により得られた軌跡のデータと、前記記憶部に記憶されている軌跡のデータとを比較し、新たな計測により得られた軌跡のデータが、前記記憶部に記憶されている軌跡のデータのうちの少なくとも1つと所定の閾値を超えて乖離した場合に、前記軌道に変位が生じたと判定する制御部と、
を備えるようにした。
軌道変位測定装置の装置本体をレールに沿って移動させ、装置本体がレール上を移動した際の軌跡を取得する作業を繰り返し行う過程で、新たな計測により得られた軌跡のデータと、既に記憶部に記憶されている軌跡のデータとを比較を行い、新たな計測により得られた軌跡のデータがそれまで累積されていた軌跡のデータから乖離した場合に、軌道に変位が生じたと判定することができるので、軌道変位を容易に測定することが可能になる。
本発明によれば、軌道変位を容易に測定することができる軌道変位測定装置が得られる。
本実施形態の軌道変位測定装置を示す正面図である。 本実施形態の軌道変位測定装置を示す背面図である。 本実施形態の軌道変位測定装置を示す左側面図である。 本実施形態の軌道変位測定装置を示す右側面図である。 本実施形態の軌道変位測定装置を示す平面図である。 本実施形態の軌道変位測定装置を示す底面図である。 本実施形態の軌道変位測定装置を示す斜視図である。 本実施形態の軌道変位測定装置の制御系を示すブロック図である。 本実施形態の軌道変位測定装置を示す斜視図であり、装置本体をレールに沿って移動させる状態を示している。 装置本体がレール上を移動した際の軌跡のデータの一例を示す説明図であり、装置本体がレールに沿って移動した際の軌跡である左右方向の波形(a)と、装置本体がレールに沿って移動した際の軌跡である上下方向の波形(b)を示している。 装置本体がレール上を移動した際の軌跡のデータの一例を示す説明図であり、装置本体がレールに沿って移動した際の軌跡である左右方向の波形(a)と、装置本体がレールに沿って移動した際の軌跡である上下方向の波形(b)を示している。 軌道変位測定装置の変形例を示す正面図である。 軌道変位測定装置の変形例を示す正面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る軌道変位測定装置の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は軌道変位測定装置100を示す正面図、図2は背面図、図3は左側面図、図4は右側面図、図5は平面図、図6は底面図、図7は斜視図である。図8は装置の制御系の要部構成を示すブロック図である。
この軌道変位測定装置100は、装置本体100aをレールRに沿って移動させ、その装置本体100aがレールR上を移動した際の軌跡を取得することによって、そのレールRが敷設されている軌道の変位を測定する装置である。
本実施形態の軌道変位測定装置100は、図1〜図7に示すように、軌道に敷設された2本の平行レールのうち、一方のレールRに沿って移動可能な複数の転動輪(第1転動輪1、第2転動輪2)が設けられた装置本体100aを備えており、装置本体100aには、当該装置本体100aがレールR上を移動した距離を計測する移動量計測部10と、当該装置本体100aがレールR上を移動した位置毎の慣性を計測する慣性計測部20が配設されている。
移動量計測部10と慣性計測部20は、軌道変位測定装置100が備えている軌跡計測手段に含まれる構成であり、移動量計測部10と慣性計測部20の協働によって、装置本体100aがレールR上を移動した際の軌跡(線形)を計測することが可能になっている。本実施形態の軌跡計測手段は、装置本体100aの重心の軌跡を計測する。
また、装置本体100aには、軌道変位測定装置100をレールRに沿って移動させる際にユーザー(作業員)が掴むハンドル200が取り付けられている。
また、軌道変位測定装置100は、図8に示すように、移動量計測部10や慣性計測部20によって計測されたデータなどを表示する表示部40と、移動量計測部10や慣性計測部20によって計測されたデータなどを記憶する記憶部50と、装置の各部を統括制御する制御部60等を備えている。
装置本体100aは、略長方形状を呈する平板状の基台100bを有している。
この基台100bの下面に、複数の転動輪(第1転動輪1、第2転動輪2)と、移動量計測部10とが配設されており、基台100bの上面に、慣性計測部20と、ハンドル200とが配設されている。
なお、装置本体100aがレールRに沿って移動する際、基台100bの長手方向をレールRの長手方向に沿わせて移動するように、複数の転動輪(第1転動輪1、第2転動輪2)が基台100bに配設されている。
ハンドル200は、基台100bの長手方向中央の両側の縁に回動可能に取り付けられている。
このハンドル200は、例えば前後に45°ずつ、計90°の範囲を回動できるように取り付けられており、その回動範囲中、任意の位置(角度)にハンドル200を固定するためのハンドル固定用レバー201が設けられている。
また、ハンドル200には、軌道変位測定装置100を床や地面、或いはレールR上に立てた姿勢で止め置く際に、軌道変位測定装置100が倒れないように支えるスタンド202が取り付けられている。特に、このスタンド202は、軌道変位測定装置100をレールRに沿って移動させる際に、その妨げにならない位置に退避可能に取り付けられている。
例えば、図3に示すように、軌道変位測定装置100をレールR上に立てるためにスタンド202を略ハ字形状を呈する向きに切り替えることができ、また例えば、図9に示すように、スタンド202をハンドル200に沿わせた退避位置に切り替えることができる。
なお、スタンド202を略ハ字形状を呈する向きで固定したり、スタンド202を退避位置に固定したりするためのスタンド固定用レバー203が設けられている。
第1転動輪1は、基台100bの下面であって、装置本体100aの中央(例えば、基台100bの長手方向中央)を挟んで、装置の移動方向の前方と後方の2箇所に設けられている。
第1転動輪1は、レールRの頭部上面に当接して回転するように取り付けられている。
第2転動輪2は、基台100bの下面であって、装置本体100aの中央(例えば、基台100bの長手方向中央)を挟んで、装置の移動方向の前方と後方にそれぞれ一対設けられている。
第2転動輪2は、レールRを挟む配置に対を成しており、レールRを挟んで回転するように取り付けられている。
特に、この第2転動輪2は、レールRの頭部上面と頭部側面との間の肩部に接して回転するように、傾斜した向きで基台100bの下面に取り付けられている。つまり、レールRを挟んで対を成している第2転動輪2は、互いの下部を近接させるようにレールRに向けて窄んだ姿勢で基台100bに取り付けられている。
そして、この第2転動輪2は、レールRの肩部に接して回転するのに適したテーパー状の曲面を有する当接面が形成された形状を有している。なお、レールRの肩部に接して回転する第2転動輪2は、第2転動輪2の一部がレールRの上面と側面の双方に接して回転している状態であるので、レールR上を移動する装置本体100aの姿勢をより安定させることができる。
軌道変位測定装置100は、このような異なるタイプの第1転動輪1と第2転動輪2を備えているので、レールR上を移動する装置本体100aの姿勢を安定させることができる。
具体的には、第1転動輪1がレールRの頭部上面に当接して回転するので、レールR上を移動する装置本体100aが上下方向にがたつくことを抑えることができる。また、対を成す第2転動輪2がレールRを挟んでレールRに当接して回転するので、レールR上を移動する装置本体が100a左右方向にがたつくことを抑えることができる。
移動量計測部10は、例えば、エンコーダー11(本実施形態ではローラエンコーダ)を具備しており、そのエンコーダー11のローラ11aがレールRの頭部上面に当接するように基台100bの下面に取り付けられている。
そして、装置本体100aがレールRに沿って移動することに伴い、エンコーダー11のローラ11aが回転することで、装置本体100aがレールR上を移動した距離を計測することが可能になっている。
移動量計測部10(エンコーダー11)は、図8に示すように、制御部60に接続されている。
慣性計測部20は、例えば、ジャイロセンサ21を具備しており、そのジャイロセンサ21は、基台100bの上面に設けられた回転台21a上の制御ボックス21b内に配設されている。
この回転台21aは、基台100b上面に垂直な軸を中心に180°回転するように取り付けられており、装置本体100aの進行方向に応じて制御ボックス21bの向きを切り替えることを可能にしている。つまり、予め定められている制御ボックス21bの前面を、装置本体100aの進行方向の前方に配置させるように切り替えることができるので、常にジャイロセンサ21を所定の向きに配置して、装置本体100aをレールRに沿って移動させることができる。
そして、装置本体100aがレールRに沿って移動する際に、ジャイロセンサ21が互いに直交する3軸(例えば上下左右前後の3軸)の向きと3方向の角速度(ピッチ角度、ヨー角度、ロール角度)を検出することで、装置本体100aがレールR上を移動した位置毎の慣性を計測することが可能になっている。
慣性計測部20(ジャイロセンサ21)は、図8に示すように、制御部60に接続されている。
なお、基台100bの上面には、回転台21aの回転を規制して回転台21aを基台100bに固定するための回転台固定用レバー21cが設けられている。また、回転台21aには、回転台21aを回転させる際に掴む把持部21dが設けられている。
表示部40は、例えば制御ボックス21bの上面に配設されている。記憶部50と制御部60は、制御ボックス21b内に収容されている。
表示部40は、例えば液晶パネルであり、各種データ等を表示する機能を有している。
記憶部50は、各種データ等を記憶するメモリーを備えている。
制御部60は、軌道変位測定装置100を動作させるためのプログラムを実行するCPUを備えている。
なお、制御ボックス21b内にはバッテリー(図示省略)が内蔵されており、制御ボックス21bの前面には電源スイッチ(図示省略)が設けられている。
そして、制御部60は、移動量計測部10(エンコーダー11)によって計測された装置本体100aがレールR上を移動した距離と、慣性計測部20(ジャイロセンサ21)によって計測された装置本体100aがレールR上を移動した位置毎の慣性(例えば3方向の角速度)とを対応付けて、装置本体100aがレールR上を移動した際の軌跡を取得する処理を実行する。この制御部60は、軌跡計測手段の一部として機能するようになっている。つまり、軌跡計測手段としての移動量計測部10と慣性計測部20と制御部60の協働によって、装置本体100aがレールR上を移動した際の軌跡を取得することができる。
また、制御部60は、移動量計測部10と慣性計測部20との協働によって得られた軌跡のデータを、記憶部50に記憶する処理を実行する。なお、記憶部50は、軌跡計測手段によって取得された軌跡のデータを累積して記憶するようになっている。
また、制御部60は、当該軌道変位測定装置100によって装置本体100aがレールR上を移動した際の軌跡を計測する度に、新たな計測により得られた軌跡のデータと、記憶部50に記憶されている軌跡のデータとを比較し、新たな計測により得られた軌跡のデータが、記憶部50に記憶されている軌跡のデータのうちの少なくとも1つと所定の閾値を超えて乖離した場合に、軌道(レール)に変位が生じたと判定する判定手段としての機能を有している。
次に、軌道変位測定装置100によって軌道の変位を測定する手順について説明する。
例えば、軌道に近接した位置に電柱を立てる基礎工事を行う際、その工事の影響で軌道に変位が生じた場合に速やかに工事を中止することができるように、基準となる工事開始前の軌道の状態を確認するため、工事開始前にその軌道のレールRの線形を測定する。
まず、基礎工事の影響が軌道に及ばない始点と終点(例えば、それぞれ工事箇所から10m離れた地点)をレールRに定める。
そして、その始点において、図9に示すように、軌道変位測定装置100の装置本体100aをレールRに載せる。このとき、第1転動輪1がレールRの頭部上面に当接し、第2転動輪2がレールRの肩部に当接するようにする。また、予め定められている制御ボックス21bの前面を装置本体100aの進行方向の前方に配置させている。
次いで、始点から工事箇所近傍に向けて装置本体100aをレールRに沿って移動させ、その工事箇所近傍を通り抜けて反対側の終点まで装置本体100aを移動させる。
このように装置本体100aがレールR上を移動する際、移動量計測部10のエンコーダー11は、装置本体100aがレールR上を移動した距離を計測する。また同時に、慣性計測部20のジャイロセンサ21は、装置本体100aがレールR上を移動した位置毎の慣性(例えば3方向の角速度、少なくともピッチ角度とヨー角度)を計測する。
そして、制御部60は、エンコーダー11によって計測された装置本体100aがレールR上を移動した距離と、ジャイロセンサ21によって計測された装置本体100aがレールR上を移動した位置毎の慣性とを対応付けて、装置本体100aがレールR上を移動した際の軌跡を取得する。
例えば制御部60は、軌跡のデータとして、図10(a)に示すような、装置本体100aがレールRに沿って移動した際に、その装置本体100aの位置毎に検出した慣性(ヨー角度)に基づく左右方向の波形(図中、実線の波形)と、図10(b)に示すような、装置本体100aがレールRに沿って移動した際に、その装置本体100aの位置毎に検出した慣性(ピッチ角度)に基づく上下方向の波形(図中、実線の波形)を取得する。
この制御部60が取得した軌跡のデータは、記憶部50に記憶されるとともに、表示部40に表示される。
こうして、基準となる工事開始前の軌道の線形データ(軌跡のデータ)を取得した後、軌道の近傍での工事を開始する。
次いで、例えば工事開始後2時間毎に、レールRに定めた始点から終点まで装置本体100aをレールRに沿って移動させて、装置本体100aがレールR上を移動した際の軌跡のデータを取得する。
ここで制御部60は、新たな計測により得られた軌跡のデータと、記憶部50に累積して記憶されている軌跡のデータとを比較し、新たな計測により得られた軌跡のデータが、記憶部50に記憶されている軌跡のデータのうちの少なくとも1つと所定の閾値を超えて乖離したか否か判断する。
制御部60が、新たな計測により得られた軌跡のデータ(図11中、点線の波形)が、記憶部50に記憶されている軌跡のデータと比べて所定の閾値を超えて乖離していないと判断すると、制御部60は、新たに取得した軌跡のデータを記憶部50に記憶するとともに、表示部40に表示する。
一方、制御部60が、新たな計測により得られた軌跡のデータ(図11中、二点鎖線の波形)が、記憶部50に記憶されている軌跡のデータと比べて所定の閾値を超えて乖離していると判断すると、制御部60は、軌道に変位が生じたと判定する。
そして、制御部60は、新たに取得した軌跡のデータを表示部40に表示するとともに、制御ボックス21b内に内蔵されている報知部としてのブザー(図示省略)を吹鳴させ、軌道に変位が生じたことを作業者に報知する。
例えば、工事開始前に軌道のレールRの線形を測定した後の2回目の計測時(工事開始前の測定を含めて3回目の計測時)に軌道に変位が生じた場合、図11(a)(b)に示すような波形(軌跡のデータ)が表示部40に表示されている。図中、二点鎖線で示す波形が、所定の閾値を超えて乖離した軌跡のデータである。ここで、所定の閾値を超えて乖離した軌跡のデータ(波形)を表示部40に表示する場合、警告色としての「赤」で波形を表示するようになっている。
ここでは、記憶部50に記憶されている軌跡のデータの波形よりも、新たに取得した軌跡のデータの波形の一部が左右方向の閾値である2mmを超えて乖離した場合(例えば図11(a)中、X=2mの地点)、或いは新たに取得した軌跡のデータの波形の一部が上下方向の閾値である1mmを超えて乖離した場合(例えば図11(b)中、X=7mの地点)に、制御部60が軌道に変位が生じたと判定するようになっている。なお、左右方向と上下方向の閾値をともに超えて乖離した場合に制御部60が軌道に変位が生じたと判定するようにしてもよい。
そして、軌道変位測定装置100を用い、装置本体100aがレールR上を移動した際の軌跡(線形)を測定し、そのレールRが敷設されている軌道に変位が生じたことを、ブザーの音や表示部40に表示された波形によって認識した作業者は直ちに工事を中止し、軌道の変位がそれ以上進まないよう対策をとったり、その軌道を修復する作業に移行したりすることができる。
このように、軌道変位測定装置100は、第1転動輪1と第2転動輪2によって装置本体100aの姿勢を安定させてレールR上を移動させることができるので、装置本体100aがレールR上を移動した際の軌跡をより正確に取得することが可能になり、取得した装置本体100aの移動の軌跡に基づいて軌道の変位を測定することができる。
そして、このような軌道変位測定装置100を用い、軌道変位測定装置100の装置本体100aをレールRに沿って移動させ、装置本体100aがレールR上を移動した際の軌跡(線形)を取得する作業を繰り返し行うようにすれば、所定の閾値を超えた軌道変位を容易に測定することができる。
特に、この軌道変位測定装置100は、軌道に敷設された2本の平行レールのうち、一方のレールRに沿って移動可能なサイズを有しているので、一人の作業者でも取り扱い易くなっている。そのため、比較的短期間で行われる小規模な工事における軌道変位測定に、この軌道変位測定装置100を好適に用いることができる。
なお、上記実施形態では、軌道変位測定装置100に設けられている表示部40に軌跡のデータを表示したり、軌道変位測定装置100に設けられているブザー(図示省略)を吹鳴させて軌道に変位が生じたことを作業者に報知したりするとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、軌道変位測定装置100が制御部60によって統括制御される通信部を備えており、制御部60が取得した軌跡のデータを、通信部を介した無線通信によって作業者が携帯しているタブレット端末に送信し、そのタブレット端末の表示画面に軌跡のデータを表示するようにしてもよい。そして、タブレット端末において軌道変位が生じたか否かを判定し、軌道に変位が生じたことが判定された際に、タブレット端末のアラームを鳴らして軌道変位が生じたことを作業者に報知するようにしてもよい。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図12に示すように、第2転動輪2がレールRの頭部を挟む配置に対を成して設けられており、レールRの頭部の側面に当接して回転するように取り付けられていてもよい。
また、図13に示すように、第2転動輪2がレールRの腹部を挟む配置に対を成して設けられており、レールRの腹部の側面に当接して回転するように取り付けられていてもよい。
このような構造の装置の場合、対を成す第2転動輪2が互いの距離を広げたり狭めたりする開閉機構を備えている。
開閉機構を操作して対を成す第2転動輪2が互いの距離を広げた状態で第1転動輪1をレールRの上面に当接させた後、開閉機構を操作して対を成す第2転動輪2の互いの距離を狭めて第2転動輪2をレールRの側面に当接させるようにすれば、装置本体100aをレールR上に好適に設置することができる。
また、開閉機構を操作して対を成す第2転動輪2の互いの距離を広げた状態で、レールRの継目部を好適に通過させることもできる。
なお、以上の実施の形態において例示した閾値の値は、あくまで一例であり、軌道に変位が生じたとする判定基準に応じて適宜任意の値に設定することができる。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
1 第1転動輪
2 第2転動輪
10 移動量計測部
11 エンコーダー
11a ローラ
20 慣性計測部
21 ジャイロセンサ
21a 回転台
21b 制御ボックス
21c 回転台固定用レバー
21d 把持部
40 表示部
50 記憶部
60 制御部
100 軌道変位測定装置
100a 装置本体
100b 基台
200 ハンドル
201 ハンドル固定用レバー
202 スタンド
203 スタンド固定用レバー
R レール

Claims (6)

  1. 軌道に敷設された2本の平行レールのうち、一方のレールに沿って移動可能な複数の転動輪が設けられた装置本体と、
    前記装置本体がレール上を移動した際の軌跡を取得する軌跡計測手段と、
    を備えている軌道変位測定装置であって、
    前記転動輪は、前記レールの頭部上面に当接して回転する第1転動輪と、対を成して前記レールを挟んで回転する第2転動輪を有していることを特徴とする軌道変位測定装置。
  2. 前記軌跡計測手段は、
    前記装置本体に配設され、その装置本体が前記レール上を移動した距離を計測する移動量計測部と、
    前記装置本体に配設され、その装置本体が前記レール上を移動した位置毎の慣性を計測する慣性計測部と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の軌道変位測定装置。
  3. 前記第1転動輪は、前記装置本体の中央を挟んで移動方向の前方と後方の2箇所に設けられており、
    前記第2転動輪は、前記装置本体の中央を挟んで移動方向の前方と後方にそれぞれ一対設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の軌道変位測定装置。
  4. 前記第2転動輪は、前記レールの頭部上面と頭部側面との間の肩部に接して回転することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の軌道変位測定装置。
  5. 前記軌跡計測手段によって取得された前記軌跡を表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の軌道変位測定装置。
  6. 前記軌跡計測手段によって取得された前記軌跡のデータを累積して記憶する記憶部と、
    当該軌道変位測定装置によって前記レールの計測を行う度に、新たな計測により得られた軌跡のデータと、前記記憶部に記憶されている軌跡のデータとを比較し、新たな計測により得られた軌跡のデータが、前記記憶部に記憶されている軌跡のデータのうちの少なくとも1つと所定の閾値を超えて乖離した場合に、前記軌道に変位が生じたと判定する制御部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の軌道変位測定装置。
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